JP2005195353A - 試料評価方法、評価用基板及び評価用基板形成方法 - Google Patents

試料評価方法、評価用基板及び評価用基板形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 格子面間隔を精度よく計測しつつ像観察及び元素分析をすることが可能な試料評価方法、その試料評価方法に用いられる評価用基板、及び素の評価用基板形成方法を提供すること。
【解決手段】 評価すべき被評価試料10と標準試料12とが接合された接合体14Bに、接合体の側方から、被評価試料と標準試料とを照射スポット28内に含むように透過型電子顕微鏡の電子ビームE1を照射する。そして、接合体を透過・回折した電子ビームE2により形成される被評価試料及び標準試料の回折像を検出する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、透過型電子顕微鏡を用いた試料評価方法、評価用基板及び評価用基板形成方法に関するものである。
透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy : TEM)における回折モードを用いると、被評価試料の結晶構造を解析することができる。TEMを用いた被評価試料の結晶構造の解析は次のようにして行われている。
まず、TEMを用いて被評価試料に電子ビームを照射し、被評価試料を透過・回折した電子ビームによって形成される被評価試料の電子回折像を取得する。電子回折像は、電磁レンズにより、電磁レンズの後焦点面に形成される。後焦点面の電子回折像は、多段レンズによってスクリーンに拡大される。
そして、電子回折像における、透過スポットと回折スポットとの距離を計測して、被評価試料の格子面間隔dを算出し、その格子面間隔dに一致する既知物質を同定する。
ところで、上述したように電子回折像は、電磁レンズを介して取得される。電磁レンズにはいわゆる収差があるので、得られた電子回折像には、ひずみが生じている。
そのため、従来は、次のようにして格子面間隔の計測精度の向上を図っていた(例えば、非特許文献1参照)。
すなわち、まず、回折スポット間隔のひずみを相殺するために、薄片化した被評価試料に格子定数が既知である標準試料を薄く成膜する。なお、標準試料からなる膜は結晶性の無配向性膜とする。
次に、被評価試料と標準試料との積層方向から、言い換えれば、標準試料を通して被評価試料に電子ビームを照射する。被評価試料を透過・回折した電子ビームにより電子回折像を得る。
図5は、電子回折像の模式図である。
電子回折像は、標準試料の回折像と被評価試料との回折像とから構成されている。標準試料からなる膜は結晶性の無配向性膜であるため、その回折像はリング状である。リング状の標準試料の回折像を回折リングとも称す。
ここで、透過スポットを原点Oとし、被評価試料の回折スポットGと原点Oとを結ぶ線をOGとする。そして、直線OGと、標準試料の回折像との交点をSとする。一般に、試料からスクリーンまでの距離であるカメラ長をL、電子ビームの波長をλ、試料の格子面間隔をd、透過スポットと回折スポットとの距離をRとすると、L×λ=R×dが成り立つ。
標準試料のdは既知であるため、Rを直線OSの長さとすることにより、回折像を取得する際に用いたTEMにおける正確なカメラ長Lが求まる。このカメラ長と、直線OGの長さとから被評価試料の格子面間隔を算出する。そのため、電磁レンズによるひずみが生じていたとしても、正確な格子面間隔を算出することが可能である。
田中通義、寺内正己、津田健治著「やさしい 電子回折と初等結晶学 電子回折図形の指数付け」第1版、共立出版、1997年7月、p9
しかしながら、被評価試料における電子ビームの照射面上に標準試料を成膜していることからTEMで可能な他の評価手法を併用できないという問題がある。より具体的には、TEMを用いて被評価試料の像を観察すると、観察像に標準試料のコントラストが重なるため、被評価試料の微細構造を観察することができない。また、TEMを用いて被評価試料の元素分析をする際には、標準試料から生じるX線が妨害線となる場合がある。更に、標準試料と同一の構成元素は分析が困難である。
本発明の目的は、格子面間隔を精度よく計測しつつ像観察及び元素分析をすることが可能な試料評価方法、その試料評価方法に用いられる評価用基板、及びその評価用基板形成方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る試料評価方法は、透過型電子顕微鏡を用いて試料を評価する方法であって、評価すべき被評価試料と標準試料とが接合された接合体に、接合体の側方から、被評価試料と標準試料とを照射スポット内に含むように電子ビームを照射する照射工程と、接合体を透過・回折した電子ビームにより形成される被評価試料及び標準試料の回折像を検出する検出工程とを備えることを特徴とする。
この場合、上記接合体の側方から、電子ビームが、被評価試料と標準試料とを照射スポット内に含むように接合体に照射される。そして、接合体を透過・回折した電子ビームにより形成される被評価試料及び標準試料の回折像を取得する。
被評価試料の回折像と共に標準試料の回折像も取得できているため、標準試料の回折像と被評価試料の回折像とを比較しつつ被評価試料を評価すれば、被評価試料をより正確に評価することができる。
一方、電子ビームを、接合体の側方から、被評価試料及び標準試料を照射スポット内に含むように照射しているため、例えば、TEMを用いて像を観察する場合でも、標準試料のコントラストが観察像に現われないようにすることができる。更に、被評価試料の元素分析も可能である。
また、本発明に係る試料評価方法においては、接合体は、被評価試料上に標準試料を堆積させることによって形成されていることが望ましい。
この場合、被評価試料上に標準試料を堆積させて接合体を形成しているため、接合体を容易に形成することが可能である。
更に、本発明に係る試料評価方法においては、接合体の少なくとも一部の厚さを電子ビームが接合体を透過可能な厚さを有するように薄くする薄片化工程を備え、照射工程において、厚さが薄くされた接合体に、電子ビームを照射することが好ましい。
この場合、接合体は、電子ビームが接合体を透過可能な厚さを有するように接合体の少なくとも一部の厚さが薄くされる。そして、照射工程において、その薄くされた接合体に電子ビームが照射される。これにより、被評価試料及び標準試料の回折像を確実に取得することができる。
更にまた、本発明に係る試料評価方法における薄片化工程においては、イオンビームを用いて、接合体を削って接合体の少なくとも一部の厚さを薄くすることが好ましい。この場合、イオンビームにより接合体の一部の厚さが薄くされる。更に収束イオンビームを用いると、微小領域を選択的により精度よく削ることが可能であるため好ましい。
また、本発明に係る試料評価方法においては、電子ビームの照射方向において、電子ビームが入射する被評価試料の側面と標準試料の側面との間の距離が1μm以下であることが好ましい。
回折像の形成には、電磁レンズを用いるが、被評価試料の側面と標準試料の側面との距離が1μm以下であれば、電磁レンズの焦点位置のずれが小さくなる。そのため、被評価試料及び標準試料の回折像を更にほぼ同じ条件で取得することが可能である。
更にまた、本発明に係る試料評価方法においては、標準試料が、格子定数と、結晶構造が既知である結晶質の物質から構成されていることが望ましい。
この場合、標準試料の格子定数と結晶構造とが既知である。そのため、標準試料の回折像を基準にして被評価試料の回折像を評価することができる。
また、本発明に係る試料評価方法における検出工程においては、標準試料の回折像と被評価試料の回折像とを同一の記録面上に同時に記録することが好適である。
この場合、標準試料の回折像と被評価試料の回折像とが同一記録面上に同時に記録される。そのため、標準試料の回折像と被評価試料の回折像の検出条件がほぼ同じである。そして、同一記録面上に記録されるため、標準試料の回折像と比較して被評価試料の回折像を評価することが容易である。
更に、本発明に係る試料評価方法においては、記録面に形成された0次回折に起因する回折スポットを原点Oとし、被評価試料の回折像を構成する回折スポットG(mは自然数)のうちの回折スポットG(Mは、1〜mの自然数)と原点Oとの距離OGを計測し、標準試料の回折像を構成する回折スポットS(nは自然数)のうち、原点Oからみて原点Oと回折スポットGとを結ぶ直線に対して15度以内にある回折スポットS(Nは、1〜nの自然数)と原点Oとの距離OSを計測し、OG/OSを算出する解析工程を備えることが好ましい。
この場合、回折スポットG及び原点O間の距離OGと、回折スポットS及び原点O間の距離OSとの比OG/OSが算出される。回折スポットGと原点Oとを結ぶ直線と、回折スポットSと原点Oとを結ぶ直線とのなす角度は15度以内であるため、電磁レンズに収差が生じていたとしても、回折スポットSと回折スポットGとはほぼ同じ条件で形成されている。言い換えれば、距離OS及びOGには、収差の影響が同程度に生じている。
したがって、収差の影響が相殺されており、標準試料の回折スポットSまでの原点Oからの距離OSに対する距離OGを得ることができる。
また、本発明に係る試料評価方法における上記解析工程においては、上記OG/OSで、回折スポットSに対応する標準試料の格子面間隔dを除して回折スポットGに対応する被評価試料の格子面間隔dを算出することが望ましい。
この場合、OG/OSで格子面間隔dを除して、格子面間隔dが算出される。OG/OSは、上述したように収差の影響が相殺されている一方、格子面間隔dは既知である。そのため、電磁レンズによる収差の影響が低減された、より正確な被評価試料の格子面間隔dを得ることができる。
更に、本発明に係る試料評価方法においては、格子面間隔dを複数算出し、それらと一致する格子面間隔を有する物質を、候補となる物質群から選択することが望ましい。1つの格子面間隔dが同じでも他の格子面間隔が異なる場合もある。そのため、複数の格子面間隔dが一致する物質を同定することで、より確実に被評価試料を評価することができる。
また、本発明に係る評価用基板は、透過型電子顕微鏡で評価する被評価試料を接合すべき評価用基板であって、基板本体と、基板本体に設けられ、標準試料を含み、被評価試料が接合されるべき被接合部とを備えることを特徴とする。この場合、基板本体に設けられ、標準試料を含む被接合部に被評価試料が接合される。そのため、被評価試料を被接合部に接合し、被評価試料と、被接合部とを照射スポットに含むように電子ビームを被評価試料の側方から照射することで、被評価試料及び標準試料の回折像を容易に得ることができる。
更に、本発明に係る評価用基板においては、被接合部が突起であることが好ましい。
この場合、被接合部は、突起であるため、被評価試料を接合させやすい。また、接合した被評価試料を、例えば、その厚さを薄くするなどの加工が容易である。
更にまた、本発明に係る評価用基板においては、基板本体が標準試料を含んでおり、被接合部が基板本体の少なくとも1つの縁部が切り欠かれて形成された切り欠き部であることが好ましい。
この場合、被接合部に被評価試料を接合する際、被評価試料を被接合部に対して突起状に接合することができる。そのため、被評価試料の側方から、標準試料を含む被接合部及び被評価試料を照射スポット内に含むように電子ビームを被評価試料に照射することによって標準試料及び被評価試料の回折像を同時に取得することができる。
また、本発明に係る評価用基板は、被接合部が、被評価試料を接合させるべき接合面に向かって厚さが薄くなるように上記接合面の法線方向に対して傾斜している傾斜面を有していることが好ましい。
この場合、被接合部と被評価試料との接合部分における被接合部の厚さは薄くなっているため、電子ビームを透過させやすい。また、例えば、被接合部と被評価試料との接合面に略垂直な方向からイオンビームを入射して被評価試料を加工する場合、加工が容易になる。
更に、本発明に係る評価用基板は、被接合部が、被評価試料を接合させるべき接合面の幅が基板本体から離れるに連れて短くなるように接合面の延在方向に対して傾斜している傾斜面を有することが好ましい。
この場合、被接合部が上記傾斜面を有するため、接合面に接合された被評価試料と被接合部とを、接合面の延在方向からイオンビーム等を入射して容易に加工することができる。
更にまた、本発明に係る評価用基板においては、被接合部に被評価試料が接合していることが好ましい。
この場合、被接合部に被評価試料が接合しているため、評価用基板の側方から、被接合部と被評価試料とを照射スポットに含むように電子ビームを被評価試料に照射することによって、容易に被評価試料及び標準試料の回折像を得ることができる。そして、それらの回折像を用いて被評価試料を評価することが可能である。
また、本発明に係る評価用基板形成方法は、透過型電子顕微鏡で評価する被評価試料が接合されるべき評価用基板の形成方法であって、基板本体に、標準試料を含む被接合部を形成する被接合部形成工程を備えることを特徴とする。
この場合、基板本体に、標準試料を含み、被評価試料が接合されるべき被接合部が形成される。そのため、被接合部に被評価試料を接合することにより、標準試料を含む被接合部、及び被評価試料を照射スポット内に含むように、電子ビームを、被評価試料の側方から照射することによって、標準試料及び被評価試料の回折像を得ることが可能である。そして、それらの回折像により被評価試料の、例えば、格子面間隔を計測することができる。
更に、本発明に係る評価用基板形成方法においては、基板本体に標準試料を接合して被接合部を形成することが好ましい。この場合、基板本体に標準試料が接合されて被接合部が形成されているため、被接合部は突起となる。したがって、被評価試料を接合させやすい。
更にまた、本発明に係る評価用基板形成方法における被接合部形成工程においては、基板本体が標準試料を含んでおり、接合部形成工程において、基板本体の少なくとも1つの縁部を切り欠いて被接合部を形成することが好ましい。
この場合、被接合部は、標準試料を含む基板本体を切り欠いて形成されている。したがって、被接合部に被評価試料を接合する際、被評価試料を被接合部に対して突起状に接合することができる。そのため、被評価試料の側方から、標準試料を含む被接合部及び被評価試料を照射スポット内に含むように電子ビームを被評価試料に照射することによって標準試料及び被評価試料の回折像を同時に取得することができる。
更に、本発明に係る評価用基板形成方法においては、被接合部に被評価試料を接合する被評価試料接合工程を備えることが望ましい。
これにより、被接合部に被評価試料が接合された評価用基板が形成される。したがって、評価用基板の側方、言い換えれば、被評価試料の側方から、被接合部及び被評価試料を共に照射スポットに含むように電子ビームを照射することにより、標準試料と被評価試料の回折像を容易に得ることができる。
また、本発明に係る評価用基板形成方法における被評価試料接合工程においては、被接合部に被評価試料を堆積させて被接合部に被評価試料を接合することが好ましい。
この場合、被評価試料を堆積させることで被接合部と被評価試料とを接合しているため、被評価試料の厚さと被接合部の厚さとをほぼ同じ厚さにすることができる。そのため、例えば、被接合部の厚さを電子ビームが透過可能な厚さとしておけば、被接合部に被評価試料を堆積することによって、被評価試料及び被接合部の回折像を取得することが可能である。
また、本発明に係る評価用基板形成方法においては、被接合部、及び、被接合部に接合された被評価試料の少なくとも一部の厚さをイオンビームによって薄くする薄片化工程を備えることが望ましい。この場合、被接合部及び被評価試料の厚さが薄くなっているため、電子ビームが透過しやすい。そのため、回折像を確実に取得することができる。なお、薄片化工程において収束イオンビームを用いると、更に精度良く薄片化加工がおこなえるため好ましい。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1〜図3は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy : TEM)を用いて試料を評価する方法を説明する図である。
先ず、図1に示すように被評価試料10に標準試料12を接合して接合体14Aを形成する。被評価試料10は、TEMにより評価すべき試料である。標準試料12は、格子定数と、結晶構造が既知である結晶質の物質から構成されている。標準試料12は多結晶体である。
標準試料12としては、例えば、Si、Ge、Sn、Al、Cu、W、Mo、Ti、Au、Ptなどの金属や半導体である。また、SrTiO3、(BaSr)TiO3、(Pb,Zr)TiO3、(Pb,La,Zr)TiO3などの酸化物の結晶も標準試料12として使用可能である。このような酸化物の結晶は、被評価試料10が酸化物の場合、格子定数も近いため好ましい。
標準試料12の高さ、すなわち、被評価試料10と標準試料12との接合方向の長さtは、例えば、0.2〜0.5μmである。接合体14Aは、被評価試料10の表面16に標準試料12を成膜又は塗布して形成する。標準試料12の接合方法としては、例えば、次のいずれかの方法を実施すれば良い。
(1)樹脂に標準試料12となる結晶質の微粒子を分散し、これを被評価試料10の表面16に塗布する。(2)スパッタ、蒸着、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition : CVD)などを使って結晶質、無配向の標準試料12を被評価試料10の表面16に成膜する。(3)収束イオンビーム(Focused Ion Beam : FIB)アシステッドCVD法等によって被評価試料10の表面16に標準試料12を成膜する。
ここで、FIB−CVD法とは、次に示す手法により3次元微細構造を形成する技術である。すなわち、3次元微細構造を形成すべき表面上にデポジションガスを供給すると共にそのデポジションガス中を収束イオンビームによって走査(スキャン)する。これにより、収束イオンビームが照射された領域においてデポジション膜が順次積層されて3次元微細構造が形成される。したがって、上記デポジションガスを標準試料12とすることで、被評価試料10上に標準試料(層)12が形成される。
なお、標準試料12を被評価試料10上に堆積させて形成することは、接合体14Aを簡易に形成できる点から好ましい。
次に、接合体14AからTEMで評価可能な、言い換えれば、電子ビームが透過可能な厚さDを有する接合体14Bを形成する(図2参照)。接合体の厚さとは、被評価試料10と標準試料12との接合面18における一対の辺間の距離を意味している。また、接合面18とは、被評価試料10と標準試料12との接合面を含む被評価試料10又は標準試料12の面も意味している。
図2に示す接合体14Bを参照して、接合体の厚さをより具体的に説明する。接合体14Bの厚さDは、接合面18の位置における、接合面18と交差する被評価試料10の側面24と、その側面24に対向している被評価試料10の側面との距離である。
接合体14Bは、例えば、FIB法を用いて次のようにして形成する。先ず、接合面18に略垂直な方向から表面16に収束イオンビームIを入射し、接合体14Bとすべき領域の周囲にわたって収束イオンビームIを走査する。これにより、収束イオンビームIで接合体14Bとすべき領域の周りの被評価試料10を削り、接合体14Bを形成する。言い換えれば、接合体14Aから、標準試料12を含む接合体14Bをサンプリングする。
接合体14Bを形成する手法は、イオンミリング法など種々あるが、FIB法は微小部分を選択的に加工することができるため好ましい。なお、接合体の少なくとも一部の厚さを電子ビームが透過可能な厚さに加工することを薄片化と称す。
次に、接合体14Bを試料台20に搭載する(図3参照)。接合体14Bは、例えば、試料台20上に設けられている支持板22を介して試料台20に搭載すればよい。接合体14Bが搭載された試料台20をTEMにセットし、接合体14Bの側方から、被評価試料10と標準試料12とを照射スポット内に含むように電子ビームE1を接合体14Bに照射する。
ここで、接合体14Bの側方とは、接合面18と交差する被評価試料10における側面24に略垂直な方向である。図3を参照して説明すれば、紙面手前側から側面24に電子ビームE1を照射する。
そして、接合体14Bを透過・回折した電子ビームE2により形成される被評価試料10及び標準試料12の回折像を検出する。回折像の検出は、接合体14Bを透過・回折した電子ビームE2を電磁レンズによって、その電磁レンズの後焦点面に回折像を形成し、多段レンズ(図示せず)によって拡大された電子回折像をスクリーン(記録面)上に写すことにより実施される。これにより、標準試料12の回折像と被評価試料10の回折像とは、同一のスクリーン上に同時に記録される。
同じ条件で標準試料12の回折像と被評価試料10の回折像とを取得する観点からは、電子ビームE1の照射方向において、電子ビームE1が入射する被評価試料10の側面24と標準試料12の側面26との間の距離dが1μm以下であることが望ましい。回折像の形成には、電磁レンズを用いるが、側面24と側面26との距離dが1μm以下であれば、電磁レンズの焦点位置のずれが小さい。そのため、被評価試料10及び標準試料12の回折像を同じ条件で更に取得しやすくなる。
図4は、電子ビームE1の接合体14Bへの入射方法を説明する図である。
上述したように、電子ビームE1を、接合体14Bの側方から(紙面手前側から)、照射スポット28内に被評価試料10と標準試料12とを共に含むように接合体14Bに照射する。これにより、被評価試料10と標準試料12とがほぼ同じ条件で照射される。
図5は、標準試料12及び被評価試料10の回折像の模式図である。
標準試料12の回折像30及び被評価試料10の回折像32は、上述したように同一スクリーン34に形成される。標準試料12は多結晶体であるため、その回折像30は回折スポットが集まって円になる。円状の回折像を回折リングと称す。回折リングは、電磁レンズの収差により歪み、例えば、図5に示すように楕円になる。図5を参照して被評価試料10の格子面間隔を算出する方法を説明する。
スクリーン34に形成された0次回折に起因する回折スポット、すなわち、透過光による透過スポットを原点Oとする。被評価試料10の回折像32を構成する複数の回折スポットG(mは自然数)のうちから、1つの回折スポットG(Mは、1〜mの自然数)を選択する。原点Oと、回折スポットGとの距離を計測する。なお、図5において、回折スポットGと原点Oに対して点対称な位置にある点は、説明の便宜上、G―Mと表示している。
図5では、回折スポットGから選択した回折スポットGとして、回折スポットG,Gを示しており、それらの原点Oに対して点対称位置にある回折スポットとして、回折スポットG−1,G−2を示している。
次に、標準試料12の回折像30を構成する回折スポットS(nは自然数)のうち、原点Oからみて、原点Oと回折スポットGとを結ぶ直線に対して、15度以内にある回折スポットS(Nは、1〜nの自然数)を選択する。回折スポットSに対して原点Oと点対称な位置にある点を説明の便宜上S−Nと表示していることは、回折スポットGの場合と同様である。
図5において、各回折スポットG,G,G−1,G−2に対応して上記のように選択された標準試料12の回折スポットSを、回折スポットS,S,S−1,S−2とする。ここで、N=Mとしているのは回折スポットG,G,G−1,G−2の対応関係を明確にするためである。
図5では、回折スポットG(又はG)に対して選択された回折スポットS(又はS)は、標準試料12の回折像30が回折リングであるため、原点Oと回折スポットGとを結ぶ直線と回折リングとの交点になっている。しかし、実際には、回折像30は理想的な円になるとは限らない。
そのため、原点Oと回折スポットGとの直線上に回折スポットSがない場合について説明する。この場合、上述したように、原点Oからみて、原点Oと回折スポットGとを結ぶ直線とのなす角θが15度以内にある回折スポット(例えば、図5の回折スポットS)を選択すればよい。
次に、原点Oと回折スポットSとの距離OSを計測し、OG/OSを算出する。図5に表示している回折スポットの場合、例えば、OG/OS、OG/OSを算出する。
上記のようにして、比OG/OSを算出した場合、回折スポットGと原点Oとを結ぶ直線と、回折スポットSと原点Oとを結ぶ直線とのなす角度は15度以内であるため、電磁レンズに収差が生じていたとしても、回折スポットSと回折スポットGとはほぼ同じ条件で形成されている。言い換えれば、距離OS及びOGには、収差の影響が同程度に生じている。
したがって、収差の影響が相殺されており、標準試料12の回折スポットSまでの原点Oからの距離OSに対する距離OGを得ることができる。
ところで、被評価試料10(言い換えれば、接合体14B)からスクリーン34までの距離であるカメラ長をL、電子ビームの波長をλ、被評価試料10の格子面間隔をd、透過スポット(原点O)と回折スポットとの距離をRとすると以下の式が成り立つ。
・L×λ=R×d・・・(式1)
回折スポットSに対応する標準試料12の格子面間隔をdとし、回折スポットGに対応する被評価試料10の格子面間隔をdとする。標準試料12及び被評価試料10の回折像30,32は、同じTEMを用いて同一スクリーン34に同時に記録されているため、L×λは同じである。
原点Oから回折スポットG,Sまでの距離をOG、OSとすれば、(式1)からOS×d=OG×dが成り立ち以下の式が導ける。
・d=d/(OG/OS)・・・(式2)
このように、OG/OSで標準試料12の格子面間隔dを除することによって、被評価試料10の格子面間隔dを算出できる。OG/OSは、上述したように収差の影響が相殺されている。また、格子面間隔dは既知である。そのため、電磁レンズによる収差の影響が低減された、より正確な被評価試料10の格子面間隔dを得ることができる。
1つの格子面間隔dが同じでも他の格子面間隔が異なる場合もある。そのため、格子面間隔dを複数算出し(例えば、d、d、dなど)、それらと一致する格子面間隔を有する物質を、候補となる物質群から選択する。
なお、実際には、回折スポット間の距離を測定する際、測定する距離は長いほうがよい。計測誤差が小さくなるからである。そのため、距離OG,OSの代わりに、回折スポットGと原点Oに対して点対称な位置にある回折スポットG−Mとの距離G−M、及び、回折スポットSと原点Oに対して点対称な位置にある回折スポットS−Nとの距離S−Nを計測する。図5に示す回折スポットの場合、距離G−1,G−2,S−1,S−2を計測する。
以下、回折スポットG,Sと、回折スポットG,Sの原点Oに関して点対称な位置にある回折スポットG−M,S−Nとの距離を夫々、RG,RSと表す。そして、比RG/RS(図5では、例えば、RG/RS)を算出し、その値で、標準試料12の格子面間隔dを除することにより被評価試料10の格子面間隔dを求めることが望ましい。
また、上記では、被評価試料10の格子面間隔dを求めているが、被評価試料10の格子面間隔比d/dM+1、すなわち、(RGM+1/RSN+1)/(RG/RS)を求めて、その格子面間隔比が一致する物質を物質群から選択してもよい。
上述したように、被評価試料10の回折像32と標準試料12の回折像30とを比較する、言い換えれば、回折像30を用いて回折像32を評価すれば、被評価試料10の格子面間隔dをより正確に求めることができる。
本実施形態の評価方法では、電子ビームE1を接合体14Bの側方から接合体14Bに入射しているため、被評価試料10にのみ電子ビームE1を照射することが可能である。そのため、被評価試料10から放出されるX線をエネルギー分散型X線検出器(Energy Dispersion Spectrometry : EDS)で検出し、EDS分析をすることもできる。このように、被評価試料10の回折像32の評価結果に、元素分析などを組み合わせれば被評価試料10の評価(例えば、物質の同定)が更に正確になる。
次に、格子面間隔dの算出について実際の評価例を参照してより具体的に説明する。
図6は、接合体14Bの電子顕微鏡写真図である。なお、図中の回折像撮影領域(照射スポット28)は、説明の便宜上、表示しているものである。
図6中に示す接合体14Bは、標準試料12としてAlを用い、Alを被評価試料10に蒸着して形成した。そして、被評価試料10と標準試料12とを照射スポット28内に含むように電子ビームE1を接合体14Bに照射し、標準試料12及び被評価試料10の回折像30,32を取得した。
図7は、図6の接合体14Bから取得された回折像図である。
図7中の回折スポットG,G,Gに対応する被評価試料10の格子面間隔d,d,dを求める。0次回折スポットに対してG,G,Gと15度以内にあるAlの回折スポットは,それぞれR1−Al(220)、R2−Al(220)、R3−Al(220)である。
上述したように、夫々の回折スポットに対して原点Oと点対称な位置にある回折スポットとの間の距離RG,RG,RG,RS,RS,RSを計測し、比RG/RS、比RG/RS、比RG/RSを算出すると以下のようになる。
・RG/RS=1.062
・RG/RS=1.063
・RG/RS=1.512
Al(220)面の格子面間隔は0.1432nmであるから、d,d,dは夫々以下のようになる。
・d=0.1432/1.062=0.1348nm
・d=0.1432/1.063=0.1347nm
・d=0.1432/1.512=0.0947nm
図8は、図6の被評価試料10のEDSスペクトルを示すグラフである。
図8から理解されるように、被評価試料10の元素分析の分析結果として、Pb、Zr、Ti及びOが検出された。元素分析結果より、P4mm構造であるPb(Ti,Zr)O3と予想できた。以下、P4mm構造であるPb(Ti,Zr)O3をPZTとも称す。
ここで、ASTM(American Society For Testing and Materials)カードの数値を参照して、上述のようにして算出された格子面間隔d,d,dを評価した。回折像32から算出された被評価試料10の格子面間隔d及び格子面間隔dのうちの一方は、P4mm構造であるPb(Ti,Zr)O3の(300)面の面間隔一致し、他方は、(030)面の面間隔と一致していた。また、格子面間隔dは、PZTの(330)面の面間隔と一致していた。
原点Oと回折スポットGとを結ぶ直線と、原点Oと回折スポットGとを結ぶ直線とのなす角度は45度であった。更に、原点Oと回折スポットGとを結ぶ直線と、原点Oと回折スポットGとを結ぶ直線とのなす角度は90度であった。
一方、PZTの(300)、(330)の面角度は45度であり、(300)、(030)の面角度は90度である。
以上の結果は、回折スポットG,Gのうち一方が(300)面に対応し、他方が(030)面に対応していること、及び、回折スポットGが(330)面に対応していることを示している。したがって、被評価試料10は、P4mm構造のPb(Ti,Zr)O3であると同定された。
ここで、格子面間隔の測定精度を求めた。図7から算出された格子面間隔d及び格子面間隔dとからd/dを求めると次のようになる。
・d/d=0.1347/0.1348=0.999
一方、回折スポットG,Gは、(300),(030)に対応しており、結晶学的に等価な格子面である。そのため、d/dは、理論的には1.000となる。したがって、本実施形態の試料評価方法との違いは0.001である。これより、本実施形態の試料評価方法において、被評価試料10を高い精度で評価できていることが分かる。
上記本実施形態の試料評価方法との比較例として、例えば、次のように被評価試料10の格子面間隔を求める方法がある。比較例においては、被評価試料10を含む接合体14Bは、図6に示した接合体14B、すなわち、上述のように実際に評価した接合体14Bと同じものを用いた。
図9は、比較例における接合体14Bの電子顕微鏡写真図である。図9において、回折像撮影領域(照射スポット28)を説明のために便宜上示しているのは、図6と同様である。
この場合、図9に示すように、被評価試料10にのみ電子ビームを照射し、回折像32を取得する。
図10は、比較例において取得された回折像図である。図10には、図9に示すように被評価試料10にのみ電子ビームを照射して取得された被評価試料10の回折像が示されている。図10から、距離RG,RG,RGを夫々計測する。距離RG,RG,RG夫々は、距離OG、OG、OGの2倍であることを考慮して、式1から格子面間隔d,d,dを算出する。
ここで、比較例においては、予め標準試料12を用いて、被評価試料10の評価を実施するTEMのカメラ定数(L×λ)を求めておく。カメラ定数は、カメラ長L及びスクリーン34の引き伸ばし倍率に依存する。比較例では、カメラ長Lは600mmで、スクリーン34を4倍に引き伸ばしたとき、L×λ=4.422mm・nmであった。
したがって、式1より被評価試料10の格子面間隔d,d,dは次のようになる。
・d=(L×λ)/(RG/2)=0.1317nm
・d=(L×λ)/(RG/2)=0.1328nm
・d=(L×λ)/(RG/2)=0.0932nm
この比較例においても、被評価試料10のEDSスペクトルを取得すると、Pb,Ti,Zr,Oが検出された。そのため、被評価試料10は、P4mm構造のPb(Ti,Zr)O3が候補として考えられた。
しかしながら、図10に示す回折像32から算出された格子面間隔は、PZTから得られるべき格子面間隔(格子定数)とは一致していない。そのため、この比較例の方法では、PZTであるかどうかは同定できない。また、比較例において、d/dを算出すると次のようになる。
・d/d=0.1328/0.1317=1.010
本実施形態の評価方法で同定したように被評価試料10はP4mm構造のPb(Ti,Zr)O3であるため、d/dは、1.000になるはずであり、0.01の差が生じている。
一方、本実施形態の試料評価方法では、上述したように0.001の差しか生じておらず、精度の高い試料評価方法であることがわかる。
本実施形態で説明した試料評価方法では、被評価試料10の回折像32と共に標準試料12の回折像30をほぼ同一条件で同一スクリーン34上に取得できているため、標準試料12の回折像30と、被評価試料10の回折像32とを比較しつつ被評価試料10を評価(例えば、格子面間隔を算出)すれば、被評価試料10をより正確に評価することができる。
一方、図3又は図4に示すように、電子ビームE1は、接合体14Bの側方から、被評価試料10及び標準試料12を照射スポット28内に含むように照射している。したがって、例えば、TEMを用いて透過像を観察する場合でも、被評価試料10にのみ電子ビームE1を照射することで、被評価試料10の透過像を取得することができる。言い換えれば、TEMによる被評価試料10の透過像に、標準試料12の透過像が重ならないようにすることができる。
また、被評価試料10にのみ電子ビームE1を照射することも可能であるため、被評価試料10の元素分析をしても、標準試料12からX線が発生して妨害線となることを防止できる。また、被評価試料10と標準試料12とが同一の構成元素であっても元素分析が可能である。更に、標準試料12が被評価試料10と同系統の物質から構成されており、組成が既知であれば、定量分析用の標準試料としても利用できる。
上記のように、本実施形態の試料評価方法では、被評価試料10の格子面間隔を精度よく求めつつ、他の評価手法(像観察、元素分析)などによる評価も実施可能である。
なお、本実施形態では、被評価試料10に標準試料12が接合されているため、被評価試料10と標準試料12とは接しているものとしたが、被評価試料10の表面の粗さ等により標準試料12と被評価試料10とが離れている場合も考えられる。
この場合、図3における側面24,26の距離が1μmを越える場合もあるが、対物レンズの焦点位置を一定にしたまま、接合体14Bの位置を調整して対物レンズの焦点位置に合わせて回折像を取得すればよい。
また、本実施形態では、スクリーン34に回折像30,32を記録しているが、例えば、スクリーン34の代わりにイメージセンサ等を用いて、イメージセンサ等で取得した回折像30,32のデータをコンピュータに入れて、上述した処理をプログラムで実行してもよい。
(第2の実施形態)
図11は、第2の実施形態に係る評価用基板の一実施形態の構成を示す斜視図である。
評価用基板36は、基板本体38と、基板本体38に設けられ、被評価試料10が接合されるべき被接合部40とを備える。基板本体38は、例えば、Cu、Sn、Mo、Ni,Si、カーボン、あるいは、ダイヤモンド等を含む材料から構成されている。基板本体38が、標準試料12から構成されていてもよい。なお、図11は、評価用基板36に被評価試料10が接合されている状態を示している。
被接合部40は、例えば、略直方体の突起であって標準試料12から構成されている。言い換えれば、被接合部40は、基板本体38の表面42に標準試料12が接合されて形成されたものである。標準試料12は、より大きな標準試料12をFIBなどでサンプリングしたものを、基板本体38の表面42に接合してもよいが、例えば、FIB−CVD法などにより表面42上に形成してもよい
図11に示す被接合部40の高さT、すなわち、基板本体38の表面42に略垂直な方向の被接合部40の長さは、例えば、10μm以上である。また、被接合部40の長手方向の長さである幅Wは、例えば、約0.5〜5μmである。
この評価用基板36において、被接合部40(すなわち、標準試料12)に被評価試料10を接合することにより接合体14Cが形成される。被評価試料10は、例えば、バルクの被評価試料10から被接合部40に適した大きさのものを形成すればよい。この場合、例えば、適当な大きさの被評価試料10をFIBなどにより切り出すことが考えられる。そして、その被評価試料10を基板本体38上に載せて基板本体38及び被接合部40と接合すればよい。
なお、図11の評価用基板36では、被接合部40の高さTは一定としているが、被接合部40を複数、基板本体38に設ける場合には、高さTの異なる被接合部40を設けることも有効である。
図12は、評価用基板の他の例の構成を示す斜視図である。
図12に示す評価用基板36は、高さTの異なる複数の被接合部40(例えば、被接合部40,40)を有する。図12に示す被接合部40の高さTは、例えば、10μmであって、被接合部40の高さTは、例えば、5μmである。なお、被接合部40,40は、高さTが異なる点以外は、被接合部40と同様の構成をしている。
このように高さTの異なる複数の被接合部40(例えば、被接合部40,40)を基板本体38が有すれば、それらの中から被評価試料10の大きさに対応する被接合部40(例えば、被接合部40)を選択して接合体14Cを形成することも可能である。
図13は、評価用基板36を用いた試料評価方法を説明する図である。
先ず、評価用基板36において、上述したように、標準試料12である被接合部40に被評価試料10を接合して接合体14Cを形成する。接合体14Cの厚さが、電子ビームが透過可能な厚さより厚い場合は、接合体14Cの少なくとも一部の厚さを、例えば、FIB法を用いて電子ビームが透過できる厚さD1にする。言い換えれば、接合体14Cを薄片化する。
本実施形態では、例えば、基板本体38の表面42に略垂直な方向から収束イオンビームIを接合体14Cに入射して接合体14Cを削る。これにより、接合体14Cを電子ビームが透過可能な薄さにする。
接合体14C全体を薄くすることも可能であるが、電子ビームを照射すべき領域が薄くなっていればよく、図13に示すように、接合体14Cの高さ方向において、例えば、T/2の位置まで削ればよい。
次に、図13に示すように、厚さの薄くされた接合体14Cの側方から、第1の実施形態で述べたように、電子ビームE1を接合体14Cに照射する。すなわち、電子ビームE1の照射スポット28内に被接合部40(標準試料12)と被評価試料10とを含むように電子ビームE1を照射する。そして、標準試料12及び被評価試料10の回折像30,32を得る。この回折像30,32を用いて第1の実施形態と同様にして被評価試料10を評価する。
図14は、評価用基板36を用いた被評価試料10の元素分析方法を説明するための図である。
接合体14Cを用いて被評価試料10の元素分析する際には、電子ビームE1を収束して接合体14Cの被評価試料10に入射させる。そして、被評価試料10を透過した電子ビームを用いて電子エネルギー損失分光法により元素種を判定する。また、被評価試料10から発生するX線をX線検出器44で検出して、EDSスペクトルを取得してもよい。
なお、本実施形態では、図11又は図12に示す接合体14Cの厚さD、すなわち、被接合部40の厚さ(電子ビームの照射方向の長さ)が当初から電子ビームE1が透過できる程度の長さであることが望ましい。電子ビームE1が透過できる程度の厚さの被接合部40は、例えば、FIB−CVD法で基板本体38上に直接形成すればよい。
この場合、例えば、被接合部40上(すなわち、被接合部40における基板本体38側と反対側の端面上)に被評価試料10を堆積させることにより、TEMにより評価可能な接合体14Cを形成することができる。
したがって、接合体14Cの厚さを更に加工しなくても、評価用基板36の側方から電子ビームE1を上述したように照射することにより被評価試料10及び標準試料12(被接合部40)の回折像30,32を取得できる。
本実施形態のように、基板本体38上に標準試料12が接合されて被接合部40が形成さていると、被接合部40は突起状になる。そのため、被接合部40に被評価試料10を接合させやすい。また、被接合部40と、被評価試料10とからなる接合体14Cの厚さDを薄くするなどの加工が容易である。そのため、TEMで評価可能な厚さ(例えば、図11の厚さD1)を有する接合体14Cを容易に作製することができる。これにより、被評価試料10の評価に要する時間を短縮することが可能である。
また、第1の実施形態と同様に、接合体14Cの側方から、電子ビームを、被評価試料10と被接合部40(標準試料12)とに照射するようになっているため、本実施形態においても被評価試料10の透過像の観察及び元素分析を好適に実施することができる。
なお、本実施形態の被接合部40は、標準試料12から構成されているが、被接合部40は、標準試料12を含んでいればよい。例えば、被評価試料10との接合面近傍の領域、より具体的には、照射スポット28内に標準試料12を含むようにする。この場合、標準試料12を電子ビームが通過するため、上記と同様にして被評価試料10を評価することができる。
(第3の実施形態)
図15は、第3の実施形態に係る評価用基板46の構成を示す図である。
評価用基板46は、基板本体48と、被評価試料10を接合させるべき被接合部50〜50とから構成されている。基板本体48は、標準試料12から構成されている。被接合部50〜50は、基板本体48の少なくとも1つの縁部52が切り欠かれて形成された切り欠き部である。なお、図15は、被接合部50,50に被評価試料10が接合されている状態を示している。
図15では、基板本体48の縁部52が凹状に複数切り欠かれて被接合部50〜50が形成されている。ここで、被接合部50〜50とは、基板本体48の一部が切り欠かれて形成された側部を意味している。なお、図15中の点線は、被接合部50〜50として利用できる領域を表示しているものであり、それらの領域の全て又は一部を用いればよい。図15に示すように、例えば、被接合部50の全体に被評価試料10を接合してもよい。また、例えば、被接合部50の一部に被評価試料10を接合してもよい。被接合部50〜50と被評価試料10との接合は、例えば、FIB−CVD法等により実施すれば良い。
本実施形態の場合、被接合部50〜50は、標準試料12である基板本体48を切り欠いて形成されている。したがって、被接合部50〜50に被評価試料10を接合する際、被評価試料10を被接合部50〜50に対して突起状に接合することができる。
上記評価用基板46を用いた場合も、第2の実施形態の評価用基板36を用いた場合と同様に、被評価試料10を評価できる。すなわち、評価用基板46の側方(紙面手前側)から電子ビームE1を被評価試料10に照射する。この際、被評価試料10、及び、被評価試料10が接合された何れかの被接合部50〜50(すなわち、標準試料12)を照射スポット内に含むように電子ビームE1を照射する。
そして、標準試料12及び被評価試料10の回折像30,32を同時に取得する。その回折像30,32を用いて、第1の実施形態と同様にして被評価試料10の物質を同定する。また、本実施形態の場合も被評価試料10の透過像を観察したり、元素分析を実施したりすることも可能である。
なお、電子ビームE1を照射すべき領域、すなわち、被評価試料10と各被接合部50〜50との境界近傍の厚さが、電子ビームが透過可能な厚さより厚い場合は、FIB法などを用いて薄くすればよい。
このような加工の工程を省くために、被接合部50〜50の厚さ(紙面に略垂直な方向の長さ)が、被接合部50〜50以外の領域における基板本体48の厚さよりも薄くなっていることが望ましい。被接合部50〜50の好ましい形態についてより詳細に説明する。
図16は、図15の被接合部50の拡大図である。
図16は、被接合部50に被評価試料10が接合され、接合体14Dが形成されている状態を示している。被接合部50は、標準試料12からなる基板本体48を切り欠いて形成されている。したがって、被接合部50も標準試料12である。そのため、接合体14Dは、標準試料12と被評価試料10とを接合したものである。以下では、被接合部50に関して説明するが、他の被接合部50,50,50,50に関しても同様である。
被接合部50は、図16に示すように、傾斜面54を有していることが好ましい。傾斜面54は、被評価試料10を接合させるべき接合面18に向かって厚さD2が薄くなるように接合面18の法線α方向に対して傾斜している。図16を参照して更に説明すると、傾斜面54は、傾斜面54と対向する側面56との距離が接合面18に向かって短くなるように側面56に対して傾斜している。接合面18の位置における傾斜面54と側面56との距離D3は、電子ビームが透過できる長さであることが更に好ましい。
このように被接合部50が傾斜を有していれば、例えば、被接合部50と被評価試料10との接合面18に、傾斜面54と略平行にFIBを入射して被評価試料10を加工することができる。そのため、図15に示すように、被接合部50〜50が凹状に切り欠かれて形成された被接合部50〜50に、被評価試料10が接合されていても、その加工が可能である。
図17は、図16に示す評価用基板46を用いた試料の評価方法を説明するための図である。
傾斜面54と被評価試料10とがほぼ同一平面になるように、例えば、上述したようにFIB法を用いて加工する。この加工により、接合体14Dの接合面18の位置における厚さD3(図16)を、電子ビームE1が透過できる長さにする。そして、評価用基板46の側方から(傾斜面54側から)、被接合部50と被評価試料10とを照射スポット内に含むように電子ビームE1を被評価試料10に照射する。
これにより、被評価試料10及び被接合部50(すなわち、標準試料12)の回折像30,32を得ることができる。そして、第1の実施形態と同様にして、回折像30,32を利用して被評価試料10の物質を同定できる。また、被評価試料10の観察像を取得すること、元素分析が可能であることも第1の実施形態の場合と同様である。
また、図18は、図15の被接合部50の他の形態を示す被接合部50の拡大図である。
図18は、図16と同様に被接合部50に被評価試料10が接合され、接合体14Dが形成されている状態を示している。被接合部50は、傾斜面55を有している。傾斜面55は、接合面18の延在方向βに略直交する接合面18の長さである接合面18の幅が基板本体48から離れるにつれて短くなるように、延在方向βに対して傾斜している。
図18を参照して更に説明すると、傾斜面55は、傾斜面55と対向する側面56との接合面18における距離が側面57に向かって短くなるように側面56に対して傾斜している。この際、被接続部50の側面57の位置での厚さ(側面57の幅)は、電子ビームが透過できる厚さとすることが好ましい。
このように被接合部50が傾斜面55を有していれば、例えば、接合面18の法線方向と垂直な延在方向(側面57の法線方向)βからFIBを入射して被接合部50とそれに接続された被評価試料10を加工することができる。
図19は、図18に示す評価用基板46を用いた試料の評価方法を説明するための図である。
上述したFIB法を用いて被接合部50と被評価試料10とを加工して、接合体14Dの接合面18の位置における厚さD3(図19)を、電子ビームE1が透過できる長さにする。このとき、加工後の傾斜面55と被評価試料10とは、図19に示すように入射するイオンビームI(図18)と略平行な位置関係にあってもよく、また、入射するイオンビームIに対して傾斜を有していてもよい。
そして、図19に示すように、評価用基板46の側方から(傾斜面55側から)、被接合部50と被評価試料10とを照射スポット内に含むように電子ビームE1を被評価試料10に照射する。これにより、被評価試料10及び被接合部50の回折像30,32を取得し、その回折像30,32を利用して被評価試料10の物質を同定できる。また、被評価試料10の観察像を取得できること、元素分析が可能であることも第1の実施形態の場合と同様である。
なお、本実施形態では被接合部50〜50は、5つであるが、特に5つに限られるものではない。1〜4つでもよいし、6つ以上であってもよい。
また、本実施形態の基板本体48は標準試料12から構成されているとしているが、標準試料12を含んでいればよい。この場合、例えば、被接合部50〜50の形成領域であって、被評価試料10との接合面近傍の領域、より具体的には、電子ビームの照射スポット内に標準試料12を含むようにする。この場合、標準試料12を電子ビームが通過するため、上記と同様にして被評価試料10を評価することができる。
(第4の実施形態)
図20は、第4の実施形態に係る評価用基板58を形成する工程を説明する図である。
本実施形態に係る評価用基板58は、Siウェハ等の公知の基板本体60に、被評価試料10を接合すべき被接合部62を多数形成し、被接合部62ごとに基板本体60を分割して、評価用基板58とする。
この場合、被接合部62は、図20に示すように突起状となる。被接合部62は、結晶構造の明確な構造体をFIB−CVD法等で基板本体60上に直接形成することで作製できる。また、汎用の蒸着法などで結晶構造の明確な薄膜を形成し、フォトリソグラフィの技術を用いて突起状に形成してもよい。更に、結晶性の基板をそのままフォトリリソフラフィやFIB法で加工して形成することもできる。
上述のように、被接合部62は、結晶構造の明確な構造体であり、標準試料12として機能する。言い換えれば、被接合部62は標準試料12を含んで構成されている。被接合部62において、基板本体60と反対側の端面64が、被評価試料10を接合すべき接合面18に相当する。
被接合部62は、矩形であってもよいし、図20のように基板本体60と反対側の端面64に向かって側面66,68間の距離が短くなるテーパ構造を有していてもよい。被接合部62において、少なくとも一対の側面66,68間の距離であって、端面64の位置における側面66,68間の距離D4が、電子ビームが透過可能な長さであることが望ましい。
端面64の位置における側面66,68間の距離D4が、電子ビームが透過可能な長さである場合、端面64上に被評価試料10を接合すれば接合体14Eを形成できる。被評価試料10の接合は、例えば、端面64上に被評価試料10を堆積させればよい。接合体14Eは、TEMで評価可能な接合体である。そのため、第1の実施形態と同様にして、被評価試料10を評価(例えば、物質の同定)をすることが可能である。
すなわち、接合体14Eの側方から、言い換えれば、側面66側から、被接合部62(すなわち、標準試料12)及び被評価試料10を、照射スポット内に共に含むように電子ビームを接合体14Eに照射する。そして、標準試料12及び被評価試料10の回折像30,32を用いて被評価試料10の格子面間隔を求める。この場合にも、格子面間隔を高い精度で求められると共に、被評価試料10の透過像を好適に得ることが可能であり、元素分析も可能であることは、第1の実施形態と同様である。
なお、距離D4が、電子ビームが透過可能な長さになっていない場合は、被評価試料10を端面64に接合した後に、例えば、FIB法により接合体14Eの厚さ、すなわち、距離D4を電子ビームが透過できる長さになるように接合体14Eを加工すればよい。被接合部62がテーパ構造である場合は、接合体14Eを更にFIB加工してTEMで評価可能な薄さにする際(言い換えれば、薄片化する際)に、FIB加工がし易いため好適である。
このように本実施形態の評価用基板を用いることで、第1の実施形態で説明した試料評価方法を好適に実施することが可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されない。第2〜第4の実施形態では、評価用基板に被接合部を形成しているが、例えば、基板本体が標準試料である場合には、基板本体に直接被評価試料を接合したものを接合体とすれば良い。
第1の実施形態において被評価試料10の表面16上に標準試料12を接合しているが、標準試料12の位置は特に限定されない。被評価試料10の側面において評価を実施したい場合は、側面に接合することも可能である。また、第2〜第4の実施形態においても被接合部40,50〜50,62に被評価試料10が接合していればよい。接合体を形成した後に、被評価試料10と標準試料12(被接合部)とを照射スポットに共に含むように電子ビームを照射できればよい。
本発明は、透過型電子顕微鏡を用いて試料を評価する方法、評価用基板及び評価用基板形成方法に利用することができる。
TEMを用いて試料を評価する方法を説明する図である。 TEMを用いて試料を評価する方法を説明する図である TEMを用いて試料を評価する方法を説明する図である 電子ビームの接合体への入射方法を説明する図である。 標準試料及び被評価試料の回折像の模式図である。 接合体の電子顕微鏡写真図である。 図6の接合体から取得された回折像図である。 図6に示す被評価試料のEDSスペクトルを示すグラフである。 比較例における接合体の電子顕微鏡写真図である。 比較例において取得された回折像図である。 第2の実施形態に係る評価用基板の構成を示す斜視図である。 評価用基板の他の例の構成を示す斜視図である。 評価用基板を用いた試料評価方法を説明する図である。 評価用基板を用いた被評価試料の元素分析方法を説明するための図である。 第3の実施形態に係る評価用基板の構成を示す斜視図である 図15の被接合部の拡大図である。 図16に示す評価用基板46を用いた試料の評価方法を説明するための図である。 図15の被接合部の他の形態を示す拡大図である。 図17に示す評価用基板46を用いた試料の評価方法を説明するための図である。 第4の実施形態に係る評価用基板を形成する工程を説明する図である。
符号の説明
10…被評価試料、12…標準試料、14A〜14E…接合体、18…接合面、28…照射スポット、30…標準試料の回折像、32…被評価試料の回折像、34…スクリーン(記録面)、36…評価用基板、38…基板本体、40…被接合部、46…評価用基板、48…基板本体、52…縁部、54…傾斜面、58…評価用基板、60…基板本体、62…被接合部、部、G,G,G−1,G−2…回折スポット、I…収束イオンビーム、O…原点、S,S,S−1,S−2…回折スポット、α…接合面の法線。β…接合面の延在方向。

Claims (22)

  1. 透過型電子顕微鏡を用いて試料を評価する方法であって、
    評価すべき被評価試料と標準試料とが接合された接合体に、前記接合体の側方から、前記被評価試料と前記標準試料とを照射スポット内に含むように電子ビームを照射する照射工程と、
    前記接合体を透過・回折した電子ビームにより形成される前記被評価試料及び前記標準試料の回折像を検出する検出工程と
    を備えることを特徴とする試料評価方法。
  2. 前記接合体は、前記被評価試料上に前記標準試料を堆積させることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の試料評価方法。
  3. 前記接合体の少なくとも一部の厚さを、電子ビームが前記接合体を透過可能な厚さを有するように薄くする薄片化工程を備え、
    前記照射工程において、厚さが薄くされた前記接合体に、前記電子ビームを照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の試料評価方法。
  4. 前記薄片化工程において、イオンビームを用いて、前記接合体を削って前記接合体の少なくとも一部の厚さを薄くすることを特徴とする請求項3に記載の試料評価方法。
  5. 前記電子ビームの照射方向において、前記電子ビームが入射する前記被評価試料の側面と前記標準試料の側面との間の距離が1μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の試料評価方法。
  6. 前記標準試料が、格子定数と、結晶構造が既知である結晶質の物質から構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の試料評価方法。
  7. 前記検出工程において、前記標準試料の回折像と前記被評価試料の回折像とを同一の記録面上に同時に記録することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の試料評価方法。
  8. 前記記録面に形成された0次回折に起因する回折スポットを原点Oとし、
    前記被評価試料の回折像を構成する回折スポットG(mは自然数)のうちの回折スポットG(Mは、1〜mの自然数)と前記原点Oとの距離OGを計測し、
    前記標準試料の回折像を構成する回折スポットS(nは自然数)のうち、前記原点Oからみて前記原点Oと前記回折スポットGとを結ぶ直線に対して15度以内にある回折スポットS(Nは、1〜nの自然数)と原点Oとの距離OSを計測し、OG/OSを算出する解析工程を備えることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の試料評価方法。
  9. 前記解析工程において、前記OG/OSで、前記回折スポットSに対応する前記標準試料の格子面間隔dを除して前記回折スポットGに対応する前記被評価試料の格子面間隔dを算出することを特徴とする請求項8に記載の試料評価方法。
  10. 前記格子面間隔dを複数算出し、それらと一致する格子面間隔を有する物質を、候補となる物質群から選択することを特徴とする請求項9に記載の試料評価方法。
  11. 透過型電子顕微鏡で評価する被評価試料を接合すべき評価用基板であって、
    基板本体と、
    前記基板本体に設けられ、標準試料を含み、被評価試料が接合されるべき被接合部と
    を備えることを特徴とする評価用基板。
  12. 前記被接合部が突起であることを特徴とする請求項11に記載の評価用基板。
  13. 前記基板本体が標準試料を含んでおり、前記被接合部が前記基板本体の少なくとも1つの縁部が切り欠かれて形成された切り欠き部であることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の評価用基板。
  14. 前記被接合部が、前記被評価試料を接合させるべき接合面に向かって厚さが薄くなるように前記接合面の法線方向に対して傾斜している傾斜面を有していることを特徴とする請求項11〜請求項13の何れか1項に記載の評価用基板。
  15. 前記被接合部が、前記被評価試料を接合させるべき接合面の幅が前記基板本体から離れるにつれて短くなるように前記接合面の延在方向に対して傾斜している傾斜面を有することを特徴とする請求項11〜請求項13の何れか1項に記載の評価用基板。
  16. 前記被接合部に前記被評価試料が接合していることを特徴とする請求項11〜請求項15の何れか1項に記載の評価用基板。
  17. 透過型電子顕微鏡で評価する被評価試料が接合されるべき評価用基板の形成方法であって、
    基板本体に、標準試料を含む被接合部を形成する被接合部形成工程を備えることを特徴とする評価用基板形成方法。
  18. 前記被接合部形成工程において、前記基板本体に前記標準試料を接合して前記被接合部を形成することを特徴とする請求項17に記載の評価用基板形成方法。
  19. 前記基板本体が標準試料を含んでおり、前記被接合部形成工程において、前記基板本体の少なくとも1つの縁部を切り欠いて前記被接合部を形成することを特徴とする請求項17に記載の評価基板形成方法。
  20. 前記被接合部に被評価試料を接合する被評価試料接合工程を備えることを特徴とする請求項16〜請求項19の何れか1項に記載の評価用基板形成方法。
  21. 前記被評価試料接合工程において、前記被接合部に前記被評価試料を堆積させて前記被接合部に前記被評価試料を接合することを特徴とする請求項20に記載の評価基板形成方法。
  22. 前記被接合部、及び、前記被接合部に接合された前記被評価試料の少なくとも一部の厚さをイオンビームによって薄くする薄片化工程を備えることを特徴とする請求項21に記載の評価基板形成方法。
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