JP2005188558A - 逆入力遮断クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 逆入力トルクの方向が入力トルクの方向と一致する使用状況下でも異常振動や異常音の発生を抑制することができる逆入力遮断クラッチを提供する。
【解決手段】 出力側部材3と静止側部材4との間に形成される空間8に収容された一対のローラ9、9間に、これら一対のローラ9、9をそれぞれカム面3fに押し付ける第一の弾性部材10を圧縮状態で配置するとともに、一対のローラ9、9間に、係合領域18a、18aに位置する一対のローラ9、9と非接触の状態でかつ伸縮のない自然状態で第二の弾性部材11を配設する。
【選択図】図2

Description

本発明は、出力側から逆入力された回転トルクを入力側に還流させないようにした逆入力遮断クラッチに関するものである。
上述の逆入力遮断クラッチは、例えば特開平2−271116号公報(特許文献1)、あるいは特開2002−122158号公報(特許文献2)に開示されている。これらの文献に記載された逆入力遮断クラッチによれば、入力側から入力された回転トルクは出力側に伝達する一方、出力側から逆入力された回転トルクは、出力側部材を静止側部材にロックすることにより、入力軸側に還流させないようにすることができる。
図6は、この種の逆入力遮断クラッチの要部構造を拡大して示すものである。図示のように、この逆入力遮断クラッチの主要部は、入力側部材12、出力側部材13、静止側部材14、および係合子19で構成される。
この逆入力遮断クラッチでは、出力側部材13の外周に形成される平坦状のカム面13fと、静止側部材14の円筒状の内周面14fとの間の空間18に一対の係合子19、19が配置される。この係合子19、19は、空間18の周方向両側部に設けられた係合領域18a、18aでそれぞれ出力側部材13と静止側部材14に楔係合する一方、空間18の中央部で楔係合を解除され、回転フリーとなる。一対の係合子19、19の間には、各係合子19、19を対応する係合領域18a、18aに押し込む弾性部材20が配置されている。
上記構成の逆入力遮断クラッチにおいて、例えば出力側部材13に時計周りのトルク(逆入力トルク)が入力されると、回転方向後方(図6中左側)の係合子19が、同方向の係合領域18aにて出力側部材13と静止側部材14とに楔係合する。これにより、出力側部材13が静止側部材14に対して時計方向にロックされる。出力側部材13に反時計周りの逆入力トルクが入力された場合も同様に、左右逆の動作により出力側部材13が静止側部材14に対して反時計方向にロックされる。従って、出力側部材13に入力されたトルクは回転方向を問わず入力側部材に還流せず、逆入力トルクの伝達による入力側機構(モータ等)の損傷が回避される。
これに対して、入力側部材12に例えば時計周りのトルクが入力されると、図7に示すように、入力側部材12は、弾性部材20による弾性力に抗して回転方向後方(図6中左側)の係合子19を空間18の中央に向けて蹴り出す。これにより、図8に示すように、係合子19が係合領域18aから離脱し、静止側部材14と出力側部材13とのロック状態が解除される。その後のさらなる入力側部材の回転で、図示しないトルク伝達手段を介して入力側部材12と出力側部材13とが係合状態となるため、入力側部材12からの入力トルクが出力側部材13に伝達される。入力側部材12に反時計周りのトルクが入力された場合も同様に、左右逆の動作により入力側部材12からの入力トルクが出力側部材13に伝達される。このようにして、入力側部材に入力されたトルクは回転方向を問わず出力側部材13に伝達される。
特開平2−271116号公報 特開2002−122158号公報
ところで、上述の逆入力遮断クラッチの使用状況、例えば正逆回転する入力軸の回転方向によっては、入力側部材12に加わる入力トルクの方向と出力側部材13に加わる逆入力トルクの方向とが一致する場合がある。例えば、電動モータによる巻き上げ機において、巻き上げ対象物を任意の位置に保持した状態から下げる場合には、モータ駆動による入力トルク方向と巻き上げ対象物に作用する重力による逆入力トルク方向とが一致する。
この場合、モータの起動により入力側部材に入力トルクを負荷させると、係合子19の蹴り出しによるロック解除後は(図8に示す状態)、出力側部材13が一時的に空転可能の状態となる。この状態で、逆入力トルクが出力側部材13に作用する場合、出力側部材13が入力トルクとは無関係に逆入力トルクの方向に回転(空転)を始め、この空転中は出力側部材13の回転速度が徐々に増加する。従って、逆入力トルクの大きさによっては最終的に出力部材13の回転速度が入力側部材12の回転速度を上回る場合が起こり得る。出力側部材13の回転速度が入力側部材12の回転速度を上回ると、係合子19が出力側部材13と静止側部材14に楔係合し、出力側部材13が再度ロック状態になると共に、その直後に入力側部材12の回転によってロック状態が解除される。従って、入力側部材12を回転させ続けると、出力側部材13は静止側部材14とのロック状態(図7の状態)とロック解除状態(図8の状態)を繰り返す。これに伴い、逆入力遮断クラッチには大きな振動が発生するため、出力側部材13のスムーズな回転が阻害される。また、出力側部材13に負荷される逆入力トルクが大きくなるにつれて、出力側部材13と静止側部材14とのロック時に発生する衝撃トルクが増大し、異常音が発生しやすくなる。
そこで、本発明は、逆入力トルクの方向が入力トルクの方向と一致する使用状況下でも異常振動や異常音の発生を抑制することができる逆入力遮断クラッチを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る逆入力遮断クラッチは、トルクが入力される入力側部材と、トルクが出力される出力側部材と、回転が拘束される静止側部材と、出力側部材からの逆入力トルクに対して、出力側部材と静止側部材との間に設けられた空間に係合子を楔係合させて出力側部材と静止側部材をロック状態にするロック手段と、入力側部材に設けられ、入力側部材からの入力トルクに対してロック手段によるロック状態を解除するロック解除手段と、ロック手段によるロック状態がロック解除手段によって解除された時に、入力側部材からの入力トルクを出力側部材に伝達するトルク伝達手段とを備えたものにおいて、ロック解除手段によるロック解除後に、出力側部材に入力された、入力側部材からの入力トルクと同方向の逆入力トルクによる出力側部材と静止側部材の再ロックを規制する再ロック規制手段を有することを特徴とする。係合子と楔係合する空間は、例えば、出力側部材および静止側部材のうち、何れか一方に形成したカム面と他方に形成した円筒面との間に形成することができる。この場合、係合子は第一の弾性部材によってカム面に常時押し付けられる。
上述のように、入力トルクと同方向の逆入力トルクが作用する逆入力遮断クラッチでは異常振動や異常音の発生が問題となるが、この問題は、出力側部材と静止側部材の再ロックとロック解除とが繰り返されることに起因する。そこで、本発明は、出力側部材と静止側部材との再ロックを規制する再ロック規制手段を設けたことを特徴とするものであり、これによれば、再ロックの発生自体を回避できるので、再ロックとロック解除との繰り返しも起こり得ず、従って、その間に発生する異常振動や異常音の発生を抑制することができる。
このように再ロック規制手段は、ロック解除後における出力側部材と静止側部材との再ロックを規制するものであるが、この再ロックは、出力側部材のロック解除後に係合子がロック解除方向へ過剰に移動し、係合子がカム面との間に大きな隙間を持って遊んだ状態となることによって発生する。したがって、本発明では、ロック解除後における係合子のロック解除方向への移動を規制することにより、係合子とカム面との間の隙間の過剰拡大を抑えて係合子の遊びを減じることとした。これにより、ロック解除後における出力側部材の空転許容量が減少し、出力側部材の加速が抑制されるので、出力側部材の回転速度が入力側部材の回転速度を上回る事態を回避することができる。
この機能を有する再ロック規制手段としては、例えば係合子に流体抵抗を付与することが考えられる。具体的には、混和ちょう度が250以下のグリースを使用し、これを前記空間の90%以上100%以下に満たすことで、係合子に流体抵抗を付与し、ロック解除後における係合子のロック解除方向への移動を規制する。このように使用するグリースの混和ちょう度を特定の範囲に制限することにより、特にクラッチの設計変更を行うことなく、低コストで異常音や異常振動の発生を抑制することができる。
また、この再ロック規制手段の他例として、係合子に弾性力を付与することも考えられる。この弾性力は、第一の弾性部材とは別に第二の弾性部材をクラッチに設けることで達成される。なお、第二の弾性部材としては、ばねあるいはゴムを用いることができる。このように第一の弾性部材と第二の弾性部材を使用する場合、ロック中は、第一の弾性部材のみが係合子に弾性力を付与し、ロック解除後は第一の弾性部材と第二の弾性部材の双方が係合子に弾性力を付与する。
これら上述の手段は、出力側部材のロック解除後における係合子のロック解除方向への移動を規制することにより、出力側部材の再ロックを規制するものであるが、この他の再ロック規制手段として、出力側部材の慣性モーメントを増大させることも考えられる。これにより、出力側部材の加速度が抑制されるので、出力側部材の空転中にその回転速度が入力側部材の回転速度を上回る事態を防止し、再ロックを規制することができる。慣性モーメントの増大は、例えば出力側部材の質量を大きくしたり、あるいはその外径を全体的あるいは部分的に大きくすることによって達成することができる。
本発明に係る逆入力遮断クラッチによれば、逆入力遮断クラッチに入力トルクと同方向の逆入力トルクが作用する場合にも、出力側部材の再ロックを防止することができる。従って、再ロックとロック解除の繰り返しに起因する異常音や異常振動の発生を抑制することができ、出力側部材をスムーズに回転させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る逆入力遮断クラッチの一例を示している。この逆入力遮断クラッチ1は、トルクが入力される入力側部材2と、入力側部材2に入力されたトルクが出力される出力側部材3と、回転が拘束される静止側部材4と、静止側部材4に固定された固定側板5とを主な要素として構成される。
入力側部材2は、円環板形状を成す基部2aと、基部2aの内周円孔部から軸方向の一方(図1中右方向)に延びた円筒部2b、および基部2aの外周から軸方向の一方に延びた複数の柱部2cと、前記基部2aの円筒部2bと柱部2cとの中間から軸方向の一方に突出して形成された複数(例えば6対)の突起部2dとで構成されている。また、円筒部2bの内周には略円筒形状の軸孔形成部材6が嵌合固定されており、この軸孔形成部材6の内周面6aには、対向する二面の平面部6bが軸方向全長に亘り形成されている。これにより、図示されない入力軸の連結部に形成された各平面部と内周面6aに形成された各平面部6bとが平面嵌合し、入力軸と入力側部材2とが相対回転不能に連結されるようになっている。
前記柱部2cおよび突起部2dは、突起部2dを内径側にしてそれぞれ円周方向等間隔に形成され、かつ柱部2cと突起部2dとは半径方向一直線上に並ばないように相互に円周方向にずれて形成されている。
出力側部材3は、軸部3aと、軸部3aの端部(クラッチ内部側)から半径方向に延びたフランジ部3bと、前記フランジ部3bの外周から軸方向の他方(図1中左方向)に連続して延びた大径部3cとで構成されている。また、前記大径部3cの軸方向他方の端面には、複数(例えば6対)の凹部3dが形成されており、これら複数の凹部3dには、前記入力側部材2の複数の突起部2dがそれぞれ所定の回転方向隙間をもって収容される。
前記軸部3aの軸方向一方(図1中右側)の端部には、例えば1つの平面部3eが設けられており、この平面部3eと、図示されない出力側の機構又は装置の回動部材に形成された平面部とを平面嵌合させることにより、軸部3aとその回動部材とが相対回転不能に連結されるようになっている。
出力側部材3の大径部3cは、多角形状(例えば正六角形状)を成しており、その外周面には、複数(例えば六面)のカム面3fが円周方向等間隔に形成されている(図2参照)。
静止側部材4は、円環板形状の基板4aと、基板4aの内周から軸方向の一方に連続して延びた小径筒状部4bと、前記基板4aの外周から軸方向の他方に延びた大径筒状部4cと、前記大径筒状部4cの一端から外径方向に突出した鍔部4dとで構成されている。また、この鍔部4dには、複数(例えば6つ)の矩形状の切欠き部4eが円周方向等間隔に形成されている。
この静止側部材4における小径筒状部4bの内周面と、前記出力側部材3における軸部3aの軸方向中間部(平面部3eの非形成部)の外周面との間には、ラジアル軸受部材7が介設されており、これら半径方向に対向する両面間での相対回転を可能にしている。
固定側板5は、内周に挿通孔5dを有する基部5aと、基部5aの外周から外径側に向かって複数(例えば3方)突出するブラケット部5bと、基部5aの非突出部から軸方向の一方に向かって突出する複数(例えば3つ)の加締部5cとで構成される。そして、この挿通孔5dに、前記入力側部材2と連結される入力軸が挿通される。また、各ブラケット部5bには、それぞれ貫通孔5eが形成され、これらの貫通孔5eには、この逆入力遮断クラッチ1をモータケース等に取り付けるための取付けボルトがそれぞれ挿通される。
また、前記各加締部5cは、円周方向等間隔に形成され、それぞれ二股状に分かれた一対の爪を備えている(図示略)。そして、例えば加締部5cを静止側部材4の切欠き部4eに嵌め、一対の爪を円周方向の相反する方向に折返して、静止側部材4の鍔部4dに加締ることにより、静止側部材4と固定側板5とが、軸方向及び回転方向に相対移動不能に結合されるようになっている。
図2は、逆入力遮断クラッチ1の要部拡大断面図を示している。この図に示すように、出力側部材3の外周に設けられた平坦状のカム面3fと、各カム面3fに対向する静止側部材4の内周に設けられた円筒面4f、さらには前記入力側部材2の突起部2d、2dの互いに対向する周方向側面とで囲まれた領域には空間8が形成され、この空間8には、係合子としての一対のローラ9、9が収容される。前記空間8の周方向両側部には、楔隙間を有する係合領域8a、8aがそれぞれ形成されており、前記一対のローラ9、9が係合領域8a、8aにてそれぞれ出力側部材3のカム面3fと静止側部材4の円筒面4fに楔係合するようになっている。また、一対のローラ9、9間には、これら一対のローラ9、9をそれぞれカム面3fに押し付ける第一の弾性部材10が圧縮状態で配置されている。この第一の弾性部材10は、例えばコイルばね、あるいは断面S字形状の板ばねで構成することができる。
さらに、空間8には第二の弾性部材11が伸縮のない自然状態で配設されている。この第二の弾性部材11は、前記第一の弾性部材10と同様に、例えばコイルばね、あるいは断面S字形状の板ばねで構成され、図2に示す中立状態では、圧縮状態にある第一の弾性部材10の長さよりも短く、その両端は係合領域18a、18aに位置する一対のローラ9、9と非接触の状態にある。なお、図示のように第一の弾性部材10および第二の弾性部材11を何れもコイルばねで形成すれば、一方を他方の内周に配置することができ(図面は第一の弾性部材10の内周に第二の弾性部材11を配置した場合を例示する)、スペース効率を高めることができる。
この状態において、上述のカム面3fと、円筒面4fと、一対のローラ9、9とによってロック手段が構成されるとともに、一対のローラ9、9の周方向両外側に位置する入力側部材2の柱部2cによってロック解除手段が構成される。また、入力側部材2の突起部2dと、これに遊嵌合された出力側部材3の凹部3dとによってトルク伝達手段が構成され、さらには、第二の弾性部材11によって再ロック規制手段が構成される。
図2に示すように、中立位置においては、一対のローラ9、9は第一の弾性部材10によって互いに離反する方向に附勢され、空間8の周方向両側部に位置する係合領域8a、8aにてそれぞれカム面3fと円筒面4fとに楔係合する。この際、入力側部材2の各柱部2cと各ローラ9との間にはそれぞれ回転方向隙間δ1が存在し、また、出力側部材3の凹部3dと入力側部材2の突起部2dとの間には正逆両回転方向にそれぞれ回転方向隙間δ2が存在する。また、この際、回転方向隙間δ1と回転方向隙間δ2との間には、δ1<δ2の関係が成り立つ。
図3は、図2に示す中立状態から、入力側部材2に例えば時計周りのトルクT(入力トルク)が負荷され始めた状態を示す。入力トルクTによる入力側部材2の回転に伴い、回転方向後方側では、柱部2cとローラ9の間の回転方向隙間δ1が縮小し、やがて柱部2cがローラ9に接触してこれを第一の弾性部材10の弾性力に抗して同方向(時計周りの方向)に蹴り出す。この蹴り出しにより、当該ローラ9が空間の係合領域8aから離脱して回転フリーとなり、出力側部材3のロック状態が解除される。さらに入力側部材2が回転すると、図4に示すように、出力側部材3の凹部3dと入力側部材2の突起部2dとの間の回転方向隙間δ2が詰められて両者が回転方向に係合する。これにより、入力側部材2からの入力トルクTがローラ9を介して出力側部材3に伝達され、出力側部材3が同方向に回転を始める。入力側部材2に図示例と逆方向の入力トルクTが負荷された場合も、同様に入力トルクTが出力側部材3へ伝達される。
図2に示す中立状態で、出力側部材3に例えば時計周り方向のトルクTr(逆入力トルク)が負荷されると、回転方向後方側の係合子が空間8の係合領域8aに楔係合するため、出力側部材3が静止側部材4にロックされる。そのため、逆入力トルクTrが出力側部材3から入力側部材2に伝達されることはなく、逆入力トルクTrの還流によるモータ、ギヤ等の入力側機構の損傷が回避される。出力側部材3に図示例と逆方向の逆入力トルクTrが負荷された場合も同様に出力側部材3が静止側部材4にロックされ、逆入力トルクTrの入力側部材2への伝達が遮断される。
次に、出力側部材3に入力側部材2への入力トルクTと同方向(時計回り方向)の大きな逆入力トルクTrが作用する場合を考える。この場合、図2に示す中立状態で、入力側部材2に入力トルクTが負荷されると、入力側部材2の回転と共に、回転方向後方側のローラ9が柱部2cによって蹴り出され、出力側部材3のロックが解除される(図3参照)。ロック解除後は、蹴り出されたローラ9が第二の弾性部材11に当接するが(図4参照)、第二の弾性部材11の弾性力が大きいため、ローラ9が第二の弾性部材11への当接後にさらに蹴り出し方向(ロック解除方向)に移動することはない。この場合、従来品に比べて、ローラ9とカム面3fの間の隙間が小さく、空間8内でのローラ9の遊びが少なくなるため、出力側部材3に許容される空転量はごく少なく、従って、空転中に出力側部材3の回転速度が入力側部材2の回転速度を上回ることもない。これにより、出力側部材3と静止側部材4の再ロックが回避され、再ロックとロック解除の繰り返しによる異常音や異常振動の発生を抑えることができるとともに、出力側部材のスムーズな回転を得ることができる。
なお、第二の弾性部材11を設置せず、第一の弾性部材10の弾性力を強めることによっても、同様に再ロックを規制して異常音や異常振動の発生を抑制することができる。しかしながら、この場合には、ロック解除に要する入力トルクTが大きくなるため、モータ等の駆動源をさらに大出力化する必要があり、また、クラッチ内部の発熱量が増加するためにクラッチ寿命の低下を来す等の問題を生じる。
上記実施形態では、第二の弾性部材11の弾性力を第一の弾性部材10の弾性力よりも大きくしているが、両弾性部材10、11の弾性力は、その合計がロック解除後のローラ9のロック解除方向への移動を規制できるものであれば足りる。従って、両弾性部材10、11の弾性力の大小関係が上記とは逆の関係にあってもよい。
以上の実施形態では、第二の弾性部材11としてコイルばねや板ばねを使用する場合を例示したが、ばねに限らず、他の弾性部材を第二の弾性部材として使用することもできる。図5は、その一例を示したもので、コイルばねに代えて、ダンパ効果を有するゴム21を使用したものである。
再ロック規制手段としては、ローラ9に弾性力を付与する他、流体抵抗を付与することも考えられる。例えば出力側部材3と静止側部材4の間の空間8を、混和ちょう度が250以下、望ましくは235以下の高粘性のグリースで満たしても(空間容積比90%以上100%以下で満たすのが望ましい)同様の効果が得られる。この場合、グリースの混和ちょう度が低すぎると、入力トルクや発熱量の増大を招くので、グリースの混和ちょう度としては175以上、望ましくは205以上のものが好ましい。
さらに、図示は省略するが、図1に示す実施形態よりも出力側部材3の慣性モーメントを大きくすれば、ロック解除時の逆入力トルクによる出力側部材3の加速度を抑制し、出力側部材3の回転速度を入力側部材2の速度以下に抑えて再ロックとロック解除の繰り返しを回避することもできる。慣性モーメントの増大は、出力側部材(図示した出力側部材3の他、これに結合される回転部材も含む)の質量を大きくし、あるいはその外径寸法を部分的にまたは全体的に大きくすることによって達成することができる。
本発明の一実施形態に係る逆入力遮断クラッチ1の全体構成を示す縦断面図である。 中立位置における前記逆入力遮断クラッチ1の要部拡大横断面図である。 入力トルクの負荷直後における逆入力遮断クラッチ1の要部拡大断面図である。 出力側部材への入力トルクの伝達中における逆入力遮断クラッチ1の要部拡大断面図である。 第二の弾性部材11としてコイルばねの代わりにゴム21を用いた場合の逆入力遮断クラッチ1の要部拡大断面図である。 従来の逆入力遮断クラッチを示す要部拡大断面図である。 入力トルクの負荷直後における従来の逆入力遮断クラッチの要部拡大断面図である。 出力側部材への入力トルクの伝達中における従来の逆入力遮断クラッチの要部拡大断面図である。
符号の説明
1 逆入力遮断クラッチ
2 入力側部材
2c 柱部
2d 突起部
3 出力側部材
3d 凹部
3e 平面部
3f カム面
4 静止側部材
4f 円筒面
5 固定側板
6 軸孔形成部材
6b 平面部
7 ラジアル軸受部材
8 空間
8a 係合領域
9 ローラ(係合子)
10 第一の弾性部材
11 第二の弾性部材
21 ゴム
δ1 回転方向隙間
δ2 回転方向隙間

Claims (11)

  1. トルクが入力される入力側部材と、トルクが出力される出力側部材と、回転が拘束される静止側部材と、出力側部材からの逆入力トルクに対して、出力側部材と静止側部材との間に設けられた空間に係合子を楔係合させて出力側部材と静止側部材をロック状態にするロック手段と、入力側部材に設けられ、入力側部材からの入力トルクに対してロック手段によるロック状態を解除するロック解除手段と、ロック手段によるロック状態がロック解除手段によって解除された時に、入力側部材からの入力トルクを出力側部材に伝達するトルク伝達手段とを備えた逆入力遮断クラッチにおいて、
    ロック解除手段によるロック解除後に、出力側部材に入力された、入力側部材からの入力トルクと同方向の逆入力トルクによる出力側部材と静止側部材の再ロックを規制する再ロック規制手段を有する逆入力遮断クラッチ。
  2. 係合子と楔係合する空間が、出力側部材と静止側部材のうち、何れか一方に形成されたカム面と他方に形成された円筒面との間に形成されている請求項1記載の逆入力遮断クラッチ。
  3. 係合子をカム面に押し付ける第一の弾性部材を有する請求項2記載の逆入力遮断クラッチ。
  4. 再ロック規制手段が、ロック解除後における係合子のロック解除方向への移動を規制するものである請求項1〜3記載の逆入力遮断クラッチ。
  5. 再ロック規制手段が、係合子に流体抵抗を付与するものである請求項4記載の逆入力遮断クラッチ。
  6. 混和ちょう度が250以下のグリースで前記空間の90%以上100%以下を満たした請求項5記載の逆入力遮断クラッチ。
  7. 再ロック規制手段が、係合子に弾性力を付与するものである請求項4記載の逆入力遮断クラッチ。
  8. 前記弾性力を第二の弾性部材で付与する請求項7記載の逆入力遮断クラッチ。
  9. 第二の弾性部材は、ばねである請求項8記載の逆入力遮断クラッチ。
  10. 第二の弾性部材は、ゴムである請求項8記載の逆入力遮断クラッチ。
  11. 再ロック規制手段が、出力側部材の慣性モーメントを増加させるものである請求項1〜3何れか記載の逆入力遮断クラッチ。
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