JP2005188793A - 建物内の循環調湿機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建物内に空気の循環管路を設け、該管路の途中に、空気中の湿分の吸着と該吸着した湿分を外気に加熱放出する機能を持つ調湿装置を設け、該湿分の吸着はケーシングに充填した多孔質の吸湿材で行い、吸着した湿分は建物外に設けた太陽熱交換機で加熱した屋外空気で加熱放出する。太陽熱交換機の構造は、太陽光に面する側に熱伝導性に優れた材料からなる集熱板を配し、集熱板の裏面に接して空気の流通路を形成し、かつ流通路の底面側は断熱構造にしてなる。
【選択図】図1
Description
近年、省エネ型の建築物として高気密・高断熱性の建築施工方法が普及するのに伴って,建築物の内部に使用される建材や家具・日常品から発散するホルムアルデヒドやVOC(トルエン、キシレン、その他)などの揮発性有機化合物が健康に有害な影響を及ぼす「シックハウス症候群」の恐れが指摘されている。
換気方法については、一般的な方法として給排気ファンによる機械換気設備を用いて天井裏、床下、壁内、収納スペ−スなどと居室を区画して一体的に24時間換気する方法が提案されている。
すなわち、
(1)建物内に空気の循環管路を設け、該管路の途中に、空気中の湿分の吸着と該吸着した湿分を外気に加熱放出する機能を持つ調湿装置を設けてなることを特徴とする建物内の循環調湿機構。
(2)上記建物外に設けた太陽熱交換機で加熱した屋外空気で上記吸着した湿分を加熱放出することを特徴とする上記(1)に記載の建物内の循環調湿機構。
(3)上記調湿装置は、多孔質の吸湿材を充填したケーシングに室内空気の循環管路の入口、出口および加熱した屋外空気の入口、出口を取付けてなり、該循環管路入口、出口、および屋外空気の入口、出口のそれぞれに開閉自在のバルブを設けてなることを特徴とする上記(1)あるいは(2)に記載の建物内の循環調湿機構。
(4)上記多孔質の吸湿材の平均気孔径が100μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の建物内の循環調湿機構。
(5)上記吸湿材が天然産の珪藻土、ゼオライト、イモゴライト塊状体の破砕物である上記(4)に記載の建物内の循環調湿機構。
(6)上記吸湿材が、珪藻土、石炭灰、ゼオライト、溶岩から選択された一種あるいは二種以上の粉体あるいは粒体を主成分とし、該粉体、粒体を無機質バインダーで硬化させたものであることを特徴とする上記(4)に記載の建物内の循環調湿機構。
(7)上記太陽熱交換機の構造が、太陽光に面する側に熱伝導性に優れた材料からなる集熱板を配し、該集熱板の裏面に接して空気の流通路を形成し、かつ該流通路の底面側は断熱構造にしてなることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の建物内の循環調湿機構。
湿度の高い建物内の空気を連続的に循環調湿することが出来る。
健康・安全・快適な生活ができ、かつ家庭の省エネに有益である。
地球環境改善に多大の貢献をなす。
図1〜6は本発明の全体システムと作用機能を説明する図である。
図1〜3は、室内の湿分の吸着、放出機構を説明する図である。
図1は吸湿機構、図2は吸着した湿分の放出機構を説明する図である。
図3は図1,2の開閉バルブの働きを詳しく説明する図である。
図4は、調湿装置の構造の説明図である。
図5は、太陽熱交換器の構造の説明図である。
図6は、地中熱による調湿機構を本発明に併用した時の説明図である。
ハウジング3は中に吸湿材を収納した密閉した容器で、循環管路4および屋外空気(外気)の入口、出口の管路がそれぞれ接続されている。湿分を含んだ室内の空気が循環管路4を通ってハウジング3の中に運ばれ、吸湿材で吸着除湿された空気は再び管路4を通って室内に戻される。
太陽熱で暖められた乾いた外気は、外気の入口側管路からハウジング3の中に流入して吸湿材に吸収された湿分を蒸発させて、外気出口側管路から外に放出させる。
図1は専ら室内の空気の湿分を吸収する場合で、外気の入口側、出口側の開閉バルブBは閉じられている。図2は吸収した室内の湿分を太陽熱で加熱乾燥した外気で蒸発させて外に放出する場合で、ハウジング3に流入、流出する室内空気の管路の開閉バルブは全て閉じられている。
図1で除湿乾燥した空気は管路4から1階、2階の床下に運ばれて循環される。
乾いた空気は1階、2階の床下から上に上昇し、再び図1の管路4に吸引されてハウジング3に送り込まれて一つの循環サイクルが完了する。
吸湿工程
外気の入口、出口のバルブ(開閉バルブB−1,2)は全て閉止、外気側バイパス回路B−3は開く。
室内側バイパス回路(バルブA−3)は閉じて、開閉バルブA−1、A−2を開く。
湿った室内の空気はファンで吸入されて開閉バルブA−1からハウジング3に押し込まれる。
押し込まれた空気は吸湿材で除湿乾燥されて開閉バルブA−2から外に押出され、床下に送風される。
床下に送風された乾いた空気は、床上から室内に放出され、室内を上昇して天井の循環管路4に吸入されて再び開閉バルブA−1からハウジング3に押し込まれる。この工程を繰り返して建物内の除湿が行われる。
除湿工程
ハウジングの吸湿材の能力が一杯になったら、バルブA−1、A−2は閉じ、バイパス回路(A−3)を開く。
バルブB−1、B−2を開き、バイパス回路(B−3)を閉じる。
外気の高温、乾いた空気をバルブB−1からハウジング3に押し込む。
押し込まれた高温の空気は吸湿材を加熱して湿分を蒸発させ、蒸発した水蒸気とともにバルブB−2から外に放出される。
この工程を繰り返して吸湿材の除湿が行われる。
除湿が完了すると再びバルブを閉じて吸湿を行う。
図5は太陽熱交換機の構造を説明するための図で、集熱版の一部(図の上部)を切り欠いで内部の構造を詳しく説明した図である。
太陽熱交換機は、太陽光に面する側に熱伝導性に優れた集熱板を配し、集熱板の裏面に接して空気の流通路が形成されている。流通路の底面から熱が逸散するのを防ぐために、流通路底面は断熱構造になっている。仕切板は空気の流れをかく乱して熱伝導を良くするために千鳥状に配置されている。
空気流通路の下端は開放されており、ここから外気が侵入して上に上昇し、上端で、外気入口側の管路に流入し、ハウジング3に入り、除湿して、ハウジングを出て、外気出口側の管路から外に放出される。
外気の吸入を促進するために外気出口側にファンを取付けてもよいが、必ずしも必須でない。太陽熱交換機は垂直に立設されているので自然通風だけで十分に外気を吸入出来る。
上記多孔質の吸湿材の平均気孔径は100μm以下が好ましい。気孔径が100μmを越えると吸着能力が顕著に小さくなり、実質上の湿分吸着材としての実用性がなくなる。
気孔率は高ければ高いほど好ましいが、高すぎると機械的強度が落ちる。概ね30〜90%程度の範囲が好ましい。上限を越えると加工時に欠損等が起こりやすく取り扱いが難しくなる。下限未満では、所定の吸着能力を維持するためにハウジングの中により大量の吸着材を収納する必要が生じ、ハウジングの取付け用の空間が広くなって経済性と実用性の両面で極めて不利である。
また、上記したような材質の異なる天然多孔質材を適当な割合で配合ブレンドしてバインダーで結合させて複合機能をもった吸着材を使用することも可能である。
これら天然の材料は本発明が必要とする気孔径、気孔率の条件を満足させることが出来る。無機質のバインダーには、通常使用されているバインダーは全て利用できる。たとえば珪酸塩化合物、リン酸塩化合物、各種ゾル等、これら全てが利用できる。
地中熱は四季を通じて一定しているので、地中パイプを埋設することによって概ね一定の地中温度(15〜20℃)の地中熱を利用することが出来る。
図6において、バイパス回路(A−3)を通った湿分を含んだ空気は循環管路4を通って下降し、ジオパイプと称せられる地中熱交換器のパイプの中を通って建物の床下に設置したファンユニットによって吸入される。
ジオパイプは、図に示すように二重管構造であり、先端が封止された外管の中に内管が差し込まれた構造で、内管の先端は開放されており、外管と内管の間には適当な隙間が存在する状態で地中に垂直に埋め込まれている。
空気流は外管の穴から外管と内管の隙間に入り、隙間を下降して下端の封止部に衝突し
て方向を変えて内管を上昇する構造になっている。内管の上部は吸気配管によってファンユニットに接続されている。
例えば、夏季の場合には、外気温度30〜35℃の空気が26〜28℃前後に冷却され、パイプ内面では空気中の水分が結露して第1段目の除湿が行われる。パイプの底部に溜まった結露水はポンプで吸い上げて屋外に排出する。
また冬季の場合では、外気温度5〜10℃の空気が12〜16℃前後に乾燥され、パイプ内面では空気中の水分が蒸発して加湿される。
これら湿分を多く含む空気を効率よく冷却・除湿するため、夏季にはファンユニットの排出側に冷たい地下水を通水して冷却する熱交換機(水流)を設置し、この熱交換機に湿分を多く含む空気を接触させて熱交換することによって空気を再度冷却・除湿する。
地下水の温度は四季を通じて地中熱温度(15〜20℃)と同じであり、この地下水を熱交換機に通すことによって上述した地下パイプの設置本数を増やすか或いは埋設地下パイプを長くことと同等の効果を得ることが出来る。
も好ましく、冬季には、暖かい地下水や太陽熱温水器の温水或いはボイラ−で加温した温水などを通水しても良い。これらは必要に応じて適宜組合せて使用しても良い。たとえば温水器の温水で加温したフィンプレ−トとボイラー温水で加温したフィンプレ−トを別々に設置して循環空気を加温するようにしても良い。
また堆積層の底面には地中からの湿分の上昇を防止するためのコンクリ−ト又は防湿シートが敷かれており、地中からの湿分の上昇は防止する構造になっている。
隙間の中を通過するときにもグリ石の蓄熱効果によって保温されている。
ラジエタ−を通過した空気はこのグリ石の蓄熱効果を受けて夏季には26〜28℃、冬季には12〜16℃の温度に保持されている。
グリ石の堆積層の隙間を通り過ぎた空気流は、GEO炭と称せられる木炭或いはセラミック炭と接触しながら床下から1階室内に送られていく。
Claims (7)
- 建物内に空気の循環管路を設け、該管路の途中に、空気中の湿分の吸着と該吸着した湿分を外気に加熱放出する機能を持つ調湿装置を設けてなることを特徴とする建物内の循環調湿機構。
- 上記建物外に設けた太陽熱交換機で加熱した屋外空気で上記吸着した湿分を加熱放出することを特徴とする請求項1に記載の建物内の循環調湿機構。
- 上記調湿装置は、多孔質の吸湿材を充填したケーシングに室内空気の循環管路の入口、出口および加熱した屋外空気の入口、出口を取付けてなり、該循環管路入口、出口、および屋外空気の入口、出口のそれぞれに開閉自在のバルブを設けてなることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の建物内の循環調湿機構。
- 上記多孔質の吸湿材の平均気孔径が100μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の建物内の循環調湿機構。
- 上記吸湿材が天然産の珪藻土、ゼオライト、イモゴライト塊状体の破砕物である請求項4に記載の建物内の循環調湿機構。
- 上記吸湿材が、珪藻土、ゼオライト、石炭灰、溶岩から選択された一種あるいは二種以上の粉体あるいは粒体を主成分とし、該粉体、粒体を無機質バインダーで硬化させたものであることを特徴とする請求項4に記載の建物内の循環調湿機構。
- 上記太陽熱交換機の構造が、太陽光に面する側に熱伝導性に優れた材料からなる集熱板を配し、該集熱板の裏面に接して空気の流通路を形成し、かつ該流通路の底面側は断熱構造にしてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の建物内の循環調湿機構。
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