JP2005193113A - 硫酸カルシウムおよび油分の混合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 反応熱と人体に有害な亜硫酸ガスを発生させず、かつ安価な薬剤と簡単な処理装置で処理可能な硫酸カルシウムおよび油分の混合物の製造方法の提供。
【解決手段】 硫酸ピッチを炭酸カルシウムで処理し、あるいは硫酸ピッチを炭酸カルシウムで処理した後、さらにアルカリを混合してpH値を調整する。
【選択図】 なし
【解決手段】 硫酸ピッチを炭酸カルシウムで処理し、あるいは硫酸ピッチを炭酸カルシウムで処理した後、さらにアルカリを混合してpH値を調整する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、硫酸ピッチを原料とする硫酸カルシウムおよび油分の混合物の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、中和熱と亜硫酸ガスをほとんど発生させずに硫酸ピッチの処理が可能である、発熱源およびセメント原料としてそのまま利用可能な硫酸カルシウムおよび油分の混合物の製造方法に関する。
石油精製の洗浄工程において石油洗浄のために硫酸が使用されている。この洗浄工程において、硫黄成分、アスファルト質などを含み、廃酸と廃油の混合物である液状またはタール状の硫酸ピッチが大量に排出される。製造業者は、硫酸ピッチを産業廃棄物として適切に処理することが義務付けられている。
一方、最近では、脱税目的で製造される不正軽油の製造業者による硫酸ピッチの不法投棄が、環境問題として大きくクローズアップされている。不正軽油の製造工程で、軽油との識別剤(クマリン)を分解除去するために、A重油、灯油等が濃硫酸で処理される。そのため、不正軽油の製造工程において硫酸ピッチが副産物として多量に発生する。硫酸ピッチは、強酸性であるためにドラム缶等を腐食させ、ドラム缶等で不法投棄されると土壌などに浸透していき、土壌汚染や地下水汚染を引き起こす。さらに、硫酸ピッチは、分解すると亜硫酸ガスを発生し、人が吸引すると重い呼吸器障害を引き起こす危険性がある。
このように硫酸ピッチは、産業廃棄物や環境問題の原因となるため、適切に処理される必要がある。従来、硫酸ピッチの処理方法としては、消石灰(Ca(OH)2)を含む中和剤での処理後、固化させて投棄処分する方法が採られていた。
例えば、特許文献1には、硫酸ピッチに無機セメント系固化処理材と水とを加えて消石灰(Ca(OH)2)を加えて中和処理した後、加熱、脱水して固粒化する硫酸ピッチの処理方法が記載されている。
しかし、特許文献1の処理方法を用いた場合、消石灰と硫酸との中和反応により多量の反応熱が発生する。この反応熱は、処理装置を高温に曝し、処理装置を破損するおそれがあるという問題があった。さらに反応熱により反応温度が上昇し、その結果、硫酸ピッチを含む反応系から人体に有害な亜硫酸ガス(SO2)が多量に発生する。このような反応熱および亜硫酸ガスの発生を防止するためには、耐熱性を有し、かつドラフト等で発生する有毒ガスを処理可能な処理装置を用いる必要がある。しかし、そのような装置設備は、大がかりであるばかりではなく、装置コストや処理コストも高額となり、大量の硫酸ピッチを安価に処理するには不向きであった。結果として、硫酸ピッチの不法投棄を助長する要因ともなっていた。
特開平6−165999号公報(請求項1、段落[0011])
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、硫酸ピッチ処理時に中和熱を殆ど発生することなく、したがって有害な亜硫酸ガスを発生させることもなく、さらには安価な薬剤と簡単な処理装置で簡便に硫酸ピッチを処理できる方法であって、処理生成物は、特別なさらなる処理を施すことなく有効利用可能である、硫酸ピッチの処理方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、中和熱の発生を抑えた硫酸ピッチの処理手段を鋭意検討した。その結果、これまで一般的に使用されていた消石灰の替わりに炭酸カルシウムを用いると、驚くことに実質的に中和熱を発生することなく、さらには実質的な中和熱の発生が抑制できるために亜硫酸ガスの発生もなく硫酸ピッチを処理できることを見出し、さらに、処理生成物は、そのままセメント製造用の原料(カルシウム源および熱源)として利用可能であることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、硫酸ピッチを炭酸カルシウムで処理することを特徴とする、硫酸カルシウムおよび油分の混合物の製造方法により達成される。
本発明の製造方法は、前記炭酸カルシウムとして水懸濁液を用い、かつ前記混合物が水をさらに含有することができる。
本発明の製造方法は、硫酸ピッチ100質量部に対して50〜100質量部の炭酸カルシウムを用いることが好ましい。
本発明の製造方法は、炭酸カルシウムでの処理後または処理と並行して、アルカリを混合して前記混合物のpH値を4〜8に調整することができる。
本発明の製造方法は、炭酸カルシウムでの処理後または処理と並行して、炭酸水素カルシウム、炭酸バリウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウムおよび珪酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物をさらに混合して、前記混合物を得ることができる。
本発明の製造方法における混合物の発熱量は10000〜40000kJ/kgであることが好ましい。
本発明の製造方法における混合物は、発熱源およびセメント原料として用いることができる。
本発明の製造方法では、硫酸ピッチが炭酸カルシウムで処理される。硫酸ピッチと炭酸カルシウムとの化学反応は、ほとんど中和熱を伴わないため、発熱に伴う亜硫酸ガスの発生を抑えることができる。その結果、冷却装置および亜硫酸ガスの処理装置が不要であるため、大規模かつ複雑な装置を必要とせず、処理コストを低廉にできる。さらに、本発明で製造される硫酸カルシウムおよび油分の混合物はそのまま再利用することも可能であり、資源の再利用化にも資する硫酸カルシウムおよび油分の混合物を提供できる。
以下、本発明の製造方法をさらに詳細に説明する。
本発明では、硫酸ピッチを炭酸カルシウムで処理する。本発明で用いられる硫酸ピッチは、廃酸と廃油の混合物であり、少なくとも硫酸イオンと油分を含む液状またはタール状の物質である。硫酸ピッチは、一般に、10〜60質量%の硫酸イオン(未反応硫酸を含む)、10〜60質量%のタール分(アスファルテン類とイオウ分を含む)、1〜20質量%の油分、1〜10質量%程度の有機酸エステル類(例えば、(RCOO)2SO2や(RCO)2SO2)を成分として含有する。また硫酸ピッチは、場合によっては1〜5質量%の廃油や添加剤に由来する重金属類を含有することもある。本発明の方法の処理対象である硫酸ピッチは、少なくとも硫酸イオンと油分を含むものであれば良く、少なくとも硫酸イオンと油分を含むものであれば、処理後、そのままセメント製造用原料として利用可能である。
本発明では、硫酸ピッチを炭酸カルシウムで処理する。本発明で用いられる硫酸ピッチは、廃酸と廃油の混合物であり、少なくとも硫酸イオンと油分を含む液状またはタール状の物質である。硫酸ピッチは、一般に、10〜60質量%の硫酸イオン(未反応硫酸を含む)、10〜60質量%のタール分(アスファルテン類とイオウ分を含む)、1〜20質量%の油分、1〜10質量%程度の有機酸エステル類(例えば、(RCOO)2SO2や(RCO)2SO2)を成分として含有する。また硫酸ピッチは、場合によっては1〜5質量%の廃油や添加剤に由来する重金属類を含有することもある。本発明の方法の処理対象である硫酸ピッチは、少なくとも硫酸イオンと油分を含むものであれば良く、少なくとも硫酸イオンと油分を含むものであれば、処理後、そのままセメント製造用原料として利用可能である。
硫酸ピッチの処理に用いられる炭酸カルシウムは、特に限定はなく、合成および天然由来の炭酸カルシウムのいずれも用いることができる。また、炭酸カルシウムの構造についても特に限定はなく、カルサイト(方解石)、アラゴナイト(アラレ石)およびバテライトのいずれの構造であってもよい。
硫酸ピッチを炭酸カルシウムで処理した場合、硫酸ピッチ中に含まれる硫酸と炭酸カルシウムとは、下記の化学反応を起こすものと推測される。
一方、従来の生石灰または消石灰を用いた硫酸ピッチの処理方法における化学反応は以下のとおりである。
上式(1)より、本発明の製造方法は従来の処理方法とは異なり、炭酸カルシウムを用いることにより中和反応時の反応熱の実質的な発生を防止でき、それに伴い亜硫酸ガスの発生をも防止できる。さらに、炭酸カルシウムは、硫酸ピッチ中に含まれる有機酸(RCOOH)および硫酸(H2SO4)のエステ化合物(例えば、(RCOO)2SO2や(RCO)2SO2)や油分中に大量に含まれるフェニル基を持つスルホン化合物とも反応し、それぞれを分解することもできる。
本発明において、硫酸ピッチの処理に用いられる炭酸カルシウムの量は、少なくとも硫酸ピッチ中に含まれる硫酸イオンを中和するに足る量とすることが適当である。例えば、硫酸ピッチ中に硫酸イオンが約36%含まれている場合には、硫酸ピッチ100質量部に対して40質量部以上の炭酸カルシウムを混合することが好ましく、50質量部以上混合することがより好ましく、70質量部以上添加することがさらに好ましく、80質量部添加することが最も好ましい。一方、添加すべき炭酸カルシウムの質量の上限値は、未反応の炭酸カルシウムが必要以上に増加するのを防止する観点から100質量部であることが好ましく、90質量部であることがより好ましい。
硫酸ピッチの炭酸カルシウムによる処理方法は特に限定されないが、硫酸ピッチと炭酸カルシウムとを混合することより処理することが好ましい。例えば、硫酸ピッチが液状である場合には、硫酸ピッチに炭酸カルシウムをそのまま混合することができる。その際、使用される炭酸カルシウムは、粉末状または顆粒状であることが適当である。また、硫酸ピッチの粘度が高い場合や、半固体状である場合には、炭酸カルシウムを硫酸ピッチと均一に接触させる観点から、炭酸カルシウムを水懸濁液とし、この懸濁液を硫酸ピッチに混合することが望ましい。この際、懸濁液に用いられる水は特に制限はなく、例えば、水道水、精製水、蒸留水、非イオン水などの水のほか、工業排水を用いることもできる。懸濁液の炭酸カルシウムの濃度は、処理溶液に適度の粘度を付与でき、かつ硫酸ピッチと炭酸カルシウムとが均一に混合できる程度の範囲であれば特に制限はない。炭酸カルシウム懸濁液の濃度は、例えば、5〜20質量%の範囲とすることができる。
本発明の製造方法では、上記炭酸カルシウムと並行して、あるいは炭酸カルシウムで処理した後の混合物に、炭酸水素カルシウム、炭酸バリウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウムおよび珪酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種をさらに中和補助剤として混合することができる。中でも珪酸ナトリウムは、硫酸ピッチに重金属が混入されている場合に、重金属を固定する重金属固定剤として機能し得るため中和補助剤として好ましく用いることができる。上記中和補助剤の添加量は、中和補助剤の種類や使用目的により適宜選択できるが、例えば、硫酸ピッチ100質量部に対して0.5〜1.0質量部、好ましくは0.8〜1.0質量部の範囲であることが適当である。
本発明の製造方法において、硫酸ピッチと炭酸カルシウムの混合の順序、さらに必要に応じて水や中和補助剤を混合する場合における混合の順序は特に限定されず、いずれを先に混合してもよい。例えば、硫酸ピッチ中に炭酸カルシウム(さらに中和補助剤または水)を混合する方法、炭酸カルシウム(さらに中和補助剤または水)中に硫酸ピッチを混合する方法のいずれでもよい。好ましくは、炭酸カルシウムを水に混合して懸濁液を調製し、次いでその中に硫酸ピッチを混合する方法である。
本発明の製造方法において、硫酸ピッチと炭酸カルシウム(さらには水と中和補助剤)の混合条件は特に制限はなく、例えば、通常の混合で用いられる条件をそのまま用いることができる。例えば、混合は、常温(10〜40℃)で攪拌装置(例えば100〜500rpm)を用いて行うことができる。
本発明の製造方法は、硫酸ピッチに炭酸カルシウムを添加して処理した後にあるいは処理と並行して(例えば、反応の後半に)に、さらにpH値を調整するためにアルカリを混合することもできる。本発明の製造方法では、反応が進行して硫酸ピッチ中の硫酸濃度が低下するにつれて、反応速度は低下する。このため、本発明の製造方法では、最終段階における中和反応においてアルカリを用いることができる。
混合されるアルカリは、混合したときに多量の発熱を伴わずにpH調整可能なものであれば、特に限定されない。混合するアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウムなどが挙げられ、中でも水酸化ナトリウムまたは水酸化カルシウムであることが好ましい。
これらアルカリは、水溶液として用いることが適当である。アルカリとしてアルカリ水溶液を用いる場合、アルカリ水溶液の濃度は、pH値の調整のし易さの観点から0.01〜2mol/lであることが適当であり、0.01〜1mol/lであることが好ましく、0.05〜0.1mol/lであることがさらに好ましい。アルカリ水溶液の添加量は、混合後の水溶液のpH値が中性付近を示す程度の量であることが好ましい。アルカリ水溶液を混合した後の溶液のpH値は、4〜8であることが好ましく、6〜7であることがより好ましく、6.8〜7であることがさらに好ましく、約7であることが最も好ましい。
本発明の製造方法で製造される硫酸カルシウムおよび油分の混合物は、硫酸カルシウム(2水石膏(CaSO4・2H2O))および油分を主成分とする。そのほか、硫酸カルシウムおよび油分の混合物は、Na、Al、Fe、Ti、Pb、Cu、Mn、Ag、B、Zn、Sn、Ni、Crなどの微量元素を含み得る。
硫酸カルシウムおよび油分の混合物は、発熱量が10000〜40000kJ/kgであり、特に熱源としてある程度の発熱量を確保するという観点からは、20000〜40000kJ/kgであることが好ましい。混合物の発熱量は、処理生成物である硫酸カルシウムと油分との混合物における油分の含有量と水分量によってほぼ決まる。したがって、混合物の発熱量は、硫酸ピッチに含まれる油分の量と、炭酸カルシウムとともに導入される(懸濁液として)水の量によって、適宜決定できる。
硫酸カルシウムおよび油分の混合物は、そのまま、セメント製造用の原料として、再利用できる。製造された硫酸カルシウムおよび油分の混合物は、一定以上の発熱量を有することから発熱源となり、かつ硫酸カルシウムを主成分として含むことから、カルシウム源としても利用できる。
あるいは、さらに硫酸カルシウム分と油分とに分離することもできる。分離方法は特に限定はなく、例えば、比重の差を利用する遠心分離機を用いて分離する方法、静置後に分液ロートを用いて油相(油分)と水相(硫酸カルシウム分)とに分離する方法、さらにフィルター類を用いて硫酸カルシウム分を分離する方法などを用いることができる。分離された硫酸カルシウム分は、肥料、土地改良剤として利用でき、油分は燃料としての利用が可能である。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔実施例1〕
500mlビーカー内において、水300mlに炭酸カルシウム40gを混合した後、攪拌しながら懸濁させた後、この懸濁液中に硫酸ピッチ50gを混合した。硫酸ピッチの投入と同時に液表面から炭酸ガスが発生した。硫酸ピッチは次第に水に溶解し、全体に茶褐色の油臭気を持つ水溶液となった。この時点では温度上昇は見られなかった。約30分間攪拌を継続した後、攪拌を停止し、静置したところ、液表面からガスの発生はなかった。溶液のpH値を測定したところ、約6を示していた。さらに、そのまま攪拌を継続し、1時間後の溶液のpH値は約7であった。
続いて、攪拌を停止した後、静置し、処理液を上相に油相、下相に大量の沈殿物が含まれる水相の2層に分離した。分離した処理液を濾過により固液分離し、褐色沈殿物64gを回収した。さらに、約200mlの濾液は静置して油相と水相に分離して、約2mlの油相を回収した。
500mlビーカー内において、水300mlに炭酸カルシウム40gを混合した後、攪拌しながら懸濁させた後、この懸濁液中に硫酸ピッチ50gを混合した。硫酸ピッチの投入と同時に液表面から炭酸ガスが発生した。硫酸ピッチは次第に水に溶解し、全体に茶褐色の油臭気を持つ水溶液となった。この時点では温度上昇は見られなかった。約30分間攪拌を継続した後、攪拌を停止し、静置したところ、液表面からガスの発生はなかった。溶液のpH値を測定したところ、約6を示していた。さらに、そのまま攪拌を継続し、1時間後の溶液のpH値は約7であった。
続いて、攪拌を停止した後、静置し、処理液を上相に油相、下相に大量の沈殿物が含まれる水相の2層に分離した。分離した処理液を濾過により固液分離し、褐色沈殿物64gを回収した。さらに、約200mlの濾液は静置して油相と水相に分離して、約2mlの油相を回収した。
回収した沈殿物、油相および水相をそれぞれ以下の方法により分析して成分を調べた。
(沈殿物)
X線回折による定性分析を行った。定性分析の結果、CaSO4・2H2Oの回折線とCaCO3の回折線が混在し、沈殿物がCaSO4・2H2OとCaCO3の混合物であることが分かった。
(水相)
原子吸光分析を用いて水相に含まれるイオン分析を行った。各種重金属の検量線を作成し、分離した水相をそのまま分析した。分析の結果、Feイオン12.6ppm、Znイオン0.36ppmが検出された。なお、Niイオン、Pbイオンは検出されなかった。
(油相)
薄くブラウンに着色しているものの、透明感があった。常温での揮発性は示さなかった。また、粘性も高くなかった。
(沈殿物)
X線回折による定性分析を行った。定性分析の結果、CaSO4・2H2Oの回折線とCaCO3の回折線が混在し、沈殿物がCaSO4・2H2OとCaCO3の混合物であることが分かった。
(水相)
原子吸光分析を用いて水相に含まれるイオン分析を行った。各種重金属の検量線を作成し、分離した水相をそのまま分析した。分析の結果、Feイオン12.6ppm、Znイオン0.36ppmが検出された。なお、Niイオン、Pbイオンは検出されなかった。
(油相)
薄くブラウンに着色しているものの、透明感があった。常温での揮発性は示さなかった。また、粘性も高くなかった。
〔実施例2〕
硫酸ピッチと炭酸カルシウムと水との混合を、先ず硫酸ピッチを水に混合し、攪拌した状態で、炭酸カルシウム粉末を混合したことを除き、実施例1と同様の方法により硫酸ピッチを処理した。実施例1と同様、硫酸ピッチの処理中の発熱はなく、また亜硫酸ガスの発生もなかった。また、回収された沈殿物、水相および油相からは実施例1と同様の物質が検出された。
硫酸ピッチと炭酸カルシウムと水との混合を、先ず硫酸ピッチを水に混合し、攪拌した状態で、炭酸カルシウム粉末を混合したことを除き、実施例1と同様の方法により硫酸ピッチを処理した。実施例1と同様、硫酸ピッチの処理中の発熱はなく、また亜硫酸ガスの発生もなかった。また、回収された沈殿物、水相および油相からは実施例1と同様の物質が検出された。
〔実施例3〕
硫酸ピッチと炭酸カルシウムと水とを混合した後、0.1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を約10ml添加してpHを7に調整したことを除き、実施例1と同様の方法により硫酸ピッチを処理した。実施例1と同様、硫酸ピッチの処理中の発熱はなく、また亜硫酸ガスの発生もなかった。また、処理後の沈殿物の回収量は、実施例1よりもやや多めであった。回収された沈殿物、水相および油相からは実施例1と同様の物質が検出された。
硫酸ピッチと炭酸カルシウムと水とを混合した後、0.1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を約10ml添加してpHを7に調整したことを除き、実施例1と同様の方法により硫酸ピッチを処理した。実施例1と同様、硫酸ピッチの処理中の発熱はなく、また亜硫酸ガスの発生もなかった。また、処理後の沈殿物の回収量は、実施例1よりもやや多めであった。回収された沈殿物、水相および油相からは実施例1と同様の物質が検出された。
〔実施例4〕
硫酸ピッチに含まれる液体部分を傾斜濾過により分離して、炭酸カルシウム懸濁水溶液に混合して処理した。実施例1と同様に二酸化炭素ガスの発生があり、反応完了後の液底にはCaSO4・2H2OとCaCO3の混合物が得られた。なお、炭酸カルシウム懸濁水溶液を混合する前においては、亜硫酸ガス臭があったが、炭酸カルシウム懸濁水溶液を混合した時点から消失し、操作中も亜硫酸ガス臭はなかった。
硫酸ピッチに含まれる液体部分を傾斜濾過により分離して、炭酸カルシウム懸濁水溶液に混合して処理した。実施例1と同様に二酸化炭素ガスの発生があり、反応完了後の液底にはCaSO4・2H2OとCaCO3の混合物が得られた。なお、炭酸カルシウム懸濁水溶液を混合する前においては、亜硫酸ガス臭があったが、炭酸カルシウム懸濁水溶液を混合した時点から消失し、操作中も亜硫酸ガス臭はなかった。
〔実施例5〕
500mlビーカー内に灯油等の不正軽油処理の副産物である比較的粘度の低い液状の硫酸ピッチ30gを入れ、さらに炭酸カルシウム20gを混合し、室温でマグネチックスターラーを用いて約1時間攪拌した。攪拌中、温度上昇は見られなかった。また、炭酸カルシウムを添加した初期の段階では若干の炭酸ガスの発生が認められたが、その後はガスの発生が少なくなり、約20分で完全に終了した。続いて、反応終了後、攪拌を停止して処理液を濾過により油相と固相とに分離した。油相は、亜硫酸臭がなく、約26g回収できた。一方、固相は、白色粉末であり、亜硫酸臭はなく、24g回収できた。
回収した固相を分析したところ、CaCO3とCaSO4・H2O、CaSO4・1/2H2Oの回折線がそれぞれ検出された。
500mlビーカー内に灯油等の不正軽油処理の副産物である比較的粘度の低い液状の硫酸ピッチ30gを入れ、さらに炭酸カルシウム20gを混合し、室温でマグネチックスターラーを用いて約1時間攪拌した。攪拌中、温度上昇は見られなかった。また、炭酸カルシウムを添加した初期の段階では若干の炭酸ガスの発生が認められたが、その後はガスの発生が少なくなり、約20分で完全に終了した。続いて、反応終了後、攪拌を停止して処理液を濾過により油相と固相とに分離した。油相は、亜硫酸臭がなく、約26g回収できた。一方、固相は、白色粉末であり、亜硫酸臭はなく、24g回収できた。
回収した固相を分析したところ、CaCO3とCaSO4・H2O、CaSO4・1/2H2Oの回折線がそれぞれ検出された。
〔実施例6〕
実施例5で用いたのと同じ硫酸ピッチ30gに炭酸カルシウム20gを混合し、さらに水5mlを混合して室温でマグネチックスターラーを用いて約1時間攪拌した。水を混合すると同時に炭酸ガスが発生され、約10分でガスの発生は終了した。続いて、反応終了後、攪拌を停止して処理液を濾過により油相と固相とに分離した。油相は、亜硫酸臭がなく、約26g回収できた。一方、固相は、白色粉末であり、亜硫酸臭はなく、29g回収できた。
回収した固相を分析したところ、CaCO3の他にCaSO4・2H2O、CaSO4・H2O、CaSO4・1/2H2Oの回折線がそれぞれ検出された。
実施例5で用いたのと同じ硫酸ピッチ30gに炭酸カルシウム20gを混合し、さらに水5mlを混合して室温でマグネチックスターラーを用いて約1時間攪拌した。水を混合すると同時に炭酸ガスが発生され、約10分でガスの発生は終了した。続いて、反応終了後、攪拌を停止して処理液を濾過により油相と固相とに分離した。油相は、亜硫酸臭がなく、約26g回収できた。一方、固相は、白色粉末であり、亜硫酸臭はなく、29g回収できた。
回収した固相を分析したところ、CaCO3の他にCaSO4・2H2O、CaSO4・H2O、CaSO4・1/2H2Oの回折線がそれぞれ検出された。
従来の硫酸ピッチの処理方法と比較するため、炭酸カルシウムの替わりに生石灰(CaO)および消石灰(Ca(OH)2)を用いて、実施例1と同様の試験を行った。
〔比較例1〕
硫酸ピッチ50gを秤量し、300mlのビーカーに入れ、この中に300mlの水に拡散させた生石灰(CaO)20gを攪拌しながら混合した。攪拌後、約10分後に溶液が発熱し始め、粘性の高い硫酸ピッチは溶解して反応が促進した。攪拌中、亜硫酸ガス臭が感じられたが、反応の促進と共にその臭気は徐々に消失した。30分間攪拌を継続した後、攪拌を停止し、静置した。この時点で、温度を測定したところ、反応開始時に21℃であったものが52℃まで上昇していた。また、反応溶液は縣濁しており、沈殿相を明確に区別できなかった。
1時間放置した後、吸引濾過によって沈殿物(未乾燥で60g)を濾別した。沈殿物は結晶粒子が小さく、濾別に約1時間を要した。また水相は約200mlであり、油相は約2ml回収された。茶褐色の沈殿物をX線回折で分析したところ、CaSO4・2H2OとCa(OH)2の混合物であった。
〔比較例1〕
硫酸ピッチ50gを秤量し、300mlのビーカーに入れ、この中に300mlの水に拡散させた生石灰(CaO)20gを攪拌しながら混合した。攪拌後、約10分後に溶液が発熱し始め、粘性の高い硫酸ピッチは溶解して反応が促進した。攪拌中、亜硫酸ガス臭が感じられたが、反応の促進と共にその臭気は徐々に消失した。30分間攪拌を継続した後、攪拌を停止し、静置した。この時点で、温度を測定したところ、反応開始時に21℃であったものが52℃まで上昇していた。また、反応溶液は縣濁しており、沈殿相を明確に区別できなかった。
1時間放置した後、吸引濾過によって沈殿物(未乾燥で60g)を濾別した。沈殿物は結晶粒子が小さく、濾別に約1時間を要した。また水相は約200mlであり、油相は約2ml回収された。茶褐色の沈殿物をX線回折で分析したところ、CaSO4・2H2OとCa(OH)2の混合物であった。
〔比較例2〕
消石灰Ca(OH)220gを使用したことを除き、比較例1と同様の方法により硫酸ピッチを処理した。結果は比較例1とほぼ同じであり、熱の発生(中和熱)が認められ、30分後の液温は40℃(開始時21℃)であり、攪拌中に亜硫酸ガス臭が感じられた。また、回収された沈殿物は、X線回折よりCaSO4・2H2OとCa(OH)2の混合物であり、水相および油相も比較例1とほぼ同様の結果が得られた。
消石灰Ca(OH)220gを使用したことを除き、比較例1と同様の方法により硫酸ピッチを処理した。結果は比較例1とほぼ同じであり、熱の発生(中和熱)が認められ、30分後の液温は40℃(開始時21℃)であり、攪拌中に亜硫酸ガス臭が感じられた。また、回収された沈殿物は、X線回折よりCaSO4・2H2OとCa(OH)2の混合物であり、水相および油相も比較例1とほぼ同様の結果が得られた。
実施例1〜4並びに比較例1および2より、硫酸ピッチの処理に炭酸カルシウムと水を用いた場合(実施例1〜4および6)、発熱を伴わず、かつ亜硫酸ガス臭はほとんど発生しないことが分かる。さらに、硫酸ピッチの処理に水を使用せず炭酸カルシウムだけで処理した場合(実施例5)であっても、水を使用した場合と同様に、発熱を伴わず、かつ亜硫酸ガス臭はほとんど発生しなかった。さらに、処理により生じた沈殿物は分離が簡単であり、迅速な回収が可能であることが分かる。
これに対し、生石灰(比較例1)または消石灰(比較例2)と水を用いた場合、いずれも多量の発熱を伴い、また攪拌中に亜硫酸ガス臭が発生することが分かる。さらに、比較例1および2で生じた沈殿物は、結晶の粒子径が小さく、分離に時間を要するため、迅速な回収が困難であることが分かる。
これに対し、生石灰(比較例1)または消石灰(比較例2)と水を用いた場合、いずれも多量の発熱を伴い、また攪拌中に亜硫酸ガス臭が発生することが分かる。さらに、比較例1および2で生じた沈殿物は、結晶の粒子径が小さく、分離に時間を要するため、迅速な回収が困難であることが分かる。
本発明の製造方法は、発熱反応を伴わないため、有毒な亜硫酸ガスの発生がなく、比較的安価な炭酸カルシウムを用いた硫酸カルシウムおよび油分の混合物の製造方法として最適であり、廉価な装置を用いて前記化合物が得られる。また、硫酸カルシウムおよび油分の混合物は、セメント材料、肥料、土地改良剤、燃料として利用可能である。
Claims (7)
- 硫酸ピッチを炭酸カルシウムで処理することを特徴とする、硫酸カルシウムおよび油分の混合物の製造方法。
- 前記炭酸カルシウムとして水懸濁液を用い、かつ前記混合物が水をさらに含有する請求項1に記載の製造方法。
- 硫酸ピッチ100質量部に対して50〜100質量部の炭酸カルシウムを用いる請求項1または2に記載の製造方法。
- 炭酸カルシウムでの処理後または処理と並行して、アルカリを混合して前記混合物のpH値を4〜8に調整する請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 炭酸カルシウムでの処理後または処理と並行して、炭酸水素カルシウム、炭酸バリウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウムおよび珪酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物をさらに混合して、前記混合物を得る請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記混合物の発熱量が10000〜40000kJ/kgである請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記混合物が発熱源およびセメント原料として用いられる請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
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