JP2005193655A - 平版印刷版の作製方法、平版印刷版、および平版印刷版の印刷方法 - Google Patents

平版印刷版の作製方法、平版印刷版、および平版印刷版の印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、プロセスレスCTPでの平版印刷版材料の印刷機シリンダー上での現像時間を短縮し、印刷初期に非画線部の汚れや画像欠陥がなく、印刷損紙が少ない平版印刷版の作製方法、平版印刷版、および平版印刷版の印刷方法を提供することにある。
【解決手段】 基材上に画像形成層、アブレーション層の少なくとも1層を有する平版印刷版材料に画像様露光をした後、該平版印刷版材料に少なくとも印刷用インクを供給することにより現像する平版印刷版の作製方法であって、前記印刷用インクが重合性モノマー及び重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プロセスレス平版印刷版材料からの平版印刷版の作製方法、平版印刷版、および平版印刷版の印刷方法に関する。
近年、印刷データのデジタル化に伴い、画像データに基づき、原稿フィルムを介すことなく、直接平版印刷版材料に描画できる、CTP(コンピュータ トゥ プレート)材料が求められている。また、省スペース、環境対応の需要から、アルカリ現像処理、強いては自動現像機を必要としない、露光のみで印刷が可能(印刷機上での現像は含む)な、所謂、プロセスレスCTPの技術が普及しつつある。
プロセスレスCTPの作製方法は、まず平版印刷版材料に露光し、次いで、露光された平版印刷版材料は印刷機のシリンダー上にて、印刷用インク単独もしくは印刷用インクおよび湿し水の版面への供給により、露光面上にある印刷に不要な部分が取り去られて現像がなされる。
たとえば、画像形成層に熱融着性微粒子と水溶性結着剤とを用い、未露光部の画像形成層を印刷用湿し水及び/又は印刷用インクで除去し、現像するプロセスレスCTP(特許第29388397号、特開平9−123387号、特開2001−96710号、同2001−334766号、同2002−361996号、同2002−178655号、特開2001−334766号等参照)や、アブレーションにより最表層を破壊し、該破壊された部分を除去することにより最表層とことなる親和性の層を画像様に露出させるCTP(特開平7−164773号)等が挙げられ、これらプロセスレスCTPの長所は、印刷版の製造(製版)が短時間で行える点にある。しかしながら、近年、印刷の需要は小部数、多ロットの傾向が強まり、製版工程の更なる短時間化が望まれている。
製版工程のシリンダー上での現像時間を短くする方法としては、特開2000−52634号公報(特許文献1)、特開平9−123387号公報(特許文献2)、特開平9−123388号公報(特許文献3)にプロセスレスCTPをシリンダー上で現像させるための、湿し水供給、インク供給の最適なタイミングが開示されている。
しかしながら、上記方法では、印刷初期に湿し水供給、インク供給のための時間が少なからずかかってしまう、また、初期印刷物数枚において非画線部に汚れが残ってしまうという問題があった。
特開2000−52634号公報 特開平9−123387号公報〔0039〕〜〔0040〕 特開平9−123388号公報〔0039〕〜〔0040〕
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、プロセスレスCTPでの平版印刷版材料の印刷機シリンダー上での現像時間を短縮し、印刷初期に非画線部の汚れや画像欠陥がなく、印刷損紙が少ない平版印刷版の作製方法、平版印刷版、および平版印刷版の印刷方法を提供することにある。
本発明者は前述のシリンダー上で、より早く現像処理ができる方法を鋭意検討た結果、インキに含有する成分が露光面上にある印刷に不要な部分を取り去るのに影響していることを確認し、本発明に至った。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(請求項1)
基材上に画像形成層、アブレーション層の少なくとも1層を有する平版印刷版材料に画像様露光をした後、該平版印刷版材料に少なくとも印刷用インクを供給することにより現像する平版印刷版の作製方法であって、前記印刷用インクが重合性モノマー及び重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
(請求項2)
前記基材が親水性表面を有する基材であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版の作製方法。
(請求項3)
前記印刷用インクが、さらに植物油を含有することを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷版の作製方法。
(請求項4)
請求項1〜3のいずれか1項記載の平版印刷版の作製方法により作製された平版印刷版に、少なくとも重合性モノマー及び重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも1種を含有する印刷用インクを付与し、平版印刷版上に得られたインク画像を、シート状基材に転写することを特徴とする平版印刷版の印刷方法。
(請求項5)
画像様に露光された平版印刷版材料に、少なくとも重合性モノマー及び重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも1種を含有する印刷用インクを供給することにより現像されたことを特徴とする平版印刷版。
本発明によれば、プロセスレスCTPでの平版印刷版材料の印刷機シリンダー上での現像時間を短縮し、印刷初期に非画線部の汚れや画像欠陥がなく、印刷損紙が少ない平版印刷版の作製方法、平版印刷版、および平版印刷版の印刷方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〈印刷用インク〉
(重合性モノマー・重合性オリゴマー)
本発明において好ましい印刷用インキは重合性モノマーおよび/又は重合性オリゴマーを含有している。
本発明において、重合性モノマーとは、重量平均分子量が3,000未満で、分子内にエチレン性2重結合を有する化合物を言い、重合性オリゴマーとは、重量平均分子量が3,000以上で、分子内にエチレン性2重結合を有する化合物を言う。該重合性モノマー、重合性オリゴマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びそれらのオリゴマーやウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、植物油等を(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和化合物で変性したものが挙げられる。また、この中でもロジン変性フェノール樹脂と相溶するエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく、例えば、エチレン性不飽和化合物などで変性された植物油が好ましい。これらの化合物は、必要に応じて単独又は2種以上を適宜併用して使用してもかまわない。本発明において、印刷用インク全量に対する重合性モノマー・重合性オリゴマーの含有比率は10〜40質量%であることが好ましい。
前述の重合性モノマーおよび/又は重合性オリゴマーを印刷インキに含有させることにより、後述する平版印刷版材料を用いて印刷する際に、初期の刷り出し損紙や画像欠陥が低減される。また、圧力や引っかきにより平版印刷版材料に傷が入った部分の傷汚れが、除去されやすい。明確なメカニズムはまだわかっていないが、重合性モノマーおよび/又は重合性オリゴマー成分が、露光された平版印刷版材料の印刷に不要となる部分を膨潤させ、インクのタックによって容易に除去させることができるためと推測する。
(植物油)
本発明における好ましい印刷用インキは植物油を含有している。利用可能な植物油としては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、ヒマシ油、オイチシカ油、ククイ油、アカリットム脂、パリナリウム脂、脱水ヒマシ油、カノーラ油等が例示でき、これら植物油は単独で又は2種以上を併用して使用できる。本発明において、印刷用インク全量に対する植物油の含有比率は10〜40質量%であることが好ましい。
植物油を印刷インキに含有させることにより、後述する平版印刷版材料を用いて印刷する際に、前述の初期の刷り出し損紙や画像欠陥の低減、圧力や引っかきにより平版印刷版材料に傷が入った部分の傷汚れがさらに良化する。おそらく露光された平版印刷版材料の印刷に不要となる部分の膨潤性をより高めさせる為と推測する。
(印刷インクのその他の成分)
本発明において、印刷用インクは着色する為の顔料を含有していても良い。本発明で用いられる顔料としては、周知の無機顔料および有機顔料を用いることができ、無機顔料としては、たとえば、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、亜鉛華、紺青、弁柄、カーボンブラック、アルミニウム粉、真鍮粉などを挙げることができ、有機顔料としては、たとえば、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系モノアゾ、アセト酢酸アリリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、塩素化または臭素化銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系などのスレン系、イソインドリノン系、金属酢錯体系、キノフタロン系等の多環式顔料および複素環式顔料などを挙げることができる。
本発明において印刷用インク組成物を得るために使用するバインダー樹脂としては、従来からオフセット印刷インキ組成物で使用されている樹脂が特に制限なく使用できる。例えば、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、各種アルキッド樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ギルソナイト及びこれら樹脂の変性樹脂などの合成樹脂から選択される。ロジン変性フェノール樹脂はこの樹脂単独又は各種アルキッド樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ギルソナイト及びこれら樹脂の変性樹脂などの合成樹脂と併用して使用できる。また、各種アルキッド樹脂及び石油樹脂などは、ロジン変性フェノール樹脂と併用して使用できる。これらバインダー樹脂は単独で又は2種以上を併用して使用できる。
また、上記記載の樹脂を架橋剤又はゲル化剤を用いて架橋又はゲル化させた樹脂をバインダー樹脂として使用する事ができ、その際使用する架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどのイソシアネート化合物が、ゲル化剤としてはトリメチロールプロパン−トリス−β−N−アジリジニルプロピオネート、ペンタエリスリトールプロパン−トリス−β−N−アジリジニルプロピオネートなどのアジリジン化合物、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、エチルアセテートアルミニウムジイソポロポキシドなどのアルミニウムキレートなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。これら架橋剤又はゲル化剤はそれぞれ単独で又は2種以上を併用して使用できる。
上記バインダー樹脂が、水酸基を有する樹脂と、架橋剤として多官能イソシアネート化合物とからなる混合物、又は、更に触媒とからなる混合物を加熱反応させて得られる樹脂であることが好ましい。すなわち、バインダー樹脂として、水酸基を有する樹脂と、架橋剤として多官能イソシアネート化合物及び必要に応じて触媒とからなる混合物を加熱反応させて得られる樹脂を用いることが好ましい。この場合、水酸基を有する樹脂や多官能イソシアネート化合物としては、例えば、上記に例示したものの中から適宜選択して用いることができ、触媒としては、例えば、有機チタネート化合物、有機スズ系化合物、及び、有機アミン系化合物等の一般的な触媒が使用でき、具体的には、テトラブチルチタネート、オクチル酸第1錫、ジブチル錫アセテート、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、トリエチレンジアミン等が挙げられる。これら触媒は単独で使用してもよく、また併用してもかまわない。また、加熱反応の条件としては、水酸基を有する樹脂と架橋剤とが架橋反応することができる条件であれば特に限定されるものではない。
本発明の印刷用インクには光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤は公知のものが利用できるが、好ましくは紫外線を吸収し、活性ラジカルを発生するものが好ましく利用できる。たとえばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p′−ジクロロベンゾフェノン、p,p′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。また、これらの光重合開始剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上を用いても構わない。
本発明の印刷用インクには、酸化重合触媒を含有していてもよく、公知のものが利用できる。具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、セカノイック酸、トール油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ジメチルヘキサノイック酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイック酸、ジメチルオクタノイック酸などの有機カルボン酸のコバルト、マンガン、鉛、鉄、亜鉛、カルシウム、ジルコニウム塩などの有機カルボン酸の金属塩、1,10−フェナントロリン、5−メチル−フェナントロリンなどのフェナントロリン系化合物、2,2′−ジピリジジルなどの化合物が例示できるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物は、必要に応じて2種以上を適宜併用して使用してもかまわない。
更に、本発明のオフセット印刷インキ組成物には、重合禁止剤、顔料分散剤、乾燥遅延剤、溶剤、酸化防止剤、整面助剤、耐摩擦性向上剤、裏移り防止剤、非イオン系界面活性剤などの添加剤を適宜使用する事ができる。
〈平版印刷版材料〉
次に本発明に利用可能な平版印刷版材料について説明する。
本発明において、平版印刷版材料は露光を施した後、印刷機のシリンダー上で、少なくともインキの供給により現像が可能なものであれば、際限なく利用できる。下記にその例を示す。
(〔1〕親水性基材上に熱溶融性の粒子もしくは疎水性前駆体粒子、マイクロカプセルを含有する画像形成層が積層された平版印刷版材料〔1〕)
このタイプの平版印刷版材料は露光後、印刷用インクもしくは印刷用インク及び印刷用湿し水で現像処理をすることが可能である。親水性基材上に存在する熱溶融性の粒子、疎水性前駆体粒子もしくはマイクロカプセルは露光されることにより、溶融もしくは変性することにより親油性の画像部となり、露光されていない部分は粒子状態を維持している。印刷に不要となる部分(露光されていない部分の熱溶融性の粒子もしくは疎水性前駆体粒子、マイクロカプセル)は本発明の印刷用インクで容易に除去することが可能となり、とりわけ本発明の効果が得られる。
このタイプの平版印刷版材料の親水性基材としては、アルミニウム板を電気化学的及び/又は機械的に研磨され、陽極酸化されたアルミニウム板、所謂砂目支持体が挙げられる。
使用されるアルミニウム板の材質としては、1050、1100シリーズがこのましい、特に好ましくは1050シリーズである、具体的には、1050、1052等が用いられる。調質はH16,H18がこのましい、より好ましくはH16である。
アルミニウム板は従来公知の電解研磨設備等で製造される。電解浴は塩酸または塩酸を主体とする水溶液がこのましい。塩酸濃度は0.5〜5質量%がこのましい。添加剤としては、酢酸、蓚酸、ホウ酸、リンゴ酸、等の酸類、硝酸塩、塩化物等の化合物も用いられる。その量は塩酸に対して20%以下、よりこのましくは10%以下である。処理温度は15〜50℃、好ましくは25〜45℃である。処理時間は5〜100秒、より好ましくは10〜60秒である。
電解研磨されたアルミニウム板はデスマット処理を施される。浴として、アルカリデスマットとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等、酸デスマットとしては硝酸、リン酸等が用いられる。好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。処理温度は40〜90℃、好ましくは50〜80℃である。処理時間は10〜100秒、より好ましくは20〜80秒である。
デスマットされたアルミニウム板は従来公知の方法により陽極酸化処理が施される。浴としては硫酸、燐酸等が、好ましくは硫酸である。濃度は10〜50%である。電流密度は電流密度1〜10A/dm2がこのましい。処理温度は20〜60℃、好ましくは30〜50℃である。処理時間は10〜180秒、より好ましくは20〜100秒である。例えば、米国特許第1,412,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法でもよい。
陽極酸化されたアルミニウム板は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
この後支持体はさらに、親水性層を設けることが好ましい。親水性層の形成には、米国特許第3,181,461号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国特許第1,860,426号明細書に記載の親水性セルロース、特開昭60−149491号公報、特開昭63−165183号公報に記載のアミノ酸及びその塩、特開昭60−232998号公報に記載の水酸基を有するアミン類及びその塩、特開昭62−19494号公報に記載の燐酸塩、特開昭59−101651号公報に記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等を用いることができ、また、特開昭59−192250号公報、特開平6−3810号公報、特開平7−15993号公報等に記載のシラン系化合物での下引き又は後処理等で親水性層を形成してもよい。
また別の親水性基材としてはプラスチック基材上に親水性層を塗設した、親水性支持体が挙げられる。
親水性層としては、親水性樹脂や自己造膜可能な微粒子と無機微粒子より構成されたものが挙げられる。利用可能な親水性樹脂としては、ポリビニルアルコール、アクリル系共重合体、ポリウレタン類、セルロース誘導体などが挙げられる。ポリビニルアルコールとしては、ケン化度が95%以上のものが好ましい。また、部分的にカルボキシル基で修飾されたものも利用できる。アクリル系共重合体としては、親水性の高い官能基を有するモノマーを高含有率で合成されたものが利用でき、親水性の高いモノマーとしては、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、またアンモニウム、ホスホニウム塩を含有するモノマー、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基を含むモノマーが挙げられる。ポリマーに共重合した後、それらの親水性の官能基を塩にしたものも利用できる。ポリウレタン類としては、その側鎖にカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基、ポリオキシエチレン基等の親水性官能基を含むものが利用できる。セルロース誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
利用可能な自己造膜可能な微粒子としては、アルミナゾルやコロイダルシリカが挙げられるが、とりわけ50nm以下の粒子径を有するコロイダルシリカが親水性層塗膜強度、親水性確保の点で好ましい。具体的には日産化学工業(株)製の「スノーテックス」シリーズが利用できる。また、適度な塗膜強度と保水性を両立するためにネックレス状のコロイダルシリカを利用することもできる。ネックレス状コロイダルシリカとは、1次粒子径がnmのオーダーである球状シリカの連続体の水分散系の総称である。ネックレス状のコロイダルシリカとしては、具体的には日産化学工業(株)製の「スノーテックス−PS」シリーズなどが挙げられる。同シリーズのアルカリ性の製品名としては、「スノーテックス−PS−S(連結した状態の平均粒子径は110nm程度)」、「スノーテックス−PS−M(連結した状態の平均粒子径は120nm程度)」および「スノーテックス−PS−L(連結した状態の平均粒子径は170nm程度)」があり、これらにそれぞれ対応する酸性の製品が「スノーテックス−PS−S−O」、「スノーテックス−PS−M−O」および「スノーテックス−PS−L−O」である。なお、ここでいう自己造膜とは、乾燥膜厚を1.0μm程度になるように塗布し100℃3分の乾燥を施した塗膜を作製し、該塗膜を水に10分間浸漬した後、スポンジで擦っても塗膜に欠陥が生じないものを自己造膜したものとみなす。
上述の親水性樹脂と自己造膜可能な微粒子は併用してもよい。
親水性層に利用可能な無機微粒子としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、酸化チタン、クレー、アルミナ等が挙げられるが、機械的強度向上と親水性、保水性向上の点から、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましい。無機微粒子の粒径は、平均粒径が0.01μmから10μmであることが好ましく、更には0.05μmから5μmであることが好ましい。
前述の親水性樹脂もしくは自己造膜可能な微粒子と無機微粒子の比率は、質量比で2〜50:10〜50であることが、親水性層の機械的強度および保水性の確保、画像耐久性(画像耐刷性)の為の表面の凹凸を確保する上で好ましい。
親水性層には更なる機械的強度を確保する目的で、架橋剤を用いて架橋構造を付与してもよい。架橋剤としてはホルムアルデヒド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、グリオキサル、ポリイソシアナート、加水分解テトラアルキルオルトシリケートなどが利用できる。親水性層中における架橋剤の含有比率は0〜1質量%であることが好ましい。親水性層の1m2当たりの付量は0.5g〜10g、更に好ましくは1.0g〜5gである。
親水性層基材上に積層される画像形成層に含まれる熱溶融性の粒子としては、公知の熱可塑性樹脂、合成ゴム、ワックス類を粒子形状に調製したものが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポリエーテル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アイオノマー樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
合成ゴム類としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体が挙げられる。
上述の熱可塑性樹脂もしくは合成ゴム類は、融点もしくは軟化点が60℃以上であり、それ自身をフィルム化したときに、その水に対する接触角が50°以上であるものが画像SN、感度の点で有利である。
ワックス類としては、カルナバワックス、蜜ろう、鯨ろう、木ろう、ホホバ油、ラノリン、オゾケライト、パラフィンワックス、モンタンワックス類、キャンデリンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、ポリエチレンワックス、FTワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、高級脂肪酸等が挙げられる。これらのなかで融点が50〜150℃の範囲で、140℃における溶融粘度が0.02Pa・s以下であることが画像SN、感度の点で好ましい。また、JIS K2530−1976に規定される針入度が1以下であることが耐刷力の点で好ましい。
上記諸特性を満たす熱溶融性物質としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、FTワックス等が好ましい。
この構成において画像形成層に含まれる熱溶融性の粒子の平均粒径は、0.1〜0.5μmであることが好ましい。これらの物性は良好な耐刷性を得る上で重要である。画像形成層中に含まれる熱溶融性の粒子の含有量は、40〜100質量%であることが好ましい。
この構成に利用可能な疎水性前駆体としては、熱により印刷用インクに親和性を発現するものであれば利用でき、例えば、アリールジアゾスルホネート基を含有するポリマーが挙げられ、次式で表される。
Figure 2005193655
式中、R0、R1、R2はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ニトリル基、またはハロゲン原子を表し、Lは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Aはアリール基を表し、Mはカチオンを表す。
Lは−(X)t−CONR3−、−(X)t−COO−、−X−および−(X)t−CO−を表し、tは0または1をを表し、R3は水素原子、アルキル基またはアリール基をを表し、Xはアルキレン基、アリーレン基、アルキレンオキシ基、アリーレンオキシ基、アルキレンチオ基、アリーレンチオ基、アルキレンアミノ基、アリーレンアミノ基、酸素原子、硫黄原子またはアミノ基を表す。
Aは非置換アリーレン基、例えば、非置換フェニレン基、あるいは1つまたはそれ以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基により置換されたアリーレン基(例えば、フェニレン基)である場合が好ましい。
MはNH4 +などのカチオン、あるいは金属イオン、例えば、Al、Cu、Zn、アルカリ土類金属またはアルカリ金属のカチオンである場合が好ましい。
アリールジアゾスルホネート単位を有するポリマーは、対応するモノマーのラジカル重合により得ることが好ましい。本発明に従って用いるために適したモノマーは、欧州特許出願公開339,393号明細書および同507,008号明細書に開示されている。具体例を下記に挙げる。
Figure 2005193655
Figure 2005193655
例えば、上記に開示されているようなアリールジアゾスルホネートモノマーは単独重合させることができ、あるいは他のアリールジアゾスルホネートモノマーと、および/またはビニルモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸もしくはそれらのエステル類、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アルファ−メチルスチレンなどと共重合させることができる。しかし、コポリマーの場合、ポリマーの水溶性を損なわないように注意しなければならない。本発明に関連するポリマーにおけるアリールジアゾスルホネート基の量は10〜60モル%であるのが好ましい。
この構成に利用可能なマイクロカプセルとしては、その内部に熱反応性官能基を有する物質を内包しているものが挙げられる。熱反応性官能基としては重合性不飽和基、イソシアネート基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、メチロール基、アミノ基、ジアゾスルホネート基が挙げられ、実用上の感度からイソシアネート基またはジアゾスルホネート基が特に好ましい。
イソシアネート基を含有する化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が例示できる。
ジアゾスルホネート基を含有する化合物は、前述の疎水性前駆体がそのまま利用できる。
前述の熱反応性官能基を有する物質もしくは疎水性前駆体を内包するマイクロカプセル作製する方法としては、公知の方法が利用でき、例えば、マイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2,800,457号明細書、同第2,800,458号明細書に見られるコアセルベーションを利用した方法、英国特許第990,443号明細書、米国特許第3,287,154号明細書、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報、同42−711号公報に見られる界面重合法による方法、米国特許第3,418,250号明細書、同3,660,304号明細書に見られるポリマーの析出による方法、米国特許第3,796,669号明細書に見られるイソシアネートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3,914,511号明細書に見られるイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特許第4,001,140号明細書、同第4,087,376号明細書、同第4,089,802号明細書に見られる尿素−ホルムアルデヒド系あるいは尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4,025,445号明細書に見られるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号公報、同51−9079号公報に見られるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930,422号明細書、米国特許第3,111,407号明細書に見られるスプレードライング法、英国特許第952,807号明細書、同第967,074号明細書に見られる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
この構成に係る画像形成層には、室温保存時の熱溶融性の粒子の融着防止剤、疎水性前駆体粒子、マイクロカプセルの暗反応によるカブリを防止する目的で、水溶性樹脂を含有していてもよい。利用可能な水溶性樹脂としては、水溶性(コ)ポリマー、例えば、合成ホモ−もしくはコポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリビニルメチルエーテル、または天然結合剤、例えば、ゼラチン、オリゴ糖、多糖類、例えば、デキストラン、プルラン、セルロース、アラビアゴム、アルギニン酸、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイドなど公知のものが利用できる。感熱層に含まれる水溶性樹脂の含有量は、0〜50質量%であることが好ましい。画像形成層の付量は1m2当たり0.1〜1.0gである。この範囲を外れると耐刷力が得られにくい。
この構成において、レーザー照射により光熱変換を利用して画像形成を行う場合には、親水性層もしくは画像形成層に光熱変換剤を含有していることが好ましい。
利用できる光熱変換剤としては、近赤外光に吸収帯を持つものが好ましく、例えば、カーボンブラツク、シアニン系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素等の有機化合物、フタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系の有機金属錯体、Co、Cr、Fe、Mn、Ni、Cu、Tiなどの金属およびそれらの酸化物、窒化物、もしくは酸窒化物などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、同64−33547号、特開平1−160683号、同1−280750号、同1−293342号、同2−2074号、同3−26593号、同3−30991号、同3−34891号、同3−36093号、同3−36094号、同3−36095号、同3−42281号、同3−97589号、同3−103476号の各公報に記載の化合物が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
親水性層または感熱層に含有される光熱変換剤の含有比率は、3〜20質量%であることが好ましい。
本発明に利用可能な平版印刷版材料の別の形態としては、下記のタイプのものが挙げられる。
(インキに対して異なる親和性を呈する2層を有する平版印刷版材料〔2〕)
このタイプのCTP材料は露光時に、最表層をアブレーションさせることにより破壊し、印刷用インクの供給により破壊された最表層(印刷に不要な部分)を除去し、最表層と異なる親和性を有する下層を露出させることにより現像がなされる。
この構成において、インキに対して異なる親和性を呈する2層の組み合わせとしては、基材上に順次以下の構成が積層されたものが利用できる。
(イ)インク親和性層−インク反撥性層
(ロ)インク親和性層−親水性層
(ハ)親水性層−インク親和性層
インク親和性層としては、印刷用インクを付着すれよく、例えば、特開昭60−22903号公報に開示されているような種々の感光性ポリマーを露光して硬化せしめたもの、特開昭62−50760号公報に開示されているエポキシ樹脂を熱硬化せしめたもの、特開昭63−133151号公報に開示されているゼラチンを硬膜せしめたもの、更に特開平3−200965号公報に開示されているウレタン樹脂とシランカップリング剤を用いたもの、特開平3−273248号公報に開示されているウレタン樹脂を用いたもの等を挙げることができる。この他、ゼラチンまたはカゼインを硬膜させたものも有効である。
インク親和性層の塗布量は乾燥質量で0.1〜10g/m2の範囲が適当であり、好ましくは0.2〜8g/m2であり、更に好ましくは0.5〜5g/m2である。
また、インクが付着する性質を有していれば基材もそのまま利用できる。
この構成において、インク反撥性層としては、特開2001−26184号公報などに記載されているシリコーンゴムを主体とした層が挙げられる。具体的には、縮合型シリコーンを架橋剤を用いて硬化させるか、付加型シリコーンを触媒により付加重合させて形成することが好ましい。縮合型シリコーンを用いる場合には、(a)ジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、(b)縮合型架橋剤を3〜70質量部、(c)触媒0.01〜40質量部を加えた組成物を用いるのが好適である。
前記成分(a)のジオルガノポリシロキサンは、下記一般式で表されるような繰り返し単位を有するポリマーである。R1およびR2は炭素数1〜10のアルキル基、ビニル基、アリール基であり、またその他の適当な置換基を有していてもよい。一般的にはR1およびR2の60%以上がメチル基、あるいはハロゲン化ビニル基、ハロゲン化フェニル基等であるものが好ましい。
Figure 2005193655
このようなジオルガノポリシロキサンは両末端に水酸基を有するものを用いるのが好ましい。また、前記成分(a)は数平均分子量が3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜70,000である。成分(b)の架橋剤は縮合型のものであればいずれであってもよいが、次の一般式で表されるようなものが好ましい。
1 m−Si−Xn
ここでR1は先に説明したR1と同じ意味であり、XはCl、Br、I等のハロゲン原子、水素原子、水酸基、あるいは以下に示す如き有機置換基を表す。また、m、nは整数であり、nは2以上で、m+n=4である。
Figure 2005193655
式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基を表し、R4およびR5は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
成分(c)としては、錫、亜鉛、鉛、カルシウム、マンガン等の金属カルボン酸塩、例えば、ラウリン酸ジブチル、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛等、あるいは塩化白金酸等のような公知の触媒が挙げられる。
付加型シリコーンを用いる場合には、(d)付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、(e)オルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜25質量部および(f)付加触媒0.00001〜1質量部を添加した組成物を用いることが好ましい。
上記成分(d)の付加反応性官能基を有するジオルガノポリシロキサンとは、1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(より好ましくはビニル基)を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンで、アルケニル基は分子の末端、中間いずれにあってもよく、アルケニル基以外の有機基として、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基を有していてもよい。また、成分(d)には水酸基を微量有することも任意である。成分(d)は数平均分子量が好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜70,000である。
成分(e)としては、両末端に水素基を有するポリジメチルシロキサン、α,ω−ジメチルポリシロキサン、両末端にメチル基を有するメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、環状ポリメチルシロキサン、両末端にトリメチルシリル基を有するポリメチルシロキサン、両末端にトリメチルシリル基を有するジメチルシロキサン−メチルシロキサン共重合体等が例示される。
成分(f)としては、公知の重合触媒の中から任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望ましく、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位白金等が例示される。
これらの組成物においてシリコーンゴム層の硬化速度を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサン等のビニル基含有のオルガノポリシロキサン、炭素−炭素三重結合含有のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の架橋抑制剤を添加することも可能である。なお、シリコーンゴム層には必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機物の微粉末、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤やアルミニウム系カップリング剤等の接着助剤や光重合開始剤を添加してもよい。
インキ反撥性のシリコーンゴム層の厚みとしては、乾燥膜厚としては0.5〜5g/m2が好ましく、より好ましくは1〜3g/m2である。
この構成における親水性層としては、平版印刷版材料〔1〕の構成に示す親水性層がそのまま利用できる。
この構成において、レーザー照射部のアブレーションによる画像形成が容易に為されるために、上述のインク反撥性層、インク親和性層、もしくは親水性層中には〔1〕に示す光熱変換剤を含有させることができる。この場合、光熱変換剤は各層の全質量に対して5〜50質量%であることが好ましい。また、同様の目的で、積層された2層の間にアブレーション層を設けてもよい。
アブレーション層としては、上記の光熱変換剤をセルロース、ニトロセルロースおよびエチルセルロース等のセルロース誘導体類、アクリル酸エステルの単独重合体および共重合体、ポリメチルメタクリレートおよびポリブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルの単独重合体および共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体および共重合体、ポリイソプレンおよびスチレン−ブタジエン共重合体等の各種合成ゴム類、ポリ酢酸ビニル等のビニルエステル類の単独重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体等のビニルエステル含有の共重合体、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリカーボネート等の縮合系各種ポリマー、並びに「J.Imaging Sci.,P59−64,30(2),(1986)(Frechet et al)」、「Polymers in Electronics(Symposium Series,P11,242,T.Davidson,Ed.,ACS Washington,DC(1984)(Ito,Willson))」および「Microelectronic Engineering,P3−10,13(1991)(E.Reichmanis,L.F.Thompson)」に記載のいわゆる「化学増幅系」に使用されるバインダー等に混合し、塗設したものが挙げられる。
この場合、光熱変換剤とバインダーの質量比率は10:90〜70:30である。また光熱変換剤とバインダーとでアブレーション層を構成する場合、塗膜強度および積層された他層との密着性を向上させる目的で、種々の架橋剤を添加することができる。利用できる架橋剤としては架橋剤としては、ホルムアルデヒド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、グリオキサル、ポリイソシアナート、加水分解テトラアルキルオルトシリケートなどが利用できる。
アブレーション層の別の形態としては、光熱変換が可能な金属含有微粒子を蒸着法、スパッタリング法により形成させる方法が挙げられる。利用可能な金属含有微粒子としては、アルミニウム、チタン、テルル、クロム、錫、インジウム、ビスマス、亜鉛、鉛等の金属、これらの合金、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物、金属フッ化物等である。蒸着法またはスパッタリング法等にて薄膜が形成できる。この場合の膜厚は50〜1000nm、好ましくは100〜800nmである。
〈本発明の平版印刷版の作製方法〉
本発明の平版印刷版材料の作製方法について説明する。
まず、前述平版印刷版材料〔1〕または〔2〕にレーザー光源を用いて、画像様に露光を行う。このとき、レーザーの発光波長は、光熱変換剤の吸収特性により適宜選択されるが、とりわけ近赤外に波長を持つものがヒートモード記録に適している。利用可能なレーザー光源としては、半導体レーザーおよび半導体励起の固体レーザー(YAGレーザー等)が好適に使用される。
続いて、露光された平版印刷版材料は印刷機のシリンダーに取り付けられる(近年、市場に登場しているダイレクトイメージング印刷機を用いる場合は、まずシリンダーに平版印刷版材料を巻きつけ、それからシリンダー上でレーザー露光を施す)。
印刷機上では、シリンダーを回転しながら、インクローラーを介して前述した印刷用インキを、また親水層を有するタイプの平版印刷版材料については、水着けローラーを介して湿し水が供給される。平版印刷版材料にインクが供給されると、印刷には不要となる部分がインクにより除去されて現像が終了する。現像された後は、給紙が行われ、印刷工程へと進む。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断りない限り、実施例中の「部」は「質量部」を示す。
実施例1
〈オフセット印刷インキ用ワニスの製造〉
コンデンサー、温度計及び攪拌機を装着した四つ口フラスコに、下記のワニス組成1および2を各々、200℃に昇温し、同温度で1時間加熱溶解した後、架橋剤としてトリレンジイソシアネート(TDI)を1部添加し、窒素雰囲気下で90℃で3時間加熱攪拌し、ワニス1、2を得た。
(ワニス組成1)
ロジン変性フェノール樹脂{Mw100,000、酸価15、(株)日立化成ポリマー製} 400部
鉱物油 59部
(ワニス組成2)
ロジン変性フェノール樹脂{Mw100,000、酸価15、(株)日立化成ポリマー製} 400部
亜麻仁油 59部
〈印刷インキ1の製造〉
前述のワニス1に、モノマーとしてアクリル酸変性植物油A、光重合開始剤としてα−アミノアセトフェノン(チバスペシャリティーケミカルズ社製)、重合禁止剤(t−ブチルヒドロキシトルエン、アルベマール社製)及び顔料(フタロシアニンブルー、大日精化工業製)を以下のインキ組成1の配合(各成分の配合量は部数で示す、以下同様)で混合し、3本ロール練肉後、酸化重合触媒(オクチル酸Co及びMn、シントーファイン社製)1部を添加し、1時間攪拌することで、重合性オリゴマー、を含有する印刷インキ1を得た。
(印刷インキ1組成)
顔料{フタロシアニンブルー;大日精化工業(株)} 20.0部
ワニス1 43.5部
重合性モノマー(アクリル酸変性植物油A) 30.0部
光重合開始剤(α−アミノアセトフェノン;チバスペシャリティケミカルズ社製)
5.0部
重合禁止剤(t−ブチルヒドロキシトルエン;アルべマール社製) 0.5部
Figure 2005193655
〈印刷インキ2の製造〉
前述のワニス2に、モノマーとしてアクリル酸変性植物油A、光重合開始剤としてα−アミノアセトフェノン(チバスペシャリティーケミカルズ社製)、重合禁止剤(t−ブチルヒドロキシトルエン、アルベマール社製)及び顔料(フタロシアニンブルー、大日精化工業製)を以下のインキ組成2の配合(各成分の配合量は部数で示す、以下同様)で混合し、3本ロール練肉後、酸化重合触媒(オクチル酸Co及びMn、シントーファイン社製)1部を添加し、1時間攪拌することで、重合性オリゴマー、植物油を含有する印刷インキ2を得た。
(印刷インキ2組成)
顔料{フタロシアニンブルー;大日精化工業(株)} 20.0部
ワニス2 43.5部
重合性モノマー(アクリル酸変性植物油A) 30.0部
光重合開始剤(α−アミノアセトフェノン;チバスペシャリティケミカルズ社製)
5.0部
重合禁止剤(t−ブチルヒドロキシトルエン;アルべマール社製) 0.5部
〈印刷インキ3の製造〉
上記で得られたワニス1に、顔料(フタロシアニンブルー、大日精化工業製)を以下の組成の配合で添加しビーズミル、次いで3本ロールで順練り込みインキベースを作製し、さらにポリエチレンワックスコンパウンド(ワックスコンパウンド;シャムロック社製)4質量部、ドライヤー1質量部、鉱物油5質量部を添加、攪拌し、重合性モノマー・オリゴマーや植物油を含有しない印刷インキ3を得た。
(印刷インキ3組成)
顔料{フタロシアニンブルー;大日精化工業(株)} 20.0部
ワニス1 70.0部
〈平版印刷版材料1の作製〉
厚さ188μmのPET支持体上に下記組成よりなる下引き層塗布液を乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、100℃で3分間乾燥した。
(下引層塗布液)
線状ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡績株式会社製) 9.0部
イソシアネート硬化剤(コロネートL、固形分75%:日本ポリウレタン工業株式会社製) 0.6部
メチルエチルケトン 90.4部
次いで、下記組成よりなるアンカー層塗布液をビーズミルで30分間分散した後、ワイヤーバーを用いて付き量が2g/m2になるように塗布、100℃で1分間乾燥した。
(アンカー層塗布液組成)
コロイダルシリカ(スノーテックスXS、固形分20%;日産化学工業株式会社製)
76.94部
コロイダルシリカ(スノーテックスZL、固形分40%;日産化学工業株式会社製)
2.50部
Fe、Mn、Cuの複合酸化物の水分散体{MFカラー4500ブラック、固形分40%、大日精化工業(株)製}
2.50部
シリカ粒子(シルトンJC40、平均粒径4.0μm;水澤化学工業株式会社製)
2.22部
モンモリロナイト(ミネラルコロイドMO;ウィルバーエリス製) 0.22部
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(関東化学株式会社製) 0.11部
燐酸三ナトリウム(関東化学製) 0.06部
純水 15.45部
次いで、下記組成よりなる親水性層塗布液をビーズミルで30分間分散した後、ワイヤーバーを用いて付き量が1g/m2になるように塗布、100℃で1分間乾燥した。
(親水性層塗布液組成)
コロイダルシリカ(スノーテックスS、固形分30%;日産化学工業株式会社製)
10.40部
コロイダルシリカ(スノーテックスPS−M、固形分20%、日産化学工業株式会社製) 23.40部
アルミノシリケート粒子(AMTシリカ08、平均粒径0.6μm、水澤化学工業株式会社製) 1.50部
シリカ粒子(シルトンJC20、平均粒径2.0μm、水澤化学工業株式会社製)
1.20部
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(関東化学株式会社製)の4%水溶液
0.12部
Fe、Mn、Cuの複合酸化物の水分散体{MFカラー4500ブラック、固形分40%;大日精化工業(株)製} 2.70部
ミネラルコロイドMO(モンモリロナイト;ウィルバーエリス製) 0.24部
燐酸三ナトリウム(関東化学製株式会社製) 0.06部
純水 19.17部
親水性層塗布後、60℃で24時間のエイジングを施し、平版印刷版材料用親水性基材を得た。親水性層上に下記組成よりなる画像形成層塗布液を乾燥膜厚が0.5g/m2になるようにワイヤーバーを用いてて塗布し、70℃で1分間の乾燥をした。
(画像形成層塗布液)
カルナバワックス粒子水分散液(Hi−Disper A−118、固形分40%、岐阜セラック製造所製) 9.84部
アマイドワックス粒子水分散液(ハイミクロンミクロンL271、固形分25%、中京油脂株式会社) 1.91部
トレハロース(トレハ;林原商事) 1.89部
純水 86.36部
画像形成層塗布後、50℃で24時間のエイジングを施し、親水性基材上に熱溶融性の粒子を含有する画像形成層が積層された平版印刷版材料1を作製した。
<平版印刷版材料2の作製>
厚さ0.24mmのアルミウム板(材質1050、調質 H16)を、65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸せきし1分間の脱脂処理をおこないその後水洗した。次に、25℃に保たれた1%塩酸水溶液中で、40℃、電流20アンペア、20秒(400A・sec/dm2)、カーボン電極で電解研磨処理し砂目立てした。水洗後、続いて、カセイソーダ水溶液2質量%液で60℃、60秒浸せき処理(デスマット処理)をおこなった。
続いて、陽極酸化処理を下記条件でおこなった。
・浴としては硫酸水溶液30質量%
・電流密度2A/dm2
・処理温度は40℃
・処理時間は60秒
続いて、80℃の熱水で、30秒浸せき処理を行い。40℃の温風で乾燥し、砂目形状をしたアルミ支持体を得た。製造された親水性基材を表面粗さ計(WYKO社製RST PLUS)で測定し、Raは0.34μmであった。
得られた平版印刷版材料用支持体に下記組成よりなる画像形成層塗布液2を塗布し、40℃で2分間乾燥し、平版印刷版材料2を得た。
(画像形成層塗布液2)
下記製造法により得られたマイクロカプセルの分散液(固形分20%、岐阜セラック製造所製) 19.0部
カーボンブラックの水分散体(SD9020、固形分30%、大日本インク社製)
3.0部
ポリアクリル酸ソーダ(DL522、固形分30%、日本触媒(株)製) 1.0部
純水 80.0部
(マイクロカプセルの作製)
質量比で、モノマーA:メタクリル酸メチル=44:60よりなるコポリマー180質量部、下記構造を有する赤外線吸収色素(光を熱に変換し得る素材)20質量部をメタノール800質量部に溶解、混合した後、シャーレに移し、25℃の環境下で真空乾燥し、ジアゾスルホネート単位を含む疎水性前駆体を得た。
45℃の冷却水の流れたベッセル内で前述の疎水性前駆体50質量部を0.5mm径のガラスビーズ450質量部と共に攪拌させ、微粒子化する。攪拌1時間後、下記組成よりなる壁材溶液を5分毎に5質量部ずつ、全量が50質量部になるまで小分けにして添加し、全量が添加し終わった後1時間攪拌し、その後純水を加え、笊(ざる)でガラスビーズのみを取り除き、熱反応性官能基としてジアゾスルホネート単位を含む粒径0.8μmのマイクロカプセルの分散液を得た。マイクロカプセルの分散液はさらに純水を添加し、固形分を20%に調整した。
Figure 2005193655
(壁材溶液)
ポリビニルアルコール(EG05:日本合成化学工業社製)の10%水溶液
95.0部
メラミン樹脂(スミレーズレジン613:住友化学社製) 5.0部
〈平版印刷版材料3の作製〉
200μmの厚みのあるPETフィルム上に下記組成よりなる親油性層を乾燥膜厚5μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥した。
(下引層塗布液)
線状ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡紡績(株)製) 19.0部
イソシアネート硬化剤(コロネートL、固形分75%:日本ポリウレタン工業(株)製) 1.2部
メチルエチルケトン 79.8部
次いで下記組成をビーズミルで5時間分散したアブレーション層塗布液を、乾燥膜厚0.15μmとなるように塗布、積層し、100℃で3分間乾燥した。
(アブレーション層塗布液組成)
カーボンブラック(MA100;三菱化学(株)製) 12.0部
ポリエステル樹脂(UR8300、固形分30%:東洋紡紡績(株)製)
25.0部
イソシアネート硬化剤(コロネートL、固形分75%:日本ポリウレタン製)
1.2部
メチルエチルケトン 61.8部
更に、以下の手順で作製した親水性層塗布液を、アブレーション層の上に乾燥膜厚が1.0μmとなるように塗布し、100℃で5分間乾燥させ、インキに対して異なる親和性を呈する2層を含む、アブレーションにより画像形成が可能な平版印刷版材料3を得た。
(親水性層塗布液)
TiO2(平均粒子径0.3μm)20%、NL−05(ポリビニルアルコール;日本合成化学株式会社製)2%を含むイオン交換水溶液450質量部を予め作製しておく。ついでNL−05(ポリビニルアルコール;日本合成化学株式会社製)の5%イオン交換水溶液250質量部を前述の水溶液に滴下し、さらにオルト珪酸テトラメチル20%、FZ2161(シリコン系界面活性剤:日本ユニカー製)2%を強攪拌させたイオン交換水溶液120質量部を強攪拌しながら滴下し、続けて10分間撹拌し親水性層塗布液を得た。
〈印刷物の作製〉
作製した平版印刷版材料1、2または3に半導体レーザー光源(発光波長830nm、スポット寸法10μm、解像度は走査方向、副走査方向ともに2000dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドットの数を表す))を用い、175線相当で50%平網画像、人間の顔画像、および非画線部を含む画像データに基づき、版面上に置けるエネルギー量を、平版印刷版材料1、2については300mJ/cm2、平版印刷版材料3については500mJ/cm2として画像露光した。
露光された平版印刷版材料1、2または3は、DAIYA 1F−1型印刷機のシリンダーに固定し、シリンダーを回転させた状態で水着けローラーをオンにして、版面上に湿し水{アストロマーク3(日研化学研究所製)の2%水溶液}をシリンダーが2回転する間供給し、次いで水着けローラーをオンした状態で、インク着けローラーをオンにして、版面上に表1記載のように印刷インク1、2または3をシリンダーが2回転する間供給し、続いて、水付けローラー、インク着けローラーをオンした状態で、給紙を開始し、印刷を始めた。
排紙部において、紙の印刷面にUV光源を照射し、インクを乾燥させることで印刷物を得た。
〈評価方法〉
(刷り出し損紙評価)
印刷初期において印刷物の非画線部の地汚れがなく、良好な印刷物が得られるまでの枚数を刷り出し損紙として評価した。この枚数が少ないほど好ましい。
(画像欠陥評価)
印刷50枚目後の、10cm×10cmの面積中における50%平網画像中の網つぶれの箇所をカウントし画像欠陥評価した。この箇所が少ないほど好ましい。
(傷耐性評価)
印刷前に予め、非画線部にあたる部分を爪でこすっておき、その部分に画像欠陥(汚れ)が発生するかを、以下のように評価した。
○…全く汚れない
△…印刷初期にうっすらと汚れるが、50枚以内に除去される、
×…汚れが発生する
(印刷物の刷り上り品質)
印刷10枚目と10000枚目を取り出し、印刷技師10名により、人間の顔画像に、印刷枚数により変化の有無を判断してもらい、以下のように評価した。
○…9〜10名が変化なしと判断
△…8名〜5名が変化なしと判断
×…1名〜4名が変化なしと判断
結果を併せて表1に示す。
Figure 2005193655
表1から明らかなように、印刷機上で現像処理が可能な平版印刷版材料において、印刷インクとして重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマー、さらに植物油を含有しているもの(本発明の構成)の方が、刷り出し損紙が少なく、画像欠陥や傷による汚れが少なく、刷り上り品質の良い印刷物が得られている。
本発明により、平版印刷版材料に画像様露光をした後、該平版印刷版材料に少なくとも印刷用インクを供給することにより現像する平版印刷版の作製方法において、前記印刷用インクが、重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマー、さらに植物油を含有させることにより、印刷機上での現像処理が早くでき、印刷初期より非画線部や傷部分の汚れ、画像欠陥の少ない、印刷枚数に依らず刷り上り品質の良い印刷物が得られる平版印刷版の作製方法を提供できる。

Claims (5)

  1. 基材上に画像形成層、アブレーション層の少なくとも1層を有する平版印刷版材料に画像様露光をした後、該平版印刷版材料に少なくとも印刷用インクを供給することにより現像する平版印刷版の作製方法であって、前記印刷用インクが重合性モノマー及び重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
  2. 前記基材が親水性表面を有する基材であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版の作製方法。
  3. 前記印刷用インクが、さらに植物油を含有することを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷版の作製方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の平版印刷版の作製方法により作製された平版印刷版に、少なくとも重合性モノマー及び重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも1種を含有する印刷用インクを付与し、平版印刷版上に得られたインク画像を、シート状基材に転写することを特徴とする平版印刷版の印刷方法。
  5. 画像様に露光された平版印刷版材料に、少なくとも重合性モノマー及び重合性オリゴマーから選ばれる少なくとも1種を含有する印刷用インクを供給することにより現像されたことを特徴とする平版印刷版。
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