JP2005198761A - 超音波診断装置及び超音波プローブ洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 超音波診断後に超音波プローブに残存したゼリーなどの付着物を、傷をつけることなく簡単に除去でき清潔に保つことができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】 被検体内に超音波を放射し、被検体内で反射した信号を受信する超音波プローブとその信号を処理する装置本体から成る超音波診断装置において、前記装置本体に取り付けられ、前記超音波プローブを超音波プローブのレンズ面が下向きになるように保持する洗浄用プローブ保持手段と、前記装置本体に取り付けられ、前記洗浄用プローブ保持手段によって保持される前記超音波プローブの下方に位置し、所定の範囲を上下移動可動に設けた超音波プローブ洗浄手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
【選択図】 図2
Description
本発明は、超音波診断装置及び超音波プローブ洗浄方法に関する。
超音波診断装置は、超音波プローブを被検体に接触させて超音波を放射し、被検体内で反射した信号を受信し、その信号を装置本体で処理して画像に再構成するように構成される。
図11は超音波プローブ2の構成を示している。超音波プローブ2は、音響レンズ面2bを介して、電気信号を超音波に変換して被検体内へ放射し、被検体内で反射して戻ってきた超音波を再び電気信号に変換するヘッド2aと、使用の際にヘッド2aを保持するグリップ2cと、超音波診断装置と着脱自在なコネクタ2fと、コネクタ2fを超音波診断装置に固定するハンドル2eと、ヘッド2aとコネクタ2f間の電気信号を伝達するケーブル2dからなる。
超音波診断装置での診断に際し、超音波プローブ2は被検体への超音波エネルギーの伝播をよくするために、超音波プローブ2の音響レンズ面2bを被検体表面に接触させて使用する必要がある。
しかし、音響レンズ面2bを被検体表面に直接接触させるだけでは、その接触面に空気層が介在し超音波がよく伝わらないことから、音響レンズ面2bおよび被検体表面の診断部に水溶性のゼリーを塗布して、密着性を向上させて超音波を効率よく伝達する必要がある(例えば、特許文献1参照。)。
そして、検査終了ごとに、衛生面および性能維持のため超音波プローブ2に付着したゼリーを取り除く必要があるので、手作業で、ガーゼもしくはウエスによるゼリーの拭き取り、または水あるいは洗浄液で洗浄し、その後に布やガーゼで超音波プローブ2に付着した水分をふき取ってゼリーの除去を行っているのが現状であった。
また、超音波プローブ2のヘッド2aは、必要に応じで十分な洗浄または消毒する必要がある。これらの処理を行う場合、超音波診断装置本体から超音波プローブ2を取り外し、超音波プローブ2のみを洗浄液または消毒液に浸すなどの処理を行うことになる。
超音波プローブ2は、ヘッド2aとケーブル2dの間の部分はシール部材により防水処理が施されているので、洗浄を行っても水が浸入する心配はないが、コネクタ2fは電気的接続面が剥き出しになっているため、そこから水が浸入しないようにしなければならない。
この防水対策に対しては、超音波プローブ2のコネクタ2fに蓋を被せる方法を採用できる。
ここで、超音波プローブのコネクタ2fに蓋を被せない場合は、例えば洗浄槽の上に棒をわたし、この棒に超音波プローブのコネクタ2fを縛り付けたり、吊り下げたりして、プローブ先端のみを洗浄液に浸すなどの工夫を行っている。
一方、超音波プローブ2のコネクタ2fに蓋を被せる場合は、蓋をアルミニウムなどの金属で形成し、この蓋を錠前でコネクタ側に押し付けて、ある程度の密閉度を維持するようにしているもの、或いは蓋を軟質性の合成樹脂で形成し、コネクタ開口部に被せて嵌合し密着させて密閉度を維持するようになっているものがある(例えば、特許文献2参照。)。
特公平2−26496号公報(第1−2頁)
特開平5−285133号公報(第2−4頁、図1−3)
しかしながら、検査終了後のゼリー除去作業に関しては、超音波プローブ2のヘッド2aを形成しているケースと音響レンズ面2bの境界部分に微小の段差があるために、ふき取りだけでは超音波プローブ2に付着したゼリー状物質を完全に除去することが難しいので衛生面での問題がある。
また、ゼリーは乾燥しやすく、検査終了後素早く除去する必要がある。乾燥してしまうと除去するのが困難になるため、音響レンズ面2bやその周辺に残留してしまうことになり衛生面での問題や性能劣化の問題を引き起こすことになる。
更に、音響レンズ面2bはシリコーンゴムなどやわらかい材質でできているので、ガーゼやウエスで擦ることにより、音響レンズ表面に微小な傷を付けたり、力を入れて擦ることにより超音波プローブ2内部にダメージを与え、性能劣化を招いてしまう問題がある。
一方、超音波プローブ2のコネクタ2fに蓋を被せる場合、コネクタ2fに液がかかっても液の浸入はないので洗浄層への超音波プローブ2の取り付けは楽になるが、装置本体から超音波プローブ2を外しコネクタ2fに蓋を被せる手間がかかり、またコネクタを洗浄層に落とした場合にはコネクタ内部へ液の浸入は避けられない問題が残る。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、超音波診断後に超音波プローブに残存したゼリーなどの付着物を、傷をつけることなく簡単に除去でき清潔に保つことができる超音波診断装置及び超音波プローブ洗浄方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る本発明の超音波診断装置は、被検体内に超音波を放射し、被検体内で反射した信号を受信する超音波プローブとその信号を処理する装置本体から成る超音波診断装置において、前記装置本体に取り付けられ、前記超音波プローブを超音波プローブのレンズ面が下向きになるように保持する洗浄用プローブ保持手段と、前記装置本体に取り付けられ、前記洗浄用プローブ保持手段によって保持される前記超音波プローブの下方に位置し、所定の範囲を上下移動可動に設けた超音波プローブ洗浄手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項3に係る本発明の超音波診断装置は、被検体内に超音波を放射し、被検体内で反射した信号を受信する超音波プローブとその信号を処理する装置本体から成る超音波診断装置において、前記装置本体に取り付けられ、前記超音波プローブを超音波プローブのレンズ面が下向きになるように保持する洗浄用プローブ保持手段と、前記装置本体に取り付けられ、前記洗浄用プローブ保持手段によって保持される前記超音波プローブの下方に位置し、所定の範囲を上下移動可動に設けた洗浄器を備えた超音波プローブ洗浄ユニットを有し、前記超音波プローブ洗浄ユニットは、前記洗浄器の洗浄器内に洗浄液を供給且つ排水する洗浄液給排水手段と、前記洗浄器の前記移動を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
更に、請求項7に係る本発明の超音波プローブ洗浄方法は、被検体内に超音波を放射し、被検体内で反射した信号を受信する超音波プローブとその信号を処理する装置本体から成る超音波診断装置において、前記超音波プローブを前記本体に取り付けられた洗浄用プローブ保持手段に超音波プローブのレンズ面が下向きになるように保持し、前記超音波プローブの下方に位置する超音波プローブ洗浄ユニットの洗浄器を前記レンズ面を洗浄する高さまで移動させ、しかる後、前記超音波プローブ洗浄ユニットの前記洗浄容器内に洗浄液給排水手段から洗浄液を供給し、前記超音波プローブ洗浄終了後前記洗浄器内の洗浄液を排出し、前記超音波プローブを乾燥させた後、前記洗浄器を下方へ移動させるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、超音波診断後に超音波プローブに残存したゼリーなどの付着物を、超音波プローブを傷つけることなく除去できるので、超音波プローブを清潔に保ち、長期にわたり性能劣化を防止することができる。
また、超音波プローブを容易に洗浄できるので作業効率を上げることができる。
以下に、本発明の実施例による超音波診断装置及び超音波プローブ洗浄方法を説明する。
図1乃至図5は、本発明に係る超音波診断装置の実施例1の構成を示している。超音波診断装置1は、超音波プローブ2によって被検体に超音波を放射し被検体内で反射した超音波を検出し電気信号に変換し、そこで変換された電気信号を装置本体3で画像に構成して出力する。
装置本体3の外部には、超音波プローブ2を装置本体3と接続するプローブコネクタ4と、超音波プローブの保持手段30を構成する超音波プローブ2を洗浄する洗浄ユニット8と、洗浄時に超音波プローブ2を保持する洗浄用プローブホルダー14と、超音波プローブ2を使用しないときに掛けておくプローブホルダー6が設けられると共に、超音波診断装置1を操作するための操作パネル7と、再生された画像を映し出すモニター5を設けてある。
操作パネル7には、超音波診断装置1の様々な制御や画質条件設定を行うことが可能な、ボタン、キーボード、トラックボールなどが配置されている。
装置本体3の内部には、図示しない超音波送受信ユニット、信号解析ユニット、信号処理ユニット、画像生成回路、制御プロセッサー、記憶媒体などを収納している。
図2は、図1に示した洗浄ユニット8の構成を示している。
図2(a)において、洗浄ユニット8は、超音波プローブ2を洗浄する洗浄器9と、洗浄液13を入れる洗浄容器12と、後述する洗浄器9の上下機構11を備えている。
洗浄器9は、その上面中央部には洗浄容器12を収容する洗浄槽9cと、その内部には洗浄槽9cの下に位置し超音波洗浄を行うための超音波振動子9aと、その上面両端部には超音波プローブ2に付着した水分を除去して乾燥させるための洗浄槽9cを介して対向配置した2つの温風器10と、その前方側面には洗浄と温風動作をさせるON、洗浄または温風動作を停止するOFF、及び洗浄または温風動作時間のタイマー設定するスイッチ9bと、動作終了時に終了を知らせるブザーを備えている。
温風器10は、モータ10aで送風翼10bを回転し、ニクロム線などの発熱体10cでヘッド2aが加熱しないように温度コントロールされた温風を噴出口10dから噴出し、ヘッド2aに残存した洗浄液を除去して乾燥させる。
図2(b)は、洗浄ユニット8の上下機構11の構成を示している。上下機構11は、お互い並行に離間して配置した2つのガイドレール11aと、ガイドレール11aと係合しスライド可能な2つの可動部11bと、洗浄器9の上下動の上死点を位置付ける2つのストッパー11c及び下死点を位置付ける2つのストッパー11dと、洗浄器9を上方へ引っ張るスプリング11gと、洗浄器9の上方への引張力を緩衝するダンパー11fと、洗浄器9の上方へのスプリング11gによる引張力を横方向に変換するプーリー11eからなる。
そして、2本のガイドレール11aの上端、プーリー11eの回転軸、ダンパー11fの上端、及びスプリング11gの一端は装置本体3に固定され、2つの可動部11b、ダンパー11fの下端、及びスプリング11gの他端は洗浄器9に固定されている。なお、洗浄器9の後ろには電源ケーブル9dが装置本体3に接続されている。
洗浄器9をスプリング11gのばね力に抗して下げて、超音波プローブ2のグリップ2cを洗浄用プローブホルダー14に保持させた後に洗浄器9を離すと、洗浄器9のスプリング11gによる上方への引張力を緩衝するダンパー11fの作用により、洗浄器9はゆっくりと上昇するので、洗浄液13を飛散させて洗浄液が装置本体3にかかる心配なく、音響レンズ面2bを含むヘッド2a部分を洗浄液13に浸すことができる。
図3は洗浄ユニットの他の実施例を示すもので、洗浄ユニット15が洗浄ユニット8と異なる点は、図2が超音波振動子を利用した超音波洗浄に対して、磁性体を利用した撹拌による洗浄である点である。
図3において、洗浄器15eの洗浄容器12内には、洗浄容器12の外側底部に設けたモータ15aで回転される回転体15bの回転によって洗浄液13を撹拌する撹拌子15cを配置している。
撹拌子15c内部には磁石15dが内蔵され、回転体15bの回転によって撹拌子15cを回転させるようになっている。
なお、回転体15bを磁石で製作し、撹拌子15cに磁性体を埋め込むようにし、この磁石の回転で、撹拌子15cを回転するようにしてもよい。
撹拌子15cの回転により、洗浄液13が渦巻状に流れ、超音波プローブ2のヘッド2aに付着した水溶性のゼリーを落とすことができる。モータ15aの制御により、回転方向を、正転、反転を繰り返すことによって洗浄効果を高めることもできる。
図4は、洗浄時における超音波プローブ2の保持手段を示している。
図4(a)において、洗浄用プローブホルダー14は、超音波プローブ2のグリップ2cを保持するもので、ガイドレール14g及び14hが装置本体3に固定されており、超音波プローブ2の音響レンズ面2bが下になるように、ガイドレール14g及び14hに沿ってスライドする洗浄用ホルダー14a及び14bでグリップ2cを両側から挟み込んで超音波プローブ2を保持する。
洗浄用ホルダー14a及び14bの入口先端部分は楔形に開いており、この洗浄用ホルダー14a、14bは、グリップ2cをその入口先端部分に押し込むと、その楔形の傾斜に沿って均等に左右にガイドレール14g、14hに案内されてスライドして開くようになっている。
図4(b)は、洗浄用プローブホルダー14を背面から見た図で、グリップ2cを挟み込む機構を示している。洗浄用プローブホルダー14には、グリップ2cを挟み込む洗浄用ホルダー14a及び14bと、洗浄用ホルダー14a及び14bが左右にスライドできるように配置されたガイドレール14g及び14hと、ガイドレール14g及び14hと係合しスライド可能な可動部14c及び14dと、ピニオンギア14jにかみ合いその上下に対向配置されたラック14e及び14fと、洗浄用ホルダー14a及び14bが左右から中心軸14kに向けた力が作用するようにスプリング14iが設けられている。
そして、ガイドレール14g及び14hの一端、スプリング14iの一端、及びピニオンギア14jの回転軸は装置本体3に固定され、可動部14cとラック14gの一端は洗浄用ホルダー14aに固定され、可動部14dとラック14fの一端は浄用ホルダー14bに固定され、ラック14eの他端とスプリング14iの他端が連結されている。
前述の機構によって、超音波プローブ2のグリップ2cは洗浄用ホルダー14a及び14bによって中心軸14kに向けて左右から均等な力で挟み込まれ、所定の位置の洗浄用ホルダー14のほぼ中心で保持されるので、超音波プローブ2を図2に示した洗浄容器12に入る位置に合わせることができる。
また、グリップサイズが異なる超音波プローブにおいても、洗浄用プローブホルダー14のほぼ中心で保持されるので、超音波プローブを簡単に洗浄容器12に入る所定位置に合わせることができる。
図5は、図2に示した洗浄ユニット8を用いて、超音波プローブ2を洗浄し乾燥するまでの洗浄及び乾燥工程16を示している。その工程は、洗浄の準備をする洗浄前工程16aと、超音波プローブ2を洗浄する洗浄工程16bと、洗浄を終えてから乾燥準備までの乾燥前工程16cと、超音波プローブ2を乾燥する乾燥工程16dからなり、洗浄器9のスイッチOFF以外の作業は殆ど全て手作業で行う。
以下に、各工程を図1、図2をも参照しながら説明する。
洗浄容器12への超音波の伝達をよくするために洗浄槽9cに規定量の水を入れた後、洗浄液13の入った洗浄容器12を洗浄槽9cに設置する(16a1)。
次に、超音波プローブ2を洗浄用プローブホルダー14に取り付けの際に、超音波プローブ2が洗浄容器12に接触しない高さに洗浄器9を下げ(16a2)、超音波プローブ2のグリップ2cを洗浄用プローブホルダー14に取り付けた後(16a3)、洗浄器9を離すと、洗浄器9は音響レンズ面2bのすべてが洗浄液13に浸漬する所定の高さまで上昇して停止する(16a4)。ここでは、洗浄液13は、例えば水道水、滅菌水などを用いる。
次に、スイッチ9bの洗浄時間タイマースイッチを設定してONすると(16b1)、超音波洗浄を開始し、所定時間後に洗浄器9のスイッチ9bが自動的にOFFし(16b2)、洗浄終了のブザーが鳴る(16b3)。
洗浄終了後、洗浄器9を下死点位置まで下げて(16c1)、洗浄器9から洗浄容器12を外した後(16c2)、洗浄器9を離すと、洗浄器9は上死点まで上昇して停止する(16c3)。
次に、超音波プローブ2を乾燥させるために、スイッチ9bの乾燥時間タイマースイッチを設定してONすると(16d1)、乾燥を開始し所定時間後に洗浄器9のスイッチ9bが自動的にOFFし(16d2)、乾燥終了のブザーが鳴る(16d3)。
洗浄及び乾燥工程16終了後は、超音波プローブ2を洗浄用プローブホルダー14から外して、次の測定に備えて所定の場所に保管する。
一方、図3に示した洗浄ユニット15を用いた場合も、前述した洗浄ユニット8と同様に、洗浄及び乾燥工程16に従って超音波プローブ2を洗浄し乾燥するまでの作業を行う。
以上の工程に従って作業を行うことによって、超音波診断後に超音波プローブ2に残存したゼリーなどの付着物を、傷つけないで簡単に除去できるようになる。また、超音波プローブ2を装置本体3から外さなくて済むので、手間が省けコネクタ2fに液が浸入する心配もない。
以下に、本発明の実施例2による超音波診断装置の洗浄ユニット及び超音波プローブ洗浄手段を図6乃至図10を参照して説明する。
実施例2が実施例1と異なる点は、図1の洗浄ユニット8が実施例2では図6に示した洗浄ユニット17になっている点と、超音波プローブ2を洗浄する洗浄工程、洗剤を使用して洗浄する洗剤工程及び消毒工程を含む3つの異なるモード工程を有し、このモード工程の中から1つを選んで実行させることができるようになっている点である。
そのため、洗浄ユニット17では、洗浄器18を上下機構駆動部23によって上下移動可能としており、更に、水供給ユニット19、洗剤洗浄液供給ユニット20、消毒液供給ユニット21、及び排水ユニット22によって、洗浄器18に給排水ユニットを追加配置している。
図6は、洗浄ユニット17の構成を示し、超音波プローブ2を洗浄または消毒する洗浄器18と、洗浄器18に水を供給する水供給ユニット19、洗浄器18に中性洗剤などを成分とする洗剤洗浄液供給ユニット20、消毒液を供給する消毒液供給ユニット21、及び洗浄器18に供給された使用済みの液を排水する排水ユニット22を備えている。
洗浄器18は、洗浄液または消毒液を溜める洗浄容器18aと、洗浄容器18aの下方に位置する超音波振動子18bと、2つの温風器10と、水供給ユニット19から供給される水を洗浄容器18aに吐出する水吐出ノズル19cと、洗剤洗浄液供給ユニット20から供給される洗剤洗浄液を洗浄容器18aに吐出する洗剤洗浄液吐出ノズル20cと、消毒液供給ユニット21から供給される消毒液を洗浄容器18aに吐出する消毒液吐出ノズル21cを備えている。
ここで、温風器10のモータ及び発熱体と、超音波振動子18bは、図1で示した装置本体3に収納された図示しない記憶媒体に予め記憶させた夫々所定のタイミングで動作させるプログラムデータに基づいて、制御プロセッサーによって電源部からの印加電流を制御することにより制御され、洗浄器18を制御するようになっている。
水供給ユニット19は、水供給ポンプ19aを用いて、水を水ボトル19bから吸引して洗浄器18に供給する。洗剤洗浄液供給ユニット20は、洗剤洗浄液供給ポンプ20aを用いて、洗剤洗浄液を洗剤洗浄液ボトル20bから吸引して洗浄器18に供給する。消毒液供給ユニット21は、消毒液供給ポンプ21aを用いて、消毒液を消毒液ボトル21bから吸引して洗浄器18に供給する。排水ユニット22は、排水ポンプ22aを用いて、使用済みの液を洗浄器18から吸引して廃液タンク22bに排水する。
水供給ポンプ19a、洗剤洗浄液供給ポンプ20a、消毒液供給ポンプ21a、及び排水ポンプ22aは、例えばぺリスタポンプを使用し、装置本体3に収納された図示しない記憶媒体に予め記憶させた夫々所定のタイミングで動作させるプログラムデータに基づいて、制御プロセッサーによって電源部からの駆動モータへの印加電流を制御することにより、洗浄器18への洗浄液または消毒液の供給や排水を制御できるようになっている。
洗浄器18を上下させる上下機構駆動部23は、例えば駆動モータや複数のギアで構成され、装置本体3に収納された図示しない記憶媒体に予め記憶させた所定のタイミングで動作させるプログラムデータに基づいて、制御プロセッサーによって電源部から駆動モータへの印加電流を制御することにより、洗浄器18の所定の高さへの上下移動を制御するようになっている。
そして、図中で示した洗浄ユニット17の夫々の動作部における動作シーケンスを、図7乃至図10で説明する。始めに図7(a)(b)(c)に示した洗浄モードa、洗剤モードb、消毒モードcをプログラミングしておき、図1の操作パネル7から夫々のモードを指示することによって、選択されたモードに従って超音波プローブを洗浄できるようになっている。
即ち図8は、図6に示した洗浄ユニット17を用いて、洗浄工程Aにより超音波プローブを洗浄するもので、水洗浄及び乾燥する水洗浄及び乾燥工程24を示している。そして、その工程は手作業により洗浄の準備をする洗浄準備工程24aと、図1に示した超音波診断装置1が自動的に連続して行う洗浄モード工程24bを有している。
また、洗浄モード工程24bは、洗浄の準備を行う洗浄前工程24cと水洗浄及び乾燥を行う洗浄工程Aからなる。
図1及び図6を参照しながら、先ず図中の洗浄準備工程24a及び洗浄前工程24cについて説明する。図1の超音波プローブ2のグリップ2cを、図6の洗浄準備工程24aにおいて洗浄用プローブホルダー14に取り付けた後(24a1)、図1の操作パネル7の洗浄モードの中から洗浄モードaを指定し(24a2)、洗浄開始ボタンを押すと(24a3)、図6の洗浄前工程24cに移り洗浄ユニット17は動作を開始し(24b1)、洗浄器18を所定の高さまで上げて停止する(24b2)。
次に、洗浄工程Aについて、ステップ24b3乃至ステップ24b10を用いて説明する。
洗浄器18停止後、図6の水供給ポンプ19aを作動させて、超音波プローブ2の音響レンズ面2bを含むヘッド2a部分が水に浸る所定量を、水吐出ノズル19cから洗浄容器18aに供給する(24b3)。
洗浄容器18aに水を供給終了後、図6の超音波振動子18bを作動させて超音波洗浄を行い(24b4)、所定時間後に超音波洗浄を終了する(24b5)。
次に、図6の排水ユニット22の排水ポンプ22aを所定の時間作動させて、洗浄容器18a内のほぼすべての水を排水ノズル22cから排水タンク22bに排水する(24b6)。
排水終了後、図6の温風器10を作動させて、所定の時間温風を超音波プローブ2に当てて乾燥させる(24b7)。
乾燥が終了すると(24b8)、洗浄器18が下死点まで下がり(24b9)、洗浄及び乾燥工程終了のブザーが鳴り(24b10)、洗浄モード工程24bが完了したことを知らせる。
このように、洗浄工程Aにより図5に示した洗浄前工程16b乃至乾燥工程16eとほぼ同じ工程を自動的に行なわせることによって、超音波診断後に超音波プローブ2に残存したゼリーなどの付着物を、超音波プローブ2を傷つけることなく簡単に除去でき、作業効率を上げることができる。
図9は、図6に示した洗浄ユニット17を用いて、洗剤工程Bにより超音波プローブを洗剤洗浄するもので、洗剤洗浄及び乾燥する洗剤洗浄及び乾燥工程25を示している。そして、その工程は手作業により洗剤洗浄の準備をする洗剤洗浄準備工程25aと、図1に示した超音波診断装置1が自動的に連続して行う洗剤モード工程25bを有している。
また、洗剤モード工程25aは、洗剤洗浄の準備を行う洗浄前工程24cと、洗剤洗浄を行う洗剤工程Bと、洗剤洗浄後の洗剤を洗い落とし乾燥させる水洗浄及び乾燥を行う洗浄工程Aからなる。ここで洗浄前工程24cと洗浄工程Aは、図8で述べたものと同一の作業が行われる。
図1及び図6をも参照しながら、洗剤洗浄及び乾燥工程25を説明する。図1の超音波プローブ2のグリップ2cを図6の洗浄用プローブホルダー14に取り付けた後(25a1)、図1の操作パネル7の洗浄モードの中から洗剤モードbを指定し(25a2)、洗浄開始ボタンを押して(25a3)、洗剤洗浄準備工程25aが完了する。次いで図6の洗浄ユニット17が動作を開始し(24b1)、洗浄器18を所定の高さまで上げて停止し(24b2)、洗浄前工程24cが終了する。
次に、洗剤工程Bに移る。洗浄器18停止後、図6の洗剤洗浄液供給ポンプ20aを作動させて、音響レンズ面2bを含むヘッド2a部分が洗剤洗浄液に浸る所定量を、洗剤洗浄液吐出ノズル20cから洗浄容器18aに供給し(25b1)、洗剤洗浄液を供給終了後、超音波振動子18bを作動させて超音波洗浄を行い(25b2)、所定時間後に超音波洗浄を終了する(25b3)。
続いて、図6の排水ユニット22の排水ポンプ22aを所定の時間作動させて、洗浄容器18a内のほぼすべての洗剤洗浄液を排水ノズル22cから排水タンク22bに排水する(25b4)。
排水終了後、引き続き洗浄工程Aを行わせて、洗浄工程Aが終了することにより洗剤モード工程25aのすべての動作が完了する。
このように、洗剤工程Bにより図5で説明した洗剤洗浄、水洗浄及び乾燥工程とほぼ同じ工程を自動的に行なわせることによって、超音波診断後に超音波プローブ2に残存したゼリーなどの付着物を、超音波プローブ2を傷つけることなく水よりも強力に除去でき、作業効率を上げることができる。
図10は、図6に示した洗浄ユニット17を用いて、消毒工程Cにより超音波プローブを消毒するもので、消毒及び乾燥する消毒及び乾燥工程26を示している。そして、その工程は手作業により消毒の準備をする消毒準備工程26aと、図1に示した超音波診断装置1が自動的に連続して消毒を行う消毒モード工程26bを有している。
また、消毒モード工程26aは、消毒の準備を行う洗浄前工程24cと、消毒を行う消毒工程Cと、消毒後の消毒液を洗い落とし乾燥させる水洗浄及び乾燥を行う洗浄工程Aからなる。ここで、洗浄前工程24cと洗浄工程Aは、図8で述べたものと同一の作業が行われる。
図1及び図6を参照しながら、先ず消毒準備工程26a及び洗浄前工程24cについて説明する。図1の超音波プローブ2のグリップ2cを図6の洗浄用プローブホルダー14に取り付けた後(26a1)、図1の操作パネル7の洗浄モードの中から消毒モードcを指定し(26a2)、洗浄開始ボタンを押し(26a3)、消毒準備工程26aが終了すると、洗浄前工程24cに移り、図6の洗浄ユニット17は動作を開始し(24b1)、洗浄器18を所定の高さまで上げて停止する(26b2)。
次に、消毒工程Cについて説明する。洗浄器18停止後、図6の消毒液供給ユニット21の消毒液供給ポンプ21aを作動させて、音響レンズ面2bを含むヘッド2a部分が消毒液に浸る所定量を、消毒液吐出ノズル21cから洗浄容器18aに供給し(26b1)、消毒液を供給終了後、所定の時間だけヘッド2cを消毒液に浸漬し消毒を行い(26b2)、所定時間後に消毒を終了する(26b3)。
次に、図6の排水ユニット22の排水ポンプ22aを所定の時間作動させて、洗浄容器18a内のほぼすべての消毒液を排水ノズル22cから排水タンク22bに排水する(26b4)。ここで消毒工程Cが終了する。
排水終了後、引き続き洗浄工程Aを行わせて、洗浄工程Aが終了することにより消毒モード工程26aのすべての動作が完了する。
このように、消毒工程Cにより図5で説明した消毒、水洗浄及び乾燥工程とほぼ同じ工程を自動的に行わせることによって、超音波診断後に超音波プローブ2の消毒作業の効率を上げることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば消毒モードにおける消毒工程の後に洗剤工程を追加して行うようにしても、更には洗剤モードにおける洗剤工程の後に消毒工程を追加して実施するようにしてもよい。
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
3 装置本体
8 洗浄ユニット
14 洗浄用プローブホルダー
a 洗浄モード
b 洗剤モード
c 消毒モード
A 洗浄工程
B 洗剤工程
C 消毒工程
2 超音波プローブ
3 装置本体
8 洗浄ユニット
14 洗浄用プローブホルダー
a 洗浄モード
b 洗剤モード
c 消毒モード
A 洗浄工程
B 洗剤工程
C 消毒工程
Claims (7)
- 被検体内に超音波を放射し、被検体内で反射した信号を受信する超音波プローブとその信号を処理する装置本体から成る超音波診断装置において、
前記装置本体に取り付けられ、前記超音波プローブを超音波プローブのレンズ面が下向きになるように保持する洗浄用プローブ保持手段と、
前記装置本体に取り付けられ、前記洗浄用プローブ保持手段によって保持される前記超音波プローブの下方に位置し、所定の範囲を上下移動可動に設けた超音波プローブ洗浄手段を
備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記超音波プローブ洗浄手段は、前記超音波プローブを乾燥する超音波プローブ乾燥手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 被検体内に超音波を放射し、被検体内で反射した信号を受信する超音波プローブとその信号を処理する装置本体から成る超音波診断装置において、
前記装置本体に取り付けられ、前記超音波プローブを超音波プローブのレンズ面が下向きになるように保持する洗浄用プローブ保持手段と、
前記装置本体に取り付けられ、前記洗浄用プローブ保持手段によって保持される前記超音波プローブの下方に位置し、所定の範囲を上下移動可動に設けた洗浄器を備えた超音波プローブ洗浄ユニットを有し、
前記超音波プローブ洗浄ユニットは、前記洗浄器の洗浄器内に洗浄液を供給且つ排水する洗浄液給排水手段と、
前記洗浄器の前記移動を制御する制御手段とを
有することを特徴とする超音波診断装置。 - 前記超音波プローブ洗浄ユニットは、前記洗浄器の洗浄容器内に洗剤または消毒液の少なくともいずれか一方を供給する供給手段と、
前記洗浄液給排水手段及び前記供給手段の作動を選択制御する制御手段とを
有することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。 - 前記制御手段は、前記洗浄液供給手段と、前記供給手段の作動順序を選択指定する指定手段を有し、
前記指定手段の指定に従って制御手段で制御するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。 - 前記所定の範囲は、前記レンズ面を洗浄する高さを上限とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
- 被検体内に超音波を放射し、被検体内で反射した信号を受信する超音波プローブとその信号を処理する装置本体から成る超音波診断装置において、
前記超音波プローブを前記装置本体に取り付けられた洗浄用プローブ保持手段に超音波プローブのレンズ面が下向きになるように保持し、
前記超音波プローブの下方に位置する超音波プローブ洗浄ユニットの洗浄器を前記レンズ面を洗浄する高さまで移動させ、
しかる後、前記超音波プローブ洗浄ユニットの前記洗浄容器内に洗浄液給排水手段から洗浄液を供給し、
前記超音波プローブ洗浄終了後前記洗浄器内の洗浄液を排出し、
前記超音波プローブを乾燥させた後、前記洗浄器を下方へ移動させるようにしたことを特徴とする超音波プローブ洗浄方法。
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