JP2005193271A - 熱間鍛造後の冷却方法に特徴を有する熱間鍛造リング素形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 テーパーベアリングに仕上げ加工するための鍛造リング素形品の鍛造後の冷却条件を制御することにより、鍛造リング素形品への加工工程における焼なまし又は低温焼なまし工程を省略し、硬さHRB75〜85とした鍛造リング素形品を提供する。
【解決手段】 鉄缶製鍛造バケツの底から1/3〜1/5の高さに700℃以上の余熱を有する熱間鍛造リング素形品を均一に収納し、その上を金属性ネットで覆い、その上に熱間鍛造リング素形品を鍛造バケツの深さの残りの2/3〜4/5まで収納してスラグウールの蓋で覆い、鍛造バケツ下部の底から1/3〜1/5の高さに収納した熱間鍛造リング素形品の熱間鍛造時の700℃以上の余熱で金属性ネット上の鍛造バケツの2/3〜4/5に収納した熱間鍛造リング素形品を緩冷却することにより鍛造バケツの2/3〜4/5に収納した熱間鍛造リング素形品の焼なましを省略する。
【選択図】 なし
【解決手段】 鉄缶製鍛造バケツの底から1/3〜1/5の高さに700℃以上の余熱を有する熱間鍛造リング素形品を均一に収納し、その上を金属性ネットで覆い、その上に熱間鍛造リング素形品を鍛造バケツの深さの残りの2/3〜4/5まで収納してスラグウールの蓋で覆い、鍛造バケツ下部の底から1/3〜1/5の高さに収納した熱間鍛造リング素形品の熱間鍛造時の700℃以上の余熱で金属性ネット上の鍛造バケツの2/3〜4/5に収納した熱間鍛造リング素形品を緩冷却することにより鍛造バケツの2/3〜4/5に収納した熱間鍛造リング素形品の焼なましを省略する。
【選択図】 なし
Description
この発明は、焼入性の高い合金鋼からなる鍛造リング素形品、特にテーパーベアリングに加工する冷間鍛造用の合金鋼鍛造リング素形品の製造方法に関する。
テーパーベアリングなどの機械部品に使用する鍛造ブランクの加工には、材料歩留りや寸法精度に優れ、かつ、コストダウンが図れることから、冷間鍛造が多く採用されている。このようなテーパーベアリングに使用する鍛造ブランクの製造工程には、鍛造ブランクの硬さのバラツキや延性不足を低減するために、鍛造ブランクを圧延後に熱処理炉で球状化焼なまし処理を行って硬度を軟化する工程、すなわち焼なましまたは低温焼なまし工程が行われている。しかし、球状化焼なまし工程は長時間を要して非能率的である。そこで熱間圧延後の冷却方法の改善により球状化焼なましを短縮あるいは省略する方法が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。しかし、これらの方法では、硬度の軟化が十分とはいえない問題がある。一方、冷間鍛造用の鋼にAl、B、Ti、Zrを含有し、これらの元素に固溶Nを窒化物としてトラップし、加工中のひずみ時効を抑制した鋼素材を冷間加工率50%以上で冷間加工を行い、時効処理化指数K値を400〜800とする熱処理工程を実施し、硬さHv260以上としてひずみ変形の大きな焼入焼戻しなどの熱処理を行うことなく寸法精度に優れた高強度冷間鍛造部品とする方法が開発されている(例えば、特許文献3参照。)。
本発明が解決しようとする課題は、上記の方法と相違してさらに工程を簡略化してコストを低減することのできる方法として、テーパーベアリングに仕上げ加工するための鍛造リング素形品の鍛造後の冷却条件を制御することにより、鍛造リング素形品への加工工程における焼なまし又は低温焼なまし工程を省略し、硬さHRB75〜85とした鍛造リング素形品を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、鉄缶からなる鍛造バケツの底から1/3〜1/5の高さに均一に熱間鍛造による700℃以上の余熱を有する熱間鍛造リング素形品を収納し、該熱間鍛造リング素形品の上に境界を画する金属性ネットを載置した後、該金属製ネットで覆い、さらに該金属製ネット上に熱間鍛造リング素形品を鍛造バケツの深さの残りの2/3〜4/5まで収納した後、スラグウール等断熱材料製の蓋で覆い、鍛造バケツ下部の底から1/3〜1/5の高さに収納した熱間鍛造リング素形品の熱間鍛造時の700℃以上の余熱により、該金属性ネット上の鍛造バケツの2/3〜4/5に収納した該熱間鍛造リング素形品を緩冷却することにより、鍛造バケツの2/3〜4/5に収納した熱間鍛造リング素形品の引続き冷間加工するための焼なましを省略することを特徴とする熱間鍛造リング素形品の製造方法である。
請求項2の発明では、鉄缶からなる鍛造バケツは予め600℃以上の温度に加熱されていることを特徴とする請求項1の手段の熱間鍛造リング素形品の製造方法である。
本発明は、鍛造バケツによる徐冷方法の採用において、鍛造バケツの底側の1/3〜1/5に熱間鍛造により700℃以上に加熱された熱間鍛造リング素形品を入れ、その上の2/3〜4/5に熱間鍛造した鍛造リング素形品を載置し、その上をスラグウール等断熱性材料の蓋で覆うことにより、またそれに加えて鍛造バケツを予め600℃より低下しない温度に加熱しておくことにより、十分な徐冷が可能となり、この結果、熱間鍛造した鍛造リング素形品のうち、2/3〜4/5の鍛造リング素形品は引続き行う冷間加工のための焼なまし工程を省略することができるものとなり、本発明は優れた効果を奏するものである。
鍛造リング素形品に熱間鍛造する鋼材は、例えば、質量%で、C:0.17%、Si:0.23%、Mn:1.35%、Ni:0.30%、Cr:0.7%、Mo:0.10%からなり、残部Feおよび不可避不純物からなる合金鋼である。この鋼材は、焼入れ性が高いので、熱間鍛造により鍛造リング素形品に鍛造した後、得られたリング素形品を鉄缶の鍛造バケツに受け入れる際に、鉄缶へ抜熱するために、鍛造リング素形品は600℃以下で急速冷却される。このように急速冷却される部分に位置するリング素形品の硬さはHRB94程度に上がって硬くなる。しかも、鍛造バケツの鉄缶内の位置によりリング素形品の硬さがばらつくため、その後に引続き製品とするために行う冷間加工のために、鍛造バケツの鉄缶内に受け入れた全てのリング素形品を焼なましせざるを得ない問題があった。本発明はこの問題を解消するものである。
そこで、上記した、質量%で、C:0.17%、Si:0.23%、Mn:1.35%、Ni:0.30%、Cr:0.7%、Mo:0.10%からなり、残部Feおよび不可避不純物からなる合金鋼である鋼材を、1200℃に加熱して熱間鍛造により鍛造リング素形品に鍛造した後、これらの鍛造リング素形品を投入する鉄缶からなる鍛造バケツ内に、先ず、例えば750℃に加熱したダミー製品を投入し、次いでその上に熱間鍛造した鍛造リング素形品を投入する。この熱間鍛造した鍛造リング素形品を投入した時に、先に投入したダミー製品の余熱によりその上に投入した鍛造リング素形品が急冷されることを防止しながら600℃以上で10分間保持した後、150℃/hrで徐冷した。この結果、得られた鍛造リング素形品の硬さは平均でHRB82.0であり、要求される硬さのHRB86以下を十分に満足することがわかった。
本発明を実施するための最良の形態は、質量%で、C:0.17%、Si:0.23%、Mn:1.35%、Ni:0.30%、Cr:0.7%、Mo:0.10%からなり、残部Feおよび不可避不純物からなる合金鋼である鋼材を1180℃に加熱し、終了温度950℃で熱間鍛造した。鍛造リング素形品を受ける鉄缶からなる鍛造バケツの底からの深さの1/3〜1/5程度に上記で熱間鍛造し、未だ720℃の加熱状態にある鍛造リング素形品を投入し、投入したこれらの鍛造リング素形品の上に金属ネットを載置して境界とし、さらに続けてその金属ネットの上に残りの2/3〜4/5の深さ全体に熱間鍛造リング素形品を投入した。次いで、これらの投入した熱間鍛造リング素形品の上に保温用のスラグウールからなる蓋をして上部からの急冷を防止しながら600℃以上を10分保持し、次いで150℃/hrで緩徐冷した。得られた鍛造バケツ内の上部の2/3〜4/5の全ての熱間鍛造リング素形品はいずれも要求硬さのHRB86未満の硬さを満足するもので、その平均の硬さはHRB80.0であった。この結果、これらの鍛造リング素形品は焼なまし処理を省略することができ、引続き、冷間加工することでリング製品とすることができた。一方、金属ネットの下部に投入した1/3〜1/5の鍛造リング素形品は平均硬さがHRB86以上にあり、焼きなまし処理を必要とし、焼きなまし処理して冷間加工してリング製品とした。
上記の実施の形態において、さらに予め鍛造バケツを加熱して鍛造リング素形品を受ける鉄缶からなる鍛造バケツに全ての熱間鍛造リング素形品を投入して蓋をし終わるまで700℃を低下しない温度に維持することにより、急冷を防止しながら自然放冷して緩徐冷した。得られた鍛造バケツ内の上部の2/3〜4/5の全ての熱間鍛造リング素形品はいずれも要求硬さのHRB86未満の平均硬さがHRB80以下で一層に満足できるものであった。
上記で緩徐冷して得られた平均硬さがHRB80以下である鍛造リング素形は、その組織はパーライト組織であり、焼なましを省略してテーパーベアリングにさらに冷間加工することのできるものであった。
Claims (2)
- 鉄缶からなる鍛造バケツの底から1/3〜1/5の高さに均一に熱間鍛造による700℃以上の余熱を有する熱間鍛造リング素形品を収納し、該熱間鍛造リング素形品の上に境界を画する金属性ネットを載置した後、該金属製ネット上に熱間鍛造リング素形品を鍛造バケツの深さの残りの2/3〜4/5まで収納した後、スラグウール等断熱性のある材料の蓋で覆い、鍛造バケツ下部の底から1/3〜1/5の高さに収納した熱間鍛造リング素形品の熱間鍛造時の700℃以上の余熱により、該金属性ネット上の鍛造バケツの2/3〜4/5に収納した該熱間鍛造リング素形品を緩冷却することにより、鍛造バケツの2/3〜4/5に収納した熱間鍛造リング素形品の引続き冷間加工するための焼なましを省略することを特徴とする熱間鍛造リング素形品の製造方法。
- 鉄缶からなる鍛造バケツは予め600℃以上の温度に加熱されていることを特徴とする請求項1に記載の熱間鍛造リング素形品の製造方法。
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CN102126107A (zh) * | 2010-12-07 | 2011-07-20 | 西南铝业(集团)有限责任公司 | 一种锻环的锻造工艺 |
CN112719198A (zh) * | 2019-10-14 | 2021-04-30 | 辽宁银捷装备科技股份有限公司 | 一种8Cr4Mo4V钢制轴承套圈锻造工艺方法 |
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CN102126107B (zh) * | 2010-12-07 | 2013-06-05 | 西南铝业(集团)有限责任公司 | 一种锻环的锻造工艺 |
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