JP2005195899A - 画像転送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 消費電力の低減を図ることができる画像転送装置を提供すること。
【解決手段】 本発明は、外部の画像表示装置に対して動画像データを転送するための画像転送装置1であって、動画像データをフレーム単位毎に格納する第1および第2のフレームバッファ105,106と、第1および第2のフレームバッファ105,106のそれぞれに格納されている二つのフレームの差異を検出する相違検出部104と、相違検出手段によって検出された二つのフレームの差異の度合いに基づいて、第1および第2のフレームバッファ105,106に格納されているフレームの内、最新のフレームを画像表示装置2に転送するか否かを判断する転送判断部107と、転送判断部107によってフレームを転送すると判断された場合、最新のフレームの内、少なくとも更新されている画素を画像表示装置2に転送するデータ転送部108とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像表示装置に動画像を転送するため装置に関し、より特定的には、画像表示装置への転送量および転送頻度を減らすことによって、省電力化を図ることができる画像転送装置に関する。
近年、デジタル家電や無線技術等の発展に伴い、セットボックス等の画像転送装置に無線接続された液晶ディスプレイやブラウン管モニタ等の画像表示装置に動画像を転送して表示することができるようになってきた。
上記のような画像転送装置は、一般に、画像データをフレーム単位で一時的に格納しておくフレームバッファと、フレームバッファに格納された画像データをフレーム単位でフレームメモリに転送するための転送部とを備える。
また、上記のような画像表示装置は、一般に、画像転送装置からの画像データを受信する受信部と、受信したデータを格納しておくフレームメモリと、フレームメモリから転送される画像データをフレーム単位で表示する液晶パネル等の表示パネルとを備える。
毎秒30フレームの動画像を表示するような場合、画像転送装置は、フレームバッファに格納された画像データを1/30秒毎に画像表示装置に転送する。画像表示装置は、転送されてきた画像データをフレームメモリに格納し、1/30秒毎に表示パネルに転送する。これによって、毎秒30フレームの動画像が、画像表示装置の表示パネルに表示させる。
特開2002−278526号公報
しかし、近年、画像表示装置における表示パネルの解像度が徐々に上がってきている。そのため、1フレームあたりの画像データ量が大きくなっている。そのため、画像転送装置から画像表示装置に1フレームの画像データを転送するのに要する電力が大きくなってきている。
それゆえ、本発明の目的は、消費電力の低減を図ることができる画像転送装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、外部の画像表示装置に対して動画像データを転送するための画像転送装置であって、動画像データをフレーム単位毎に格納する第1および第2のフレームバッファと、第1および第2のフレームバッファのそれぞれに格納されている二つのフレームの差異を検出する相違検出手段と、相違検出手段によって検出された二つのフレームの差異の度合いに基づいて、第1および第2のフレームバッファに格納されているフレームの内、最新のフレームを画像表示装置に転送するか否かを判断する転送判断手段と、転送判断手段によってフレームを転送すると判断された場合、最新のフレームの内、少なくとも更新されている画素を画像表示装置に転送するデータ転送手段とを備える。
好ましくは、転送判断手段は、二つのフレームを画素単位で比較して、更新画素数および画素が更新されている領域の面積に基づいて差異の度合いを求め、最新のフレームを画像表示装置に転送するか否かを判断するとよい。
たとえば、転送判断手段は、更新画素数が第1の閾値以上である場合、最新のフレームを転送すると判断し、更新画素数が第1の閾値未満である場合、画素が更新されている領域の面積が第2の閾値以上であれば、最新のフレームを転送すると判断するとよい。
また、好ましくは、転送判断手段は、更新画素数と画素が更新されている領域の面積とから求められる差異の度合いを示す相関値に基づいて、最新のフレームを転送するか否かを判断するとよい。
たとえば、相関値は、更新画素数/更新されている領域に含まれる更新画素の数、であるとよい。
また、転送判断手段は、二つのフレームを画素単位で比較して、更新画素数に基づいて、最新のフレームを画像表示装置に転送するか否かを判断してもよい。
また、転送判断手段は、二つのフレームを画素単位で比較して、画素が更新されている領域の面積に基づいて、最新のフレームを画像表示装置に転送するか否かを判断してもよい。
好ましくは、転送判断手段が二つのフレームの差異の度合いによって、最新のフレームを転送するか否かを判断するための基準は、変更可能であるとよい。
たとえば、動画像データを再生するためのフレームを、第1および第2のフレームバッファに交互に格納していくフレーム格納制御手段をさらに備えるとよい。
また、画像表示装置で現在表示中のフレームを第1のフレームバッファに格納し、第2のフレームバッファに最新のフレームを格納するフレーム格納制御手段をさらに備えるとよい。
この場合、好ましくは、フレーム格納制御手段は、第2のフレームに格納されている最新のフレームがデータ転送手段によって転送された場合、転送されたフレームを現在表示中のフレームとして、第2のフレームバッファに格納しておき、最新のフレームを第1のフレームバッファに格納していくとよい。
たとえば、データ転送手段は、最新のフレームを転送する際、更新されているラインを転送するとよい。
また、データ転送手段は、最新のフレームを転送する際、当該最新のフレームを全て転送するとよい。
好ましくは、残電池容量が所定の閾値以上である場合、データ転送手段は、第1および第2のフレームバッファに格納されているフレームを順次転送していくとよい。
また、ユーザからの指示に応じて、データ転送手段は、第1および第2のフレームバッファに格納されているフレームを順次転送していくか、それとも、転送判断手段の判断に応じてフレームを転送するか否かを決定してもよい。
また、外部装置からの指示に応じて、データ転送手段は、第1および第2のフレームバッファに格納されているフレームを順次転送していくか、それとも、転送判断手段の判断に応じてフレームを転送するか否かを決定してもよい。
また、相違検出手段は、動画像データに付加されている情報に基づいて、二つのフレームの差異を検出してもよい。
好ましくは、データ転送手段は、最新のフレームが所定の時間転送されていない場合、強制的に最新のフレームを転送するとよい。
本発明によれば、フレーム間の差異が少ない場合、画像転送装置は、画像表示装置にフレームを転送しないこととなるので、全てのフレームを転送する場合に比べて、画像転送装置の消費電力を低減することができる。また、フレーム間の差異が大きくなれば、少なくとも更新されている画素が転送されることとなるので、動画像の再生が継続的に行われることとなる。
転送制御装置は、フレームを一方のバッファにのみ格納し、他方のバッファに最新のフレームを格納して、二つのフレームの差異を求め、転送するかを判断することによって、隣接しているフレーム間が微差であるが、離れたフレーム間での差異が大きい場合にでも、フレームを更新することが可能となる。
電池残量が少なくなってきた場合のみ、転送制御装置をフレームの省略モードにすることによって、通常は、スムーズな動画像を画像表示装置に表示させることができる。
画像データに付加されている情報に基づいて、フレーム間の差異を判断することによって、フレームバッファにアクセスするための消費電力を低減することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像転送装置1の機能的構成を示すブロック図である。図1において、画像転送装置1は、受信部101と、デコーダ102と、フレーム格納制御部103と、相違検出部104と、第1のフレームバッファ105と、第2のフレームバッファ106と、転送判断部107と、データ転送部108と、アンテナ109とを備える。
受信部101は、外部装置から送られてくる画像データを受信する。ここで、画像データは、MPEGデータのように、フレーム単位で動画像を表現するデータである。受信部101に送られてくる画像データは、画像転送装置1に接続されている記録装置(図示せず)から送られてくる画像データであってもよいし、ネットワーク等を介して送信装置(図示せず)から送られてくる画像データであってもよい。
デコーダ102は、符号化されている画像データを復号化する。
フレーム格納制御部103は、デコーダ102によって復号化された画像データを、1フレーム毎に、第1のフレームバッファ105または第2のフレームバッファ106に格納する。フレーム格納制御部103は、1フレーム毎に交互に、フレームを第1および第2のフレームバッファ105,106に格納する
第1および第2のフレームバッファ105は、メモリ等の記録装置であって、フレーム格納制御部103から送られてくるフレームを格納する。
相違検出部104は、第1のフレームバッファに格納されているフレームと、第2のフレームバッファに格納されているフレームとについて、ビット単位で差異を検出する。相違検出部104は、相違するビットを「1」で表し、相違しないビットを「0」で表す更新マップを作成して、転送判断部107に送る。
転送判断部107は、相違検出部104から送られてくる更新マップに基づいて、第1のフレームバッファ105または第2のフレームバッファ106に格納されている二つのフレームの差異の度合いに基づいて、最新のフレームをデータ転送部108に転送させるか否かを判断する。
データ転送部108は、転送判断部107の判断に基づいて、第1のフレームバッファ105または第2のフレームバッファ106に格納されているフレームを取り出して、送信信号に変換して、アンテナ109を介して出力する。
図2は、画像転送装置1と通信可能な画像表示装置2の機能的構成を示すブロック図である。図2において、画像表示装置2は、アンテナ201と、受信部202と、フレームメモリ203と、表示部204とを備える。
受信部202は、画像転送装置1から出力された画像データをアンテナ201を介して受信する。
フレームメモリ203は、受信部202が受信したフレームを格納する。フレームメモリ203は、所定のタイミング毎(たとえば、1/30秒毎)に、格納されているフレームに基づく信号を表示部204に送る。
表示部204は、フレームメモリ203から送られてきた信号に基づいて、画像を表示する。
図3は、第1および第2のフレームバッファ105,106から、相違検出部104、転送判断部107に至るまでの流れを模式的に示すブロック図である。図3に示すように、たとえば、第1のフレームバッファ105から、フレームに関するデータAとして、「1001…01」のようなデータ列が送られてきたとし、第2のフレームバッファ106から、フレームに関するデータAとして、「1011…10」のようなデータ列が送られてきたとする。
この場合、相違検出部104は、先頭のビットから、対応するビット同士が一致するか否かを判断し、一致する場合フラグを「0」とし、不一致の場合フラグを「1」とする更新マップ(ai,bj)(i,jは自然数)を作成する。図4は、更新マップの一例を示す図である。図4に示すように、更新マップは、一致を示すフラグ「0」と、不一致を示すフラグ「1」とからなる。
転送判断部107は、相違検出部104が作成した更新マップを参照して、フラグ「1」の数をカウントすることによって、相違している画素の数(以下、相違画素数という)を求める。また、転送判断部107は、更新マップ中で、最も左上にあるフラグ「1」の座標(al,bk)を抽出し、さらに、最も右下になるフラグ「1」の座標(ap,bp)を抽出する。転送判断部107は、座標(al,bk)と座標(ap,bp)とで囲まれる矩形領域を更新領域Naとして認識する。その上で、転送判断部107は、更新領域Naの面積を算出する。具体的には、転送判断部107は、Naの面積を、(ap−al+1)×(bp−bk+1)によって求める。
図5は、画像転送装置1の動作を示すフローチャートである。以下、図5を参照しながら、画像転送装置1の動作について説明する。
まず、画像転送装置1のフレーム格納制御部103は、受信部101で受信され、デコーダ102で復号化されたフレームを第1のフレームバッファ105または第2のフレームバッファ106のいずれかに格納する処理を行う(ステップS101:フレームバッファリング処理)。
次に、画像転送装置1の相違検出部104は、フレーム格納制御部103によって格納された第1および第2のフレームバッファ105,106内のフレームの相違点を比較して、更新マップを作成する(ステップS102:相違判定処理)。
次に、画像転送装置1の転送判断部107は、カウンタ(図示せず)から与えられる所定のタイミング毎(たとえば、1/30秒毎)の割り込み信号(例えば垂直同期信号)があるか否かを判断する(ステップS103)。
割り込み信号がない場合、画像転送装置1は、ステップS101の動作に戻る。一方、割り込み信号がある場合、画像転送装置1は、ステップS104の転送判定処理に進む。
ステップS104において、画像転送装置1の転送判断部107は、相違検出部104が作成した更新マップを参照して、第1のフレームバッファ105または第2のフレームバッファ106に格納されているフレームの差異の度合いを求めて、最新のフレームをデータ転送部108に転送するか否かを決定する(ステップS104:転送判定処理)。
次に、画像転送装置1のデータ転送部108は、転送判定処理(ステップS103)の結果、転送すると決定されたか否かを判断する(ステップS105)。
転送すると決定されていない場合、画像転送装置1は、ステップS107の動作に進み、フレームが転送されていない時間が所定時間以上であるか否かを判断する。フレームが転送されていない時間が所定時間以上である場合、画像転送装置1は、ステップS106の転送処理に進む。一方、フレームが転送されていない時間が所定時間未満である場合、画像転送装置1は、ステップS101の動作に戻る。
ステップS105において、転送すると決定された場合、画像転送装置1は、ステップS106の転送処理に進む。
ステップS106において、画像転送装置1のデータ転送部108は、第1のフレーバッファ105または第2のフレームバッファ106から転送すべきフレームを取り出して、フレームメモリ203に転送し、現在フレームメモリ203に格納されているフレームを更新する(ステップS106:転送処理)。
画像転送装置1からフレームが転送されてきた画像表示装置2は、フレームメモリ203に転送されてきたフレームを格納して、所定のタイミング毎(たとえば、1/30毎)に、フレームメモリに格納されているフレームに対応する信号を表示部204に送って、画像を表示させる。
以下、図5で示した各処理(ステップS101,S102,S104,S106)の詳細について説明する。
図6は、フレームバッファリング処理(ステップS101)の詳細を示すフローチャートである。以下、図6を参照しながら、フレームバッファリング処理の詳細について説明する。
まず、フレーム格納制御部103は、前回、第1または第2のフレームバッファ105,106のいずれにフレームを格納したか認識する(ステップS201)。次に、フレーム格納制御部103は、前回格納したフレームバッファとは、異なる方のフレームバッファに、デコーダ102から与えられるフレームを格納し、ステップS102の動作に進む。この動作によって、第1および第2のフレームバッファ105,106に交互にフレームが格納されていくこととなる。
図7は、相違判定処理(ステップS102)の詳細を示すフローチャートである。以下、図7を参照しながら、相違判定処理の詳細について説明する。
まず、相違検出部104は、第1のフレームバッファ105に格納されているフレームに対応するデータAと第2のフレームバッファ106に格納されているフレームに対応するデータBとのEXOR(排他的論理和)を出力する(ステップS301)。これによって、相違するビットについては真である「1」が、一致するビットについては偽である「0」が出力されることとなる。
次に、相違検出部104は、出力したEXORに基づいて、更新マップを作成する(ステップS302)。次に、相違検出部104は、更新マップの内、フラグ「1」の数をカウントして、更新画素数を求める(ステップS303)。次に、相違検出部104は、更新領域(図3参照)を抽出し(ステップS304)、更新領域の面積を求め(ステップS305)、ステップS103の動作に進む。
図8は、転送判断処理(ステップS104)の詳細を示すフローチャートである。以下、図8を参照しながら、転送判断処理の詳細について説明する。
まず、転送判断部107は、更新画素数が第1の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS401)。第1の閾値は、予め決められていることとする。更新画素数が第1の閾値以上である場合、隣接するフレーム同士は、かなり相違していることが示されていることとなるので、転送判断部107は、フレームを転送する旨を決定し(ステップS403)、ステップS105の動作に進む。
一方、更新画素数が第1の閾値以上でない場合、隣接するフレーム同士の相違点が少ないことが示されていることとなる。しかし、相違点が少ないからといって、画像全体の見た目が相違していないとも限らないので、転送判断部107は、更新領域面積が第2の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS402)。第2の閾値は、予め決められていることとする。
ステップS401およびステップS402によって、第1のフレームバッファ105に格納されているフレームと第2のフレームバッファ106に格納されているフレームとの差異の度合いが求まる。
ステップS402において、更新領域面積が第2の閾値以上であると判断した場合、転送判断部107は、画像全体の見た目が変更されている可能性があるので、フレームを転送する旨を決定し(ステップS403)、ステップS105の動作に進む。
一方、ステップS402において、更新領域面積が第2の閾値以上でないと判断した場合、更新画素数も少なく、かつ更新領域面積も小さいこととなり、画像全体の見た目が変更されている可能性が少ないと判断できるので、転送判断部107は、フレームを転送しない旨を決定し(ステップS404)、ステップS105の動作に進む。
図9は、転送処理(ステップS106)の詳細を示すフローチャートである。以下、図9を参照しながら、転送処理の詳細について説明する。
まず、データ転送部108は、第1および第2のフレームバッファ105,106に格納されているフレームの内、最新のフレームはどちらであるかを認識する(ステップS501)。このような判断は、フレームバッファ内にフラグを立てておくこと等によって、容易に実現できる。次に、データ転送部108は、認識したフレームバッファをフレームメモリ203に転送する。
図10は、上記第1の実施形態における画像転送装置1の動作を具体的に説明するための模式図である。当然、図10は、一例であって、図10に示すような動作に限定されるものではない。
図10では、フレームが格納されるたびに、割り込み信号が発生するとする。すなわち、たとえば、フレームは1/30秒毎にデコードされ、1/30秒毎に割り込み信号が発生するとする。
図10において、第1のフレームバッファ105には、第1段階において、第1フレームが格納されているとする。フレーム格納制御部103は、フレームを交互に格納していくので、第2段階では、第2のフレームバッファ106に第2フレームが格納される。この第2段階において、相違検出部104は、第1フレームと第2フレームとの差異を認識して、更新マップを作成する。転送判断部107は、第1フレームと第2フレームとの差異が小さかったため、転送しないと決定したとする(図8のステップS404参照)。
次に、フレーム格納制御部103は、第3段階で、第3フレームを第1のフレームバッファ105に格納する。ここでも、第2フレームと第3フレームとの差異が小さかったため、転送判断部107は、転送しないと決定したとする(図8のステップS404参照)。
次に、フレーム格納制御部103は、第4段階で、第4フレームを第2のフレームバッファ106に格納する。ここでは、第3フレームと第4フレームとの差異が大きかったとする。この場合、転送判断部107は、第4フレームを転送すると決定する(図8のステップS403参照)。その後、同様にして、第5段階以降でも継続してフレームの格納および/または転送が行われる。
このように、第1の実施形態では、隣接するフレーム同士の相違点が大きい場合のみ、画像転送装置は、画像データを画像表示装置に転送することとなるので、画像の変化が少ない場合、画像表示装置への転送が省略されることとなる。したがって、従来、割り込み信号毎に全画面転送が行われていたのに比べ、本発明では、必ずしも割り込み信号毎に転送が行われないこととなるので、消費電力の低減が図られることとなる。
上記では、更新画素数と更新領域面積との二つを用いて画像を転送するか否かを判断した。この利点は、たとえば、小面積の更新画素が点在する場合に、更新領域面積は大きいが、更新画素数が少なく更新されていない画素が大半を占めるような場合に、無駄な転送を省くことが可能となる。
なお、第1の実施形態では、画像転送装置と画像表示装置とが、無線通信で接続されることとしたが、有線通信で接続されてもよい。
なお、第1の実施形態では、図8に示したように、更新画素数と更新領域面積とを段階的に比較して、転送を行うか否かを決定したが、更新画素数と更新領域面積とに基づいて、二つのフレームの差異の度合いを示す相関値を求め、転送を行うか否かを判断してもよい。たとえば、相関値としては、(更新画素数)/(更新領域面積の画素数)が考えられる。相関値が所定の値(たとえば、0.5など)よりも大きければ、フレームの変化が大きいとして、フレームを転送するようにすればよい。これにより、画素数が第1の閾値未満で更新領域面積が第2の閾値以上である場合でも、フレームが転送されない場合がある。上記の処理は、転送判断処理として単独で行ってもよいし、図8のステップS401およびS402とステップS403との間で行ってもよい。
なお、最新のフレームを転送するか否かのための基準である第1の閾値、第2の閾値、および相関値は、ユーザや、アプリケーションを実行中の外部装置によって、変更可能なようになっていてもよい。
なお、転送判断処理では、更新画素数のみを用いて転送するか否かを判断してもよいし、更新領域面積のみを用いて転送するか否かを判断してもよい。
なお、上記実施形態では、一律に画像転送の省略処理を行うこととしたが、ユーザの選択によって、転送省略を行うか否かを決定してもよい。
なお、上記実施形態では、画素データを一画づつ比較することとしたが、一画面をいくつかの領域に分割して、その領域内の全画素もしくは任意の数画素をのみを比較対象にして、同様の処理をおこなってもよい。
また、比較する画素データは、一画面の全bitではなくてもよく、一画面の中心部分など一部でも構わない。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、データ転送部108による転送処理内容以外は、第1の実施形態と同様である。以下、異なる動作部分についてのみ説明する。全体構成図については、図1を援用する。
図11は、本発明の第2の実施形態に係るデータ転送部108の動作を示すフローチャートである。以下、図11を参照しながら、第2の実施形態に係るデータ転送部108の動作について説明する。
まず、データ転送部108は、第1および第2のフレームバッファ105,106に格納されているフレームの内、最新のフレームはどちらであるかを認識する(ステップS501a)。次に、データ転送部108は、更新領域を認識する(ステップS502b)。次に、データ転送部108は、更新領域を含むラインに関するフレームのデータ列のみをフレームメモリ203に転送して、フレームメモリ203に格納されているフレームを更新する(ステップS503)。
このように、第2の実施形態では、更新された領域を含むラインのみが転送されるので、より転送のために必要な消費電力を低減することが可能となる。
なお、更新された領域の画素データのみを転送するようにしてもよい。すなわち、少なくとも更新された画素に関するデータが転送されるのであればよい。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、フレーム格納制御部103によるフレームバッファリング処理以外は、第1の実施形態と同様である。以下、異なる動作部分についてのみ説明する。全体構成図についは、図1を援用する。
図12は、本発明の第3の実施形態に係るフレーム格納制御部103の動作を示すフローチャートである。以下、図12を参照しながら、第3の実施形態に係るフレーム格納制御部103の動作について説明する。
まず、フレーム格納制御部103は、現在、表示部204が表示しているフレームを認識する(ステップS601)。これは、データ転送部108が、フレームメモリ203にフレームを転送する際に、フレームバッファ内にフラグを立てるようにすることによって、フレーム格納制御部103が容易に認識できる。
次に、フレーム格納制御部103は、現在表示中のフレームが格納されていないフレームバッファ内に次のフレームを格納し、ステップS102の動作に進む。
図13は、上記第3の実施形態における画像転送装置1の動作を具体的に説明するための模式図である。当然、図13は、一例であって、図13に示すような動作に限定されるものではない。
図13では、フレームが格納されるたびに、割り込み信号が発生するとする。すなわち、たとえば、フレームは1/30秒毎にデコードされ、1/30秒毎に割り込み信号が発生するとする。
図13において、第1のフレームバッファ105には、第1段階において、第1フレームが格納されているとする。フレーム格納制御部103は、現在表示中のフレームが格納されていないフレームバッファにフレームを格納していくので、第2段階では、第2のフレームバッファ106に第2フレームが格納される。この第2段階において、相違検出部104は、第1フレームと第2フレームとの差異を認識して、更新マップを作成する。転送判断部107は、第1フレームと第2フレームとの差異が小さかったため、転送しないと決定したとする(図8のステップS404参照)。
次に、フレーム格納制御部103は、第3段階で、第3フレームを第2のフレームバッファ106に格納する。ここでも、第2フレームと第3フレームとの差異が小さかったため、転送判断部107は、転送しないと決定したとする(図8のステップS404参照)。
次に、フレーム格納制御部103は、第4段階で、第4フレームを第2のフレームバッファ106に格納する。ここでは、第3フレームと第4フレームとの差異が大きかったとする。この場合、転送判断部107は、第4フレームを転送すると決定する(図8のステップS403参照)。その後、同様にして、第5段階では、現在表示中の第4フレームが格納されていない第1のフレームバッファ105に第5フレームが格納される。以降、同様にして、フレームが格納されていく。
このように、第3の実施形態では、現在表示中のフレームは、フレームバッファに継続して残っていくこととなるので、最新のフレームと現在表示中のフレームとの差異が比較されることとなる。したがって、現在表示中のフレームからの差異が大きくなった時点で、フレームが更新されることとなる。
第1の実施形態のような場合、隣接するフレーム同士の差異は小さいが、少し前のフレームと比べた場合に差異が大きくなっているようなとき、フレームが更新されないままの状態が継続する事態が発生しうる。しかし、第3の実施形態では、表示中のフレームと最新のフレームとの差異を比較して、フレームの更新を行うので、このような事態を回避することができる。
(第4の実施形態)
図14は、本発明の第4の実施形態に係る画像転送装置1の動作を示すフローチャートである。以下、図14を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係る画像転送装置1の動作について説明する。
まず、画像転送装置1は、電池残量が所定の閾値(以下、危険閾値という)以下であるか否かを判断する。危険閾値以下である場合、画像転送装置1は、第1の実施形態と同様、ステップS101〜S106の動作に進む。一方、危険閾値以下でない場合、画像転送装置1は、デコードされたフレームを順番通りフレームバッファに格納し(ステップS702)、割り込み信号があった場合のみ、データ転送部108にフレームを転送させる(ステップS703,S704)。
このように、第4の実施形態では、電池残量が残り少なくなった場合のみ、フレームの転送処理を省く動作に以降することとなる。したがって、電池残量が十分である場合には、高画質な動画を提供することができ、電池残量が残り少ない場合は、低画質な動画を提供することとなる。
なお、ユーザからの指示に応じて、ステップS702〜S704の処理に進むようにしてもよい。
(第5の実施形態)
図15は、本発明の第5の実施形態に係る画像転送装置1の動作を示すフローチャートである。第5の実施形態では、画像データを送信する側が、第1の実施形態のようなフレームの転送の抜き取り処理を行ってもよいか否かを指定しているものとする。
したがって、図15に示すように、画像転送装置1は、まず、送信側から、フレーム転送の抜き取り処理を行ってもよい旨の指示が与えられているか否かを判断する(ステップS801)。与えられている場合、画像転送装置1は、第1の実施形態と同様、ステップS101以降の動作に進む。一方、与えられていない場合、画像転送装置1は、ステップS702以降の動作に進んで、フレームの抜き取り処理を行うことなく動画を表示する。
このように、第5の実施形態では、送信側からの指示に応じて、フレームの抜き取り処理が行われることとなるので、フレームを抜き取ってもよいような動画像が送られてくる場合、予め送信側でその旨を指定しておくことが可能となる。
なお、上記実施形態では、送信側が指定することとしたが、画像転送装置1に接続されている記録装置に格納されている画像データにあらかじめ、抜き取り処理をおこなってもよいか否かに関する情報が付随していて、それに基づいて、画像転送装置1は、抜き取り処理を行ってもよい。
なお、上記処理は、第4の実施形態に示す電池残量による判定処理と組み合わせてもよいことはいうまでもない。
なお、上記実施形態では画像表示装置自らが更新画素を認識して、更新マップを作成することとしたが、隣接するフレーム同士の相違を示す更新画素数および更新領域面積が、付加情報として、画像データに予め付随していて、画像転送装置1は、それを参照して、更新画素数および更新領域面積を認識するようにしてもよい。図16は、このような画像転送装置1の動作を示すフローチャートである。図16に示すように、画像転送装置1は、画像データに服している付加情報を抽出して(ステップS901)、その付加情報に含まれる更新画素数を認識し(ステップS902)、更新領域面積を認識する(ステップS903)。このように、画像データに予めフレーム間の相違に関する情報を付加しておくことによって、画像表示装置における比較処理および比較処理に必要なフレームの読み出し処理が省かれることとなるので、より消費電力を低減することができる。
なお、本発明の画像転送装置は、上記第1〜第5の実施形態に示す動作を汎用のCPUに実行させるプログラムによって実現されてもよいり、専用のハードウエアによって実現されてもよいし、これらの組み合わせによって実現されてもよい。
本発明に係る画像転送装置は、消費電力を低減することができ、画像表示等の分野に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る画像転送装置1の機能的構成を示すブロック図 画像転送装置1と通信可能な画像表示装置2の機能的構成を示すブロック図 第1および第2のフレームバッファ105,106から、相違検出部104、転送判断部107に至るまでの流れを模式的に示すブロック図 更新マップの一例を示す図 画像転送装置1の動作を示すフローチャート フレームバッファリング処理(ステップS101)の詳細を示すフローチャート 相違判定処理(ステップS102)の詳細を示すフローチャート 転送判断処理(ステップS104)の詳細を示すフローチャート 転送処理(ステップS106)の詳細を示すフローチャート 第1の実施形態における画像転送装置1の動作を具体的に説明するための模式図 本発明の第2の実施形態に係るデータ転送部108の動作を示すフローチャート 本発明の第3の実施形態に係るフレーム格納制御部103の動作を示すフローチャート 第3の実施形態における画像転送装置1の動作を具体的に説明するための模式図 本発明の第4の実施形態に係る画像転送装置1の動作を示すフローチャート 本発明の第5の実施形態に係る画像転送装置1の動作を示すフローチャート 他の実施形態に係る画像転送装置1の動作を示すフローチャート
符号の説明
1 画像転送装置
2 画像表示装置
101,202 受信部
102 デコーダ
103 フレーム格納制御部
104 相違検出部
105 第1のフレームバッファ
106 第2のフレームバッファ
107 転送判断部
108 データ転送部
109,201 アンテナ
203 フレームメモリ
204 表示部

Claims (18)

  1. 外部の画像表示装置に対して動画像データを転送するための画像転送装置であって、
    動画像データをフレーム単位毎に格納する第1および第2のフレームバッファと、
    前記第1および第2のフレームバッファのそれぞれに格納されている二つのフレームの差異を検出する相違検出手段と、
    前記相違検出手段によって検出された二つのフレームの差異の度合いに基づいて、前記第1および第2のフレームバッファに格納されているフレームの内、最新のフレームを前記画像表示装置に転送するか否かを判断する転送判断手段と、
    前記転送判断手段によってフレームを転送すると判断された場合、前記最新のフレームの内、少なくとも更新されている画素を前記画像表示装置に転送するデータ転送手段とを備える、画像転送装置。
  2. 前記転送判断手段は、前記二つのフレームを画素単位で比較して、更新画素数および画素が更新されている領域の面積に基づいて前記差異の度合いを求め、最新のフレームを前記画像表示装置に転送するか否かを判断することを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  3. 前記転送判断手段は、
    更新画素数が第1の閾値以上である場合、最新のフレームを転送すると判断し、
    更新画素数が第1の閾値未満である場合、画素が更新されている領域の面積が第2の閾値以上であれば、最新のフレームを転送すると判断することを特徴とする、請求項2に記載の画像転送装置。
  4. 前記転送判断手段は、更新画素数と画素が更新されている領域の面積とから求められる前記差異の度合いを示す相関値に基づいて、最新のフレームを転送するか否かを判断することを特徴とする、請求項2に記載の画像転送装置。
  5. 前記相関値は、更新画素数/更新されている領域に含まれる更新画素の数、であることを特徴とする、請求項4に記載の画像転送装置。
  6. 前記転送判断手段は、前記二つのフレームを画素単位で比較して、更新画素数に基づいて、最新のフレームを前記画像表示装置に転送するか否かを判断することを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  7. 前記転送判断手段は、前記二つのフレームを画素単位で比較して、画素が更新されている領域の面積に基づいて、最新のフレームを前記画像表示装置に転送するか否かを判断することを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  8. 前記転送判断手段が前記二つのフレームの差異の度合いによって、最新のフレームを転送するか否かを判断するための基準は、変更可能であることを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  9. 動画像データを再生するためのフレームを、前記第1および第2のフレームバッファに交互に格納していくフレーム格納制御手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  10. 前記画像表示装置で現在表示中のフレームを前記第1のフレームバッファに格納し、前記第2のフレームバッファに最新のフレームを格納するフレーム格納制御手段をさらに備える、請求項1に記載の画像転送装置。
  11. 前記フレーム格納制御手段は、第2のフレームに格納されている最新のフレームが前記データ転送手段によって転送された場合、転送されたフレームを現在表示中のフレームとして、前記第2のフレームバッファに格納しておき、最新のフレームを前記第1のフレームバッファに格納していくことを特徴とする、請求項10に記載の画像転送装置。
  12. 前記データ転送手段は、前記最新のフレームを転送する際、更新されているラインを転送することを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  13. 前記データ転送手段は、前記最新のフレームを転送する際、当該最新のフレームを全て転送することを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  14. 残電池容量が所定の閾値以上である場合、前記データ転送手段は、前記第1および第2のフレームバッファに格納されているフレームを順次転送していくことを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  15. ユーザからの指示に応じて、前記データ転送手段は、前記第1および第2のフレームバッファに格納されているフレームを順次転送していくか、それとも、前記転送判断手段の判断に応じてフレームを転送するか否かを決定することを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  16. 外部装置からの指示に応じて、前記データ転送手段は、前記第1および第2のフレームバッファに格納されているフレームを順次転送していくか、それとも、前記転送判断手段の判断に応じてフレームを転送するか否かを決定することを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  17. 前記相違検出手段は、前記動画像データに付加されている情報に基づいて、前記二つのフレームの差異を検出することを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。
  18. 前記データ転送手段は、最新のフレームが所定の時間転送されていない場合、強制的に最新のフレームを転送することを特徴とする、請求項1に記載の画像転送装置。

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