JP2005187488A - 研磨スラリー及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】定盤の表面に形成した粗面に保持されているキャリヤ粒子の表面に仮付着した砥粒をワークの表面に作用させてワークの表面を研磨するパッドレス研磨において、定盤の表面の粗面の摩耗を低減し、キャリヤ粒子の定盤上への滞留性を向上して、ワーク表面を安定して平坦化できる研磨スラリー及び方法を提供することである。
【解決手段】油性の分散媒17中に、平均粒径が0.1μm〜100μmの範囲にあり、弾力性を有するキャリヤ粒子14、平均粒径がキャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜1/500の範囲にある砥粒15、及び長さが0.1μm〜5μmの範囲にあり、厚さが0.01μm〜0.5μmの範囲にある親油性の鱗片状の粒子16を分散した研磨スラリー。鱗片状の粒子16として、金属石鹸粒子が使用される。
【選択図】図2

Description

本発明は、定盤の表面に形成した粗面に保持されているキャリヤ粒子の表面に仮付着した砥粒を、半導体ウエハ、磁気ハードディスク基板、液晶パネル基板などの板状の研磨対象物(以下、ワーク)の表面に作用させてワークの表面を研磨するパッドレス研磨に使用するのに適した研磨スラリー及び研磨方法に関するものである。
電話、カメラ、コンピュータなどの電子機器には、機能の制御や情報の記憶又は表示のため、半導体装置、磁気ディスク又は液晶パネルなどが主要電子部品として使用されている。
このような電子部品に用いられる半導体ウエハ、磁気ハードディスク基板又は液晶パネル基板(ワーク)の表面は、研磨工程を経た後、多層配線工程や被膜工程など、各種電子部品の製造工程で要求される様々な工程、さらに検査工程を経て製品化される。
ここで、基板表面に施される配線や被膜などの製造段階で要求される一連の工程は、設計段階で予定される部品性能や機能を発揮させるため、ナノメートル単位の精度で行わなければならず、このため、各工程には高い精度が要求され、研磨工程においても、基板表面を高度に平坦化することが要求されている。
このように高い精度が要求される研磨工程における基板表面の研磨は、定盤の表面に研磨パッドを貼り付け、この定盤を回転させながら、定盤上の研磨パッドの表面に、砥粒を分散した研磨スラリーを供給し、この上に基板を押し付けて行われる(例えば、特許文献1参照)。
この研磨技術では、研磨パッドとして、織布、不織布、発泡体シートからなる研磨パッドが使用される。ここで、この研磨パッドは弾力性を有し、また表面に研磨クズを取り込める隙間や気泡空隙を有するので、砥粒を基板の表面に弾力的に作用させ、研磨中に発生する研磨クズを研磨パッド内に取り込めることから、基板の表面を高度に平坦化できるものと考えられてきた。
しかし、織布シートの表面上には、織り目により形成される起伏があり、また、不織布シートには表面上の糸の密度に斑があるため、基板の表面が局所的に粗くなったり、うねりが生じ、基板の表面全体を均一に平坦化できない、という問題がある。また、発泡体シートでは、長時間使用すると、表面の気泡空隙が研磨クズにより目詰まりし、上記の織布、不織布シートと同様に、基板の表面が局所的に粗くなったり、うねりが生じ、基板の表面を均一に平坦化できない、という問題があり、定期的に、発泡体シートの表面の部分を砥石で削除するコンディショニングと称する作業を行っていた。
また、定盤の表面に貼り付けられる研磨パッドの厚さは2mm〜3mmの範囲にあり、また研磨パッドには弾力性があるので、研磨中の研磨パッドの弾力性変形が大きく、定盤を回転させるために、大きな動力を必要としていた。
近年、研磨パッドを使用せずに(すなわち、表面に研磨パッドを貼り付けた定盤を使用せずに)、定盤の表面に研磨スラリーを直接供給し、この上にワークを押し付け、定盤とワークとを相対的に移動させてワークの表面の平坦化を行う画期的な研磨技術が開発された(例えば、非特許文献1及び特許文献2参照)。
この研磨技術は、ミクロンサイズのキャリヤ粒子と呼称される弾力性を有する粒子と、これよりも小さい平均粒径の砥粒とを分散媒中に分散させた研磨スラリーを使用し、研磨中、キャリヤ粒子に仮付着した砥粒によってワークの表面を研磨するものであり、研磨スラリー中の各キャリヤ粒子が研磨パッドとして機能するので、研磨パッドを不要とした。このことから、この研磨技術は「パッドレス研磨」又は「パッドレスポリッシング」と呼ばれる。
このパッドレス研磨では、キャリヤ粒子として、ウレタン、ナイロンポリイミド、ポリエステルなどのプラスチック材料からなる平均粒径0.1μm〜100μmの球状粒子が使用され、砥粒として、キャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜1/500の範囲にある平均粒径のコロイダルシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどの粒子が使用される。ここで、砥粒は、静電気力、ファンデルワールス力又は定盤とワークとの相対移動に起因する機械的な力によって、キャリヤ粒子に付着したり、キャリヤ粒子から脱粒したり、また脱粒した砥粒が再びキャリヤ粒子に付着したりする。本明細書では、このように砥粒がキャリヤ粒子から脱粒し得る状態を「仮付着」といい、砥粒がキャリヤ粒子に固定され、キャリヤ粒子から脱粒し得ない状態と区別する。
このパッドレス研磨技術により、研磨パッドが不要となり、研磨パッドの張り換えやコンディショニングなどの作業がなくなり、研磨作業にかかる能率が飛躍的に向上した。
そして、単に表面が平坦な定盤をパッドレス研磨に用いると、定盤の表面に供給した研磨スラリー中のキャリヤ粒子が、定盤の表面にわたって均一に安定して滞留しないので、表面にキャリヤ粒子を保持する粗面(平均表面粗さは、キャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜2/3の範囲にある)を形成した定盤が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、定盤の表面も、ワークの表面と同様、研磨スラリー中の砥粒により研磨され、定盤の表面が摩耗し、定盤の表面にうねりが生じ、ワークの表面を均一に研磨できないだけでなく、定盤を長時間使用できず、定盤の交換を短時間で行わなければならないので、砥粒に対して耐摩耗性のある材料(金属酸化物、金属炭化物、金属硼素化物、金属窒化物、金属硅素化物、セラミックス又はサーメットなど)からなる表面の部分(表層部)を形成した定盤が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−239651号公報 特開2001−300843号公報 特開2003−89055号公報 表題「パッドレス研磨の試み」、2000年度砥粒加工学会予稿集、第48〜48頁、平成12年9月12〜14日学会発表、東京大学生産技術研究所、盧毅申、谷泰弘、柳原聖、共著
しかし、パッドレス研磨中、キャリヤ粒子が定盤の表面に形成した粗面に保持され、このキャリヤ粒子の表面に砥粒が仮付着し、この砥粒が、ワークの表面に直接作用してワークの表面を研磨するのであるが、キャリヤ粒子の表面に仮付着した砥粒が、ワークの表面だけでなく、定盤の表面にも直接作用するので、定盤の表面が摩耗し、定盤の表面の粗面にキャリヤ粒子を保持できなくなる。すなわち、キャリヤ粒子の定盤上への滞留性が低下し、ワークの表面を安定して平坦化することができない。
また、砥粒に対して耐摩耗性のある材料で定盤の表層部を形成することによって、定盤の表面の摩耗を低減し得るが、このような定盤の製造に手間とコストがかかるだけでなく、このような定盤においても、キャリヤ粒子の表面に仮付着した砥粒が定盤の表面に直接作用するので、定盤の表面が摩耗し、キャリヤ粒子の定盤上への滞留性の低下は避けられず、ワークの表面を安定して平坦化することができない。
したがって、本発明の目的は、定盤の表面に形成した粗面に保持されているキャリヤ粒子の表面に仮付着した砥粒をワークの表面に作用させてワークの表面を研磨するパッドレス研磨において、定盤の表面の粗面の摩耗を低減し、キャリヤ粒子の定盤上への滞留性を向上して、ワークの表面を安定して平坦化することのできる研磨スラリー及び方法を提供することである。
上記目的を達成する本発明の研磨スラリーは、平均粒径が0.1μm〜100μmの範囲にあり、弾力性を有するキャリヤ粒子と、平均粒径がキャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜1/500の範囲にある砥粒と、長さが0.1μm〜5μmの範囲にあり、厚さが0.01μm〜0.5μmの範囲にある親油性の鱗片状の粒子とを油性の分散媒中に分散させたものである。
好適に、鱗片状の粒子の長さは0.2μm〜2μmの範囲にあり、厚さは0.01μm〜0.1μmの範囲にある。
砥粒、キャリヤ粒子、鱗片状の粒子及び分散媒の割合は、研磨スラリーを100体積%として、砥粒は0.5〜10体積%の範囲にあり、キャリヤ粒子は0.3〜7体積%の範囲にあり、鱗片状の粒子は0.5〜15体積%の範囲にあり、
分散媒は80体積%を超え、97体積%未満の範囲にある。
鱗片状の粒子として、金属石鹸粒子が使用される。
本発明に従って、ワークの表面の研磨は、定盤を回転させ、この定盤の表面に上記本発明の研磨スラリーを供給し、この定盤の表面に供給した研磨スラリーの上にワークの表面を押し付けることによって行われる。定盤の表面平均粗さは、キャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜2/3の範囲にある。
本発明が以上のように構成されるので、研磨中、鱗片状の粒子が定盤の表面にほぼ沿うように定盤の表面上に配列され、キャリヤ粒子がこの鱗片状の粒子の上に乗るので、定盤の表面が、鱗片状の粒子によって、キャリヤ粒子の表面に仮付着した砥粒から保護され、これにより、定盤の表面の粗面の摩耗が低減でき、キャリヤ粒子の定盤上への滞留性が向上し、ワークの表面を安定して平坦化することができる。
本発明の研磨スラリーは、油性の分散媒(図2に符号17で示す)中に、平均粒径が0.1μm〜100μmの範囲にあり、弾力性を有するキャリヤ粒子(図2に符号14で示す)と、平均粒径がキャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜1/500の範囲にある砥粒(図2に符号15で示す)と、長さが0.1μm〜5μmの範囲にあり、厚さが0.01μm〜0.5μmの範囲にある親油性の鱗片状の粒子(図2に符号16で示す)とを分散させたものである。
好適に、鱗片状の粒子の長さは0.2μm〜2μmの範囲にあり、厚さは0.01μm〜0.1μmの範囲にある。
鱗片状の粒子として、金属石鹸粒子が使用される。この金属石鹸粒子は、表面が脂肪鎖で覆われているため、高い親油性を有し、油性の分散媒中での分散性がよいので、キャリヤ粒子の分散性を向上する。
キャリヤ粒子として、ウレタン、ナイロン、ポリイミド、ポリエステルなどのプラスチック材料からなる球状の粒子が使用される。
砥粒として、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化セリウム、炭化珪素などの粒子が使用される。
砥粒、キャリヤ粒子、鱗片状の粒子及び分散媒の割合は、研磨スラリーを100体積%として、砥粒は0.5〜10体積%の範囲にあり、キャリヤ粒子は0.3〜7体積%の範囲にあり、鱗片状の粒子は0.5〜15体積%の範囲にあり、分散媒は80体積%を超え、97体積%未満の範囲にある。
好適に、この割合は、砥粒は2.5体積%であり、キャリヤ粒子は2.0体積%であり、鱗片状の粒子は3.0体積%未満の範囲にある(分散媒は、92.5体積%を越え、95.5体積%未満の範囲にある)。
ワークの表面の研磨は、図1に示すようなパッドレス研磨装置10を使用して行われ、モータを駆動して定盤11を矢印Rの方向に回転させ、定盤11の表面に、ノズル12を通じて本発明の研磨スラリーを供給し、この上にワーク13の表面を押し付けて行われる。ここで、定盤11の表面平均粗さは、研磨スラリー中のキャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜2/3の範囲にある。
図2に示すように、定盤11の表面に供給された研磨スラリー中の鱗片状の粒子16は、定盤11の凹凸面上にほぼ沿うように配列される。そして、パッドレス研磨中、キャリヤ粒子14は、定盤11の凹凸面上にほぼ沿うように配列された鱗片状の粒子16の上に乗って、定盤11の凹部内に保持されるので、キャリヤ粒子14の表面に仮付着した砥粒15が、定盤11の表面に直接作用することが低減される。すなわち、鱗片状の粒子16によって定盤11の表面が保護される。また、定盤11の表面の摩耗が低減されるので、キャリヤ粒子14の定盤11の表面上への滞留性が向上する。
<実施例1> 本発明に従った実施例1の研磨スラリーは、平均粒径10μmのウレタン粒子(キャリヤ粒子)(2.0体積%)、粒径#8000の緑色炭化珪素粒子(砥粒)(2.5体積%)、及び長さが0.2μm〜2μmの範囲にあり、厚さが0.1μm以下の範囲にある平均粒径1μmの金属石鹸粒子(鱗片状の粒子)(0.5体積%)を脂肪油を添加した鉱油(分散媒)(95.0体積%)中に分散させたものである。
<実施例2> 本発明に従った実施例2の研磨スラリーは、平均粒径10μmのウレタン粒子(キャリヤ粒子)(2.0体積%)、粒径#8000の緑色炭化珪素粒子(砥粒)(2.5体積%)、及び長さが0.2μm〜2μmの範囲にあり、厚さが0.1μm以下の範囲にある平均粒径1μmの金属石鹸粒子(鱗片状の粒子)(1.0体積%)を脂肪油を添加した鉱油(分散媒)(94.5体積%)中に分散させたものである。
<実施例3> 本発明に従った実施例3の研磨スラリーは、平均粒径10μmのウレタン粒子(キャリヤ粒子)(2.0体積%)、粒径#8000の緑色炭化珪素粒子(砥粒)(2.5体積%)、及び長さが0.2μm〜2μmの範囲にあり、厚さが0.1μm以下の範囲にある平均粒径1μmの金属石鹸粒子(鱗片状の粒子)(2.0体積%)を脂肪油を添加した鉱油(分散媒)(93.5体積%)中に分散させたものである。
<比較例1> 比較例1の研磨スラリーは、平均粒径10μmのウレタン粒子(キャリヤ粒子)(2.0体積%)、及び粒径#8000の緑色炭化珪素粒子(砥粒)(2.5体積%)を脂肪油を添加した鉱油(分散媒)(95.5体積%)中に分散させたものである。
<比較例2> 比較例2の研磨スラリーは、平均粒径10μmのウレタン粒子(キャリヤ粒子)(2.0体積%)、粒径#8000の緑色炭化珪素粒子(砥粒)(2.5体積%)、及び長さが0.2μm〜2μmの範囲にあり、厚さが0.1μm以下の範囲にある平均粒径1μmの金属石鹸粒子(鱗片状の粒子)(3.0体積%)を脂肪油を添加した鉱油(分散媒)(92.5体積%)中に分散させたものである。
<比較例3> 比較例3の研磨スラリーは、粒径#8000の緑色炭化珪素粒子(砥粒)(2.5体積%)、及び長さが0.2μm〜2μmの範囲にあり、厚さが0.1μm以下の範囲にある平均粒径1μmの金属石鹸粒子(鱗片状の粒子)(2.0体積%)を脂肪油を添加した鉱油(分散媒)(95.5体積%)中に分散させたものである。
<比較試験1> 上記実施例1〜3及び比較例1〜3の研磨スラリーを使用して、3インチ無酸素銅円板の表面を研磨し、研削量(又は加工能率)(nm/分)と研磨後のワーク平均表面粗さ(Ra)について比較し、さらに、定盤を駆動するのに要したモータ電流(アンペア)を研磨量で割った値(I/R値)、すなわち単位研削量当りに要する定盤を駆動するための動力を比較した。
この研磨は、図1に示すようなパッドレス研磨装置を使用して、下記の表1に示す研磨条件で行った。定盤として、平均表面粗さ2.3μmの鋳鉄(φ380)を使用した。研磨時間は、20分であった。
Figure 2005187488
<結果> 図3に、比較試験1の結果を示す。
(1)研磨量について:
金属石鹸粒子を使用しない場合(比較例1)と比較して、ウレタン粒子2.0体積%に対して金属石鹸粒子を3.0体積%未満の割合で使用した場合(実施例1〜3)に、研磨量は増加した。また、ウレタン粒子2.0体積%に対して金属石鹸粒子を3.0体積%以上の割合で使用した場合(比較例2、3)に、研磨量は極端に減少した。
(2)平均表面粗さについて:
金属石鹸粒子を使用しない場合(比較例1)と比較して、ウレタン粒子2.0体積%に対して金属石鹸粒子を3.0体積%未満の割合で使用した場合(実施例1〜3)に、平均表面粗さは減少した。また、ウレタン粒子2.0体積%に対して金属石鹸粒子を3.0体積%以上の割合で使用した場合(比較例2及び3)に、平均表面粗さは極端に増加した。
(3)I/R値について:
金属石鹸粒子を使用しない場合(比較例1)と比較して、金属石鹸粒子を使用した場合(実施例1〜3、比較例2、3)に、I/R値は減少した。
このように、本発明に従うと、ワークの表面を、高い研磨量で、より平坦にできるだけでなく、定盤を駆動するための動力も小さくてすむ。
<比較試験2> 実施例3と比較例2の研磨スラリーを使用して、12枚の3インチ無酸素銅円板の表面を1枚づつ順番に研磨し、研磨後の定盤の表面の磨耗状態について比較した。
この研磨は、図1に示すようなパッドレス研磨装置を使用して、上記の表1に示す研磨条件で行った。定盤として、平均表面粗さ2.3μmの鋳鉄(φ380)を使用した。研磨時間は、20分/枚であった。
<結果> 図4に、研磨時間に対する、研磨後の定盤の平均表面粗さ(Ra)と研磨後の定盤の表面の最大高さ(Ry)を示す。
(1)定盤の平均表面粗さ(Ra)について:
キャリヤ粒子を定盤の表面の粗面に保持させるためには、定盤の平均表面粗さは、キャリヤ粒子の平均粒径の1/5以上であることが必要である。すなわち、実施例3及び比較例2に使用されるキャリヤ粒子(ウレタン粒子)の平均粒径は10μmなので、定盤の平均表面粗さは2.0μm以上である必要がある。
図示のように、実施例3の研磨スラリーを使用すると、定盤の平均表面粗さは12枚のワークを研磨した後まで、研磨前の定盤の平均表面粗さ2.3μmをほぼ維持している(すなわち、2.0μm以上)。すなわち、実施例3の研磨スラリーを使用すると、キャリヤ粒子は、定盤の粗面に保持され、長時間の間、定盤の表面上に均一且つ安定して滞留する。
しかし、比較例3の研磨スラリーを使用すると、4枚目のワークの研磨後(すなわち、80分後)は、定盤の平均表面粗さが2.0μm未満となった。すなわち、比較例3の研磨スラリーを使用すると、キャリヤ粒子は、長時間の間、定盤の粗面に保持できず、定盤の表面上に均一に安定して滞留できない。
(2)定盤の表面の最大高さ(Ry)について:
図示のように、実施例3の研磨スラリーを使用すると、定盤の表面の最大高さは12枚のワークを研磨した後まで、研磨前の定盤の定盤の表面の最大高さをほぼ維持した。すなわち、実施例3の研磨スラリーを使用すると、定盤の表面は摩耗し難い。
しかし、比較例3の研磨スラリーを使用すると、定盤の表面の最大高さは減少した。すなわち、比較例3の研磨スラリーを使用すると、定盤の表面は摩耗した。
このように、本発明に従うと、定盤の表面にキャリヤ粒子をより長時間安定して滞留させることができ、また定盤を長時間使用しても、定盤の表面が平坦化されることがない。
図1は、パッドレス研磨装置の側面図である。 図2は、定盤の表面と、ワークの表面との間に介在する本発明の研磨スラリーの状態を示す。 図3は、比較試験1の結果を示すグラフである。 図4は、比較試験2の結果を示すグラフである。
符号の説明
10・・・パッドレス研磨装置
11・・・定盤
12・・・ノズル
13・・・ワーク
14・・・キャリヤ粒子
15・・・砥粒
16・・・鱗片状の粒子
17・・・分散媒

Claims (8)

  1. 平均粒径が0.1μm〜100μmの範囲にあり、弾力性を有するキャリヤ粒子、
    平均粒径が前記キャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜1/500の範囲にある砥粒、
    長さが0.1μm〜5μmの範囲にあり、厚さが0.01μm〜0.5μmの範囲にある親油性の鱗片状の粒子、及び
    前記砥粒と前記キャリヤ粒子と前記鱗片状の粒子とを分散する油性の分散媒、
    から成る研磨スラリー。
  2. 前記鱗片状の粒子の長さが0.2μm〜2μmの範囲にあり、厚さが0.01μm〜0.1μmの範囲にある、請求項1の研磨スラリー。
  3. 前記鱗片状の粒子として、金属石鹸粒子が使用される、請求項1の研磨スラリー。
  4. 前記砥粒、前記キャリヤ粒子、前記鱗片状の粒子及び前記分散媒の割合が、当該研磨スラリーを100体積%として、
    前記砥粒が0.5〜10体積%であり、
    前記キャリヤ粒子が0.3〜7体積%であり、
    前記鱗片状の粒子が0.5〜15体積%の範囲にあり、
    前記分散媒が80体積%を超え、97体積%未満の範囲にある、
    ところの請求項1の研磨スラリー。
  5. 定盤を回転させる工程、
    前記定盤の表面に研磨スラリーを供給する工程、及び
    前記定盤の表面に供給した前記研磨スラリーの上にワークの表面を押し付ける工程、
    から成り、
    前記研磨スラリーが、
    平均粒径が0.1μm〜100μmの範囲にあり、弾力性を有するキャリヤ粒子、
    平均粒径が前記キャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜1/500の範囲にある砥粒、
    長さが0.1μm〜5μmの範囲にあり、厚さが0.01μm〜0.5μmの範囲にある親油性の鱗片状の粒子、及び
    前記砥粒と前記キャリヤ粒子と前記鱗片状の粒子とを分散する油性の分散媒、
    から成り、
    前記定盤の表面平均粗さが前記キャリヤ粒子の平均粒径の1/5〜2/3の範囲にある、
    ところの研磨方法。
  6. 前記鱗片状の粒子の長さが0.2μm〜2μmの範囲にあり、厚さが0.01μm〜0.1μmの範囲にある、請求項5の研磨方法。
  7. 前記鱗片状の粒子として、金属石鹸粒子が使用される、請求項5の研磨方法。
  8. 前記砥粒、前記キャリヤ粒子、前記鱗片状の粒子及び前記分散媒の割合が、当該研磨スラリーを100体積%として、
    前記砥粒が0.5〜10体積%であり、
    前記キャリヤ粒子が0.3〜7体積%であり、
    前記鱗片状の粒子が0.5〜15体積%の範囲にあり、
    前記分散媒が80体積%を超え、97体積%未満の範囲にある、
    ところの請求項5の研磨方法。
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