JP2005201038A - 地盤改良工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対象地盤2の上に配置されたPC版1と対象地盤2の下側に位置する安定地盤3とをアンカー11,12により連結した後、注入管40を介して対象地盤2中に改良材を加圧注入するとともに、PC版1表面の変位を変位ゲージ30により計測し、この変位計測結果に応じてPC版1が目標位置に位置するように、油圧ジャッキ13を制御しアンカー11,12の緊張力を増加させ、安定地盤3に対してPC版1を押さえ付けるようにする。
【選択図】図1
Description
<請求項1記載の発明>
対象地盤の上側に位置する対象部と対象地盤の下側に位置する安定地盤とをアンカーにより連結するステップと、
対象地盤の内圧を上昇させるステップと、
前記対象部の変位を計測し、この変位計測結果に応じて対象部が目標位置に位置するように、前記アンカーの緊張力を制御して前記安定地盤に対して前記対象部を押さえ付けるステップと、
を含むことを特徴とする地盤改良工法。
上記各ステップからも明らかなように、本発明のポイントは、対象地盤の内圧を人為的に上昇させることにより対象地盤を安定化し隆起力を発生させることを基本とし、併せて対象部の変位検出に応じてアンカーの緊張力を制御することにより、安定化を促進させる又は地盤の隆起を抑制することにある。よって、確実に地表面等を所望のレベルにすることができ、しかも同時に恒久的な地盤沈下対策を施すことができる。
対象地盤中に改良材を加圧注入することにより、前記対象地盤の内圧を上昇させるステップを行う、請求項1記載の地盤改良工法。
本項記載のように、改良材の加圧注入により対象地盤の内圧を上昇させると、確実に地表面等を所望のレベルにすることができ、しかも同時に恒久的な地盤沈下対策を施すことができる。
対象地盤に孔を形成し、この孔内に膨張袋体を設置するとともに袋体内に充填材を充填することにより袋体を膨張させて、前記対象地盤の内圧を上昇させるステップを行う、請求項1または2記載の地盤改良工法。
地盤内圧を上昇させる方法としては、本項記載のように、地盤内に設置した袋体を膨張させる手法を採用することもできる。本項記載の方法は、改良材注入による地盤改良が困難な場合に好適である。
前記変位計測結果に応じて前記加圧注入における注入圧を制御するステップを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
本発明では、加圧注入による地盤の隆起力とアンカーの緊張力とのバランスが重要になる。したがって、本項記載のように、アンカーの緊張力のみならず注入圧をも制御するようにすると、より適切な隆起制御が可能となる。
前記対象部が、対象地盤の上側に存在する既設構造物若しくはその既設基礎または既設舗装である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
支持地盤下部に地盤沈下の原因となる軟弱地盤が存在するような、PC版を敷設した空港の滑走路や一般的な道路舗装、建築物・タンク等の地上構造物や、周囲に軟弱地盤が存在したり緩みが生じる可能性のあるトンネル・地下空間等の地中構造物が、それらの周囲に軟弱地盤等が存在することにより地盤沈下の影響を受けている場合、それらを対象部として本発明の各ステップを行うことにより、地盤沈下の修復および恒久的な地盤沈下対策を施すことができる。
対象地盤の上側に、構造物若しくはその基礎または舗装を新設する場合において、その新設後、構造物若しくはその基礎または舗装を前記対象部として前記各ステップを行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
本発明は、改良材注入による地盤の隆起力とアンカーによる押さえ付け力とのバランスにより対象部のレベル出しを正確かつ確実に行うことができるため、構造物等の新設に際しても適用することができる。例えば、軟弱な地盤上にPC版を敷設し、これを対象部として上記本発明の各ステップを行うことにより、恒久的な沈下対策が施され且つ正確にレベル出しがなされた基盤が構築される。
前記構造物若しくはその基礎または舗装と地盤との間に緩衝体を配設するステップを含む、請求項5または6記載の地盤改良工法。
改良材の注入による地盤隆起は複雑な地盤の性状に左右されるものであり、不均等な隆起や突発的な局部隆起が発生する等、その予測は殆ど不可能なものである。よって、本項記載のように緩衝体を設置し、地盤の隆起力を緩衝体により吸収・分散して構造物等に伝達させ、構造物等を破壊から保護するとともに、構造物等に緩やかな変位を早期に発生させてアンカーによる隆起制御を早期に可能ならしめるのが好ましい。
前記対象部の上に構造物を構築する場合または構造物が存在する場合に、前記アンカーと構造物とを連結し、構造物をアンカーにより支持するようにする請求項1〜7のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
本発明における地盤の隆起制御用のアンカーは、本項記載のように構造物の支持に利用する等、地盤改良が済んだ後には他の用途に用いることも可能である。
前記対象部の周囲地盤中に地中壁を設ける、請求項1〜8のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
本項記載のように、矢板等の地中壁を設けることにより、対象部を確実に限定し且つ拘束できる。したがって、対象部の周囲に対する地盤内圧の上昇による影響を抑止することができる。
前記対象部と安定地盤とをアンカーにより連結するステップの後、前記内圧を上昇させるステップに先立ち、前記アンカーの緊張力を制御して前記安定地盤に対して前記対象部を押さえ付けるプレロードステップを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
このようにプレロードを載荷することによって、地盤の圧密沈下を強制的に促進させることができ、後の地盤沈下を効果的に抑制することができる。またそのため、短期施工に適している。
対象部及び対象地盤を通り安定地盤に達するアンカー設置孔を削孔した後、この設置孔内に、少なくとも対象地盤に相当する範囲および安定地盤に相当する範囲のそれぞれに注入孔および注入孔を被覆するゴムスリーブ弁を有する注入外管を建込み、
この注入外管の内部に注入内管を挿入して、前記安定地盤に相当する範囲にあるゴムスリーブ弁を通じて注入外管の外部に固化材を注入するとともに、前記対象地盤に相当する範囲にある前記対象地盤に相当する範囲にあるゴムスリーブ弁を通じて注入外管の外部に改良材を加圧注入することにより、前記対象地盤の内圧を上昇させるステップを行い、
しかる後、前記注入内管は引抜いて撤去し、注入外管は地盤中に残したままで、この注入外管の内部にアンカーテンドンを挿入し、次いで、このアンカーテンドンと注入外管との間に固化材を充填し、これら注入・充填した固化材の固化を待ってアンカーテンドンに緊張力を導入することにより、前記アンカーを設置するステップを行う、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
本発明では、改良材および固化材の注入に際して、材料が逸走する箇所、または全範囲について複数回の地盤注入を行うことができ、ルーズな砂地盤、軟弱な地盤であっても確実に改良できるようになる。また、地盤中に残される注入外管はそのまま防錆用のカプセルとなる。さらに、アンカー設置および加圧注入に際して共通の注入外管を用いることができるため、施工の簡素化を図ることができるとともに、内圧を上昇させる位置とアンカーにより押さえ付ける位置とに位置ずれがないため、より容易かつ正確に地表面等を所望のレベルにすることができる。
図1は、地盤表面にPC版1が敷設されており、その下部地盤2が沈下している場合の施工要領を示したものである。施工に際しては、先ず、PC版1を貫通させてPC版1と対象地盤2の下側に位置する安定地盤3とを所謂グランドアンカーにより連結する。すなわち、所定位置において削孔を行い、引張材11を安定地盤3まで挿入し、引張材11先端部分の周囲にグラウト注入を行ってアンカー体12を形成するとともに、アンカー頭部の引張材11にセンターホール型等の油圧ジャッキ13を取り付け、この油圧ジャッキ13により引張材11を緊張すると、油圧ジャッキ13が安定地盤3に反力を取りながらPC版1を押さえ付けるように構成する。
Claims (11)
- 対象地盤の上側に位置する対象部と対象地盤の下側に位置する安定地盤とをアンカーにより連結するステップと、
対象地盤の内圧を上昇させるステップと、
前記対象部の変位を計測し、この変位計測結果に応じて対象部が目標位置に位置するように、前記アンカーの緊張力を制御して前記安定地盤に対して前記対象部を押さえ付けるステップと、
を含むことを特徴とする地盤改良工法。 - 対象地盤中に改良材を加圧注入することにより、前記対象地盤の内圧を上昇させるステップを行う、請求項1記載の地盤改良工法。
- 対象地盤に孔を形成し、この孔内に膨張袋体を設置するとともに袋体内に充填材を充填することにより袋体を膨張させて、前記対象地盤の内圧を上昇させるステップを行う、請求項1または2記載の地盤改良工法。
- 前記変位計測結果に応じて前記加圧注入における注入圧を制御するステップを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
- 前記対象部が、対象地盤の上側に存在する既設構造物若しくはその既設基礎または既設舗装である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
- 対象地盤の上側に、構造物若しくはその基礎または舗装を新設する場合において、その新設後、構造物若しくはその基礎または舗装を前記対象部として前記各ステップを行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
- 前記構造物若しくはその基礎または舗装と地盤との間に緩衝体を配設するステップを含む、請求項5または6記載の地盤改良工法。
- 前記対象部の上に構造物を構築する場合または構造物が存在する場合に、前記アンカーと構造物とを連結し、構造物をアンカーにより支持するようにする請求項1〜7のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
- 前記対象部の周囲地盤中に地中壁を設ける、請求項1〜8のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
- 前記対象部と安定地盤とをアンカーにより連結するステップの後、前記内圧を上昇させるステップに先立ち、前記アンカーの緊張力を制御して前記安定地盤に対して前記対象部を押さえ付けるプレロードステップを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
- 対象部及び対象地盤を通り安定地盤に達するアンカー設置孔を削孔した後、この設置孔内に、少なくとも対象地盤に相当する範囲および安定地盤に相当する範囲のそれぞれに注入孔および注入孔を被覆するゴムスリーブ弁を有する注入外管を建込み、
この注入外管の内部に注入内管を挿入して、前記安定地盤に相当する範囲にあるゴムスリーブ弁を通じて注入外管の外部に固化材を注入するとともに、前記対象地盤に相当する範囲にある前記対象地盤に相当する範囲にあるゴムスリーブ弁を通じて注入外管の外部に改良材を加圧注入することにより、前記対象地盤の内圧を上昇させるステップを行い、
しかる後、前記注入内管は引抜いて撤去し、注入外管は地盤中に残したままで、この注入外管の内部にアンカーテンドンを挿入し、次いで、このアンカーテンドンと注入外管との間に固化材を充填し、これら注入・充填した固化材の固化を待ってアンカーテンドンに緊張力を導入することにより、前記アンカーを設置するステップを行う、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
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