JP2005198383A - スターリングエンジン熱電併給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
系統連系状態において単独運転検知可能なスターリングエンジン熱電併給システムを提供する。
【解決手段】
出力ピストン15に永久磁石20を備え、ケーシング11側に電磁コイル22,23を固定し、出力ピストン15の周期運動により発電する機械的駆動機構を用いないフリーピストンスターリングエンジン1と、出力ピストン15の周期運動を発生させるために供給された熱を回収して利用する排熱回収機構2を備えた、スターリングエンジン熱電併給システム10であって、フリーピストンスターリングエンジン1を発振させるための駆動用インバータ3と、フリーピストンスターリングエンジン1が発電した電力を、商用電力系統5に連系させるための系統連系用インバータ4を備えてなり、系統連系用インバータ4がフリーピストンスターリングエンジン1の単独運転検知機能を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フリーピストンスターリングエンジンを用いた熱電併給システムに関し、より詳細には、商用電力系統との連系接続が可能で、系統電源停電時における単独運転を防止する単独運転防止機能を備えたスターリングエンジン熱電併給システムに関する。
スターリングエンジンは、原理的には、膨張空間と圧縮空間において、「等温膨張・等容冷却・等温圧縮・等容加熱」を繰り返す基本熱サイクルによって機械的運動を発生するもので、機械的駆動機構によって種々の構成形式が存在する。しかし、機械的駆動機構を有するスターリングエンジンは、上記基本熱サイクルに関与するヘリウム等の作動流体がケーシング外部に漏れるという問題があり、性能を長時間に亘って維持することが困難であった。
そこで、機械的駆動機構を有しない、つまり、上記機械的運動を機械的運動として外部に出力せずに、一旦電気エネルギ等に変換して出力するフリーピストンスターリングエンジンが提案され、実用化されている。
上記のような発電機構を備えたフリーピストンスターリングエンジンの基本的な構成を図7に模式的に示す。フリーピストンスターリングエンジン1は、ケーシング11内に往復動自在なディスプレーサ12を設け、このディスプレーサ12によって仕切られた膨張空間13と圧縮空間14を形成し、更に、ケーシング11内にディスプレーサ12の往復動に応じた作動流体の圧力変化に従って往復動する出力ピストン15を、圧縮空間14を挟んでディスプレーサ12の反対側に設け、更に、出力ピストン15の圧縮空間14の反対側にバウンス空間16にバネ機構(図示せず)を設けてある。また、ディスプレーサ12は、出力ピストン15に設けられた貫通孔を挿通するロッド12aを備え、ロッド12aの端部12bでバウンス空間16側の圧力を受圧可能な構成となっている。尚、上記バネ機構としては、コイルスプリングや板バネ等の機械式バネ、ガスバネ、或いは、電磁バネ等が用いられている。
更に、膨張空間13は連通管を介して加熱部(高温熱交換器)17に連絡し、圧縮空間14は連通管を介して冷却部(低温熱交換器)18に連絡し、加熱部17と冷却部18の間には作動流体が通過可能な蓄熱体を備えた再生器19が設けられている。従って、膨張空間13と圧縮空間14は、冷却部18、再生器19、加熱部17を介して連通しているため、ディスプレーサ12の位置に拘わらず同じ圧力に調整される。更に、出力ピストン15には永久磁石20が設けられ、出力ピストン15の往復動に伴って同様に往復動する永久磁石20の磁界が横切る位置に電磁コイル21を設け、永久磁石20の往復動による磁界の交番変化を電磁コイル21で交流電力に変換可能な構成となっている。
尚、フリーピストンスターリングエンジンについては、種々の形態のものが、下記の特許文献1〜3に開示されている。
ディスプレーサ12の往復動の原理について簡単に説明すれば、図7においてディスプレーサ12が下方(圧縮空間14側)に移動すると、圧縮空間14内の作動流体は、冷却部18、再生器19、加熱部17を通って膨張空間13に送出される。この過程で、作動流体は吸熱膨張して出力ピストン15を押し下げる。ここで、バウンス空間16側の方が、膨張空間13と圧縮空間14より高圧になると、ディスプレーサ12が上方(膨張空間13側)に押し上げられる。一方、ディスプレーサ12が上方(膨張空間13側)に移動すると、膨張空間13内の作動流体は、加熱部17、冷却部18、再生器19を逆に通って圧縮空間14に送出される。この過程で、作動流体は冷却収縮して圧力が低下するので、出力ピストン15が上方に押し上げられる。ここで、バウンス空間16側の方が、膨張空間13と圧縮空間14より低圧になると、ディスプレーサ12が下方(圧縮空間14側)に押し下げられる。かかる出力ピストン15の往復動によって発電されることになる。
フリーピストンスターリングエンジン1は、外部エネルギによって出力ピストン15を往復動させることで始動し、冷却部18、再生器19、加熱部17を介して連通している圧縮空間14と膨張空間13内の作動流体の圧力が周期的に変化することでディスプレーサ12が往復動する。結果として上記各部の構成によって定まる固有振動数で、加熱部17からの吸熱と冷却部18での放熱を繰り返すことによって、出力ピストン15の周期的な運動が継続し、当該固有振動で定まる周波数の交流電力を出力する。
また、上記構成のフリーピストンスターリングエンジン1では、加熱部17で作動流体に与えた熱を冷却部18で回収可能な構成とすることができるが、その熱効率が非常に高いことから、最近では熱電併給システムとして実用化されている(例えば、下記特許文献4等参照)。図8に、フリーピストンスターリングエンジン1を熱電併給システムとして使用する場合の構成例を示す。
特開2003−130480号公報 特許第3100163号明細書 実公平8−520号公報 特表2003−525386号公報
ところで、図8に示すように、フリーピストンスターリングエンジンを用いた熱電併給システムを実際に運用する場合、電力の使用効率を高めるために商用電力系統と系統連系する必要がある。しかし、フリーピストンスターリングエンジンは、系統連系させることはできても、商用電力系統が停電した場合にフリーピストンスターリングエンジンの単独運転検知ができず、系統事故や工事の際に危険な状態になる虞が高い。つまり、フリーピストンスターリングエンジンは定常運転状態では、駆動用電力の入力がなくてもフリーピストンスターリングエンジンの構造で規定される周波数で発電し、当該周波数が商用電力系統の周波数と同じに設定されているため、単独運転検知ができないことによる。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、系統連系状態において単独運転検知可能なスターリングエンジン熱電併給システムを提供することにある。
この目的を達成するための本発明に係るスターリングエンジン熱電併給システムの第一の特徴構成は、出力ピストンに永久磁石を固定し、ケーシング側に電磁コイルを固定し、前記出力ピストンの周期運動により発電する機械的駆動機構を用いないフリーピストンスターリングエンジンと、前記フリーピストンスターリングエンジン内の作動流体を加熱するために供給された熱を回収して利用する排熱回収機構を備えた、スターリングエンジン熱電併給システムであって、前記フリーピストンスターリングエンジンを発振させるための駆動用インバータと、前記フリーピストンスターリングエンジンが発電した電力を、商用電力系統に連系させるための系統連系用インバータと、前記フリーピストンスターリングエンジンの単独運転を検知する単独運転検知装置と、を備えてなる点にある。
上記スターリングエンジン熱電併給システムの第一の特徴構成によれば、商用電力系統からの系統電力を、駆動用インバータを介してフリーピストンスターリングエンジンに入力することで、電磁コイルと永久磁石で形成されるリニアモータによって出力ピストンに往復動を与えてフリーピストンスターリングエンジンを始動でき、始動したフリーピストンスターリングエンジンの発電電力を、系統連系用インバータを介して商用電力系統と系統連系させることができる。ここで、フリーピストンスターリングエンジンの発電電力と商用電力系統が系統連系用インバータによって分離していることから、単独運転検知装置は商用電力系統の停電を検知してフリーピストンスターリングエンジンの単独運転を検知できる。そして、当該単独運転検知によって、系統連系用インバータの運転の停止と連系接続の遮断の少なくとも何れか一方を実行することにより、フリーピストンスターリングエンジンの単独運転を防止できる。
同第二の特徴構成は、上記第一の特徴構成に加えて、前記電磁コイルが、前記駆動用インバータに接続する駆動用コイルと、前記系統連系用インバータに接続する発電用コイルからなる点にある。これにより、駆動用コイルと永久磁石で出力ピストン駆動用のリニアモータが形成され、発電用コイルと永久磁石で出力ピストンの往復動を電力に変換する発電機が形成され、上記第1の特徴構成の作用効果を奏することができる。
同第三の特徴構成は、上記第一の特徴構成に加えて、前記電磁コイルが、前記駆動用インバータに接続する駆動用コイルと、前記系統連系用インバータに接続する発電用コイルの2つの機能を兼ね備えている点にある。これにより、電磁コイルと永久磁石で出力ピストン駆動用のリニアモータが形成され、電磁コイルと永久磁石で出力ピストンの往復動を電力に変換する発電機が形成され、上記第1の特徴構成の作用効果を奏することができる。また、駆動用コイルと発電用コイルを分離する必要がなく、電磁コイルの構成を簡単化できる。
同第四の特徴構成は、上記第三の特徴構成に加えて、前記駆動用インバータと前記系統連系用インバータが1つの双方向インバータで構成されている点にある。これにより、駆動用インバータと系統連系用インバータを一体化できるので、システム構成の簡素化が図れる。
同第五の特徴構成は、上記第一乃至第四の何れかの一つの特徴構成に加えて、前記系統連系用インバータが単独運転検知装置を内蔵している点にある。これにより、系統連系用インバータと単独運転検知装置を一体化できるので、システム構成の簡素化が図れる。
本発明に係るスターリングエンジン熱電併給システム(以下、適宜「本発明システム」という。)の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。尚、従来のフリーピストンスターリングエンジン(図7参照)と同じ構成部分については同じ符号を付して説明する。
〈第1実施形態〉
図1に示すように、本発明システム10は、フリーピストンスターリングエンジン1、フリーピストンスターリングエンジン1からの放熱を回収する排熱回収機構2、商用電力系統5と接続してフリーピストンスターリングエンジン1を始動するための駆動電力を与える駆動用インバータ3、及び、フリーピストンスターリングエンジン1の発電電力を、商用電力系統5に連系させるためのインバータであって、単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ4を備えて構成される。
フリーピストンスターリングエンジン1は、公知のフリーピストンスターリングエンジンであれば特に如何なる形式のものでも構わないが、基本的には、図1に示すように、従来技術として図7で説明したものと同じ構成である。従って、フリーピストンスターリングエンジン1は、ケーシング11内に往復動自在なディスプレーサ12を備え、このディスプレーサ12によって仕切られた膨張空間13と圧縮空間14を形成し、膨張空間13と圧縮空間14内の圧力変化に従って往復動する出力ピストン15を、圧縮空間14を挟んでディスプレーサ12の反対側に備え、更に、出力ピストン15の圧縮空間14の反対側にバウンス空間16にバネ機構(図示せず)を備えている。また、ディスプレーサ12は、出力ピストン15に設けられた貫通孔を挿通するロッド12aを備え、ロッド12aの端部12bでバウンス空間16側の圧力を受圧可能な構成となっている。尚、上記バネ機構としては、コイルスプリングや板バネ等の機械式バネ、ガスバネ、或いは、電磁バネ等が適宜採用できる。更に、膨張空間13は連通管を介して加熱部(高温熱交換器)17に連絡し、圧縮空間14は連通管を介して冷却部(低温熱交換器)18に連絡し、加熱部17と冷却部18の間には作動流体が通過可能な蓄熱体を備えた再生器19が設けられている。更に、ケーシング11内において出力ピストン15には永久磁石20が設けられ、出力ピストン15の往復動に伴って往復動する永久磁石20の磁界が横切る位置に2つの電磁コイル22、23が設けられている。一方の電磁コイル22は、出力ピストン15に往復動を与えてフリーピストンスターリングエンジン1を発振させるための駆動用コイル22で、他方の電磁コイル23は、出力ピストン15つまり永久磁石20の往復動を電力に変換する発電機を構成する発電用コイル23である。尚、作動流体としてはヘリウムが一般的に使用されるが、作動流体はヘリウムに限定されるものではない。
フリーピストンスターリングエンジン1の加熱部17への加熱は、例えば、バーナ装置等で都市ガスを燃焼させることで実現可能であるが、本発明システム10では、加熱手段は特に都市ガスの燃焼に限定されるものではない。
排熱回収機構2は、例えば、フリーピストンスターリングエンジン1の冷却部18からの放熱を水等の排熱回収媒体の加熱に利用して温水として回収する機構で、冷却部18が、排熱回収機構2の一部として、冷却部18内の作動流体と排熱回収媒体の間の熱交換器で構成される。この場合、排熱回収機構2には、例えば、排熱回収により生成された温水を貯湯する貯湯タンク等が含まれる。尚、排熱回収機構2は、当該形態に限定されるものではない。
駆動用インバータ3は、図2に示すように、入力側で商用電力系統5に接続し、商用電力系統5の商用交流電力を内蔵のダイオードブリッジ等の整流器31で一旦直流化した後に、内蔵のIGBT(3端子バイポーラMOS複合半導体素子)等のパワートランジスタで構成されたブリッジ回路32によりフリーピストンスターリングエンジン1の発電周波数に一致した周波数の交流電力に変換し、フリーピストンスターリングエンジン1の駆動用コイル22に交流電流を通電する。つまり、駆動用インバータ3は、駆動用コイル22に対して発振器として機能する。ブリッジ回路32の制御は、パワートランジスタの各ゲートを駆動するゲート駆動部33に対して正弦波PWM方式等で制御する制御部34で行われる。尚、駆動用インバータ3の出力は、出力ピストン15の始動に必要十分な小出力で構わない。
単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ4は、図3に示すように、駆動用インバータ3と同様の回路構成のAC/AC変換部41、連系継電器42、単独運転検出部43、出力制御部44、電流検出部45、及び、電圧検出部46を備えて構成される。AC/AC変換部41は、入力側でフリーピストンスターリングエンジン1の発電用コイル23に接続し、フリーピストンスターリングエンジン1の発電電力を内蔵のダイオードブリッジ等の整流器47で一旦直流化した後に、内蔵のIGBT等のパワートランジスタで構成されたブリッジ回路48により商用電力系統5の系統周波数に一致した周波数の交流電力に変換する。ブリッジ回路48の制御は、パワートランジスタの各ゲートを駆動するゲート駆動部49に対して正弦波PWM方式等で制御する制御部50で行われる。
連系継電器42は、AC/AC変換部41の出力側と商用電力系統5を接続する継電器で、単独運転(系統停電)検知時に出力制御部44によって開成され通電状態が遮断される。
単独運転検出部43は、系統電圧を監視して、系統停電による単独運転時に現れる変化を検出する受動的単独運転検出機能と、系統連系発電装置側(つまり、単独運転検出部43)から出力に特定の変動を与えて単独運転時に現れる変化を検出する能動的単独運転検出機能の2方式の単独運転検出機能を、単独で、或いは両者を組み合わせて構成される。受動的方式としては、電圧位相跳躍検出式、3次高調波歪急増検出式、周波数変化率検出式等の方式がある。能動的方式としては、周波数シフト式、有効電力変動式、無効電力変動式等の方式がある。本発明システム10では、系統連系において要求される精度に応じて適切な方式を採用すればよく、特定の方式に限定されるものではない。従って、これら単独運転検出機能を実現する公知の回路構成や検出アルゴリズムを採用すればよい。
出力制御部44は、単独運転検出部43で所定の単独運転検出方式で検出された単独運転(つまり、系統停電)の検出信号S1に基づいて、AC/AC変換部41の運転停止を制御するゲートブロック51と連系継電器42の開閉を制御する解列制御部52を備えて構成される。ゲートブロック51は、単独運転検出信号S1を受け取ると、AC/AC変換部41のゲート駆動部49に対して運転停止信号S2を出力し、AC/AC変換部41の運転を停止させる。解列制御部16は、単独運転検出信号S1を受け取ると、連系継電器42に対して解列信号S3を出力して連系継電器42を開成させ、AC/AC変換部41の出力と商用電力系統5との連系接続を遮断する。
電流検出部45と電圧検出部46は、夫々電流トランスや電圧トランス等で構成され、AC/AC変換部41の出力と商用電力系統5の間に設置されている。単独運転検出部43は、夫々の単独運転検出方式に基づいて電流検出部45と電圧検出部46の出力に基づいて単独運転検出を実行する。
図1に示すように本発明システム10を構成することで、フリーピストンスターリングエンジン1の始動を、駆動用インバータ3を介して実行できるとともに、フリーピストンスターリングエンジン1の発電電力と商用電力系統5に系統連系した状態で、フリーピストンスターリングエンジン1の単独運転を単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ4によって検出し、系統連系を遮断することで、単独運転状態を防止することができる。
〈第2実施形態〉
次に、本発明システムの第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る本発明システム30は、図4に示すように、フリーピストンスターリングエンジン1、排熱回収機構2、駆動用インバータ3、及び、単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ4を備えて構成される。排熱回収機構2、駆動用インバータ3、及び、単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ4は、第1実施形態のものと同じであるので、重複する説明は省略する。
第1実施形態との相違点は、第2実施形態では、フリーピストンスターリングエンジン1の電磁コイル24が1つ設けられており、第1実施形態のフリーピストンスターリングエンジン1の駆動用コイル22と発電用コイル23を兼ね備えた形態となっている点である。そして、フリーピストンスターリングエンジン1の発電電力が、駆動用インバータ3の出力を介して系統連系用インバータ4に入力されるように、或いは、駆動用インバータ3の出力電力が、系統連系用インバータ4の入力を介して電磁コイル24に入力されるように、電磁コイル24の一方端が系統連系用インバータ4の入力の一方端に、電磁コイル24の他方端が駆動用インバータ3の出力の一方端に接続し、系統連系用インバータ4の入力の他方端と駆動用インバータ3の出力の他方端が接続している。
図4に示すように本発明システム30を構成することにより、フリーピストンスターリングエンジン1の単独運転防止機能を担保した状態で、1つの電磁コイル24で、フリーピストンスターリングエンジン1の始動と発電の両方を行うことが可能となる。
〈第3実施形態〉
次に、本発明システムの第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る本発明システム40は、図5に示すように、フリーピストンスターリングエンジン1、排熱回収機構2、及び、単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ6を備えて構成される。フリーピストンスターリングエンジン1、及び、排熱回収機構2は、第2実施形態のものと同じであるので、重複する説明は省略する。
第2実施形態との相違点は、第3実施形態では、単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ6が双方向インバータで構成され、第2実施形態における駆動用インバータ3と単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ4を兼ね備えた形態となっている点である。系統連系用インバータ6の一方の入出力端がフリーピストンスターリングエンジン1の電磁コイル24に接続し、系統連系用インバータ6の他方の入出力端が商用電力系統5に連系接続している。
双方向インバータである単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ6は、図6に示すように、AC/AC変換部61、連系継電器62、単独運転検出部63、出力制御部64、電流検出部65、及び、電圧検出部66を備えて構成される。連系継電器62、単独運転検出部63、出力制御部64、電流検出部65、及び、電圧検出部66は、第1及び第2実施形態の単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ4の連系継電器42、単独運転検出部43、出力制御部44、電流検出部45、及び、電圧検出部46と基本的に同じである。
第3実施形態の系統連系用インバータ6は、双方向機能を有するため、AC/AC変換部61の構成が、第1及び第2実施形態のAC/AC変換部41と異なる。具体的には、AC/AC変換部61は、AC/AC変換部41の整流器47に代えて、ブリッジ回路68を2つ設けて構成されている。ブリッジ回路68の制御がパワートランジスタの各ゲートを駆動するゲート駆動部69に対して正弦波PWM方式等で制御する制御部70で行われる点は第1実施形態と同じである。
図5に示すように本発明システム40を構成することにより、フリーピストンスターリングエンジン1の単独運転防止機能を担保した状態で、1つの電磁コイル24と1つの系統連系用インバータ6で、フリーピストンスターリングエンジン1の始動と発電の両方を行うことが可能となる。
以上、単独運転検知機能を具備したスターリングエンジン熱電併給システムの実施形態につき詳細に説明したが、第1及び第2実施形態における単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ4の単独運転検出部43または単独運転検出部43と出力制御部44、或いは、第3実施形態における単独運転検知機能付きの系統連系用インバータ6の単独運転検出部63または単独運転検出部63と出力制御部64は、独立した単独運転検出装置として構成されても構わない。
本発明に係るスターリングエンジン熱電併給システムの一実施形態を示す構成図 本発明に係るスターリングエンジン熱電併給システムの駆動用インバータの一構成例を示すブロック構成図 本発明に係るスターリングエンジン熱電併給システムの単独運転検知機能付きの系統連系用インバータの一構成例を示すブロック構成図 本発明に係るスターリングエンジン熱電併給システムの他の実施形態を示す回構成図 本発明に係るスターリングエンジン熱電併給システムの他の実施形態を示す回構成図 本発明に係るスターリングエンジン熱電併給システムの単独運転検知機能付きの系統連系用双方向インバータの一構成例を示すブロック構成図 フリーピストンスターリングエンジンの基本的な構成を模式的に示す構成図 従来のフリーピストンスターリングエンジンを用いた熱電併給システムのシステム構成を示すブロック図
符号の説明
10、30、40:本発明に係るスターリングエンジン熱電併給システム
1: フリーピストンスターリングエンジン
2: 排熱回収機構
3: 駆動用インバータ
4: 単独運転検知機能付き系統連系用インバータ
5: 商用電力系統
6: 単独運転検知機能付き系統連系用インバータ(双方向インバータ)
11: ケーシング
12: ディスプレーサ
12a: ロッド
12b: ロッド端部
13: 膨張空間
14: 圧縮空間
15: 出力ピストン
16: バウンス空間
17: 加熱部(高温熱交換器)
18: 冷却部(低温熱交換器)
19: 再生器
20: 永久磁石
21: 電磁コイル
22: 電磁コイル(駆動用コイル)
23: 電磁コイル(発電用コイル)
24: 電磁コイル(駆動用、発電用兼用コイル)
41、61: AC/AC変換部
42、62: 連系継電器
43、63: 単独運転検出部
44、64: 出力制御部
45、65: 電流検出部
46、66: 電圧検出部
31、47: 整流器
32、48、68: ブリッジ回路
33、49、69: ゲート駆動部
34、50、70: 制御部
51、71: ゲートブロック
52、72: 解列制御部
S1: 単独運転検出信号
S2: 運転停止信号
S3: 解列信号

Claims (5)

  1. 出力ピストンに永久磁石を固定し、ケーシング側に電磁コイルを固定し、前記出力ピストンの周期運動により発電する機械的駆動機構を用いないフリーピストンスターリングエンジンと、前記フリーピストンスターリングエンジン内の作動流体を加熱するために供給された熱を回収して利用する排熱回収機構を備えた、スターリングエンジン熱電併給システムであって、
    前記フリーピストンスターリングエンジンを発振させるための駆動用インバータと、
    前記フリーピストンスターリングエンジンが発電した電力を、商用電力系統に連系させるための系統連系用インバータと、
    前記フリーピストンスターリングエンジンの単独運転を検知する単独運転検知装置と、
    を備えてなるスターリングエンジン熱電併給システム。
  2. 前記電磁コイルが、前記駆動用インバータに接続する駆動用コイルと、前記系統連系用インバータに接続する発電用コイルからなることを特徴とする請求項1に記載のスターリングエンジン熱電併給システム。
  3. 前記電磁コイルが、前記駆動用インバータに接続する駆動用コイルと、前記系統連系用インバータに接続する発電用コイルの2つの機能を兼ね備えていることを特徴とする請求項1に記載のスターリングエンジン熱電併給システム。
  4. 前記駆動用インバータと前記系統連系用インバータが1つの双方向インバータで構成されていることを特徴とする請求項3に記載のスターリングエンジン熱電併給システム。
  5. 前記系統連系用インバータが単独運転検知装置を内蔵していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のスターリングエンジン熱電併給システム。
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