JP2005191439A - 電気化学デバイス及び電気化学デバイスモジュール - Google Patents

電気化学デバイス及び電気化学デバイスモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 構成の複雑化を招くことなく、小型化が容易に可能であり、2以上の電気化学デバイスを直列に接続して使用する場合に、各電気化学デバイスにおける漏れ電流のばらつきを十分に低減し、安定した充放電特性を維持することが可能な電気化学デバイスを提供すること。
【解決手段】 アノード10及びカソード20を有する素体60と、電解質と、外装体50と、を備え、外装体50は、上蓋52と、下蓋54と、ガスケット56と、を有し、上蓋52、下蓋54及びガスケット56は、素体60を収容する空間を画成するように配置され、上蓋52とアノード10とが電気的に接触し、且つ、下蓋54とカソード20とが電気的に接触しており、ガスケット56は、抵抗値が1×10〜1×10Ωの抵抗体であること、を特徴とする電気化学デバイス。
【選択図】 図1

Description

本発明は電気化学デバイス及び電気化学デバイスモジュールに関し、より詳しくは、電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタ、及び、リチウムイオン2次電池をはじめとする電池を含む電気化学デバイス、並びに、電気化学デバイスからなる電気化学デバイスモジュールに関する。
電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタ、及び、リチウムイオン2次電池をはじめとする電池は、容易に小型化(薄型化)、軽量化が可能な電気化学デバイスであるため、例えば、携帯機器(小型電子機器)等の電源或いはバックアップ用電源、電気自動車又はハイブリッド車向けの補助電源として期待されている。
この電気化学デバイスは、それ自体を単独で用いることも可能であるが、電子機器の電源として要求される特性を満足させるために、2以上の電気化学デバイスを直列に接続して用いることを必要とする場合がある。その際、例えば2以上の電気化学デバイスを重ねて集合化した構成の電気化学デバイスモジュールとして使用される場合がある。
このように2以上の電気化学デバイスを直列に接続して使用する場合には、特に各電気化学デバイスにおける漏れ電流のばらつきを考慮する必要があった。この漏れ電流は、主に電気化学デバイスの絶縁抵抗に起因して流れるものであり、各電気化学デバイス間で大きなばらつきが生じる場合がある。ここで、例えば2つの電気化学デバイスを直列に接続して定電圧充電を行う際に、一方の電気化学デバイス(以下、「デバイスA」という)の漏れ電流が他方の電気化学デバイス(以下、「デバイスB」という)の漏れ電流よりも極端に大きい場合、デバイスAはデバイスBよりも早く放電していくことになる。定電圧充電であるためデバイスAが放電して電圧が下がった分、充電電流が増えるが、デバイスBはデバイスAほど放電していないため、デバイスBは必要以上に充電されることになる。この状態が続くとデバイスBは過充電となり、例えば電解質溶液が分解してガスが発生し、充放電特性の劣化が生じたり、最悪の場合は電気化学デバイスとしての機能を失うことになる。
このような問題が生じることを防止するため、電気化学デバイスを直列に接続して使用する場合、各電気化学デバイスに並列に抵抗体を接続する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これにより、直列に接続した各電気化学デバイスにおける漏れ電流のばらつきの低減が図られている。
特開昭54−127561号公報 特開2002−151355号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載されているように、各電気化学デバイスに並列に抵抗体を接続する場合には、この抵抗体を電気化学デバイスを構成する部品とは別に用意する必要が生じるため、部品点数が多くなり電気化学デバイスの構成が複雑化するという問題があった。また、抵抗体を電気化学デバイスに取り付ける工程が必要となるため、作業が煩雑であるという問題があった。更に、抵抗体を各電気化学デバイスに取り付けると、この抵抗体を取り付けるスペースの分だけ電気化学デバイスが従来のものよりも大型化してしまい、電気化学デバイスの小型化の妨げとなるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、構成の複雑化を招くことなく、小型化が容易に可能であり、2以上の電気化学デバイスを直列に接続して使用する場合に、各電気化学デバイスにおける漏れ電流のばらつきを十分に低減し、安定した充放電特性を維持することが可能な電気化学デバイスを提供することを目的とする。また、本発明は、構成の複雑化を招くことなく、小型化が容易に可能であり、充放電特性を安定して維持することが可能な電気化学デバイスモジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、外装体を構成する外部出力端子を兼ねた2つの蓋体(第1の蓋体及び第2の蓋体)の間に配置されるガスケットとして、所定の抵抗値を有する抵抗体を用いることによって、上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第1の電極及び第2の電極を有する素体と、電解質と、素体及び電解質を密閉した状態で収容する外装体と、を少なくとも備えており、外装体は、互いに対向する金属製の第1の蓋体及び金属製の第2の蓋体と、第1の蓋体と第2の蓋体との間に配置されるガスケットと、を有しており、第1の蓋体、第2の蓋体及びガスケットは、素体を収容する空間を画成するように配置されており、第1の蓋体と第1の電極とが電気的に接触し、且つ、第2の蓋体と第2の電極とが電気的に接触しており、ガスケットは、抵抗値が1×10〜1×10Ωの抵抗体であること、を特徴とする電気化学デバイスを提供する。
従来の電気化学デバイスにおいては、特に蓄電用途の場合、長期間に亘って電力を蓄えておく必要があることから、未使用時の電力消費を低減するために、ガスケットとしては十分な電気絶縁性を有する樹脂からなるものが使用されている。そのため、従来の電気絶縁性のガスケットに導電性を付与することは、漏れ電流の増大、ひいては電力消費の増大につながるため好ましいものではないと考えられていた。これに対して、本発明者らは、電気絶縁性であることが必要とされていたガスケットに導電性を付与し、上記範囲の抵抗値を有する抵抗体とすることにより、電気化学デバイスを直列に接続して使用する場合の各電気化学デバイスにおける漏れ電流のばらつきを十分に低減することができ、且つ、未使用時及び使用時の電力消費の増加を十分に抑制することができることを見出した。また、このときの電力消費の増加は、特に電気化学デバイスを頻繁に使用する用途においては、実用上殆ど問題にならないことを本発明者らは見出した。
ここで、ガスケットが上記抵抗体であると、直列に接続された各電気化学デバイスに含まれる等価回路的な絶縁抵抗がばらついている場合であっても、ガスケットの抵抗値が絶縁抵抗よりも十分に小さな値であるため、全体としての抵抗値はガスケットの抵抗値に大きく依存することとなり、平準化されることとなる。そのため、抵抗値に起因して流れる漏れ電流も平準化され、上述したように、各電気化学デバイスにおける漏れ電流のばらつきが十分に低減されることとなる。
そして、ガスケットとして上記範囲の抵抗値を有する抵抗体を用いた本発明の電気化学デバイスによれば、この電気化学デバイスを2以上直列に接続して使用する場合に、上述したように各電気化学デバイスにおける漏れ電流のばらつきを低減することができ、直列に接続した状態で充電を行う際に、いずれかの電気化学デバイスが過充電されることを十分に防止することができ、それによって、安定した充放電特性を維持することが可能となる。
また、上記電気化学デバイスは、従来の電気化学デバイスを構成する部品となるガスケットを上記範囲の抵抗値を有する抵抗体としたものであるため、従来のものから部品点数は増加せず、構成の複雑化が生じないという利点がある。また、これにより、本発明の電気化学デバイスは、小型化が容易に可能なものとなる。更に、上記抵抗体であるガスケットは、従来通りの電気化学デバイスの製造工程において取り付けられるため、新たに抵抗体を取り付ける工程が不要であるという利点がある。そして、これらのことから、電気化学デバイスの製造コストの上昇を抑制することができる。
また、本発明の電気化学デバイスにおいて、ガスケットは、樹脂と導電性粒子とを含むものであることが好ましい。
上記導電性粒子をガスケットに含有させることにより、ガスケットの抵抗値を容易に調節することができ、ガスケットを上述した範囲の抵抗値を有する抵抗体として容易に形成することができる。これにより、電気化学デバイスを2以上直列に接続して使用する場合に、各電気化学デバイスの漏れ電流のばらつきを十分に低減することができ、直列に接続した状態で充電を行う際に、いずれかの電気化学デバイスが過充電されることを十分に防止することができ、それによって、安定した充放電特性を維持することが可能となる。
また、本発明は、互いに対向する第1の電極及び第2の電極、並びに、第1の電極と第2の電極との間に配置されるセパレータをそれぞれ1つ有する素体と、電解質と、素体及び電解質を密閉した状態で収容する外装体と、を少なくとも備える電気化学デバイスを2以上直列に接続した構成を有しており、外装体は、互いに対向する金属製の第1の蓋体及び金属製の第2の蓋体と、第1の蓋体と第2の蓋体との間に配置されるガスケットと、を有しており、第1の蓋体、第2の蓋体及びガスケットは、素体を収容する空間を画成するように配置されており、第1の蓋体と第1の電極とが電気的に接触し、且つ、第2の蓋体と第2の電極とが電気的に接触しており、ガスケットは、2以上の電気化学デバイスにおける漏れ電流を平準化するために必要な抵抗値を有する抵抗体であること、を特徴とする電気化学デバイスモジュールを提供する。
かかる電気化学デバイスモジュールであれば、各電気化学デバイスの外装体を構成するガスケットとして、上述した抵抗値を有する抵抗体を使用しているため、各電気化学デバイスにおける漏れ電流が平準化され、ばらつきが低減された状態となっている。これにより、電気化学デバイスモジュールの充電を行う際に、いずれかの電気化学デバイスが過充電されることを十分に防止することができ、安定した充放電特性を維持することが可能となる。
また、上記電気化学デバイスモジュールにおいては、従来の電気化学デバイスを構成する部品となるガスケットを上述した抵抗値を有する抵抗体とし、この電気化学デバイスを2以上直列に接続したものであるため、従来のものから部品点数は増加せず、構成の複雑化が生じないという利点がある。また、これにより、本発明の電気化学デバイスモジュールは、小型化が容易に可能なものとなる。更に、上記抵抗体であるガスケットは、従来通りの電気化学デバイスの製造工程において取り付けられるため、新たに抵抗体を取り付ける工程が不要であるという利点がある。そして、これらのことから、電気化学デバイスモジュールの製造コストの上昇を抑制することができる。
また、上記電気化学デバイスモジュールにおいて、ガスケットは、抵抗値が1×10〜1×10Ωの抵抗体であることが好ましい。
上記電気化学デバイスモジュールにおいて、上記範囲の抵抗値を有する抵抗体をガスケットとして用いることにより、上述した2以上の電気化学デバイスにおける漏れ電流の平準化を容易に行うことができ、それにより、電気化学デバイスの過充電を十分に防止し、安定した充放電特性を維持することが可能となる。
更に、上記電気化学デバイスモジュールにおいて、ガスケットは、樹脂と導電性粒子とを含むものであることが好ましい。
上記導電性粒子をガスケットに含有させることにより、ガスケットの抵抗値を容易に調節することができ、ガスケットを上述した抵抗値を有する抵抗体として容易に形成することができる。これにより、電気化学デバイスモジュールの各電気化学デバイスにおける漏れ電流のバラツキを容易に低減することができ、電気化学デバイスの過充電を十分に防止し、安定した充放電特性を維持することが可能となる。
本発明によれば、構成の複雑化を招くことなく、小型化が容易に可能であり、2以上の電気化学デバイスを直列に接続して使用する場合に、各電気化学デバイスにおける漏れ電流のばらつきを十分に低減し、安定した充放電特性を維持することが可能な電気化学デバイスを提供することができる。また、本発明によれば、構成の複雑化を招くことなく、小型化が容易に可能であり、安定した充放電特性を維持することが可能な電気化学デバイスモジュールを提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の電気化学デバイスをその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[電気化学デバイス]
(第1実施形態)
図1は、本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態(電気二重層キャパシタ1)を示す模式断面図である。
図1に示すように、電気二重層キャパシタ1は、アノード集電体12、アノード10(第1の電極)、セパレータ40、カソード20(第2の電極)及びカソード集電体14がこの順に順次積層された素体60と、アノード10、カソード20及びセパレータ40内に含有された液状の電解質(図示せず)と、この素体60を密閉した状態で収容する外装体50とで構成されている。また、外装体50は、互いに対向する金属製の上蓋52(第1の蓋体)及び金属製の下蓋54(第2の蓋体)と、上蓋52と下蓋54との間に配置されるガスケット56とで構成されている。ここで、上蓋52、下蓋54及びガスケット56は、素体60を収容する空間を画成するように配置されており、上蓋52とアノード10とがアノード集電体12を介して電気的に接触し、且つ、下蓋54とカソード20とがカソード集電体14を介して電気的に接触した状態となっている。そして、上蓋52及び下蓋54は、外部出力端子を兼ねたものとなっている。
下蓋54は、下端が閉じられ上端が開放された円筒状の円筒部54aと、この円筒部54aの上端部から外側に突出するように円環状に形成された鍔部54b(端部)とを有している。また、下蓋54の円筒部54aの底部はカソード集電体14と接している。
上蓋52は、下蓋54の開口部を覆うとともにアノード集電体12と接する板状の中央部52aと、この中央部52aの周縁に沿って設けられ、下蓋54の鍔部54bを上下方向から挟みつけてかしめるカシメ部(端部)52bとを有している。
詳しくは、上蓋52のカシメ部52bは、下蓋54の鍔部54bとの間にガスケット56を介在させつつ、下蓋54の鍔部54bの図示上面に沿って外側に延び、鍔部54bの外側端で下方に折り曲げられ、さらに、鍔部54bの下面に沿って内側に延びている。そして、このカシメ部52bは、鍔部54bとの間にガスケット56を介在させつつ、鍔部54bを上下から挟み込むように鍔部54bに対してかしめられている。このようにして、素体60が、上蓋52と下蓋54とガスケット56とにより形成される外装体50の内部に密閉されている。
そして、上蓋52の中央部52aが、アノード集電体12を介してアノード10と電気的に接続されることにより、上蓋52は、電気二重層キャパシタ1のアノードとして機能する。また、下蓋54の円筒部54aの底部が、カソード集電体14を介してカソード20と電気的に接続されることにより、下蓋54は、電気二重層キャパシタ1のカソードとして機能する。
そして、本実施形態においては、上蓋52のカシメ部52bと、下蓋54の鍔部54bとが、ガスケット56によって接着されている。
次に、上記電気二重層キャパシタ1を構成する各部材について詳細に説明する。
素体60及び電解質溶液を密閉した状態で収容する外装体50は、上述したように上蓋52、下蓋54及びガスケット56から構成されている。
ガスケット56は、金属と接着する樹脂を含むものが利用できるが、特に、本実施形態におけるガスケット56は、抵抗値が1×10〜1×10Ωの抵抗体となっている。このようなガスケット56としては、抵抗値が上記範囲となるものであれば特に限定されないが、樹脂と導電性粒子とを含むものを使用することが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、酸変性ポリエチレン、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。また、導電性粒子としては、電子伝導性を有する粒状又は繊維状の材料が挙げられ、その材質としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、銀等の金属、並びに、カーボン等が挙げられる。より具体的には、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、粉末黒鉛等が挙げられる。
ガスケット56として上記範囲の抵抗値を有する抵抗体を使用することにより、電気二重層キャパシタ1は、2以上の電気二重層キャパシタ1を直列に接続した場合の各電気二重層キャパシタ1における漏れ電流のばらつきを十分に低減することができる。そして、2以上の電気二重層キャパシタ1を直列に接続した状態で充電を行う際に、いずれかの電気二重層キャパシタ1が過充電されることを十分に防止することができ、それによって、安定した充放電特性を維持することが可能となる。
ここで、ガスケット56の抵抗値が1×10Ω未満であると、電気二重層キャパシタ1における漏れ電流が大きくなり過ぎ、未使用時及び使用時の電力消費が増大するため実用的ではない。一方、抵抗値が1×10Ωを超えると、2以上の電気二重層キャパシタ1を直列に接続した場合の各電気二重層キャパシタ1における漏れ電流のばらつきを低減する効果が十分に得られない。すなわち、ガスケット56の抵抗値が1×10〜1×10Ωであることにより、2以上の電気二重層キャパシタ1を直列に接続した場合の各電気二重層キャパシタ1における漏れ電流のばらつきを十分に低減することができ、且つ、未使用時及び使用時の電力消費を十分に抑制することができる。なお、電気二重層キャパシタ1の漏れ電流は使用する材料(電気二重層キャパシタ1を構成する各部材)により大きく異なるため、上記の範囲内で適当な抵抗値を選ぶことが必要である。
また、上述した本発明の効果をより十分に得る観点から、ガスケット56の抵抗値の範囲の上限値は、1×10Ωであることが好ましく、下限値は、1×10Ωであることが好ましい。
更に、ガスケット56を樹脂と導電性粒子とで構成する場合、樹脂に対する導電性粒子の配合量は、ガスケット56の抵抗値を上記範囲とすることが可能な範囲の量に適宜調節されるが、樹脂100質量部に対して3〜20質量部とすることが好ましい。
また、外装体50を構成する上蓋52及び下蓋54は、金属製のものであって電荷の移動を十分に行うことができる良導体であれば特に限定されないが、例えば、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、銅箔、チタン箔等が使用される。
素体60は、アノード集電体12、アノード10(第1の電極)、セパレータ40、カソード20(第2の電極)及びカソード集電体14がこの順に順次積層された構成を有している。
なお、本発明の電気化学デバイスの説明で使用する「アノード」及び「カソード」は、説明の便宜上、電気化学デバイスの放電時の極性を基準に決定したものである。
素体60を構成するアノード10及びカソード20は、電子伝導性の多孔体粒子を含む多孔体層からなるものである。
多孔体層の構成材料としては特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられている炭素電極等の分極性電極を構成する多孔体層に使用されているものと同様の材料を使用することができる。例えば、原料炭(例えは、石油系重質油の流動接触分解装置のボトム油や減圧蒸留装置の残さ油を原料油とするディレードコーカーより製造された石油コークス等)を賦活処理することにより得られる炭素材料(例えば、活性炭)を構成材料の主成分としているものを使用することができる。その他の条件(バインダー等の炭素材料以外の構成材料の種類とその含有量)は特に限定されるものではない。例えば、炭素粉末に導電性を付与するための導電助剤(カーボンブラック等)と、例えばバインダー(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)とが添加されていてもよい。
ここで、上記導電助剤としては、カーボンブラックの他、粉末グラファイト等を用いることができ、上記結着剤としては、PTFEの他、PVDF、PE、PP、フッ素ゴム等を使用することができる。
素体60を構成するアノード集電体12及びカソード集電体14は、アノード10及びカソード20への電荷の移動を十分に行うことができる良導体であれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられている集電体を使用することができる。例えば、アルミニウム等の金属箔等が挙げられ、金属箔としては、エッチング加工されたものや圧延加工されたもの等が特に制限なく使用可能である。
アノード10とカソード20との間に配置されるセパレータ40は、絶縁性の多孔体から形成されていれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられているセパレータを使用することができる。この絶縁性の多孔体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィン等の樹脂からなるフィルムの積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布等が挙げられる。
素体60は、上述したアノード集電体12、アノード10、セパレータ40、カソード20及びカソード集電体14をこの順に順次積層してなるものであり、アノード集電体12、アノード10、カソード20及びカソード集電体14のそれぞれの側端面は、同一の垂直面上に揃うように形成されていることが好ましい。また、この側端面に対してセパレータ40の側端面が外側に突出するように形成されていることが好ましい。
電解質溶液(図示せず)は、アノード10、カソード20及びセパレータ40の内部に含有されており、更に外装体50の内部空間に充填されていてもよい。
この電解質溶液は特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられている電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、キャパシタの耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。
更に、電解質溶液の種類は特に限定されないが、一般的には溶質の溶解度、解離度、液の粘性を考慮して選択され、高導電率でかつ高電位窓(分解開始電圧が高い)の電解質溶液であることが望ましい。例えば、代表的な例としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトのような4級アンモニウム塩を、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネイト、アセトニトリルなどの有機溶媒に溶解したものが使用される。なお、この場合、混入水分を厳重に管理する必要がある。
ここで、本発明において、電解質溶液は液状の状態以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、液状の電解質に代えて、固体高分子電解質等の固体電解質を使用してもよい。
次に、上述した電気二重層キャパシタ1の製造方法の一例について説明する。
素体60の製造方法は特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタ1の製造に採用されている公知の薄膜製造技術を用いることができる。
具体的には、まず賦活処理済みの活性炭等の炭素材料、導電性を付与するための導電助剤(カーボンブラック等)、結着剤(PTFE等)等のアノード10及びカソード20となる多孔体層を形成するための構成材料を、上記結着剤を溶解又は分散可能な溶媒(MIBK等)中に投入して混合することにより、多孔体層形成用塗布液を調製する。
次に、アノード集電体12上に多孔体層形成用塗布液を塗布し、乾燥させてアノード10を形成する。このとき、圧延ロールを用いてアノード集電体12と乾燥後のアノード10をプレスしてもよい。また、同様の手順でカソード集電体14上にカソード20を形成する。
次に、アノード集電体12上に形成されたアノード10と、カソード集電体14上に形成されたカソード20との間にセパレータ40を接触した状態(非接着状態)で配置し、積層体を形成する。
ここで、上記積層体は、アノード10及びカソード20となる電極(多孔体層)が炭素電極(分極性電極)の場合、例えば、公知の方法により賦活処理済みの活性炭等の炭素材料を用いてシート状の電極(アノード10及びカソード20)を作製することもできる。この場合、例えば、炭素材料を5〜100μm程度に粉砕し粒度を整えた後、例えば炭素粉末に導電性を付与するための導電助剤(カーボンブラック等)と、例えば結着剤(PTFE等)とを添加して混練し、混練物を圧延伸してシート状に成形して製造することができる。
そして、セパレータ40をアノード10とカソード20との間に接触した状態(非接着状態)で配置するとともに、アノード集電体12、アノード10、セパレータ40、カソード20及びカソード集電体14をこの順に配置して積層体を形成する。
次に、上記のようにして形成した積層体に対して、以下の熱処理及び加圧処理を施すことにより、素体60を完成する。この熱処理及び加圧処理について、図2に基づいて説明する。図2(a)〜(c)は、熱処理及び加圧処理を行う手段(ホットプレス)を使用して熱処理及び加圧処理を行う手順の一例を示す説明図である。
まず、図2(a)に示すように、一対の加熱部材である板状の金型91及び板状の金型92の間に上記の積層体61を配置する。金型91の積層体61に接する面(加熱する面)及び金型92の積層体61に接する面(加熱する面)は、ともに積層体61の大きさ以上に設定されている。
次に、図2(b)に示すように、金型91と金型92とで積層体61を挟持するようにして、積層体61を押圧しつつ加熱して熱処理及び加圧処理を行う。ここで、熱処理の温度は、セパレータが軟化しない温度とし、例えば、150〜250℃とすることが好ましい。また、圧力は20〜100kg/cmとすることが好ましい。これにより、アノード集電体12、アノード10、セパレータ40、カソード20及びカソード集電体14が一体化された状態の積層体である素体60を得ることができる。
上記のようにして素体60を形成した後、この素体60を電解質溶液中に浸漬し、減圧することでアノード10、カソード20及びセパレータ40の空孔内に電解質溶液を含浸させる。
次に、素体60と素体60内に含有された電解質溶液とを、以下の手順で外装体50内に密閉した状態で収容する。
まず、金属箔を成形して鍔部54b付きの円筒状の下蓋54と、平板状の上蓋52dとを用意する。次に、電解質溶液を含有した状態の素体60を下蓋54内に収容し、下蓋54の鍔部54b上に、上述した所定の抵抗値を有するガスケット56を介在させて、下蓋56の開口を上蓋52dで覆う(図3(a)参照)。
次に、上蓋52dの端部52eを下方に折り曲げて下蓋54の鍔部54bを上下から挟み込み、端部52eを鍔部54bに対してかしめてカシメ部52bを形成し、電解質溶液を含有した状態の素体60を密封する(図3(b)参照)。
次に、カシメ部52bを外部から加熱して、ガスケット56を溶融させ、上蓋52と下蓋54とをガスケット56で接着する。これによって、図1に示すような電気二重層キャパシタ1が完成する。
(第2実施形態)
図4は、本発明の電気化学デバイスの他の好適な一実施形態(電気二重層キャパシタ2)を示す模式断面図である。
図4に示す電気二重層キャパシタ2が、図1に示す電気二重層キャパシタ1と異なる点は、上蓋52を下蓋54に対してかしめることなく、ガスケット56によって平板状の上蓋52と下蓋54とが接着されている点である。この場合、上蓋52及び下蓋54は、その端部をかしめることなく平板状の形状のまま使用することができるため、電気二重層キャパシタ1における上蓋52及び下蓋54よりも要求される強度が低く、厚みを薄くすることができる。そのため、電気二重層キャパシタ2は電気二重層キャパシタ1よりも小型化(薄型化)が容易に図れるという利点がある。
また、このような構成を有する電気二重層キャパシタ2は、例えば以下のようにして製造される。
まず、先に説明した方法と同様の方法で、電解質溶液を含有した状態の素体60を作製する。
次に、この電解質溶液を含有した状態の素体60を、上蓋52、下蓋54及びガスケット56により画成された空間内に収容し、その後、図2に示した熱処理及び加圧処理を施す手段(ホットプレス)を使用して、上蓋52及び下蓋54とガスケット56とを熱接着する。ここで、熱処理の温度は、ガスケット56と上蓋52及び下蓋54とを熱接着することが可能であり、且つ、熱により素体60を劣化させない範囲の温度とし、例えば、170〜200℃とすることが好ましい。また、圧力は、素体60に過剰な圧力が加わることにより素体60の損傷が生じない範囲とし、1〜10kg/cmとすることが好ましい。これによって、図4に示すような電気二重層キャパシタ2が完成する。
[電気化学デバイスモジュール]
図5は、本発明の電気化学デバイスモジュールの好適な一実施形態(電気二重層キャパシタモジュール100)を示す模式断面図である。
図5に示すように、電気二重層キャパシタモジュール100は、図4に示した構成を有する電気二重層キャパシタ2Aを2以上直列に接続し、これを所定のケース9内に密閉した状態で保持させた(パッケージ化した)ものである。
ここで、各電気二重層キャパシタを構成する素体60、電解質(図示せず)、上蓋52及び下蓋54としては、先に説明したものと同様のものを使用することができる。
また、電気二重層キャパシタモジュール100においては、特に、ガスケット56として、2以上の電気二重層キャパシタ2Aにおける漏れ電流を平準化することが可能な抵抗値を有する抵抗体が用いられている。
このような構成を有する電気二重層キャパシタモジュール100であれば、各電気二重層キャパシタ2Aの漏れ電流が平準化されていることより、電気二重層キャパシタモジュール100の充電を行う際に、いずれかの電気二重層キャパシタ2Aが過充電されることを十分に防止することができ、安定した充放電特性を維持することができる。
ここで、ガスケット56は、例えばガスケット56における導電性粒子の配合量を調節することによって、2以上の電気二重層キャパシタ2Aにおける漏れ電流を平準化することが可能な抵抗値を有する抵抗体とすることができる。
また、上述した本発明の効果をより十分に得る観点から、ガスケット56は、抵抗値が1×10〜1×10Ωの抵抗体であることが好ましく、樹脂と導電性粒子とを含むものであることが好ましい。樹脂及び導電性粒子としては、電気二重層キャパシタ1の説明において先に説明したものと同様のものを使用することができる。更に、ガスケット56の抵抗値の範囲の上限値は、1×10Ωであることがより好ましく、下限値は、1×10Ωであることがより好ましい。
ここで、ガスケット56の抵抗値が1×10Ω未満であると、1×10Ω以上である場合と比較して、各電気二重層キャパシタ2Aにおける漏れ電流が大きくなり、電気二重層キャパシタモジュール100全体としての未使用時及び使用時の電力消費が増大する傾向にある。一方、抵抗値が1×10Ωを超えると、1×10Ω以下である場合と比較して、各電気二重層キャパシタ2Aにおける漏れ電流を平準化する効果が低下する傾向にある。すなわち、ガスケット56の抵抗値が1×10〜1×10Ωであることにより、各電気二重層キャパシタ2Aにおける漏れ電流を十分に平準化することができ、且つ、未使用時及び使用時の電力消費を十分に抑制することができる傾向がある。
また、ガスケット56を樹脂と導電性粒子とで構成する場合の、樹脂に対する導電性粒子の配合量は、上述したように、ガスケット56の抵抗値を、2以上の電気二重層キャパシタ2Aにおける漏れ電流を平準化することが可能な抵抗値とすることが可能な範囲の量に適宜調節されるが、樹脂100質量部に対して3〜20質量部とすることが好ましい。
直列に接続された2以上の電気二重層キャパシタ2Aを収容するケース9としては、特に制限されないが、例えば、ポリカーボネート、ABS樹脂等のエンジニアリングプラスチックや、アルミニウムやステンレス等の金属からなるものが挙げられる。
このような構成を有する電気二重層キャパシタモジュール100は、例えば以下のように製造される。
まず、各電気二重層キャパシタ2Aを、電気二重層キャパシタ2の説明において先に説明した方法と同様の方法により製造し、次いで、各電気二重層キャパシタ2Aを直列に接続して一体化する。ここで、電気二重層キャパシタ2A同士を接続する方法としては、例えば、一方の電気二重層キャパシタ2Aの上蓋と他方の電気二重層キャパシタ2Aの下蓋とを溶接することにより接続する方法や、導電性接着剤を用いて接続する方法等を採用することができ、これにより各電気二重層キャパシタ2Aを一体化させることができる。ここで、上記導電性接着剤としては、電子伝導性を有し、且つ、金属製の上蓋52及び下蓋54を接着可能なものであれば特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂に金属やカーボンを混ぜたもの等を用いることができる。
このようにして一体化した2以上の電気二重層キャパシタ2Aを、ケース9中に収容し、電気二重層キャパシタモジュール100を完成する。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、素体60がアノード集電体12及びカソード集電体14を含んで構成されている場合について説明したが、素体60が集電体を含まず、アノード10、カソード20及びセパレータ40から構成されていてもよい。この場合には、上蓋52及び下蓋54がそれぞれアノード集電体12及びカソード集電体14を兼ねた構成となる。
また、上記実施形態においては、電気二重層キャパシタモジュール100において各電気二重層キャパシタ2Aの上蓋52と下蓋54とが接続した構成を有する場合について説明したが、電気二重層キャパシタ2A同士が接続している部分において、一方の電気二重層キャパシタ2Aの上蓋52が他方の電気二重層キャパシタ2Aの下蓋54を兼ねた構成となっていてもよい。この場合、一方の電気二重層キャパシタ2Aにおけるアノード集電体12と他方の電気二重層キャパシタ2Aにおけるカソード集電体14とが1つの蓋体に電気的に接触した状態となっており、電気二重層キャパシタモジュール100の小型化を図ることができる。
更に、上記実施形態の説明においては、電気化学デバイスが電気二重層キャパシタである場合について説明したが、本発明の電気化学デバイスは電気二重層キャパシタに限定されるものではなく、例えば、アルミ電解コンデンサ、擬似容量キャパシタ、レドックスキャパシタ等の電気化学キャパシタ、及び、リチウムイオン2次電池等の2次電池や1次電池であってもよい。また、本発明の電気化学デバイスモジュールは、これらを直列に接続してなるものであってもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)素体の作製
アノード(第1の電極)及びカソード(第2の電極)は以下の手順により作製した。まず、賦活処理を施した活性炭素材料(活性炭)と、バインダーとなる熱可塑性樹脂(フッ素ゴム)と、導電助剤(カーボンブラック)とを、これらの質量比が炭素材料:導電助剤:バインダー=8:1:1となるように配合し、これを溶媒であるMIBK(メチルイソブチルケトン)中に投入して混合することにより、電極形成用の塗布液(以下、「塗布液L1」という)を調製した。
次に、この塗布液L1をアルミニウム箔からなる集電体(厚み:50μm)の一方の面上に均一に塗布した。その後、乾燥処理により塗膜からMIBKを除去し、更に圧延ロールを用いて集電体と乾燥後の塗膜とからなる積層体をプレスし、アルミニウム箔からなる集電体の一方の面上に電子伝導性の多孔体層(アノード又はカソードとなる層、厚み:37μm)が形成された積層体を作製した。
次に、この積層体を打ち抜き金型によって直径15mmの円板状に打ち抜いたものを2つ作製し、この2つの積層体で再生セルロース不織布からなるセパレータ(直径:15.4mm、厚み:50μm)を挟み、図2に示した熱処理及び加圧処理を行う手段(ホットプレス)を使用して、2つの積層体とセパレータとを熱圧着した。なお、熱処理温度は230℃、圧力は90kg/cm、処理時間は40秒とした。これにより、アノード集電体、アノード、セパレータ、カソード及びカソード集電体がこの順で順次積層された素体を作製した。
次に、得られた素体内に、減圧下(2〜10mmHg)で電解質溶液(1.2mol/Lのトリエチルメチルアンモニウム四フッ化ホウ素塩のプロピレンカーボネート溶液)を注入した後、大気圧に戻し、余分な電解質溶液を拭き取って、電解質溶液含有素体を作製した。
(2)電気二重層キャパシタの作製
まず、厚さ100μmのアルミニウム箔を、打ち抜き金型によって円形状に打ち抜き、上蓋とした。次に、同様のアルミニウム箔を円形状に打ち抜き、更に絞り加工を施して円筒部と鍔部とを形成し、下蓋を形成した。
次に、ガスケットを以下のようにして形成した。すなわち、樹脂(ポリプロピレン)と導電性粒子(カーボンブラック)とを、これらの質量比が樹脂:導電性粒子=85:15となるように配合し、これを混練した後、圧延機でシート状に加工し、次いで金型で打ち抜くことによって厚さ100μmの円環状に成形した。なお、得られたガスケットの比抵抗は、1×10Ω・cmであった。また、素体を収容しない状態で上記ガスケットを上蓋と下蓋との間に配置し、図3に示したように上蓋の端部を折り曲げて下蓋に対してかしめ、ガスケットを加熱して上蓋と下蓋とをガスケットにより接着して外装体を形成した場合、上蓋と下蓋との間の抵抗値は1×10Ωであった。
以上のようにして素体、上蓋、下蓋及びガスケットを用意した後、これらを用いて、電気二重層キャパシタを以下のようにして作製した。まず、素体を下蓋内に収容し、円環状のガスケットを間に挟んで上蓋を重ね合わせ、図3に示したように上蓋の端部を折り曲げて下蓋に対してかしめ、素体を密封した。続いて、ガスケットを180℃に加熱して上蓋と下蓋とをガスケットにより接着した。
このような手順で電気二重層キャパシタを3つ作製し、これを実施例1−1〜1−3とした。
(実施例2)
ガスケットとして、樹脂(ポリプロピレン)と導電性粒子(カーボンブラック)との配合比(質量比)が、樹脂:導電性粒子=75:25であるものを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例2−1〜2−3の電気二重層キャパシタを作製した。なお、ガスケットの比抵抗は、3×10Ω・cmであり、素体を収容しない状態で外装体を形成した場合の上蓋と下蓋との間の抵抗値は、3×10Ωであった。
(実施例3)
ガスケットとして、樹脂(ポリプロピレン)と導電性粒子(カーボンブラック)との配合比(質量比)が、樹脂:導電性粒子=83:17であるものを使用した以外は実施例1と同様にして、実施例3−1〜3−3の電気二重層キャパシタを作製した。なお、ガスケットの比抵抗は、3×10Ω・cmであり、素体を収容しない状態で外装体を形成した場合の上蓋と下蓋との間の抵抗値は、3×10Ωであった。
(比較例1)
ガスケットとして、導電性粒子(カーボンブラック)を含まず、樹脂(ポリプロピレン)のみからなるものを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例1−1〜1−3の電気二重層キャパシタを作製した。なお、ガスケットの比抵抗は、1×1016Ω・cm以上であり、素体を収容しない状態で外装体を形成した場合の上蓋と下蓋との間の抵抗値は、測定不能(1×10Ωを超える)であった。
(比較例2)
ガスケットとして、樹脂(ポリプロピレン)と導電性粒子(カーボンブラック)との配合比(質量比)が、樹脂:導電性粒子=95:5であるものを使用した以外は実施例1と同様にして、比較例2−1〜2−3の電気二重層キャパシタを作製した。なお、ガスケットの比抵抗は、2×10Ω・cmであり、素体を収容しない状態で外装体を形成した場合の上蓋と下蓋との間の抵抗値は、2×10Ωであった。
(実施例4〜6及び比較例4〜5)
実施例1−1〜1−3の3つの電気二重層キャパシタを直列に接続し、実施例4の電気二重層キャパシタモジュールを作製した。また、同様にして、実施例2−1〜2−3、実施例3−1〜3−3、比較例1−1〜1−3及び比較例2−1〜2−3の電気二重層キャパシタから、実施例5、実施例6、比較例4及び比較例5の電気二重層キャパシタモジュールをそれぞれ作製した。
[電気化学デバイスの特性評価試験]
実施例4〜6及び比較例4〜5の電気二重層キャパシタモジュールの容量及び等価直列抵抗(ESR)を以下のようにして測定した。
電気二重層キャパシタモジュールの容量は次のようにして求めた。まず、充放電試験装置を使用し、0.5Cの定電流充電を行い、電気二重層キャパシタに電荷が蓄積されるのに従って電圧が上昇するのをモニタし、電位が8.1V(2.7V×3直列)に達した後、定電圧充電(緩和充電)に移行し、電流が充電電流の1/10になったときに充電を終了させた。その後、終止電圧を0Vとして0.5Cの定電流放電を行った。このときの放電曲線(放電電圧−放電時間)から放電エネルギー(放電電圧×電流の時間積分として合計放電エネルギー[W・s]を求め、容量[F]=2×合計放電エネルギー[W・s]/(放電開始電圧[V])の関係式を用いて電気二重層キャパシタモジュールの容量[F](充電前)を求めた。
次に、測定環境温度25℃、相対湿度60%において、電気二重層キャパシタモジュールのESRを次のようにして求めた。すなわち、1KHzの周波数で10mAの電流を流したときの電圧の変化量よりESR[Ω](充電前)を算出した。
また、各電気化学デバイスモジュールを構成する各電気二重層キャパシタの漏れ電流[μA]を次のようにして求めた。すなわち、上記の方法で充電を行ったとき、緩和充電移行後30分経過時の電流量を測定した。
次に、上記試験後、充放電試験装置を使用し、定格電圧(2.7V×3=8.1V)で60℃で100時間の定電圧充電を行った。そして、終止電圧を0Vとして0.5Cの定電流放電を行った。このときの放電曲線を用い、上記と同様にして電気二重層キャパシタモジュールの充電後の容量[F]を測定した。
更に、上記と同様にして電気二重層キャパシタモジュールの充電後のESR[Ω]を算出した。
また、上記試験後の各電気化学デバイスモジュールを構成する各電気二重層キャパシタについて、外観の変化がないかどうかを目視にて確認した。
実施例1−1〜1−3、2−1〜2−3及び3−1〜3−3、並びに、比較例1−1〜1−3及び2−1〜2−3の電気二重層キャパシタの漏れ電流の測定結果及び外観変化の確認結果をまとめて表1に示す。また、実施例4〜6及び比較例4〜5の電気二重層キャパシタモジュールの充電前の容量及びESR、並びに、充電後の容量及びESRの測定結果をまとめて表2に示す。
Figure 2005191439
Figure 2005191439
表1に示した結果から明らかなように、実施例1−1〜1−3、2−1〜2−3及び3−1〜3−3の電気二重層キャパシタは、比較例1−1〜1−3及び2−1〜2−3の電気二重層キャパシタに比して、電気二重層キャパシタを直列に接続して使用した場合の、各電気二重層キャパシタにおける漏れ電流のばらつきが十分に低減されていることが確認された。
また、3つの電気二重層キャパシタを直列に接続して電気二重層キャパシタモジュールを形成し、この状態で充電を行った場合、比較例1−1、比較例1−3及び比較例3−1の電気二重層キャパシタは外装体の膨張が生じたが、各実施例の電気二重層キャパシタは、外観変化が生じなかったことが確認された。このことから、各比較例の電気二重層キャパシタにおいては、直列に接続した3つの電気二重層キャパシタにおける漏れ電流のばらつきが大きいことに起因して、充電時に3つのうちの漏れ電流の少ない電気二重層キャパシタが過充電され、電解質溶液が分解してガスが発生したものと考えられる。これに対して、各実施例の電気二重層キャパシタにおいては、直列に接続した3つの電気二重層キャパシタにおける漏れ電流のばらつきが十分に低減されていることから、ガスの発生等の問題が生じなかったものと考えられる。
更に、表2に示した結果から明らかなように、比較例4〜5の電気二重層キャパシタモジュールは、充電後の容量が充電前の容量よりも極端に低下しており、充電後のESRが充電前のESRよりも極端に増大していることが確認された。このことから、各比較例の電気二重層キャパシタモジュールにおいては、表1に示したように、電気二重層キャパシタモジュールを構成する各電気二重層キャパシタの漏れ電流がばらついていることに起因して、充電時にいずれかの電気二重層キャパシタで過充電が生じ、充放電特性が低下したものと考えられる。これと比較して、実施例4〜6の電気二重層キャパシタモジュールは、充電後の容量及びESRと、充電前の容量及びESRとで殆ど差がなく、安定した充放電特性が維持されていることが確認された。これは、表1に示したように、電気二重層キャパシタモジュールを構成する各電気二重層キャパシタの漏れ電流が平準化されていることにより、充電時に過充電が生じなかったためであると考えられる。
以上より、本発明の電気化学デバイスによれば、2以上の電気化学デバイスを直列に接続して使用する場合に、各電気化学デバイスにおける漏れ電流のばらつきが十分に低減され、安定した充放電特性を維持することが可能であることが確認された。
また、本発明の電気化学デバイスモジュールによれば、電気化学デバイスに過充電が生じることなく、安定した充放電特性を維持することが可能であることが確認された。
更に、本発明の電気化学デバイス及び電気化学デバイスモジュールにおいては、従来のものから部品点数は増加せず、構成の複雑化が生じないという利点があり、それにより、小型化が容易に可能であることが確認された。
本発明の電気化学デバイスの好適な一実施形態(電気二重層キャパシタ1)を示す模式断面図である。 (a)〜(c)は、熱処理及び加圧処理を行う手順の一例を示す説明図である。 図1の電気二重層キャパシタ1の製造方法の一例を示す説明図である。 本発明の電気化学デバイスの他の好適な一実施形態(電気二重層キャパシタ2)を示す模式断面図である。 本発明の電気化学デバイスモジュールの好適な一実施形態(電気二重層キャパシタモジュール100)を示す模式断面図である。
符号の説明
1,2,2A…電気化学デバイス(電気二重層キャパシタ)、10…アノード、12…アノード集電体、14…カソード集電体、20…カソード、40…セパレータ、50…外装体、52…上蓋、54…下蓋、56…ガスケット、60…素体、100…電気化学デバイスモジュール(電気二重層キャパシタモジュール)。

Claims (5)

  1. 第1の電極及び第2の電極を有する素体と、
    電解質と、
    前記素体及び前記電解質を密閉した状態で収容する外装体と、
    を少なくとも備えており、
    前記外装体は、互いに対向する金属製の第1の蓋体及び金属製の第2の蓋体と、前記第1の蓋体と前記第2の蓋体との間に配置されるガスケットと、を有しており、
    前記第1の蓋体、前記第2の蓋体及び前記ガスケットは、前記素体を収容する空間を画成するように配置されており、
    前記第1の蓋体と前記第1の電極とが電気的に接触し、且つ、前記第2の蓋体と前記第2の電極とが電気的に接触しており、
    前記ガスケットは、抵抗値が1×10〜1×10Ωの抵抗体であること、
    を特徴とする電気化学デバイス。
  2. 前記ガスケットは、樹脂と導電性粒子とを含むものであることを特徴とする請求項1記載の電気化学デバイス。
  3. 互いに対向する第1の電極及び第2の電極、並びに、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されるセパレータをそれぞれ1つ有する素体と、
    電解質と、
    前記素体及び前記電解質を密閉した状態で収容する外装体と、
    を少なくとも備える電気化学デバイスを2以上直列に接続した構成を有しており、
    前記外装体は、互いに対向する金属製の第1の蓋体及び金属製の第2の蓋体と、前記第1の蓋体と前記第2の蓋体との間に配置されるガスケットと、を有しており、
    前記第1の蓋体、前記第2の蓋体及び前記ガスケットは、前記素体を収容する空間を画成するように配置されており、
    前記第1の蓋体と前記第1の電極とが電気的に接触し、且つ、前記第2の蓋体と前記第2の電極とが電気的に接触しており、
    前記ガスケットは、2以上の前記電気化学デバイスにおける漏れ電流を平準化するために必要な抵抗値を有する抵抗体であること、
    を特徴とする電気化学デバイスモジュール。
  4. 前記ガスケットは、抵抗値が1×10〜1×10Ωの抵抗体であることを特徴とする請求項3記載の電気化学デバイスモジュール。
  5. 前記ガスケットは、樹脂と導電性粒子とを含むものであることを特徴とする請求項3又は4記載の電気化学デバイスモジュール。
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