JP2005200886A - コンクリート基礎の支持構造、杭及び杭基礎構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリート基礎の支持構造に関し、比較的低コストで施工性がよく、杭頭及び基礎に生じる曲げ応力を抑制し、かつ、杭頭の破損を防止しつつ、基礎からの水平力を確実に杭に伝達できるようにすること。
【解決手段】 コンクリート基礎2を杭1の杭頭上に載置状態にて支持すると共に、杭1の杭頭に、当該杭頭の上端から下方へ向かって広がるテーパ部1cを設けると共に、テーパ部1cの少なくとも一部をコンクリート基礎2に埋設したことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、杭によるコンクリート基礎の支持構造、杭及び杭基礎構造に関するものである。
杭によるコンクリートスラブ等のコンクリート基礎の支持構造としては、両者を剛接合する構造が広く知られている。この剛接合の場合、一般には杭の主筋をコンクリート基礎に定着するので、杭によりコンクリート基礎を十分に支持することが可能となる。しかし、コンクリート基礎により杭の杭頭部が拘束されるため、地震等により大きな外力が加わると杭頭部において曲げモーメントが増大し、その破損を招く場合がある。このような破損を防止するためには、杭頭部に補強筋をより多く配設する等の補強措置が必要となり、コストの増加や施工の手間の点で問題がある。そこで、杭頭部に加わる曲げモーメントを低減すべく、接合部分の固定度を下げる様々な支持構造が提案されている。
例えば、特許文献1には、杭頭部に対する曲げモーメント及び剪断力の伝達排除を目的とし、杭頭部とフーチングとの間に両者を構造的に絶縁する仕切り材を介装した構造が提案されている。また、杭とコンクリート基礎との間に特殊なデバイスを介在させたものも提案されている。例えば、特許文献2には、杭頭部の側面及び上面に弾性体を設け、杭頭部と基礎躯体との間をピン結合とする構造が提案されている。また、特許文献3には杭頭部を基礎スラブコンクリートに埋設し、杭頭部上面に異形スタッドを植設する構造が提案されており、異形スタッドの根元の部分において異形スタッドと基礎スラブコンクリートとの付着を切る構造を採用することで、異形スタッドの変形性能を高め、杭頭部と基礎スラブコンクリートとをピン結合に近づけることが提案されている。
特開昭61−225425号公報 特開2001−164580号公報 特開2001−123462号公報
特許文献1の支持構造の場合、低コストで杭頭の固定度を下げることが可能となるが、杭頭に対する剪断力の伝達をも許容しないことを推奨し、フーチングを杭頭に乗せるだけの構造である。このため、地震時等の杭頭剪断力、つまり、水平力の伝達は、杭頭の摩擦抵抗にのみ依存しているので、必要な伝達能力を得られない場合がある。特許文献2の支持構造の場合、杭頭剪断力の伝達能力は比較的高いと考えられるが、特許文献2のように杭とコンクリート基礎との間に特殊なデバイスを介在させる構造の場合、コストの増加や施工の複雑化を招くと共にデバイスの経年的な劣化に伴う性能の低下も問題となるおそれがある。
特許文献3は、専ら異形スタッドを介して杭と基礎スラブコンクリートとの間における軸力及び剪断力の伝達能力に着目しており、杭と基礎スラブコンクリートとの間の直接的な軸力及び剪断力の伝達能力には着目されておらず、異形スタッドの存在が必須となる。
従って、本発明の目的は、比較的低コストで施工性がよく、杭頭及び基礎に生じる曲げ応力を抑制し、かつ、杭頭の破損を防止しつつ基礎からの水平力を確実に杭に伝達できるようにすることにある。
本発明によれば、コンクリート基礎を杭の杭頭上に載置状態にて支持するコンクリート基礎の支持構造において、前記杭の杭頭に、当該杭頭の上端から下方へ向かって広がるテーパ部を設けると共に、当該テーパ部の少なくとも一部を前記コンクリート基礎に埋設してなるコンクリート基礎の支持構造が提供される。
本発明では、まず、コンクリート基礎が杭頭上に載置状態にて支持される。すなわち、コンクリート基礎は杭上に単に乗せただけの状態で支持され、例えば、補強筋等、コンクリート基礎と杭との間で杭軸方向の引張力を実質的に伝達する部材が存在しない。従って、コンクリート基礎による杭頭の拘束が緩和され、杭頭はコンクリート基礎からの引張力を受けず、地震等により大きな外力が加わった場合に、杭頭における曲げモーメントが抑制され、その破損を防止することができる。更に基礎に作用する応力が軽減されるので基礎や杭の断面をより小さくできる。
その一方で、前記テーパ部の少なくとも一部が前記コンクリート基礎に埋設されているので、前記テーパ部の側面を介してコンクリート基礎からの水平力は前記杭に確実に伝達される。しかも、前記テーパ部は、前記杭の杭頭の上端から下方へ向かって広がるように構成されているので、前記杭に対して前記コンクリート基礎からの引張力が作用した場合、前記杭と前記コンクリート基礎とが容易に分離し、引張力の伝達を防止することができることに加え、杭頭周辺の前記コンクリート基礎の損傷も防止できる。また、前記テーパ部を設けるだけであるから比較的低コストで施工性もよい。
従って、本発明は比較的低コストで施工性がよく、杭頭の破損を防止しつつ、基礎からの水平力を確実に伝達することができる。なお、前記テーパ部の側面の輪郭は、必ずしも直線状に傾斜している必要はなく、円弧状等の曲線的に傾斜していてもよい。
また、本発明においては、前記テーパ部の側面には前記コンクリート基礎との付着を切る処理が施されていることが好ましい。係る処理を施すことで、前記杭に対して前記コンクリート基礎からの引張力が作用した場合、前記杭と前記コンクリート基礎とがより一層容易に分離される。
また、本発明においては、前記杭が、前記杭の杭頭を当該杭頭の上端から下方へ向かって広がるように形成することで、前記テーパ部を設けた既製杭であってもよい。この場合、杭自体の構成として前記テーパ部が工場製作により形成される既製杭を用いることができるので、作業現場での作業性を向上できる。
また、本発明においては、前記杭の杭頭に装着され、下方へ向かって広がるテーパ形状を有するテーパ部材を前記杭の杭頭に装着することにより、前記テーパ部を設けることもできる。係る構成により、杭自体が前記テーパ部を有しない場合であっても、前記テーパ部を設けることができる。
また、本発明においては、前記杭に対する前記コンクリート基礎からの引張力を伝達する伝達部材を前記杭に設けることもできる。杭基礎の適用箇所においては引張り力を伝達させた方がよい場合もあり得るが、係る構成によれば前記伝達部材により引張力を伝達できる。
また、本発明によれば、コンクリート基礎を杭頭上で載置状態にて支持する杭において、前記杭頭に、当該杭頭の上端から下方へ向かって広がるテーパ部であって、その少なくとも一部が前記コンクリート基礎に埋設されるテーパ部を設けたことを特徴とする杭が提供される。
また、本発明によれば、コンクリート基礎を杭の杭頭上に載置状態にて支持するコンクリート基礎の第1及び第2の支持構造を混在させた杭基礎構造であって、前記第1及び第2の支持構造は、前記杭の杭頭に、当該杭頭の上端から下方へ向かって広がるテーパ部を設けると共に、当該テーパ部の少なくとも一部を前記コンクリート基礎に埋設してなり、前記第2の支持構造は、更に、前記杭に対する前記コンクリート基礎からの引張力を伝達する伝達部材が前記杭に設けられていることを特徴とする杭基礎構造が提供される。
以上述べてきたとおり、本発明によれば、比較的低コストで施工性がよく、杭頭及び基礎に生じる曲げ応力を抑制し、かつ、杭頭の破損を防止しつつ、基礎からの水平力を確実に杭に伝達することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の一実施形態に係る支持構造Aの構造図である。支持構造Aは杭1により、フーチング或いはコンクリートスラブ等のコンクリート基礎2を支持するものである。本実施形態において杭1は中空円筒状に形成された既製コンクリート杭であって、杭本体1aと、杭本体1aの上端に設けられた端部鋼板1bと、からなり、杭頭部分を残して地中に埋め込まれている。杭本体1aは円筒状のコンクリートからなり、端部鋼板1bは杭本体1aの端面形状に合わせて円盤状に形成されている。従って、杭1の杭頭上端は開放されており円形に開口している。なお、本実施形態では杭1として円筒状の既製コンクリート杭を例示しているが鋼管杭や鋼管コンクリート杭、或いは場所打ちコンクリート杭のような他の種類や他の形状の杭も採用可能である。
閉鎖用鋼板3は杭1の開放した杭頭上端を閉鎖するための部材であって、杭1の杭頭上端の開口部分よりも大きな円盤状の鋼板であり、ボルト等により杭1の杭頭上端面に固定されている。この閉鎖用鋼板3の存在により、コンクリート基礎2の打設時に杭1内にコンクリートが流入することを防止し、施工性の悪化やコンクリートの無駄を生じなくすることができる。なお、杭頭上端を閉鎖する部材として本実施形態では鋼板を例示しているがベニヤ板や樹脂板のように他の素材の板材でもよく、また、杭頭上端を閉鎖することができれば板材に限られず、他の形状の部材でもよい。更に、埋め込み杭のように施工に伴って杭の中空部内にソイルセメント等が侵入し、これが杭頭上面まで蓄積されたような場合には、杭頭上面位置を均したり、杭頭上面位置をモルタルで押さえたり、或いは砂を設置などすることで閉鎖用鋼板3を用いずに杭頭上端の開口部を閉鎖することもできる。
次に、コンクリート基礎2は捨てコンクリート4を介して地面上に打設されており、捨てコンクリート5から突出した杭1の杭頭がコンクリート基礎2中に埋設されている。ここで、杭1の杭頭には、鉛直方向からθの角度にて、その上端から下方へ向かって径が拡大するように広がるテーパ部1cが形成されており、このテーパ部1cがコンクリート基礎2に埋設されるように構成されている。このテーパ部1cは、例えば、当初からテーパ部1cが形成されるように杭1を製造してもよいし、或いは、一般的な杭の杭頭側面を削ることで形成してもよい。そして、本実施形態の場合、テーパ部1cの途中の部位にコンクリート基礎2の底面2aが位置するように構成されている。このようにテーパ部1cはその全体ではなく、少なくとも一部、つまり、杭1の上端から下方へ向かって所定の深さdでコンクリート基礎2に埋設されるように構成されればよい。
テーパ部1cの角度θとしては、例えば、杭1の杭頭上端の直径Dと深さdとの関係(d/D)から1/20〜1/3rad程度の範囲に設定されることが望ましく、また、深さdはコンクリート基礎2から杭1に対して十分な剪断力伝達能力を発揮するように定められ、例えば、50〜200mm程度であれば十分な剪断力伝達能力を得られる。
なお、本実施形態の支持構造Aでは、上述した構成により、コンクリート基礎2を杭1の杭頭上に載置状態にて支持している。すなわち、コンクリート基礎2は杭1上に単に乗せただけの状態で支持され、例えば、杭1から延びる補強筋等のような、コンクリート基礎2と杭1との間で杭軸方向の引張力を実質的に伝達する部材が存在しない。このため、コンクリート基礎2から杭1に対しては杭軸方向の圧縮力は作用するが引張力は作用せず、杭1の杭頭に対するコンクリート基礎2の拘束が緩和される。従って、地震等により外力が加わった場合に、杭1に加わる曲げモーメントが軽減され、その損壊を防止することができる。更に、基礎に作用する応力が軽減されるので基礎及び杭の断面をより小さくできる。特に、杭1の杭頭をテーパ部1cで構成したことにより、杭1に対してコンクリート基礎2からの引張力が作用した場合、杭1とコンクリート基礎2とが容易に分離し、引張力の伝達を防止することができることに加え、杭頭周辺の前記コンクリート基礎の損傷も防止できる。
一方、水平力の伝達能力については、杭1の杭頭(テーパ部1c)がコンクリート基礎2に埋設されており、テーパ部1cの側面がコンクリート基礎2と直接接触する。このため、コンクリート基礎2からの水平力が確実に杭1に伝達する。しかも、杭1とコンクリート基礎2との間に特殊なデバイスが介在せず直接接触させる構成であるため、コストの増加や施工の複雑化を招くことなく、また、経年的な劣化に伴う性能の低下も抑制することができる。
次にこのような支持構造Aの作用について地震等の外力が加わった場合を図2を参照して説明する。まず、コンクリート基礎2に対して水平方向の外力が作用した場合、図2(a)に示すように、水平方向の荷重はテーパ部1cの側面を介してコンクリート基礎2から杭1の杭頭に伝達され、係る剪断力に対して杭1は十分な水平力伝達能力を発揮する。また、特に図示しないがコンクリート基礎2からの鉛直方向の圧縮力に対しても杭1が十分な支持力を発揮することはいうまでもない。
一方、図2(b)に示すようにコンクリート基礎2に対して回転力が作用した場合、コンクリート基礎2は杭1に載置されているだけであり、かつ、杭1の杭頭にテーパ部1cが形成されているから杭1の左側において引張力が作用した場合、コンクリート基礎2が杭1と容易に分離し、同図の左側の矢印で示す引張力は杭1の杭頭に伝達せず、右側の矢印のように圧縮力のみが伝達され、杭頭に作用する曲げモーメントが抑制される。従って、杭頭の破損が防止されることになる。
また、杭1の杭頭側面近傍において、コンクリート基礎2と杭1とが干渉し、コンクリート基礎2の部分損壊が生じるおそれがあるが、本実施形態では杭1の杭頭をテーパ部1cで構成したことにより、当該テーパ部1cの傾斜した側面によってコンクリート基礎2が滑ることが期待でき、コンクリート基礎2の部分損壊を最小に抑えることができる。
次に、支持構造Aの施工手順について図3を参照して説明する。まず、図3(a)に示すように、テーパ部1cを備えた杭1を地中に埋め込む。その後、閉鎖用鋼板3を杭1の杭頭上端面に取り付けて杭頭上端の開口を閉鎖し、捨てコンクリート4を打設する(図3(b)。なお、杭1を埋め込む前に予め閉鎖用鋼板3を取り付ける手順も採用できる。捨てコンクリート4の硬化後、コンクリート基礎2を打設するための型枠(図示せず)を設置し、そこに基礎コンクリートを打設する。そして、基礎コンクリートの硬化後に型枠を撤去して支持構造Aが完成する(図3(c))。このように本実施形態の支持構造Aでは、杭1としてテーパ部1cを備えた杭を用いるだけで、他の工程は一般的な杭基礎の施工と変わらず、かつ、杭頭から鉄筋が突出しないので、低コストでしかも施工性がよい。
<テーパ部の他の実施形態>
上記実施形態では、テーパ部1cの側面をコンクリート基礎2に直接接触するように構成したが、テーパ部1cの側面にコンクリート基礎2との付着を切る処理を施すこともできる。付着を切る処理としては、例えば、テーパ部1cの側面に塗料を塗布することや、皮膜を設けるもの等、簡易なものでよく、両者のコンクリート間にコンクリート以外の材料の物が介在すればよい。このような処理を施すことで、コンクリート基礎2から杭1に対して引張力が作用した場合に、より一層、杭1とコンクリート基礎2との分離が容易になる。
次に、上記実施形態では、テーパ部1cの側面の輪郭がθにて直線的に傾斜するように構成したが、円弧状等の曲線的に傾斜するように構成してもよい。図4(a)に示す杭1’ではテーパ部1c’の側面の輪郭を曲線的に(外側に凸状に)傾斜させて構成した例を示す図である。このような構成であっても上記実施形態の構成と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態では、テーパ部1cの最大径を杭1(テーパ部1cを除く部分)の直径に一致させるように構成し、上端に至る程縮径するようにして構成したが、テーパ部1cの最大径を杭1(テーパ部1cを除く部分)の直径よりも大きく設定して構成することもできる。図4(b)に示す杭1''ではテーパ部1c''の最大径を杭1''(テーパ部1c''を除く部分)の直径よりも大きく設定し、上端に至る程縮径するように構成した例を示す図である。この構成の場合、同図に示すようにテーパ部1c''の下部が杭1''の側面から張り出すような形態となる。このような構成であっても上記実施形態の構成と同様の効果が得られる。
更に、上記実施形態では杭1の杭頭自体の形状をテーパ状に形成することによりテーパ部1cを構成したが、別の部材を杭頭に装着することにより、テーパ部1cに相当する構成を実現することもできる。図5(a)はテーパ部1cを有しない一般的な杭1'''の杭頭にテーパ部材5を装着することで、テーパ1cに相当する構成を実現した例を示す図である。テーパ部材5は下方へ向かって広がるテーパ形状を有する側部5aと、杭1'''の上端面に係止するための縁部5bと、から中空状に構成されており、杭1'''の杭頭に被せるようにしてこれに装着される。テーパ部材5は例えば樹脂や、鋼、アルミ等の金属材等からなり、コンクリート基礎2からの剪断力が杭1'''に伝達できるものであれば何でもよい。
なお、図5(a)の例ではテーパ部材5を杭頭に被せるようにしてこれに装着したが、例えば、図5(b)のテーパ部材5’のように縁部5bを省略してテーパ面を構成する側部5a’と杭1'''に対する取付け面を構成する側部5a''で構成し、側部5a''において杭頭側面に貼着するようにして固定してもよく、実質的にテーパ形状の側部が形成されれば、テーパ部材の取付方法は問われない。図5(b)の例は、更に、テーパ部材5'を樹脂板、鋼板、アルミ板等の板材を折り曲げて成形したもので、その上下が開放された御椀型をなしており、側部5a’の内面と杭頭側面との間には空隙が形成されている。側部5a''は、例えば、杭頭上面から10mm乃至30mm程度の長さに設定されることが望ましく、その下端から同図に示すように側部5a’が下方にテーパ状に広がるようにすれば、コンクリート基礎2からの水平力を確実に伝達しながら引張力を伝達しない効果が得られる。なお、図5(b)の例では側部5a’の内面と杭頭側面との間には空隙が形成されているが、図5(a)の例のようにこのような空隙が形成されないように側部5a’の内面がぴったりと杭頭側面に接するようにしてもよいことは言うまでもない。
このように、杭とは別部材であるテーパ部材5を採用することで、テーパ部1cを有しない一般的な杭についても上記実施形態と同様の構成を実現することができる。図5の場合、杭とコンクリート基礎との間に別のデバイスが介在する構成ではあるが、テーパ部材5は単に杭にテーパを形成し、また、剪断力を伝達できる構成であればよく、特殊なデバイスは必要ないので、簡易なもので足り、また、メンテナンス等も特に必要はなく、別のデバイスを設けたことの不利益は小さい。
<第2実施形態>
上述した支持構造Aではコンクリート基礎2からの引張り力が杭1の杭頭に伝達しないように構成しているが杭基礎の適用箇所においては引張り力も伝達させた方がよい場合もあり得る。そこで、杭1に対するコンクリート基礎2からの引張り力を伝達する伝達部材を設けることもできる。図6(a)は係る構成を採用した本発明の第2実施形態に係る支持構造Bの構造図である。支持構造Aと異なる構成についてのみ説明すると、図6(a)に示すように杭1の上端に複数の鋼棒6が立設されている。鋼棒6の下端部はボルトになっており、鋼棒6を杭1の杭頭上端面に固定するのに用いられる。鋼棒6のその余の部分はコンクリート基礎2内に埋め込まれ、定着されている。このため、支持構造Bでは鋼棒6を介してコンクリート基礎2からの引張り力が杭1の杭頭に伝達することになる。鋼棒6は予め杭1に設けておいてもよいし、現場でコンクリート基礎2の打設前に設けてもよい。このように、支持構造Bでは支持構造Aの構成を転用して、鋼棒6を付加するだけの構造でコンクリート基礎2からの引張力を杭1に伝達できる支持構造を得ることができる。なお、本実施形態では引張り力を伝達する伝達部材として鋼棒6を用いたが、引張り力を伝達することができれば他の部材でもよい。
<支持構造A及びBを用いた杭基礎構造>
次に、本発明の一実施形態に係る杭基礎構造について図6(b)を参照して説明する。図6(b)は支持接合構造A及びBを混在させた本発明の一実施形態に係る杭基礎構造のレイアウト図である。この杭基礎構造は、複数の杭について上述した接合構造A及びBを混在させたものである。同図ではある構造物を支持する基礎を構成する、フーチングを想定するコンクリート基礎2を4行×4列分配設した例を示しており、各コンクリート基礎2に対してそれぞれ1つづ杭1が割り当てられている。上述した通り、支持構造Aは杭頭に対する曲げモーメントがほとんど働かず、杭頭の破損を防止する特性があり、支持構造Bは杭頭の破損防止機能は支持構造Aよりも劣るがコンクリート基礎2からの引張り力が杭1に伝達する点で引張り力に対する支持力が強い。そこで、支持構造Aの採用を基調としつつ引張り力が作用し易い箇所において支持構造Bを補充的に採用すれば理想的な杭基礎構造が得られる。
一般的に構造物の基礎はその周縁部分において引張り力が比較的大きくなるが、中心部分においては比較的小さい。本実施形態では、図6(b)に示すように引張力が強く作用する可能性が高い4隅のコンクリート基礎2については上述した支持構造Bを採用し、引張力が強く作用する可能性が低い他のコンクリート基礎2については上述した支持構造Aを採用している。こうすることで、支持構造A及びBのそれぞれの特性を活かした杭基礎構造を構成することができる。しかも、支持構造AとBとは鋼棒6についてのみ構成が相違するから、両者を混在させても施工性が大きく劣ることはない。なお、本実施形態では、引張力が強く作用する可能性が高い4隅のコンクリート基礎2について支持構造Bを採用しているが、例えば、他のコンクリート基礎2についても支持構造Bを採用してもよいし、建物外周のコンクリート基礎2については支持構造Bを採用し、それ以外は支持構造Aを採用する等、種々の形態を採用することができる。
本発明の一実施形態に係る支持構造Aの構造図である。 (a)及び(b)は、支持構造Aの作用の説明図である。 (a)乃至(c)は支持構造Aの施工手順を示す図である。 (a)及び(b)はテーパ部の他の構成例を示す図である。 (a)及び(b)はテーパ部の他の構成例を示す図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る支持構造Bの構造図、(b)は支持構造A及びBを混在させた本発明の一実施形態に係る杭基礎構造のレイアウト図である。
符号の説明
A、B 支持構造
1、1''、1''' RC杭
1a 杭本体
1b 端部鋼板
1c、1c’、1c'' テーパ部
2 コンクリート基礎
3 閉鎖用鋼板
5、5’ テーパ部材

Claims (7)

  1. コンクリート基礎を杭の杭頭上に載置状態にて支持するコンクリート基礎の支持構造において、
    前記杭の杭頭に、当該杭頭の上端から下方へ向かって広がるテーパ部を設けると共に、当該テーパ部の少なくとも一部を前記コンクリート基礎に埋設してなるコンクリート基礎の支持構造。
  2. 前記テーパ部の側面には前記コンクリート基礎との付着を切る処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート基礎の支持構造。
  3. 前記杭が、前記杭の杭頭を当該杭頭の上端から下方へ向かって広がるように形成することで、前記テーパ部を設けた既製杭であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート基礎の支持構造。
  4. 前記杭の杭頭に装着され、下方へ向かって広がるテーパ形状を有するテーパ部材を前記杭の杭頭に装着することにより、前記テーパ部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート基礎の支持構造。
  5. 前記杭に対する前記コンクリート基礎からの引張力を伝達する伝達部材を前記杭に設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコンクリート基礎の支持構造。
  6. コンクリート基礎を杭頭上で載置状態にて支持する杭において、
    前記杭頭に、当該杭頭の上端から下方へ向かって広がるテーパ部であって、その少なくとも一部が前記コンクリート基礎に埋設されるテーパ部を設けたことを特徴とする杭。
  7. コンクリート基礎を杭の杭頭上に載置状態にて支持するコンクリート基礎の第1及び第2の支持構造を混在させた杭基礎構造であって、
    前記第1及び第2の支持構造は、
    前記杭の杭頭に、当該杭頭の上端から下方へ向かって広がるテーパ部を設けると共に、当該テーパ部の少なくとも一部を前記コンクリート基礎に埋設してなり、
    前記第2の支持構造は、更に、前記杭に対する前記コンクリート基礎からの引張力を伝達する伝達部材が前記杭に設けられていることを特徴とする杭基礎構造。
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