JP2005189240A - 浮遊粒子状物質測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】花粉アレルゲン等の物質の濃度や種類を短時間で自動的かつ連続的に測定可能とした浮遊粒子状物質測定装置を提供する。
【解決手段】濾紙60を一定の長さだけ搬送して検出ユニット20内に導入し、大気汚染物質等の空気中の浮遊粒子状物質を濾紙60上に捕集して測定する測定動作を一定周期で自動的に行う浮遊粒子状物質測定装置に関する。濾紙60の搬送方向に沿った検出ユニット20の下流側に配置され、かつ、検出ユニット20を経た濾紙60上の浮遊粒子状物質のうち花粉アレルゲン等の特定の物質を抽出する抽出器30と、この抽出器30により抽出した特定の物質を測定するSPR装置50とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば空気中の花粉アレルゲン等の浮遊粒子状物質の濃度を測定する測定装置に関するものである。
いわゆる花粉症に悩む人口は増加の一途を辿っており、近年では、花粉が飛散する時期になるとその飛散量等を天候と共に予報することが通常になっている。
この種の予報に使用される花粉飛散量のデータとしては、従前からダーラム型花粉捕集器と呼ばれる落下花粉の捕集器による測定データが用いられており、このダーラム型花粉捕集器では、捕集した花粉の数を人手によって数える方法が採られていた。
しかるに、最近では、空気中に存在する花粉を自動的に計数する花粉モニタが開発されてきており、花粉の計数処理を自動化することによってかなりの省力化が図られている。
現在、花粉の中で最も一般的な杉花粉については、その主要アレルゲンの一つであるCryj1の量が、杉の木ごとに大きく異なると言われており、また、花粉モニタではほとんど測定不可能な壊れた花粉にもアレルゲンが存在する。
従って、花粉症対策に供するために有効な情報としては、空気中に存在する花粉の数量よりも、空気中の花粉アレルゲン量の方がより直接的かつ適切であると考えられる。
空気中の花粉アレルゲン量の測定は、サイクロンサンプラ等により捕集した花粉をELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)法により測定する方法が一般的であるが、人手がかかったり、捕集試料から測定値を得るまでに少なくとも10時間以上かかるといった問題があり、現時点ではこのELISA法を自動化した測定装置は実現されていない。
ここで、下記の非特許文献1には、サイクロンサンプラを用いて空中より捕集した試料からCryj1を分離抽出し、抽出液中のCryj1を、抽出後約40分で定量できたことが報告されている。
また、特許文献1には、試料ガス中の浮遊粒子状物質を濾紙に捕集する捕集部に、試料ガス中の花粉濃度を検出するための花粉検出部を設け、浮遊粒子状物質濃度と花粉濃度とを同時に測定するようにした浮遊粒子状物質測定装置が記載されている。
この測定装置では、浮遊粒子状物質と花粉との捕集部を兼用し、またはそれぞれ別個に設けると共に、これらの捕集部の下流側に、蛍光強度法によって花粉濃度を検出する花粉検出器を配置したものである。
高橋裕一、大橋武,「表面プラズモン共鳴(SPR)を利用した空中花粉アレルゲンのリアルタイム測定」,アレルギー,第51巻(1)号,日本アレルギー学会,2002年,p.24−p.29 特開2002−357532号公報(段落[0006],[0011]〜[0014]、図1〜図3等)
上記非特許文献1に記載された従来技術によれば、リアルタイムに近い花粉アレルゲンの測定が一応可能になっているが、当該文献のp.27右欄第7行〜第30行に記載されているように、この従来技術は、最近普及しつつあるリアルタイム花粉モニタと異なって必ずしも全自動化を志向するものではなく、測定作業のかなりの部分を依然として人手に頼っている。
また、上記特許文献1に記載された従来技術によれば、浮遊粒子状物質濃度及び花粉濃度を連続してリアルタイムに測定できるものの、粒径に応じた花粉の種類や濃度等を検出することや、花粉以外のアレルゲン及び大気中の浮遊粒子状物質に含まれる大気汚染物質等の定性分析や定量分析を行うことは予定していない。
すなわち、非特許文献1及び特許文献1に記載された従来技術では、空気中の花粉アレルゲンをはじめとした各種の浮遊粒子状物質を自動的かつ連続的に分析することは未だ不可能な現状であり、その実現が強く望まれていた。
一方、ダスト計のように、空気中に存在する所定粒径以下の浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)を濾紙上に捕集し、β線吸収法等を用いてその質量濃度を測定する浮遊粒子状物質測定装置(SPM測定装置)が既に知られている。
この測定装置によれば、大気汚染等の原因になる浮遊粒子状物質の捕集及び濃度の測定といった一連の測定動作を全自動化することが可能である。
そこで本発明者は、従来の浮遊粒子状物質測定装置が有する機能を最大限利用してその測定シーケンスに特定の物質、例えば花粉アレルゲン等の抽出、測定手段を組み込むことにより、この種の物質の濃度や種類を短時間で自動的かつ連続的に測定可能とした浮遊粒子状物質測定装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、本発明は、従来から存在する浮遊粒子状物質測定装置においては、濾紙上に捕集した浮遊粒子状物質がその濃度測定後も濾紙上に残存しており、例えば花粉アレルゲン等の特定の物質をその後に抽出可能であることに着目してなされたものである。
すなわち、請求項1に記載した浮遊粒子状物質測定装置は、濾紙を一定の長さだけ搬送して検出ユニット内に導入し、この検出ユニットが、空気中の浮遊粒子状物質を前記濾紙上に捕集して測定する測定動作を一定周期で自動的に行う浮遊粒子状物質測定装置において、
濾紙の搬送方向に沿った検出ユニットの下流側に配置され、かつ、検出ユニットを経た濾紙上の浮遊粒子状物質のうち特定の物質を抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出した特定の物質を測定する測定手段と、を備えたものである。
請求項2に記載した発明は、請求項1において、前記検出ユニットが浮遊粒子状物質を捕集し測定している間に、前記抽出手段による抽出動作及び前記測定手段による測定動作を行うものである。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2において、前記抽出手段は、前記特定の物質を抽出液中に溶出させて抽出することを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1,2または3において、前記測定手段は、表面プラズモン共鳴現象を利用して前記特定の物質の濃度を測定するものである。
また、請求項5に記載した発明は、請求項1,2,3または4において、前記特定の物質が花粉アレルゲンであることを特徴とする。
本発明においては、従来の浮遊粒子状物質測定装置の検出ユニットの下流側に抽出手段を設け、前記検出ユニットが目的とする本来の浮遊粒子状物質の濃度を測定した後の濾紙上の捕集スポットから花粉アレルゲン等の特定の物質を抽出し、その濃度や種類を、例えば表面プラズモン共鳴現象等を利用して測定する。ここで、前記測定装置は、濾紙を一定の長さだけ搬送して検出ユニット内に導入し、この検出ユニットにより、空気中の浮遊粒子状物質を濾紙上に捕集してその濃度を測定する測定動作を一定周期で自動的に行うものであるため、この測定シーケンスに同期させて、検出ユニットの下流側に一定周期で搬送されてくる濾紙の捕集スポット上の浮遊粒子状物質から花粉アレルゲン等を抽出し、その濃度等を測定する動作を行うことは容易である。
すなわち、本発明によれば、花粉アレルゲン等の特定物質を連続的に捕集し、この捕集した特定物質を抽出し、その濃度や種類を測定するという一連の動作を、従来の浮遊粒子状物質測定装置による測定動作の延長上で短時間に行うことが可能になり、これらの物質の連続自動モニタの実現に寄与することができる。
また、本発明によれば、濾紙上に捕集した浮遊粒子状物質から特定物質を抽出液で溶出することにより、特定物質の濃度や種類を測定するので、捕集した粒子の形状や大きさにかかわらず特定物質の濃度や種類を正しく測定することができる。例えば、花粉は空気中を浮遊するうちにその形状が崩れる場合もあるので、いわゆる「壊れた花粉」となって浮遊しているものも多いが、このような場合にも、実際の空気中に浮遊する花粉アレルゲンの濃度を正確にとらえることができる。
更には、試料大気を導入する際に、分粒器等を用いて粒径を選別し濾紙上に捕集することにより、粒径に応じた成分の測定を行うことができ、アレルギー患者等に対してきめ細かな情報提供が可能となる。
すなわち、一般的に、粒径が約10[μm]未満の粒子は、呼吸によって鼻や口を通過して、気管支や肺にまで到達するが、粒径が約10[μm]以上の粒子の場合は、鼻や喉の粘膜に付着して気管支や肺にまで到達しないと考えられている。従って、分粒器及びポンプ等を用いて、例えば、粒径10[μm]未満のものと粒径10[μm]以上のものとに分けて捕集し、それぞれの捕集スポットから抽出した成分を測定することにより、喘息などの呼吸器の疾患と目や鼻の粘膜などの身体表面部の疾患の原因物質とを別々に測定することができるため、各種のアレルギー患者へのきめ細かな情報提供が可能となり、投薬の参考情報等に利用されることが期待される。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、この実施形態に係る浮遊粒子状物質測定装置の概略的な全体構成図である。なお、この実施形態は、大気汚染物質等を測定する従来の浮遊粒子状物質測定装置をベースとして、空気中の花粉アレルゲンの濃度を測定する手段を付加した例である。
図1において、11は装置全体の動作を制御し、また、空気中のSPM濃度を測定するためのCPUが実装されたCPUボード、12は操作パネル、13は記録計、14はI/O(入出力)ボード、15はモータ駆動用のパワーI/Oボード、M1は検出ユニット20内に搬送された浮遊粒子状物質捕集用の濾紙60を上下から挟み込むための開閉動作用モータ、M2は濾紙60の送り用モータである。
また、検出ユニット20は、周知のように、分粒器26により例えば粒径10[μm]以上の粒子がカットされた試料大気をポンプ27の動作により配管29から導入し、濾紙60の表面に捕集された粒子にベータ線源21によりβ線を照射して、その吸光度からSPM濃度を半導体検出器22により検出するように構成されている。また、半導体検出器22の出力信号はアンプボード16内のアンプにより増幅され、I/Oボード14を介してCPUボード11に入力されている。
なお、前記濾紙60は、モータM2により巻取リール25及びキャプスタン24を回転駆動することにより、送りリール23から巻取リール25側へ一定周期(例えば1時間おき)で一定の長さだけ搬送されるものである。
また、ポンプ27の下流側には、質量流量計の検出器であるMFC(Mass Flow Calculator(またはController))検出器28が配置され、その出力信号はI/Oボード14を介してCPUボード11に入力されている。
更に、ポンプ27をバイパスする流路にはバルブが設けられており、このバルブは流量安定用のモータM3により開閉制御される。
さて、検出ユニット20と巻取リール25との間には、検出ユニット20における濃度測定が終了した濾紙60表面のSPMから花粉アレルゲンを抽出するための抽出器30が配置されている。なお、図2は検出ユニット20によって表面にSPMが捕集された状態の濾紙60を図示したものであり、SPMが捕集されている円形部分がすなわち補集スポット61である。
また、上記抽出器30にはSPR(Surface Plasmon Resonance:表面プラズモン共鳴)装置50が接続されており、抽出器30において花粉アレルゲンを溶出させた抽出液がこのSPR装置50に導入されている。
なお、上記構成において、抽出器30及びSPR装置50を除いた部分は、従来から公知の浮遊粒子状物質測定装置(SPM測定装置)に相当する。
次に、図3は前記抽出器30の構造を示しており、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は模式的な断面図である。
これらの図において、抽出器30はその内部に搬送される濾紙60を上下から挟み込むための上ブロック31及び下ブロック32を備えていると共に、上ブロック31の内部には、濾紙60の捕集スポット61を抽出液に浸して花粉アレルゲンを溶出させるための抽出室31aが形成されている。そして、この抽出室31aは、上ブロック31に形成された抽出液供給口33及び空気出入口34と、下ブロック32に形成された抽出液吐出口35とに連通している。
更に、上ブロック31は、ネジ孔37に螺装されるネジ(図示せず)を締め込むことにより下降し、下ブロック32との間に濾紙60を圧接して保持可能となっている。なお、上ブロック31は、図1のCPUボード11によりモータ、送りネジ等を駆動することにより、移動させればよい。
図4は、抽出器30の動作説明図である。(a)に示すように、濾紙60を上ブロック31及び下ブロック32により挟み込んだ状態で、図3の抽出液供給口33から抽出室31aに抽出液(炭酸水素アンモニウムを含む緩衝液等)を供給する。そして、抽出液供給口33をふさぎ、ポンプ36により抽出液吐出口35及び空気出入口34を介し抽出室31aの内部に空気を導入して抽出液をバブリングすることにより、補集スポット61に捕集されたSPM内の花粉アレルゲンを抽出する。ここで、バブリングは抽出効率や抽出速度を向上させるために効果的である。
その後、(b)に示す如くポンプ36により抽出液を圧送し、この抽出液をSPR装置50に導入する。
抽出室31aの内部に抽出液を供給するためのポンプは図示されていないが、ポンプ36とは別個に設けるか、あるいはポンプ36と兼用しても良い。
なお、検出ユニット20への濾紙60の搬送動作、濾紙60の挟み込み動作、試料大気の供給動作、半導体検出器22による検出動作等からなる検出ユニット20での一連の測定動作と、抽出器30による濾紙60の挟み込み動作、抽出動作等は同期している。具体的には、検出ユニット20における測定動作が終了して濾紙60が巻取リール25によって巻き取られる際には、抽出器30の上ユニット31が上方にあって濾紙60がフリーな状態にあり、濾紙60を支障なく搬送できることが必要である。
また、検出ユニット20の中心位置(濾紙60の表面に捕集スポット61が形成される位置)と抽出器30の中心位置(抽出室31aの中心位置)とは、検出ユニット20での1回の測定が終了した後に濾紙60が送られる長さ(図2に示す1測定周期に相当する捕集スポット61相互間の長さ)の整数倍だけ離れており、抽出器30により今回、花粉アレルゲンが抽出される捕集スポット61は、例えば前回または前々回の測定周期で検出ユニット20によりSPMを捕集した捕集スポット61に相当するものである。
図1の例では検出ユニット20及び抽出器30を別個のものとして示してあるが、両者をできるだけ近接させて1ユニット化し、前記中心位置相互間の距離を互いに隣接する捕集スポット61相互間の長さにすることにより、検出ユニット20での測定終了後の捕集スポット61を次の測定周期で抽出器30内に移動させ、花粉アレルゲンの抽出に供することができ、測定時間の短縮、装置全体の小型化、簡素化が可能になる。
次に、花粉アレルゲンが抽出された抽出液(以下、試料液という)が導入されるSPR装置50について説明する。
まず、周知の表面プラズモン共鳴現象について略述する。図5に示す如く、プリズム51の平坦面に金などの金属薄膜52をコーティングし、この金属薄膜52に試料液53を接触させた状態で、プリズム51に光を全反射角度以上で入射すると、表面波であるエバネッセント波及び表面プラズモンが発生する。エバネッセント波の波数及び表面プラズモンの波数が一致する特定の入射角θで光を入射すると、入射光のエネルギーが表面プラズモンの励起に使われるので、反射光が減少する。これを表面プラズモン共鳴現象(SPR現象)という。このSPR現象を起こす入射角θは試料液53の屈折率によって決まり、図5の下段に示す関係式を満たす。
このことから、SPR現象を起こす入射角θを測定すれば試料液53の屈折率を求めることができる。また、屈折率が既知の物質を含む試料液53であれば、当該物質の濃度に応じて、反射光強度が最小となる入射角(最大共鳴角)がある相関関係を持ってシフトする。従って、当該物質の濃度と最大共鳴角との関係を予め検量線として記憶しておけば、ディテクタ54により検出した最大共鳴角から試料液53中の当該物質の濃度を測定することが可能になる。なお、図6は、予め記憶された花粉アレルゲン(Cryj1)の濃度と最大共鳴角との関係を示す検量線である。
図1に示したSPR装置50は、上記の原理を応用して試料液53中の花粉アレルゲン濃度を測定するように構成されている。
なお、図示されていないが、SPR装置50により測定した花粉アレルゲン濃度は、I/Oボード14を介してCPUボード11に入力し、所定の信号処理を行って記録計13に記録しても良く、また、ディジタル表示器等を用いて表示させても良い。更に、花粉アレルゲン濃度の演算処理をCPUボード11によって行っても良い。
以上のように、この実施形態によれば、検出ユニット20によりSPM濃度を測定した後の捕集スポット61を抽出器30内に搬送し、検出ユニット20における新たな捕集動作中に抽出器30側で花粉アレルゲンを抽出し、その濃度をSPR装置50により測定することができる。
すなわち、抽出器30による抽出動作及びSPR装置50による測定動作を、濾紙60の搬送動作も含めた検出ユニット20側の測定動作と同期させることにより、花粉アレルゲン等の物質の濃度測定を浮遊粒子状物質測定装置による一連の測定動作の延長上で自動的かつ連続的に行うことができる。
なお、図7は上記実施形態によるCryj1濃度の測定結果を示す図である。各プロットは、それぞれ1時間かけてSPMを捕集した6個の捕集スポット61から抽出したCryj1濃度の合計値(つまり6時間のCryj1濃度の合計値)を示している。
この結果をELISA法による測定結果と比較した場合、ELISA法よりも短時間で同方法と同じ程度の測定結果が得られることが確認された。
また、上記実施形態では、空気中の花粉アレルゲンを抽出してその濃度をSPR装置50により測定する例を説明したが、本発明は、試料中の陰イオン(塩化物、硝酸、硫酸等のイオン)や陽イオン(各種金属イオン等)を抽出してイオンクロマト等により測定する測定装置にも適用可能である。
なお、上記実施形態では、分粒器26により、例えば粒径10[μm]以上の粒子をカットして試料大気を導入しているが、ここで除去された粒径10[μm]以上の粒子を、別途設けたポンプによって粒径10[μm]未満の粒子と同様に濾紙上に捕集し、抽出器で特定物質の抽出を行い、SPR装置50等によって測定を行なうようにしても良い。このようにすれば、呼吸によって気管支や肺にまで到達する粒径10[μm]未満の粒子に含まれる呼吸器の疾患に対する原因物質と、目や鼻の粘膜などに付着する粒径10[μm]以上の粒子による身体表面部の疾患の原因物質とを別々に測定することができるため、各種のアレルギー患者へのきめ細かな情報提供が可能となり、投薬の参考情報等に利用されることが期待される。
また、採取したい花粉その他の粒子によっては、それらの粒径に応じて分粒器26によるカットサイズを変更したり、分粒器26を用いることなく試料大気を導入するように構成しても良い。このようにすることで、特定種類のアレルゲン濃度ばかりでなく、例えば大気中の花粉、ダニ、真菌など各種のアレルゲン濃度の検出も可能となる。もちろん、分粒器を複数設けてそれぞれ異なるカットサイズで試料大気を同時に導入しても良い。
更に、分粒器26による粒径の選別以外に、SPR装置50の金属薄膜の種類を選択可能としても同様の作用効果を得ることができる。
総じて、本発明においては、大気中の浮遊粒子状物質に含まれる大気汚染物質や各種アレルゲンの検量線をSPR装置等の測定手段に予め記憶させておくことにより、これらの物質の定性分析、定量分析を従来の浮遊粒子状物質測定装置による測定動作の延長上で短時間に自動的、連続的に行なうことが可能である。
従って、本発明により得た分析データを用いて、特定の大気汚染物質と特定のアレルゲンとが共存することにより、アレルギー症状を増悪させる等、複合的なアレルギー発生要因の分析に利用することも期待できる。
本発明の実施形態を示す概略的な全体構成図である。 濾紙の捕集スポットの説明図である。 抽出器の説明図である。 抽出器の動作説明図である。 SPRの原理を説明するための図である。 SPR現象による空中花粉アレルゲン(Cryj1)濃度と最大共鳴角との関係を示す図である。 本発明の実施形態によるCryj1濃度の測定結果を示す図である。
符号の説明
11:CPUボード
12:操作パネル
13:記録計
14:I/Oボード
15:パワーI/Oボード
16:アンプボード
20:検出ユニット
21:β線源
22:半導体検出器
23:送りリール
24:キャプスタン
25:巻取リール
26:分粒器
27:ポンプ
28:MFC検出器
29:配管
30:抽出器
31:上ブロック
31a:抽出室
32:下ブロック
33:抽出液供給口
34:空気出入口
35:抽出液吐出口
36:ポンプ
37:ネジ孔
50:SPR装置
51:プリズム
52:金属薄膜
53:試料液
54:ディテクタ
60:濾紙
61:捕集スポット
M1,M2,M3:モータ

Claims (5)

  1. 濾紙を一定の長さだけ搬送して検出ユニット内に導入し、この検出ユニットが、空気中の浮遊粒子状物質を前記濾紙上に捕集して測定する動作を一定周期で自動的に行う浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記濾紙の搬送方向に沿った検出ユニットの下流側に配置され、かつ、前記検出ユニットを経た濾紙上の浮遊粒子状物質のうち特定の物質を抽出する抽出手段と、
    この抽出手段により抽出した特定の物質を測定する測定手段と、
    を備えたことを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  2. 請求項1に記載した浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記検出ユニットが浮遊粒子状物質を捕集し測定している間に、前記抽出手段による抽出動作及び前記測定手段による測定動作を行うことを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  3. 請求項1または2に記載した浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記抽出手段は、前記特定の物質を抽出液中に溶出させて抽出することを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  4. 請求項1,2または3に記載した浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記測定手段は、表面プラズモン共鳴現象を利用して前記特定の物質の濃度を測定することを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
  5. 請求項1,2,3または4に記載した浮遊粒子状物質測定装置において、
    前記特定の物質が、花粉アレルゲンであることを特徴とする浮遊粒子状物質測定装置。
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