JP2005201237A - インタンク式ポンプ及びタンク内壁に部材を支持する構造 - Google Patents

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鈴木  茂
Toshiro Fujii
俊郎 藤井
Masaki Ota
太田  雅樹
Tomoharu Arai
智晴 新井
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
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Abstract

【課題】タンク内にポンプを収容するための収容スペースを減らし、しかも吐出通路の接続作業を容易にできるようにする。
【解決手段】接続フランジ11の下面には電動ポンプ13が引っ張りばね14を介して吊り下げ支持されている。接続フランジ11の下面の中心部には吐出管28が一体に突出形成されている。吐出管28は、モータハウジング15側の接続孔161内に入り込んでおり、吐出通路281内の吐出通路281が接続孔161内に連通している。接続孔161の周面と吐出管28の外周面282との間にはリップシール32が介在されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジメチルエーテル(DME)等の燃料などの流体が蓄えられるタンク内に収容されるインタンク式ポンプと、このような部材をタンク内壁に支持する構造に関する。
従来のインタンク式ポンプとしては、例えば特許文献1,2,3に開示されたものがある。これらの従来のインタンク式ポンプは、タンクの一部となる蓋に吐出用の配管を接続し、ポンプに接続されたゴム製のフレキシブルホースをタンク内で前記配管に接続している。
特開平1−151765号公報 特開平6−288313号公報 特開2002−98018号公報
本発明は、上記インタンク式ポンプにおけるポンプとタンク外部とを接続する新規な構造を提供することを第一の目的とする。
本発明は、インタンク式ポンプをはじめとするポンプのタンク内壁に支持される部材の新規な支持機構を提供することを第二の目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るインタンク式ポンプは、流体を蓄えるタンクと、タンク内に設けられた、タンク内の流体をタンク外部へ圧送するポンプと、タンクとポンプとを接続する防振手段と、タンクの一部となる接続フランジと前記ポンプとの一方に吐出管が配設され、他方に接続孔が設けられ、接続孔内に前記吐出管を入り込ませる流体吐出機構と、接続孔の周面と前記吐出管の外周面との間に設けられたシール部材と、を有する。
つまり、流体を蓄えるタンク内で防振手段を介してポンプを支持し、ポンプによってタンク内の流体を圧送するインタンク式ポンプを対象とし、タンクの一部となる接続フランジとポンプとの一方に吐出管を配設すると共に、他方に接続孔を設け、接続孔内に吐出管を入り込ませると共に、接続孔の周面と吐出管の外周面との間にシール部材を介在したインタンク式ポンプも、上記構成に当然含まれる。
このように、接続孔の周面と吐出管の外周面とのいずれか一方にシール部材を不動配置しておき、この状態で接続孔内に吐出管を入り込ませると、接続孔の周面と吐出管の外周面との間がシール部材によってシールされる。つまり、接続孔内に吐出管を入り込ませる作業を行うだけで、吐出管と接続孔とを接続することができる。しかも、接続フランジにポンプを近接配置することができ、ポンプの収容スペースを低減することができる。
上記シール部材としてはリップシールが好適である。
また、シール部材は、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有し、好ましくはこれらの材料のみ(一種並びに複数種を含む)含有するようにするとよい。
このような材料を用いると、タンク内に蓄える材料として例えばジメチルエーテルを用いた場合などに、十分な耐薬品性を備えたシール部材となるため、シール部材が硬化したり、シール部材の性能(防振性等)が早期に低下したり、膨潤したり、破断したりする、ということを防止できる。
そして、シール部材は弾性を持たせることが好ましい。弾性を備えたシール部材は、タンクとポンプとの間で、一方から他方へ振動が伝達するのを有効に防止できる。
ポンプは、次のように構成してもよい。
○電動モータを駆動源として備えたものとし、電動モータのモータハウジングの端壁に接続孔を設けると共に、接続孔内で電動モータの回転軸の一端部を回転可能に支持し、接続フランジから接続孔に向けて吐出管を突出させると共に、接続孔内に吐出管を入り込ませ、接続孔の周面と前記吐出管の外周面との間にシール部材を介在した構成。
回転軸を回転可能に支持するための孔は、接続孔として兼用できる。このような兼用構成では、新たな接続孔を用意する必要がなくなるので、構造が簡素になる。
○電動モータを駆動源として備え、ポンプハウジングの外部に吐出管を設けると共に、接続フランジに接続孔を設け、吐出管の一端部を前記ポンプハウジングの吐出口に接続し、吐出管の他端部を接続孔に挿入し、接続孔の周面と吐出管の外周面との間にシール部材を介在した構成。
このような構造における電動モータへの電力供給構造は以下のようにするとよい。
○電動モータを駆動源として備えたものとし、接続フランジにはモータ用電源端子を設け、モータ用電源端子とモータのステータコイルとを電気接続する導電部材又はモータ用電源端子を包囲する包囲筒を接続フランジから電動モータのモータハウジングを貫通してモータハウジング内の高圧領域へ突設させ、包囲筒と前記モータハウジングとの間にシール部材を介在した構造。
このような構造とすれば、導電部材やモータ用電源端子の周りでのシール性が確保される。
防振手段は、防振用ゴムと、防振用ゴムが前記流体と接触しないように、流体に対する耐薬品性を備えた材料で防振用ゴムを保護する保護部材とを有する構造とするとよい。
このように構成すれば、防振用ゴムによって、電動モータとタンクとにおいて一方から他方へ振動が伝播することを極めて有効に防止できる。また、防振用ゴムがタンク内の流体によって浸食・変質等されることを極めて有効に阻止できる。
なお、防振用ゴムとしては、電動モータとタンクとの間で一方から他方に伝達される/伝達される可能性のある振動を有効に防止できる弾力性を備えたものが適宜採用され得る。例えば、電動モータの回転数に起因する振動のタンクへの伝播を防止する場合、電動モータの回転数とこれにより生ずる振動の周波数との関係性等を予め調べ、この周波数の振動をタンクへ伝播しない(例えば吸収する、伝えない)弾性体が採用される。
保護部材としては、防振用ゴムの周囲に、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料、好ましくはこれらの材料のみ(一種又は複数種)を用いて成膜されたコーティング層としてもよい。
このように構成すれば、防振用ゴムの防振性能を妨げることなく、かつ、防振用ゴムをタンク内の流体から保護することができる。
例えば、防振用ゴムを備えた防振手段を構成し、防振用ゴムの表面が露出しないように防振用ゴムの表面をポリテトラフルオロエチレンでコーティングした構造等も当然に含まれる。
防振用ゴムの表面が露出しないように防振用ゴムの表面をポリテトラフルオロエチレンでコーティングしてあるので、例えばジメチルエーテルを蓄えるタンク内にポンプを収容した場合にも、防振用ゴムが劣化することはない。
また、保護部材としては、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有するベローズであって、前記ポンプと接続フランジの間に設けられ、その内部に防振用ゴムが収められている構造としてもよい。
このように構成しても、防振用ゴムの防振性能を妨げることなく、かつ、防振用ゴムをタンク内の流体から保護することができる。
また、以上の構成において、一対の接合用端面を備えた防振用ゴムと、ポンプに対向する側の接合用端面に止着された接続金具と、接続フランジに対向する側の接合用端面に止着されたネジ孔形成金具と、接続金具を前記ポンプに締め付け固定するための第1のねじと、ネジ孔形成金具を接続フランジに締め付け固定するために接続フランジを貫通してネジ孔形成金具に螺着される第2のねじとを備えた防振手段を構成し、防振用ゴムの周面にはポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を用いて成膜されたコーティング層を設けるとよい。
このような構成の防振手段は、ポンプと接続フランジとの間に簡単に設けることができるからである。
シール部材は、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料、好ましくはこれらのみ(一種又は複数種)を含有し、弾力性を備えたものであることが好ましい。弾力性とは前記した通りである。
このように構成すれば、ポンプとタンク外部とを接続する吐出経路や電力供給経路等を通じて、ポンプとタンクとの間で一方から他方へ振動が伝達することを極めて有効に防止できる。また、シール部材に、タンクに蓄えられた流体に対する耐薬品性を付与できる。
本発明に係る、タンク内に設けられた部材の、タンク内壁に部材を支持する構造は、タンクと部材とを接続する部材(例えば吐出経路や電力供給経路等)間には、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有する、弾力性を備えたシール部材が介在されている。
そして、上記部材とタンクとの間には、下記(1)〜(3)の少なくとも一つを用いた接続部材/防振部材が介在されて、タンク内壁に部材が支持されている。
(1)両者と接続する防振部材と、防振部材の周囲を覆う、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を用いて成膜されたコーティング層と、を備えた接続部材。
(2)両者と接続する防振部材と、防振部材の周囲を覆う、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有するベローズと、を備えた接続部材。
(3)両者を接続し、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有する防振部材。
このような構造を採用すれば、タンクと部材間における振動の伝播を有効に防止でき、また、タンク内部の流体に起因する防振部材の劣化等を有効に阻止できる。
本発明によれば、インタンク式ポンプにおけるポンプとタンク外部とを接続する新規な構造を提供できる。
また、本発明によれば、インタンク式ポンプをはじめとするポンプのタンク内壁に支持される部材の新規な支持機構を提供することができる。
以下、本実施の形態に係る燃料供給装置を、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、第1の実施形態に係る燃料供給装置(第一の燃料供給装置)について、図1〜図6に基づいて説明する。
〈第一の燃料供給装置〉
(全体構成)
図1は、第一の燃料供給装置の要部断面図であり、(a)はタンク10上部を示し、(b)には(a)の一部を示している。図1(a)に示すように、第一の燃料供給装置は、燃料としてのジメチルエーテル(DME)Fを蓄えたタンク10の内部に、この燃料を外部へ押し出すための電動ポンプ13が吊り下げられている。タンク10の上壁101には、タンク10と電動ポンプ13とを接続するための接続フランジ11がねじ12によって止められている。接続フランジ11は、図1(b)に示すように、タンク10の外壁の一部となり、タンク10に設けられた穴である挿入口102を塞いでいる。
なお、本明細書における「上下」とは、タンク10が使用状況におかれた際の、重力方向のことを意味する。
電動ポンプ13は、接続フランジ11の下面に、複数(図6に示すように、本実施形態では3つ)の引っ張りばね14を介して吊り下げられている。電動ポンプ13は、電動ポンプ13の駆動源となる電動モータM1と、ギヤポンプ部P1とを備える。
電動ポンプ13の構成を以下に説明する。
(電動ポンプ13)
モータハウジング15は、下側(ギヤポンプ部P1が設けられる側)も一部を除いて外部と内部とを仕切っており(有底であり、下端壁151が設けられており)、また、上部(タンクの上壁101側)には開口が設けられている。この開口は一部を除き蓋16が接合されて内部と外部とが仕切られている。下端壁151にはポンプハウジング17が接合されている。
蓋16は、接続孔161内において、回転軸18の一端部181を、ラジアルベアリング19を介して回転可能に支持している。
ポンプハウジング17は、ニードルベアリング20を介して、回転軸18の他端部を回転可能に支持している。
モータハウジング15内において、内周面(側面)にはステータ21が止着されており、回転軸18にはロータ22が止着されている。したがって、ステータ21のステータコイル211を通電することで、ロータ22に回転力が生じ、この回転力によって回転軸18がロータ22と一体的に回転する。つまり、回転軸18、ステータ21及びロータ22は、電動モータM1の駆動系(駆動部、回転部)を構成する。
次に、ギヤポンプ部P1について、図1や図5を用いて説明する。
(ギヤポンプ部P1)
ポンプハウジング17は、モータハウジング15の下端壁151に対向する面側(対向面側)にポンプ室27が形成されている。ポンプ室27には、駆動歯車23と被動歯車24とが噛合した状態で収容されている。駆動歯車23は、回転軸18に固定されている。被動歯車24の支軸241は、モータハウジング15の下端壁151とポンプハウジング17とに、それぞれニードルベアリング25,26を介して回転可能に支持されている。被動歯車24と支軸241とは一体形成されている。
ポンプ室27内の上流通路271は、吸入通路171を介してタンク10の内部と連通している。ポンプ室27内の下流通路272は、吐出通路172を介してモータハウジング15の内部(モータ室152)と連通している。
回転軸18は、図5に示す矢印Rの方向に回転する。回転軸18が回転すると、駆動歯車23が回転軸18と一体的に回転し、被動歯車24が駆動歯車23と噛合しながら図5に示す矢印Qの方向に回転する。駆動歯車23及び被動歯車24が回転すると、タンク10内のジメチルエーテル(流体)Fが吸入通路171を経由して上流通路271へ導入される。上流通路271内に導入された流体Fは、駆動歯車23と被動歯車24との回転に伴ってポンプ室27の周面に沿って下流通路272側へ移行される。下流通路272内へ移行された流体Fは、駆動歯車23と被動歯車24との回転に伴って吐出通路172を経由してモータ室152内へ圧送される。このため、モータ室152は、モータハウジング15の外側(タンク10内)の圧力よりも高圧となる。
このように、回転軸18、駆動歯車23及び被動歯車24は、ギヤポンプ部P1の駆動系(回転部)を構成する。
次に、電動ポンプ13のタンク10へ取り付けられている機構について説明する。
(電動ポンプ13取り付け機構)
電動ポンプ13は、引っ張りばね14によって、タンク10の上壁101に吊り下げられている(支持されている)。
図4に示すように、引っ張りばね14の一端部141は、接続フランジ11に掛け止められている。引っ張りばね14の他端部142は、蓋16の上面(接続フランジ11に対向する面)に形成された凹部164内でねじ43に掛け止められている。
このように、電動ポンプ13は、タンク10(接続フランジ11)に、引っ張りばね14を介して接続しているため、引っ張りばね14は、電動ポンプ13で発生した/発生する可能性のある(以下「発生した」と表記する)振動が接続フランジ11側に伝わるのを抑制する防振手段である。つまり、防振手段は、電動ポンプ13で発生した振動を吸収したり打ち消したりする機能を有する、電動ポンプ13をタンク10に吊り下げて支持するための部材である。
次に、タンク10内部から外部へ流体Fを供給する通路について説明する。
(流体F供給通路)
図1(b)に示すように、接続フランジ11の下面(タンク10内側の面)の中心部には、吐出管28が突出形成されている。吐出管28は、その内側に吐出通路281が設けられている。吐出通路281は、接続フランジ11の下面から上面(タンク10外側の面)へ貫通している。吐出通路281の上面側、すなわち、接続フランジ11の上面の中心部には管継ぎ手29が取り付けられている。管継ぎ手29内の流路291は、吐出管28内の吐出通路281と連通している。図1(a)に示すように、管継ぎ手29には吐出配管30が接続されている。吐出配管30は、噴射ポンプ31に接続されている。
図2に示すように、吐出管28は、接続孔161内に入り込んでおり、吐出通路281がモータハウジング15の蓋16に設けられた接続孔161内に連通している。接続孔161の周面162と吐出管28の外周面282との間にはシール部材としてのリップシール32が介在され、接続孔161から吐出通路281へ至る通路及び連結部がタンク10内部と直接連通しないようにされている。リップシール32は、リング状のケース321と、一対の保持リング322,323と、保持リング322,323間に挟まれたリップリング324とからなる。リップリング324は、吐出管28の外周面282に接している。ケース321は、接続孔161内に嵌入され、接続孔161の周面162にはめ込まれたサークリップ33によって移動不能に位置決めされている。
リップシール32は、タンク10内部に蓄えられた流体(本実施例ではジメチルエーテル)、さらに好ましくはこの流体に混ざっている可能性のある物質、例えば流体製造の原料や前駆体、流体から生成される可能性のある副生成物や分解物、原料等に混じっていたり流体の製造工程で混じる可能性のある不純物等に対する耐薬品性を備えていることが好ましい。また、タンク10内の環境(圧力、温度等)においてシール機能を発揮できる材料が適宜選択される。
本実施形態においては、少なくともリップリング324は、ポリテトラフルオロエチレン製である。また、リップシール32を構成する他の部材も、ポリテトラフルオロエチレンや金属等の材料で適宜形成される。
次いで、流体の、タンク10内からタンク外へ供給される仕組みについて説明する。
前記したようにギヤポンプ部P1からモータ室152内へ送出された流体Fは、図1(b)に示すラジアルベアリング19の外輪191と内輪192との間を通り、次いで接続孔161を経由して吐出通路281へ送られる。吐出通路281内に送られた流体Fは、管継ぎ手29内の流路291を通り吐出配管30に送られる。吐出配管30に送られた流体Fは、図1(a)に示すように、噴射ポンプ31へ送られ、噴射ポンプ31は、送られてきた流体Fをエンジン34へ供給する(噴射する)。吐出管28及び接続孔161は、タンク10内からタンク外へ流体Fを吐出するための流体吐出機構を構成する。
次に、電動モータM1への電力供給機構について説明する。
(電力供給機構)
図1(b)に示すように、接続フランジ11の下面には包囲筒35が突設するように形成されている。包囲筒35の内側には配線孔351が設けられており、配線孔351は接続フランジ11を貫通している。蓋16には挿通孔163が形成されており、包囲筒35が挿通孔163に入り込んでいる。包囲筒35の外周面352と挿通孔163の周面との間にはシール部材としてのリップシール36が介在されている。
図3は、包囲筒35と挿通孔163とが接合された様子を詳細に示した要部断面図である。図3に示すように、リップシール36は、リング状のケース361と、一対の保持リング362,363と、保持リング362,363間に挟まれたリップリング364とからなる。挿通孔163内に嵌入されたケース361は、挿通孔163の周面にはめ込まれたサークリップ37によって移動不能に位置決めされている。リップリング364は、包囲筒35の外周面352に接している。
なお、リップシール36は、リップシール32と同様に、流体等に対する耐薬品性などを備えた材料で作製され、例えば、リップリング364は、ポリテトラフルオロエチレン製のものが用いられる。
図1(b)に示すように、配線孔351は、接続フランジ11の上側(タンク10の外側)に遮断体38が嵌入されている。遮断体38は、端子39,40を貫通した状態で固定し、かつ、タンク10内側と外側とを仕切る底が設けられている(有底筒状体とされている)。また、遮断体38は、配線孔351の周面にはめ込まれたサークリップ42によって移動不能に位置決めされている。つまり、遮断体38は、モータハウジング15の内部とタンク10の外部とを遮断している。
端子39,40の内端部(上記底よりもタンク内側に設けられた端子部)は、導電部材としてのリード線41を介してステータ21のステータコイル211と電気的に接続されている。端子39,40の外端部(上記底よりもタンク外側に設けられた端子部)は、図示しない電源に電気的に接続されている。
前記したように、モータハウジング15(モータ室152)の内部は、モータハウジング15の外部(タンク10の内部)よりも高圧になっている。このため(モータ室152内外の差圧によって)、リップシール32のリップリング324を吐出管28の外周面282に押接すると共に、リップシール36のリップリング364を包囲筒35の外周面352に押接する。したがって、モータハウジング15の内部は、リップシール32,36によって電動ポンプ13の外部(タンク10の内部)から遮断することができるのである。
次に、電動ポンプ13のタンク10への組み付け例について説明する。
(組み付け例)
電動ポンプ13は、タンク10内に収容される前に接続フランジ11に組み付けられる。この組み付けを行う前の状態では、リード線41と端子39,40とは接続されておらず、遮断体38は、接続フランジ11から外されている。この組み付けは以下のように行われる。まず、リード線41を包囲筒35側から配線孔351に通して引き出しておく。リード線41は、配線孔351から十分に引き出せる程度の長さにしてある。この状態でリップシール32に吐出管28を嵌入すると共に、リップシール36に包囲筒35を嵌入する。リップシール32に吐出管28を嵌入すると共に、リップシール36に包囲筒35を嵌入した状態では、引っ張りばね14の他端部142が凹部164内に入り込む。次に、凹部164を横断するようにねじ43をねじ孔165にねじ込む。
次いで、配線孔351から引き出してあるリード線41を端子39,40にハンダ付けする。その後、遮断体38を配線孔351に嵌入し、サークリップ42で止める。遮断体38を配線孔351に嵌入して止めた状態では、モータ室152内の高圧の流体Fが配線孔351からタンク10外へ洩れることはない。
以上のようにして接続フランジ11に組み付けられた電動ポンプ13は、タンク10の挿入口102からタンク10内に入れられ、電動ポンプ13を組み付けられた接続フランジ11は、ねじ12によってタンク10の上壁101に締め付け固定される。
第一の燃料供給装置は以下の効果を奏する。
(効果1−1)電動ポンプ13内から外への流体(燃料)Fの洩れ防止効果
[効果1−1−1]モータ室152内に取り込まれた流体Fがタンク10内部(電動ポンプ13を除く、以下適宜同様)に洩れることを防止できる。
吐出管28と接続孔161とが接続され、また、包囲筒35と挿通孔163とが接続されてモータ室152・ギヤポンプP1と吐出配管30と連通するが、接続孔161の周面162と吐出管28の外周面282との間と、挿通孔163の周面と包囲筒35の外周面352との間とは、それぞれリップシール32、36によってシールされているからである。また、前記したように差圧をすることでシール性をより一層確保している。
したがって、モータ室152内の高圧の流体Fが接続孔161を経由してタンク10内に洩れることはない。また、モータ室152内の高圧の流体Fが挿通孔163を経由してタンク10内に洩れることはない。
[効果1−1−2]電動ポンプ13内と吐出配管30との連通(流体Fの供給通路形成)が容易である。
上記流体Fの供給通路の形成は、吐出管28と接続孔161とを接続し、また、包囲筒35と挿通孔163とを接続するだけでよいからである。これらの構成要素同士の接続作業は、接続孔161内に吐出管28を入り込ませるという作業と、挿通孔163内に包囲筒35を入り込ませるという作業だけで達成できる。
[効果1−1−3]電動ポンプ13用の電力供給経路から流体Fが洩れ出ることを有効に防止できる。
リード線(モータ用電源端子としての端子39,40とステータ21とを電気接続する線)41を包囲する包囲筒35と蓋16との間にリップシール36を介在しているからである。この構成を採用しているため、電動ポンプ13への電力供給系から流体Fが洩れだしたり、外部から物質が進入したりすることを極めて有効に阻止できる。
(効果1−2)電動ポンプ13とタンク10との間で振動の伝達を極めて有効に防止できる効果。
[効果1−2−1]電動ポンプ13内とタンク10外部とを連通する通路を通して振動がタンク10等に伝達される可能性が極めて低い/伝達されない。
リップシール32,36は、リップリング324,364を用いているため、電動ポンプ13で発生した振動が接続フランジ11側に伝達するのを防止するからである。
また、本実施の形態に係るリップリング324,364は、ポロテトラフルオロエチレン製であるため、流体Fに対する耐薬品性を備えている。これによって、リップリング324,364の硬化、膨潤による破断といったような問題を生じず(又は極めて生じにくく)、リップリング324,364の防振性が低下することはない(又は極めて低下しにくい)。
[効果1−2−2]電動ポンプ13からタンク10等に振動が伝達される可能性が極めて低い/伝達されない。
上記効果1−2−1欄に記載した通り、流体Fの供給経路を介しての振動の伝達はほとんどない、若しくは全くないが、その他の部分を介しても伝達の可能性は極めて低い、又は全くない。これは、モータハウジング(蓋16)とタンク10(接続フランジ)とが引っ張りばね14を介して接続されていることに起因する。引っ張りばね14によって電動ポンプ13の振動をタンク10に伝達しない仕組みについては前記した通りである。
このように本欄記載の効果及び上記効果1−2−1欄に記載の効果によって、電動ポンプ13の振動がタンク10に伝達されることはない/極めて少ない。これにより、例えばこの振動とタンク10とが共振して騒音等を発生させたり、タンク10等の構成部材に衝撃を与えたりすることを有効に防止できる。
[効果1−2−3]タンク10の振動が電動ポンプ13に伝達されることも有効に防止できる。
上記効果1−2−1欄及び効果1−2−2欄に記載した構造は、換言すれば、タンク10等、電動ポンプ13外部の振動を電動ポンプ13に伝えることも有効に防止する。これにより、例えば接続フランジ11と電動ポンプ13との接続部に、タンク10外部からの振動が伝えられて、両者が離れてしまうといったことも防止できる。
(効果1−3)構造簡単化や製造容易化、小型化等の効果。
[効果1−3−1]一つの構造によって回転軸18の支持機構と流体(燃料)Fの吐出配管30への吐出機構とを実現できる。
接続孔161は、回転軸18を回転可能に支持するための孔でもある。換言すると、回転軸18を回転可能に支持するための孔(接続孔161)は、モータハウジング15の内部(モータ室152)と吐出管28の吐出通路281とを連通させるための接続孔として兼用できる。このような兼用構成にすれば、それぞれの機構において別個の構造を用意する必要がなくなる。したがって、構造が簡素にできたり、製造を容易にできたりする。
[効果1−3−2]電動ポンプ13並びにそのタンク10への取り付け部材の体積を、同等の性能を有する電動ポンプ13等よりも小さくできる。
例えば特許文献1,2,3に開示されるようなフレキシブルホースで接続フランジ11側の吐出通路と電動ポンプ13側の吐出通路(本実施形態ではモータ室152)とを接続する構成ではないため、このような構成のものと比較すると、フレキシブルチューブを用いた接続構造の分、電動ポンプ13等の体積を小さくすることができる。これによりタンク10内における電動ポンプ13の収容スペースの割合を、従来よりも小さくすることができる。
[効果1−3−3]電動ポンプ13をタンク10(接続フランジ11)へ取り付ける作業の簡単化が可能である。
本実施形態では、電動ポンプ13側の蓋16に設けた凹部164に引っ張りばね14の他端部142を入れた後に、ねじ43を蓋16のねじ孔165にねじ込むだけで、電動ポンプ13側に引っ張りばね14を繋ぐことができる。また、流体Fの外部への供給経路や、電力供給経路も、前記したように孔と管とを接続するといった作業で形成することができる。
このように、第一の燃料供給装置は、以上のような構造を採用しているため、従来の装置と比べて構造を簡単にすることができたり、製造や組立を容易にすることができたり、小型化することができたりする。
次に、第2の実施形態に係る燃料供給装置(第二の燃料供給装置)を、図7及び図8を参照しながら説明する。なお、図7や図8において、第一の燃料供給装置と同一若しくは同等の構成要素については、図1〜図6と同一の符号を付し、説明を省略する。当然、第二の燃料供給装置は、第一の燃料供給装置がこれらの構成要素によって奏する作用や効果を奏する。
以下、第一の燃料供給装置との相違点を中心に説明する。
〈第二の燃料供給装置〉
図7に示すように、第二の燃料供給装置は、タンク10の一部を構成する接続フランジ11Aに電動ポンプ13Aが組み付けられている。電動ポンプ13Aは、電動モータM2とピストンポンプ部P2と、ギヤポンプ部P3とを備える。まず、ピストンポンプ部P2の構成を説明する。
(ピストンポンプ部P2)
ポンプハウジング45は、電動モータM2を構成するモータハウジング44の下部に接合されている。ポンプハウジング45の下部には補助ポンプハウジング46が接合されている。補助ポンプハウジング46の下部にはエンドプレート62が接合されている。
シリンダブロック51の補助ポンプハウジング46側(下側)にはバルブプレート61が介在され、ポンプハウジング45内と補助ポンプハウジング46とを仕切っている。
回転軸47は、ポンプハウジング45内の電動ポンプ13A側(上側)に収容されて固定されたカム体53を貫通し、さらに補助ポンプハウジング46を貫通している。
回転軸47の上端部は、ラジアルベアリング49を介してモータハウジング44の端壁441に回転可能に支持されている。回転軸47の下端部は、ニードルベアリング50を介して補助ポンプハウジング46に回転可能に支持されている。
ポンプハウジング45内における補助ポンプハウジング46側(下側)には、回転軸47と一体的に回転するシリンダブロック51が設けられている。シリンダブロック51は、複数のシリンダボア511が設けられており、各シリンダボア511にはそれぞれピストン52が収容されている。ピストン52は、その上側に球面継ぎ手521が一体的に形成されており、球面継ぎ手521を介してシュー54と連結している。シュー54は、リテーナ55に係り留めされ、リテーナ55の(径)中心部(内側)は、回転軸47を包囲するリング形状のピボット56が配設されている。
シリンダブロック51の中心部(回転軸47周り)には収容室512が形成されており、収容室512には圧縮ばね57が収容されている。圧縮ばね57は、下記の構成により、シュー54(リテーナ55)をカム体53のカム面531に押し付け、また、シリンダブロック51をバルブプレート61に押し付けている。
圧縮ばね57の一端(上側)は、ばね受け58と接している。そして、ばね受け58、ピン59及びピボット56を介して、圧縮ばね57による付勢力がリテーナ55、さらにはシュー54伝えられる。その結果、各シュー54は、カム面531に押接される。
圧縮ばね57の他端(下側)は、ばね受け60と接している。そして、圧縮ばね57は、ばね受け60を介してシリンダブロック51をバルブプレート61に押し付けている。
(ギアポンプ部P3)
ギヤポンプ部P3は、与圧用であり、第1の実施形態におけるギヤポンプ部P1と同等の構成である。具体的には、ギヤポンプ部P3の内部(駆動系)は、回転軸47、駆動歯車23及び被動歯車24で構成されている。
次に、電動ポンプ13Aによるタンク10内部から流体Fを吸入して、吐出配管30へ吐出する動作(ポンピング動作)について説明する。
(ポンピング動作)
電動ポンプ13Aは、電動モータM2が通電されると、第一の燃料供給装置と同様に回転軸47が回転する。
ギヤポンプ部P3は、回転軸47が回転すると、第一の燃料供給装置と同様に、タンク10内の流体F(ジメチルエーテル)を吸入する。そして、吐出通路461を経由してバルブプレート61の吸入ポート611へ圧送する。
ピストンポンプ部P2においては、シリンダブロック51は、回転軸47と一体的に回転するため、各シリンダボア511がそれぞれバルブプレート61の吸入ポート611(図8参照)と吐出ポート612(図8参照)とに交互に連通する。
また、シリンダブロック51が回転すると、シリンダブロック51内に収められたピストン52が回転軸47を中心に回転する。この際、シュー54は、シリンダブロック51内に固定されているカム体53のカム面531を、回転軸47の回転方向へ摺動する。そのため、図7に示す例では、ピストン52は、回転軸47が1回転すると、シリンダボア511内を回転軸47の軸方向と略平行な方向へ1回往復動する。このように、回転軸47やシリンダボア511の回転運動は、シュー54やリテーナ55、カム体53を介して、ピストン52によるシリンダボア511内の往復運動に変換される。
吸入ポート611へ送られた流体Fは、シリンダボア511が吸入ポート611に連通しているときにシリンダボア511へ吸入される。シリンダボア511内に吸入された流体Fは、シリンダボア511が吐出ポート612に連通しているときに、吐出ポート612から補助ポンプハウジング46内の吐出通路462へ吐出される。これらの動作は、ピストン52による吸入行程及び吐出行程とリンクするようにされている。つまり、カム体53(カム面531)及びバルブプレート61は、各シリンダボア511が、ピストン52の吸入行程においては吸入ポート611と連通し、吐出行程においては吐出ポート612と連通するように、相対的な位置関係が定められている。
吐出通路462は、管継ぎ手63が接続されており、管継ぎ手63には金属製の吐出管64が接続されている。吐出管64は、回転軸47と平行な状態に配設されている。すなわち、吐出通路462は、ポンプハウジングの吐出口となる。そして、接続フランジ11Aに設けられた、第一の燃料供給装置と同等の構造の管継ぎ手29等を介して、吐出配管30〔図1(a)参照〕へ流体Fを吐出する。接続孔としての吐出通路111及び吐出管64は、タンク10内からタンク外へ流体Fを吐出するための流体吐出機構を構成する。
次に、電動ポンプ13Aの防振構造について説明する。
(防振構造)
電動ポンプ13Aは、回転軸47の軸線の周りに配列された複数の防振材65(図7では1つのみ図示)を介して接続フランジ11Aから吊り下げられている。防振材65は、ポリテトラフルオロエチレン製であり、モータハウジング44の端壁441と接続フランジ11Aとにそれぞれ接着されている。
このように、モータハウジング44と接続フランジ11Aとが防振材65を介して接続されているため、両者間で振動が他方に伝達されるのを有効に防止する。
なお、第一の燃料供給装置と同様に、電動モータM2のリード線41は、端壁441の挿通孔442を通って端子39,40に接続されている。
また、吐出管64は、接続フランジ11A側の吐出通路111に入り込んでおり、吐出管64の外周面641と吐出通路111の周面112との間にはリップシール66が介在されている。リップシール66は、サークリップ67によって接続孔としての吐出通路111内に止められている。リップシール66は、第一の燃料供給装置におけるリップシール32,36と同一・類似の構成であり、リップシール66のリップリング661は、ポリテトラフルオロエチレン製である。
したがって、第一の燃料供給装置と同様に、電力供給経路や流体F供給通路を介してモータハウジング44と接続フランジ11Aとの間で、一方で発生した振動が他方に伝達されるのを有効に防止されている。次に、第二の燃料供給装置の組み付け例について説明する。
(組み付け例)
まず、防振材65の一面(一方の面)を電動モータM2又は接続フランジ11Aに接着しておき、防振材65の他面に接着剤を塗布しておく。そして、リード線41を配線孔351に通して引き出しておく。この状態でリップシール66に吐出管64を嵌入する。リップシール66に吐出管64を嵌入した状態では、防振材65が電動モータM2と接続フランジ11Aとの両方に接着された状態となる。
次に、配線孔351から引き出してあるリード線41を端子39,40にハンダ付けする。その後、遮断体38を配線孔351に嵌入し、サークリップ42で止める。
なお、遮断体38を配線孔351内に止めておき、この状態でリード線41と端子39,40とを接続した後に、接続フランジ11Aと電動ポンプ13Aとを接近させて、防振材65を接続フランジ11Aに接着させるという組み付け手順等、第二の燃料供給装置を実質的に組立可能な方法であれば適宜採用することができる。
第二の燃料供給装置は、上記した構成・作用を備えているために、第一の燃料供給装置と同等・類似の作用・効果を奏する。
次に、第3の実施形態に係る燃料供給装置(第三の燃料供給装置)を、図9を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、第一の燃料供給装置や第二の燃料供給装置と同等・類似の構成要素については、上記実施形態と形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
〈第三の燃料供給装置〉
図9に示すように、第三の燃料供給装置は、電動ポンプ13Bにおける回転軸47内に吐出通路471が設けられている。
この構成を採用するために、回転軸47は、上端部がリップシール66に嵌入されている。リップシール66のリップリング661は、回転軸47の外周面472に接触している。
また、回転軸47は、下端部が、エンドプレート62との間にリップシール68が介在されている。リップシール68は、リップシール66と同じ構成である。リップシール68のリップリング681は、回転軸47の外周面473に摺接する。
回転軸47内の吐出通路471は、吐出通路69を介して吐出ポート612に連通している。
第三の燃料供給装置は、以上の構成を備えているため、シリンダボア511から吐出ポート612に吐出された流体F(ジメチルエーテル)を、吐出管としての回転軸47の内部の吐出通路471及び吐出通路111を経由して、吐出配管30〔図1(a)参照〕へ吐出する。
このように、第三の燃料供給装置は、流体Fの吐出経路の一部と回転軸47とを一体化している(回転軸47に中空部を設けて吐出通路471としている)ために、回転軸47とは別個に、電動ポンプ13Bからタンク10外部へ至る吐出経路を設ける必要がなくなり、例えば電動ポンプ13Bの体格を小型化することも可能となる。
当然、第一〜第二の燃料供給装置と同等の作用・効果も奏する。
次に、第4の実施形態に係る燃料供給装置(第四の燃料供給装置)を、図10及び図11を用いて詳細に説明する。なお、図10及び図11において、図1〜図9と同等・類似の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
〈第四の燃料供給装置〉
第四の燃料供給装置は、図10(a)に示すように、電動ポンプ13の蓋16と接続フランジ11との間に、防振用ゴム70を備えた防振手段71が介在されている。図10(b)に示すように、防振手段71は、防振用ゴム70と、接続金具72と、ネジ孔形成金具73と、接続金具72を蓋16に締め付け固定するための一対の第1のねじ74と、ネジ孔形成金具73を接続フランジ11に締め付け固定するための第2のねじ75とを備えている。接続金具72は、防振用ゴム70の接合用端面(電動ポンプ13に対向する側)701に接合(止着)されている。
ネジ孔形成金具73は、ネジ孔を有するナット部731と、ナット部731に結合された接合用平板部732とを有する。ナット部731は、防振用ゴム70内に埋設されており、接合用平板部732は、防振用ゴム70の接合用端面(接続フランジ11に対向する側)702に止着されている。
接続金具72は、蓋16にねじ込まれた第1のねじ74によって蓋16の上面に締め付け固定されている。ネジ孔形成金具73は、接続フランジ11に貫設された挿通孔113を通してナット部731に螺合された第2のねじ75によって接続フランジ11の下面に締め付け固定されている。
このように、防振手段71は、接続金具72を介して蓋16に止着されていると共に、ネジ孔形成金具73を介して接続フランジ11に止着されている。
図11(a)に示すように、防振手段71は、吐出管28の周りに複数(本実施形態では3つ)設けられている。接続フランジ11に止着された防振手段71は、電動ポンプ13を吊り下げ支持する。
図10(b)及び図11(b)に示すように、防振用ゴム70の表面(本実施形態では周面703)、接続金具72の表面及びネジ孔形成金具73の表面にはポリテトラフルオロエチレンのコーティング層76が設けられている。防振用ゴム70は、その表面が露出しないようにコーティング層76によって被覆されている。コーティング層76は、防振用ゴム70と流体Fとを接触させない保護部材である。
第四の燃料供給装置は、上記した防振手段71を備えているため、第一〜第三の燃料供給装置で奏する作用・効果に加え、さらに以下のような作用・効果を奏する。
(効果4−1:防振用ゴム70の劣化を防止できる)
接続金具72及びネジ孔形成金具73によって被覆されていない防振用ゴム70の表面(周面703)は、ポリテトラフルオロエチレンのコーティング層76で被覆されている。つまり、防振用ゴム70の表面には液化ガス燃料(例えばジメチルエーテル)が接触することはない。
したがって、タンク10内において防振手段71を介して電動ポンプ13を吊り下げ収容しても、防振用ゴムが流体Fと接触してしまったり、浸食されてしまったりすることを防止できる。
第四の燃料供給装置は、以上の構成を備え、上記効果を奏するため、タンク10の形状や大きさ、電動ポンプ13の種類や回転数等、振動の原因となる要素に応じて適切な(振動の伝播を有効に防止できる)材質や構造のゴムを選択できる。つまり、第一〜第三の燃料供給装置よりもさらに優れた防振性を付与することが可能となる。
(効果4−2)防振手段71の電動ポンプ13並びに接続フランジ11への取り付け/取り外しが容易である。
防振手段71は、第1のねじ74の締め付けによって接続金具72を蓋16に固定した後、挿通孔113に第1のねじ74を通してネジ孔形成金具73のナット部731にねじ込むことによって、蓋16と接続フランジ11とに止着できるからである。つまり、接続金具72及びネジ孔形成金具73を防振用ゴム70に結合した防振手段71は、電動ポンプ13と接続フランジ11との間に簡単に設けることができる。
また、電動ポンプ13と接続フランジ11とは、接続金具72等の部品が機械的に(物理的に)接続しているため、両者を化学的に(例えば接着剤等によって)接続した場合と比べて両者を分離することが容易となる。したがって、第四の燃料供給装置のメンテナンスをより容易なものにすることなども可能となる。
次に、第5の実施形態に係る燃料供給装置(第五の燃料供給装置)を、図12を参照しながら詳細に説明する。なお、第一〜第四(特に第二)の燃料供給装置と同等・類似の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
〈第五の燃料供給装置〉
図12(a)に示すように、第五の燃料供給装置は、電動ポンプ13Aの端壁441と接続フランジ11Aとの間に、円筒形状の防振用ゴム77を備えた防振手段78が介在されている。
図12(b)に示すように、防振手段78は、防振用ゴム77と、接続金具79と、ネジ孔形成金具80と、第1のねじ81と、第2のねじ75とを有している。
接続金具79は、防振用ゴム77の一方の接合用端面771に接合して止着されている。第1のねじ81は、接続金具79を端壁441に締め付け固定するためのねじである。第2のねじ75は、ネジ孔形成金具80を接続フランジ11Aに締め付け固定するためのねじである。
ネジ孔形成金具80は、ネジ孔を有するナット部801と、ナット部801に結合された接合用平板部802とを備える。ナット部801は、防振用ゴム77の筒内面773に嵌入されており、接合用平板部802は、防振用ゴム77の他方の接合用端面772に止着されている。つまり、ネジ孔形成金具80は、接続フランジ11Aに貫設された挿通孔113を通してナット部801に螺合された第2のねじ75によって接続フランジ11Aの下面に締め付け固定されている。
ネジ孔形成金具80のナット部801のねじ孔径及び防振用ゴム77の内径は、第1のねじ81の頭部の径よりも大きくしてある。したがって、第1のねじ81は、ナット部801及び防振用ゴム77の筒内を通して端壁441にねじ込み可能である。
このように、防振手段78は、接続金具79を介して端壁441に止着されていると共に、ネジ孔形成金具80を介して接続フランジ11Aに止着されている。
図12(b)に示すように、防振手段78は、防振用ゴム77の外周面774、防振用ゴム77の筒内面773、接続金具79の表面及びネジ孔形成金具80の表面にポリテトラフルオロエチレンのコーティング層82が設けられている。つまり、コーティング層82は、防振用ゴム77の表面が露出しないように(タンク10内の流体Fと触れないように)している。
防振手段78は、第1のねじ81の締め付けによって接続金具79を端壁441に固定した後、挿通孔113に第2のねじ75を通してネジ孔形成金具80のナット部801にねじ込むことによって、端壁441と接続フランジ11Aとに止着できる。つまり、接続金具79及びネジ孔形成金具80を防振用ゴム77に結合した防振手段78は、電動ポンプ13Aと接続フランジ11Aとの間に簡単に設けることができる。
第五の燃料供給装置は、以上のような構成を備えているため、第一〜第四の燃料供給装置と同等の作用・効果を奏する。
次に、第六の実施形態に係る燃料供給装置(第六の燃料供給装置)を、図13を参照しながら詳細に説明する。なお、第一〜第五の燃料供給装置と同等又は類似の構成要素については、上記したのと同一の符号を付し、その説明を省略している。
〈第六の燃料供給装置〉
第六の燃料供給装置は、防振手段83が採用されている。防振手段83は、円筒形状の防振用ゴム84と、円筒形状の接続金具85と、ネジ孔形成金具86と、複数の第1のねじ87と、第2のねじ75とを有している。
第2のねじ75は、ネジ孔形成金具86に螺合されるねじである。
第1のねじ87は、接続金具85を蓋16に締め付け固定するためのねじである。
防振用ゴム84は、円筒形状の接続金具85の筒内に嵌入されており、表面にはポリテトラフルオロエチレンのコーティング層88が設けられている。つまり、コーティング層88は、防振用ゴム84の表面が露出しないように被覆している。
接続金具85の環状平板部851は、防振用ゴム84の一方の端面841に接合している。接続金具85のフランジ852は、蓋16にねじ込まれた第1のねじ87によって蓋16の上面に締め付け固定されている。
ネジ孔形成金具86は、ネジ孔を有するナット部861と、ナット部861に連結されたフランジ862とからなる。ナット部861は、防振用ゴム84の筒内に嵌入されており、第2のねじ75が螺合されている。フランジ862は、防振用ゴム84の他方の端面842に接合している。
第六の燃料供給装置は、以上の構成を備えているため、第一〜第五の燃料供給装置と同等・類似の作用並びに効果を奏する。
次に、第七の実施形態に係る燃料供給装置(第七の燃料供給装置)を、図14を参照しながら詳細に説明する。なお、第一〜第六の燃料供給装置と同等又は類似の構成要素については、上記したのと同一の符号を付し、その説明を省略している。
〈第七の燃料供給装置〉
第七の燃料供給装置は、防振手段89を備えている。
防振手段89は、環状の防振用ゴム90と、リング状の押さえ金具91と、防振用ゴム90及び押さえ金具91を電動ポンプ13に止着するための複数のねじ92とを備える。
防振用ゴム90のフランジ901は、タンク10の上壁101に設けられた挿入口102を形成する入口形成リング93と、接続フランジ11との間に挟み込まれている。防振用ゴム90の表面にはポリテトラフルオロエチレンのコーティング層94が設けられている。つまり、コーティング層94は、防振用ゴム90の表面が露出しないように被覆している。
第七の燃料供給装置は、以上の構成を採用しているために、第一〜第六の燃料供給装置と同等・類似の作用・効果を奏する。
次に、第八の実施形態に係る燃料供給装置(第八の燃料供給装置)を、図15を参照しながら詳細に説明する。なお、第一〜第七の燃料供給装置と同等又は類似の構成要素については、上記したのと同一の符号を付し、その説明を省略している。
〈第八の燃料供給装置〉
第八の燃料供給装置は、防振手段が次のように構成されている。
入口形成リング93に環状の掛け止め部931が形成され、電動ポンプ13のモータハウジング15のフランジ153と掛け止め部931との間には環状の防振用ゴム95が介在されている。防振用ゴム95は、掛け止め部931上に載置されている。フランジ153は、防振用ゴム95上に載置されている。なお、防振用ゴム95は、電動ポンプ13と接続フランジ11との間の振動の伝達を防止・抑制する。防振用ゴム95の表面は、ポリテトラフルオロエチレンのコーティング層96が設けられている。つまり、コーティング層96は、防振用ゴム95の表面が露出しないように被覆する層である。
第八の燃料供給装置は、以上の構成を備えているために、第一〜第七の燃料供給装置と同等・類似の作用・効果を奏する。
次に、第九の実施形態に係る燃料供給装置(第九の燃料供給装置)を、図16を参照しながら詳細に説明する。なお、第一〜第八の燃料供給装置と同等又は類似の構成要素については、上記したのと同一の符号を付し、その説明を省略している。
〈第九の燃料供給装置〉
第九の燃料供給装置は、防振手段がねじ74、接続金具72、防振用ゴム48、ボルト97及び座金98で構成されている。
防振用ゴム48は、ボルト97の頭部971及びリング状の座金98が埋め込まれている。
ボルト97のねじ部は、接続フランジ11の挿通孔113を貫通して外部に突出しており、ボルト97の突出部にはナット99が螺着されている。
接続金具72の表面及び防振用ゴム48の表面にはポリテトラフルオロエチレンのコーティング層100が設けられている。つまり、コーティング層100は、防振用ゴム48の表面が露出しないように被覆する。
第九の燃料供給装置は、以上の構成を備えているために、第一〜第八の燃料供給装置と同等・類似の作用・効果を奏する。
次に、第十の実施形態に係る燃料供給装置(第十の燃料供給装置)を、図17(a),(b)を参照しながら詳細に説明する。なお、第一〜第九の燃料供給装置と同等又は類似の構成要素については、上記したのと同一の符号を付し、その説明を省略している。
〈第十の燃料供給装置〉
第十の燃料供給装置は、第一の燃料供給装置におけるリップシール32の代わりに防振手段103が用いられており、リップシール36の代わりに防振手段104が用いられている。まず、防振手段103について説明する。
(防振手段103)
防振手段103は、リング状の防振用ゴム105と、リング状の接続金具106と、リング状のネジ孔形成金具107と、複数の第1のねじ74と、複数の第2のねじ75とからなる。
第1のねじ74は、接続金具106を蓋16に締め付け固定するためのねじである。
第2のねじ75は、ネジ孔形成金具107を接続フランジ11に締め付け固定するためのねじである。
防振用ゴム105は、リング内に吐出管28が嵌入されている。防振用ゴム105には環状のシール部1053が形成されている。シール部1053は、モータハウジング15内の圧力と、タンク10内の圧力との圧力差によって、吐出管28の外周面282に押接されており、シール部1053の内周面は、吐出管28の外周面282に密接している。
接続金具106は、防振用ゴム105の一方の接合用端面1051に接合して止着されている。そして、蓋16にねじ込まれた第1のねじ74によって蓋16の上面に締め付け固定されている。
ネジ孔形成金具107は、環状の接合用平板部1072と、ネジ孔を有する複数のナット部1071とからなる。環状の接合用平板部1072は、吐出管28を包囲しており、複数のナット部1071は、吐出管28の周りに配設されている。ナット部1071は、防振用ゴム105内に埋設されており、接合用平板部1072は、防振用ゴム105の他方の接合用端面1052に止着されている。つまり、ネジ孔形成金具107は、接続フランジ11に貫設された挿通孔113を通してナット部1071に螺合された第2のねじ75によって接続フランジ11の下面に締め付け固定されている。
防振用ゴム105、接続金具106及びネジ孔形成金具107の各表面にはポリテトラフルオロエチレンのコーティング層108が設けられている。つまり、防振用ゴム105は、その表面が露出しないようにコーティング層108によって被覆されている。
次に防振手段104について説明する。
(防振手段104)
防振手段104は、防振用ゴム105の内径の違いを除いて、防振手段103と同じ構成であるので、防振手段103と同じ構成部には同一の符号を付してある。
防振手段104におけるシール部1053は、モータハウジング15内の圧力と、タンク10内の圧力との圧力差によって、包囲筒35の外周面352に押接されており、防振手段104におけるシール部1053の内周面は、包囲筒35の外周面352に密接している。
次に、防振手段103並びに104の組み付け例を説明する。
(組み付け例)
まず、第1のねじ74の締め付けによって接続金具106を蓋16に固定する。次に、防振手段103の防振用ゴム105に吐出管28を嵌入すると共に、防振手段104の防振用ゴム105に包囲筒35を嵌入する。そして、挿通孔113に第2のねじ75を通して防振手段103,104のネジ孔形成金具107のナット部1071にねじ込むことによって、蓋16と接続フランジ11とに防振手段103,104を止着することができる。
このように、第十の燃料供給装置は、防振手段103,104が第一の燃料供給装置におけるリップシール32,36を兼用する。このような構成を備えているため、第一〜第九の燃料供給装置と同等・類似の作用・効果を奏する。
次に、第十一の実施形態に係る燃料供給装置(第十一の燃料供給装置)を、図18を参照しながら詳細に説明する。なお、第一〜第十(特に第四)の燃料供給装置と同等又は類似の構成要素については、上記したのと同一の符号を付し、その詳細な説明を省略している。
〈第十一の燃料供給装置〉
第十一の燃料供給装置は、蓋16と接続フランジ11との間に、防振用ゴム70を備えた防振手段71Aが介在されている。防振手段71Aは、防振用ゴム70と、接続金具72と、ネジ孔形成金具73と、一対の第1のねじ74と、第2のねじ75と、ネジ孔形成金具73の接合用平板部732と接続金具72とに止着(接続)されたベローズ109とを備えている。ベローズ109は、防振用ゴム70の周面703を包囲しており、防振用ゴム70は、周面703が露出しないようにベローズ109によって被覆されている。ベローズ109は、防振用ゴム70と流体Fとを接触させない保護部材である。
第十一の燃料供給装置は、防振手段71Aを備えているため、第一〜第十の燃料供給装置で奏する作用・効果に加え、さらに以下のような作用・効果を奏する。
(効果11−1:防振用ゴム70の劣化を防止できる)
防振用ゴム70の接合用端面701は、接続金具72によって被覆されており、防振用ゴム70の接合用端面702は、ネジ孔形成金具73によって被覆されている。そして、防振用ゴム70の周面703は、ベローズ109によって被覆されている。つまり、防振用ゴム70の表面には液化ガス燃料(例えばジメチルエーテル)が接触することはない。
したがって、タンク10内において防振手段71Aを介して電動ポンプ13〔図1(a)参照〕を吊り下げ収容しても、防振用ゴム70が流体Fと接触してしまったり、浸食されてしまったりすることを防止できる。
防振用ゴム70を流体Fから防止する(保護する)ベローズ109は、金属やポリテトラフルオロエチレンを用いて構成することができる。
(効果11−2)防振用ゴム70を流体Fから保護するベローズ109は、電動ポンプ13とタンク10との間で振動の伝達を防止する上でも好適な部材である。
(効果11−3)第四の実施形態の場合と同様に、防振手段71Aの電動ポンプ13並びに接続フランジ11への取り付け/取り外しが容易である。
次に、第十二の実施形態に係る燃料供給装置(第十二の燃料供給装置)を、図19を参照しながら詳細に説明する。なお、第一〜第十一(特に第五)の燃料供給装置と同等又は類似の構成要素については、上記したのと同一の符号を付し、その詳細な説明を省略している。
第十二の燃料供給装置は、蓋16と接続フランジ11との間に、円筒形状の防振用ゴム77を備えた防振手段78Aが介在されている。
防振手段78Aは、防振用ゴム77と、接続金具79と、ネジ孔形成金具80と、第1のねじ81と、第2のねじ75と、ネジ孔形成金具80の接合用平板部802と接続金具79とに止着(接続)されたベローズ109を有している。ベローズ109は、防振用ゴム77の外周面774を包囲しており、防振用ゴム77は、外周面774が露出しないようにベローズ109によって被覆されている。
第十二の燃料供給装置は、防振手段78Aを備えているため、第十一の燃料供給装置で奏する作用・効果と同等の作用・効果を奏する。
上記第一〜第十二の燃料供給装置は、本発明の一実施形態を示したものにすぎず、本発明の範囲内において適宜変形することもできる。例えば、他の実施形態で採用されている構造を、矛盾が生じない範囲内において適宜採用/置換することもできる。
また、次のように変形することも当然に可能であり、各変形例を、互いが矛盾しない範囲内において適宜組み合わせて実施することも可能である。
(1)第1〜第3の実施形態におけるリップシール32,36,66,68のリップリングの材質として、ゴムを一部又は全部に用いてもよい。
(2)第1及び第2の実施形態におけるリップシール32,36,66の代わりに、オーリング形状のシール部材を用いてもよい。
(3)タンクの底に防振手段を介してポンプを載置してもよい。
(4)第1〜第3の実施形態におけるタンク10に配管を介してサブタンクを繋ぎ、このサブタンク内にポンプを収容した装置に本発明を適用してもよい。
(5)第1の実施形態において、電動ポンプを横向きにしてタンク10内に収容してもよい。この場合、モータハウジング15の周壁に接続孔及び挿通孔を設ければよい。
(6)第2の実施形態において、電動ポンプを横向きにしてタンク10内に収容してもよい。
(7)弾性のある吊りベルトによって接続フランジから電動ポンプを吊り下げてもよい。吊りベルトがゴム製である場合には、吊りベルトの表面をポリテトラフルオロエチレンのコーティング層で被覆するのが望ましい。
(8)発電と共に発生する排熱を例えば水(流体)の加熱に利用するようなコジェネレーション(自家発電システム)に用いるポンプに本発明を適用してもよい。
(9)第2の実施形態において、接着剤の代わりに、防振材の両面にプレートを焼き付けておき、一面を電動モータに、他面を接続フランジにネジ止めするようにしてもよい。
(10)防振ゴムを流体Fから防止する(保護する)保護部材として、コーティング層やベローズの代わりに、筒状の膜部材を用いてもよい。
例えば、ポリテトラフルオロエチレン製の膜部材によって防振ゴムを覆えば、タンク10内の流体Fから防振ゴムを防御することができる。ベローズや膜部材等の部材は、例えば接着剤やねじなどの公知の部材接続機構を用いて電動ポンプのハウジング並びに接続フランジに接続し、内部に流体Fが浸入しないようにすることが好ましい。当然、公知のシール機構を上記部材とハウジング等との間にかませてもよい。
また、この部材と防振ゴムとの間に、例えば窒素ガス等、上記部材並びに防振ゴムのいずれにも影響(浸食、変質等)を及ぼさない物質を充填してもよい。
(11)コーティング層やベローズ等の、防振ゴムを流体Fから防止する部材は、金属やポリテトラフルオロエチレン以外の材料を用いて構成することができる。
例えば、膨張黒鉛や石綿、合金や化合物等の無機材料、ニトリルブタジエンラバー等のニトリルゴムやフルオロラバー等のフッ素ゴムなどのゴム材等、流体Fに対する耐薬品性を備えた材料であれば適宜採用することができる。
(12)防振ゴムの変わりに、流体Fに対する耐薬品性を備え、防振機能を実現するのに十分な弾性を備えた材料を用いることができる。
例えば、上記(11)に記載したような材料を適宜採用・混合した物質の内、十分な弾性を備えた部材を防振ゴムに代えて使用することができる。具体的には、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどを採用することができる。このような材料を防振部材として用いれば、コーティング層やベローズ等の、防振ゴムを流体Fから防止する部材を用いる必要がなくなる。
(13)防振ゴムを流体Fから防止する部材や、上記(12)に記載したような部材を、流体Fに対する耐薬品性以外の性能も検討した上で、その構成材料を選択することが好ましい。
例えば、使用圧力や耐熱性、耐寒性等を考慮した上で、材料選択や、部材の作製方法等を選択することが好ましい。
また、流体Fに対する浸漬試験や実機試験を行った上で上記選択を行うことが好ましい。
さらに、流体Fは、実際に使用するものを用いて試験を行うことが好ましい。流体Fに第三成分が含まれると、上記した材料(部材)の耐薬品性が変わってしまう可能性があるからである。
例えば、流体Fは、流体Fの製造工程において含有されてしまう可能性のある第三成分(ジメチルエーテルの場合、水やエタノール等)や、流体Fが分解等することで生成する可能性のある第三成分が含有される可能性がある。
なお、上記したような構造を、インタンク式ポンプ以外の、タンクに支持される部材(以下、部材Wと記す)の支持構造に適用することも当然に可能である。つまり、タンク内に設けられた部材Wの、タンク内壁に部材Wを支持する構造を提供できる。具体的には、下記構成を備える。
(A)タンクと部材Wとを接続する部材(例えば吐出経路や電力供給経路等)と、タンク又は部材Wとの間には、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有する、弾力性を備えたシール部材が介在されている。
(B)上記部材Wとタンクとの間には、下記(B1)〜(B3)の少なくとも一つを用いた接続部材/防振部材が介在されて、タンク内壁に部材Wが支持されている。
(B1)両者(タンク及び部材W)と接続する防振部材と、防振部材の周囲を覆う、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を用いて成膜されたコーティング層と、を備えた接続部材。
(B2)両者(タンク及び部材W)と接続する防振部材と、防振部材の周囲を覆う、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有するベローズと、を備えた接続部材。
(B3)両者(タンク及び部材W)を接続し、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有する防振部材。
このような構造を採用すれば、タンクと部材Wとの間における振動の伝播を有効に防止でき、また、タンク内部の流体に起因する防振部材の劣化等を有効に阻止できる。
第1の実施形態を示し、(a)は燃料供給装置の概略構成図。(b)は電動ポンプの断面図。 要部拡大断面図。 要部拡大断面図。 引っ張りばねの拡大断面図。 図1(b)のA−A線断面図。 図1(b)のB−B線断面図。 第2の実施形態を示す断面図。 図7のC−C線断面図。 第3の実施形態を示す断面図。 第4の実施形態を示し、(a)は、電動ポンプの断面図。(b)は、要部拡大断面図。 (a)は、図10(a)のD-D線断面図。(b)は、要部拡大断面図。 第5の実施形態を示し、(a)は要部断面図。(b)は、要部拡大断面図。 第6の実施形態を示す要部拡大断面図。 第7の実施形態を示す要部拡大断面図。 第8の実施形態を示す要部拡大断面図。 第9の実施形態を示す要部拡大断面図。 第10の実施形態を示し、(a)は、要部断面図。(b)は、要部拡大断面図。 第11の実施形態を示す要部拡大断面図。 第12の実施形態を示す要部拡大断面図。
符号の説明
10…タンク。11,11A…接続フランジ。111…流体吐出機構を構成する接続孔となる吐出通路。13,13A,13B…ポンプとしての電動ポンプ。14…防振手段としての引っ張りばね。15,44…モータハウジング。152…高圧領域としてのモータ室。16…モータハウジングの端壁となる蓋。161…流体吐出機構を構成する接続孔。162…接続孔の周面。17,45…ポンプハウジング。18,47…回転軸。181…回転軸の一端部。211…ステータコイル。28,64…流体吐出機構を構成する吐出管。282,473,641…外周面。32,36,66…シール部材としてのリップシール。35…包囲筒。39,40…モータ用電源端子としての端子。41…導電部材としてのリード線。441…端壁。46…ポンプハウジングの一部となる補助ポンプハウジング。47…吐出管としての回転軸。471…回転軸の一端部。65…防振手段としての防振材。69…吐出口としての吐出通路。48,70,77,84,90,95,105…防振用ゴム。701…ポンプに対向する側の接合用端面。702…接続フランジに対向する側の接合用端面。703…周面。71,71A,78,78A,83,89,103,104…防振手段。72,79,85,106…接続金具。73,80,86,107…ネジ孔形成金具。74,81,87…第1のねじ。75…第2のねじ。76,82,88,94,96,100,108…保護部材としてのコーティング層。109…保護部材としてのベローズ。M1,M2…ポンプの駆動源としての電動モータ。F…流体。W…部材。

Claims (12)

  1. 流体を蓄えるタンクと、
    前記タンク内に設けられた、前記タンク内の流体をタンク外部へ圧送するポンプと、
    前記タンクとポンプとを接続する防振手段と、
    前記タンクの一部となる接続フランジと前記ポンプとの一方に吐出管が配設され、他方に接続孔が設けられ、前記接続孔内に前記吐出管を入り込ませる流体吐出機構と、
    前記接続孔の周面と前記吐出管の外周面との間に設けられたシール部材と、を有するインタンク式ポンプ。
  2. 前記シール部材はリップシールである請求項1に記載のインタンク式ポンプ。
  3. 前記シール部材は、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を用いて構成されている請求項1又は2に記載のインタンク式ポンプ。
  4. 前記ポンプは、電動モータを駆動源として備え、前記電動モータのモータハウジングの端壁に前記接続孔を設けると共に、前記接続孔内で前記電動モータの回転軸の一端部を回転可能に支持し、前記接続フランジから前記接続孔に向けて前記吐出管を突出させると共に、前記接続孔内に前記吐出管を入り込ませ、前記接続孔の周面と前記吐出管の外周面との間に前記シール部材を介在した請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインタンク式ポンプ。
  5. 前記ポンプは、電動モータを駆動源として備え、ポンプハウジングの外部に前記吐出管を設けると共に、前記接続フランジに前記接続孔を設け、前記吐出管の一端部を前記ポンプハウジングの吐出口に接続し、前記吐出管の他端部を前記接続孔に挿入し、前記接続孔の周面と前記吐出管の外周面との間に前記シール部材を介在した請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインタンク式ポンプ。
  6. 前記ポンプは、前記接続フランジにモータ用電源端子を設け、前記モータ用電源端子と前記モータのステータコイルとを電気接続する導電部材又は前記モータ用電源端子を包囲する包囲筒を前記接続フランジから前記電動モータのモータハウジングを貫通して前記モータハウジング内の高圧領域へ突設させ、前記包囲筒と前記モータハウジングとの間にシール部材を介在した請求項4又は5に記載のインタンク式ポンプ。
  7. 前記防振手段は、
    防振用ゴムと、
    前記防振用ゴムが前記流体と接触しないように、前記流体に対する耐薬品性を備えた材料で構成された保護部材と、を備えた請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインタンク式ポンプ。
  8. 前記保護部材は、前記防振用ゴムの周囲に、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を用いて成膜されたコーティング層である請求項7に記載のインタンク式ポンプ。
  9. 前記保護部材は、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有するベローズであって、前記ポンプと接続フランジとの間に設けられ、その内部に防振用ゴムが収められている請求項7に記載のインタンク式ポンプ。
  10. 前記防振手段は、一対の接合用端面を備えた前記防振用ゴムと、前記ポンプに対向する側の接合用端面に止着された接続金具と、前記接続フランジに対向する側の接合用端面に止着されたネジ孔形成金具と、前記接続金具を前記ポンプに締め付け固定するための第1のねじと、前記ネジ孔形成金具を前記接続フランジに締め付け固定するために前記接続フランジを貫通して前記ネジ孔形成金具に螺着される第2のねじとを備え、前記防振用ゴムの周面にはポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を用いて成膜されたコーティング層が設けられている請求項7に記載のインタンク式ポンプ。
  11. 前記シール部材は、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有し、弾力性を備えた請求項1から10のいずれか一項に記載のインタンク式ポンプ。
  12. タンク内に設けられた部材の、当該タンク内壁に当該部材を支持する構造であって、
    前記タンクと前記部材とを接続する部材と、前記タンク又は前記部材との間には、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有する、弾力性を備えたシール部材が介在され、
    前記タンク内に設けられた部材は、(1)両者と接続する防振部材と、当該防振部材の周囲を覆う、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を用いて成膜されたコーティング層と、を備えた接続部材、(2)両者と接続する防振部材と、当該防振部材の周囲を覆う、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有するベローズと、を備えた接続部材、及び(3)両者を接続し、ポリテトラフルオロエチレン、膨張黒鉛、石綿、無機材料、ニトリルゴム及びフッ素ゴムの少なくとも一つの材料を含有する防振部材、の少なくとも一つを用いて前記タンクに支持された、タンク内壁に部材を支持する構造。
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