JP2005187663A - 粘着フィルム・シート及び粘着フィルム・シートの製造方法 - Google Patents

粘着フィルム・シート及び粘着フィルム・シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線架橋性の粘着剤層を備えた粘着フィルム又はシートを製造する際に、紫外線照射エネルギーのロスを抑制して、効率良く利用でき、照射装置の省エネ、省力化に寄与できる粘着フィルム・シートを提供する。
【解決手段】320〜380nmの紫外線波長域を70%以上反射する機能を有した離型紙又は離型フィルム12に、紫外線架橋可能な粘着剤を塗布して透明な粘着剤層13を形成した後に、粘着剤層13にその離型紙又は離型フィルム12と対向する側と反対側から紫外線を照射して架橋させる。離型フィルム12は、基材12aと、その片面に形成された紫外線反射層12bと、紫外線反射層12b上に形成された離型層12cとで構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粘着フィルム・シート及び粘着フィルム・シートの製造方法に係り、詳しくは紫外線架橋が施された透明な粘着剤層を備えた粘着フィルム・シート及び粘着フィルム・シートの製造方法に関する。ここで、「フィルム・シート」とは、フィルム状及びシート状のものの総称で、厚さが薄い場合にはフィルムとなり、厚さが厚い場合はシートとなる。フィルムとシートの境となる厚さは、一般に0.2mm(200μm)である。
従来、紫外線架橋粘着フィルムやシートを製造する場合は、透明な離型フィルムに粘着剤を塗布した後に、粘着剤塗布面あるいは離型フィルム越しに紫外線を照射して架橋する方法がなされている。例えば、紫外線架橋型の透明粘着フィルムやシートの製造は、少なくとも波長320〜380nmの紫外線を透過する離型フィルムに粘着剤を塗布した後に、紫外線を照射して架橋する方法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
その場合、両面離型処理した離型フィルムに粘着剤を塗布した後、紫外線架橋してそのまま巻き取る形態や塗布した粘着剤を2枚の離型フィルムで挟み込んだ後に、紫外線架橋して巻き取る形態がある。
粘着剤を厚み方向に十分架橋させるためには、粘着フィルム又はシート表面に照射した紫外線が吸収されながらも裏面まである程度のエネルギー量を残して到達することが必用である。従って、粘着剤の紫外線透過率が低い場合は、照射表面に対して裏面まで到達する紫外線エネルギーが少なくなることから厚み方向に均一に架橋することはできない。そのため、更に裏面から紫外線を照射する必要が生じる。
また、紫外線照射を離型フィルム越しに行う場合は、離型フィルムによる紫外線吸収分だけエネルギーがロスすることになって照射効率が低下し、裏面に到達するエネルギー量が減少することになる。従って、この場合も裏面から紫外線を照射する必要が生じる。
特開2002−348543号公報(明細書の段落[0033]〜[0036])
前記のような理由により、離型フィルムや離型シートに塗布された粘着剤層を厚み方向に均一架橋させるためには、入射した紫外線が急激に吸収されないように紫外線透過率を上げる必要がある。しかし、紫外線透過率を上げると、吸収されなかった紫外線が裏面を透過してしまい、紫外線が有効利用されずにエネルギーを無駄に消費するという問題が生じていた。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は紫外線架橋性の粘着剤層を備えた粘着フィルム又はシートを製造する際に、紫外線照射エネルギーのロスを抑制して、効率良く利用でき、照射装置の省エネ、省力化に寄与できる粘着フィルム・シートを提供することにある。第2の目的はその製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するために鋭意検討した結果、離型紙又は離型フィルムの紫外線反射率及び粘着剤層の紫外線透過率を調整することで従来の問題点を解決するに至った。
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、320〜380nmの紫外線波長域を70%以上反射する機能を有する離型紙又は離型フィルム上に、紫外線架橋可能な粘着剤層が形成され、かつ前記粘着剤層に紫外線架橋が施されている。
この発明の粘着フィルム・シートを製造する場合、離型紙又は離型フィルム上に、紫外線架橋可能な粘着剤を塗布して透明な粘着剤層を形成し、粘着剤層に離型紙又は離型フィルムと反対側から紫外線を照射することにより粘着フィルム・シートを製造することができる。従って、照射された紫外線のうち一度粘着剤層を透過した紫外線が離型紙又は離型フィルムで反射されて、再び粘着剤層に入射して粘着剤の紫外線架橋に寄与する。その結果、紫外線照射エネルギーのロスを抑制して効率良く利用でき、照射装置の省エネ、省力化に寄与できる。
第2の目的を達成するため、請求項2に記載の発明は、320〜380nmの紫外線波長域を70%以上反射する機能を有した離型紙又は離型フィルムに、紫外線架橋可能な粘着剤を塗布して透明な粘着剤層を形成した後に、前記粘着剤層にその離型紙又は離型フィルムと対向する側と反対側から紫外線を照射して架橋させる。
従って、従来は粘着剤層に照射された紫外線のうち粘着剤層を透過した紫外線が紫外線架橋に寄与せず、紫外線エネルギーをロスしていたのに対して、本発明の方法では、粘着剤層を透過して離型紙又は離型フィルムの離型面に到達した紫外線は粘着剤層側に反射される。その結果、再度粘着剤層に入射した紫外線のエネルギーは粘着剤層に吸収されて紫外線架橋のエネルギーとして消費され、粘着材層の紫外線架橋に効率的にエネルギーを利用することが可能となる。
380nmより長波長の波長で架橋する硬化樹脂には着色するものが多く、また、320nm未満の波長では粘着剤層の深さ方向に透過し難く肉厚の粘着剤層(樹脂)が架橋できない。そのため、320〜380nmの紫外線波長域を粘着剤層の架橋のエネルギーとして使用することにより、架橋による着色を防止して、しかも肉厚の粘着剤層も効率良く架橋することができる。また、無色透明な粘着剤を架橋するために必要な光開始剤の選択が容易になる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記離型紙又は離型フィルムは基材(紙又はフィルム)に紫外線反射層を施した後に片面若しくは両面に離型層を積層した。この発明では、基材に予め紫外線反射機能を施した後に離型層を積層することで粘着剤層(樹脂)を基材から容易に剥がすことが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記紫外線反射層が金属膜層及び金属化合物膜層の少なくとも1層で構成されている。この発明では、金属膜層の場合は1層で紫外線反射層を構成可能であるが、金属化合物膜層の場合は透明で屈折率の異なる2種類の層を組み合わせて多層化することで選択的に紫外線を反射することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記紫外線反射層が無機微粒子を分散させた層で構成されている。この発明では、紫外線反射層と基材とを同じ層で構成することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記離型紙又は離型フィルムは、離型層としてシリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系、パラフィン系あるいはオレフィン系の離型剤が積層されている。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記透明な粘着剤層は波長365nmの紫外線の透過率が60%以上である。従って、この発明では、粘着剤層を透過して紫外線反射層に到達する紫外線量が、紫外線反射層で紫外線が反射して粘着剤層の裏面から入射した際に裏面側の架橋が十分にされる量となる。
本発明によれば、紫外線架橋性の粘着剤層を備えた粘着フィルム又はシートを製造する際に、紫外線照射エネルギーのロスを抑制して、効率良く利用でき、照射装置の省エネ、省力化に寄与することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、粘着フィルム・シート11は、紫外線反射機能を有する離型フィルム12と、離型フィルム12上に形成された粘着剤層13とを備えている。図1に示す粘着フィルム・シート11においては、離型フィルム12が基材12aと、その片面に形成された紫外線反射層12bと、紫外線反射層12b上に形成された離型層12cとで構成されている。なお、「粘着フィルム・シート」とは、粘着フィルム及び粘着シートの総称で、厚さが薄い場合には粘着フィルムとなり、厚さが厚い場合は粘着シートとなる。フィルムとシートの境となる厚さは、一般に0.2mm(200μm)である。
基材12aに適した材料としては、紙類、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、アクリルフィルム、ポリアミド系フィルム、ポリウレタン系フィルム等から適宜選択できる。しかし、コストや強度を考慮すると、紙、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルムを選択することが好ましい。
紫外線反射層12bは、320〜380nmの紫外線波長域を70%以上反射する機能を有する。紫外線反射層12bは、紫外線を好ましくは350〜380nmの波長域で80%以上反射する。
紫外線反射層12bは、金属膜層及び金属化合物膜層の少なくとも1層を有するように構成されている。紫外線反射層12bを構成する金属膜層に適した金属材料としては、アルミニウムや銀等があり、金属膜層は1層で構成される。また、紫外線反射層12bを構成する金属化合物膜層に適した金属化合物としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)のような透明薄膜材料があり、屈折率の異なる2種類を組み合わせて多層化することで選択的に紫外線を反射することができる。このような紫外線反射層は、従来、UV照射装置等のコールドミラーやハーフミラー、Low−eガラス(Low emissivityガラス)に利用されている。より具体的には、前記透明薄膜材料の中から屈折率の異なる2種類を選択し、屈折率比(高屈折率/低屈折率)、膜厚(各層の膜厚を目的波長の1/4に調整すること)、積層数を調整することで目的波長の反射率を増加させることができる。
紫外線反射層12bは、基材12aに真空蒸着、スパッタリング、ゾルゲル法によるコーティング、金属箔のラミネート等の方法で膜を形成させることが可能である。
コストと反射性能を考慮すると、離型フィルム12は、紙、ポリエステル系やオレフィン系フィルムの基材12aに、アルミニウムを紫外線反射層12bに用いたものを選択することが好ましい。
図2に示す粘着フィルム・シート11においては、離型フィルム12を構成する紫外線反射層12bが、無機微粒子を分散させた層で構成されている。紫外線反射層12bに適した無機微粒子は炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、マイカ、タルク、カオリンクレー等が好ましく、紫外線を吸収する酸化亜鉛、酸化チタン等は好ましくない。分散させる粒径としては0.1〜10μmの範囲の無機微粒子を、空隙率が10〜50%の範囲になるように形成した分散層が最も好ましい。
空隙を形成させるには基材12aとして紙ではなく、樹脂フィルムを使用し、樹脂フィルムに無機微粒子を分散させた後に延伸する方法や、発泡剤を用いる方法等がある。
離型層12cは、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系、パラフィン系あるいはオレフィン系の離型剤を塗布することで紫外線反射層12b上に積層される。離型層12cには、離型効果の高いシリコーン系やフッ素系の離型剤を用いるのが好ましい。
粘着剤層13は紫外線架橋可能な粘着剤で構成され、紫外線架橋が施されている。粘着剤層13における波長365nmの紫外線の透過率が60%未満の場合は、粘着剤層13を透過して紫外線反射層12bに到達する紫外線量が少ないことから、紫外線が反射して粘着剤層13の裏面から粘着剤層13に入射しても裏面側の架橋が十分にされないことになる。従って、粘着剤層13は、波長365nmの紫外線の透過率が60%以上が好ましく、70〜90%の範囲であるのがより好ましい。
次に前記のように構成された粘着フィルム・シート11の製造方法を説明する。
図1に示す粘着フィルム・シート11を製造する場合、先ず基材12aとしての紙や樹脂フィルムの片面に、紫外線反射層12bを形成する。例えば、基材12aにアルミニウムを蒸着する。次に紫外線反射層12bの上に離型層12cを形成する。離型層12cは、シリコーン系やフッ素系の離型剤を塗布することにより形成される。以上により紫外線反射機能を有する離型フィルム12が形成される。
次に離型フィルム12の離型層12c上に紫外線架橋可能な無色透明な粘着剤が塗布され、その塗布層に紫外線架橋が施されて粘着剤層13が形成される。粘着剤は紫外線架橋するために必要な光開始剤を含有している。紫外線架橋には320〜380nmの紫外線領域が利用され、紫外線照射には、波長365nmの強度比が高い、一般的な高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の紫外線照射装置が使用される。紫外線を照射する場合は直接粘着剤層13に照射しても差し支えないが、波長280nm以下の紫外線をカットして照射することが好ましい。
従来は、紫外線反射機能の少ない離型紙又は離型フィルム上に紫外線架橋性の粘着剤層13が形成され、その粘着剤層13に紫外線照射して架橋させる場合、粘着剤に吸収されずに透過した紫外線エネルギーは裏面に散逸してロスする。しかし、本発明の離型フィルム12は紫外線反射層12bを備えているため、紫外線架橋の際に粘着剤層13に照射された紫外線のうち、粘着剤層13で吸収されずに透過した紫外線は紫外線反射層12bで反射され、再度紫外線反射層12bに入射されて粘着剤に吸収される。従って、紫外線照射装置から照射された紫外線のエネルギーが紫外線架橋に効率良く利用される。
前記のように構成された粘着フィルム・シート11は、離型フィルム12上に積層された粘着剤層13が、最終的に離型フィルム12上から粘着剤層13を必要とする対象物に転写されて使用される。
以下、実施例及び比較例により、更に詳しく説明する。なお、反射率及び透過率の測定には日立社製分光測定器「スペクトロフォトメーターU−4000」を用いた。反射率のベースラインには硫酸バリウムを用いた。
(実施例1)
2軸延伸PETにアルミニウムを蒸着させた三菱化学ポリエステル社製の「AMタイプダイアホイル」の厚さ75μmのアルミ蒸着PETの蒸着面に、シリコーン離型剤を処理して紫外線反射離型フィルムを得た。
紫外線反射層の波長365nmの紫外線反射率を測定した結果は90%であった。
(実施例2)
PETに炭酸カルシウム等を分散させて延伸した厚さ188μmの東レ社製「ルミラーE60L」の表面に、シリコーン離型剤を処理して紫外線反射離型フィルムを得た。
紫外線反射層の波長365nmの紫外線反射率を測定した結果は95%であった。
(比較例1)
透明な離型フィルムとして三菱化学ポリエステル社製の厚さ75μmのシリコーン離型PET「MRF75」を用いた。
(比較例2)
離型紙として、紙にクレーコートした後にシリコーン離型処理したリンテック社製「KR78シロR(85)」を用いた。
紫外線反射層における波長365nmの紫外線反射率を測定した結果は60%であった。
前記実施例1,2及び比較例1,2の離型紙及び離型フィルムの離型処理面上に開始剤としてベンゾフェノンを0.15部添加した紫外線架橋型透明粘着剤を500μmの厚さに塗布して、波長280nm以下の紫外線をカットした高圧水銀ランプを粘着剤層側から照射して架橋させて透明粘着シートを得た。紫外線架橋型透明粘着剤としては例えば、アクリル酸エステル共重合体(組成はn−ブチルアクリレート:78.4重量%、2−エチルヘキシルアクリレート:19.6重量%、アクリル酸:2.0重量%を共重合させたもので、130℃溶融粘度は25万mPa・s)に前記ベンゾフェノンを添加したものを使用できる。
架橋させて得た厚さ500μmの透明粘着シートは波長365nmの紫外線透過率が75%であった。
照射した波長365nmの光量は1000×10mJ/mであった。
上記で得た透明粘着シートの架橋程度は保持力測定で比較した。
保持力の測定方法は500μmの厚みに成形して紫外線架橋させた粘着シートを厚さ38μmPETフィルムで背貼りした後、JISZ0237で規定するところのSUS板を用いて、面積20mm×20mmで接着させ40℃の環境下で500×9.8mNの荷重を加えて落下するまでの時間又は2時間かけた後のズレ長さを測定したものを表1に示した。長時間落下しないものやズレ長さの小さいもの程、架橋が進行していることとなる。保持力は2時間経過までに落下しなければ合格とする。
Figure 2005187663
表1の結果から明らかなように本発明の粘着フィルム・シートである実施例1及び実施例2では、2時間経過までに落下せず合格となったが、比較例1及び比較例2の粘着シートは2時間経過前に落下して不合格となった。実施例1及び実施例2では、粘着剤層13を透過して消費されなかった紫外線が紫外線反射層12bで反射され再度粘着剤層に吸収されることで効率良く紫外線エネルギーが架橋反応に消費される。一方、本発明の範囲外である比較例1,2では、同じ紫外線光量を照射しても照射された紫外線が粘着剤の架橋反応に効率良く寄与することなくエネルギーのロスが大きいことが判る。
この実施の形態では次の効果を有する。
(1) 粘着フィルム・シート11は、320〜380nmの紫外線波長域を70%以上反射する機能を有する離型フィルム12上に、紫外線架橋可能な透明な粘着剤層13が形成され、かつ粘着剤層13に紫外線架橋が施されている。従って、粘着剤層13の紫外線架橋を行う際、粘着剤層13に照射された紫外線のうち粘着剤層13を透過したものが紫外線反射層12bで反射されて再び粘着剤層13の架橋に利用されるため、紫外線照射エネルギーのロスを抑制して効率良く利用でき、照射装置の省エネ、省力化に寄与できる。
(2) 粘着フィルム・シートを製造する場合、320〜380nmの紫外線波長域を70%以上反射する機能を有した離型紙又は離型フィルムに、紫外線架橋可能な粘着剤を塗布して透明な粘着剤層13を形成した後に、粘着剤層13にその離型紙又は離型フィルムと対向する側と反対側から紫外線を照射して架橋させる。従って、前記のように、粘着剤層13の紫外線架橋を行う際、紫外線照射エネルギーのロスを抑制して効率良く利用でき、照射装置の省エネ、省力化に寄与できる。
(3) 離型紙又は離型フィルムは基材12aに紫外線反射層12bを形成した後に片面に離型層12cを積層することにより形成される。従って、離型層12cは紫外線の反射性を考慮せず、粘着剤層13を容易に剥がすことが可能な材料で構成することができ、粘着剤層13を基材12aから容易に剥がすことが可能になる。
(4) 紫外線反射層12bが金属膜層及び金属化合物膜層の少なくとも1層を有する。従って、320〜380nmの紫外線波長域を70%以上反射する機能を有する紫外線反射層12bを容易に形成することができる。
(5) 紫外線反射層12bが無機微粒子を分散させた層で構成された場合、紫外線反射層12bと基材12aとを同じ層で構成することができる。
(6) 離型層12cがシリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系、パラフィン系あるいはオレフィン系の離型剤を塗布することで、紫外線反射層12b上に積層される。従って、離型層12cを容易に形成することができる。
(7) 粘着剤層13は、波長365nmの紫外線透過率が60%以上である。従って、粘着剤層13を透過して紫外線反射層12bに到達する紫外線量が、紫外線が反射して粘着剤層13の裏面から入射しても裏面側の架橋が十分にされる。なお、粘着剤層13は、波長365nmの透過率が70〜90%の範囲であるのがより好ましい。
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 粘着フィルム・シート11の厚さを200μm以下に形成してもよい。
○ 離型フィルム12が一層で基材12a、紫外線反射層12b及び離型層12cの機能を兼ね備えたものとしてもよい。
○ 粘着剤層13の紫外線反射層12b側と反対側にも離型紙又は離型フィルムを積層した構成の粘着フィルム・シート11としてもよい。
○ 基材12aの両面に紫外線反射層12b及び離型層12cを形成し、各離型層12c上に粘着剤層13を積層した構成の粘着フィルム・シート11としてもよい。この場合、基材12aの両面に粘着剤層13が存在するため、少なくとも一方の粘着剤層13の表面を離型紙または離型フィルムで覆って保管する必要がある。
前記実施の形態から把握できる技術的思想(発明)について、以下に記載する。
(1) 請求項7に記載の発明において、前記粘着剤層は波長365nmの紫外線の透過率が70%以上である。
粘着フィルム・シートの模式断面図。 別の粘着フィルム・シートの模式断面図。
符号の説明
11…粘着フィルム・シート、12…離型フィルム、12a…基材、12b…紫外線反射層、12c…離型層、13…粘着剤層。

Claims (7)

  1. 320〜380nmの紫外線波長域を70%以上反射する機能を有する離型紙又は離型フィルム上に、紫外線架橋可能な透明な粘着剤層が形成され、かつ前記粘着剤層に紫外線架橋が施されていることを特徴とする粘着フィルム・シート。
  2. 320〜380nmの紫外線波長域を70%以上反射する機能を有した離型紙又は離型フィルムに、紫外線架橋可能な粘着剤を塗布して透明な粘着剤層を形成した後に、前記粘着剤層にその離型紙又は離型フィルムと対向する側と反対側から紫外線を照射して架橋させることを特徴とする粘着フィルム・シートの製造方法。
  3. 前記離型紙又は離型フィルムは基材に紫外線反射層を施した後に片面若しくは両面に離型層を積層したことを特徴とする請求項2に記載の粘着フィルム・シートの製造方法。
  4. 前記紫外線反射層が金属膜層及び金属化合物膜層の少なくとも1層を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の粘着フィルム・シートの製造方法。
  5. 前記紫外線反射層が無機微粒子を分散させた層で構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の粘着フィルム・シートの製造方法。
  6. 前記離型紙又は離型フィルムは、離型層としてシリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系、パラフィン系あるいはオレフィン系の離型剤が積層されていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の粘着フィルム・シートの製造方法。
  7. 前記粘着剤層は波長365nmの紫外線の透過率が60%以上であることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の粘着フィルム・シートの製造方法。
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