JP2005200396A - 含フッ素ベンザルクロリド類およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 医農薬中間体等に有用な2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリド、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド、およびそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】 3,4−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)によって塩素化し、2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドと2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの異性体混合物(塩素化反応混合物)を得る。得られた異性体混合物をフッ化水素(HF)と接触させ、フッ素化反応混合物を得る。フッ素化反応混合物を蒸留に付すことにより、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが単離できる。一方、蒸留残渣を、HFとやや反応が促進される条件で、もしくは長時間にわたり、反応させると、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが得られる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬および農薬の重要中間体である、新規な化合物2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリド、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド、およびそれらの製造方法に関する。
2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドおよび2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドは医薬、農薬の中間体として有用な化合物であり、この化合物を鍵化合物として、種々の含フッ素化合物が合成できる。例えば特許文献1には、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを還元処理して得られる4−トリフルオロメチル−3−メチルフルオロベンゼンを基本骨格に有する、動脈硬化または高脂血症の治療薬につき開示されている。
これまで、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドおよび2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドに関する報告はなく、これらは新規な化合物である。
本願発明で対象とする2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドおよび2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドは、ベンゼン環にCF3基、CHCl2基、F基を導入することで合成し得る。関連する技術としては、次のものがある。
特許文献2によれば、p−フルオロトリクロロメチルベンゼンに過剰の無水フッ化水素酸(HF)を作用させると、p−フルオロトリフルオロメチルベンゼンを主成分とする反応混合物が得られる(スキーム1)。
Figure 2005200396
非特許文献1によれば、キシレンを塩素化してジクロロメチルベンゾトリクロライドを得、次いでこれをフッ化水素でフッ素化してジクロロメチルベンゾトリフルオライドを得られることが報告されている(スキーム2)。
Figure 2005200396
一方、非特許文献2には、3−メチルフルオロベンゼンに、過剰量の四塩化炭素とフッ化水素を混合し、加熱を続けると、4−トリフルオロメチル−3−メチルフルオロベンゼンを合成できることが記載されている(スキーム3)。
Figure 2005200396
また、特許文献3によれば、3,5−ジクロロ−4−フルオロベンゾトリフルオリドに、−78℃においてブチルリチウムを作用させ、次いでヨウ化メチルと反応させると、3,5−ジクロロ−4−フルオロ−2−メチルベンゾトリフルオリドが得られることが記載されている(スキーム4)。
Figure 2005200396
国際公開2004/020393号パンフレット 特開昭60−51127号公報 Journal of Chemical Society,(英国),1960年,p.4003〜4007 Journal of Fluorine Chemistry,(オランダ国),1981年、第18巻、p.281〜291 欧州特許出願公開第0259048号明細書
特許文献2の方法で製造されるp−フルオロトリフルオロメチルベンゼンのベンゼン環に対してさらに、ベンザル(−CHCl2)基1つを、求核置換的に導入できれば、本発明の目的化合物が得られる。また非特許文献1の方法で製造されるジクロロメチルベンゾトリフルオライドのベンゼン環に対しては、さらにフッ素原子(−F)1つを、求核置換的に導入できれば、本発明の目的化合物が得られる。しかしながら、ベンゼン環の特定の位置に、官能基を選択的に導入することは一般に困難である。特にトリフルオロメチル基に対してオルト位にベンザル(−CHCl2)基を導入し、またパラ位にフッ素原子(−F)を導入し2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを製造することは、CF3基の持つ強いメタ配向性のため、困難である。
一方、非特許文献2に記載の方法によれば、一段階で目的とする4−トリフルオロメチル−3−メチルフルオロベンゼンを合成できる。この化合物の3位のメチル基を、さらに塩素化してベンザル(−CHCl2)基に変換すれば、本発明の目的化合物の2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを得られる。しかしながら、非特許文献2の方法では、フロン規制物質である四塩化炭素を大量に使用しなければならない。四塩化炭素は、閉鎖系内で用いる必要がある物質であり、使用には特別の注意を要する。さらに本方法の反応は、反応性が低いため、大過剰の四塩化炭素とフッ化水素を必要とし、容量が大きくなり、生産性が低いものとなる。また原料の3−メチルフルオロベンゼンも高価な化合物である。このように非特許文献2の方法は、少量のサンプルを合成するには好適な方法であるが、大量の目的物を工業的に製造する上では、有利とは言えない。
また、特許文献3に記載の方法では、大量の取扱いの難しいブチルリチウムを極低温で用いなければならない。さらに、特許文献2で対象とする3,5−ジクロロ−4−フルオロ−2−メチルベンゾトリフルオリドは、3位と5位がクロロ基(Cl)でふさがれているので、2位に選択的にメチルを導入できたが、本願発明の基質の場合、3位と5位は非置換であるので、メチル化の位置選択性の問題が生じる。
このように、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドおよび2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドは、既存の方法に基づく場合、工業的に製造することは困難であり、より効率的な手段が求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、意外にも、比較的安価な3,4−ジメチルフルオロベンゼンを出発物質として、これを2工程の反応に付すことで、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを容易に合成でき、得られた反応混合物を蒸留精製に付すことで、純度の高い2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを容易に得られることを見出した。
すなわち3,4−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)と反応させると、この反応は位置選択性に乏しいため、位置異性体(2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリド及び2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリド)を含む混合物(この混合物を、「塩素化反応混合物」ともいう。)が得られる(第1工程)。ここで、これらの異性体間には、液相におけるフッ化水素(HF)を用いたフッ素化の反応速度に、顕著な差があることを、発明者らは見出した。すなわち、該「塩素化反応混合物」を、液相でHFと接触させると、一方の異性体である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが優先的にフッ素化を受け、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが高い選択性で得られることが見出された(第2工程)。驚くべきことに、この液相フッ素化反応が有意に進行する間(2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの変換率99%以上に達するまで)、異性体である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドはフッ素化を受けないか、「不完全なフッ素化」しか受けない。すなわち該異性体からは2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドおよび2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの2つの化合物は段階的に生成するものの、さらにフッ素化された2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド(2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの位置異性体)は有意に生成しないことがわかった。
一般に、異なる位置にメチル基を有する異性体が混合物を形成している場合、特定化合物のメチル基のみをCF3基に置換することは困難であり、物性が類似し分離の難しい異性体が併産され、純度の高いフッ素化物の製造を著しく困難にする。これに対し、本発明の第2工程においては、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを選択的に合成でき、分離の難しい不純物(異性体等)がほとんど生成しない。すなわち、目的物である2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドと、フッ素化されずに残った2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドや「不完全なフッ素化生成物」は、その物性が大きく異なり、相互の分離は容易である。該フッ素化で得られた反応混合物を精製操作(蒸留等)に付すことにより、純度の高い2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを容易に単離することができる(第3工程)。
なお、本発明の第2工程は「液相中」で反応させることが重要である。ここで「液相中の反応」とは、反応混合物が液相状態を保つような温度、圧力の組み合わせで行う反応をいい、反応成分の中で沸点の低いHFが液体状態を保つ条件で反応を行えばよい。この「液相中でのフッ素化」を行うことによって、第2工程における目的物の選択性が向上する。
本発明者らは、上記第3工程の蒸留精製によって得られた蒸留残渣、すなわち、フッ素化されずに残った2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドおよび「不完全なフッ素化生成物」を含有する混合物を、さらに液相中でHFと反応させる(第4工程)ことにより、本発明のもう1つの対象化合物である2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドを効率よく合成できることを見出した。
このように本発明によって、工業的に入手が容易な3,4−ジメチルフルオロベンゼンを原料として、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドと、その異性体である2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドをそれぞれ効率的に併産することができる。
本発明者らはさらに、これらの方法を特定の条件で実施すると特に好ましいことを見出し、発明を完成した。
すなわち本発明は、新規化合物である2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドおよび2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドを提供する。
また本発明は、3,4−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)と反応させ、2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを得る工程(第1工程)、第1工程で得られた2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを液相中でフッ化水素(HF)と反応させ、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを得る工程(第2工程)からなる2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの製造方法を提供する。
また本発明は、上記第2工程によって得られた反応混合物を蒸留精製(第3工程)に付すことを特徴とする、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの製造方法を提供する。
さらに本発明は、上記第3工程における蒸留残渣をさらに液相中でHFと反応させる(第4工程)ことを特徴とする、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの製造方法を提供する。
本発明の反応を次のスキーム5にまとめる。
Figure 2005200396
本発明によれば、医農薬中間体として有用な2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドおよび2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドを少ない工程数で、しかも収率よく製造することができる。
本発明は第1工程および第2工程を必須の構成要素とし、必要に応じ、これに第3工程または、第3工程および第4工程を加えることによりなる。
まず第1工程について詳細に説明する。第1工程は、反応領域において3,4−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)と接触させ、2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを得る工程である。本工程においては、通常、異性体である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドも同時に生成するため、目的物は「異性体混合物」として得られる。反応式を以下(スキーム6)に示す。
Figure 2005200396
反応領域としてはガラス、またはガラス、フッ素樹脂などでライニングされた反応容器が好適に採用される。ステンレス鋼、鉄などが内壁となっている反応容器の場合も反応自体は進行するが、金属が塩化物に変換され(Feの場合、FeCl3)、これがルイス酸触媒となりフリ−デルクラフツ型の副反応を起こし、ベンゼン核にClが直接結合した化合物が生成することがあるので、可能な限り、ガラス、またはガラス、フッ素樹脂などでライニングされた反応容器を用いた方がよい。
接触方法は特に限定されず、流通系またはバッチ式あるいは半バッチ式で行うことができる。例を挙げれば、予め反応容器に仕込まれた3,4−ジメチルフルオロベンゼンに塩素ガスを吹き込むことで行うのが一般的であり、好適に採用される。反応に伴い発生する塩化水素ガスは、未反応の塩素ガスとともに、反応領域から排出させ、水、アルカリ性水溶液などでトラップすることができる。
本反応を進行させるためには触媒、例えば、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソブチル酸ジメチル、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ドデカノイル、過酸化ジラウロイル、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチル−クミル−パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの過酸化物などのラジカル開始剤、赤燐、五塩化燐、三塩化燐、トリフェニルフォスフィン、亜リン酸トリフェニルなどの燐化合物などが使用され、また、光を照射することが行われる。さらにこれらのラジカル開始の手法を適宜組み合わせて用いても良い。また上記ラジカル開始剤を添加しなくとも、高温(概ね160℃以上)に加熱することで、系内にラジカルが発生し、同様のラジカル反応を起こすことも可能であるが、反応の円滑性を保つ意味からも、開始剤を用いた方が好ましい。
触媒は通常、原料1モルに対して0.0001〜1mol添加するが、0.001〜0.1モルが好ましく、0.001〜0.05モルがより好ましい。触媒は反応の進行状況を観察して、適宜追加することもできる。ラジカル開始剤の量が原料1モルに対して0.0001モル未満では反応が途中で停止しやすく、収率が低下する恐れがあるため好ましくなく、1モルを超えると経済的に好ましくない。また、触媒は必要に応じて、反応の途中で追加することもできる。
本塩素化反応の実施に際して光照射を行う場合の光源は高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、各種ハロゲン灯、タングステンランプ、発光ダイオード等からなる群より選ばれる少なくとも一種であるが、これらのうち高圧水銀ランプ、タングステンランプが好ましい。
反応温度は使用する触媒の種類により異なるが、0〜250℃程度であり、30〜200℃が好ましく、50〜180℃がより好ましい。また、0℃未満では反応は殆ど進まず、250℃を超えると反応収率が低下するので好ましくない。
本発明の塩素化は、原料基質に3原子のClが導入されるまでは比較的反応が速く、その後の塩素化は遅くなる傾向がある。このため、反応の初期(塩素化度が概ね3〜4の範囲の値(例えば3.5)となるまで)は比較的低温(通常30〜100℃、好ましくは50〜80℃、特に好ましくは60〜70℃)で行い、この温度で反応が進行しにくくなったら、触媒を追加するか、より高い温度(通常150〜250℃、好ましくは160〜200℃、特に好ましくは170〜180℃)で行うことが効果的である。ここで「塩素化度」とは、その時点における反応混合物の組成から計算される、芳香環1個あたりに導入された塩素原子数の平均値を意味する。
また、本発明の反応基質の場合、2つのメチル基が隣接しているため、両方のメチル基ともトリクロロメチル基に変換された化合物は立体障害が大きく、6つのCl原子が導入された3,4−ビス(トリクロロメチル)フルオロベンゼンが主生成物となる恐れは通常ない。
塩素化反応は発熱を伴うので反応温度は外部から加熱または冷却するとともに塩素導入速度を変化させたりまたは塩素ガスを不活性ガスで希釈することで調節することができる。反応圧力は反応に殆ど影響を及ぼさないので特に加圧することは必要がなく、通常0.05〜1MPa(絶対圧。以下、本明細書において同じ。)であり、0.1〜0.3MPaで行うことができる。
反応に使用する塩素量は、3,4−ジメチルフルオロベンゼン1モルに対し5モル以上であればよいが、おおよそ5〜10モル程度であり、反応装置あるいは反応操作を最適化することで5〜6モル程度とすることができる。最適化は反応条件を設定するとともに、塩素化反応が気−液接触反応であることから、接触効率を高めるための慣用の手段、例えば、ガスの導入速度の調節、撹拌装置、ガス吹き込み装置、スパージャーなどの使用、または多段塩素化反応装置による方法を適宜採用することは有効である。
また、本発明の第1工程の塩素化は、溶媒の存在下で行うこともできる。使用される溶媒としては原料および生成物を溶解することができ、塩素化反応で不活性な溶媒であり、さらに生成物と充分な沸点差を有することが好ましく、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、o−、m−、p−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、モノブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,5−ジクロロベンゾトリフルオリド、3,4,5−トリクロロベンゾトリフルオリドまたはビストリフルオロメチルベンゼンなどが挙げられる。しかし、反応原料の3,4−ジメチルフルオロベンゼン、生成物の2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリド及び2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドともに液体であり、かつ塩素や触媒を十分に溶解させ、溶媒の役割を兼ねるので、敢えて別途溶媒を使用する必要はなく、その方が経済的にも好ましい。
第1工程の塩素化反応で得られる2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドは、通常、異性体である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドを不純物として随伴している。この反応混合物をカラムクロマトグラフィー等の精製処理に付すことにより各々の異性体に分離することもできるが、蒸留による精製はきわめて困難である。本発明では次の第2工程において、異性体の反応性の違いを利用して分離が可能となるので、本発明の利点を生かすためにも、第1工程終了後の反応混合物は敢えて精製せずに、そのまま第2工程(フッ素化反応)の原料として使用する方が好ましい。
以下、第2工程につき、説明する。第2工程は、第1工程で得た2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを液相でフッ化水素(HF)と接触させ、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを得る工程である。先に述べたように、この第2工程では、原料の2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリド中に、異性体である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが共存していても、前者が優先的にフッ素化を受け、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを主生成物として得られるのが大きな特徴である(下記スキーム7)。
Figure 2005200396
一方、共存する2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドもフッ素化を受けるが、反応は遅く、1原子のFが導入された2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド、2分子のFが導入された2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが主生成するに留まる(スキーム8参照)。
Figure 2005200396
第2工程のフッ素化で得られる反応混合物を「フッ素化反応混合物」ともいう。「フッ素化反応混合物」中における2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドや、「不完全にフッ素化された化合物」は、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドよりも高沸点のため、その分離が容易である。すなわち、「フッ素化反応混合物」から、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを高い純度で効率的に単離できる。
第2工程の液相フッ素化反応は、液相フッ素化反応で慣用される金属ハロゲン化物、例えば、五塩化アンチモン、四塩化スズなどを触媒として使用することもできるが、無触媒でもよい。触媒を用いると0℃以上の温度で反応し、反応が速くなるので例えば室温以下でおこなうことが必要となることがある等、かえって反応操作が困難となるなど好ましくない場合がある。無触媒の場合、反応温度は通常40〜150℃であり、50〜100℃が好ましい。40℃未満では反応が遅く、150℃を超えると異性体である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドのフッ素化を制御しにくくなることがあり、またトリフルオロメチル基の分解も起こることがあり、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの収率、純度を低下させるので好ましくない。
フッ素化反応では、2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリド1モルに対しフッ化水素を通常は3〜20モル、好ましくは4〜12モルを、さらに好ましくは5〜10molを使用する。3モルに足りないと収率が低下するので好ましくなく、また20モルよりも多量に用いると、異性体2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドのフッ素化も起こりやすくなる他、ジクロロメチル基(−CHCl2基)もフッ素化を受け、2−クロロフルオロメチル−4−フルオロベンゾトリフルオリド等を生成することがあり、好ましくない。
液相フッ素化反応は、モネル、ハステロイ、ニッケルまたはこれらの金属やポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル樹脂などのフッ素樹脂でライニングされた耐圧容器中で攪拌機を使用して行われ、バッチ式反応、連続式反応または半連続式反応の形式が採られる。
反応圧力は、装置上の制約から通常、0.1〜10MPaで行われる。この第2工程の反応は加圧条件下で好ましく進行することを、発明者らは見出した。特に、原料の2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが、異性体2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドを含有している場合には、0.5MPa〜10MPaの範囲、さらに好ましくは1MPa〜5MPaの圧力で行うと、目的とする2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの生成速度が十分大きく、なおかつ2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの生成は抑えられ、特に好ましい。逆に0.1MPa(常圧)未満では、上述した反応温度でフッ化水素が液化せず反応が進まないことがあり、好ましくない。
以上のことから、特に好ましい反応温度と反応圧力の組み合わせは50℃〜100℃、1MPa〜5MPaである。
フッ素化反応を行う際には、不活性な溶媒を使用することもできる。その様な溶媒としては、例えば、1,4−ビストリフルオロメチルベンゼンなどが挙げられる。しかし、本工程の原料、生成物ともに液体であり、溶媒が存在しなくとも反応は円滑に進むので、経済性、操作性の観点から、無溶媒の方が好ましい。
フッ素化反応に要する時間は、温度、圧力、溶媒の有無等に依存する。しかし、原料の2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリド中に、異性体2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが共存している場合には、本工程で、必要以上に長時間反応させないことが重要である。具体的には第2工程における原料の2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが完全に消費されるよりも前か、完全に消費された後、2時間以内に反応を終了させることが望ましい。そうすることによって、分離の難しい2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの生成を効果的に抑制できる。
こうしたことから第2工程の反応時間は、反応液の組成をガスクロマトグラフィー等の手段で観測しつつ、当業者により最適化することが望ましい。上述の「特に好ましい反応温度と反応圧力の組み合わせ」の条件では、概ね5時間〜10時間の反応時間が好ましく採用される。
第2工程の反応混合物は通常の方法で後処理できる。すなわち、未反応のフッ化水素を分離除去した後、水洗、アルカリ性水溶液(炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液など)での洗浄を行い、フッ化水素を系内から除去する。その後、乾燥剤等で水分を除去することもできる。
以下、第3工程につき、説明する。第3工程は、前記第2工程で得た「フッ素化反応混合物」を蒸留精製することによりなる。
本工程の蒸留精製は減圧条件で行うことが好ましい(たとえば2100Paでの2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの沸点は72℃)。
蒸留を行う場合には、通常、前記の後処理によってフッ化水素を除去したものを用いる。この場合、蒸留塔の材質には制限はなく、ガラス製のもの、ステンレス製のもの、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの等を、用いることができる。蒸留等中には、充填剤を詰めることもできる。この蒸留に要求される段数に制限はないが、5〜100段が好ましく、さらに好ましくは10〜50段である。
第3工程によって、無色透明の液体2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを留分として単離される。なお、2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドや、それが不完全にフッ素化された化合物の沸点はこれより有意に高い(2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの沸点は127℃(1470Pa)、2−クロロ−ジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの沸点は100℃(2400Pa))ため、これらは、蒸留残渣(釜残物)となる。
以下、第4工程について説明する。第4工程は、第3工程の蒸留精製における「蒸留残渣(釜残物)」を、液相中において、HFと接触させることによりなる。上述のように、第3工程の「蒸留残渣(釜残物)」中には、塩素化反応の異性体2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリド、それが不完全にフッ素化された2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド、2原子のFが導入された2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが含まれている。
第4工程の反応を行う場合には、第3工程で、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを留分(主留)として取り出した後、後留を多めに留出させて、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを釜から出来る限り、取り除いておくことが望ましい。そうすることで、より純度の高い2−トリフルオロメチルメチル−4−フルオロベンザルクロリドを得ることができる。第4工程は、これらの化合物を再度HFと接触させ、2−トリフルオロメチルメチル−4−フルオロベンザルクロリドを合成する工程である。(下記、スキーム9を参照)。
Figure 2005200396
なお、本発明において、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを得ることのみを目的とする場合には、本工程は行う必要はない。
第4工程のフッ素化は、第2工程のフッ素化と同様に、液相中におけるHFによるフッ素化であるから、反応に用いる装置は第2工程と同様である。但し上述のように、2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリド、2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド、2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドは、第2工程の主反応(2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドに変換される反応)に比べて、フッ素化は非常に遅いため、第2工程の条件よりも反応が促進される条件で、もしくは長時間にわたり、HFと接触させることが望ましい。
具体的には、第4工程のフッ素化反応は、液相フッ素化反応で触媒として慣用される金属ハロゲン化物、例えば、五塩化アンチモン、四塩化スズなどの共存下で実施すると好ましいこともある。これらの触媒を用いる場合は、2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリド、2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドおよび2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの合計モル数をaとした場合、通常0.0001a〜0.5aモル用いられ、好ましくは0.001a〜0.1aモル、より好ましくは0.005a〜0.05aモル用いられる。しかし、実施例に示すように、敢えてフッ素化触媒を用いなくても、反応温度、反応時間等の条件を最適化することで、目的反応を十分に進行させることができる。
温度については、通常60〜180℃であるが、反応時間を十分短くするために80〜160℃の範囲に設定することが好ましく、90℃〜150℃が特に好ましい。第4工程のフッ素化は遅い反応であるが、180℃より温度を高くすると、分解が起こることがあるため、好ましくない。
また第4工程の反応圧力は、第2工程と同様、通常0.1〜10MPaであるが、0.5MPa〜10MPaの加圧条件が好ましく、1MPa〜5MPaが特に好ましい。
第4工程のフッ素化のフッ化水素の量は、{「2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドのモル数」×3+「2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドのモル数」×2+「2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドのモル数」}の値をAとしたときに、通常は4A〜30Aモル、好ましくは5A〜20Aモル、より好ましくは6A〜15Aモルである。4Aモルに足りないと反応が遅いだけでなく、目的物の収率が低下するので好ましくなく、また30Aモルよりも多いと、ジクロロメチル基(−CHCl2基)もフッ素化を受け、2−クロロフルオロメチル−5−フルオロベンゾトリフルオリド及び2−ジフルオロメチル−5−フルオロベンゾトリフルオリドを多く生成するため好ましくない。このように、第4工程では、第2工程に比較して、より多量のフッ化水素を用いることで好ましい結果が得られる場合が多い。
第4工程の反応に要する時間は、通常5時間〜20時間であるが、上述の反応温度、フッ化水素の量等に依存するので、ガスクロマトグラフ、薄相クロマトグラフなどの手法で、反応の進行状況を逐次測定し、原料が十分に消費されたのを確認した後、反応を終了することが好ましい。
第4工程に結果得られた2−トリフルオロメチルメチル−4−フルオロベンザルクロリドを含む反応混合物を、蒸留等の精製手段に付すことによって、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドを単離することができる。
以下、実施例をもって本発明を詳細に説明するが、本発明の実施態様はこれに限られない。実施例中の%は別途注記がない限り、溶媒を除く有機相中各成分のガスクロマトグラフの面積%を表す。
[実施例1]
(実施例1−a)塩素化
ジムロ−ト管、温度計、塩素吹き込み管を備えた500ml四つ口フラスコに3,4−ジメチルフルオロベンゼン:248.0g及び2,2’−アゾビスブチロニトリル(AIBN):0.93g(0.28mol%)を仕込み、攪拌しながら内温を60℃に昇温し、塩素ガスを約1.0〜1.1mol/Hrの速度で導入し、反応を開始した。内温を65〜70℃に保ちながら、塩素ガスを7時間供給した。その結果、反応液の塩素化度は3.51となった。
その後、内温を180℃に上げ、さらに5時間反応を継続した。反応継続後の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが52.2%、異性体である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが44.2%、その他の副生成物として3,4−ビス(ジクロロメチル)フルオロベンゼンが0.3%、2−クロロ−5−フルオロベンザルクロリド及び2−クロロ−4−フルオロベンザルクロリドの合計が0.9%、2−クロロ−4−フルオロベンゾトリクロリド及び2−クロロ−5−フルオロベンゾトリクロリドの合計が2.2%であった。反応液の重量は585.0gであった。この反応液(塩素化反応混合物)は精製することなく、続く実施例1−bに使用した。
(実施例1−b)フッ素化および蒸留精製
攪拌機、圧力調整弁を備えた冷却還流管、熱電対、圧力計、サンプリング管を備えた金属製1Lオ−トクレ−ブに、実施例1−aで得られた塩素化反応混合物579.4g及び無水フッ化水素169.3gを仕込み密閉とし、撹拌しながら内温を80℃に昇温し、反応を開始した。内圧が2.0〜2.1MPaになるように圧力調整弁を調整し、反応の進行と共に発生する塩化水素を圧力調整弁から系外へ放出しながら、8時間反応した。この時の反応液(有機相)の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが52.6%、異性体である2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドは0.7%であった。この他に、目的物の過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−4−フルオロベンゾトリフルオリドが2.4%、異性体の過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−5−フルオロベンゾトリフルオリドが1.6%、目的物の中間体である2−クロロジフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが1.1%、異性体が不完全にフッ素化された化合物である2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが21.9%、同じく異性体が不完全にフッ素化された化合物である2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが11.7%、未反応の異性体2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが1.4%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄、さらに水洗浄した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は445.1gであった。
得られたフッ素化反応混合物をディクソン(Dixon)パッキンを充填した45cmの蒸留塔(理論段数10段)で蒸留精製した。
この蒸留によって2000〜2100Pa、温度72〜76℃の留分を分取したところ、純度95.3%の目的物が164.5g得られた。塩素化原料の3,4−ジメチルフルオロベンゼンからの総合収率は33.3%であった。
[2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの物性データ]
1H−NMR(基準物質:TMS,溶媒:CDCl3
δ ppm:7.04(d,1.7Hz、1H),7.18(mlut、2.7Hz、7.4Hz、8.8Hz、1H),7.64(dd、5.4Hz、8.8Hz、1H),7.82(dd、2.7Hz、9.3Hz、1H)
19F−NMR(基準物質:CCl3F,溶媒:CDCl3
δ ppm:−58.36(3F)、−105.13(1F)
GLC−MS
m/z(rel.intensity):246(M+、11.4)、211(100)
、176(46.6)、107(12.3)、88(17.4)
形状:無色透明液体。
(実施例1−c)蒸留残渣のフッ素化および蒸留精製
攪拌機、圧力調整弁を備えた冷却還流管、熱電対、圧力計、サンプリング管を備えた金属製500mLオ−トクレ−ブに、実施例1−bで得られた蒸留残渣179.3g(2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリド=11.9mol%(0.077mol)、2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド=54.7mol%(0.356mol)、2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド=32.5mol%(0.212mol)、2−クロロジフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリド=0.8mol%(0.006mol))及び無水フッ化水素132.1g(6.61mol)を仕込み密閉とし、撹拌しながら内温を100℃に昇温し、反応を開始した。内圧が3.0〜3.1MPaになるように圧力調整弁を調整し、反応の進行と
共に発生する塩化水素を圧力調整弁から系外へ放出しながら、10時間反応した。この時の反応液(有機相)の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが62.1%、異性体である2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドは0.8%であった。この他に目的物の過フッ素化体である2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルフロリドが17.6%、2−クロロフルオロメチル−5−フルオロベンゾトリフルオリドが2.8%、目的物の中間体である2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが12.3%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄、さらに水洗浄した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は141.6gであった。
得られたフッ素化反応混合物をDixonパッキンを充填した45cmの蒸留塔(理論段数10段)で蒸留精製した。この蒸留によって2400〜2500Pa、温度74〜77℃の留分を分取したところ、純度96.4%の目的物(2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド)が74.0g得られた。塩素化原料の3,4−ジメチルフルオロベンゼンからの総合収率は14.5%であった。
[2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの物性データ]
1H−NMR(基準物質:TMS,溶媒:CDCl3
δ ppm:7.04(1H),7.32(dd、2.7Hz、7.8Hz、1H),7.39(mlut、2.7Hz、8.8Hz、9.0Hz、1H),8.16(dd、5.1Hz、8.8Hz、1H)
19F−NMR(基準物質:CCl3F,溶媒:CDCl3
δ ppm:−59.50(3F)、−108.66(1F)
GLC−MS
m/z(rel.intensity):246(M+、6.7)、212(9.8)、213(32.0)、211(100)、125(8.0)、176(41.0)、107(13.7)、88(12.3)
形状:無色透明液体。
[実施例2]
(実施例2−a)塩素化
ジムロ−ト、温度計、塩素吹き込み管を備えた500ml四つ口フラスコに3,4−ジメチルフルオロベンゼン:248.0g及びAIBN:0.93g(0.28mol%)を仕込み、攪拌しながら内温を60℃に昇温し、塩素ガスを約1.0〜1.1mol/Hrの速度で導入し反応を開始した。内温を65〜70℃に保ちながら、塩素ガスを7時間供給した。7時間後の反応液の塩素化度は3.60であった。その後、ジ−t−ブチルパ−オキサイド1.46g(0.50mol%)を添加すると共に130℃に昇温し、10時間反応を継続した。10時間後の反応液の組成は、ガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが52.6%及び異性体である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが44.9%、その他の副生成物として3,4−ビス(ジクロロメチル)フルオロベンゼンが1.4%、2−クロロ−5−フルオロベンザルクロリド及び2−クロロ−4−フルオロベンザルクロリドの合計が0.3%、2−クロロ−5−フルオロベンゾトリクロリド及び2−クロロ−5−フルオロベンゾトリクロリドの合計が0.4%であった。反応液の重量は591.2gであった。この反応液(塩素化反応混合物)は精製することなく、続く実施例2−bに使用した。
(実施例2−b)フッ素化および蒸留精製
攪拌機、圧力調整弁を備えた冷却還流管、熱電対、圧力計、サンプリング管を備えた金
属製1Lオ−トクレ−ブに、実施例2−aで得られた塩素化反応混合物587.3g及び無水フッ化水素237.3gを仕込み密閉とし、撹拌しながら内温を70℃に昇温し、反応を開始した。内圧が2.0〜2.1MPaになるように圧力調整弁を調整し、反応の進行と共に発生する塩化水素を圧力調整弁から系外へ放出しながら、9時間反応した。9時間後の反応液の組成をガスクロマトグラフィーで測定したところ、目的物である2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが57.2%、異性体のフッ素化物である2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドは0.2%であった。また、2−クロロフルオロメチル−4−フルオロベンゾトリフルオリドが2.4%、異性体の過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−5−フルオロベンゾトリフルオリド、目的物の中間体である2−クロロジフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが1.1%、異性体が不完全にフッ素化された2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが16.9%、同じく異性体が不完全にフッ素化された2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが15.5%、未反応の異性体2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが3.2%であった。反応終了後、回収した反応液を、水洗浄、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄、さらに水洗浄した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は483.6gであった。
得られたフッ素化反応液を、Dixonパッキンを充填した45cmの蒸留塔で蒸留精製した。この蒸留によって減圧度2270〜2400Pa、温度77〜81℃の留分を分取したところ、純度97.6%の目的物が224.5g得られた。塩素化原料3,4−ジメチルフルオロベンゼンからの総合収率は45.4%であった。
(実施例2−c)蒸留残渣のフッ素化および蒸留精製
攪拌機、圧力調整弁を備えた冷却還流管、熱電対、圧力計、サンプリング管を備えた金属製500mLオ−トクレ−ブに、実施例1−bで得られた蒸留残渣206.7g(2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリド=9.5mol%(0.072mol)、2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド=44.2mol%(0.335mol)、2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド=45.2mol%(0.342mol)、2−クロロジフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリド=1.1mol%(0.008mol))及び無水フッ化水素152.2g(7.61mol)を仕込み密閉とし、撹拌しながら内温を110℃に昇温し、反応を開始した。内圧が3.0〜3.1MPaになるように圧力調整弁を調整し、反応の進行と共に発生する塩化水素を圧力調整弁から系外へ放出しながら、8時間反応した。この時の反応液(有機相)の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが62.5%、異性体である2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドは1.0%であった。この他に目的物の過フッ素化体である2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルフロリドが32.3%、2−クロロフルオロメチル−5−フルオロベンゾトリフルオリドが0.6%、目的物の中間体である2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが1.5%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄、さらに水洗浄した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は163.6gであった。
得られたフッ素化反応混合物をDixonパッキンを充填した45cmの蒸留塔(理論段数10段)で蒸留精製した。
この蒸留によって2400〜2500Pa、温度74〜77℃の留分を分取したところ、純度96.8%の目的物(2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド)が91.1g得られた。塩素化原料の3,4−ジメチルフルオロベンゼンからの総合収率は17.9%であった。
[実施例−3]
(実施例3−a)塩素化
ジムロ−ト管、温度計、塩素吹き込み管を備えた500ml四つ口フラスコに3,4−ジメチルフルオロベンゼン:248.0g及びAIBN:0.93g(0.28mol%)を仕込み、攪拌しながら内温を60℃に昇温し、塩素ガスを約1.0〜1.1mol/Hrの速度で導入し反応を開始した。内温を65〜70℃に保ちながら、塩素ガスを7時間供給した。7時間後の反応液の塩素化度は3.55であった。その後、AIBN0.93g(0.28mol%)を1時間毎に添加しながら5時間反応を継続した。5時間後の反応液の組成は、ガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが55.1%、異性体である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが42.4%、その他副生成物として3,4−ビス(ジクロロメチル)フルオロベンゼンが1.0%、2−クロロ−5−フルオロベンザルクロリド及び2−クロロ−4−フルオロベンザルクロリドの合計が0.1%、2−クロロ−5−フルオロベンゾトリクロリド及び2−クロロ−5−フルオロベンゾトリクロリドの合計が0.2%であった。反応液の重量は592.8gであった。この反応液(塩素化反応混合物)は精製することなく、続く実施例3−bに使用した。
(実施例3−b)フッ素化および蒸留精製
攪拌機、圧力調整弁を備えた冷却還流管、熱電対、圧力計、サンプリング管を備えた金属製1Lオ−トクレ−ブに、実施例3−aで得られた塩素化反応混合物589.8g及び無水フッ化水素238.7gを仕込み密閉とし、撹拌しながら内温を70℃に昇温し、反応を開始した。内圧が3.0〜3.1MPaになるように圧力調整弁を調整し、反応の進行と共に発生する塩化水素を圧力調整弁から系外へ放出しながら、8時間反応した。8時間後の反応液の組成は、ガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが58.5%、異性体のフッ素化物である2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドは0.1%であった。また、目的物の過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−4−フルオロベンゾトリフルオリドが2.4%、異性体の過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−5−フルオロベンゾトリフルオリドが0.3%、目的物の中間体である2−クロロジフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが1.2%、異性体が不完全にフッ素化された2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが13.9%、同じく異性体が不完全にフッ素化された2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが17.0%、未反応の異性体2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが5.1%であった。反応終了後、回収した反応液を、水洗浄、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄、さらに水洗浄した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は485.8gであった。
得られたフッ素化反応混合物を、Dixonパッキンを充填した45cmの蒸留塔で蒸留精製した。この蒸留によって2270〜2400Pa、温度77〜80℃の留分を分取したところ、純度98.4%の目的物が233.5g得られた。塩素化原料の3,4−ジメチルフルオロベンゼンからの総合収率は47.3%であった。
(実施例3−c)蒸留残渣のフッ素化および蒸留精製
攪拌機、圧力調整弁を備えた冷却還流管、熱電対、圧力計、サンプリング管を備えた金属製500mLオ−トクレ−ブに、実施例1−bで得られた蒸留残渣207.2g(2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリド=12.5mol%(0.094mol)、2−ジクロロフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド=45.6mol%(0.345mol)、2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド=40.7mol%(0.308mol)、2−クロロジフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリド=1.2mol%(0.009mol))及び無水フッ化水素122.6g(6.13mol)を仕込み密閉とし、撹拌しながら内温を120℃に昇温し、反応を開始した。内圧が3.0〜3.1MPaになるように圧力調整弁を調整し、反応の進行と共に発生する塩化水素を圧力調整弁から系外へ放出しながら、6時間反応した。この時の反応液(有機相)の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが42.9%、異性体である2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドは1.1%であった。この他に目的物の過フッ素化体である2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルフロリドが52.8%、2−クロロフルオロメチル−5−フルオロベンゾトリフルオリドが0.7%、目的物の中間体である2−クロロジフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドが0.6%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄、さらに水洗浄した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は168.3gであった。
得られたフッ素化反応混合物をDixonパッキンを充填した45cmの蒸留塔(理論段数10段)で蒸留精製した。この蒸留によって2400〜2500Pa、温度74〜77℃の留分を分取したところ、純度96.0%の目的物(2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド)が63.3g得られた。塩素化原料の3,4−ジメチルフルオロベンゼンからの総合収率は12.4%であった。

Claims (10)

  1. 2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリド。
  2. 2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリド。
  3. 次の2工程を含む、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの製造方法。
    第1工程:3,4−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)と反応させ、塩素化反応混合物を得る工程。
    第2工程:前記、塩素化反応混合物を、液相でフッ化水素(HF)と反応させ、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを含む反応混合物を得る工程。
  4. 請求項3の方法で得られた、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを含む反応混合物を、蒸留精製に付すことを特徴とする、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドの製造方法。
  5. 請求項4において、蒸留精製により2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを留出させた後、残渣を液相でフッ化水素(HF)と反応させることを特徴とする、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドの製造方法。
  6. 第1工程の反応をラジカル開始剤の存在下、もしくは光照射下で行うことを特徴とする、請求項3乃至請求項5の何れかに記載の方法。
  7. 第2工程の反応を、加圧条件下で行うことを特徴とする、請求項3乃至請求項6の何れかに記載の方法。
  8. 第2工程の反応を、40〜150℃、0.5〜10.0MPaで行うことを特徴とする、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の方法。
  9. 請求項4乃至請求項8の何れかにおいて、蒸留残渣を液相でフッ化水素(HF)と反応させるときの温度が60〜180℃、圧力が0.5〜10.0MPaであることを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れかに記載の方法。
  10. 次の4工程により、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドおよび2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドを併産する方法。
    第1工程:3,4−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)と反応させ、塩素化反応混合物を得る工程。
    第2工程:第1工程で得られた塩素化反応混合物を、液相でフッ化水素(HF)と反応させ、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを含む反応混合物を得る工程。
    第3工程:第2工程で得られた、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを含む反応混合物を蒸留精製に付し、2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンザルクロリドを留出させる工程。
    第4工程:第3工程の蒸留における残渣を、液相中でフッ化水素(HF)と反応させ、2−トリフルオロメチル−4−フルオロベンザルクロリドを含む反応混合物を得る工程。
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