JP2005188458A - 圧縮機の容量制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乗員側の快適性よりもエンジン側の出力性を優先し、エンジン出力を迅速に確保することができる圧縮機の容量制御装置を提供する。
【解決手段】 容量調整手段の作動により、その容量が可変に調整される圧縮機と、エンジンの運転状態から目標エンジントルクを演算するエンジントルク演算手段(92)と、エンジントルク演算手段による目標エンジントルクから圧縮機に割り当て可能な負荷に応じた要求容量を演算する要求容量演算手段(93)と、圧縮機の運転状態から圧縮機の現在の容量を演算する現在容量演算手段(94)と、要求容量演算手段による要求容量と現在容量演算手段による現在容量とが比較され、現在容量が要求容量となるように容量調整手段に作動信号を出力し、要求されたエンジントルクを確保すべく圧縮機の容量を制御する容量制御手段(96)とを含むよう構成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、圧縮機の容量制御装置に係り、詳しくは、車両用空調装置などの冷媒回路の制御に用いて好適な圧縮機の容量制御装置に関する。
この種の圧縮機は冷凍回路に備えられ、例えば自動車ではエンジンルーム内に配置される。より具体的には、この圧縮機はエンジンルームと車室との間を区画するインストルメントパネル内に配置された蒸発器に循環管路の復路を介して接続され、この循環回路の往路には凝縮器及び膨張弁が介挿されている。そして、圧縮機は冷媒を上記循環管路の復路から吸い込んで圧縮し、この圧縮した作動ガスを凝縮器に向けて吐出する。
当該圧縮機の容量は、乗員側の快適性を重要視して決定され、例えば冷媒の圧力や温度などの冷凍サイクルの冷房能力の指標となる物理量に応じて調整される。つまり、圧縮機の容量は一般的に、車室内の温度を一定にすべく可変制御され、圧縮機の作動中、その現在の容量については把握されていない。
そこで、この現在容量を把握するために、ピストンのストローク量やシャフトに嵌合された斜板の傾斜角を間接的に検出し、この検出値を容量制御のフィードバック情報として利用する斜板式の可変容量型圧縮機(特許文献1、2)が知られている。
特開平5−202849号公報(段落番号0030、図1等) 特開2003−49782号公報(段落番号0013〜0016、図1等)
ところで、現在の圧縮機では乗員側の快適性よりもエンジン側の出力性を優先した容量制御が要求される場合もある。このような容量制御は例えば車両の走行が平坦路走行から登坂走行に切り換わる場合などに要求される。すなわち、この場合には、より大きなエンジントルクが要求されるので、車室内の温度管理を犠牲にしてもエンジン出力を確保する必要があるからである。
しかし、前記従来技術では、圧縮機の現在容量の把握が可能であっても、エンジン出力を優先させて圧縮機の容量制御を行う点については格別な配慮がなされていない。これでは、登坂走行時、エンジン出力が低下し、ドライバビリティが悪化するという問題がある。
また、上記従来技術の斜板式圧縮機では、シャフトに嵌合された斜板の傾斜角を直接的に制御できない点にも留意しなければならない。登坂走行時への切り換え時点にて、要求される容量制御に迅速に対応できないとの問題が生ずるからである。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、乗員側の快適性よりもエンジン側の出力性を優先し、エンジン出力を迅速に確保することができる圧縮機の容量制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の圧縮機の容量制御装置は、容量調整手段の作動により、その容量が可変に調整される圧縮機と、エンジンの運転状態から目標エンジントルクを演算するエンジントルク演算手段と、エンジントルク演算手段による目標エンジントルクから圧縮機に割り当て可能な負荷に応じた要容量を演算する要求容量演算手段と、圧縮機の運転状態から圧縮機の現在の容量を演算する現在容量演算手段と、要求容量演算手段による要求容量と現在容量演算手段による現在容量とを比較し、現在容量が要求容量となるように容量調整手段に作動信号を出力し、要求されたエンジントルクを確保すべく前記圧縮機の容量を制御する容量制御手段とを含むことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、圧縮機の運転状態から圧縮機の目標の容量を演算する目標容量演算手段と、要求容量演算手段による要求容量と目標容量演算手段による目標容量とを選択する切り換え手段とを更に含み、容量制御手段は、切り換え手段からの信号に応じて、現在容量が要求容量又は目標容量となるように容量調整手段に作動信号を出力することを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、圧縮機は、斜板式の可変容量型圧縮機であることを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、圧縮機は、フロントハウジングと、フロントハウジングに連結され、リアハウジングを備えたシリンダブロックと、シリンダブロック及びフロントハウジングにそれぞれ軸受を介して回転自在に支持されたシャフトと、フロントハウジング内に形成されたクランク室に配置され、シャフトと一体的に回転運動する斜板と、斜板の回転運動に伴ってシリンダブロック内を往復運動するピストンとを含み、容量調整手段は、リアハウジングに設けられ、圧縮機のクランク室内の圧力を制御する電磁制御弁であって、励磁によってシャフトの軸線方向に移動する可動子を備えたソレノイド励磁部と、ソレノイド励磁部に連結され、可動子の移動によって圧縮機の吐出室とクランク室とを開閉させる弁体を有した制御弁本体と、クランク室内の圧力を利用して斜板の傾斜角を直接に調整する調整機構とを含むことを特徴としている。
したがって、請求項1記載の本発明の圧縮機の容量制御装置によれば、車両の平坦路走行時から登坂走行時に切り換わる場合などでは、その切り換え時点にてエンジントルクが平坦路走行時よりも余計に要求される。このように、エンジン側の出力性が重要視される場合には、乗員側の快適性を重要視せずにエンジン出力を優先させて圧縮機の容量制御を行うことが可能になり、その要求時点からエンジントルクを確保できる。よって、エンジン出力の低下を防止し、ドライバビリティの向上を図ることができる。
また、請求項2記載の発明によれば、車両の平坦路走行時から登坂走行時、或いは登坂走行時から平坦路走行時に移行する如くの各種走行状態に対し、乗員側の快適性とエンジン側の出力性とを適宜選択して圧縮機の容量制御を行えるので、エアコンの温度管理とドライバビリティの向上とを好適に達成することができる。
更に、請求項3記載の発明によれば、斜板式の可変容量型圧縮機は回転式の可変容量型圧縮機に比して大きな容量が求められることに鑑み、本発明の容量制御装置を斜板式の可変容量型圧縮機に適用すれば、エンジン側の出力性が優先される場合にエンジンへの負担を極力低減させ、エンジン出力の低下をより一層防止できる。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、電磁制御弁が斜板式の可変容量型圧縮機に組み込まれており、この圧縮機の斜板の傾斜角を直接に調整する調整機構が備えられている。よって、電磁制御弁が圧縮機の容量自体を直接的に制御可能となり、各種走行状態に対して迅速に対応でき、圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の圧縮機の容量制御装置1は斜板式の可変容量型圧縮機2に適用される。
当該圧縮機2は車両用空調装置の冷媒回路に配置され、圧縮機2のシリンダブロック4の一端側にはフロントハウジング3が接合される。一方、シリンダブロック4の他端側にはシリンダヘッド(リアハウジング)5が接合される。
フロントハウジング3はシリンダブロック4に向けて大径となる筒形状をなし、それぞれ開口した両端を有する。フロントハウジング3内にはクランク室15が形成されている。そして、クランク室15内にはシャフト6が配置されている。このシャフト6は段付き形状なし、一端側の第1軸部7と、他端側の第2軸部8とを有する。第1軸部7はフロントハウジング3から突出し、その突出端には駆動ディスク75がナット76を介して取り付けられている。この駆動ディスク75は電磁クラッチ77を介して駆動プーリ9に連結されており、駆動プーリ9はフロントハウジング3に回転自在に支持されている。
そして、電磁クラッチ77がオン作動されたときには、電磁クラッチ77は駆動プーリ9と駆動ディスク75とを一体的に連結し、駆動ディスク75、すなわち、シャフト6を駆動プーリ9とともに一方向に回転させる。これに対し、電磁クラッチ77がオフ作動されたときには、電磁クラッチ77は駆動プーリ9と駆動ディスク75との間の連結を解除し、駆動プーリ9からシャフト6の動力の伝達を断つ。
第2軸部8は軸受12、32を介してフロントハウジング3及びシリンダブロック4に回転自在に支持されている。また、第2軸部8にはシャフト6の回転を斜板10に伝達するアーム19が固定されている。更に、第2軸部8にはスリーブ(調整機構)28が外側から摺動自在に嵌合され、このスリーブ28にはアーム19との間にスプリング29が介在されている。このスプリング29はシャフト6の軸線方向にてスリーブ28をシリンダブロック4側に押圧付勢している。
アーム19と斜板10とはピン18及びピン係合孔17を介して連結されている。また、斜板10にはスリーブ係合孔11が設けられており、このスリーブ係合孔11は斜板10の傾動を所定の傾斜角範囲に亘って許容すべく、その形状が設定されている。このように、斜板10はシャフト6の回転軸線に直交する仮想面に対して傾斜可能に構成され、斜板10はスリーブ28の外側で揺動する。
シリンダブロック4にはシャフト6を中心とした周方向に所定間隔を存して複数のシリンダボア14が配設される。各シリンダボア14内にはピストン13がそれぞれ収容されている。ピストン13はシリンダボア14から突出したテールを有し、このテールに斜板10の外周縁を挟む一対のシュー16が保持されている。斜板10はその回転時にシュー16の内面に摺接される。このシュー16の外面は半球面に形成されているとともに、前記テールには半球状の凹面が形成され、この凹面にシュー16の半球面が嵌合されることで、玉継手が構成されている。
そして、駆動プーリ9の回転はシャフト6に伝達されると、シャフト6はアーム19を介して斜板10を回転させる。斜板10の回転運動は、シュー16を介してピストン13の往復動に変換される。
一方、斜板10の傾斜角が変更されると、ピストン13のストローク量が変更され、ひいては圧縮機2の容量が調整される。また、斜板10の傾斜角が変更されると、この変更に伴い、シャフト6の軸線方向でみてスリーブ28の軸方向が変更される。
シリンダヘッド5はシリンダブロック4に向けて開口したカップ形状をなし、その開口端がバルブプレートを介してシリンダブロック4に気密に連結されている。シリンダヘッド5内には冷媒の吸入室20と吐出室25とが形成され、吸入室20は吐出室25の周囲に配置されている。吸入室20は、バルブプレートの吸入孔21を介してシリンダブロック4のシリンダボア14にそれぞれ連通することができ、吸入孔21は吸入リード弁(図示しない)により開閉される。なお、吸入リード弁はシリンダボア14側から開閉される。また、吸入室20はシリンダブロック4内に設けられた連通路22を介してクランク室15に常時連通している。この連通路22はその途中に絞りを有し、クランク室15内の圧力を吸入室20側に徐々に逃がすことができる。
一方、吐出室25はバルブプレートの吐出孔23を介してシリンダブロック4のシリンダボア14にそれぞれ連通し、この吐出孔23は吐出リード弁24により吐出室25側から開閉される。この吐出リード弁24は弁押さえ27とともに取り付けられている。また、吐出室25はシリンダブロック4内に設けられた連通路26を介してクランク室15にも連通し、この連通路26の途中に電磁制御弁(容量調整手段)40が介挿されている。この電磁制御弁40はその開閉作動に応じて吐出室25内の冷媒をクランク室15に供給する。なお、図示されていないが、シリンダヘッド5の周壁には吸入室20及び吐出室25にそれぞれ連通する吸込口及び吐出口が形成されており、吸込口は循環管路の復路に接続され、吐出口は循環管路の往路に接続されている。
電磁制御弁40はシリンダヘッド5内に配置されている。具体的には、吐出室25が環状をなしており、電磁制御弁40は吐出室25に囲まれるようにしてシリンダヘッド5の中央に配置され、且つ、シャフト6の回転軸線と同一線上に位置付けられている。電磁制御弁40は電子コントロールユニット(エアコンECU)90からの出力信号によって作動する。
電磁制御弁40は、ソレノイド励磁部41と、制御弁本体42とを備え、制御弁本体42内にはソレノイド励磁部41におけるソレノイド44の励磁及び消磁によって作動する弁体50がガイドスリーブを介して配置されている。制御弁本体42はシャフト6とソレノイド励磁部41との間に配設される。
より具体的には、ソレノイド励磁部41はその内部に可動子48を備え、可動子48はソレノイド44への励磁によってシャフト6の軸線と同軸上にて制御弁本体42から離間する方向に移動する。可動子48の内部にはスプリング46が備えられ、このスプリング46の付勢力はソレノイド44の消磁を受け、可動子48を制御弁本体42に向けて移動させる。
制御弁本体42の弁体50は可動子48とともに移動し、制御弁本体42内の弁口66を開閉する。より詳しくは、制御弁本体42内には弁口66を挟んでクランクポート62、吐出ポート64が形成され、クランクポート62は接続通路31を介して連通路26に連通する一方、吐出ポート64は接続通路30を介して吐出室25に連通している。なお、これら接続通路30,31は、図1から明らかなようにシリンダヘッド5及び制御弁本体42に形成されている。そして、弁体50は弁口66を貫通する縮径部を有し、その先端側の大径部と縮径部との間の段差により弁口66が開閉される。
更に、弁体50の先端は、制御弁本体42内のスプリング室に突出し、このスプリング室に圧縮コイルばね80が弁体50と同軸にして収容され、この圧縮コイルばね80の両端には、ばね座81,82が配置されている。これらばね座81,82はスプリング室内にて弁体50の軸線方向に移動可能であって、圧縮コイルばね80により互いに離間する方向に付勢されている。従って、弁体50はばね座82と可動子48との間にて挟み付けられた状態にある。
弁体50の先端はばね座82の背面に当接され、一方、ばね座81の背面にはロッド(調整機構)70が当接されている。このロッド70は前述したスリーブ28に向けて、制御弁本体42内からシャフト6内に延び、シャフト6と同心にして配置されている。
スリーブ28側のロッド70の一端は、シャフト6に形成した軸方向スロット内に突出し、その一端には径方向ピン72が設けられている。この径方向ピン72は軸方向スロットからシャフト6の直径方向両側に突出し、スリーブ28の内部に係合されている。なお、図1に示す状態では、径方向ピン72はスリーブ28側の軸方向スロットの内端に当接した状態にある。
上述した構成によれば、弁体50の移動量が圧縮コイルばね80を介してロッド70に伝達され、ひいてはスリーブ28に伝達されることになる。
そして、エンジン出力が過度に要求されない場合には、エアコンECU90からの出力信号によってソレノイド44が励磁され、可動子48はスプリング46の付勢力に抗して制御弁本体42から離間する方向に引き付けられる。これに伴い、弁体50は圧縮コイルばね80の付勢力によって可動子48側に移動し、弁口66を遮断する。つまり、吐出室25内の圧力はクランク室15に供給されない。一方、クランク室15内の圧力は、連通路22中の絞りを介して吸入室20に徐々に逃がされているので、次第に低下し、ピストン13に加わる背圧もまた低下する。
一方、ロッド70及び径方向ピン72は、圧縮コイルばね80の付勢力を受け、スプリング29の付勢力に抗して、スリーブ28を制御弁本体42から離間する方向に移動させる。これにより、斜板10の傾斜角が大きくなる。そして圧縮機2に最大容量時での運転が要求される場合には、図1に示されるように、斜板10は最大傾斜角を持って回転する。
これに対し、エンジン出力が要求されると、ソレノイド44が消磁され、可動子48はスプリング46の付勢力によって制御弁本体42に向かう方向に移動する。この際、弁体50は圧縮コイルばね80の付勢力に抗して可動子48とともに移動し、弁口66を開く。つまり、吐出室25内の圧力が連通路26を介してクランク室15に供給される。よって、クランク室15内の圧力は上昇し、ピストン13に加わる背圧が増加する。そして、この背圧とスプリング29の付勢力が圧縮コイルばね80の付勢力に打ち勝つと、ロッド70はスリーブ28とともに制御弁本体42に向かう方向に移動する。これにより、斜板10の傾斜角が小さくなる。そして圧縮機2に最小容量時での運転が要求される場合には、図2に示されるように、斜板10は最小傾斜角を持って回転する。
ここで、エアコンECU90には、入出力装置、メモリ(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、CPU等が備えられており、このエアコンECU90により、圧縮機2の容量制御を含めた総合的な制御が行われる。
エアコンECU90の詳細は図3に示されており、エアコンECU90は、エンジンや圧縮機2の各運転状態を検出する各種センサからの出力信号を信号処理部91で電気的に処理し、その処理信号をエンジントルク演算部(エンジントルク演算手段)92や現在容量演算部(現在容量演算手段)94に出力する。
エンジントルク演算部92では、車速Vからエンジン回転速度を求め、目標エンジントルクを演算して要求容量演算部(要求容量演算手段)93に出力する。この要求容量演算部93では、目標エンジントルクに基づいて圧縮機2に割り当て可能な負荷に応じた要求容量を演算して比較部95に出力する。
一方、現在容量演算部94では、圧縮機2の吸入室20に導入される冷媒の吸入圧力Psや吸入温度Tsに基づいて圧縮機2の現在容量を演算して比較部95に出力する。この比較部95では、圧縮機2の要求容量と圧縮機2の現在容量とを比較し、この差を電流値設定部(容量制御手段)96に出力する。
電流値設定部96では、上記要求容量と現在容量との差に基づいて電流値を設定し、この電流値をソレノイド44に出力する。そして、この設定された電流値によって電磁制御弁40の開度、つまり、弁体50の移動量がフィードバック制御される。このようにして弁体50の移動量が調整される結果、このクランク室15内の圧力が制御され、圧縮機2の容量はその要求容量となり、要求されたエンジントルクを確保する。
このように、本実施形態の圧縮機の容量制御装置1によれば、例えば車両の走行が平坦路走行から登坂走行に切り換わった際、エンジントルクが通常の平坦路走行よりも余計に要求される場合には、乗員側の快適性を犠牲にしてもエンジン出力を優先することができるので、要求されたエンジントルクを確保することができる。従って、エンジンの出力低下が防止され、ドライバビリティが向上する。
また、電磁制御弁40の弁体50及びロッド70が圧縮機2のシャフト6と同一軸線上に配置され、電磁制御弁40の作動量が圧縮機2の斜板10を直接的に制御することができることから、上記の例で云えば、通常の平坦路走行から登坂走行に切り換わった際、迅速に対応可能となり、圧縮機の信頼性向上が図られる。
しかも、大容量が要求される斜板式の可変容量型圧縮機に適用すれば、エンジンへの負担を極力低減可能となる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態のエアコンECUの構成に、圧縮機の容量を車室内の温度が一定になるように可変に制御する構成を付加しても良い。
具体的には、図4に示されており、エアコンECU90Aでは、車速、吸入室20に導入される冷媒の吸入圧力や吸入温度の他、外気温度Toや室内温度Tiなどの圧縮機の他の運転状態をも入力される。そして、目標容量演算部(目標容量演算手段)97では、この外気温度や室内温度などから圧縮機の目標容量を演算して切り換え部(切り換え手段)98に出力する。
この切り換え部98では、エンジン側の出力性を鑑みた要求容量演算部93による圧縮機の要求容量も入力されており、各種運転状態に基づく要求信号Dに応じて圧縮機の要求容量か圧縮機の目標容量かのいずれかを選択し、比較部95に出力する。
比較部95では、圧縮機の要求容量又は目標容量と圧縮機の現在容量とを比較し、電流値設定部96では、比較による差に基づいて電流値を設定し、この電流値をソレノイド44に出力する。
これにより、上述の例で云えば、通常の平坦路走行から登坂走行に切り換わっても、エンジン出力の低下防止の他、その切り換わり以降におけるエアコンの温度管理の達成や、冷凍サイクルの熱負荷の変化及び吸入圧力Psの低下への対応など、エンジン側の出力性と乗員側の快適性とを走行状態に応じて迅速に対応可能となり、圧縮機の更なる信頼性向上が図られる。
また、上記実施形態には電磁クラッチを有する圧縮機が示されているが、本発明の圧縮機の容量制御装置は、この実施形態の他、電磁クラッチを有しないクラッチレスタイプの圧縮機にも適用可能である。
更に、上記実施形態では斜板式の可変容量型圧縮機が示されているが、本発明の圧縮機の容量制御装置は、この実施形態に必ずしも限定されるものではなく、自動車のエンジンに取り付けられる容積形の各種の開放式圧縮機に適用することができ、この場合にもエンジン出力の低下防止に貢献できる。
本発明の一実施形態に係る容量制御装置が適用される圧縮機の構成図であり、最大容量運転時を示す図である。 図1の圧縮機の構成図であって、最小容量運転時を示す図である。 図1の容量制御装置の制御ブロック図である。 他の実施例に係る容量制御装置の制御ブロック図である。
符号の説明
1 圧縮機の容量制御装置
2 斜板式可変容量型圧縮機(圧縮機)
3 フロントハウジング
4 シリンダブロック
5 シリンダヘッド(リアハウジング)
6 シャフト
10 斜板
12 軸受
13 ピストン
15 クランク室
25 吐出室
28 スリーブ(調整機構)
40 電磁制御弁(容量調整手段)
41 ソレノイド励磁部
42 制御弁本体
48 可動子
50 弁体
70 ロッド(調整機構)
90 電子コントロールユニット(エアコンECU)
92 エンジントルク演算部(エンジントルク演算手段)
93 要求容量演算部(要求容量演算手段)
94 現在容量演算部(現在容量演算手段)
95 比較部
96 電流値設定部(容量制御手段)
97 目標容量演算部(目標容量演算手段)
98 切り換え部(切り換え手段)

Claims (4)

  1. 容量調整手段の作動により、その容量が可変に調整される圧縮機と、
    エンジンの運転状態から目標エンジントルクを演算するエンジントルク演算手段と、
    該エンジントルク演算手段による目標エンジントルクから圧縮機に割り当て可能な負荷に応じた要求容量を演算する要求容量演算手段と、
    前記圧縮機の運転状態から該圧縮機の現在の容量を演算する現在容量演算手段と、
    前記要求容量演算手段による要求容量と前記現在容量演算手段による現在容量とを比較し、該現在容量が前記要求容量となるように前記容量調整手段に作動信号を出力し、要求されたエンジントルクを確保すべく前記圧縮機の容量を制御する容量制御手段と
    を含むことを特徴とする圧縮機の容量制御装置。
  2. 前記圧縮機の運転状態から該圧縮機の目標の容量を演算する目標容量演算手段と、
    前記要求容量演算手段による要求容量と前記目標容量演算手段による目標容量とを選択する切り換え手段とを更に含み、
    前記容量制御手段は、前記切り換え手段からの信号に応じて、前記現在容量が前記要求容量又は前記目標容量となるように前記容量調整手段に作動信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の圧縮機の容量制御装置。
  3. 前記圧縮機は、斜板式の可変容量型圧縮機であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮機の容量制御装置。
  4. 前記圧縮機は、
    フロントハウジングと、
    該フロントハウジングに連結され、リアハウジングを備えたシリンダブロックと、
    該シリンダブロック及び前記フロントハウジングにそれぞれ軸受を介して回転自在に支持されたシャフトと、
    前記フロントハウジング内に形成されたクランク室に配置され、前記シャフトと一体的に回転運動する斜板と、
    該斜板の回転運動に伴って前記シリンダブロック内を往復運動するピストンとを含み、
    前記容量調整手段は、前記リアハウジングに設けられ、前記クランク室内の圧力を制御する電磁制御弁であって、
    励磁によって前記シャフトの軸線方向に移動する可動子を備えたソレノイド励磁部と、
    該ソレノイド励磁部に連結され、前記可動子の移動によって前記圧縮機の吐出室と前記クランク室とを開閉させる弁体を有した制御弁本体とを備えた電磁制御弁と、
    前記クランク室内の圧力を利用して前記斜板の傾斜角を直接に調整する調整機構と
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機の容量制御装置。
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JP2007051618A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Tgk Co Ltd 可変容量圧縮機

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