JP2005186145A - 断熱性・耐熱変形性に優れた積層円筒体及びダイカストマシン用プランジャースリーブ - Google Patents

断熱性・耐熱変形性に優れた積層円筒体及びダイカストマシン用プランジャースリーブ Download PDF

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Abstract

【課題】ダイカストマシン用プランジャースリーブ等として好適な断熱保温性及び耐熱変形性等に優れた積層円筒体を提供する。
【解決手段】金属外筒体1とこれに嵌着された内筒体2とからなる積層円筒体であって、内筒体2は、繊維状ないし粉末状のセラミックス層を挟んで金属円筒を同心円状に重合してなるカプセル状組付け体を肉厚方向に圧縮する熱間塑性加工(熱間静水等方加圧処理等)に付して形成された複数個の内筒分体2nからなり、各内筒分体は、少なくとも最内層の金属円筒(第1金属円筒)31とその外側の金属円筒32,33…とが端面において結合されており、隣合う端面同士を突き合せて外筒体内に配列され焼嵌めにより固定されている。第1金属円筒31と外側の金属円筒との結合は溶接又は適宜のリング状部材により形成される。第1金属円筒31の肉厚は好ましくは約3-15mm,セラミックス層の層厚は好ましくは1mm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックス層を挟む積層構造による卓抜した断熱保温性を有すると共に、積層構造に生じ易い熱変形を抑制防止するための耐熱変形性を具備し、ダイカストマシンのプランジャースリーブ等としてして好適に使用される積層円筒体に関する。
非鉄金属(アルミニウム合金,マグネシウム合金等)を射出鋳造するダイカストマシンの鋳造操作はプランジャースリーブを介して行なわれる。ダイカストマシンは金型及びスリーブの配置構成により、図13の横型装置と図14の竪型装置とに大別される。プランジャースリーブ(7)はダイプレート(91)に固定されて金型(92)に接続されている。横型装置(図13)のスリーブ(70)は後部側に給湯口(71)を有し、金属溶湯(M)は該開口(71)からスリーブ内に供給され、縦型装置(図14)のスリーブ(70)(給湯口を有しない円筒体)への給湯は、鎖線のように傾動させたスリーブ(70)の上端の開口から行なわれる。スリーブ(7)に供給された金属溶湯(M)はプランジャーチップ(80)により金型(92)のキャビティ(93)内に射出(圧入)される。スリーブ(70)は、非鉄金属溶湯に対する腐食抵抗性、耐熱衝撃性、及びスリーブ内を進退駆動されるプランジャーチップ(80)に対する摺動性と摺動摩耗抵抗性を必要とすることから、SKD61に代表される合金工具鋼(JIS-G4404)製の円筒体が使用されている。
上記鋳造操業において、プランジャースリーブ(70)に供給された金属溶湯の温度降下が大きいことが従来問題とされている。これはプランジャースリーブの熱伝導率(α)が高く(SKD61:α約34W/m/K)、スリーブとの接触による熱損失が大きいことによる。スリーブ内の溶湯の降温が大きいと、鋳造温度の適正管理・鋳造品質の安定維持の妨げとなり、また温度低下によりスリーブの内面に溶湯が凝着すると、スリーブ内を進退運動するプランジャーチップ(80)の耐用寿命に悪影響を与えるほか、溶湯の凝固片が鋳造製品に混入し製品品質を損なう原因ともなる。溶湯の温度降下を見込んで、スリーブへの給湯温度を高めに設定することは、熱エネルギーコストの負担増となるばかりか、構成部品の熱的損傷を助長することになり好ましくない。
上記溶湯の降温を抑制防止するプランジャースリーブの工夫として次のような提案がなされている。
(a)スリーブの肉厚内部に流体流路を形成し、加熱油(約200℃)を循環流通させる。
(b)スリーブ(SKD61等)の内側に、熱伝導率の低いセラミックスからなる円筒体を嵌め込んで固定する(特許文献1)。
(c)スリーブ(SKD61等)の外側に、熱伝導率の低いステンレス鋼等からなる円筒を重合し、重合界面をろう付け,拡散接合,または熱間静水圧処理で接合する(特許文献2)。
特開平02-179346号公報 特開平11-300461号公報
しかし、スリーブの肉厚内部に流体流路を形成して加熱流体を流通させる内部加熱構造(上記a)は,装置構成が複雑化しメンテナンスの負担が大きく実用性に乏しい。
スリーブの内側にセラミックスの円筒を嵌合した構造(上記b)では、セラミックス(脆性材料)が直接高温の金属溶湯と接触するので、熱衝撃による損傷が生じ易く安定性に乏しい。しかもスリーブの最内面がプランジャーチップとの摺動性に乏しい場合、スリーブとチップの摺接面の損傷により摺接界面に溶湯の差込が生じ易く、摺動抵抗の増大,金型への射出速度の低下等により、鋳造操作の円滑性が損なわれることになる。このためセラミックス円筒はプランジャーチップに対する良好な摺動性を必要とするが、適用し得るセラミックス材種の選択は容易でない。
スリーブの外側にステンレス鋼等の円筒を重合して接合した構造(上記c)による断熱保温性能はそれほど大きくなく、満足し得るものとはいえない。
本発明は、断熱保温性、及び構造部材としての安定性やメンテナンス性等に優れ、ダイカストマシンのプランジャースリーブに適用される場合は、供給された金属溶湯の温度低下を効果的に抑制防止してダイカスト鋳造の温度管理を容易にし、鋳造操業及び鋳造品質の向上安定化を可能とする積層円筒体を提供するものである。
本発明の積層円筒体は、金属外筒体とこれに嵌着された内筒体とからなる積層円筒体であって、内筒体は、繊維状ないし粉末状のセラミックス層を挟んで金属円筒を同心円状に重合してなるカプセル状積層組付け体を肉厚方向に圧縮する熱間塑性加工に付して形成された複数個の内筒分体からなり、各内筒分体は、少なくとも最内層の金属円筒とその外側の金属円筒とが端面において結合されており、隣合う端面同士を突き合せて外筒体内に配列され焼嵌めにより固定されていることを特徴としている。
金属の熱間塑性加工温度域ではセラミックスの焼結反応やセラミックスと金属との相互反応はなく、本発明の積層円筒体内のセラミックス層は、実質的に未焼結状態の繊維又は粉末の層として金属円筒同士の重合面間に介在している。セラミックスの焼結品を断熱材とする従来の「金属-セラミックス」積層構造では、比較的厚肉のセラミックス層を必要とするのに対し、本発明の積層円筒体におけるセラミックス層は、その層厚から予測される断熱効果をはるかに超える顕著な熱遮断性能を示す。ダイカストマシン用プランジャースリーブの用途では、約1mm以下(例えば0.1〜0.5mm)の薄いセラミックス層の熱遮断効果として、鋳造温度を安定維持する明瞭な溶湯降温抑制効果が得られる。
この卓抜した断熱保温効果は、セラミックス層が未焼結層であること及び未焼結セラミックス層と金属円筒の界面の特異性、殊にその界面熱抵抗が著しく高いことによると考えられる。また、セラミックス層が実質的に未焼結の繊維ないし粉末からなる層であることは、焼結セラミックス層(実質的に剛性体である)と異なって、積層円筒体の製造工程(熱間塑性加工)や実機使用過程における積層構造の熱膨張収縮変化に追従して変形することができ、熱応力吸収緩和層として機能し熱応力に起因する不具合の回避に奏効する。
本発明の積層円筒体を、その内側に加熱流体が収容される用途(ダイカストマシン用スリーブ等)に供する場合、加熱流体と接触する最内層の金属円筒(第1金属円筒)の肉厚をできるだけ薄くすること(=セラミックス層をできるだけ内周面側に近付けること)が、断熱保温効果をより高めるのに有利である。この場合、第1金属円筒を薄肉化するほど、円筒体の中空孔の口径変形(第1金属円筒の膨出変形による真円度低下)が生じ易く、その変形はプランジャーチップの進退運動に伴うスリーブ及びチップ自身の擦過損傷を助長することになる。この点に関して、本発明は積層円筒体を外筒体と内筒体との焼嵌め構造としたうえ、内筒体を複数個の短寸サイズの内筒分体に分割すると共に、最内層の金属円筒とその外側の金属円筒とを内筒体の端面で結合することにより積層円筒体の耐熱変形性を増強し、最内層金属円筒の口径変形を軽減緩和している。
図1は、本発明の積層構造を模式的に示している。積層円筒体(10)は、金属外筒体(1)とその内側に焼嵌めされた内筒体(2)とからなる。
内筒体(2)は、金属円筒(3)とセラミックス層(4)の同心円状積層構造を有する成形体(熱間塑性加工成形体)である。図1のA部を拡大して図2に示す。内筒体(2)は少なくとも2つの金属円筒(3)と1つのセラミックス層(4)をもって構成される。図の内筒体(2)は、3つの金属円筒(31,32,33)と2つのセラミックス層(41,42)からなる積層体の例であるが、積層数は積層円筒体の用途、要求される断熱保温特性等に応じて適宜増加される。
内筒体(2)は複数個の内筒分体(2n)の列として構成される。図1は、3つの内筒分体(2)(2)(2)を一組として内筒体(2)を構成した例を示している。各内筒体(2n)は、隣合う端面同士が突き合わされ、相互に当接した状態で外筒体(1)内に挿入されたうえ、焼嵌めにより外筒体(1)内に固定されている。
本発明の積層円筒体(10)を、ダイカストマシン用プランジャースリーブ(70)として適用する場合の金属溶湯の降温抑制効果は、金属溶湯と接触する最内側層の金属円筒(以下「第1金属円筒」)(31)を薄い層厚とする(=セラミックス層41を円筒体の内周面に近付ける)ことが有利である。しかし第1金属円筒(31)を薄肉化するほど、熱歪みによるスリーブの中空孔の口径変形(第1金属円筒の膨出変形による真円度低下)が生じ易くなる。この口径変形を抑制防止するために、本発明は第1金属円筒(31)の端部をその外側の金属円筒(32,33…)の端部に結合させている。この場合、外筒体(1)と同じ長尺サイズの内筒体(2)の端部を結合するだけでは、熱変形抵抗性の補強効果が不十分である。そこで、内筒体(2)を短寸サイズの内筒分体(2n)(2,2,2)に分割し、第1金属円筒(31)とその外側の金属円筒(32,33…)の端面を結合することとしている。その結合構造は溶接又はリング状金属部材を用いて形成される。
図4(図3のB部拡大図である)は、溶接を適用して、第1金属円筒(31)の端面をその外側の金属円筒(31,32…)の端面に結合した例を示している。図では、第1金属円筒(31)と第2金属円筒(32)とを溶接(5)で結合し、その外側の第3金属円筒(33)とは結合されていないが、所望により更に第2金属円筒(32)を第3金属円筒(33)に溶接した結合構造が与えられる。金属円筒の端面の溶接(5)は、図5に示すように円周方向に連続して一周する結合形態のほか、図6に示すように円周方向に適宜の間隔をなす複数個所(例えば中心角45°の8箇所)を選択的に溶接(5)する不連続の結合形態としてもよい。
図8は、内筒分体(2n)の第1金属円筒(31)とその内側の金属円筒(32)等との結合にリング状金属部材(6)を適用した例であり、図9はそのC部を拡大して示している。この例におけるリング状金属部材(6)は、第1セラミックス層(41)を跨いで第1金属円筒(31)の端面と第2金属円筒(32)の端面とにあてがわれ、その接触面は拡散接合により第1金属円筒(31)の端面及び第2金属円筒(32)のそれぞれの端面に結合されている。 図10は、リング状金属部材(6)により形成される第1金属円筒(31)と第2金属円筒(32)との結合形態の他の例を示している。この例におけるリング状金属部材(6)は、第1金属円筒(31)と第2金属円筒(32)との間に挟まれ、その接触面は拡散接合により、第1金属円筒(31)の外周面及び第2金属円筒(32)の内周面のそれぞれに結合されている。
上記図8〜図10に示した結合形態は、第1金属円筒(31)と第2金属円筒(32)との間に形成され、その外側の第3金属円筒(33)とは結合されていないが、所望により更に第2金属円筒(32)を第3金属円筒(33)に結合した結合構造とすることにより、内筒分体(2n)の堅牢性が高められ、耐熱変形性が増強される。
内筒分体(2n)(2,2,2)は、熱間塑性加工法、代表的には、熱間静水等方圧加圧成形法(HIP)による成形品として製作され、このほかに熱間押出成形法(HE)による成形品として製作される。
図11は、内筒分体(2n)として、3つの金属円筒(31,32,33)と2つのセラミックス層(41,42)からなる成形体を成形する場合のカプセル状組付け体(20)の構成例を示している。このカプセル状組付け体(20)は、セラミックス層(41)(42)を介して金属円筒(31)(32)(33)を同心円状に重ね合せ、上下両端面に端板(21)(21)をあてがって溶接(w)で接合封止することにより組立てられる。セラミックス層(41)(42)は繊維状又は粉末状のセラミックスからなる。セラミックス繊維シートを適用する場合は、図12に示すように、セラミックス繊維シート(S)を金属円筒(3)(31,32)に巻き付けて組付けることができ、カプセル組付け体(10)の組み立て操作が容易化され、またセラミックス繊維シート(S)の重ね枚数の増減によりセラミックス層(4)の層厚を調整することも容易である。
上記カプセル組付け体(10)を、熱間塑性加工、例えばHIP処理にかけると、金属円筒(31)(32)(33)は塑性変形によりセラミックス層(41)(42)を挟圧しながら相互に圧着され、緊密な積層成形体が形成される。熱間塑性加工において、セラミックス層(41)(42)は圧縮緻密化されるが、金属円筒の熱間塑性加工温度ではセラミックス層(41)(42)の焼結反応や金属円筒との界面反応はなく、実質的に未焼結状態の繊維又は粉末の層として存在する。熱間塑性加工の後、端板(11)(11)を機械加工により除去して成形体を取り出す。ついで、第1金属円筒(31)と第2金属円筒(32)とを結合するための端面の溶接(5)を施して、図3,,図4等に示した内筒分体(2n)を得る。なお、熱間塑性加工において、図7に示す長尺サイズの内筒成形体(2’)を成形し、これを複数個に分割(輪切り)して内筒分体(2n)とし、それぞれの端面に溶接を施工して第1金属円筒(31)とその内側の金属円筒(32,33)を結合することにより、図3,,図4等の内筒分体(2n)を得ることもできる。
また、上記カプセル組付け体(10)の組み立て工程において、第1金属円筒(31)とその内側の金属円筒(32,33)とを結合するためのリング状金属部材(6)(図9,図10)を、第1金属円筒(31)とその内側の金属円筒(32,33)とに接触するように組み込んでおけば、HIP処理過程で、リング状金属部材(6)と金属円筒(31,32,33)との接触面の拡散接合により、リング状板部材(6)を介して第1金属円筒(31)とその内側の金属円筒(32,33)とが結合された結合構造を有する内筒分体(2n)(図9,図10)が得られる。
こうして製作される内筒分体(2n)の複数個を、別途用意した外筒体(1)に挿入し固定(焼嵌め)することにより本発明の積層円筒体(10)を得る。内筒分体(2n)及びこれを固定する外筒体(1)の材種は、積層円筒体の用途・使用環境条件等に応じて適宜選択される。
ダイカストマシン用プランジャースリーブを例に挙げれば次のとおりである。内筒分体(2)の第1金属円筒(金属溶湯と接触し、プランジャーチップの摺動面となる)は、金属溶湯に対する耐腐食性、プランジャーチップの摺動性および摺動磨耗抵抗性等を有するものであれば材種を問わないが、従来プランジャースリーブ材料として使用されているSKD61(C:0.32-0.42%,Si:0.8-1.2%,Mn:0.5%以下,Cr:4.5-5.5%,Mo:1.0-1.5%,V:0.8-1.2%)に代表される合金工具鋼(JIS-G4404)が好適である。第1金属円筒(31)の内側の金属円筒(32,33)は、プランジャースリーブに必要な機械強度を得るものであればよく、SKD61等の合金工具鋼等のほかに、S45C等の機械構造用炭素鋼(JIS-G4051)、SS400等の一般構造用鋼(JIS-G3101)等が適用される。
金属円筒(3)の重合面間に介在するセラミックス層(4)は、酸化物系(AlO,SiO, AlO-SiO,ZrO等),窒化物系(SiN等),炭化物系(SiC等)等、その材種は制限されない。セラミックス層(4)を複数層とする場合の各層は同種又は異種の材種が適宜使用される。セラミックス層(4)は粉末状又は繊維状のセラミックスで形成される。繊維シートを使用する場合の好適なシート材の例として、AlO-SiOセラミックス繊維シートが挙げられる。
内筒分体を焼嵌め固定する外筒体(1)は、従来のスリーブ材料であるSKD61等の合金工具鋼のほか、S45C等の機械構造用炭素鋼(JIS-G4051)、SS400等の一般構造用鋼(JIS-G3101)等であってよい。
内筒分体(2n)の金属円筒(31)(32)等の端面の溶接(5)は適宜の溶接材(例えば炭素鋼,合金工具鋼,ステンレス鋼等)を用いて施工され、リング状金属部材(6)は炭素鋼,合金工具鋼,ステンレス鋼等の板状材、線材等が適宜使用される。
内筒体(2)を形成する金属円筒(3)及びセラミックス層(4)の積層数や各層の層厚、及び内筒分体(2n)の分割個数等は積層円筒体(10)のサイズ及び用途・具体的使用条件等に応じて適宜設計される。ダイカストマシン用プランジャースリーブについて述べれば、第1金属円筒(31)の肉厚は、セラミックス層(41)による断熱保温効果をより高める点から約15mm以下であることが好ましく、より好ましくは10mm以下である。但し過度に薄くすると最内層としての強度の不足をきたすので少なくとも約3mm程度の肉厚をもたせるのが好ましい。
セラミックス層(4)(41,42…)のそれぞれの層厚は、内筒体の積層構造の堅牢性が損なわれないように、約1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5mmである。このような極く薄い層であっても卓抜した断熱保温効果が得られる。セラミックス層(4)の層数は1〜4層程度で十分である。
内筒体(2)の分割個数(内筒分体2nの個数)は、その口径及び筒長の大きさに応じて適宜設定される。ダイカストマシンの規模・射出能力によりプランジャースリーブのサイズは、概ね内径(中空孔径)(D)は約40〜180mm、筒長(L)は約300〜1200mmの広範にわたるが、分割構造(金属円筒の端面連結)による補強効果を十分なものとするために、筒長/内径の比(L/D)約1.2以下となるように分割するのが好ましい。
なお、内筒分体(2n)を成形する熱間塑性加工条件は積層円筒体の具体適用途や構成材料の材種等により異なるが、前記プランジャースリーブとしての積層円筒体の内筒分体をHIPで成形する場合、温度:約300〜1000℃、加圧力:約50〜200MPaの条件で効率よく達成することができる。また外筒体(1)と内筒分体(2n)の焼嵌めは、例えば300〜500℃の温度域で行われる。
外筒体(1)と内筒体(2)とを焼嵌めにより一体化して形成された積層円筒体(10)は、機械加工により所要形状に仕上げられ、口金部材(72)等の必要な部材を装着して製品スリーブを得る。
本発明の積層円筒体は、セラミックス層による卓抜した熱遮断性を有すると共に、セラミックス層を含む多層構造でありながら、内筒体の分割構造としたことによる補強効果として良好な耐熱変形性を兼備し、従ってこれらの特性を要求される用途、例えばダイカストマシンのプランジャースリーブとして適用される場合は、金属溶湯の温度降下とそれに起因する鋳造品質及び鋳造操業上の不具合が回避されると共に、温度低下を見込んだ高温給湯とそれに伴う熱エネルギコストの無駄が解消され、金属溶湯の温度管理が容易化され、またスリーブの損傷が軽減緩和により耐用寿命が改善される等、鋳造操業の効率化等に奏効するものである。
本発明の積層円筒体の積層構造を模式的に示す軸方向断面図である。 図1のA部の拡大図である。 外筒体への内筒分体の挿入状態を示す軸方向断面説明図である。 図3のB部の拡大図である。 内筒分体の溶接された端面を示す端面説明図である。 内筒分体の溶接された端面の他の例を示す端面説明図である。 内筒分体の製作の別法を示す軸方向断面説明図である。 内筒分体の他の例を示す軸方向断面図である。 図8のC部の拡大図である。 内筒体の金属円筒の端面結合の他の例を示す断面説明図である。 内筒分体を成形(熱間塑性加工)するためのカプセル組付け体を示す軸方向断面説明図である。 図11のカプセル組付け体の組立てにおいてセラミックス繊維シートを金属円筒に捲きつける様子を示す斜視説明図である。 横型ダイカストマシンのプランジャースリーブ配置構成を示す断面説明図である。 堅型ダイカストマシンのプランジャースリーブ配置構成を示す断面説明図である。
符号の説明
1 :金属外筒体
2 :内筒体
2n(2,2,2):内筒分体
2’:内筒分体形成用長尺内筒成形体
3(31,32,33):金属円筒
4(41,42) :セラミックス層
5 :溶接部(層間連結)
6(61,62) :リング状金属材(金属円筒連結)
10:積層円筒体
20:内筒分体成型用カプセル状組付け体
21:端板
w :溶接密封
70:プランジャースリーブ
71:給湯口
72:口金
80:プランジャーチップ
91:ダイプレート
92:金型
93:キャビティ
M :金属溶湯
S :セラミックス繊維シート

Claims (8)

  1. 金属外筒体とこれに嵌着された内筒体とからなる積層円筒体であって、
    内筒体は、繊維状ないし粉末状のセラミックス層を挟んで金属円筒を同心円状に重合してなるカプセル状積層組付け体を肉厚方向に圧縮する熱間塑性加工に付して形成された複数個の内筒分体からなり、各内筒分体は、少なくとも最内層の金属円筒とその外側の金属円筒とが端面において結合されており、隣合う端面同士を突き合せて外筒体内に配列され焼嵌めにより固定されていることを特徴とする断熱性・耐熱変形性に優れた積層円筒体。
  2. 最内層の金属円筒とその外側の金属円筒との端面が溶接により結合されている請求項1に記載の断熱性・耐熱変形性に優れた積層円筒体。
  3. 最内層の金属円筒とその外側の金属円筒との端面が、該端縁にあてがわれたリング状板材との拡散接合により結合されている請求項1に記載の断熱性・耐熱変形性に優れた積層円筒体。
  4. 内筒分体は、最内層の金属円筒の肉厚が3〜10mm、筒長/内径の比(L/D)が1.2以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の断熱性・耐熱変形性に優れた積層円筒体。
  5. セラミックス層がセラミックス繊維シートからなる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の断熱性・耐熱変形性に優れた積層円筒体。
  6. カプセル状組付け体の熱間塑性加工が熱間等方加圧加工である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の断熱性・耐熱変形性に優れた積層円筒体。
  7. 内筒体の最内層の金属円筒は合金工具鋼からなり、第1金属層を除く金属円筒及び外筒体は合金工具鋼又は構造用炭素鋼からなる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の断熱性・耐熱変形性に優れた積層円筒体。
  8. 請求項7に記載の積層円筒体からなるダイカストマシン用プランジャースリーブ。
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