JP2005188139A - 楔形アンカーの埋設用工具及び楔形アンカー - Google Patents

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Abstract

【課題】 小さな孔径の挿入孔でも適用することができる後付けアンカー工法に利用する楔形アンカー埋設用工具及び楔形アンカーを開示する。
【解決手段】 研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体と、該本体の先端部側に位置して、前記回転工具による穿孔時に前記先端部内部に入り込んで該先端部を拡張可能な拡径部材と、前記本体内にその軸方向にスライド可能に挿入され、本体後端からの押し込み操作により前記先端部内部への入り込みを解除可能に前記拡径部材と直結してなるピン部材とからなる。また、本体の先端部側に位置して、回転工具による穿孔時に先端部内部に入り込んで該先端部を拡張可能な拡径部材とからなる。本体内にスライド可能に挿入され、且つ本体後端からの押し込みによって本体の先端部を楔形に拡張可能なピン部材とからなる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、先端部において本体が側方に拡張することにより、壁面等に設けられた挿入孔に対する摩擦的圧迫力により固定される楔形アンカーの埋設用工具に係り、前記挿入孔内部に楔形拡径孔を形成することができる新規な工具と、該工具を兼用する楔形アンカーに関するものである。
アンカーは例えば建築物の躯体壁面に取り付けられ、仮設足場の繋ぎとして利用される。その取付方法としては、躯体構築時にコンクリート打設前に埋め込む方法(先付け工法)や、溶接等により固定する方法がある。これら取付方法はアンカーを強固に固定できる反面、施工条件に制約があり、また工事終了後の撤去も容易ではない。そのため、これら方法に代わるものとして、躯体構築後、後付けでアンカーを取り付ける方法が存在する。
当該後付けアンカー工法は、躯体等壁面にドリルでアンカーの挿入孔を設け、該挿入孔にカットアンカーやインサートアンカーなどをハンマーで打ち込む態様である。そして、打ち込まれたアンカーはその先端が挿入孔内部で拡張し、その摩擦的圧迫力によって一定の引張力(引き抜きに抗する力)を発生している。
しかしながら、上記打ち込みによる後付けアンカー工法では、アンカーの先端拡張によって、その部分の挿入孔までもが変形している訳ではなく、単にアンカー先端と挿入孔内壁との摩擦的圧迫力のみによってアンカーの固定力(引張力)を得ているに過ぎない。つまり、この工法では一のアンカーによって得られる引張力に限界があり、例えば仮設足場の繋ぎとして利用する場合は単位面積当たりの打ち込み本数を多くする必要がある。このことは、施工性の悪化を意味し、また工事終了後におけるアンカーの撤去効率やアンカー跡の補修率の悪化にも直結する。
もちろん、引張力はアンカー径によって向上するから、太いアンカーを使用することによって上記課題をある程度解消することができるが、とすれば、アンカーの挿入孔も大きくせざるを得ず、コーキング材(仕上げ材)による補修跡が目立つといった別の課題が発生することになる。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、先付けアンカー工法と同様の引張力を得ることができ、しかも小さな孔径の挿入孔でも適用することができる後付けアンカー工法、即ち、当該後付けアンカー工法に利用する楔形アンカー埋設用工具及び楔形アンカーを開示することである。
上述した目的を達成するために本発明では、楔形アンカー埋設用工具を研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体と、該本体の先端部側に位置して、前記回転工具による穿孔時に前記先端部内部に入り込んで該先端部を拡張可能な拡径部材と、前記本体内にその軸方向にスライド可能に挿入され、本体後端からの押し込み操作により前記先端部内部への入り込みを解除可能に前記拡径部材と直結してなるピン部材とから構成した。該埋設用工具は、予めドリルなどで穿孔したアンカー挿入孔に楔形の後付けアンカーを打ち込む前に、前記アンカー挿入孔の奥側に楔型の拡径孔を形成するためのもので、拡径部材を本体先端から露出した状態では、アンカー挿入孔への挿入及び抜き出し可能な径を維持する一方、回転工具による穿孔時に本体が前記アンカー挿入孔の奥側に移動することと連動して拡径部材が本体先端部の内部に入り込んで該先端部を楔形に拡張させる。そして、該拡張状態のまま本工具をドリル等の回転工具で回転させることによって、先端部に設けたダイヤモンド粒子などからなる研磨層または研削刃によりアンカー挿入孔の奥側に楔形の拡径孔を形成する作用を行う。該形成後は、ピン部材を上記とは逆の方向に操作、即ち後端から本体内に押し込むことによって、拡径部材が本体先端から露出して先端部拡張が解除されるから、本工具をアンカー挿入孔から抜き出すことができる。また、本体先端にスリットを設けることで、先端部の拡張が確実に行える。
そして、本工具により形成された拡径孔(アンカー挿入孔)に対しては、従来公知の打ち込み式楔形アンカーを適用することができるのであるが、楔形アンカーを打ち込むことによって、その先端部と前記拡径孔の形状が一致するから、強い引張力を得ることができる。また、本発明ではアンカー挿入孔の奥側にアンカーの楔と同一形状の拡径孔を形成することによって、両者を係合させることにより、アンカーの引張力を得るものであるから、アンカー挿入孔の孔径は小さくて済み、事後的な補修も目立たず、容易に行うことができる。
なお、本工具はアンカー挿入孔への拡径孔形成後、ピン部材を押し込まず、本体の先端部を拡張した状態として使用すれば、そのままアンカーとして利用することができる。また、ピン部材を押し込むだけで、先端部拡張が解除されるから、撤去も容易である。
これに対して、拡径孔の形成を同時に行う楔形アンカーとして本発明では、研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体と、該本体の先端部側に位置して、前記回転工具による穿孔時に前記先端部内部に入り込んで該先端部を拡張可能な拡径部材とによって構成するという手段を用いた。その基本的構成は、従来公知のカットアンカーを踏襲し、本体先端部に研磨層または研削刃を設けることで本発明アンカーを構成することができる。この本発明アンカーによれば、通常は拡径部材が本体先端から突出しており、この状態でアンカー挿入孔へ挿入することができる。該挿入後、本体の後端部に回転工具を装着し、回転力を付与すると共に、押し込み力を付与することによって、拡径部材が本体先端部に入り込んで該先端部を楔形に拡張し、拡張した先端部はその研磨層または研削刃によってアンカー挿入孔の奥側に拡張先端部と形状が合致する拡径孔を形成し、当該合致をもって強い引張力を持つアンカーとすることができる。
なお、このカット式の本発明アンカーでは、本体を押し込みながらその先端部を拡張させると共に、回転工具の回転力によって、アンカー挿入孔の奥側に拡径孔を形成するものであるが、押し込み量が多いと、無駄に拡径孔が深くなり、また、本体を繋ぎとして利用する場合に、アンカー挿入孔から必要長を確保できないという不都合が生じる。このような過度な押し込みを回避するために、本発明ではスペーサを用いるという手段を選択的に用いる。つまり、このスペーサは、上記カット式の本発明アンカーをアンカー挿入孔に埋め込むときに用いる埋設用工具として機能するもので、回転工具とアンカー挿入孔の形成面(壁面や天井等)の間に位置して、外函にバネの付勢力に抗して内函を伸縮可能に挿入してなる。該埋設用工具(スペーサ)によれば、バネの縮量を限界として回転工具を介して行われる本体の過度な押し込みが回避される。また、このスペーサでは、外函あるいは内函には空気抜けを設けておくことが好ましい。両者が密閉された状態では、内函の伸縮を円滑に行うことができないからであり、また空気抜けの開度を調整することによって、バネを補助するエアサスペンションとして機能させることも可能だからである。
さらに、拡径孔の形成を兼ねた楔形アンカーの別構成として本発明では、研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体と、該本体内にスライド可能に挿入され、且つ本体後端からの押し込みによって前記本体の先端部を楔形に拡張可能なピン部材とから構成するという手段も用いる。その基本的構成は、従来公知のインサートアンカーを踏襲し、本体先端部に研磨層または研削刃を設けることで本発明アンカーを構成することができる。この本発明アンカーによれば、通常はピン部材が本体後端から突出しており、この状態でアンカー挿入孔へ挿入することができる。該挿入後、本体の後端部に回転工具を装着し、回転力を付与すると共に、ピン部材を本体内に押し込むことによって本体先端部が楔形に拡張し、拡張した先端部はその研磨層または研削刃によってアンカー挿入孔の奥側に拡張先端部と形状が合致する拡径孔を形成する、そして、当該合致をもって強い引張力を持つアンカーとすることができるのは、上述したアンカーと同様である。
なお、このインサート式の本発明アンカーは、回転工具の回転力の伝達により本体先端部を回転させ、該先端部に設けた研磨層または研削刃によってアンカー挿入孔の奥側に拡径孔を形成する点では上記カット式の本発明アンカーと同じであるものの、本体先端側の拡径部材が省略される代わり、ピン部材の押し込みによって本体先端部を拡張させる点で上記カット式の本発明アンカーと相違する。このため、このインサート式の本発明アンカーにあっては、本体後端部に装着可能な角筒部材と、ピン部材を本体に押し込み可能に前記角筒部材にスライド可能に外嵌され、且つ、回転工具と連結されるピン部材の押し込み量調整部材とから楔形アンカー埋設用工具を構成するという手段を用いた。この手段において、インサート式の本発明アンカーは角筒部材および押し込み量調整部材を介して回転工具の回転力が伝達され、本体を回転させる。また、押し込み量調整部材は、上記回転力の伝達機能の他、角筒部材に対するスライド位置によってピン部材の本体に対する押し込み量を調整する機能を兼用するもので、回転工具の押し込み操作と連動して本体先端部の拡張調整機能を担うものである。つまり、最終的には回転工具のアンカー挿入孔の形成面に対する押し付け量によって押し込み量調整部材を介してピン部材の押し込み量、即ち本体先端部の拡張度が決定され、引くことで過度な先端部拡張が回避され、過負荷による回転工具の回転が停止するという不都合も回避される。
また、このインサート式の本発明アンカーは、工事終了後、ピン部材を本体から完全に引き抜くことで、前記先端部の拡張が解除され、本体をアンカー挿入孔から引き抜く又はアンカー挿入孔を深く設定している場合は、該アンカー挿入孔に埋設することができるが、この際、ピン部材を引き抜く構成としては、ピン部材と係合しつつ、本体後端部と螺合する構成の撤去工具を採用することができる。ここで本体との連結構造として螺合する態様を採用しているので、本発明の撤去工具は汎用のレンチやスパナによってピン部材の引き抜き方向に簡単に操作することができる。
さらに、このインサート式の本発明アンカーは、ピン部材の引き抜きによって撤去可能であるから、根本を折損して壁面等に埋設したまま使い捨てとなる上記カット式の本発明アンカーとは違い、拡径孔の形成専用の工具としても利用することができる。
なお、ここに説明した本発明アンカーは、上記何れかの構成において、2穴以上のアンカーとして構成することも可能である。
さらに、上述したアンカーでは、本体の先端部拡張を拡径部材によって行うこととしたが、研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体からなり、さらに該本体は前記回転工具による穿孔時に遠心力によって前記先端部が拡張可能とする手段によっても、本発明の目的を達成することができる。もちろん、この手段を拡径部材を備えた上記アンカーに併用することも可能である。
上述した本発明のうち、楔形アンカーに関するものについては、それぞれ本体先端部に研磨層または研削刃を設け、該先端部を拡張した状態でアンカー挿入孔の奥側に拡張先端部と形状が合致する拡径孔を形成することができるため、小口径であっても、また挿入長が短い場合であっても、単なる摩擦的圧迫力によって固定される従来の楔形アンカーと比べて、強い引張力を得ることができる。また、従来なかった拡径孔形成の専用工具としても利用できるという特有の効果を奏する。さらに、小口径の拡径孔が形成可能なため、今までアンカーを打ち込むことができなかったタイル壁の目地などの小さなスペースにも適用することができる。
また、拡径孔の径は研磨層の厚みや研削刃の刃長により決定でき、これらが完全に消耗するまで拡径孔形成の専用工具またはアンカーとして再利用できると共に、最終的には使い捨てのアンカーとして利用することもできる。
さらに、カット式楔形アンカーの埋設用工具として、回転工具とアンカー挿入孔の形成面の間に位置して利用するスペーサにあっては、外函にバネの付勢力に抗して内函を伸縮可能に挿入してなるため、拡径孔の形成深度を常に適正なものとすることができる。また、外函あるいは内函には空気抜けを設けておくことで、内函の伸縮を円滑に行うことができ、また空気抜けの開度を調整することによって、バネを補助するエアサスペンションとして機能させることも可能である。
一方、インサート式楔形アンカーの埋設用工具として、本体後端部に装着可能な角筒部材と、ピン部材を本体に押し込み可能に前記角筒部材にスライド可能に外嵌され、且つ、回転工具と連結されるピン部材の押し込み量調整部材とからなるものにあっては、回転工具のアンカー挿入孔の形成面に対する押し付け量によって押し込み量調整部材を介してピン部材の押し込み量、即ち本体先端部の拡張度が決定され、引くことで過度な先端部拡張による過負荷発生によって回転工具が不用意に回転停止することもない。
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明の楔形アンカーの埋設用工具の一例を示したもので、特にアンカー挿入孔の奥側に楔形の拡径孔を形成する場合に用いる工具を示したものである。図中、1はアンカー挿入孔に挿入可能な径からなる筒状の本体、2は本体1にスライド可能に挿入したピン部材、3はピン部材2の先端に連結され、常態で本体1の先端から突出した略菱形の拡径部材である。この構成において、本体1の先端部には軸方向にスリット1aが設けられ、本工具による穿孔時に拡径部材3は本体先端部に押し込まれ、該先端部を拡張可能に構成している。また本体1の先端部の外周にはダイヤモンド粒子などかなる研削層1bが形成されている。ただし、研磨層1bは研削刃によって構成してもよい。この本体先端部に必要なことは、拡径部材3の入り込みにより先端部を拡張し、且つ、アンカーを適用する壁面等の素材に合わせて、アンカー挿入孔の奥側に研磨等により拡径孔を形成する構成を採用することである、さらに、本体1の後端部にはドリル等の回転工具との連結時に使用する雄ネジ1cが形成されている。また、ピン部材2の後端にはストッパ2aが設けられている。
図2は、上記構成の工具による施工手順を示したもので、先ず壁面等にドリル等によって形成したアンカー挿入孔Hに、拡径部材3を先端から突出した状態で本工具を挿入し、その後端部の雄ネジ1cを利用して本体1にドリル等の回転工具Tを連結する(同図(a)参照)。なお、このときスペーサジョイントJを介在させるなどして、本体1の後端と回転工具Tとの間にピン部材2の突出を許容するスペースを設けておく。次に、回転工具Tを回転駆動させながらこれを押し込めば、拡径部材3がアンカー挿入孔Hの奥端からの反発力を受けて本体1の先端部に徐々に入り込み、図示の通り、本体1の先端がアンカー挿入孔Hの奥端に到達する位置まで押し込めば、本体1の先端部は拡張し、また、同時に回転する研磨層1bによってその径に見合った拡径孔H2が形成される(同図(b)参照)。そして、回転工具Tを外し、本工具を抜き方向に引き(同図(c)参照)、続いて、ピン部材2を押し込めば、拡張部材3が本体1の先端に再度突出し、本体1の先端部の拡張が解除される(同図(d)参照)。この状態で本工具をアンカー挿入孔Hから抜くことができるから、打ち込み式の楔形アンカーAをアンカー挿入孔Hに挿入し(同図(e)参照)、該アンカーAを打ち込んでその先端を拡張させ(同図(f)参照)、この状態でアンカーAを引けば、アンカーAの楔形先端形状と上記拡径孔H2の形状が一致した状態となり、本体1の後端部雄ネジ1cにアンカーナットNを取り付けることで、アンカーの取付けが終了する(同図(g)参照)。
なお、ここでは本工具を拡径孔H2の形成専用として説明したが、図2(c)の状態で施工を終了すれば、本工具をアンカーとして利用することも可能である。
次に図3は、本発明に係るカット式の楔形アンカーの一形態と、その施工手順を示したもので、本アンカーは外周に研磨層10等を設けた先端部11を有すると共に、ドリル等の回転工具Tが装着可能な後端部12を有する筒状の本体13と、該本体13の押し込みにより前記先端部11内部に入り込んで該先端部11を楔形に拡張可能な略菱形の拡径部材14とからなる(同図(a)参照)。そして、その施工手順は、先ずアンカー挿入孔Hに拡径部材14を本体13の先端から突出した状態で本アンカーを挿入し(同図(b)参照)、次いで、回転工具TにスペーサSを介在した状態で本アンカーを取り付ける。
スペーサSは、図4に示したように、外函15にバネ16の付勢力に抗して内函17を伸縮可能に挿入してなり、本アンカーに対する押し込み量を一定に保持する機能を発揮する。また、このスペーサSにおいて、内函17には空気抜け18が形成され、押し込み時にその開度を調整することによって、バネ16の弾発力を補助するエアサスペンションとして機能し、一方、全開とすることで、バネ16の弾発力のみよってスペーサSを元の状態に復元する機能を発揮する。そして、該スペーサSによる適正な押し込み量を維持しながら、回転工具Tを回転駆動しつつ壁面等側へと押し込めば、拡径部材14が本体13の先端部11に入り込んで該先端部11を拡張し、この状態で回転する先端部11の研磨層10等によって、アンカー挿入孔Hの奥側に前記拡張した先端部11と形状が一致する拡径孔H2を形成することができる(図3(d)参照)。
なお、このアンカーを撤去するときは、本体13の先端部11が拡張した状態で引くことで、アンカー挿入孔Hの奥端にスペースが生じ、この状態で本体13の根本を切断した後、アンカーを上記スペースに打ち込む。さらにその後、コーキング等の仕上げ処理を行うことはもちろんである。なお、ここでは切断による撤去要領を説明したが、本体13を前後二分割とし、これらをネジ等による螺合構造とすることも可能である。
続いて図5は、本発明に係るインサート式の楔形アンカーの一形態を示したもので、本アンカーは、研磨層20等を設けた先端部21を有すると共に、ドリル等の回転工具Tが装着可能な後端部22を有する筒状の本体23と、該本体23内にスライド可能に挿入され、且つ本体23後端からの押し込みによって前記本体23の先端部21を楔形に拡張可能なピン部材24とからなる。
図6、図7は、上記アンカーの施工手順を示したもので、先ず、ダイヤモンドドリル30の後端角軸31に連結部材32を介して回転工具Tを取付け、壁面等にアンカー挿入孔Hを形成する(図6(a)参照)。次に本アンカーの後端部22側に角筒部材40を取付け、その先端からアンカー挿入孔Hに挿入する(図6(b)参照)。
ここで角筒部材40は、ゴム41aと爪部材41bからなるアンカー固定用部材41と、前記爪部材41bと係合する回転力伝達部材42とから構成される。アンカー固定用部材41は本アンカーをアンカー挿入孔Hに一定長挿入した位置で固定するためのものであり、また回転力伝達部材42は本体23の後端部22と螺合して後述する押し込み量調整部材50を介して回転工具Tの回転力を本アンカーに伝達するものである。なお、41cは爪部材41bと回転力伝達部材42の間に介在して、回転力伝達部材42の回転を円滑に行うために設けられたベアリングである。
次に、角筒部材40に押し込み量調整部材50を取付け、さらに該押し込み量調整部材50に予め回転工具Tに取付けられた前記連結部材32をネジ止め51によって固定し、結果、本アンカーに対して回転工具Tを連結部材32、角筒部材40および押し込み量調整部材50を介して取付ける(図6(c)参照)。
ここで押し込み量調整部材50は、角筒部材40に外嵌して回転部材Tの回転力を本アンカーに伝達する機能の他、角筒部材40に対するスライド位置によってピン部材24の本体23に対する押し込み量を調整する機能を兼備する。その具体的構成は、図8に示したように、外側にネジ止め51を設けた内空の有底外嵌体52の底板53にピン部材24後端に設けたストッパ25の挿通穴54を設け、さらに前記外嵌体52の底板53側にピン部材24を挟持可能に開閉する固定板55を設けたものである。
而して、本アンカーに全ての部材32・40・50並びに回転工具Tの取付けが完了したなら、回転工具Tを回転駆動させながら、壁面等側へと押し込む。このとき、当初本体23の後端から突出していたピン部材24は回転工具Tの押し込みにより、そのストッパ25が連結部材32に押されて、本体23内部へと押し込まれ、このことにより本体23の先端部21を拡張させる。そして、拡張した先端部21が回転工具Tからの伝達回転力によって回転して、研磨層20等によりアンカー挿入孔Hの奥側に拡張先端部21に見合った形状の拡径孔H2を形成する(図7(a)参照)。
なお、このとき回転工具Tの押し込み量が大き過ぎると本体先端部21の拡張が過度となり、これが過負荷となって回転工具Tが不用意に停止する場合がある。しかしながら、本実施形態では押し込み量調整部材50を角筒部材40に対してスライド可能に外嵌しており、回転工具Tの進退と連動して押し込み量調整部材50のスライド位置を決定し、且つ、ピン部材24もこれに連動するように構成している。このため、回転工具Tを適宜引けば、これに連動してピン部材24も引っ張り出され、本体23の先端部21拡張が緩和されるから、過負荷による回転工具の回転が停止するという不都合も回避することができる。
そして、上述した要領で、本アンカーの先端部拡張と拡径孔H2の形成が完了したなら、本アンカーから角筒部材40、押し込み量調整部材50、連結部材32および観点工具Tを取り外し(図7(b)参照)、その後端部22にアンカーナットNを介して仮設足場の壁繋ぎ60を取付けて、一連の施工を完了する(図7(c)参照)。
一方、本工事終了後、本アンカーを撤去する場合は、図9に示したように、引き抜き部材70を用いてピン部材24の引き抜き作業を行う。該引き抜き部材70は本体23の後端部22に螺合するナット体71にピン部材24の後端に設けたストッパ25との係合部材72を設けたものである。そして、該係合部材72をストッパ25に係合した状態でナット体71を回転させれば、ピン部材24を本体23から引き抜くことができ(図10(a)参照)、この状態で本アンカーをアンカー挿入孔Hに打ち込めば、ピン部材24による拡張が解除されているため、先端部21を閉じた状態でアンカー挿入孔Hに完全に埋設させることができ(図10(b)参照)、その後、通法に従って穴埋め処理やコーキングによる仕上げ施工を行うことができる(図11(c)参照)。
ただし、ここに説明したインサート式の本アンカーの撤去方法はこれに限らず、ピン部材24を引き抜いたの後、適宜方法で本アンカーをアンカー挿入孔Hから引き抜き、これを再度使用することも可能である。また、インサート式の本アンカーは、拡径孔H2の形成後、ピン部材24の引き抜きによって先端部21の拡張が解除され、本体23の完全撤去が可能であるため、拡径孔H2の形成用専用工具としても利用することが可能である。
図11は本発明アンカーによる2穴アンカー構造を示したもので、タイルの目地への適用例を示してる。この実施形態では、本発明アンカー80をタイルの目地に沿って2本横並びに埋設し、これらアンカー80・80を連結板材100によって連結している。連結板材100は左右にアンカー80の後端を挿通する長孔101・101が形成され、中央に壁つなぎ用ナット110が設けられている。そしてアンカー80・80は前記長孔101・101から突出する後端雄ねじ部にアンカーナット81・81を螺合することによって、連結板材100に固定されている。これによって、一の壁つなぎ用ボルト120を2本のアンカー80・80で支持することになるから、引張強度を高めることができる。なお、連結板材100において、アンカー80の後端挿通孔を長孔101としたのは、壁つなぎ用ナット110の位置を調整したり、アンカー80の打ち込み位置に関する誤差を吸収するためである。
また図12は、本発明アンカーによる4穴アンカー構造を示したもので、タイルの目地への適用は図11と同じであるが、アンカー80を十字の連結板材130によって連結したものである。その他、連結板材130に形成される長孔131や中央に壁つなぎ用ナット132などの構成および連結要領は図11の場合と同じである。
ここに説明した2穴、4穴アンカー構造は、タイルの目地など、狭小なスペースにおいて1本のアンカーでは引張強度が不足する場合に有効な構成である。ただし、連結の数は、3穴であってもよいし、5穴以上であってもよい。
図13は、本発明の別実施形態に係るアンカーを示したものである。該アンカーは、研磨層または研削刃を設けた先端部200を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部201を有する筒状の本体202からなることは、上述したアンカーと同様であるが、この実施形態に係るアンカーは、さらに前記回転工具による穿孔時に遠心力によって前記先端部200を拡張可能としている。つまり、この実施形態のアンカーでは拡径部材やピン部材を省略しているが、本体202の素材や軸方向に形成したスリット203などの先端部200構成、さらには回転工具の回転速度(遠心力)を適宜選択することによって、先端部200を拡張可能としている。なお、該構成の本体202を上述したアンカーに適用することは、もちろん可能である。
本発明に係る楔形アンカーの埋設用工具の一実施形態を示した説明図 上記工具による施工手順を示した説明図 本発明に係るカット式の楔形アンカーの一実施形態およびその施工手順を示した説明図 同施工に用いるスペーサ(楔形アンカーの埋設用工具)の断面概略図 本発明に係るインサート式の楔形アンカーの一実施形態を示した説明図 同アンカーの施工手順を示した説明図 同じく上記インサート式の楔形アンカーの施工手順を示した説明図 上記施工に用いる押し込み量調整部材(楔形アンカーの埋設用工具)の詳細図 同アンカーに用いるピン部材の引き抜き部材を示した説明図 同アンカーの撤去手順を示した説明図 本発明アンカーによる2穴アンカー構図を示した説明図 本発明アンカーによる4穴アンカー構造を示した説明図 本発明アンカーの別の実施形態を示した説明図
符号の説明
1、13、23 アンカー本体
2、24 ピン部材
3、14 拡径部材
1b、10、20 研磨層
11、21 本体の先端部
12、22 本体の後端部
40 角筒部材
50 押し込み量調整部材
H アンカー挿入孔
H2 拡径孔
T 回転工具
S スペーサ

Claims (10)

  1. 研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体と、該本体の先端部側に位置して、前記回転工具による穿孔時に前記先端部内部に入り込んで該先端部を拡張可能な拡径部材と、前記本体内にその軸方向にスライド可能に挿入され、本体後端からの押し込み操作により前記先端部内部への入り込みを解除可能に前記拡径部材と直結してなるピン部材とからなることを特徴とした楔形アンカーの埋設用工具。
  2. 研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体と、該本体の先端部側に位置して、前記回転工具による穿孔時に前記先端部内部に入り込んで該先端部を拡張可能な拡径部材と、前記本体内にその軸方向にスライド可能に挿入され、本体後端からの押し込み操作により前記先端部内部への入り込みを解除可能に前記拡径部材と直結してなるピン部材とからなることを特徴とした楔形アンカー。
  3. 研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体と、該本体の先端部側に位置して、前記回転工具による穿孔時に前記先端部内部に入り込んで該先端部を拡張可能な拡径部材とからなることを特徴としたカット式の楔形アンカー。
  4. 研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体と、該本体内にスライド可能に挿入され、且つ本体後端からの押し込みによって前記本体の先端部を楔形に拡張可能なピン部材とからなることを特徴としたインサート式の楔形アンカー。
  5. 研磨層または研削刃を設けた先端部を有すると共に、ドリル等の回転工具が装着可能な後端部を有する筒状の本体からなり、さらに該本体は前記回転工具による穿孔時に遠心力によって前記先端部が拡張可能であることを特徴とする楔形アンカー。
  6. 請求項2、3または4のうち何れか一項に記載の楔形アンカーに請求項5記載の本体を適用したことを特徴とする楔形アンカー。
  7. 請求項3記載の楔形アンカーを取り付ける際、回転工具とアンカー挿入孔の形成面の間に位置して利用するスペーサであって、外函にバネの付勢力に抗して内函を伸縮可能に挿入してなることを特徴とする楔形アンカーの埋設用工具。
  8. 外函あるいは内函には空気抜けを設けた請求項5記載の楔形アンカーの埋設用工具。
  9. 請求項4記載の楔形アンカーを取り付ける際に利用する連結工具であって、本体後端部に装着可能な角筒部材と、ピン部材を本体に押し込み可能に前記角筒部材にスライド可能に外嵌され、且つ、回転工具と連結されるピン部材の押し込み量調整部材とからなることを特徴とした楔形アンカーの埋設用工具。
  10. 請求項2、3、4、5、6のうち何れか一項記載の楔形アンカーにおいて、2穴以上のアンカーを構成したことを特徴とする楔形アンカー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015036571A (ja) * 2013-08-13 2015-02-23 Fsテクニカル株式会社 後施工アンカー
JP2016176178A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 積水化学工業株式会社 建物の改修方法
KR101761823B1 (ko) * 2016-01-13 2017-07-26 김유나 앵글받침 설치 유닛

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