JP2005198241A - フィルタ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】平衡非平衡変換回路品の占有面積が大きく、素子数が多いため小型で高性能のバラン内蔵型フィルタ回路の実現が困難である。
【解決手段】特定帯域(2.4GHz帯)で信号を通過させ隣接帯域(中心周波数1.9GHz)で減衰させる特性のバンドパスフィルタと平衡非平衡変換回路の2つの機能を併せ持つ。通過帯域の隣接周波数帯域の信号成分を減衰させる減衰回路部2が、非平衡信号が第1の結合線路LC1に入力される経路に接続されている。また、各回路素子が基板上に積層された2〜3層の導電層から形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、互いに電磁結合した第1および第2の結合線路を有し、いわゆるバラン(Bulun:平衡非平衡変換回路)の機能と帯域通過フィルタの機能とを併せ持つフィルタ回路(以下、バランスフィルタという)に関するものである。
結合線路を用いたバランスフィルタとしては従来様々なタイプがあるが、何れも、通過帯域の隣接周波数帯域の信号レベルを減衰させる減衰回路を備えている。
たとえば2.4GHz帯の信号を通過させ、隣接する1.9GHz帯の他の通信方式の電波の周波数域を減衰させる特性を有し、バランの機能を備えるフィルタとして、誘電体層を積層させ低温焼成技術を用いて一体化した構造のフィルタが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された技術では、平衡非平衡変換回路に1/4波長の結合線路により共振器を形成し、さらに、バラン部にも3本の縦結合線路(ストリップライン)を用いているため必要な占有面積が広い。また、誘電率の異なる誘電体層を合計で10枚程度重ね、その層間の導電層から平衡非平衡変換回路とフィルタ回路が形成されている。
したがって、高周波回路素子数が多い上、とくに高さ方向のサイズが大きく、その結果、必要な材料費や製造コストが高いという欠点を有している。
特開2003−087008号公報
本発明が解決しようとする課題は、平衡非平衡変換回路の占有面積が大きく、また高周波回路素子数が多いため、出来るだけ導電層を積層させないで高さ方向のサイズを抑制し、かつ面積が小さいバラン内蔵型の帯域通過フィルタ回路の実現が困難なことである。
本発明に係るフィルタ回路は、互いに電磁結合した第1および第2の結合線路を有し、当該第1の結合線路側から入出力される非平衡信号と、第2の結合線路側から入出力される平衡信号とを相互に変換する平衡非平衡変換の機能と、通過帯域の隣接周波数帯域を減衰させる特性を有する帯域通過フィルタの機能とを併せ持つフィルタ回路であって、前記通過帯域の隣接周波数帯域の信号成分を減衰させる減衰回路部が、非平衡信号が第1の結合線路に入力される経路に接続されている。
本発明は、好適に、前記減衰回路部が、前記非平衡信号の入出力端子と共通電位線との間に直列接続されたインダクタとキャパシタから構成され、前記通過帯域の隣接周波数域に減衰極を有する直列共振回路と、非平衡信号の入出力端子と前記第1の結合線路の一方側端との間に直列接続され、減衰極の前記通過帯域と反対側の信号成分を減衰させる遮断用のキャパシタとを有し、前記2本の結合線路の結合部の長さが前記通過帯域の中心周波数波長の1/4より短く設定され、当該長さの差分に応じた容量値を有し前記帯域通過フィルタの機能を実現するためのキャパシタが、遮断用のキャパシタと第1の結合線路との接続点と共通電位線との間に接続されている。
この場合、好適に、前記第1および第3キャパシタのうち、少なくとも前記直列共振回路を構成する前記第1キャパシタに、当該キャパシタが接続されているノードと共通電位線との間の容量値を調整するための容量調整手段が接続されている。
前記容量調整手段は、好適に、前記ノードと共通電位線との間に直列接続されている調整用キャパシタおよびフューズと、当該調整用キャパシタを前記第1または第3キャパシタに並列接続させた状態から回路的に切り離すときに前記フューズに電流を流すことによってフューズを溶断させるための電流供給パッドと、を含む。
前記容量調整手段は、好適に、前記ノードに接続され、前記第1または第3キャパシタに、所定の容量値の外部キャパシタ素子を並列接続させるための外部キャパシタ接続パッドを含む。
本発明は、好適に、前記第1および第2の結合線路が屈曲されて配置されている。さらに好適に、前記結合線路の屈曲は、第1および第2の結合線路の両端が平衡信号の出力経路に近づく向きに行われている。
本発明は、好適に、少なくとも一方の主面が絶縁体からなる基板の当該主面に形成され、層間の誘電体層を介して積層された2層の導電層から前記減衰回路部の少なくともインダクタが構成されている。
本発明は、好適に、前記第1および第2の結合線路が同一の導電層から形成されている(エッジ結合または横結合)。あるいは、前記第1および第2の結合線路が異なる導電層から形成されている(ブロードサイド結合または縦結合)。
本発明に係るフィルタ回路は、入力が非平衡信号で出力が平衡信号であってもよいし、逆に、入力が平衡信号で出力が非平衡信号であってもよい。相互に平衡非平衡変換が可能である。
以下、入力が非平衡信号で出力が平衡信号の場合で本発明の作用を述べる。非平衡信号の入出力端子から平衡信号の入力端子までの信号伝達経路に、減衰回路部、帯域通過フィルタ、平衡非平衡変換部(第1および第2の結合線路)が接続されている。これらを構成する各回路素子は、基板表面の絶縁体の上に層間の誘電体層を介して形成された2層の導電層から形成されている。信号の伝送経路と共通電位線との間に、通過帯域の隣接周波数域に減衰極を有するLC直列共振回路が接続され、伝送経路に直列に遮断用のキャパシタが接続されている。遮断用のキャパシタに、帯域通過フィルタを構成するLC並列共振回路が接続されている。このLC並列共振回路のインダクタンスは第1の結合線路のインダクタンス成分が該当する。第1の結合線路は第2の結合線路と縦または横結合によって結合しており、第2の結合線路が平衡信号の入出力端子に接続されている。
非平衡端子から入力された信号は、減衰回路部、帯域通過フィルタ、平衡非平衡変換部を通って平衡信号に変換され、平衡信号の入出力端子から出力される。このとき、帯域通過フィルタを構成するLC並列共振回路の通過帯域の周波数では、当該LC並列共振回路のインピーダンスが低くなるようにその定数が設定されている。また、この通過帯域の周波数では、通過帯域の隣接周波数域に減衰極を有するLC直列共振回路のインピーダンスは高いが、通過帯域の隣接周波数域では低くなる。その結果、隣接周波数域で減衰極を有する通過帯域フィルタ特性が得られる。また減衰極よりも、さらに通過帯域と離れた周波数領域は遮断用のキャパシタが機能して、この周波数領域の信号を遮断して結合線路への入力を阻止する。
このとき、帯域通過フィルタの隣接周波数域でインピーダンスを高くするためのLC直列共振回路の減衰極の周波数は、そのLC直列共振回路のキャパシタ(第1キャパシタ)の容量値がばらつくと変化してしまう。本発明では、第1キャパシタの容量値を調整するための容量調整手段が設けられている。第1キャパシタの容量値が最適値からずれている場合、たとえば、内部に設けられた調整用キャパシタを第1キャパシタのノードに並列に接続させるか否かを決定し、調整用キャパシタを接続させる場合はフューズの導通状態を維持し、接続させない場合は電流供給パッドからフューズに電流を流して当該フューズを溶断する。あるいは、外部キャパシタ接続パッドに、必要な容量値の外部キャパシタ素子を接続させるか否かによって、当該第1キャパシタが接続されているノードと共通電位線との間の容量値を変化させる。
このような容量調整は、第1キャパシタ単独、第1および第2キャパシタの双方で行うことができる。
本発明では、入力信号は第1および第2の結合線路によって平衡非平衡変換される。このとき第1および第2の結合線路が屈曲され、結合線路の両端が平衡信号の出力経路と近づいた配置となっている。そのため、寄生インダクタンスの影響を受けることなく平衡非平衡変換が実行される。
本発明のフィルタ回路は、第1および第2の結合線路に帯域通過フィルタと平衡非平衡変換の機能を併せ持たせたため、それぞれ独立に結合線路を有する場合より、占有面積を小さくできる。しかも、帯域通過フィルタ特性に、その通過帯域の隣接周波数域を減衰させた特性を付与するための減衰回路部が非平衡信号の入力側に設けられていることから、その配置の自由度が高く全体の面積を小さくできる。
以上により、面積的にも高さ方向のサイズ的にも小さく、特性的にも優れたバラン内蔵型の帯域通過フィルタが本発明によって提供可能となる。
[第1の実施の形態]
図1に本発明の第1の実施の形態にかかるフィルタ回路の回路図を示す。このフィルタ回路は、WLAN(Wireless LAN)やBluetoothなど無線データ通信機器のマイクロ波回路部を構成するアンテナとIC回路(差動型マイクロ波増幅回路など)の段間に配置される高周波部品として用いられる。
フィルタ回路(バランスフィルタ)1は、減衰回路部2、結合線路3およびインピーダンス整合部4を有する。このうち結合線路3は、後述するように、同一の導電層から形成される、いわゆるエッジ結合または横結合と称されタイプと、異なる導電層で誘電体層を挟んで電磁結合する、いわゆるブロードサイド結合または縦結合と称されるタイプとの2つの実施態様がある。両タイプは、この結合線路3の構造が異なるのみで基本的な等価回路の構成は共通する。
減衰回路部2は、いわゆるトラップ回路と称され、隣接する他の方式の通信機器の(たとえば携帯電話)の特定周波数、たとえば1.9GHz付近に減衰極を有するLC直列共振回路21と、低域遮断用の第2キャパシタ22(キャパシタンス:C2)とを有する。LC直列共振回路21は、非平衡信号の入出力端子Tuと基準電位(接地電位)との間に接続されたインダクタ(インダクタンス:L1)23と第1キャパシタ(キャパシタンス:C1)24とから構成されている。低域遮断用の第2キャパシタ22は信号線路に直列接続され、たとえば1.5GHz以下の低域の信号レベルを抑圧または遮断する。
インピーダンス整合部4は、パターンレイアウト上、どうしても寄生インダクタや寄生抵抗も含むがそれらは微少である。よって図1では、2つの平衡信号の入出力端子Tb1とTb2の間に接続されているキャパシタ(キャパシタンス:C3)41のみを示す。
結合線路3は、第1の結合線路CL1と第2の結合線路CL2とを有する。第1の結合線路CL1は低域遮断用の第2キャパシタ22と接地電位との間に接続され、第2の結合線路CL2は2つの平衡信号の入出力端子Tb1とTb2の間に接続されている。第1の結合線路CL1の信号入力側と基準電位(接地電位)との間に、波長短縮および帯域通過フィルタの機能を実現するための第3キャパシタ100(キャパシタンス:C4)が設けられている。
図2は、結合線路長の説明図である。
平衡非平衡変換のための結合線路は、通常、取り扱う高周波信号の中心周波数の1/4波長(λ/4)の線路長に設計される。ところが、図示のように、非平衡信号が入力される第1の結合線路CL1の反接地側端を波長短縮用の第3キャパシタ100(キャパシタンス:C4)によって接地電位に落とすことによって、この第3キャパシタの容量値C4に応じて各結合線路CL1、CL2の長さが短縮可能となる。
より詳細に述べると、結合線路を短くすればするほど中心周波数からずれた周波数帯域から先に信号損失の増大(変換効率の低下)が生じる。しかし、キャパシタンスC4と第1の結合線路CL1のインダクタンス成分との並列共振回路によって帯域通過フィルタ特性をもたせることができるので、中心周波数付近の通過帯域さえロスが少なければ、他の周波数領域で大きなロスが生じても実用上問題がない。このように第3キャパシタ100(C4)の付加によって、波長を見かけ上短縮しても必要な周波数領域で特性を実用レベルで維持できることから、占有面積を小さくした結合線路の実現が可能となる。
図3(A)に結合線路をエッジ結合(横結合)させた場合の第1のレイアウト例を示す。図3(B)は、図3(A)のA−A線の概略断面図である。
図3に示す横結合タイプのバランスフィルタ1は、図3(B)に示すように、たとえば半絶縁性半導体基板、その他導電率が低い基板10上に絶縁性の層11を形成し、絶縁性の層11の上に基準電位(たとえば接地電位GND)を供給するGNDプレート12が形成されている。GNDプレート12に層間誘電体層13が形成され、層間誘電体層13の上に殆どのフィルタ回路素子の素材である上層の導電層が形成されている。
フィルタ回路の平面配置は、図3(A)に示す構成となっている。大まかには、図の左側に減衰回路部2の構成素子が配置され、右側に結合線路3やインピーダンス調整部4の構成素子が配置されている。
フィルタ回路1の周縁の殆どの部分が、ビアホール122を介して下層のGNDプレートに接続されたGNDライン121で囲まれ、フィルタ回路が電磁シールドされている。GNDライン121は、非平衡信号の入出力端子Tu、2つの平衡信号の入出力端子Tb1、Tb2の部分のみ形成されていない。非平衡信号の入出力端子Tuに、スパイラル形のインダクタ23(インダクタンス:L1)の一方側端が接続されている。このインダクタ23は上層の導電層から形成され、その中心寄りの他方側端が、ビアホール26A、下層の導電層からなる接続層25、ビアホール26B、第1キャパシタ24(キャパシタンス:C1)を介してGNDライン121に接続されている。このフィルタ回路1では、この接続層25のみが層間誘電体層13中に埋め込まれた下層の導電層から構成され、図3(A)の平面図におけるその他の回路素子や配線は全て、層間誘電体層13上に形成された上層の導電層から構成される。
非平衡信号の入出力端子Tuは、また、低域遮断用の第2キャパシタ22(キャパシタンス:C2)を介して第1の結合線路CL1の端部につながっている。この接続点とGNDライン121との間に第3キャパシタ100(キャパシタンス:C4)が配置されている。
第1の結合線路CL1は直線状に延び、他の端部がGNDライン121につながっている。第2の結合線路CL2の実効結合部が、第1の接合線路CL1に沿って同一平面上に配置され、これにより相互にエッジ結合(横結合)が可能になっている。実効結合部の両端はそれぞれ平衡信号の入出力線42を介して入出力端子Tb1またはTb2につながっている。平衡信号の入出力線42間にインピーダンス調整用のキャパシタ41(キャパシタンス:C3)が配置されている。第2の接合線路CL2とインピーダンス調整部4は、キャパシタ41の中心で折り返したミラー対称配置となっている。これにより信号レベルが揃えられ、かつ位相が反転した2つの平衡信号の特性にパターン上で大きなズレが生じないように配慮されている。なお、全てのキャパシタ22、24、41、100は上層の層間誘電体層と導電層を用いたMIM(Metal-Insulator-Metal)構造により形成されている。
図4(A)に、図3(A)に示す第1のレイアウト例で結合線路をブロードサイド結合(縦結合)に変更した場合の平面図を示す。図4(B)は、図4(A)のA−A線の概略断面図である。
ここで、フィルタ回路の構成素子の基本的なレイアウトは図3の場合と共通するが、一部の素子で用いる導電層が異なっている。前述した図3(B)の場合に、層間誘電体層13上に形成された上層の導電層により第1および第2の結合線路CL1、CL2が形成されていた。これに対し、本例では第2の結合線路CL2、平衡信号の入出力線42、および、インピーダンス調整用のキャパシタ41が、SiOなどからなる層間誘電体層13に埋め込まれた下層の導電層から形成されている。そして、第2の結合線路CL2の実効結合部が、第1の結合線路CL1の下方に配置され、両者が電磁結合可能になっている。なお、第2の結合線路CL2の実効結合部を第1の結合線路CL1の真下に配置させる必要はなく、必要な結合の強さに応じて幅方向にずれた配置も可能である。また、この第2の結合線路CLと同じ階層の導電層により、当該フィルタ回路の周縁がGNDライン123により囲まれ、上層の配線層のGNDライン121とともに2重の電磁シールドが施されている。
図5と図6に第2のレイアウト例を示す。図5はエッジ結合(横結合)タイプ、図6はブロードサイド結合(縦結合)タイプを示している。図3や図4に対する変更点はパターン形状のみなであることから、ここでの断面構造図は省略する。
これらのレイアウトの大きな特徴は、結合線路(第1の結合線路CL1と第2の結合線路CL2)を屈曲させていることである。2つの平衡信号の入出力端子を近づけることと、ミラー対象配置を行う点を考慮すると、図示のように第1および第2の結合線路CL1、CL2を互いに略平行な状態を保ったままU字状に屈曲させることが望ましい。なお、基本的な接続関係は前述の場合と同じである。
前述した図3(A)や図4(A)の第1のレイアウトでは、結合線路CL1、CL2が直線状であり、かつ、実効結合部の規定の長さが決められていることから、減衰回路部2側でインダクタ23(L1)が配置された残りの部分に無駄な領域が生じていた。
ところが、図5や図6の第2のレイアウトでは、結合線路CL1、CL2を屈曲させることにより、結合線路とインダクタ23との距離を一定以上離したまま無駄な領域が削減でき、全体のフィルタ回路面積が大幅に削減できている。また、結合線路CL1、CL2の実効結合部の端部から平衡信号の入出力線42までの距離が短くなっており、この部分の寄生インダクタンスが小さくできている。このため、特性のアンバランス要因が少なくなり精度よい設計が可能である。
図5に示す構成において、結合線路を屈曲させてもレベルバランスおよび位相バランスがくずれないことを電磁界シミュレーションにより調べた。
このシミュレーション結果を図7と図8に示す。図7は出力信号(平衡信号)レベルの周波数特性を示すグラフ、図8は平衡信号の位相差の周波数特性を示すグラフである。ここで「レベルバランス」とは平衡信号の入出力端子Tb1とTb2から出力される信号レベルの絶対値が同じであることをいい、また「位相バランス」とは当該平衡信号の位相が互いに180度異なることをいう。
図7において、破線は非平衡端子Tuから一方の平衡端子Tb1の経路での信号通過特性(レベルLの周波数特性)を示し、実線は非平衡端子Tuから他方の平衡端子Tb2の経路での信号通過特性を示す。このグラフから、2.4GHz帯の信号通過帯域のロス、1.9GHz付近の隣接周波数帯域の極減衰周波数、1.5GHz以下の低域減衰幅など、2つの平衡信号の特性がほぼ同一という結果が得られた。また、減衰極により通過帯域以外の他の無線通信に用いられる帯域の信号成分を効率よく減衰できていることがわかる。
図8は、2つの平衡信号の位相差の周波数特性であり、位相バランスが通過帯域において一般的な許容値180±10度の範囲内であることがわかる。
このように結合線路CL1、CL2を屈曲させさせても、平衡信号の入出力端子Tb1、Tb2から出力される平衡信号のレベルバランスと位相バランスは、電磁界シミュレーションの結果から結合線路を直線とした場合と同等であることが確認された。
なお、図4(B)に示すように、インダクタ23の接続層25を第2の結合線路CL2よりさらに下層の導電層で形成しているがこれに限らず、第2の結合線路CL2と同じ階層の導電層から接続層25を形成してもよい。ただし、このように、より下層の導電層を用いることにより、インダクタの交差部の寄生容量が低減でき、インダクタの高い特性が得られている。
また、図3から図6において断面構造のほかに平面パターンでも変更が可能である。たとえば、第2の結合線路CL2の実効結合部を、その長さ中央で分離し、その両端を自由開放端とすることもできる。
本発明の第1の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
本発明のフィルタ回路は、第1および第2の結合線路に帯域通過フィルタと平衡非平衡変換の機能を併せ持たせたため、それぞれ独立に結合線路を有する場合より、占有面積を小さくできる。しかも、帯域通過フィルタ特性に、その通過帯域の隣接周波数域を減衰させた特性を付与するための減衰回路部が非平衡信号の入力側に設けられていることから、その配置の自由度が高く全体の面積を小さくできる。
このことをさらに詳細に述べると、一般に、インダクタは周囲のラインと電磁結合することを避ける意味で孤立して配置される。とくに、第1および第2の結合線路とインダクタとの電磁結合を防止しなければならない。インダクタをLC直列共振回路に有する減衰回路部を非平衡信号の入力側に配置すると、他の回路素子が密集していない外側の領域にインダクタを配置できるので配置設計の自由度が高い。その結果、インダクタと結合線路との電磁結合を有効に防止することができる。
また、第1および第2の結合線路を屈曲させると当該フィルタ回路の一辺の長さがこの結合線路長に拘束されずに小型化が可能となる。このとき結合線路の両端を平衡信号の経路に近づける配置、たとえばU字型の配置を行うと平衡信号の入出力端と第1および第2の結合線路の実効的な結合部との間の寄生インダクタンスが低減され、それだけ、変換効率向上や高精度な設計が可能となる。また、回路素子の配置に寄与しない無駄な領域が削減でき、その分、さらに小型化が達成されている。
さらに、回路素子数が少ないことによっても素子配置の自由度が向上している。
このような小面積の構成を有することから、たとえば半導体基板などの基板上で層間が絶縁された2層の導電層からフィルタ回路が実現できる。このようなフィルタ回路の各素子を2〜3層の導電層から形成しており、このような導電層の積層構造は半導体基板上に層間の絶縁技術を含むプロセス技術で容易に達成でき、材料費を含めた製造コストが削減できる。また、GNDプレートのシールド効果が十分であるならば、半導体基板を能動素子の形成領域として利用することも可能である。
以上により、面積的にも高さ方向のサイズ的にも小さく、特性的にも優れたバラン内蔵型の帯域通過フィルタが本発明によって提供可能となる。
[第2の実施の形態]
前述したように、本発明の実施の形態に係るバランスフィルタは、WLANあるいはBluetooth用途であることから2.4GHz帯を通過帯域とし、携帯電話で使用される1.9GHz帯を阻止帯域とする特性が要求される。通常、この阻止帯域の阻止量は約33dB以下であるが、LC直列共振回路を構成する第1キャパシタ24の容量値C1がばらつくと、この阻止量の規格を満たせなくなる。また、波長短縮および帯域通過フィルタの機能を実現するための第3キャパシタ100の容量値C4が大きくばらつくと通過帯域特性が変化し、2.4GHz帯(厳密には2.4GHzから2.5GHz)の帯域で必要な通過信号レベルが確保できにくくなる。
本実施の形態は、このようなキャパシタ容量値のばらつきに起因した特性低下を防止するために、少なくとも第1キャパシタ24の容量値C1、より望ましくは、第1キャパシタ24の容量値C1と第3キャパシタ100の容量値C4の双方を調整するための容量調整手段を備える。
この容量調整手段は、対象となる第1または第3キャパシタ24,100に、その容量値C1またはC4を大きくするフューズ付きの調整用キャパシタを並列に設ける場合、あるいは、外部キャパシタ素子を付加するための外部キャパシタ接続パッドを設ける場合で、具体的構成が異なる。
以下、フューズ付き調整用キャパシタを設ける構成例(構成例1〜3)を最初に説明し、つぎに外部キャパシタ接続パッドを設ける構成例(構成例4,5)を説明する。
<構成例1>
図9に、構成例1の等価回路を示す。図9において、第1の実施の形態の図1と共通する構成は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
構成例1の等価回路において、第1キャパシタ24(C1)が接続されているノードND1と共通電位線との間に、調整用キャパシタ24a(キャパシタンス:ΔC1)とフューズ24bが接続され、調整用キャパシタ24aとフューズ24bとの接続中点から電流供給端子Tc1が引き出されている。この電流供給端子Tc1は、不図示の電流供給パッドに接続されている。同様に、第3キャパシタ100(C4)が接続されているノードND3と共通電位線との間に、調整用キャパシタ100a(キャパシタンス:ΔC4)とフューズ100bが接続され、調整用キャパシタ100aとフューズ100bとの接続中点から電流供給端子Tc3が引き出されている。この電流供給端子Tc3は、不図示の別の電流供給パッドに接続されている。なお、他の構成に関し、図1と図9は共通する。
図10に構成例1のレイアウトを、図11に構成例1の第1キャパシタに接続されたフューズ付きキャパシタ部分の断面構造を、それぞれ示す。この断面構造は、第3キャパシタ側でも同様である。図10は、第1の実施の形態で図5に示す第2のレイアウト例の変形を示すものである。ただし、この変形は他の図3,図4および図6に対しても同様に類推適用できる。したがって、第1の実施の形態と共通する構成は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図11に示す断面構造では、たとえば図3(B)あるいは図4(B)に示すGNDプレーン12が省略され、基板10上の絶縁性の層11の上に、たとえばポリシリコンからなるフューズ24bが形成されている。フューズ24bは層間誘電体層14に覆われている。層間誘電体層14上に、GNDプレーン12の代わりとなるGNDライン123が当該フィルタ回路の周縁に沿って配置されている(図10参照)。また、層間誘電体層14上に調整用キャパシタ24aの下部電極24a1が形成されている。下部電極24a1は、GNDライン123と同じ導電層をパターニングして形成され、層間誘電体層13中に埋め込まれている。同じ層間誘電体層13内に、所定厚さの誘電体を介して下部電極24a1と対向する調整用キャパシタ24aの上部電極24a2が埋め込まれている。
下部電極24a1とフューズ15の一方端は層間誘電体層14内のビアホール15により接続され、さらに層間誘電体層13内のビアホール16により上層の配線層からなる電流供給ライン18に接続されている。また、上部電極24a2の一方端は層間誘電体層13内のビアホール17により第1キャパシタ24(C1)の上部電極側に接続されている。さらに、フューズ15の他端は層間誘電体層14内のビアホール122によりGNDライン123に接続され、さらに層間誘電体層13内のビアホール122により、上層の配線層からなりGNDライン123と同様に当該フィルタ回路の周縁に沿って走るGNDライン121に接続されている。
図10に示すレイアウトで電流供給ライン18が当該フィルタ回路のエッジから引き出され、その端部が電流供給端子Tc1となり、さらに、これが不図示の電流供給パッドに接続されている。電流供給端子Tc1の引き出し部では、上層および下層のGNDライン121,123が途切れており、コプレーナー型の配線構造となっている。
この電流供給ラインの配線は、第3キャパシタ100側でも同様であり、電流供給ライン18の端部が電流供給端子Tc3となり、さらに、これが不図示の電流供給パッドに接続されている。電流供給端子Tc3の引き出し部では、上層および下層のGNDライン121,123が途切れており、コプレーナー型の配線構造となっている。
図12に、電磁界シミュレータを用いた当該フィルタ回路の周波数特性を示す。図12の横軸は周波数[GHz]、縦軸は信号レベルL[dB]を表す。当該フィルタ回路は2.4GHzの帯域でバンドパス特性を示し、隣接する1.9GHz付近で減衰極を有することがわかる。図12において、曲線「S0」が設計センタ、曲線「S1」がキャパシタの値が設計値より小さくなった場合、曲線「S01」が「S1」時のキャパシタの値を調整して(大きくして)設計センタに近い状態に戻した場合、曲線「S2」がキャパシタの値が設計値より大きくなった場合を示す。
図13は、これらの4つの曲線を減衰極付近(図12の破線部)で拡大した図である。以下、キャパシタのばらつきと、これを吸収するためのフューズを用いた調整手順を図12と図13を用いて説明する。
MIM構造のキャパシタは、下部電極と上部電極とを薄い誘電体膜で挟んだ構造を有するが、高精度の容量値を実現するためには、誘電体膜のnmオーダーでの膜厚制御、誘電率や誘電正接損失などの材料定数の制御、さらに上部及び下部電極の対向面積の製造精度などにおいて、極めて高い精度が要求される。いずれにしても現行のプロセスでは、誘電体膜の厚さのばらつき、膜質の変化、さらには電極間の合わせずれなどによりキャパシタの容量値が多少なりともばらつく。その結果、高周波信号を扱うフィルタ回路では、このキャパシタのばらつきが周波数特性に微妙に影響し、設計マージンが少ないと最悪の場合、要求する信号レベルに関し規格を外れる可能性もある。
この対策として、キャパシタの電極面積を調整することが考えられる。このような場合のトリミング方法としてよく知られているのは、レーザーを用いて電極を焼き切る方法である。しかし、レーザトリミングではプロセス途中でキャパシタの容量値を測定する必要があり、また、レーザトリミング装置の導入とタクトタイムの増加を伴うため、コストアップにつながる。
これに対し本実施の形態では、当該フィルタ回路の実装後の特性測定で、特性がずれている場合にキャパシタ値のトリミングを行うことができ、しかも、一般的な生産用テスタに含まれる機能を用いて、ある程度高い電流をフューズに供給するだけで済むトリミング方法を提供する。
ポリシリコン等からなるフューズ(以下、材料がポリシリコンの場合を想定し、ポリフューズという)は薄膜抵抗体であり、その抵抗値は数Ω程度であることから、配線抵抗レベルであり通常、無視できる。また、ポリフューズ溶断に必要な電流は、ポリフューズの物理的寸法や材料にもよるが、通常約50mAである。本実施の形態では、実装後に必要なら電流供給端子Tc1やTc3から、この電流を供給するだけでキャパシタ値のトリミングが完了する。この方法は、レーザトリミングに比べると高価な装置が不要で、容易かつ確実で、コスト増も最小限である。
具体的には、たとえば、図9に示す第1キャパシタ24の値C1が0.9pF、その調整用キャパシタ24aの値ΔC1が0.1pFと仮定する。このとき2つのキャパシタ24と24aの合成容量値が1.0pFである。一方、第3キャパシタ100の値C4が1.8pF、その調整用キャパシタ100aの値ΔC4が0.2pFと仮定する。このとき2つのキャパシタ100と100aの合成容量値が2.0pFである。これらは何れも設計値であり、このときのフィルタ特性は図13で曲線「S0」で示す。この設計センタ曲線「S0」が示すフィルタ特性は、阻止帯域の中心周波数1.9GHzにおける阻止量が38dBであり、必要な阻止量(スペック下限値)33dBを満たしている。
つぎに、製造ばらつきにより第1キャパシタ24、その調整量キャパシタ24a、第3キャパシタ100、その調整用キャパシタ100aの値がそれぞれ10%増加すると仮定する。すると、フィルタ特性は、図13で曲線「S1」に示すように全体が低域へシフトする。このとき1.9GHzにおける阻止量は29dBであり、スペック下限値33dBを満たせない。
この製造ばらつきによる各容量値は、第1キャパシタ24の値C1が0.99pF、その調整用キャパシタ24aの値ΔC1が0.11pF、第1キャパシタ24側の合成容量(C1+ΔC1)が1.10pF、第3キャパシタ100の値C4が1.98pF、その調整用キャパシタ100aの値ΔC4が0.22pF、第3キャパシタ100側の合成容量(C4+ΔC4)が2.2pFとなっている。
そこで、ポリフューズの溶断用の電流供給端子Tc1とTc3に、それぞれ電流約50mAを流してポリフューズ(フューズ24bと100b)を溶断すると、調整用キャパシタ24aと100aが回路的にオープンになる。この結果、第1キャパシタ24側の合成容量(C1+ΔC1)が0.99pF、第3キャパシタ100側の合成容量(C4+ΔC4)が1.98pFとなり、フィルタ特性は図13で曲線「S01」に示すように全体が高域へシフトする。これにより、1.9GHzにおける阻止量は39dBとなり、スペック下限値33dB内に入るようになる。
これと反対に、全てのキャパシタ値が10%低下したときのフィルタ特性は、図13で曲線「S2」に示すように全体が高域へシフトする。本例の場合、このときの1.9GHzにおける阻止量は40dBとなり、スペック下限値33dBを十分に満たすため、容量値の低下は何ら問題ない。
<構成例2>
図14に構成例2の等価回路を、図15に構成例2のレイアウトを、それぞれ示す。図14および図15において、構成例1を示す図9および図10、ならびに、第1の実施の形態の図1および図5と共通する構成は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
構成例2では、第1キャパシタ24が接続されているノードND1に、調整用キャパシタとフューズの直列接続体が複数(n個)接続されている。より詳細には、ノードND1と共通電位線(GNDライン121)との間に調整用キャパシタ24a1(キャパシタンス:ΔC11)とフューズ24b1が接続されて、同様に、調整用キャパシタ24a2(キャパシタンス:ΔC12)とフューズ24b2、…、調整用キャパシタ24an(キャパシタンス:ΔC1n)とフューズ24bnが接続されている。各々の調整用キャパシタとフューズとの接続中点から電流供給端子Tc11,Tc12,…,Tc1nが引き出されている。
同様に、第3キャパシタ100が接続されているノードND3に、複数(m個)の調整用キャパシタ100a1(キャパシタンス:ΔC41),調整用キャパシタ100a2(キャパシタンス:ΔC42),…,調整用キャパシタ100am(キャパシタンス:ΔC4m)が並列に接続されている。フューズ100b1,100b2,…,100bmが上記調整用キャパシタ100a1,100a2,…,100amと共通電位線(GNDライン121)との間に接続されている。各々の調整用キャパシタとフューズとの接続中点から電流供給端子Tc31,Tc32,…,Tc3mが引き出されている。
図15に示すレイアウト例では、第1および第3キャパシタ側の各々で、電流供給ライン18の配線の引き回しのために、各フューズ24b1〜24bn(または100b1〜100bm)が段違いに配置されている。電流供給端子Tc11〜Tc1n(またはTc31〜Tc3m)の引き出し部では、構成例1と同様、上層および下層のGNDライン121,123が途切れており、コプレーナー型の配線構造となっている。
構成例2では、調整用キャパシタとフューズの直列接続体が複数設けられていることから、第1および第3キャパシタ側のそれぞれで、より精度の高いフィルタ特性の調整ができる。フューズによるトリミング方法は構成例1と基本的に同じである。
<構成例3>
図16に、構成例3の等価回路を示す。
構成例3では、第1キャパシタ側、第3キャパシタ側のそれぞれで、全てのキャパシタをフューズ付きとし、各キャパシタの値を段階的に、設計値C、C±ΔC、C±2ΔCなどのように設定することによって、全体の合成容量値を設計値から上げる場合、下げる場合の双方に対応させている。
<構成例4>
図17に、構成例4の等価回路を示す。
構成例4ではフューズをフィルタ回路に内蔵していない。その代わり、本発明の容量調整手段として、第1キャパシタ側でノードND1から外部キャパシタ接続端子Tex1を引き出し、これを不図示の外部キャパシタ接続パッドとつないでいる。同様に、第3キャパシタ側でノードND3から外部キャパシタ接続端子Tex3を引き出し、これを不図示の外部キャパシタ接続パッドとつないでいる。
この場合のトリミングは、当該フィルタ回路をモジュール基板などに実装した後で、外部キャパシタ接続パッドに、外付け部品のキャパシタを接続することにより行う。寄生インダクタなどの不確定要素が無視できる場合は、このようなトリミング方法も有効であり、第1および第3キャパシタ側のキャパシタ値を大きくすることにより、フィルタ特性を設計値に近いものみ変更することが可能である。
<構成例5>
図18に、構成例5の等価回路を示す。
構成例5は、外部キャパシタ接続端子Tex1とTex3を設けていることは構成例4と共通するが、第1あるいは第3キャパシタ24または100を回路から切り離してオープン状態することができるようにフューズFと電流供給端子Tc1,Tc3を備える。これにより、外付け部品のキャパシタを自由に選択することにより、キャパシタの大きさを設計値より大小どちらの向きにも変更可能である。
以上の構成例1〜5では、第1および第3キャパシタ24,100の双方をトリミングしたが、その一方のみ(好適には、第1キャパシタ24のみ)のトリミングでもよい。今までとくに説明しなかったが、第3キャパシタ100をトリミングすると、2.4GHzの通過帯域特性を最適化することができる。
また、これに加え、低域遮断用の第2キャパシタ22(C2)を同様な手法によりトリミングすることが可能である。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、新規設備の導入を必要とせず、またタクトタイムの増加を伴わず、さらに実装後あるいは製品完成後にフィルタ特性を調整することができる。これにより、キャパシタの容量値ばらつきによって生じるフィルタ特性のばらつきを容易に補正できる。
本発明の第1の実施の形態にかかるバランスフィルタの回路図である。 結合線路長の説明図である。 (A)はエッジ結合タイプの第1のレイアウト平面図、(B)はその概略断面図である。 (A)はブロードサイド結合タイプの第1のレイアウト平面図、(B)はその概略断面図である。 エッジ結合タイプの第2のレイアウト平面図である。 ブロードサイド結合タイプの第2のレイアウト平面図である。 平衡信号のレベルバランスを調べる電磁界シミュレーションにより得られた、信号レベルの周波数特性のグラフである。 平衡信号の位相バランスを調べる電磁界シミュレーションにより得られた、位相差の周波数特性のグラフである。 本発明の第2の実施の形態における構成例1のフィルタ回路の等価回路図である。 構成例1のレイアウト平面図である。 構成例1の第1キャパシタに接続されたフューズ付きキャパシタ部分の断面構造図である。 電磁界シミュレータを用いた構成例1のフィルタ回路の周波数特性を示すグラフである。 図12の破線部を拡大して示すグラフである。 構成例2のフィルタ回路の等価回路図である。 構成例2のレイアウト平面図である。 構成例3のフィルタ回路の等価回路図である。 構成例4のフィルタ回路の等価回路図である。 構成例5のフィルタ回路の等価回路図である。
符号の説明
1…バランスフィルタ、2…減衰回路部、3…結合線路、4…インピーダンス調整部、10…基板、11…絶縁性の層、12…GNDプレーン、13,14…層間誘電体層、15,16…ビアホール、17…プラグ、18…電源共通ライン、21…LC直列共振回路、22…低域遮断用の第2キャパシタ、23…インダクタ、24…第1キャパシタ、24a…調整用キャパシタ、24a1…下部電極、24a2…上部電極、24b…フューズ、25…インダクタの接続層、26A,26B…ビアホール、41…キャパシタ、42…平衡信号の入出力線、100…第3キャパシタ、100a…調整用キャパシタ、100b…フューズ、121,123…GNDライン、122…ビアホール、CL1…第1の結合線路、CL2…第2の結合線路、Tb1,Tb2…平衡信号の入出力端子、Tu…非平衡信号の入出力端子、Tc…電流供給端子、Tex…外部キャパシタ接続パッド

Claims (14)

  1. 互いに電磁結合した第1および第2の結合線路を有し、当該第1の結合線路側から入出力される非平衡信号と、第2の結合線路側から入出力される平衡信号とを相互に変換する平衡非平衡変換の機能と、通過帯域の隣接周波数帯域を減衰させる特性を有する帯域通過フィルタの機能とを併せ持つフィルタ回路であって、
    前記通過帯域の隣接周波数帯域の信号成分を減衰させる減衰回路部が、非平衡信号が第1の結合線路に入力される経路に接続されている
    フィルタ回路。
  2. 前記減衰回路部が、
    前記非平衡信号の入出力端子と共通電位線との間に直列接続されたインダクタと第1キャパシタから構成され、前記通過帯域の隣接周波数域に減衰極を有する直列共振回路と、
    非平衡信号の入出力端子と前記第1の結合線路の一方側端との間に直列接続され、減衰極の前記通過帯域と反対側の信号成分を減衰させる遮断用の第2キャパシタとを有し、
    前記2本の結合線路の結合部の長さが前記通過帯域の中心周波数波長の1/4より短く設定され、
    当該長さの差分に応じた容量値を有し前記帯域通過フィルタの機能を実現するための第3キャパシタが、遮断用のキャパシタと第1の結合線路との接続点と共通電位線との間に接続されている
    請求項1に記載のフィルタ回路。
  3. 前記第1および第3キャパシタのうち、少なくとも前記直列共振回路を構成する前記第1キャパシタに、当該キャパシタが接続されているノードと共通電位線との間の容量値を調整するための容量調整手段が接続されている
    請求項2に記載のフィルタ回路。
  4. 前記容量調整手段は、前記ノードと共通電位線との間に直列接続されている調整用キャパシタおよびフューズと、当該調整用キャパシタを前記第1または第3キャパシタに並列接続させた状態から回路的に切り離すときに前記フューズに電流を流すことによってフューズを溶断させるための電流供給パッドと、
    を含む請求項3に記載のフィルタ回路。
  5. 前記容量調整手段は、前記ノードに接続され、前記第1または第3キャパシタに、所定の容量値の外部キャパシタ素子を並列接続させるための外部キャパシタ接続パッドを含む
    請求項3に記載のフィルタ回路。
  6. 前記第1および第2の結合線路が屈曲されて配置されている
    請求項1に記載のフィルタ回路。
  7. 前記結合線路の屈曲は、第1および第2の結合線路の両端が平衡信号の出力経路に近づく向きに行われている
    請求項6に記載のフィルタ回路。
  8. 少なくとも一方の主面が絶縁体からなる基板の当該主面に形成され、層間の誘電体層を介して積層された2層の導電層から前記減衰回路部の少なくともインダクタが構成されている
    請求項1に記載のフィルタ回路。
  9. 前記第1および第2の結合線路が同一の導電層から形成されている
    請求項8に記載のフィルタ回路。
  10. 前記第1および第2の結合線路が異なる導電層から形成されている
    請求項8に記載のフィルタ回路。
  11. 前記第1および第2の結合線路が屈曲されて配置されている
    請求項9に記載のフィルタ回路。
  12. 前記結合線路の屈曲は、第1および第2の結合線路の両端が平衡信号の出力経路に近づく向きに行われている
    請求項11に記載のフィルタ回路。
  13. 前記第1および第2の結合線路が屈曲されて配置されている
    請求項10に記載のフィルタ回路。
  14. 前記結合線路の屈曲は、第1および第2の結合線路の両端が平衡信号の出力経路に近づく向きに行われている
    請求項13に記載のフィルタ回路。
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