JP2005200589A - ポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法 Download PDF

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典慶 小川
Takahiro Adachi
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Abstract

【課題】 装置および操作が簡便で、ポリカーボネート樹脂溶液の濃度、粘度、および種類の適用可能範囲が広い、ポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法を提供する。
【解決手段】 ポリカーボネート樹脂溶液を、走行している金属ベルト上に流下させ、該樹脂溶液を加熱により溶媒を除去しながらフィルムまたはシート状に固形化し、その固形物を束ねた後、溶媒の沸点以上に加熱された圧縮装置に導入することで脱溶媒および減容化を行なうポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法に関する。さらに詳しくは、ポリカーボネートの溶液濃度や分子量の影響を受けにくく、ポリカーボネート樹脂溶液から安定してポリカーボネート樹脂固形物を製造する方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、透明性、光学特性及び機械的強度に優れたエンジニアリングプラスチックとして様々な分野に使用されている。ポリカーボネート成形品を得るための原料となるポリカーボネート樹脂は、ハンドリング、貯蔵、輸送が容易な粒体状の固形物が多く用いられている。
ポリカーボネート樹脂の製造方法には、大きく分けて溶液重合法(界面重合法)と溶融重合法(エステル交換法)がある。界面重合法は、反応性や精製が容易であるため、現在も主流である。界面重合法では、反応重合を溶媒中で行うため、ポリカーボネート樹脂が樹脂溶液として得られる。そのため、ポリカーボネート樹脂溶液から溶媒を除去し、固形化、粉砕、乾燥を経て任意のポリカーボネート樹脂粒状体を得る必要がある。一方、エステル交換法では、溶媒を用いず高温で反応させるため、反応後溶融した樹脂を冷却して固形化物を得た後、粉砕することでポリカーボネート樹脂粒状体を得ることができるが、精製が必要な場合には、一旦ポリカーボネート樹脂溶液にする場合もある。
このようなポリカーボネート樹脂溶液を固形化する方法に関しては、従来種々の方法が提案されている。例えば、メタノール等の貧溶媒とポリカーボネートのジクロロメタン溶液を接触させる方法やポリカーボネートのジクロロメタン溶液を加熱水中や空気中に噴霧する方法等がある。(例えば、特許文献1〜5参照)これらの方法は、ポリカーボネート樹脂溶液以外に他の溶媒や熱水と接触させたり、加圧高速噴霧などの負荷がかかる。そのため、排水、排ガスの処理や加圧、耐圧設備などにコストがかかるという欠点があった。
さらに、ポリカーボネート樹脂溶液をノズルより垂直に落下させるとともに逆方向から加熱ガスを接触させ糸状固形物を得た後、粉砕する方法がある。(例えば、特許文献6参照)この方法は、装置や操作が複雑でなく、比較的高分子量体で高粘度のポリカーボネート樹脂溶液の固形化には適していたが、処理能力が低いことと、実際は水蒸気や水中粉砕など多量の水分と接触させねばならない上、使用できる粘度や濃度の範囲が狭く、残存水分除去のために乾燥時間がかかる欠点を有していた。
一方、溶液流延法を用いて溶媒を除去し、ポリマーフィルムを製造する方法がある。(例えば、特許文献7〜8参照)これらの方法は、発泡のない外観の良好なフィルムを得るため、溶媒が沸騰しないように温度調節が必要で、乾燥工程が複雑になる上、大量に処理できない欠点を有していた。
特開昭48―89956号報 特開昭53―137297号報 特開平4−202427号報 特開昭54―122393号報 特開平5―32793号報 特開平8−73603号報 特開平10−182853号報 特開平8−127034号報
本発明は、上記の欠点を解決して、装置や操作が複雑でなく、ポリカーボネート樹脂溶液の濃度、粘度、種類の適用可能範囲が広いポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法を提供することにある。
本発明者らは従来の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂溶液を金属ベルト上で搬送しながら加熱し、急速に溶媒を除去し、かつ得られた固形物をさらに積層し圧縮することで容易に目的とするポリカーボネート固形物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はポリカーボネート樹脂溶液を、走行している金属ベルト上に流下させ、加熱により溶媒を除去しながらフィルムまたはシート状に固形化し、その固形物を束ねた後、溶媒の沸点以上に加熱された圧縮装置に導入することですることで脱溶媒および減容化を行なうことを特徴とするポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法を提供するものである。
本発明のポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法は、ポリカーボネート樹脂の種類や分子量、溶液濃度の選択の幅が大きく、応用範囲が広い利点を有する。また、従来の様な貧溶媒や熱水、水蒸気などと接触することなくポリカーボネート樹脂溶液から効率よく溶媒を除去することで、簡便に短時間でポリカーボネート樹脂固形物を製造することができる。さらに、嵩密度の制御も容易で、排水の発生もなく、固形物の含有水分が低いため乾燥効率も良く、省エネルギーに貢献する。
本発明のポリカーボネート樹脂の製法としては、ビスフェノール類からポリカーボネートを製造する際に用いられている公知の方法、例えばビスフェノール類とホスゲンとの直接反応による溶液重合法(界面重合法)、あるいはビスフェノール類とビスアリールカーボネートとのエステル交換反応による溶融重合法(エステル交換法)などの方法を採用することができる。本発明では、界面重合法において製造過程で得られるポリカーボネート樹脂液(ポリカーボネート重合樹脂溶液)から極めて簡便に固形物を得ることが可能である。
前者の界面重合法においては、通常酸結合剤および溶媒の存在下において、ビスフェノール類とホスゲンを反応させる。酸結合剤としては、例えばピリジンや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが用いられ、また溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、キシレンなどが用いられる。さらに、縮重合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン触媒および第四級アンモニウム塩などの触媒を、また重合度調節には、フェノール、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、アルキル置換フェノール類、ヒドロキシ安息香酸アルキル類やアルキルオキシフェノール類などの一官能基化合物を分子量調節剤として加える。さらに、所望に応じ亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどの酸化防止剤や、フロログルシン、イサチンビスフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンなど分岐化剤を小量添加してもよい。反応は、通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範囲とするのが適当である。反応時間は反応温度によって左右されるが、通常0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間である。また、反応中は、反応系のpHを10以上に保持することが望ましい。
一方後者のエステル交換法においては、ビスフェノール類とビスアリールカーボネートとを混合し、減圧下で高温において反応させる。この時、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、アルキル置換フェノール類、ヒドロキシ安息香酸アルキル類やアルキルオキシフェノール類などの一官能基化合物を分子量調節剤として加えてもよい。反応は通常150〜350℃、好ましくは200〜300℃の範囲の温度において行われ、また減圧度は最終で好ましくは1mmHg以下にして、エステル交換反応により生成した該ビスアリールカーボネートから由来するフェノール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧度などによって左右されるが、通常1〜4時間程度である。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく。また、所望に応じ、酸化防止剤や分岐化剤を添加して反応を行ってもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂を誘導するビスフェノール類としては、具体的には4,4’−ビフェニルジオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ−ルA;BPA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノ−ルZ;BPZ)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ジメチルビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチル−6−メチルフェニル)−2−メチルプロパン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(ビスフェノールAP;BPAP)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)プロパン、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、α,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、両末端に3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル基を有するジメチルシロキサンとジフェニルシロキサンのランダム共重合体などが例示される。これらは2種類以上用いて共重合体とすることも可能である。
本発明のポリカーボネート樹脂溶液において、ポリカーボネート重合樹脂溶液を用いる場合は、通常、ポリカーボネート樹脂重合樹脂溶液から触媒の除去、中和、水洗、濃縮等を行い、さらに遠心分離又は精密濾過等のダスト除去を行うことにより精製されたポリカーボネート樹脂溶液を用いることが好ましい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂溶液粘度は、金属ベルト上に流下できる粘度であれば任意に設定可能であるが、2〜10,000mPa・s(25℃測定下)の範囲が好ましい。粘度が低すぎると樹脂溶液が加熱時に飛散する場合があり、粘度が高すぎると樹脂溶液の供給が困難になる場合がある。
ポリカーボネート樹脂溶液の流下は連続的に流下しても、断続的に流下してもよいが、単位時間当たりの固形化量を多くするには連続的に流下することが好ましい。また、流下させる際には、自然落下以外に、加圧やスクリューフィードなどの操作で流下させてもよい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂溶液濃度は、金属ベルト上に流下できる濃度であれば任意に設定可能であるが、前記粘度の範囲内で0.5〜30w/w%範囲が好ましい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂の分子量は、金属ベルト上に流下し、固形物として回収できるものであれば任意に設定可能である。特に、本発明では前記粘度の範囲で粘度平均分子量5,000〜200,000という広範囲のものの固形化〜粒状化が可能であるのが特徴である。なお、ここでいう粘度平均分子量は、0.5w/v%のジクロロメタン溶液を20℃で極限粘度を測定し、Mark−Houwink−桜田式のKとaをそれぞれ1.23×10−4と0.83として求めたものである。
また、本発明におけるポリカーボネート樹脂溶液を金属ベルトに流下する際は、ノズル,ローラー、ブラシ,スプレー等任意のものが使用可能であるが、後工程で束ねることや溶媒除去効率を考慮すると樹脂液をベルト上で薄く広げられるコーターを用いることが好ましい。コーターの形状としてはロッドコーター、グラビアコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、ロールコーター、ダイコーターなどを選択でき、それらは複数用いることも可能である。特に高粘度から低粘度の樹脂溶液まで広範囲に処理するにはダイコーター、ロッドコーター、ブレードコーターが好ましい。固形物は、適当なスクレーパー等を用いて金属ベルトから剥離されるが、剥離する場所は流下点と同一平面上で剥離してもよいし、ベルトに密着するものであれば、1周するまで(流下点直前まで)の任意の点で剥離することも可能である。
本発明におけるポリカーボネート樹脂溶液を固形化する際に用いられる金属ベルトとしては、鉄系、ニッケル系、銅系、アルミ系およびそれらの合金等があげられ、中でもオーステナイト系ステンレスが好ましい。またベルトの端部長手方向に樹脂液が走行中にベルトサイドから落下するのを防止するため、堤防の役目をする1mm〜10cm程度の厚みのあるベルトや凸部を設けることも可能である。さらに、ベルトは1本だけでなく、2本を上下に配置して、樹脂液を挟み込むダブルベルト方式や3本以上のマルチベルト方式を採用することも可能である。
金属ベルトの搬送速度や長さは、ポリカーボネート樹脂溶液を固形化させるために、溶媒を効率良く除去出来る範囲で任意に設定可能であるが、搬送速度は0.1〜100m/分、長さは1〜30mの範囲にあることが好ましい。また、ベルトは一定速度で連続運転することはもちろん、不連続運転、間欠運転で速度を変えることも可能である。さらには、ベルトを複数連結して運転することも可能である。
ポリカーボネート樹脂溶液を金属ベルト上で固形化する際に用いられる加熱方法としては、赤外線や遠赤外線ヒーター加熱、加熱ガス接触、電磁誘導加熱、ガスヒーター加熱等任意の加熱方法が用いられる。加熱温度としては、(溶媒の沸点−10)℃以上が好ましく、さらには(溶媒の沸点−10)℃以上で(溶媒の沸点+50)℃未満の範囲が好ましい。温度が低すぎると乾燥不十分で固形物にはならず、温度が高すぎると圧縮工程で減容化が困難な形状になることがある。加熱は樹脂溶液側からでも、裏面の金属ベルト側からでの任意に加熱可能である。さらに、後工程での処理や固形化物を取り扱いやすくするため、加熱と冷却を組み合わせて用いることも可能である。
本発明の金属ベルト上で固形化されたポリカーボネート樹脂がフィルムやシート状のままでは、2次加工、搬送、保管、取り扱いに不便な場合があるため、固形物を粉砕し、粒状体を得ることが好ましい。しかしながら、フィルムやシート状の樹脂固形物をそのまま粉砕すると、残存溶媒による粉砕器への付着が発生したり、微粉や繊維状の粒状物になることが多く、さらに嵩密度が低いものが得られることが多い。そこで本発明ではフィルムやシート状固形物を束ねた後、溶媒の沸点以上に加熱された圧縮装置に導入することですることで脱溶媒および減容化を効率よく行なうことで、粉砕しやすい樹脂固形物を得ることが出来る。
本発明の金属ベルト上で固形化されたフィルムやシート状のポリカーボネート樹脂を束ねる方法としては、固形物より幅の狭い筒やリングを通過させる方法、固形物より幅の狭い糸巻きロールを通過させる方法、固形物の幅より狭いスリットを通過させる方法、固形物をねじって螺旋状に束ねる方法など任意の方法を採用することが出来る。
さらに、前記の方法で束ねたポリカーボネート樹脂固形物は、溶媒の沸点以上に加熱された圧縮装置に送られて、脱溶媒と減容化を同時に行なうことができる圧縮装置としては断続的または連続的に加熱圧縮が出来るものであれば良く、具体的には加熱ロールプレス、加熱ベルトプレス、加熱平板プレスなどを用いることができ、それらを複数用いることも可能である。また、加熱圧縮装置は溶媒の沸点以上に加熱されるが、好ましくは40℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくはポリカーボネート樹脂のガラス転移温度±50℃の範囲である。加熱方法としては、内部熱媒循環加熱、電気ヒーター加熱、赤外線や遠赤外線ヒーター加熱、加熱ガス接触、電磁誘導加熱、ガスヒーター加熱等任意の加熱方法が用いられる。
加熱圧縮によって得られたポリカーボネート樹脂固形物は扁平紐状、扁平板状となり、嵩密度は高くなるものの、そのままで取り扱いしにくい。そのため、本発明ではさらに粉砕することで、ポリカーボネート樹脂固形化物を粒状体にせしめることが可能である。金属ベルト上で固形化されたポリカーボネート樹脂を、さらにバッチまたは連続で粉砕する際に用いる方法は特に限定されないが、粗粉砕用には1軸回転歯、2軸回転歯、ヘリカルカッター、キューブカッター等を有するカッターまたはシュレッダー等、微粉砕には、コーンクラッシャー、ハンマーミル、ピンミル、ジェットマイザー、ディスクミル、ロッドミル、カッティングミル等の粉砕機を用いることができる。また、それらの方法を組み合わせても良い。
本発明のポリカーボネート樹脂粒状体は、用途に応じて任意の大きさのものが得られるが、直径数μm〜30mm程度の範囲が好ましい。また、樹脂粒状体の嵩密度は形状にも左右されるが、加熱圧縮時に制御可能である。通常0.1〜1.1g/ccが適当であるが、取り扱い上は0.2〜0.7g/ccの範囲がより好ましい。
前記で得られたポリカーボネート樹脂固形物や粒状体は、さらに乾燥して残存溶媒量を極力少なくすることが好ましい。その際用いられる乾燥方法は特に限定されないが、熱風乾燥機、気流乾燥機、パドル型乾燥機、回転乾燥機、マイクロウエーブ乾燥機、真空乾燥機を用いて乾燥することが好ましい。
乾燥で得られたポリカーボネート樹脂固形物や粒状体には、通常の射出成形や押出成形等で使用される際は、残存溶媒として0.1w%以下、残存水分として0.5w%以下が好ましく、さらには、残存溶媒0.01w%以下、水分は0.2w%以下にすることがさらに好ましい。
以下に、実施例により、本願発明を詳細に説明するが、本願発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
100リットル反応容器に、8.8%(w/v)の水酸化ナトリウム水溶液30リットルを加え、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4.56kg(以下BPAと略称、20mol)とハイドロサルファイト10gを加え溶解した。これにメチレンクロライド22リットルを加え、15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホスゲン2.5kgを30分かけて吹き込んだ。
吹き込み終了後、1分間激しく撹拌して反応液を乳化させ、p−t−ブチルフェノール50g(以下PTBPと略称、0.33mol)を加え、さらに10分間撹拌後、20mlのトリエチルアミンを加え、さらに50分撹拌を継続し重合させた。
重合液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返し、精製した重合樹脂液を得た。得られた樹脂液濃度は15.1w/w%であった。得られた樹脂の粘度平均分子量は40000であった。樹脂液はさらに加温濃縮し、樹脂液濃度20.0w/w%(25℃における粘度:4200mPa・s)に濃縮した。
得られた樹脂液を図1および図2に記載されたスチールベルト固形化装置((株)ディムコ製RSCスチールベルトコンベヤ、幅30cm×プーリー間距離110cm、プーリー直径10cm、SUS304S)上部の流下タンクに入れ、タンク下部のスチールベルト屈曲部に設けた長方形ダイ型コーター(接触部幅26cm、高さ6cm)に樹脂液を流下させ、ダイ部で樹脂液を滞留させながら、樹脂液がスチールベルト上にコートされるようにスチールベルト速度を調節した。流下した樹脂液がスチールベルト上で溶媒除去される条件は、ベルト速度(2.0m/分)、熱風ドライヤー4台(松下電工(株)製EH5402、120℃設定)を用いて、スチールベルト上(ベルト上温度平均約70℃)を約110cm移動した所で、スクレーパーで樹脂固形物を剥離させ、固形物をねじりながら糸巻き状ガイドロール(頂点直径2.5cm、底部直径8cm、高さ6cmの円錐台の張り合わせ)にのせ、固形物を120℃に加熱した加熱プレスロール((株)井元製作所製加熱延伸機、直径40mm×132mm、ロール間隔1.5mm)に導き加熱圧縮を行ない、約2cm幅の固形物として得た。得られた固形物をシュレッダー(GBC社製2040S)で約2mm幅の紐状に切断し、さらに剪断機(石中鉄工所(株)製PI−60型ペレタイザー)にて主に約2mm×3mm×1.5mmの固形化物を得た。粉砕物の残存溶媒量は2.4w%、水分は0.07w%であった。
得られた粒状体を4時間、138℃の条件下で熱風循環式乾燥器(ヤマト科学(株)製DKN911)を用いて乾燥し、乾燥粒状体を得た。乾燥粒状体の嵩密度は0.47g/cc、残存溶媒量は95ppm、水分は0.11w%であった。
実施例2
BPAと2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンから誘導された粘度平均分子量26000の市販の変性コポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学(株)製:ユーピロンFPC−2136)0.8kgをジクロロメタン9.2kgに溶解し、8w/w%樹脂溶液(25℃における粘度:26mPa・s)を得た。得られた樹脂溶液を流下タンクに導入後、プレス温度を130℃に、プレスロール間隔を1.1mm変更した以外は、実施例1と同様に流下、固形化、粉砕を行った。粉砕物は主に約2mm×3mm×1.1mmで、残存溶媒量は2.6w%、水分は0.5w%であった。
得られた粒状体を4時間、128℃の条件下で真空乾燥器(ヤマト科学(株)製DP63)を用い乾燥し、乾燥粒状体を得た。乾燥粒状体の嵩密度は0.31g/cc、残存溶媒量は30ppm、水分は0.07w%であった。
実施例3
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンから誘導された粘度平均分子量79000の市販の変性ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学(株)製:ユーピロンZ−800)1.5kgをジクロロメタン28.5kgに溶解し、5w/w%樹脂溶液(25℃における粘度:158mPa・s)を得た。得られた樹脂溶液を流下タンクに導入後、プレス温度を130℃に、プレスロール間隔を0.9mm変更した以外は実施例1と同様に流下、固形化、粉砕を行った。粉砕物は主に約2mm×3mm×0.9mmで、残存溶媒量は2.2w%、水分は0.6w%であった。
得られた粒状体を、実施例1の熱風循環式乾燥器を用いて、4時間、150℃の条件下で乾燥し、乾燥粒状体を得た。乾燥粒状体の嵩密度は0.25g/cc、残存溶媒量は46ppm、水分は0.07w%であった。
比較例1
実施例1の樹脂溶液を用い、室温を25℃まで上昇させ、熱風ドライヤーのヒーター部をOFFにして、実施例1と同様の操作を行った。
しかし、結果は乾燥不十分で、表面は乾燥しているものの、内部は溶媒を多量に含んだ水飴状の粘性液体のままで、粉砕可能な固形物とはならなかった。
比較例2
実施例1の樹脂溶液を用い、糸巻き状ガイドロールと加熱プレスロールを用いなかった以外は実施例1と同様に行なった。粉砕物は主に約2mm×3mm×0.06mmで、残存溶媒は8.7w%、水分は1.4w%であった。
得られた粒状体を4時間、138℃の条件下で熱風循環式乾燥器を用い乾燥し、乾燥粒状体を得た。乾燥粒状体の嵩密度は0.08g/cc、残存溶媒量は280ppm、水分は0.21w%であった。
比較例3
実施例1の樹脂溶液を用い、スチールベルト上温度を120℃にした以外は、実施例1と同様に行ったが、発泡が大きく糸巻き状ガイドロールでうまく束ねることが出来なかった。そのため、加熱プレスロールに食い込ますことが出来ず、粒状体を得ることは出来なかった。
実施例1のスチールベルト固形化装置側面図である。 実施例1のスチールベルト固形化装置上面図である。
符号の説明
1 流下タンク
2 ダイコーター
3 スチールベルト
4 熱風ドライヤー
5 糸巻き状ガイドロール
6 樹脂固形物(点線)
7 加熱プレスロール
8 巻取りロール

Claims (7)

  1. ポリカーボネート樹脂溶液を、走行している金属ベルト上に流下させ、該樹脂溶液を加熱により溶媒を除去しながらフィルムまたはシート状に固形化し、その固形物を束ねた後、溶媒の沸点以上に加熱された圧縮装置に導入することで脱溶媒および減容化を行なうことを特徴とするポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法。
  2. ポリカーボネート樹脂溶液が、ジクロロメタン溶液である請求項1記載のポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法。
  3. ポリカーボネート樹脂溶液が、溶液重合法で重合されたポリカーボネート重合樹脂溶液である請求項1記載のポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法。
  4. 圧縮装置が加熱ロールプレス機である請求項1記載のポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法。
  5. 圧縮装置の加熱温度が40℃以上である請求項1記載のポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法。
  6. 金属ベルト加熱温度が(溶媒の沸点−10)℃以上、(溶媒の沸点+50)℃未満の範囲である請求項1記載のポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかの方法で得られた固形化物を粉砕機で粉砕するポリカーボネート樹脂粒状体の製造方法。
JP2004010117A 2004-01-19 2004-01-19 ポリカーボネート樹脂溶液の固形化方法 Pending JP2005200589A (ja)

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