JP2005184141A - ミキサ回路、送信機、及び受信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域で、低電圧動作可能なミキサ回路を提供する。
【解決手段】一定電流に高周波信号を重畳させる複数の第1のトランジスタ(204及び207)と;3極管領域と遮断領域を行き来する複数の第2のトランジスタ(209及び210)を持ち、前記複数の第2のトランジスタが遮断領域にある時に前記複数の第1のトランジスタをそれぞれハイインピーダンスにするテイル回路と;前記複数の第1のトランジスタにつながる複数の負荷(201及び202)と;を有することを特徴とするミキサ回路。
【選択図】図5

Description

本発明は周波数変換を行うミキサ回路に関し、特にUWB(ウルトラワイドバンド)通信などの広帯域通信に適した広帯域性、低電圧動作の特徴を持ったミキサ回路とそれを用いた送受信機に関する。
近年無線通信においては広帯域通信が必要とされ、IEEE802.11a規格などでは54Mbpsの広帯域通信が実用化されている。さらに近年、IEEE802.15.TG3a規格において、1Gbpsクラスの無線通信であるウルトラワイドバンド(UWB)の規格策定が行われている。このような無線通信では、シャノンの法則から無線伝送に必要とされる占有周波数帯域は非常に広いものとなり、例えばUWBでは3.1GHzから10.6GHzにわたる広い周波数帯域を使用する(例えば、非特許文献1参照)。下限の周波数の約3倍の周波数、つまり3オクターブにわたる広帯域無線通信は、今まで存在しなかった。
例えばマルチバンド方式と呼ばれるUWB無線では、図25に示すように3.1GHzから10.6GHzまでの周波数を例えば13個のサブバンドに分割し、サブバンドのそれぞれが500MHz程度の帯域を持つ。例えばあるピコネットでは3つのサブバンドを使って、サブバンドを順次高速にホッピングさせることで広い帯域をカバーする構成を持つ。
一方UWBに望まれる機能として、低電力性がある。これはUWBがPAN(パーソナルエリアネットワーク)をターゲットにしており、家電、携帯機器など消費電力に敏感な機器に使われることを目的としているためである。消費電力は要求される無線の精度に大きく依存する。つまり要求される雑音指数や変復調の精度、周波数の精度など、無線の精度をある程度緩くできれば、無線回路に要求される雑音指数や線形性などの仕様を緩和することができ、消費電力を低減することができる。
通常のダブルバランス型ミキサ回路は、例えば、図26にその一例を示すように、電流源2007及び2008、差動で動作するトランジスタ対2003及び2006を持つ。電流源2007及び2008は、RF(Radio Frequency)信号2009と2010によって変調を受けており、その位相は180°異なっている、いわゆる差動動作を行っている。トランジスタ対2003及び2006には、ローカル信号(LO(Local Oscillation)信号)としてのLO+信号2011及びLO-信号2012を入力して差動動作を行う。中間周波数(Intermediate Frequency)出力IFout2013にはRF信号とLO信号がかけ算された信号が出力される(非特許文献2参照。)。
電流源2007と2008は、テイル回路と称して微少なRF信号を入力する。トランジスタ対2003と2006は、ミドル段と称して大振幅のローカル(LO)信号を入力する。これはミキサの変換ゲインを上げるには、ローカル信号を可能な限り大きくする必要があるからである。
一方、低消費電力に適したミキサ回路として、例えば図27に示す例がある。この例では、テイル回路としてインバータ1907及び1908、ミドル段としてトランジスタ対1903及び1906、負荷段としてトランジスタ1901及び1902を持つ(非特許文献3参照。)。
テイル回路のインバータはミドル回路を駆動しており、その電圧はグラウンド電圧からVDD電圧まで変化する大振幅をさせている。ミドル段には微少なRF信号が入力されており、ミドル段のバイアス電流をわずかに変調している。テイル回路の大振幅によってミドル回路の電流はスイッチングされ、スイッチングされた信号が負荷段に流れることになる。スイッチングされた信号は、RF信号とローカル信号を掛け合わせた信号成分を持ち、図26の例と同様にRF信号の周波数変換を行っている。
このようにテイル回路は、グラウンドからVDDまで変化するスイッチング動作を行い、グラウンド付近の時にミドル段の電流が負荷に流れる動作を行うため、電源電圧を低電圧化しやすい特徴を持ち、この例では1Vの電源電圧でのミキサ動作を確認している。
そのほかに図26の様なギルバート型ミキサのバイアス回路に改良を加えて、低電圧動作での電源電圧依存性を改善する例が特許文献1に示されている。同様にギルバート型ミキサの動作タイミングに改良を加えて復調誤差を低減する例が特許文献2に示されている。
日経エレクトロニクス 2003年03月31日号 30〜31ページ。 Thomas H. Lee, The design of CMOS Radio Frequency Integrated Circuits, CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS, 322頁。 E. A. M. Klumperink、A 1Volt Switched Transconductor Mixer in 0.18μm CMOS、 Symposium on VLSI Circuits 2003、227-230頁。 特開2002−124834号公報 特開2003−60441号公報
図27に示される従来のダブルバランス型ミキサ回路は低電圧動作の特徴を持ち、ローカル入力信号がCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)レベルで良いという特徴を持つものの、次に挙げる問題点が存在する。
第1にテイル段が大振幅動作することによる、出力やRF信号へのフィードスルー現象がある。フィードスルーとは、端子Aと端子Bの間の寄生容量等によって端子Aに入力した信号が端子Bに現れる現象である。トランジスタ対1903のソース端子にはテイル回路からの大振幅が入力されている。ゲート、ソース間の寄生容量によってゲート端子であるRF+入力1911やRF-入力1912にはテイル回路からの大振幅の影響が現れる。容量分割によって減衰するため、さらにはテイル回路も差動構成を取っていて打ち消し合うものの、通常のミキサにないこの大振幅の影響は大きくRF端子に現れる。
この現象は特に微細化が進展して端子間の寄生容量も大きくなり、さらには素子間のばらつきが大きくなるとさらに深刻な問題となる。トランジスタ対1903のドレインであるIF+出力(Vout1)1913やIF-出力(Vout2)1914にもこの影響は現れる。フィードスルー現象は、システム的に考えれば、ローカル信号のRF信号やIF信号へのリークと解釈できる。ローカルリークは、ダイレクトコンバージョン受信機などにおいてDCオフセットの原因となり、さらにはミキサの次段を飽和させたり歪みを起こさせたりする元となる。
第2にインバータ1907及び1908に貫通電流が流れ、ノイズ源になると共に消費電流が大きいものとなる。インバータ1907及び1908は例えばGHzクラスのローカル信号を入力するわけで高速動作を実現するためにトランジスタサイズを大きくしてgm(相互コンダクタンス)を上げている。しかもこのレベルの周波数では、インバータの入力に加えられる波形や出力に現れる波形は正弦波に近い波形を有している。つまり貫通電流が大きく、貫通電流が流れる時間が長いことになる。微弱な信号が存在するミキサ部に貫通電流によるノイズ源があることは好ましくない。さらには低消費電力化の限界がある。
図26に示される通常のギルバート型ミキサ回路では、テイル段が定電流動作をしており、スイッチング動作するミドル段には基板バイアス効果が働いてオン時の電圧降下を下げにくい現象があり、電源電圧を下げることが難しい。
本発明の主な目的は、ミキサ回路の低電圧化、低消費電力化にあり、しかもローカルリークや高調波歪みを抑制する高精度なミキサ回路とその周辺回路を実現することにある。
さらに本発明は、UWBなど近年の広帯域通信に合致した、広帯域ミキサを実現することにある。
さらには本発明は、ミキサ回路の周辺も含めた広帯域化を図り、広帯域で低消費電力な送信機及び受信機を実現することにある。
本発明のミキサ回路は、一定電流に高周波信号を重畳させるミドル段を持ち、ミドル段につながるテイル回路は低抵抗状態とハイインピーダンス状態を行き来する。負荷段としてインダクタと抵抗を並列接続したものを用いる。負荷段としてインダクタンスとトランジスタを並列接続したものを用いて、トランジスタのインピーダンスを変化させる。テイル回路をレプリカとして用いるバイアス回路を持ち、ミキサ回路にバイアス電圧を供給する。ミキサ出力をソースフォロワ回路に入力させ、ソースフォロワ出力をバラン回路に入力させ、バラン回路をソースフォロワ回路に入力させる送信機を構成する。アンテナからの信号をロウノイズアンプとバラン回路を介してミキサ回路に入力し、ミキサ出力をソースフォロワ回路を介してフィルタ回路に入力する受信機を構成する。
本発明により得られる効果として、以下の5つが挙げられる。
第1の効果は、テイル回路のスイッチングによって発生するフィードスルー現象を抑制してローカルリークの問題や高調波歪みの影響を軽減できることである。
第2の効果は、貫通電流を抑制することができ、それによるノイズの発生や消費電力の増大を軽減することである。
第3の効果は、負荷段を広帯域で高いインピーダンスにすることができ、広帯域で変換ゲインの高いミキシングを行うことができることである。
第4の効果は、素子ばらつきがあっても低電源電圧で安定に動作するバイアスを設定することができることである。
第5の効果は、広帯域、高精度、低消費電力の送受信機を実現できることである。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態のミキサ回路を示している。gm素子(1)103、gm素子(2)105は電圧信号を電流変化に変換する素子である。gm素子(1)103は、概ね180°位相が異なっている2つの電流を出力する差動動作(いわゆるバランス動作)を行っている。gm素子(2)105も同様である。SW(1)104はgm素子(1)103からの電流を制御するスイッチ素子であり、gm素子(1)103からの2つの差動電流を2つとも通すか、2つとも通さないかの状態を行き来する。SW(2)106も同様のスイッチ素子であるが、SW(1)104がオンしている間は、スイッチ素子(2)106はハイインピーダンスの状態になっている。つまりSW(1)104とSW(2)106は交互にオンしており、gm素子(1)103の差動電流とgm素子(2)105の差動電流は、交互にIF(Intermediate Frequency)出力電流に現れる。
アンテナなどからのRF信号は、LNA(ロウノイズアンプ)などによって増幅され、RF(Radio Frequency)入力101に入力され、gm素子(1)103、gm素子(2)105によって差動電流に変換される。シンセサイザのなどからのローカル信号(局部発振信号)は、LO(Local Oscillation)入力102に入力され、SW(1)104、SW(2)106を制御する。この動作はダウンコンバータとなる。
この動作は電流に変換されたRF信号が、ローカル信号によって変調を受ける動作であり、RF信号とローカル信号をミキシングした信号がIF出力電流として現れる。時間領域での2つの正弦波のかけ算によって、2つの周波数の足し算と引き算の周波数成分が現れる。
この動作はgm素子103及び105が差動動作しており、スイッチ素子SW104及び106も交互にオンとなる差動動作をしており、ダブルバランス型の動作をしている。
一方、図2のミキサ回路のように、gm素子123やスイッチ素子124を1個ずつ設けるシングルバランス型の構成に簡略化することは可能である。このときSW(3)124は2つの入力の一方を交互に出力するスイッチ素子とする。
図1において、RF入力101をベースバンド回路などからのIF入力に置き換えることで、図1のミキサ回路はアップコンバータとして働き、107からはRF出力電流が得られる。
図3は本発明の第2の実施の形態のミキサ回路を示している。このミキサ回路は、図1と同様の動作を行うが、gm素子やスイッチ素子の配置が異なる。gm素子(1)113、gm素子(2)115は、IF出力電流117を直接出力し、SW(1)114、SW(2)116がgm素子113、115の電流の流れを制御する。gm素子113、115は電流源であり、SW素子114,116をハイインピーダンスにすることで電流の流れを止めることができる。つまりSW素子114、116は、オン時には低抵抗でグラウンド端子又は電源端子、バイアス端子につながり、オフ時にはハイインピーダンスとなる。
図4のミキサ回路も、図3のミキサ回路と同様にシングルバランス型の構成であるが、SW素子134とgm素子133との関係は図3と同様にgm素子133がIF出力電流を直接出力する。
以下に、第2の実施の形態(図3)の具体的な実施例について説明する。
図5は、第2の実施の形態(図3)に基づく実施例によるミキサ回路である。トランジスタ対204は、図3のgm素子(1)113に相当し、トランジスタ対207は、図3のgm素子(2)115に相当する。スイッチ素子209、210はそれぞれ図3のSW(1)114、SW(2)116に相当する。
トランジスタ対204、207には、DC電流をIF入力208で変調した電流が流れている。トランジスタ対204の2つのトランジスタは差動動作するように、IF入力208を与える。トランジスタ対207も同様に差動動作している。トランジスタ対204と207との結線は、例えば0°の位相で変調のかかったトランジスタM3と180°の位相で変調のかかったトランジスタM5の出力電流をつなぐというように、反対位相のトランジスタ同士をつないでいる。
スイッチ素子209及び210にはLO入力211を入力し、スイッチ素子209がオンの時スイッチ素子210はハイインピーダンスとなり、スイッチ素子209がハイインピーダンスの時スイッチ素子210はオンとなる。負荷(負荷インピーダンス)201及び202には、トランジスタ対204及び207の出力電流を流しており、RF出力203にはIF入力208とLO入力211をミキシングした信号が現れる。
図6は上記実施例(図5)のミキサ回路を実際の素子で表した回路図である。この回路は、NMOS(N-Channel Metal Oxide Semiconductor)トランジスタで構成されるトランジスタ対304及び307と、同様にNMOSトランジスタで構成されるスイッチトランジスタ309及び310と、負荷抵抗301及び302を持つ。トランジスタ対304及び307はミドル段351を構成し、スイッチトランジスタ309及び310はテイル回路352を構成し、負荷抵抗301及び302は負荷段を構成している。
トランジスタ対304及び307は、ほぼ5極管領域で動作するようにバイアス電圧を与える。IF入力308は電圧信号であり、トランジスタ対304及び307に入力してバイアス電流を変調する。この電圧電流変換のゲインはトランジスタのgm(相互コンダクタンス)によってほぼ決まるが、電圧電流変換の線形性が必要な場合が多い。特にベースバンド信号を直接RF信号に変換するダイレクトアップコンバータでは、IF信号はDC(direct current)付近の周波数であり、高調波歪みが発生するとベースバンド帯域内で信号が干渉し合う危険が生じる。つまり高調波歪みが発生しないよう、バイアス電流に対して適度にIF入力信号を与える必要がある。
スイッチトランジスタ309及び310は、オン時には3極管領域に入ってドレイン−ソース間電圧を最小化させ、オフ時には遮断領域に入って電流を流さないハイインピーダンスになることが望ましい。オン時の電圧降下を最小化させることで、電源電圧はミドル段351(即ち、304及び307)と負荷段(301及び302)の電圧降下の和で支配されることになり、電源電圧をきわめて低くすることができる。
スイッチトランジスタ309及び310のオン時の電圧降下は、このトランジスタのオン抵抗とドレイン電流で決定される。オン抵抗は、ゲート幅を長くすることで小さくできるが、寄生容量の増大も招くためトレードオフがあるが、数百Ωレベルにすることは容易である。ミドル段351のgm素子からバイアス電流として数百μAから数mA程度の電流がドレインに流れ込むが、オン時の電圧降下を0.3V程度以下にすることは十分可能である。
スイッチトランジスタ309及び310をハイインピーダンスにするために、ハイインピーダンス時にトランジスタのゲートには0からしきい値電圧程度の電圧をかける必要がある。トランジスタを遮断領域に入れるためにはしきい値電圧程度にすればよく、振幅の最低電圧をしきい値電圧より大きく下げる必要はない。前述したフィードスルーを抑制する意味でも振幅は必要最小限にすることが好ましい。
図7(A)及び図7(B)は図6のミキサ回路の動作を説明するための回路図である。
図7(A)はスイッチトランジスタ309がほぼ3極管領域に入ってオンし、スイッチトランジスタ310が遮断領域に入ってハイインピーダンスになった状態を表す。gm素子であるトランジスタ対304で決まる電流が負荷段(301及び302)に流れ込む。トランジスタ対307で決まる電流は、スイッチトランジスタ310がハイインピーダンスになっているためほぼ流れない。
図8は図6のミキサ回路のシミュレーション結果を示している。ローカル信号として5GHz、IF信号として200MHzを入力して、RF信号として4.8GHzと5.2GHzを得ている。図7(A)の状態は、図8の時間Aの状態である。この例ではスイッチトランジスタ309のゲート電圧であるLOin+信号は、0.9Vを中心に0.5Vの振幅を持たせており、時間Aにおいて1.4Vとなり、ほぼ3極管領域に入る電圧となっている。スイッチトランジスタ310のゲート電圧であるLOin−信号は、LOin+信号と逆送の位相を持ち、時間Aにおいて0.4Vとなり、ほぼ遮断領域に入る電圧となっている。
これによって図7(A)のtail+接点421は、時間Aにおいて図8のように0.2V程度まで低下しており、スイッチトランジスタ309は3極管領域に入っている(図7(A)のVSWon電圧)。tail-接点422は時間Aにおいて0.9V程度になっているが、IFin+やIFin−信号のレベルによっては0.7から0.9V程度まで変化する(図7(A)のVSWoff電圧)。これはスイッチトランジスタ310がほぼ遮断領域に入っており、ミドル段のトランジスタ対307もほぼ遮断領域に入っており、ミドル段のトランジスタ対307のゲート電圧に追従してソース電圧であるtail-接点電圧が変化するためである。
図7(B)の状態は、図8の時間Bの状態である。スイッチトランジスタ309がほぼ遮断領域に入っており、スイッチトランジスタ310がほぼ3極管領域に入っている。
図7において、RF出力であるRFout+出力411とRFout−出力412は、図8の様な波形となり、IF信号とローカル信号がミキシングされていることがわかる。この例ではIFinからRFoutへの変換ゲインは大きくないが、負荷段を始め各パラメータを最適化することで変換ゲインを大きくすることは可能である。
図7において、ミドル段の電圧降下はトランジスタ対304及び307のドレイン−ソース電圧(VDS)418であり、5極管動作する下限まで下げることが可能である。この下限の電圧は通常ゲート実効電圧Veffに等しくなる。ゲート実効電圧は、ゲート−ソース電圧をVGS、しきい値電圧をVtとして、Veff=VGS−Vtで表される。このシミュレーションではDC的なVeffは0.8V程度あり、ミドル段の電圧降下はやや大きいが、ミドル段トランジスタの電流駆動能力を上げることでVeffを小さくすることができ、電圧降下も小さくすることができる。
Veffを0.3V程度にすることは可能であり、ミドル段の電圧降下を0.3V程度にすることは可能である。但しトランジスタの電流駆動能力を上げるにはトランジスタのゲート幅を大きくする必要があり、寄生容量が増大する問題がある。寄生容量の増大は最高動作周波数を低下させる危険があり、ミドル段の低電圧化と最高動作周波数はトレードオフの関係がある。しかし半導体製造プロセスの微細化に伴って、このトレードオフも緩和される方向であり、UWB無線の周波数においても、ミドル段の電圧降下を0.3V程度に低電圧化させることは可能である。
ちなみにシミュレーションで使用しているトランジスタモデルは0.18μmプロセスノードのモデルであり、電源電圧は1.8V、しきい値電圧は0.3から0.4V程度としている。
このシミュレーションでは負荷抵抗は500Ω程度であり、負荷抵抗に流れるDC電流は1mA程度としている。これによって負荷抵抗には0.5V程度のDC的な負荷段電圧降下(VZ)417が生じている。
この負荷段電圧降下を低減するために、図6のミキサ回路の変形例として、図9、図10、及び図11のような構成のミキサ回路が考えられる。
図9のミキサ回路は、負荷段としてインダクタ601及び602を使用した例である。インダクタとドレインにつながる容量で決まる共振周波数付近で高いインピーダンスを得ることができ、高い変換ゲインと低い電圧降下を得ることができる。電圧降下はインダクタンスに流れる電流とインダクタンスの寄生直列抵抗によって決まる。
図10のミキサ回路は、広い周波数帯域にわたって高い変換ゲインを得るために、インダクタ603と抵抗604を並列接続したもの及びインダクタ606と抵抗605を並列接続したものを負荷段として用いている。共振回路のQは低下し、比較的広い帯域で高い変換ゲインを得ることができる。抵抗値を数百Ωにすることで、変換ゲインがピークから3dB低下する周波数帯域を1.5GHz程度にすることは可能である。これによって、UWB無線におけるサブバンド3個分程度をカバーできる周波数帯域を得ることができる。
抵抗を並列に接続した場合、負荷段のインピーダンスが低下するため、帯域を広くとろうとするとある程度ゲインが低下することは避けられない。図11では、負荷段としてインダクタ607とトランジスタ608を並列接続したもの及びインダクタ610とトランジスタ609を並列接続したものを用いている。トランジスタ608及び609の抵抗値はゲート電圧を変えることで変化させることが可能であり、アダプティブに必要帯域と必要ゲインを設定することができる。
図12のミキサ回路は、負荷段の電圧降下を低減するための本発明の別の例による回路である。ミドル段351及びテイル回路352は、図3及び図4で説明している回路であり、これに電流源対(1)703、カスコード(cascode)トランジスタ対704及び電流源対(2)705を追加している。
ミドル段351から出力される電流はミキシングされたRF信号であり、この電流性のRF信号を折り返しカスコード(Folded cascode)回路に入力している。電流源対(1)703の電流が、電流源対(2)705の電流とミドル段351の出力電流とほぼ釣り合うようにDC的なバイアスを設定する。ミドル段351の出力電流にRF信号成分がないときは、RFout(1)接点706及びRFout(2)接点707における差動出力はほぼゼロとなる。ミドル段351の出力電流にRF信号電流が生じると、この平衡状態に対して変化が生じる。RFout(1)接点706を出入りする電流は、平衡状態ではほぼゼロであるが、ミドル段351でRF信号電流が生じるとRFout(1)接点706にもこの電流変化が生じ、RFout(1)接点706に存在するインピーダンスと掛け合わされて電圧変化が生じる。RFout(1)接点706と差動で変化するRFout(2)接点707についても同様である。
電流源対(1)や電流源対(2)としてトランジスタを使った電流源やインダクタとコンデンサを並列接続し、目的周波数付近に共振させたタンク回路を用いることもできる。これによって電流源における電圧降下を0.5V以下程度に抑えることができ、折り返しカスコード部の必要電源電圧を低減することができる。
図13は、上述した本発明のミキサ回路にバイアス電圧を供給するためのバイアス回路である。図13において、トランジスタ801は、図6におけるトランジスタ309と好ましくは同様の構造、サイズのトランジスタであり、トランジスタ802はトランジスタ対304(図6)の一つのトランジスタと好ましくは同様の構造、サイズのトランジスタである。電流源803は、トランジスタ対304(図6)の一つのトランジスタに流れるバイアス電流を決定する。差動アンプ804は、トランジスタ802のドレイン電圧とこのドレイン電圧の希望動作点であるVDbias807を比較して制御する。トランジスタ802のゲート電圧は、DC付近を通過させるためのインピーダンス805を介してIFin+端子810につながる。IFin+’端子809は、ミキサに供給すべきIF信号を受ける端子であり、DCをほぼ遮断するインピーダンス806を介してIFin+端子810につながる。IFin+端子810は、図6のIFin入力308の一方の端子につながる。
図13において、トランジスタ801には、トランジスタ309(図6)のオン時の電圧降下であるVSWon(図7)とほぼ同じ電圧降下VSWon812が生じるようにゲート電圧VSWbias808を与えている。差動アンプ804に入力するバイアス電圧VDbias807は以下のように決定する。要求変換ゲインと負荷段のインピーダンス等からミドル段トランジスタの要求gmとバイアス電流が見積もりできる。さらに寄生容量などを考慮してトランジスタサイズが決まると、実効ゲート電圧Veffが決まる。トランジスタ802が5極管領域で動作するには、ドレイン−ソース電圧VDS811がVeffより大きい必要がある。つまりVDbiasは、VSWonとVeffの和より大きくすればよい。
差動アンプ804の出力はトランジスタ802のゲートにつながっており、ドレイン電圧がVDbiasになるように制御が働く。差動アンプ804の出力は同時にミキサ回路本体のミドル段トランジスタのゲートにもDC的に接続され、ミドル段のバイアスを最適に設定する。通常半導体製造プロセスのしきい値電圧はチップ間で大きくばらつく。本回路はしきい値ばらつきがあってもバイアスを最適に設定することができる。
図14もミキサ回路のバイアスを設定するバイアス回路である。トランジスタ820は、図13のトランジスタ802と同様の働きをする。トランジスタ821をトランジスタ820と電流源822の間に配置している。トランジスタ821のゲートはカスコード接続したトランジスタ821のドレインに接続する。トランジスタ821のドレイン−ソース電圧VDS(2)824がしきい値電圧程度になるようにVDbias(2)823を設定する。トランジスタ820のゲート端子のDC成分をミキサ回路のミドル段のバイアス電圧として供給する。これによって図14のバイアス回路は、図13のものと同様、ミキサ回路のミドル段にとって最適なバイアスを供給することができる。
図15は、本発明のミキサ回路を送信機に利用した回路図である。本発明のミキサ回路(アップコンバータ)901の出力をソースフォロワトランジスタ902及び904に接続している。ソースフォロワの出力は、負荷903及び905とアクティブバラン906につながる。アクティブバラン906の出力は出力ドライバ907を介してRF出力908につながる。RF出力908はアンテナ(図示せず)等へつながる。
UWBのように3〜10GHzにわたる広い周波数帯域を持つとき、ミキサ回路の負荷段につながる容量は大きな影響を与える。負荷段が抵抗性のインピーダンスの場合、その抵抗値をR、負荷段につながる容量をCとすると、1/(2πCR)の遮断周波数で決まるローパスフィルタ特性を持つ。従って最高動作周波数を上げるには、CRを低減する必要がある。Rの低減はミキサ回路の変換ゲインの低下につながるため限界がある。Cを可能な限り低減する必要がある。
通常ソース(エミッタ)接地タイプのアンプでは、ドレイン(コレクタ)−ゲート(ベース)間の寄生容量が、アンプのゲイン倍される効果(ミラー効果)があり、非常に大きな容量が生じる。一方、ソースフォロワ又はエミッタフォロワは、ミラー効果が生じないため寄生容量を低減する効果がある。ソースフォロワの出力インピーダンスは、ソースフォロワトランジスタのgmに対して1/gmで表され、gmを上げることによって容易に低いインピーダンスが得られる。アクティブバラン906など次段の入力インピーダンスを駆動する上で低い出力インピーダンスが必要とされる。
ミキサ回路の負荷段がインダクタンスなど正のリアクタンス性のインピーダンスの場合も、広帯域を得る上で負荷段につながる容量は小さいことが必要とされ、ソースフォロワ又はエミッタフォロワにつながることが好ましい。例えば負荷段のインダクタンスの値をL、負荷段につながる容量をCとすると、LCの並列接続による共振周波数は1/{2π(LC)1/2}で表される。Cが大きくなってくるとLを下げて共振周波数を目的の周波数(UWBの場合3〜10GHz程度)に設定するが、Lを下げていくとLに直列に入るコンタクト抵抗などの影響が大きくなる。このLに直列に入る抵抗成分をRとすると、共振周波数におけるインピーダンスは、ほぼ2πfL/Rで表される。Lを下げていってもRが下がらない領域になってくるとインピーダンスが低下してミキサ回路の変換ゲインが低下する。
最高周波数や変換ゲイン等が厳しくない応用で、ソースフォロワを省略することは可能である。
図16は、アクティブバラン906及び出力ドライバ907の実際の回路を表す。アクティブバラン906は、定電流動作するトランジスタ1001と、差動で動作するトランジスタ1002及び1003、負荷インダクタ1006及び1007、負荷インダクタ1006及び1007に並列につながる負荷抵抗1004及び1005で構成される。
インダクタと抵抗を並列に接続して構成した負荷は、前述したように広い帯域にわたって高いゲインを得ることができる。ミキサ回路からの差動RF信号は、差動トランジスタ1002及び1003に入力され、片方の負荷(1005及び1007)からシングルエンドの信号を取り出している。反対の負荷(1004及び1006)はなくても動作するが、差動−シングル変換の位相やゲインの精度を向上させるためにあった方がよい。この例では、入力IN+1011と出力OUT+1013の位相が0°であり、入力IN−1012と出力OUT+1013の位相が180°であることが理想である。この理想からの誤差が5°以内程度、ゲイン差が1dB程度以下が好ましい。
負荷としてインダクタと抵抗を並列接続することで、出力OUT+1013の動作点は電源電圧VDD1015付近にあり、負荷による電圧降下がほとんどなく、低い電源電圧でも動作可能である。ミキサ回路のみを低電圧化しても他の回路の電源電圧を下げなければ電源の種類が増えてしまう。さらには送信機全体として消費電力を下げられない、回路間の動作点が合わないために回路間をDC的に接続できないなどの問題が発生する。送信機全体を低電圧化することでこれら問題を解消できる。
送信アンテナが差動タイプである場合、チップからは差動信号を出力すればよくアクティブバランを省略することも可能であるが、次の理由によりアクティブバラン等の差動アンプを使うことが好ましい場合が多い。ミキサ回路の出力には差動成分以外に、同相成分の信号も少なからずのっている。特に本発明では、テイル回路を3極管領域から遮断領域まで大きく変化させているため、同相成分が比較的大きくなる。また通常、バランス型のミキサを採用しても、素子間のばらつき等によって同相信号の発生が避けられないことが多い。
出力ドライバ907は、この例ではソースフォロワトランジスタ1008である。出力ドライバ907にソースフォロワトランジスタ1008を使うメリットとして、前述した入力容量が小さく広帯域化やゲインの増大に適している以外に、RF出力1014からチップ外へ信号を出力するときに、広帯域で出力整合がとりやすいメリットがある。
またUWBでは、法制度などで決定されるスペクトルマスクなどからの制限から−41.25dBm/MHz程度の電力しか送信できない。これによる平均電力は−14dBm程度であるが、OFDM(直交多重変調)などのピーク対平均電力比の大きい変調方式を使うと、アンプとして広いダイナミックレンジが必要とされる。128トーン程度のOFDMを仮定すると、ピーク対平均電力比は概算で21dB程度増大し、ピーク電力は7dBm程度となる。ソースフォロワトランジスタ1008のゲートDC電圧は、前段のアクティブバラン906のDC出力電圧がそのまま印加されVDD1015付近にあり、電源電圧が低くても7dBm程度のピーク電力を容易に出力できる。
ソースフォロワトランジスタ1008の出力インピーダンスは、出力整合のために50Ω程度であることが望ましい。ソースフォロワトランジスタ1008の出力インピーダンスは1/gmで表され、gmとして20mS(Sはジーメンス)程度のコンダクタンスが適している。このレベルのコンダクタンスを得るには、トランジスタサイズによっても変わるがドレイン電流として数mA程度を流せばよい。電源電圧によっても異なるが出力ドライバとして数mW程度の消費電力で済む。
図17は、出力ドライバの別の例を示しており、E級アンプを用いた出力ドライバ907’を示している。トランジスタ1105のドレイン端子にチョークコイル1106と整合回路がついている。整合回路は、コンデンサ1108及び1110と、インダクタ1109とで構成され、RF出力1111につながっている。
図18は、出力ドライバの更に別の例を示しており、F級アンプを用いた出力ドライバ907”を示している。トランジスタ1125のドレイン端子にチョークコイル1126と整合回路がついている。整合回路は、コンデンサ1128及び1130と、1/4波長の伝送線路1129と、インダクタ1131とで構成され、RF出力1132につながっている。図16の例とは異なり整合回路に周波数特性を持つが、帯域がそれほど広くない応用に使用可能である。
図17及び図18のいずれの出力ドライバを用いても、低い電源電圧での動作に優れ、送信機全体として低電圧化が可能となる。また、図16、図17、及び図18のいずれの出力ドライバを用いても、電力効率にも優れ、100%近い電力効率を得ることができる。
図19は、本発明のミキサ回路(図6)をダウンコンバータとして用いた場合を説明するための回路図である。図19において、テイル回路352、ミドル段351は図6のアップコンバータの例と説明は同じであるが、ミドル段351に受信されたRF信号1203が入りIF信号1201が出力される点が異なる。さらに、特にダイレクトコンバージョンでは、IF出力はDC付近の信号であり、UWBの場合はDCから250MHz程度の広い帯域の信号であり、負荷段として抵抗性の負荷を使用することが好ましい。
図20は、本発明のミキサ回路(ダウンコンバータ)を用いた受信機のミキサ回路(ダウンコンバータ)以降の回路図である。この受信機は、本発明のミキサ回路を用いたダウンコンバータ1301と、ソースフォロワトランジスタ回路1302と、ローパスフィルタ1305と、可変ゲインアンプ1306とを持つ。
ソースフォロワトランジスタ回路1302は、図15の説明と同様に、ダウンコンバータ1301を広帯域化、高ゲイン化する上で好ましい。ローパスフィルタ1305は、周波数バンド上の隣接チャネルを減衰させる以外に、ダウンコンバータ1301からのローカルリークを除去する目的がある。特に本発明のミキサ回路では、前述したように、テイル回路を3極管領域から遮断領域まで大きく変化させているため、ローカル信号が同相信号として比較的大きくなる。差動アンプで同相信号を除去することも可能である。可変ゲインアンプ1306によってA/D(Analog-to-Digital)変換に必要な適切なレベルにまで増幅され、IF出力1307に出力される。
図21は本発明のミキサ回路(ダウンコンバータ)を用いた受信機のブロック図である。アンテナ等からのRF信号は、ロウノイズアンプ1402によって増幅され、アクティブバラン1403によってシングル−差動変換される。差動信号となったRF信号は、Iパスのダウンコンバータ1301(図20)とQパスのダウンコンバータ1301(図20)に入力される。ダウンコンバータ1301以降、図20の説明と同様に、IF出力(I)1408、IF出力(Q)1413が出力される。
図21において、周波数ホッピングシンセサイザ1414は、図25に示したようなサブバンドに対応してローカル信号を生成する回路である。サブバンドに対応して複数の発振器を並べる形態も考えられるが、消費電力やチップ面積の観点で、一つ程度の発振器から複数のローカル信号を作ることが好ましい。周波数ホッピングシンセサイザ1414は、Iパス用のローカル信号と、それとは位相が90°異なるQパス用ローカル信号を生成する。
周波数ホッピングシンセサイザ1414は、位相補間器等を用いることで低電圧化することは可能であり、送信機の低電圧化と同様に、受信機全体として低電圧化するメリットは大きい。
図22は、本発明のミキサ回路(図5)を直交変調器に応用した例である。本発明の2つのダブルバランス型ミキサ回路を1つの負荷段1510に接続した構成となっている。I及びQ2つのIF入力1501及び1502と、I及びQ2つのローカル入力1503及び1504を持ち、I及びQのRF信号を加算出力するRF出力1505を持つ。2つのテイル回路1506及び1507と、2つのミドル段1508及び1509を持ち、2つのミドル段1508及び1509の出力電流を結合して、負荷段1510に入力している。
Iパス及びQパスのRF信号は加算してチップから出力する必要があるが、信号の加算は電流の結合により容易に行われる。低電圧化が可能なミキサ回路としてパッシブ型ミキサ回路がある。いくつかの構成があるが、能動素子を持たないため基本的には電圧出力であり、電流の合成による加算が基本的には行えない。本発明のミキサ回路は、直交変調を行う通信において回路の低電圧化を行うのに最適な構成であるといえる。
図23は、本発明のミキサ回路を直交変調送信機に用いた例である。図23において、ミキサ主要部1604としては図22のテイル回路(1)1506及びミドル段(1)1508が好ましく、ミキサ主要部1605としては図22のテイル回路(2)1507及びミドル段(2)1509が好ましく、負荷段1606としては図22の負荷段1510が好ましい。周波数ホッピングシンセサイザ1603は、図21で説明した周波数ホッピングシンセサイザ1414と同じ機能を持つ。送受信を一体化したトランシーバでは、送受信で一つの周波数ホッピングシンセサイザを共用しても良い。ミキサ回路以降のソースフォロワトランジスタ回路1607、アクティブバラン1608、出力ドライバ1609は、図15で説明したソースフォロワトランジスタ回路902〜905、アクティブバラン906、出力ドライバ907の構成を取ることが好ましい。
本発明のミキサ回路のテイル回路には、テイル回路が遮断領域から3極管領域まで変化するための大振幅のローカル信号を入力するが、シンセサイザ等で発生するローカル信号はCML(カレントモードロジック)レベルの信号である場合がある。これは、例えば1.8V電源の場合、1.3V程度を中心に、0.8Vから1.8V程度まで変化する信号である。このようなシンセサイザ出力信号を、本発明のミキサ回路に適したローカル信号に変換するために、図24に挙げるようなレベル変換回路を用いることが好ましい。
図24において、レベル変換回路は、CMLレベル等の信号のDCレベルを遮断するコンデンサ1701及び1702と、交流信号が通過するのを防ぐインピーダンス1703及び1704と、電源電圧の中間電位を与えるトランジスタ1705及び1706を持つ。これによって例えば0.8Vから1.8V程度まで変化するCML信号を、ほぼ接地電位から電源電位まで変化するCMOSレベルの信号に変換することができる。
本明細書におけるトランジスタのほとんどは、MOSトランジスタを例として挙げているが、MOSトランジスタをバイポーラトランジスタに置き換えても本発明は同様に成り立つ。
本発明の第1の実施の形態のミキサ回路のブロック図である。 本発明のミキサ回路(図1のミキサ回路の変形例)のブロック図である。 本発明の第2の実施の形態のミキサ回路のブロック図である。 本発明のミキサ回路(図3のミキサ回路の変形例)のブロック図である。 前記第2の実施の形態(図3)に基づく実施例によるミキサ回路の回路図である。 前記実施例(図5)のミキサ回路を実際の素子で表した回路図である。 (A)及び(B)は図6のミキサ回路の動作を説明するための回路図である。 図6のミキサ回路のシミュレーション結果を示す図である。 本発明のミキサ回路(図6のミキサ回路の変形例)の回路図である。 本発明のミキサ回路(図6のミキサ回路の変形例)の回路図である。 本発明のミキサ回路(図6のミキサ回路の変形例)の回路図である。 本発明のミキサ回路の回路図である。 本発明で使用するバイアス回路の回路図である。 本発明で使用する別のバイアス回路の回路図である。 本発明のミキサ回路を用いた送信機の回路図である。 図15のアクティブバラン及び出力ドライバの回路図である。 図16の出力ドライバの代りに用い得る別の出力ドライバを示す回路図である。 図16の出力ドライバの代りに用い得る更に別の出力ドライバを示す回路図である。 本発明のミキサ回路(図6)をダウンコンバータとして用いた場合を説明するための回路図である。 本発明のミキサ回路(ダウンコンバータ)を用いた受信機の要部の回路図である。 本発明のミキサ回路(ダウンコンバータ)を用いた受信機のブロック図である。 本発明のミキサ回路(図5)を用いた直交変調器のブロック図である。 本発明のミキサ回路を用いた直交変調送信機のブロック図である。 本発明で使用するレベル変換回路の回路図である。 UWB無線方式の周波数の説明に使用する図である。 従来のミキサ回路の回路図である。 従来のミキサ回路の回路図である。
符号の説明
201 負荷
202 負荷
204 トランジスタ対
207 トランジスタ対
209 スイッチ素子
210 スイッチ素子

Claims (9)

  1. 一定電流に高周波信号を重畳させる複数の第1のトランジスタと;3極管領域と遮断領域を行き来する複数の第2のトランジスタを持ち、前記複数の第2のトランジスタが遮断領域にある時に前記複数の第1のトランジスタをそれぞれハイインピーダンスにするテイル回路と;前記複数の第1のトランジスタにつながる複数の負荷と;を有することを特徴とするミキサ回路。
  2. 請求項1記載のミキサ回路において、前記複数の負荷の各々としてインダクタンスと抵抗とを並列接続したものを用いることを特徴とするミキサ回路。
  3. 請求項1記載のミキサ回路において、前記複数の負荷の各々としてインダクタンスと第3のトランジスタとを並列接続したものを用い、前記第3のトランジスタのインピーダンスを変化させることを特徴とするミキサ回路。
  4. 請求項1記載のミキサ回路において、前記複数の第2のトランジスタの各々と同様の構造を持つ別のトランジスタ(801)と;前記別のトランジスタにつながり前記複数の第1のトランジスタの各々と同様の構造を持つ更に別のトランジスタ(802)と;前記更に別のトランジスタにつながる電流源(803)と;を更に有し、前記更に別のトランジスタは、前記複数の第2のトランジスタにバイアス電圧を供給することを特徴とするミキサ回路。
  5. 請求項1記載のミキサ回路において、前記複数の負荷に発生する信号電圧を入力とするソースフォロワトランジスタ回路を更に有することを特徴とするミキサ回路。
  6. 請求項1記載のミキサ回路と、前記ソースフォロワトランジスタ回路につながるバラン回路と、該バラン回路につながる出力ドライバとを有することを特徴とする送信機。
  7. 請求項1記載のミキサ回路と、前記ソースフォロワトランジスタ回路につながるフィルタ回路とを有することを特徴とする受信機。
  8. 請求項1記載のミキサ回路において、別の高周波信号を発生するシンセサイザと;前記別の高周波信号のレベルを変換し、変換された高周波信号を前記複数の第2のトランジスタに入力するレベル変換回路と;を更に有することを特徴とするミキサ回路。
  9. 一定電流に高周波信号を重畳させる複数の第1のトランジスタ(351)と;3極管領域と遮断領域を行き来する複数の第2のトランジスタを持ち、前記複数の第2のトランジスタが遮断領域にある時に前記複数の第1のトランジスタをそれぞれハイインピーダンスにするテイル回路(352)と;前記複数の第1のトランジスタにつながる複数の第1の電流源(703)と;前記複数の第1のトランジスタにつながる複数の別のトランジスタ(704)と;前記複数の別のトランジスタにつながる複数の第2の電流源(705)と;を有することを特徴とするミキサ回路。

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