JP2005185090A - 移動機構及びそれを用いた小型カメラ、ゴニオメーターとファイバースコープ - Google Patents

移動機構及びそれを用いた小型カメラ、ゴニオメーターとファイバースコープ Download PDF

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Abstract

【課題】カメラのピントを合わせるためにレンズと撮像素子の距離を調整するための小型化が容易で低電圧駆動できる移動機構とこの移動機構を用いた小型カメラ等を提供する。
【解決手段】第一構造体(101)と第二構造体(102)の間に液体(103)が配置され、液体(103)に電圧を印加してエレクトロウェッティング現象により液体(103)の形状を変化させて、第一構造体(101)と第二構造体(102)の間隔を調整する。これにより、小型化が容易で低電圧駆動できる位置移動機構を提供でき、さらに、この移動機構を用いた小型カメラ等を提供できる。また、この移動機構は、マイクロマシンの位置移動機構としても利用できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スチルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話用カメラ等に使用される位置移動機構及びそれを用いた小型カメラに関する。
スチルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話用カメラ等は、撮影対象物の像をレンズを通して固体撮像素子又は電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化膜半導体集積回路(CMOS)などの撮像素子上に投影する仕組みになっている。撮像素子上にピントのあった像を投影するためには、レンズと撮影対象物との距離に応じて、レンズと撮像素子間の距離を調整する必要がある。
スチルカメラやビデオカメラでは、ピントを合わせるために、小型モータ等を用いてレンズを機械的に動かしてレンズと撮像素子の距離を調整している。これに対して、携帯電話搭載の微小カメラは、大きさの制限から、レンズを動かすような機械的機構を設けることは難しい。そのため、焦点深度の大きい広角レンズを用いてピント合わせを不要にしている。しかし、携帯電話用カメラにも、遠方にある物体から数cm程度の近距離にある物体までを撮影する機能が要求されている。現在の広角レンズだけではこのような機能を満足できないために、小型のカメラにおいてもピントを合わせるための機構が求められている。
モータを使わずにレンズを移動する方法は多数あり、その中でも、圧電素子を利用する方法は簡単で微小化が可能である。圧電体に所定の方向に電界を加えると圧電体の電気的分極モーメントの大きさが変わり、それに伴い伸縮する。この伸縮を利用すればレンズを移動することができる。
これとは別に、レンズ形状を変形させて焦点距離を変化させてピントを合わせる方法が提案されている。
特許文献1では、少なくとも一面側が透明弾性膜によって構成された圧力室内に作動油を封入して、透明弾性膜に作用する作動液による圧力によって透明弾性膜を変形させて焦点距離が可変制御されるようにしたレンズが記されている。このレンズにおいては、透明弾性膜の変形形状がレンズ収差の発生が小さくなるように最適化されるとともに、圧力室内の作動油の圧力を透明弾性膜に形成された圧力センサで計測し、その値を基に作動油の圧力を調整することにより、作動油の熱膨張及び収縮などによる焦点距離の変動も抑制するようにしている。
特許文献2では、第一電極と導電性弾性板との間に電位差を与えることによりクーロン力による吸引力を発生させて両者の間隔を狭め、その結果、両者の間隔から排斥された透明液体の体積をもって、透明弾性板の中央部分を透明液体に背向して凸に突出して変形させる可変焦点レンズについて記されている。
特許文献3では、エレクトロウェッティング現象を用いた可変焦点レンズが提案されている。透明電極上に撥水処理した透明な絶縁膜を形成し、その上に液滴を設置し、この液滴をレンズとして用いる。下部電極と液体間に電圧を印加すると液体/絶縁膜界面に電荷が発生して液体/絶縁膜の界面張力が低下するため液体の形状が変化する。この変化により焦点距離が可変なレンズが実現する。
特開平8-114703号公報 特開平11-133210号公報 特表2001-519539号公報
圧電体を用いてレンズを移動する方法は、構造が単純でサイズも小さくできる。例えば、板状に加工した強誘電体の二つの面の間に電界を加えた場合、電気双極子がこの面に垂直な場合、圧電体は面内方向に伸縮する。例えば、強誘電体としてLiNbO3を用い、板厚が0.1mmで、板面積が縦:10mm、横:10mmである場合、面内方向に2μm縮めるためには1000V近くの電圧を加える必要がある。圧電定数の高い強誘電体やその形状を工夫することによりある程度印加電圧を下げることができるが、一般に圧電体に数百Vの電圧を印加する必要がある。携帯電話のような機器でこのような電圧を印加することは困難である。
特許文献1〜3の方法は、圧電体を用いる場合に比べると印加する電圧は小さくても良い。しかし、このような方法ではレンズの形状を精密に制御することは困難であり、歪みのないきれいな像を取り込むことは難しい。また、特許文献3では、レンズの形状は液体の表面張力によって球状となる。よりきれいな像を撮影するためにはレンズ形状が双曲線形状の非球面レンズが必要であるが、特許文献3の方法では困難である。
本発明は、レンズの形状を変えるのではなく、カメラのピントを合わせるためにレンズと撮像素子の距離を調整するための、小型化が容易で低電圧駆動できる移動機構を提供することにある。さらに、この移動機構を用いた小型カメラを提供する。
本発明の移動機構は、第一構造体と第二構造体の間に液体が配置され、前記液体に電圧を印加することにより、エレクトロウェッティング現象により前記液体の形状を変化させて、前記第一構造体と前記第二構造体の間隔を調整することを特徴とする。
本発明の別の移動機構は、第一構造体と第二構造体の隙間に液体が配置され、前記第一構造体と第二構造体がともに前記液体に接触し、前記第一構造体と第二構造体がお互い離れない束縛力を備えた移動機構であって、前記第一構造体の液体と接触する側の面が、第一電極と、前記第一電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された第一撥水膜を含み、前記第二構造体の液体と接触する側の面には周辺に第二撥水膜が形成された第二電極が形成され、前記液体が前記第二電極及び前記第二撥水膜の両方に接触しており、前記第一電極と前記第二電極間に電圧を印加する手段を備え、前記電圧を変化することによりエレクトロウェッティング現象により前記液体の形状を変化させて前記第一構造体と前記第二構造体の面間隔を調整することを特徴とする。
本発明のカメラは、第一構造体と第二構造体の間に液体が配置され、前記液体に電圧を印加することにより、エレクトロウェッティング現象により前記液体の形状を変化させて、前記第一構造体と前記第二構造体の間隔を調整する移動メカニズムにより、撮像素子とレンズの距離を調整することを特徴とする。
本発明のゴニオメータは、第一構造体と第二構造体の間に液体が配置され、前記液体に電圧を印加することにより、エレクトロウェッティング現象により前記液体の形状を変化させて、前記第一構造体と前記第二構造体の間隔を調整する移動機構を用いたことを特徴とする。
本発明のファイバースコープは、第一構造体と第二構造体の間に液体が配置され、前記液体に電圧を印加することにより、エレクトロウェッティング現象により前記液体の形状を変化させて、前記第一構造体と前記第二構造体の間隔を調整する移動機構により、撮像素子の向きを調整することを特徴とする。
本発明は、小型化が容易で低電圧駆動できる位置移動機構を提供でき、さらに、この移動機構を用いた小型カメラを提供できる。また、この移動機構は、マイクロマシンの位置移動機構としても利用できる。
本発明者は、エレクトロウェッティング現象を用いることにより、小型化が容易で低電圧駆動できる位置移動機構が実現できることを見出した。そして、この移動機構を利用すれば、ピントが正確に制御できる小型カメラを実現できることを見出した。
本発明における「エレクトロウェッティング現象」とは、液体が接触している基材表面近傍の電荷密度が変化することにより、液体と基材表面間の界面張力が変化し、その結果、液体と基材間の濡れ性が変化する現象をいう。
まず、前記エレクトロウェッティング現象について図7A−Bにより説明する。図7A−Bにおいて、701は液体、702は撥水膜、703は基材、704は電極、705は電圧を印加しない時の接触角、706,712は液滴の高さ、707は液体の表面張力を示すベクトル、708は撥水膜の表面エネルギーを示すベクトル、709は液体と撥水膜の界面張力を示すベクトル、711は電圧印加時の液体の接触角、713は電圧印加時の界面張力、714は白金線、715は電圧印加手段である。
図7Aで示すように、下部電極/絶縁膜/撥水膜上に液滴をおくと、液滴は下記のYoungの式(1)で示される接触角θを有する。
γs = γlcosθ + γls0 (1)
(但し、γs は撥水膜の表面張力、γlは液体の表面張力、γls0は、液体と撥水膜間の界面張力である。)
図7Bに示すように、液体に細い電極線を挿入し、この電極線と下部電極間に電圧Vを加えると液体と撥水膜界面に電荷が生じ、この電荷によって液体と撥水膜の界面張力は低下する。
絶縁膜と撥水膜で形成される単位面積当たりのコンデンサー容量をC、加えた電圧をVとすると次の(2)式が成り立つ。
γls = γls0 − 1/2×C×V2 (2)
(但し、γls0は、V=0の時の界面張力である。)
前記式(1)と(2)から次の(3)式が導出できる。
cosθ(V)= cosθ(0) + 1/2×C×V2 (3)
(但し、cosθ(V)は電圧Vにおけるcosθ、cosθ(0)はV=0のcosθである。)
従って、図7Bで示すように、電圧を印加することによりθは小さくなる。これに伴い、液体と撥水膜との接触面積が大きくなり、液面の高さは小さくなる。
図8Aは凸形状の液体にはさまれた2つの平板の模式図であり、図8Bはエレクトロウェッティング現象によって形状が変化した液体にはさまれた2つの平板の模式図である。図8A−Bにおいて、801は二つの平板に挟まれた液体、805,806,810,811は板と液体との接触領域、804,813は凸形状、807,812は二平板の間隔、808,809,814,815は板が液体から受ける抗力である。
図8Aは、二つの平板が液体が挟まれた状態を示した模式図である。下部の平板は動かないように固定されており、重力は紙面内で下向きに働いているとする。面と接触していない部分の液体の形804(以後液体の形状という)は凸形状であるとする。このとき、液体の内部の圧力は外部圧力よりも△Pだけ高くなる。従って、液体は板面に対して圧力ΔPを及ぼす。△Pは以下に示すYoung-Laplaceの式(4)から求められる。
ΔP = 2γl/R0 (4)
(但し、γlは液体の表面張力、R0は液体の曲率半径である。)
上部の平板と液体の接触面積をSとすると、板は上向きに、2γl/R0×Sの抗力を受ける。上部の板はこの液体からの力と重力によって釣り合うので、二つの平板は一定間隔に保たれる。
ここで、エレクトロウェッティング現象を利用して液体と二つの面との接触角を小さくした場合を考える。図8Bは、エレクトロウェッティング現象によって図8Aの液体の接触角を小さくした場合の模式図である。接触角が小さくなると、液体は広がり液体の高さが小さくなるので、面間隔は小さくなる。これに伴い、液体とそれぞれの面との接触面積、及び、液体の曲率半径は大きくなる。
このとき、上部平板に働く上方の力は、2γl/R1×S’となる。ただし、R1、S'はそれぞれ液体の曲率半径、液体と上部板との接触面積である。この斥力と重力によって二つの面の間隔が一定に保たれる。従って、エレクトロウェッティング現象を利用すれば、二つの面の間隔を調整することが可能となる。
以下に本発明の位置移動機構を示す。
(位置移動機構1)
図1において、101は第1構造体、102は第2構造体、111は第1構造体の基材、112は第2構造体の基材、103は液体、107は第1撥水膜、108は第2撥水膜、106は絶縁膜、105は第一電極、109は第2電極、110は第1電極と第2電極間に電圧を印加する手段である。
図1に示すように、第一構造体101と第二構造体102の隙間に液体103が配置され、前記第一構造体と第二構造体はともに前記液体に接触している。前記第一構造体と第二構造体がお互い離れないような束縛力104が作用する。これは前記液体の表面張力によるものである。前記第一構造体の液体と接触する側の面は、第一電極105と、前記第一電極上に形成された絶縁膜106と、前記絶縁膜上に形成された第一撥水膜107とからなる。前記第二構造体の液体と接触する側の面には周辺に第二撥水膜108が形成された第二電極109が配置されている。前記液体は前記第二電極及び前記第二撥水膜の両方に接触している。前記第一電極と前記第二電極間に電圧を印加し、電圧変化することによりエレクトロウェッティング現象をおこさせ、前記液体の形状を変化させて前記第一構造体と前記第二構造体の面間隔を調整する。
図1に示すように、液体103は第2電極109周辺の第2撥水膜108と必ず接触している。第1電極と第2電極間に電圧を印加しても、第2撥水膜と液体界面には電荷が誘起されないので、第2撥水膜と液体との静的接触角θ113は常に一定である。特に、θが90度以上の場合、液体は常に凸形状となり、液体の内部圧は外気圧よりも高くなり、構造体1と2の間隔を広げる方向の抗力が発生する。この抗力が、二つの構造体に働く束縛力104と釣り合い、二つの構造体の間隔は保たれる。第1電極と第2電極間に電圧を印加すると、エレクトロウェッティング現象により第一撥水膜上の液体は広がり液体の高さは変わるため、構造体1と構造体2の間隔は小さくなる。このようにして、印加する電圧を調整することにより、二つの構造体の間隔を制御することが可能となる。本発明において、液体の第二撥水膜に対する好ましい静的接触角θは、90度以上150度以下の範囲である。前記静的接触角θが90度未満であると、液体は広がり、構造体1と構造体2の間隔を広げる機能が低下する。
(位置移動機構2)
本発明の好ましい形態は、移動機構1において、第1構造体と第2構造体の間に、液体と混ざり合わない充填用液体が満たされており、前記充填液が凹形状であって、前記充填用液体の表面張力によって束縛力が発生する。
図2は、本発明の位置移動機構の一例の模式図である。第1構造体101と第2構造体102の間に充填用液体21を満たし、かつ、この2つの構造体及び液体103に接触していない部分における充填用液体21の液面形状22(以後、液体の形状と記す)が凹形状になるようにしている。この凹形状の充填液体が二つの構造体の束縛力となる。他の符号は図1と同一のものを示すので省略する。
図9を用いて、充填液が凹形状の場合に束縛力が発生する機構を示す。液体によって挟まれた二つの平板91、92があり、液体が凹形状の場合、液体は外部の圧力に対してΔP'だけ負圧となり、二つの面を近づけようとする圧力が働く。ΔP’は、(4)式と同様に、求めることができる。
ΔP'=2γl/Rx (5)
(但し、γlは液体の表面張力、Rxは液面の曲率半径である。)
従って、平板と液体との接触面積をSxとすると、平板はΔP'×Sx の力で引き合うことになる。なお、93は二つの平板に挟まれた液体、94は凹形状、95,96は板と液体との接触領域、97,98は板が液体から受ける引力である。
本発明によれば、束縛力を充填液によって発生させるため、束縛力発生機構が単純となり、位置移動機構の大きさを小さくすることが可能となる。
(位置移動機構3)
本発明のより好ましい位置移動機構は、位置移動機構1において、第一構造体の絶縁体上には撥水膜の形成されていない親水性の領域があり、前記親水性の領域に液体が接触している。
図3に、位置移動機構の一例の模式図を示す。この位置移動機構においては、絶えず、液体103は親水性の位置31を中心とする位置にあるため、再現性良く二つの構造体の位置を制御することが可能となる。
一般に、撥水領域接触する液体はその位置が変わりやすい。これは、フッ素樹脂の板に置かれた液体は、板を傾けると容易に転がり落ちることからも明らかである。図10A−Bで示すように、二つの構造体において、印加する電圧が同じでも、液体の位置が変わると、構造体の間隔やその位置関係が異なる可能性がある。図11A‐Bにおいて、301は液体、302は基材、303は親水性領域である。図11A−Bで示すように、液体が親水性領域と撥水性領域の両方に接している場合、その液体は、図11Aで示すような位置にあるよりも、図11Bで示すような親水性領域を中心とした位置にいる方がエネルギー的に安定となる。従って、本位置移動機構において、液体の一部は親水性領域に接しているため、液体の中心は必ずこの親水性領域に位置する。この結果、第一電極と第二電極間に電圧を印加したりしなかったりする操作を繰り返しても、液体の中心位置は、必ず親水性領域にあるので、二つの構造体の位置関係を再現性良く制御することが可能となる。
(位置移動機構4)
本発明のより好ましい位置移動機構は、位置移動機構1において、親水性の領域が凹部形状である。
図4は、本発明の位置移動機構の一例を示す模式図である。親水性領域41が凹部形状であれば、液体と親水性部分の接触面積が大きくなるため、液体の中心は凹部にとどまりやすく、位置移動操作を繰り返しても液体の中心位置は一定に保たれる。そのため、再現性良く二つの構造体の位置の制御が可能となる。
(位置移動機構5)
本発明のより好ましい位置移動機構は、第一構造体において、第1電極の面積が撥水膜の面積よりも小さく、液体が電極の真上の位置に位置している。
図5は、本発明の位置移動機構の一例を示す模式図である。第1電極と第2間に電圧を印加すると、電極上部の撥水膜上にある液体エレクトロウェッティング現象によって広がる。しかし、電極が下部にない撥水膜上ではその界面張力は変化しないため、いくら電圧を高くしても、液体は電極のある範囲52より外には広がらない。従って、二つの構造体の最小間隔を正確に制御することが可能となる。図5において、101は第1構造体、102は第2構造体、111は第1構造体の基材、112は第2構造体の基材、103は液体、21は充填用液体、107は第1撥水膜、108は第2撥水膜、53,106は絶縁膜、31は親水性領域、51は第1電極、109は第2電極、110は第1電極と第2電極間に電圧を印加する手段である。52はエレクトロウェッティング現象の起こる範囲を示す矢印である。
(位置移動機構6)
本発明のより好ましい位置移動機構は、位置移動機構1〜5において、液体が2個以上配置されている。
図6は、本発明の位置移動機構の一例を示す模式図である。液体が一つの場合に比べると、構造体1と2の傾斜角を安定に保つことが可能となる。図6において、601は第1構造体、602は第2構造体、603は第2構造体の基材、604は第1構造体の基材、605は液体、606は充填用液体、607は第1撥水膜、613は第2撥水膜、608,609は絶縁膜、610は親水性領域、614は第1電極、611は第2電極、612は第1電極と第2電極間に電圧を印加する手段である。
(位置移動機構7)
本発明のより好ましい位置移動機構は、位置移動機構6において、印加する電圧の値を液体ごとに独立に設定できる手段を備えている。
図16は、本発明の位置移動機構の一例を示す模式図である。電圧を印加する手段1(615)と手段2(616)によって各液体に独立に電圧を印加できるので、第1構造体601と第2構造体602の距離と向き合う面の傾きを調整することが可能となる。例えば、電圧印加手段1によって左側の液体のみに電圧を印加すれば、第1構造体と第2構造体の図中左側の距離が狭まるので、両構造体の傾きが変わる。図16では液体が2個配置されている場合を示しているが、紙面に対して手前と奥にそれぞれ液体を加えれば、第1構造体と第2構造体の向かい合う面の角度を自由に変えることが可能となる。
また、本発明の小型カメラは、移動機構1〜7の位置移動機構により撮像素子とレンズの距離を調整する。
また、本発明のゴニオメータは、1〜7の移動機構により、面の傾きを調整する。
また、本発明のファイバースコープは、ファイバーの一方の先端に小型カメラが設置されていて、ここで取り込んだ映像信号をファイバーの他方の先端に伝達する構造であって、小型カメラのレンズの方向を移動機構1〜7を用いたゴニオメータで調整する。
以下、本発明の理解を容易にするため、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、この実施形態に挙げられたもののみに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図12は、本発明の位置移動機構の模式図である。第一構造体101、液体103、第2構造体102近傍の断面図を図1に示す。本実施形態では、第1構造体は固定筒404の底面の一部となっている。第2構造体102は筒内を上下に移動できるようになっている。重力は紙面内で下方向に働いているとする。従って、図中、第2構造体に働く束縛力104は重力である。
固定筒404は内径10mm、高さ30mmの形状で、材質はポリカーボネート樹脂である。第1構造体101は、厚み100μmのシリコン基板111(図1参照。図12では第1構造体101の一部に含まれる。)、厚み100nmの白金電極105(図1の第1電極。)、厚み100nmのチタン酸ジルコン酸鉛106(以下PZTと記述。図1では絶縁膜。)、厚み1nm程度の撥水膜107(図1では第1撥水膜。)からなり、これが固定筒404に固定されている。また、第2構造体102は厚み100μm円盤状のポリカーボネートであり、中心に直径1mmの白金電極109(図1の第2電極。)が形成されており、この白金電極の周りには、第1構造体と同じ第2撥水膜108が形成されている。第1構造体と第2構造体の隙間には、1mMのKCl水溶液600μl(図1では液体。)が挿入されている。溶液は第2構造体の中心に位置し、第2電極と接触している。第1電極と第2電極には、DC電圧が印加できるようになっている。本実施例の位置移動機構では、DC 5Vを印加することによって、第2構造体が第1構造体に500μm近づくように設計されている。
以下に、第1構造体と第2構造体の作製方法を説明する。
(1)第1構造体の作製方法
シリコン基板上に、第1電極を真空スパッタリング法で形成した後、引き続き、PZTを真空スパッタリング法によって形成した。作製したPZT表面に、110℃のオゾン雰囲気中でUV光を10分間照射した。その後、基材をCF3(CF2724SiCl3が1vol%溶解したn−ヘキサデカンとクロロホルムの混合溶媒(体積比で4:1)に3時間浸漬し、その後、基材をクロロホルムで洗浄した。これらの浸漬と洗浄の操作は、窒素雰囲気中で行った。その後、基材を水洗した。この結果、PZTには厚み1nm以下の撥水性単分子膜が形成された。
(2)第2構造体の作製方法
メタルマスクを用いた真空スパッタリング法によって、厚み100μm円盤状のポリカーボネート基材に第2電極を作製した。その後、電極を形成した基材面に、室温でオゾンと雰囲気中でUV光を10分間照射した。その後、基材を、CF3(CF2724SiCl3が1vol%溶解したn−パーフルオロオクタン溶媒に3時間浸漬し、その後、基材をn−パーフルオロオクタンで洗浄した。これらの浸漬と洗浄の操作は、窒素雰囲気中で行った。その後、基材を水洗した。次に、電極が形成された基材面にメタルマスクを密着させ、電極部のみに酸素プラズマを照射して電極上の撥水性単分子膜を除去した。この結果、第2電極上以外に厚み1nm以下の撥水性単分子膜が形成された第2構造体が作製できた。
液体として、1mMのKCl水溶液を滴下させたときの第二撥水膜に対する静的接触角θは、120度であった。
本実施例で用いたPZT薄膜は誘電率が700と高いため、(3)式においてコンデンサ−容量Cが大きくなり、低電圧印加でも大きなエレクトロウェッティング現象を得ることができる。さらに、本実施例で用いた単分子膜は膜厚が1nm以下と小さいため、(3)式において容量Cが大きくなり低電圧印加でも大きなエレクトロウェッティング現象を得ることができる。また、本実施例の単分子膜はPZT表面とシロキサン結合(Si−O)しているので、膜が剥離することが無く、耐久性の高い位置移動機構を実現することが可能となる。
なお、本実施例では絶縁膜としてPZTを用いたが、これに限る必要はない。用いる絶縁膜は、(3)式で、容量Cを大きくするために、誘電率の大きな強誘電体が望ましい。強誘電体としては、PZTにマグネシウム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、ニオブ、スカンジウム、タンタル、ビスマス、タンタルなどを添加したもの等がある。また、バリウム酸ストロンチウム酸チタン酸化合物も有用である。
また、撥水膜も単分子膜に限る必要はなく、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂を用いても良い。また、CF3(CF2724Si(OCH33、アルコール、水、酸性触媒の混合溶液を塗布することでも撥水膜を形成することが可能である。また、Si(OC254、CF3(CF2724Si(OCH33、アルコール、水、酸性触媒の混合溶液を塗布後、焼成することでも撥水膜を形成することが可能である。
また、本実施例では、液体として、1mMのKCl水溶液を用いたが、これに限る必要はなく、他の水溶液、有機溶剤、もしくは、水溶液と有機溶剤の混合物を用いても良い。特に、低電圧で液体と絶縁膜との界面張力を大きく変化させるためには、液体と絶縁膜界面に多くの電荷を発生させる必要があるので、用いる液体は電解液であることが好ましい。
水溶性の電解液としては、例えば、NaCl水溶液、NaBr水溶液、NH4Cl水溶液、様々な塩を含む緩衝溶液などがある。有機溶剤を用いた電解液の場合は、溶媒としては無水酢酸、メタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミドが使用でき、電解質としては、NaClO4、LiClO4、KOH、KOCH3、NaOCH3、LiCl、NH4Cl、n−(CH3364Ni、Mg(ClO42、NaBF4などが使用できる。また、微量の水溶性電解液を含む、アルコール系溶媒、各種エステル類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、その他の種々の油なども使用できる。塩又は電解質の好ましい存在量は10-4質量%以上30質量%以下の範囲である。
(実施の形態2)
図13は、本発明の位置移動機構の模式図である。図2は、第1構造体101、液体103、第2構造体102近傍の断面図である。本発明の基本的な構造は実施の形態1と同様であるが、充填用液体21が新たに加えられている。1001は固定筒である。本実施の形態では、充填用液体として、比重1.0、粘度10cPs(センチポイズ)の有機変性シリコーン油(Gelest製、フェニルメチルシロキサンホモポリマー)を用いた。充填用液体の量は、内部に液体103を完全に含み、内部に気泡が入らず、さらに、第1構造体と第2構造体の隙間からはみ出ないように調整した。充填用液体の表面張力は30dyne/cm程度であり、充填された時の液面は凹形状であった。このため、充填液は外部圧に比べて負圧になり、第1構造体と第2構造体間には引力が働くようになる。この引力が、第1構造体と第2構造体を束縛する力となる。
束縛力が重力の場合は、固定筒を傾けたり逆さまにしたりすると、二つの構造体に挟まれている液体が両構造体から離れて位置移動機構として動作しなくなるが、充填用液体の表面張力を束縛力とした場合は、固定筒がどのような傾きにあっても、充填液体は両構造体に接触しており、位置移動機構として動作することができる。
本実施例では充填用液体として比重が水に近いシリコーン油を用いているため、浮力によって液体103の位置がずれることは無い。
なお、充填用液体はシリコーン油に限る必要はなく、例えば、フッ素系油を用いても良い。液体103が水溶液の場合、フッ素系油はシリコーン以上に水との親和性がないので、長時間たっても液体が充填用液体に溶け出すことはなく、長時間の使用に耐え得る位置移動機構が実現できる。
(実施の形態3)
実施の形態2と同様の位置移動機構を形成した。ただし、第1構造体の絶縁体上には撥水膜の形成されていない親水性の領域があり、前記親水性の領域に液体が接触している。本実施の形態の第1構造体、液体、第2構造体付近の断面図を図3に示す。第1構造体101の中心に直径1mmの円形の親水性領域31を形成している。この親水性領域は、撥水膜形成後、直径1mmの円形の穴の空いたメタルマスクを撥水膜に密着させ、メタルマスクに酸素プラズマを照射することにより形成した。すなわち、穴の空いた部分にある撥水膜だけ酸素プラズマが当たり撥水膜が除去されると同時に、PZTが親水化された。
親水性の領域に液体が接触していることにより、液体は親水性領域を中心とした位置からずれることがないので、第1構造体と第2構造体の位置関係がずれることがない。
(実施の形態4)
実施の形態3と同様の位置移動機構を作製した。ただし、親水性領域は凹形状とした。図4に第1構造体、液体、第2構造体付近の断面図を示す。親水性領域41は、底面が直径1mmの円で、深さが80nmの凹部形状となっている。この凹部は、撥水膜を形成する前に、PZT膜に、フォトリソグラフィー法によって穴を開けた。PZT膜のエッチング液にはフッ酸と硝酸の混合水溶液を用いた。その後、実施の形態3と同様に、撥水膜を形成後、凹部のみの撥水膜を酸素プラズマ処理によって除いた。
本実施形態においては親水性領域が平らな場合に比べて液体の接触面積が増大し、液体は親水性領域から離れにくい。従って、位置移動操作を繰り返しても、液体の中心位置は必ず親水性領域にあってずれることはなく、第1構造体と第2構造体の位置関係を正確に保つことが可能となる。
(実施の形態5)
実施の形態3と同様に位置移動機構を作製した。ただし、第一構造体において、第一電極の面積が撥水膜の面積よりも小さく、液体が電極の真上の位置になるようにした。第1構造体、液体、第2構造体付近の断面図を図5に示す。
第1電極51の形状は、直径5mmの円形とした。この中心には親水性の領域31がある。第1電極と第2間に電圧を印加すると、電極上部の撥水膜上にある液体エレクトロウェッティング現象によって広がる。しかし、電極が下部にない撥水膜上ではその界面張力は変化しないため、いくら電圧を高くしても液体は電極のある範囲52より外には広がらない。従って、二つの構造体の最小間隔を正確に制御することが可能となる。
(実施の形態6)
図14Aに、本実施の形態の模式図を示す。図14Bは第1構造体601を上部から見た平面図であり、第1撥水膜607上の液体605の配置を模式的に示している。図6は、第1構造体、液体、第2構造体付近の断面図である。本発明の基本的な構造は、実施の形態5と同じであるが、液体605が多数個配置されているところが異なる。液体が一つの場合に比べ、本実施例のように液体が多数個ある場合、二つの構造体の傾斜角を安定に保つことが可能となる。
第1撥水膜上には、体積が0.5μlの液体605を、液体の中心間隔が2mmとなるように多数個配置されている。ただし、液体は、第1構造体の周囲から2mmの範囲に収まるようになっている(図中点線615の内側)。なお、配置された液体の第1撥水膜との接触領域は、電圧を印加しない状態で、直径0.2mmの円内領域であった。また、図6で示すように、液体の中心部分610は親水性領域とした。親水領域は、直径50μmの円内部領域とした。また、それぞれの親水性領域の下に、直径1mmの円形の第1電極614を形成した。また、第2構造体602の第2電極611は、第1電極614の真上に位置するようにし、形状は、直径50μmの円形とした。
本位置移動機構は、第1電極と第2電極間にDC5Vの電圧を印加したとき第1構造体と第2構造体の間隔が100μmだけ接近するように設計されている。
(実施の形態7)
本実施の形態の小型カメラの模式図を図15に示す。実施の形態6で示した位置移動機構の第2構造体602に撮像素子1003が固定されている。撮像素子の上部には対物レンズ1002が設置されている。撮影対象物は対物レンズ1002を通して撮像素子1003に像を結ぶ。像のピント合わせは、第2構造体602が上下に移動し、撮像素子1003と対物レンズ1002の距離を調整すること行う。実施の形態6と同様、第1電極と第2電極間にDC 5Vの電圧を印加したとき第1構造体と第2構造体の間隔が100μm移動できる。
(実施の形態8)
本実施の形態のゴニオメータは、実施の形態6において、各液体に印加する電圧を独立に制御できる機構を備える。基本的な構造は図14と同じであるが、各液体に独立に電圧印加するための機構を備えている。また、第2構造体602の外径は、固定筒の内径より1mm値小さめに設計することにより、第2構造体が筒内で自由に傾くことができるようになっている。
(実施の形態9)
本実施の形態のファイバースコープ全体の概略図を図17Aに示す。本発明のファイバースコープは、柔軟性がある細長い円筒形のファイバースコープ161の一方の末端162に小型カメラが取り付けられ、他方の末端163には小型カメラで撮影した画像情報をファイバーを通して取り出すための機構が備わっている(取り出すための機構は図示せず)。図17Bは、小型カメラの設置されているファイバースコープ末端162部分の拡大模式図である。この部分の基本的な構造は実施の形態8と同じであるが、第2構造体164には撮像素子とレンズを備えた小型カメラが固定されている点で異なる(カメラの構造の詳細は図では示さず)。本カメラでは焦点深度の深いレンズを使用してピント合わせを不要にしている。そのため、本カメラで撮影する対象物の画質は、実施の形態7の場合に比べると劣るが、撮影する対象と撮影目的によってはその要求を充分満足することができる。図17Bに示すように、本カメラにおいては、それぞれの液体605に電圧を独立に印加して第2構造体164の傾きを自由に調整できるので、撮影する対象物の位置に合わせてカメラの向きを合わせることが可能である。21は充填用液体、101は第1構造体、1001は固定筒である。
[産業上の利用可能性]
本発明の位置移動機構を用いれば、小型化が容易で、低電力で位置を移動できるので、医療用マイクロマシンの位置移動機構としても利用できる。たとえば、胃カメラや大腸カメラの先端に設置する手術用アクチュエータなどにも利用できる。
本発明の一実施形態における位置移動機構の断面を示す模式図。 本発明の一実施形態における位置移動機構の断面を示す模式図。 本発明の一実施形態における位置移動機構の断面を示す模式図。 本発明の一実施形態における位置移動機構の断面を示す模式図。 本発明の一実施形態における位置移動機構の断面を示す模式図。 本発明の一実施形態における位置移動機構の断面を示す模式図。 本発明の一実施形態における撥水膜上に滴下された液体の状態を示す模式図であり、Aは撥水膜上に滴下された液体の状態を示した模式図、Bはエレクトロウェッティング現象によって形状が変化した液体の状態を示した模式図。 本発明の一実施形態における液体の状態を示した模式図であり、Aは2つの平板にはさまれた凸形状の液体の模式図であり、Bはエレクトロウェッティング現象によって形状が変化した液体にはさまれた2つの平板の模式図。 本発明の一実施形態における凹形状の液体にはさまれた2つの平板の模式図。 本発明の一実施形態における液体にはさまれた2つの平板の模式図であり、AとBで液体の位置が異なる例を示す。 本発明の一実施形態における撥水性と親水性の領域に同時に接触した液体の模式図であり、Aは初期の状態、Bはエネルギーが安定な状態を示す。 本発明の一実施形態における位置移動機構を示す模式図。 本発明の一実施形態における位置移動機構を示す模式図。 本発明の一実施形態における位置移動機構を示す模式図であり、Aは本発明の位置移動機構を示す模式図、Bは第1構造体を上部から見た平面図、液体の配置を示す。 本発明の一実施形態のカメラを示す模式図。 本発明の一実施形態における位置移動機構の断面を示す模式図。 Aは本実施の一実施形態におけるファイバースコープ全体の概略図、Bは同、小型カメラの設置されているファイバー末端部分の拡大模式図。
符号の説明
101,601,201,601 第1構造体
102,602,202,602 第2構造体
103,605,701,710,301 液体
104 束縛力
51,105,614 第1電極
106,608,703、609、53 絶縁膜
107,607 第1撥水膜
108,613 第2撥水膜
109,611 第2電極
110,612 第1電極と第2電極間に電圧を印加する手段
111,604 第1構造体の一部
112,603 第2構造体の一部
113 液体と第2撥水膜との静的接触角
21,606 充填用液体
22 充填用液体の形状
31,303,610 親水性領域
41 凹領域
52 エレクトロウェッティング現象の起こる範囲を示す矢印
615 液体が配置される範囲を示す線
702 撥水膜
704 電極
705 電圧を印加しない時の接触角
706,712 液滴の高さ
707 液体の表面張力を示すベクトル
708 撥水膜の表面エネルギーを示すベクトル
709 液体と撥水膜の界面張力を示すベクトル
711 電圧印加時の液体の接触角
713 電圧印加時の界面張力
714 白金線
715 電圧印加手段
91,802 上部の平板
92,803 下部の平板
93,801,203 二つの平板に挟まれた液体
94 凹形状
95,96,805,806,810,811 板と液体との接触領域
97,98 板が液体から受ける引力
804,813 凸形状
807,812 二平板の間隔
808,809,814,815 板が液体から受ける抗力
204 位置がずれた液体
302 撥水性領域
304 親水性領域を中心位置とする液体
404,1001 固定筒
1002 対物レンズ
1003 撮像素子

Claims (23)

  1. 第一構造体と第二構造体の間に液体が配置され、前記液体に電圧を印加することにより、エレクトロウェッティング現象により前記液体の形状を変化させて、前記第一構造体と前記第二構造体の間隔を調整する移動機構。
  2. 前記第一構造体の液体と接触する側の面が、第一電極と、前記第一電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された第一撥水膜を含む請求項1に記載の移動機構。
  3. 前記第二構造体の液体と接触する側の面には周辺に第二撥水膜が形成された第二電極が形成され、前記液体が前記第二電極及び前記第二撥水膜の両方に接触している請求項1に記載の移動機構。
  4. 前記第一構造体と第二構造体との間の前記液体の表面張力により、前記第一構造体と第二構造体がお互い離れない束縛力を備えた請求項1に記載の移動機構。
  5. 前記液体の第二撥水膜に対する静的接触角θが90度より大きい請求項3に記載の移動機構。
  6. 前記第一構造体と第二構造体の間に前記液体と混ざり合わない充填用液体が満たされており、前記充填用液体の前記第一構造体、前記第二構造体及び前記液体に接触していない部分における液面形状が凹形状である請求項1に記載の移動機構。
  7. 前記第一構造体の絶縁体上には撥水膜の形成されていない親水性の領域があり、前記親水性の領域に前記液体が接触している請求項2に記載の移動機構。
  8. 前記親水性の領域が凹部形状である請求項7に記載の移動機構。
  9. 前記第一構造体において、第一電極の面積が撥水膜の面積よりも小さく、前記液体が電極の真上の位置に位置している請求項2に記載の移動機構。
  10. 前記液体が2個所以上配置されている請求項1に記載の移動機構。
  11. 前記液体に印加する電圧の値を前記液体ごとに独立に設定できる手段を備えた請求項10記載の移動機構。
  12. 前記第一構造体と第二構造体を含めた周囲に枠体をさらに備えた請求項10記載の移動機構。
  13. 第一構造体と第二構造体の隙間に液体が配置され、前記第一構造体と第二構造体がともに前記液体に接触し、
    前記第一構造体の液体と接触する側の面が、第一電極と、前記第一電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成された第一撥水膜を含み、
    前記第二構造体の液体と接触する側の面には周辺に第二撥水膜が形成された第二電極が形成され、
    前記液体が前記第二電極及び前記第二撥水膜の両方に接触しており、
    前記第一電極と前記第二電極間に電圧を印加する手段を備える移動機構。
  14. 前記液体の第二撥水膜に対する静的接触角θが90度より大きい請求項13に記載の移動機構。
  15. 前記第一構造体と第二構造体の間に前記液体と混ざり合わない充填用液体が満たされており、前記充填用液体の前記第一構造体、前記第二構造体及び前記液体に接触していない部分における液面形状が凹形状である請求項1に記載の移動機構。
  16. 前記第一構造体の絶縁体上には撥水膜の形成されていない親水性の領域があり、前記親水性の領域に液体が接触している請求項13に記載の移動機構。
  17. 前記親水性の領域が凹部形状である請求項16に記載の移動機構。
  18. 前記第一構造体において、第一電極の面積が撥水膜の面積よりも小さく、前記液体が電極の真上の位置に位置している請求項13に記載の移動機構。
  19. 前記液体が2個所以上配置されている請求項13に記載の移動機構。
  20. 前記液体に印加する電圧の値を前記液体ごとに独立に設定できる手段を備えた請求項19に記載の移動機構。
  21. 第一構造体と第二構造体の間に液体が配置され、前記液体に電圧を印加することにより、エレクトロウェッティング現象により前記液体の形状を変化させて、前記第一構造体と前記第二構造体の間隔を調整する移動メカニズムにより、撮像素子とレンズの距離を調整することを特徴とするカメラ。
  22. 第一構造体と第二構造体の間に液体が配置され、前記液体に電圧を印加することにより、エレクトロウェッティング現象により前記液体の形状を変化させて、前記第一構造体と前記第二構造体の間隔を調整する移動機構を用いたことを特徴とするゴニオメータ。
  23. 第一構造体と第二構造体の間に液体が配置され、前記液体に電圧を印加することにより、エレクトロウェッティング現象により前記液体の形状を変化させて、前記第一構造体と前記第二構造体の間隔を調整する移動機構により、撮像素子の向きを調整することを特徴とするファイバースコープ。
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