JP2005194323A - 吸水性複合体の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のレドックス型重合開始剤を用いた吸水性複合体の製造法を更に改良し、残存モノマーの少ない吸水性複合体を効率よく製造しうる方法を提供すること。
【解決手段】過酸化水素及びアスコルビン酸類を含有するレドックス型重合開始剤、水溶性アクリル系モノマー、架橋剤、並びに鉄イオンを配合したモノマー水溶液を繊維質基材に付着させ、水溶性アクリル系モノマーを重合させる吸水性複合体の製造法。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸水性複合体の製造法に関する。更に詳しくは、衛生材料、農林業・土木用材料等に好適に使用しうる吸水性複合体の製造法に関する。
一般に、吸水性ポリマーは、粒子状で用いられるため、衛生材料等のようにポリマー粒子を繊維質基材に分散させて用いる場合には、その繊維質基材中でポリマー粒子が移動して局在化したり、繊維質基材からポリマー粒子が脱落することにより、吸水性の低下や使用時の不快感を招きやすいという欠点がある。
前記欠点を解消する手段として、繊維質基材上で吸水性ポリマーを調整することにより、吸水性複合体を製造する方法が考えられている。かかる方法の中では、生産効率を高める方法として、短時間で水溶性アクリル系モノマーを重合させる方法、例えば、(i) 放射線でモノマーを重合させる方法(特許文献1参照)、(ii)電子線でモノマーを重合させる方法(例えば、特許文献2参照)、(iii) レドックス型重合開始剤を用いて重合を行う方法(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
しかしながら、前記(i) 及び(ii)の方法には、重合時間が数秒間以内ときわめて短いが、照射する放射線や電子線のエネルギーが重合に必要なエネルギー量と比べて過剰であるため、自己架橋が過度に進行し、吸水性が低下するという欠点がある。前記(iii) の方法で用いられるレドックス型重合は、一般的に重合時間が数秒から数10秒程度と短く、吸水性低下の懸念も少ないが、重合後の残存モノマーが比較的多いため、重合後の工程で熱処理、紫外線処理、電子線処理などの後工程が必要であり、特に吸水性複合体を衛生材料等に使用する場合には後工程にかかるコストが増大するという欠点がある。
特公平3−67712号公報 特開昭63−105044号公報 特許2954360号公報
本発明は、従来のレドックス型重合開始剤を用いた吸水性複合体の製造法を更に改良し、残存モノマーの少ない吸水性複合体を効率よく製造しうる方法を提供することを課題とする。
本発明は、過酸化水素及びアスコルビン酸類を含有するレドックス型重合開始剤、水溶性アクリル系モノマー、架橋剤、並びに鉄イオンを配合したモノマー水溶液を繊維質基材に付着させ、水溶性アクリル系モノマーを重合させる吸水性複合体の製造法に関する。
本発明によれば、残存モノマーの少ない吸水性複合体を効率よく製造することができるという効果が奏される。
本明細書にいう「吸水性複合体」は、繊維質基材上で水溶性アクリル系モノマーを重合させて、繊維質基材に吸水性ポリマーが固定化された複合体である。ここでいう吸水性ポリマーとは、後述する測定方法において、好ましくは、自重(ポリマー固形分量)の20倍以上の重量の生理食塩水を吸収する吸水性を有するポリマーをいう。
〔水溶性アクリル系モノマー〕
水溶性アクリル系モノマーとして、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、2−(メタ) アクリロイルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアニオン性モノマー又はその塩;(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ) アクリレート、(ポリ) エチレングリコール(メタ) アクリレート等のノニオン性親水性基含有モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和モノマー又はその酸中和物もしくはその四級化物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本明細書にいう「(メタ)アクリ」は、「アクリ」及び/又は「メタクリ」を意味する。また、本明細書にいう「(ポリ)」は、「ポリマー」及び/又は「モノマー」を意味する。
水溶性アクリル系モノマーは、吸水性を向上させる観点から、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等のα,β−不飽和カルボン酸モノマー又はその塩が好ましく、アクリル酸又はその塩が更に好ましい。
「塩」としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)、アンモニウム塩(第四級アンモニウム塩、第四級アルキルアンモニウム塩等)等が挙げられ、これらの中では、アルカリ金属塩が好ましい。
水溶性アクリル系モノマーの中では、コスト及び吸水性の点から、アクリル酸とアクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム等のアクリル酸アルカリ金属塩とを併用することが好ましい。
モノマー水溶液には、吸水性に影響を与えない範囲で、前記親水性モノマーと共重合可能な各種モノマーを添加することができる。
α,β−不飽和カルボン酸モノマーとその塩とを併用する場合、両者のモル比(α,β−不飽和カルボン酸モノマー/α,β−不飽和カルボン酸モノマーの塩)は、吸水性を向上させる観点から、好ましくは10/90〜70/30、より好ましくは10/90〜50/50である。
モノマー水溶液における水溶性アクリル系モノマー濃度は、生産性を向上させ、吸水性を高める観点から、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、重合熱の除去効率を高める観点から、70重量%以下が好ましく、65重量%以下がより好ましい。これらの観点から、水溶性アクリル系モノマー濃度は、20〜70重量%が好ましく、30〜65重量%がより好ましい。
〔レドックス型重合開始剤〕
本発明における重合反応は、レドックス型重合開始剤によって開始される。本発明においては、生産効率を向上させる観点から、常温での反応性が高く、短時間で重合が完結し、かつ高重合率を達成することができる酸化剤と還元剤との組合せが用いられる。このような酸化剤と還元剤との組合せとしては、過酸化水素とアスコルビン酸類との組合せが好適である。
アスコルビン酸類としては、L−アスコルビン酸又はその塩、イソアスコルビン酸又はその塩等が挙げられる。これらの中では、コストや溶解度の観点から、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム及びイソアスコルビン酸が好ましい。
他の酸化剤と還元剤の組合せは、反応開始に昇温が必要であるために装置が煩雑になったり、あるいは常温で速やかに反応が開始されても残存モノマーが極端に多かったりするので、本発明においては好ましくない。
過酸化水素の量は、重合速度を高め、最終製品中に残存しないようにする観点から、水溶性アクリル系モノマー1モルあたり、好ましくは0.0005〜0.05モル、より好ましくは0.002〜0.03モルである。また、アスコルビン酸類の量は、重合速度を高め、最終製品中に残存しないようにする観点から、水溶性アクリル系モノマー1モルあたり、好ましくは0.0001〜0.03モル、より好ましくは0.001〜0.02モルである。
〔鉄イオン〕
前記レドックス型重合開始剤を用いて重合反応を行う際に、モノマー水溶液中に鉄イオンが含まれている点に、本発明の特徴の1つがある。鉄イオンは、過酸化水素とアスコルビン酸類のレドックス反応に触媒的に作用し、ラジカル生成を促進し、重合反応速度を大きく向上させる。これにより、重合は、短時間に完結し、また重合後の残存モノマー量が低減されるので、後述するように、重合後の残存モノマー量を低減させる際の負荷が大きく軽減され、その結果、生産効率を高めることができる。
モノマー水溶液1kgあたりの鉄イオンの含有量は、過酸化水素とアスコルビン酸類のレドックス反応に触媒的に作用し、ラジカル生成を促進し、重合反応速度を高める観点、及び得られる吸水性ポリマーの吸水性を高める観点から、好ましくは0.3〜20mg、より好ましくは0.5〜10mg、更に好ましくは1〜5mgである。
鉄イオンは、水溶性アクリル系モノマー中に0.01〜0.1mg/kg程度混入していることがあるが、本発明においては、鉄イオンを上記の好ましい含有量になるように鉄塩としてモノマー水溶液に配合することが、反応制御の観点から好ましい。
通常、第一鉄塩を用いた場合には、水溶液中で2価の鉄イオンが生成し、第二鉄塩を用いた場合には、水溶液中で3価の鉄イオンが生成する。本発明においては、いずれの塩を用いても、同様の効果が得られる。この理由は、重合反応中の鉄イオンは2価から3価へ、そして3価から2価へとリサイクルされるため、初期の価数は、反応全体に対してほとんど影響しないからである。
本発明においては、第一鉄塩及び第二鉄塩に由来のいずれの鉄イオンを用いることもできるが、モノマー水溶液中での安定性の観点から、第二鉄塩に由来の鉄イオンが好ましい。
なお、第一鉄塩を還元剤として用いる公知のレドックス型重合開始剤を用いた反応系は、本発明と本質的に異なる。例えば、酸化剤として過酸化水素、還元剤として硫酸第一鉄を用いた場合、重合が速やかに開始するが、残存モノマー量が非常に多くなる。これは、モノマー水溶液中の2価の鉄イオンが重合終了前にすべて消費され、反応が停止するからである。
これに対して、本発明では、一般的なレドックス型重合開始剤の通常の使用量と比較して、2価及び/又は3価の鉄イオンの使用量がモル比で1/1000〜1/100、あるいはそれ以下であっても残存モノマー量を十分に低減させることができる。
第一鉄塩の例としては、硫酸第一鉄、硫酸アンモニウム鉄(II)、シュウ酸鉄(II)等が挙げられる。これらの中では、コストの観点から、硫酸第一鉄が好ましい。
第二鉄塩の例としては、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、クエン酸第二鉄、クエン酸アンモニウム鉄(III) 等が挙げられる。これらの中では、コスト及び安定性の観点から、硝酸第二鉄及びクエン酸第二鉄が好ましい。
〔架橋剤〕
架橋剤としては、例えば、水溶性アクリル系モノマーと共重合可能な、メチレンビスアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ) アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ) アクリレート、トリアリルシアヌレート等の多官能性モノマーが挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
架橋剤の量は、吸水性の観点から、水溶性アクリル系モノマー100重量部あたり、好ましくは0.01〜2重量部、より好ましくは0.02〜1重量部、更に好ましくは0.05〜0.8重量部である。
モノマー水溶液のpHは、重合開始反応の反応速度を高める観点及び鉄イオンが析出するのを回避する観点から、好ましくは4〜7、より好ましくは4.5〜6.5である。
モノマー水溶液には、種々の添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、例えば、界面活性剤、増粘剤、発泡剤等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
〔繊維質基材〕
繊維質基材の種類は、吸収性複合体の用途等に応じて適宜選択することができる。繊維質基材の例としては、織布、不織布、カードウェブ、エアレイドウェブ等の繊維や繊維製品、スポンジ等の多孔質シート状物等が挙げられる。繊維質基材は、高い生産効率で目的の複合体を連続的に得る観点から、連続供給が容易な形態を有することが好ましい。
繊維質基材を構成している繊維としては、天然繊維、合成繊維等が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
繊維質基材の坪量は、複合体の用途等によって異なるので一概には決定することができないが、通常、好ましくは10〜400g/m2 程度、より好ましくは15〜100g/m2 程度である。
〔水溶性アクリル系モノマーの重合〕
本発明においては、モノマー水溶液が繊維質基材に付着させ、水溶性アクリル系モノマーを重合させる。なお、付着させるモノマー水溶液は、重合の進行中であってもよく、あるいは重合の前であってもよい。これにより、吸水性ポリマーが繊維質基材に固定化された吸水性複合体を得ることができる。
吸水性ポリマーを繊維質基材に固定化させる方法には特に限定がない。かかる方法の具体例としては、特開昭62-97979号公報に記載されている、酸化剤と架橋剤とモノマーを混合した水溶液を繊維質基材に施した後に還元剤を噴霧して重合を行う方法、特許第2927871 号公報に記載されている、架橋剤とモノマーを混合した水溶液を繊維質基材に施した後に酸化剤と還元剤の混合溶液を噴霧して重合を行う方法、特開平9-67403 号公報等に記載されている、重合進行中の反応混合物を液滴として繊維質基材に担持させて該基材上で重合を完了させる方法等のレドックス型重合開始剤を用いた吸水性複合体の製造法等が挙げられる。
重合後の残存モノマーをより低減させるためには、レドックス型重合開始剤を構成する酸化剤と還元剤、鉄イオン、架橋剤、水溶性アクリル系モノマー等の各成分を速やかに均一に混合することが好ましい。均一に混合されたモノマー水溶液を繊維質基材に付着させて重合を行う方法としては、例えば、特許第3164643 号明細書に記載のノズルを用い、モノマー水溶液を気相中で混合した後に繊維質基材に付着させてレドックス重合を行う方法、特願2003-134382 号明細書に記載の2種類のモノマー水溶液の液滴を繊維質基材上に付着させて互いに接触させてレドックス重合を行う方法等が好ましい。
好ましい1つの方法は、過酸化水素を含む第1液とアスコルビン酸類を含む第2液を気相中で混合したモノマー水溶液を、繊維質基剤に付着させる方法である。水溶性アクリル系モノマー、架橋剤及び鉄イオンは、第1液及び第2液のいずれに含有されていてもよく、両方に含有されていてもよい。
具体的な手段としては、例えば、第1液及び第2液を液柱状態で衝突するように、それぞれ別個のノズルより噴出させる方法がある。ノズルから噴出させたそれぞれの水溶液は、液柱状態で衝突させて両液を合体させる。合体後は、液滴となって基材上に落下する。
以上のようにして、繊維質基材上で数秒から数十秒の短時間に重合は完結され、吸水性ポリマーが繊維質基材に固定化された、残存モノマーの低減された吸水性複合体が得られる。
なお、重合時の温度は、特に制限がなく、室温であってもよく、あるいは加温されていてもよい。また重合時の気相の雰囲気に関しては、空気、窒素等、重合反応に悪影響を及ぼさないのであれば任意であり、生産性の観点からは空気が好ましく、湿度変化の影響を除くためには調湿された空気がより好ましい。
なお、吸水性複合体中の残存モノマーの更なる低減や複合体の乾燥が必要である場合には、後処理工程を行えばよい。かかる後処理工程としては、例えば、特許第2036403 号明細書に記載の紫外線による未反応物の低減処理、特許第1979788 号明細書に記載の高温高湿下での未反応物の低減と乾燥の同時処理等が挙げられる。
特に、衛生材料に用いる場合等、残存モノマーをできるだけ低減させる必要がある場合には、重合後の吸水性複合体に紫外線を照射する方法が、本発明の吸水性複合体においては特に有効であり、比較的少ない紫外線量で、残存モノマー量を吸水性ポリマー中に10mg/kg以下まで低減することも容易に実現可能である。この理由としては、鉄イオンと過酸化水素が重合後の吸水性複合体に残存し、これらと紫外線との光化学反応により効果的にラジカルが発生されることに基づくものと推定される。
紫外線を照射する際の光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。光化学反応効率の観点から、250〜320nmの短波長の紫外線の出力が高い高圧水銀ランプが好ましい。高圧水銀ランプの出力は、装置コストや生産性の観点から、好ましくは30〜200W/cmである。照射線量は、残存モノマー量の低減及びコストの観点から、好ましくは100〜3000mJ/cm2 、より好ましくは300〜2000mJ/cm2 である。
また、紫外線照射時の吸水性複合体中の水分量を特に調整する必要がなく、重合後の吸水性複合体には、そのままの状態で紫外線を照射すればよい。吸水性複合体中の水分量は、光化学反応効率の観点から、吸水性ポリマー固形分に対して、好ましくは50〜150%、より好ましくは60〜120%である。
また、紫外線処理時の温度は、処理中の乾燥による含水率の低下を防ぐ観点から、好ましくは5〜60℃、より好ましくは10〜40℃である。
実施例1
80%アクリル酸水溶液125重量部を30%水酸化ナトリウム水溶液133重量部で中和した後、N,N‘−メチレンビスアクリルアミド0.1重量部及びエチレングリコールジグリシジルエーテル0.6重量部を混合し、溶解した。得られた溶液と鉄分濃度が0.1重量%の硝酸第二鉄水溶液〔和工純薬工業(株)製、鉄標準液〕0.13重量部とを配合し、モノマー水溶液Xを得た。
モノマー水溶液Xの全量を2分割し、一方に、11.8%過酸化水素水6重量部を混合しモノマー水溶液Aとし、もう一方に、22.9%L−アスコルビン酸ナトリウム水溶液6重量部を混合しモノマー水溶液Bとした。モノマー水溶液A及びBにおけるモノマー濃度は45重量%、アクリル酸/アクリル酸ナトリウム(モル比)は28/72、pHは5.0、鉄イオンの含有量は1.1mg/kgであった。
図1に示すノズルを用いて、モノマー水溶液A及びBの混合と微粒化を行った。図1は、モノマー水溶液A及びBの混合と微粒化を行う際の概略説明図である。図1において、2つのノズル1,2のなす角度を90°とし、ノズルから吐出されるモノマー水溶液Aの液柱3とモノマー水溶液Bの液柱4とが直角に交わるように設定した。なお、モノマー水溶液Aの液柱3とモノマー水溶液Bの液柱4との交差部には、液柱同士の衝突により液膜が形成され、液膜分裂により微粒子化された液滴6は、ノズル1,2の下方に配設された繊維質基材7に付着する。
ノズル1,2としてそれぞれ内径0.1mmを有するノズルを用い、モノマー水溶液A及びBをそれぞれ5mL/minの流量でノズル1,2内に送液し、2つの液柱3,4を噴出させ、90°の角度で衝突させることにより、液膜を形成させ、この液膜により、モノマー水溶液Aの液柱3とモノマー水溶液Bの液柱4とを速やかに混合させた。液膜の下端付近で液体の微粒子化が行われ、これにより生じたモノマー水溶液の液滴を、ノズル1,2よりも80cm下方に配設した繊維質基材7(大きさ10cm×10cm、坪量50g/m2 のポリプロピレン製不織布)上で捕集した。捕集時は、繊維質基材7を前後左右に移動させながら、液滴の付着が偏らないように調整し、捕集量が約2gとなるまで捕集を行った。繊維質基材7上に捕集されたモノマー水溶液の重合は、直ちに開始し、吸水性ポリマーが固定化された吸水性複合体が得られた。なお、微粒化、捕集及び重合の各操作は、20℃の室内で行った。
得られた吸水性複合体の物性として、ポリマー中の残存モノマー量、吸水量及び含水率を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。なお、残存モノマー量測定用の吸水性複合体と、吸水量及び含水率測定用の吸水性複合体は、それぞれ別個に作製した。
〔残存モノマー量〕
吸水性複合体を2L容のビーカー内でイオン交換水1kg中に10時間浸し、膨潤させたサンプルを100メッシュの篩で濾過し、濾液を平均孔径が0.45μmのメンブランフィルターに通し、高速液体クロマトグラフィーで残存モノマー量を分析する。
これとは別に、あらかじめ濃度を調べておいたモノマー標準液を調製しておき、この標準液に基づいて作成された検量線により、残存モノマー量[mg/kg−濾液]を定量し、式:
〔残存モノマー量(mg/kg- ポリマー固形分)〕
=〔残存モノマー量(mg/kg- 濾液)〕
×{〔(イオン交換水量[g] )
×(1+含水率[%]/100)〕÷〔サンプルの重量[g] −不織布の重量[g] 〕}
に従って残存モノマー量を算出する。
〔吸水量〕
吸水性複合体を140℃、露点80℃の雰囲気中で5分間乾燥させたものを乾燥サンプルとする。乾燥サンプルを500mL容のビーカー内の生理食塩水200g中に1時間浸した後、100メッシュの篩で濾過し、膨潤サンプルを作製し、式:
〔吸水量(g/g−ポリマー固形分量)〕
=〔(膨潤サンプル量[g])−(乾燥サンプル量[g])〕
÷〔(乾燥サンプル量[g])−(不織布の重量[g])〕
に従って吸水量を算出する。
〔含水率〕
吸水性複合体を140℃、露点80℃の雰囲気中で5分間乾燥させたものを乾燥サンプルとし、式:
〔含水率(対ホ゜リマー固形分重量%)〕
={〔吸水性複合体の重量[g] −乾燥サンプルの重量[g] 〕
÷〔乾燥サンプルの重量[g] −不織布の重量[g] 〕}
×100
に従って含水率を算出する。
実施例2
実施例1において、硝酸第二鉄水溶液の量を0.28重量部(モノマー水溶液A及びB2中の各鉄イオンの含有量は2.3mg/kg)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモノマー水溶液を調製し、吸水性複合体を作製した。
得られた吸水性複合体の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、硝酸第二鉄水溶液を混合せずにモノマー水溶液を調製した以外は、実施例1と同様にして吸水性複合体を作製した。
得られた吸水性複合体の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2005194323
表1に示された結果から、鉄イオンが配合されていない比較例1と対比して、実施例1〜2では鉄イオンが配合されているので、重合後の残存モノマー量が大幅に低減されることがわかる。
実施例3
実施例1と同様にして吸水性複合体を作製した後、直ちに紫外線を積算線量750mJ/cm2 で照射した。
得られた吸水性複合体の物性として、残存モノマー量を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
なお、紫外線の照射の際には、光源として60W/cmの高圧水銀ランプを装着したコンベア型の紫外線照射装置〔アイグラフィックス(株)製、商品名:アイグランデージ〕内に吸水性複合体を通過させることによって行った。光源とサンプル間の距離は100mmであり、積算線量はサンプルを通過させる回数によって調整した(コンベア速度5m/minのとき5回通過で750mJ/cm2 )。
実施例4
実施例2と同様にして吸水性複合体を作製し、実施例3と同様にして、直ちに紫外線を積算線量750mJ/cm2 で照射した。
得られた吸水性複合体の物性として、残存モノマー量を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
実施例5
実施例2と同様にして吸水性複合体を作製し、直ちに紫外線を積算線量1500mJ/cm2 で照射した。なお、紫外線の照射は、ランプ出力を120W/cmとした以外は、実施例3と同様に設定した。
得られた吸水性複合体の物性として、残存モノマー量を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
比較例2
比較例1と同様にして吸水性複合体を作製し、実施例3と同様にして、直ちに紫外線を積算線量1000mJ/cm2 で照射した。
得られた吸水性複合体の物性として、残存モノマー量を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
比較例3
比較例1と同様にして吸水性複合体を作製し、実施例3と同様にして、直ちに紫外線を積算線量3000mJ/cm2 で照射した。
得られた吸水性複合体の物性として、残存モノマー量を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
Figure 2005194323
表2に示された結果から、各比較例と対比して、各実施例では、鉄イオンが用いられているので、吸水性複合体に紫外線を照射することにより、残存モノマー量がいちじるしく低減されることがわかる。
本発明の製造法によって得られた吸水性複合体は、衛生材料、農林業・土木用材料等に好適に使用しうるものである。
本発明において、モノマー水溶液A及びBの混合と微粒化を行う際の概略説明図である。
符号の説明
1 ノズル
2 ノズル
3 モノマー水溶液Aの液柱
4 モノマー水溶液Bの液柱
5 液膜
6 微粒子化された液滴
7 繊維質基材

Claims (4)

  1. 過酸化水素及びアスコルビン酸類を含有するレドックス型重合開始剤、水溶性アクリル系モノマー、架橋剤、並びに鉄イオンを配合したモノマー水溶液を繊維質基材に付着させ、水溶性アクリル系モノマーを重合させる吸水性複合体の製造法。
  2. モノマー水溶液1kgあたりの鉄イオンの含有量が0.3〜20mgである請求項1記載の製造法。
  3. 鉄イオンが、第一鉄塩又は第二鉄塩に由来のものである請求項1又は2記載の製造法。
  4. 水溶性アクリル系モノマーを重合させた後、紫外線を照射する請求項1〜3いずれか記載の製造法。
JP2003435736A 2003-12-26 2003-12-26 吸水性複合体の製造法 Expired - Fee Related JP4286128B2 (ja)

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