JP2005184902A - モータ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
瞬停時においても永久磁石同期モータを運転継続できるモータ駆動装置の実現。また、瞬停時の制御を行う時に前記永久磁石同期モータにショックを与えないモータ駆動装置及び比例積分制御に用いる比例項と積分項のゲイン調整が容易であるモータ駆動装置の実現。
【解決手段】
瞬停時に、インバータ回路からの出力電力を制限する機能を備え、q軸電流指令値を補正する手段を用いることで永久磁石同期モータの運転継続を実現する。
【選択図】図1
瞬停時においても永久磁石同期モータを運転継続できるモータ駆動装置の実現。また、瞬停時の制御を行う時に前記永久磁石同期モータにショックを与えないモータ駆動装置及び比例積分制御に用いる比例項と積分項のゲイン調整が容易であるモータ駆動装置の実現。
【解決手段】
瞬停時に、インバータ回路からの出力電力を制限する機能を備え、q軸電流指令値を補正する手段を用いることで永久磁石同期モータの運転継続を実現する。
【選択図】図1
Description
本発明は、インバータ回路によって駆動される永久磁石同期モータ制御装置に係り、特に瞬時停電(瞬停)時の制御に関する。
モータ駆動装置の多くは、交流電源からの単相交流電圧を一定の直流電圧に変換し、その直流電圧を入力としたインバータ回路により永久磁石同期モータを駆動している。そのため、瞬停により交流電源からの電力供給が断たれると、前記インバータ回路は平滑コンデンサに貯まったエネルギーを消費して前記永久磁石同期モータを駆動させる。従って、瞬停に対して何も工夫されていないモータ駆動装置では、直流電圧が急激に降下して最終的には電力不足となり永久磁石同期モータを正常に駆動できなくなる。
前述のような問題を解決するため特許文献1に記載された技術は通常運転時のモータ回転数(速度)と瞬停中のモータ回転数とを別に制御するようにしている。例えば、瞬停を検出した場合、モータ回転数指令(速度指令)を低下させることで、モータ回転数を落として消費電力を低減させ、更にその時のモータの回転エネルギーを直流電圧に回生することで直流電圧を一定に制御している。
この特許文献1に記載された技術は、通常時の回転数制御回路の他に直流電力の供給停止を検出する停電検出回路と、停電時に直流電圧が任意に定めた所定値になるように回転数を制御する停電運転回路とから構成され、停電検出回路により停電を検出した場合は、停電運転回路により直流電圧が任意の所定値となるようにモータ回転数を低下させるものである。
次の(数1)と(数2)は、永久磁石同期モータの数学モデルを利用した電圧方程式である。
Vdc* = r・Id*−ω1*・Lq・Iq* ・・・(数1)
Vqc* = ω1*・Ld・Id*+r・Iq*+ω1*・kE ・・・(数2)
ここで、Vdc*:d軸電圧指令値、Vqc*:q軸電圧指令値、Id*:d軸電流指令値、Iq*:q軸電流指令値、ω1*:回転数指令値、Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、r:巻線抵抗、kE:発電定数である。
Vqc* = ω1*・Ld・Id*+r・Iq*+ω1*・kE ・・・(数2)
ここで、Vdc*:d軸電圧指令値、Vqc*:q軸電圧指令値、Id*:d軸電流指令値、Iq*:q軸電流指令値、ω1*:回転数指令値、Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、r:巻線抵抗、kE:発電定数である。
文献1に記載された技術は、通常時と瞬停時の回転数指令値を別に設けているため、回転数指令値の切り替える時に(数1)及び(数2)中の回転数指令値ω1*に段差が生じてしまい、永久磁石同期モータに印可する電圧指令値Vdc*及びVqc*が急変してショックを与えてしまうことが予想される。これは、少なからずこのモータによって駆動される対象機器にとって悪影響を及ぼす。
また、電圧指令値Vdc*及びVqc*の演算に回転数指令値を用いるベクトル制御系において、特許文献1に記載の技術を適用する場合は、(数1)と(数2)の中の回転数指令値ω1*を低下させることに等しい。このとき、(数1)と(数2)の中で回転数指令値ω1*の係る項は3項あるため、q軸電流指令値Iq*やd軸電流指令値Id*に比べて回転数指令値ω1*の変化が電圧指令値Vdc*及びVqc*に与える影響は大きい。例えば、この特許文献1においては、瞬停時に、直流電圧が設定値になるように比例積分制御により回転数指令値ω1*を求めている。しかし、回転数指令値ω1*は前述のように電圧指令値Vdc*及びVqc*への影響が大きいため、最適の回転数指令値ω1*を算出するための比例項及び積分項のゲイン調整が難しいことが予想される。
本発明は、瞬停時においても永久磁石同期モータの運転に必要な電力を確保し、モータを停止することなく運転の継続を実現することが課題である。また、瞬停時の制御に移る際に永久磁石同期モータにショックを与えないモータ駆動装置及び比例積分制御に用いる比例項及び積分項のゲイン調整が従来技術に比べて容易なモータ駆動装置の実現が課題である。
本発明の目的は、瞬停時にモータの駆動を継続する瞬停制御において、瞬停制御に移行する際のモータにショックを与えることを少なくしするモータ制御装置を提供することにある。
上記目的は、モータと、直流を入力しこのモータを駆動する電力を供給するインバータ回路と、前記モータに供給する電流の指令値と実電流値とに基づいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段とを備えたモータ駆動装置において、瞬停が検出されたとき、前記電流の指令値を低下させる手段を備えることにより達成される。
上記目的は、モータと、直流を入力しこのモータを駆動する電力を供給するインバータ回路と、前記モータに供給する電流の指令値と実電流値とに基づいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段とを備え、前記モータの回転数についてオープンループ制御を行うモータ駆動装置において、瞬停が検出されたとき、前記電流の指令値を低下させる手段を備えることにより達成される。
上記目的は、モータと、直流を入力しこのモータを駆動する電力を供給するインバータ回路と、前記モータに供給する電流をトルク電流指令値と励磁電流指令値とに分けて発生することで前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段とを備え、前記モータの回転数についてオープンループ制御を行うモータ駆動装置において、瞬停が検出されたとき、前記トルク電流指令値を低下させる手段を備えることにより達成される。
本発明によれば、瞬停時にモータの駆動を継続する瞬停制御において、瞬停制御に移行する際のモータにショックを与えることを少なくしするモータ制御装置を提供することができる。
以下、本発明のモータ駆動装置を空気調和機の圧縮機用永久磁石同期モータに適用した実施例について図1から図4を参照しながら説明する。
図1は、本実施例の構成を示す図である。電圧制御手段20は、交流電源の電圧を一定の直流電圧に変換するコンバータ回路1と、コンバータ回路1に接続された平滑コンデンサの直流電圧を電源とし、永久磁石同期モータ3を駆動するインバータ回路2とからなる。
インバータ制御手段30は、モータ電流を検出するためのモータ電流検出器7と、モータ電流検出器7より検出されるq軸電流指令値Iq*を入力値としてd軸電流指令値Id*を算出する電流指令演算器8と、電流指令値Id*及びIq*と空気調和機の室内マイクロコンピュータ(図1への記載は省略する)より与えられるモータ回転数指令値ω1*を入力値としてモータ巻線インダクタンス値Ld及びLqと巻線抵抗値rと発電定数kEとから永久磁石同期モータ3に通電する電圧指令値Vdc*及びVqc*を演算によって求める電圧指令演算器9と、前記電流観測値Id及びIqと前記電圧指令値Vdc*及びVqc*を入力値として永久磁石同期モータ3の回転子位置推定値θdcを演算によって求める回転子位置推定器11と、前記電圧指令値Vdc*及びVqc*と前記回転子位置推定値θdcと直流電圧検出器12で検出する直流電圧瞬時値を入力値として変調率を算出し、3相PWM信号を生成する3相PWM信号生成器10とからなる。
瞬停制御手段40は、直流電圧検出器12により検出される直流電圧瞬時値を入力値として瞬停を検出するために電圧脈動を取除いた直流電圧平均値1及び補正量ΔIq*の脈動を防ぐために前記直流電圧瞬時値の細かな電圧脈動を取除いた直流電圧平均値2を演算によって求める直流電圧平均値演算器4と、前記直流電圧平均値1と前記直流電圧瞬時値の偏差ΔVdより瞬停を検出する瞬停検出器5と、瞬停時に前記直流電圧平均値2よりq軸電流指令値Iq*を補正するための補正量ΔIq*を算出するq軸電流補正値演算器6とからなる。
ここで図2は、瞬停時の前記直流電圧瞬時値と前記直流電圧平均値1と前記直流電圧平均値2を表わした図である。本実施例では前記直流電圧平均値1を時定数500msの1次遅れフィルタにより演算し、前記直流電圧平均値2を時定数7msの1次遅れフィルタにより演算して求めた。
本実施例においては、瞬停が検知されるとこれまで与えられていた電流指令値を減少させて、平滑コンデンサからモータに流れる電力を減少させる。この電流指令値の減少のさせ方は、瞬停開始時の直流電圧と直流電圧の瞬時値との偏差に基づいて、補正量を算出し、この値を電流指令値に加える(減算する)ことで電流指令値を減少させるようにした。
図1に示した制御ブロック図においては、電流に関してはフィードバック制御されているもののモータの回転数(回転速度)に関してはオープンループ制御でありフィードバック制御を行っていない。このため、瞬停が発生し電流指令が減少した結果、モータ回転数が低下してもモータ回転数に関してはオープンループ制御であるので、電圧指令や電流指令を増加させる要因とはならず、モータ回転数に関して何らの考慮をすることなく問題なく瞬停時制御を行うことができる。
さて、ベクトル制御においては、励磁電流指令であるd軸電流指令値とトルク電流指令であるq軸電流指令値という2つの電流指令値が存在する。いずれか一方若しくは両者を補正することが考えられるが、本実施例ではq軸電流指令値を補正することとした。その理由を説明する。
本モータ駆動装置は、ベクトル制御によるインバータ制御手段の他に、前述の課題を解決する手段として瞬停を検出する瞬停検出器とq軸電流指令値Iq*の補正量ΔIq*を演算によって求めるq軸電流補正値演算器と瞬停検出及び補正量ΔIq*の演算に必要な直流電圧平均値を演算によって求める直流電圧平均値演算器とを備えている。
これらの瞬停検出器とq軸電流補正値演算器と直流電圧平均値演算器とを用い、瞬停を検出してq軸電流指令値Iq*を補正することにより前記永久磁石同期モータの瞬停時の電力確保を実現する。
このとき、電圧指令値Vdc*及びVqc*は(数3)及び(数4)により算出される。
Vdc*=r・Id*−ω1*・Lq・(Iq*+ΔIq*) ・・・(数3)
Vqc*=ω1*・Ld・Id*+r・(Iq*+ΔIq*)+ω1*・kE ・・・(数4)
補正によって制御することにより指令値の切り替え処理がなくなるため、電圧指令値Vdc*及びVqc*を緩やかに変化させることができ、永久磁石同期モータにショックを与えることがなくなる。また、q軸電流指令値Iq*の係る項は2項であるため、回転数指令値ω1*を補正するのに比べて電圧指令値Vdc*及びVqc*は比較的緩やかに変化するので補正量を算出する際のゲイン調整が容易である。以下、詳説する。
Vdc*=r・Id*−ω1*・Lq・(Iq*+ΔIq*) ・・・(数3)
Vqc*=ω1*・Ld・Id*+r・(Iq*+ΔIq*)+ω1*・kE ・・・(数4)
補正によって制御することにより指令値の切り替え処理がなくなるため、電圧指令値Vdc*及びVqc*を緩やかに変化させることができ、永久磁石同期モータにショックを与えることがなくなる。また、q軸電流指令値Iq*の係る項は2項であるため、回転数指令値ω1*を補正するのに比べて電圧指令値Vdc*及びVqc*は比較的緩やかに変化するので補正量を算出する際のゲイン調整が容易である。以下、詳説する。
図3は、本実施例を示すフローチャートである。本実施例では、動作時の初期値として、q軸電流指令値の補正量ΔIq*は0とし、瞬停中フラグは「無し」とし、瞬停制御開始時電圧は0とした。
まず、瞬停が発生せず通常動作をする場合について説明する。
インバータ制御手段30は、磁極位置センサレスベクトル制御(ステップP11)により、(数3)及び(数4)より電圧指令値Vdc*及びVqc*を演算により求め、永久磁石同期モータ3の回転子位置推定値θdcに合わせて3相PWM信号を出力して回転数を制御する。直流電圧平均値演算器4は、前記直流電圧瞬時値を入力値として前記直流電圧平均値1と前記直流電圧平均値2を演算により求める(ステップP21)。瞬停検出器5は、瞬停中であることを示す瞬停中フラグの有無を判定する(ステップP31)。瞬停中フラグは「無し」であるのでステップP32の処理へ進む。次に、前記偏差ΔVdを演算により求め、前記偏差ΔVdとあらかじめ定めた任意の瞬停判定レベル(本実施例では50Vとした)とを比較する(ステップP32)。ここでは、瞬停が発生しない場合としているため、前記判定レベル以内となり、磁極位置センサレスベクトル制御(ステップP11)の処理へと進む。以降、交流電源が正常であり、瞬停が発生しない限りはステップP11からステップP32を繰り返して通常の指令通りの3相PWM信号を出力する。
ここで、本実施例の磁極位置センサレスベクトル制御(ステップP11)では、モータ電流検出器7により、永久磁石同期モータ3の各相に流れるモータ電流を検出し、検出したモータ電流をd−q逆変換することにより電流観測値Iq及びIdを演算により求める。q軸電流観測値Iqはそのままq軸電流指令値Iq*とし、d軸電流指令値Id*はq軸電流指令値Iq*を入力とした電流指令演算器8により演算によって求める。電圧指令演算器9は、電流指令値Id*及びIq*とモータ回転数指令値ω1*と巻線抵抗値rと各軸のインダクタンス値Ld及びLqと発電定数kEとから各軸に通電すべき電圧指令値Vdc*及びVqc*を前記(数3)及び(数4)より演算によって求める。回転子位置推定器11は、電圧指令値Vdc*及びVqc*と、Vdc*及びVqc*を通電した際に流れる各軸電流観測値Iq及びIdとから誘起電圧情報を利用して演算により永久磁石同期モータ3の回転子位置推定値θdcを演算によって求める。3相PWM信号生成器10は、電圧指令値Vdc*及びVqc*と前記直流電圧瞬時値とからPWM変調率を算出し、回転子位置推定値θdcを用いて3相PWM信号をインバータ回路へ出力する。これら一連の制御により室内機より与えられるモータ回転数指令値通りに永久磁石同期モータ3を制御する。
次に、瞬停が発生した場合の動作について説明する。
図4(1)は、本発明のモータ駆動装置を搭載し、瞬停が発生した場合の直流電圧と補正量ΔIq*を示した図である。
時刻t1で瞬停が発生した場合、前記偏差ΔVdが前記判定レベル以内である時刻t2までは、前述したステップP11からステップP32までを繰り返して通常の指令通りの運転をする。
時刻t2では、前記偏差ΔVdは前記判定レベル以上となるため、瞬停検出器5は瞬停と判断して(ステップP32)、瞬停中であることを示す瞬停中フラグを有効にし(ステップP33)、比較値として時刻t2の時の前記直流電圧平均値2を前記瞬停制御開始時電圧として保持する(ステップP34)。q軸電流補正値演算器6は、前記瞬停制御開始時電圧と前記直流電圧平均値2の偏差を演算して比例積分制御入力値を求め(ステップP41)、あらかじめ定めた比例項のゲインと積分項のゲインを用いて比例積分制御により補正量ΔIq*を演算により求める(ステップP42)。次に、求めた補正量ΔIq*が0以下であるかを判定して、瞬停制御を継続するかを判定する(ステップP43)。時刻t2では、補正量ΔIq*は0以下であるので瞬停制御を継続するために、ステップP44からP46は行わず、ステップP11の処理へと戻る。ステップP11中では補正量ΔIq*が有効であるため、(数3)及び(数4)で演算される電圧指令値Vdc*及びVqc*は補正され、インバータ回路2の出力電力が制限される。その後、直流電圧が正常時の値に復帰するまでの時刻t2から時刻t4までの間は、ステップP33により瞬停中フラグが有効となっているため、ステップP11からステップP31までとステップP41からP43までとを繰り返す。これにより、前記瞬停制御開始時電圧と前記直流電圧平均値2の偏差に応じて電圧指令値Vdc*及びVqc*を補正し、インバータ出力電力を制限することで直流電圧の降下を抑制する。
時刻t3で交流電源が復電すると、前記直流電圧瞬時値は徐々に補正前の値まで上昇し、これに伴って前記直流電圧平均値2の値も上昇する。これにより、前記比例積分制御入力値は少しずつ大きくなり、時刻t4の時点では、前記瞬停制御開始時電圧と前記直流電圧平均値2の値が逆転して0より大きくなる。q軸電流補正値演算器6は、比例積分制御(ステップP42)で算出される補正量ΔIq*が0より大きくることで、ステップP43の判定でステップP44の処理へ進み、瞬停制御終了処理を行う。補正量ΔIq*は、初期値と同じ0とし(ステップP44)、瞬停中フラグは、初期値と同じ「無し」とし(ステップP45)、前記瞬停制御開始時電圧は初期値と同じ0として(ステップP46)、補正処理を行う前と同じ初期状態に戻す。その後、再度瞬停が発生するまではステップP11からステップP32の処理を繰り返し行って、通常通りに永久磁石同期モータ3を制御する。
次に、完全に停電となった場合の動作について説明する。
本実施例においては、ある電圧レベル値(本実施例では停電判定電圧レベルと呼ぶ)以下に直流電圧がなった場合は停電とみなし、永久磁石同期モータ3を停止する機能を備えている。
図4(2)は、本発明のモータ駆動装置を搭載し、完全に停電となった場合の直流電圧を示した図である。
時刻t1で停電が発生し、時刻t2になると瞬停検出器5は瞬停と判断してq軸電流補正値演算器6により補正を開始する。その後、時刻t3までは、直流電圧の降下を抑えることができるが、時刻t3以降は更に直流電圧が降下していき、時刻t4で前記停電判定電圧レベルに達して永久磁石同期モータ3を停止する。
本実施例では、図1の構成の中でインバータ制御手段30と瞬停制御手段40を空気調和機の室外マイクロコンピュータに搭載し、磁極位置センサレスベクトル制御により永久磁石同期モータ3の回転数等を制御しているが、回転子位置情報にはホール素子などの位置センサを用いても良い。また、本実施例ではモータ電流センサから電流情報を利用したが、モータ電流センサレスにおいてもモータ電流を再現した情報を用いることで同様の効果が得られる。また、本実施例では磁極位置センサレスベクトル制御にスマートベクトル制御系を用いたが、ベクトル制御によりモータを駆動するすべての装置に有効である。
本実施例では、商用の交流電源を用いたが、バッテリーなどの直流電力が接触不良等により一時的に低下した場合にも有効である。
本実施例では、補正量の算出に直流電圧平均値演算器4で算出する前記直流電圧平均値2を用いたが、特に精密な制御を必要としない場合は、前記直流電圧瞬時値をそのまま使用してもよい。また、q軸電流指令値Iq*と補正量ΔIq*の和は、0以上でも0以下でも良く、0以上の場合は永久磁石同期モータ3の消費電力を低減させ、0以下の場合は永久磁石同期モータ3の回転エネルギーを直流電圧に回生することで直流電圧の降下を抑制する。このとき、必要に応じて補正量ΔIq*の制限値を設けて、補正量ΔIq*をリミット処理してもよい。
本実施例のモータ駆動装置で補正する電流成分は、モータ出力トルクに大きく影響するq軸電流であるため、負荷トルクの大きさによっては、モータ出力トルク不足により回転数が低下する場合がある。しかし、復電後には瞬停前のq軸電流指令値に戻るため、速やかに瞬停前の回転数まで復帰する。
本発明を空気調和機に適用することにより瞬停が発生した場合でも圧縮機の運転を継続できることで室温を一定に保つことができる。
本発明を冷蔵庫に適用することにより瞬停が発生した場合でも圧縮機の運転を継続できることで庫内の温度を一定に保つことができる。
本発明を洗濯機に適用することにより瞬停が発生した場合でも洗濯槽駆動用モータの運転を継続できることで前記洗濯機の運転を維持できる。
本発明を掃除機に適用することにより瞬停が発生した場合でもバキュームモータの運転を継続できることで前記掃除機の運転を維持できる。
本発明を各種産業機器用モータに適用することにより瞬停が発生した場合でもモータの運転を継続できることで生産性を落とすことなく各種産業機器の運転を維持できる。
以上、本実施例によれば、瞬停が発生した場合にインバータ回路からの出力電力を制限することで、電力の低下を低減できるため、永久磁石同期モータの運転を継続できる。このとき、指令値を補正するため、永久磁石同期モータにショックを与えることがない。また、q軸電流指令値を補正するため、補正量を演算するためのゲイン調整が比較的容易である。
また、ベクトル制御により永久磁石同期モータを駆動するモータ駆動装置すべてに有効であり、空気調和機や冷蔵庫、洗濯機、掃除機、各種産業機器用モータに適用することで、瞬停が発生した場合でも各機器を停止することなく運転を継続することができる。
1…コンバータ回路、2…インバータ回路、3…永久磁石同期モータ、4…直流電圧平均値演算器、5…瞬停検出器、6…q軸電流補正値演算器、7…モータ電流検出器、8…電流指令演算器、9…電圧指令演算器、10…3相PWM信号生成器、11…回転子位置推定器、12…直流電圧検出器、20…電圧制御手段、30…インバータ制御手段、40…瞬停制御手段。
Claims (4)
- モータと、直流を入力しこのモータを駆動する電力を供給するインバータ回路と、前記モータに供給する電流の指令値と実電流値とに基づいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段とを備えたモータ駆動装置において、瞬停が検出されたとき、前記電流の指令値を低下させる手段を備えたモータ駆動装置。
- モータと、直流を入力しこのモータを駆動する電力を供給するインバータ回路と、前記モータに供給する電流の指令値と実電流値とに基づいて前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段とを備え、前記モータの回転数についてオープンループ制御を行うモータ駆動装置において、瞬停が検出されたとき、前記電流の指令値を低下させる手段を備えたモータ駆動装置。
- 請求項2において、前記電流の指令値の低下量は、瞬停判断前の直流電圧と瞬時直流電圧との偏差に基づいて決められるものであるモータ駆動装置。
- モータと、直流を入力しこのモータを駆動する電力を供給するインバータ回路と、前記モータに供給する電流をトルク電流指令値と励磁電流指令値とに分けて発生することで前記インバータ回路を制御するインバータ制御手段とを備え、前記モータの回転数についてオープンループ制御を行うモータ駆動装置において、瞬停が検出されたとき、前記トルク電流指令値を低下させる手段を備えたモータ駆動装置。
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