JP2005183328A - イオントラップ/飛行時間型質量分析計 - Google Patents

イオントラップ/飛行時間型質量分析計 Download PDF

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Abstract

【課題】
イオントラップから排出される不要イオンの影響を除去することのできるイオントラップ/飛行時間型質量分析計を提供する。
【解決手段】
イオン源と、イオントラップと、多重極イオンガイドと、飛行時間型質量分析計とで構成され、前記イオントラップと前記多重極イオンガイド間に、イオンが通過する細孔を備え、且つ電圧の印加によってイオンの通過を制御する第1のゲート電極を備え、前記多重極イオンガイドと前記飛行時間型質量分析計の間に、イオンが通過する細孔を備え、且つ電圧の印加によってイオンの通過を制御する第2のゲート電極を備え、前記多重極イオンガイド、及び前記第1及び第2のゲート電極に印加される電圧を制御して、イオンが前記多重極イオンガイドを通過できなくなる期間と前記多重極イオンガイドをイオンが通過可能な期間を選択的に設けるようにした。
【効果】
化学ノイズのない質量スペクトルを得ることができる。
【選択図】図1



Description

本発明は、イオントラップ型と飛行時間型の二つの機能を備えた質量分析計に関する。
最近、質量分析法は、バイオ工学やバイオ化学分野において主要な分析手法として認知されるようになった。これは主として、バイオ分野向けのイオン化技術や質量分析計の開発,改良が相次いでなされたことによる。バイオ分野向けのイオン化技術としては、熱的に不安定で、高分子量のバイオ分子を直接、安定にイオン化できる2つのイオン化手法がある。一つのイオン化手法は、溶液中に溶け込んだバイオ分子を大気中に直接イオンとして取り出せるエレクトロスプレイイオン化(Electro spray ionization, ESI)である。もう一つのイオン化手法は、試料分子にレーザー光を照射することにより試料分子をイオン化するマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(Matrix-assisted laser
desorption ionization, MALDI)である。
これら2つのイオン化手法は、共にソフトなイオン化手法であるが、それぞれの手法で生成されるイオンビームの形態は全く異なっている。ESIでは連続したイオンビームが生成されるのに対して、MALDIではパルス的にイオンが生成される。そのため、各々のイオン化手法に最適な質量分析計が用意されている。具体的には、ESIは四重極質量分析計(QMS)やイオントラップ質量分析計に結合して使用されることが多く、MALDIは飛行時間質量分析計(Time-of-flight, TOF)と結合して用いられることが多い。
また最近は、ESI及びMALDI共に結合できるタイプの質量分析計も検討されている。
上記のようなESIやMALDIなどのソフトなイオン化手法とTOFの結合した質量分析計が、バイオ分野で急速に普及し始めた。その過程で種々の装置が提案されている。
例えば、特開平11−154486号公報(特許文献1)やUSP6,331,702(特許文献2) に示されるようなESIイオン源或いはMALDIイオン源とTOFの間に、2つの四重極MS(Quadrupole Mass Spectrometer, QMS)を配置したQ−TOFである。しかし、このQ−TOFではMS/MSまで可能であるが、更なる構造情報を得るための
MS/MSを繰り返すMS3やMS4は達成できない。
MS3やMS4が可能な装置としては、リング電極と一対のエンドキャップ電極から構成されるイオントラップとTOFが結合したイオントラップ/TOFであり、Journal of
Mass Spectrometry, 213(2002), 45-62(非特許文献1)や特開2003−123685号公報(特許文献3)に開示されている。イオントラップ/TOFは、イオン源で生成したイオンを一旦イオントラップにトラップして、MS/MS等の工程を経て、生成されたイオンをTOFに送り込み質量分析する。
特開平11−154486号公報 USP6,331,702 特開2003−123685号公報 Journal of Mass Spectrometry, 213(2002), 45-62
外部イオン源からイオントラップにイオンを導入する場合は、一つのエンドキャップ電極の中心に開けられた細孔からイオンを導入する。その間、リング電極とエンドキャップ電極間には1MHz,1kV程度の高周波電圧が印加される。イオントラップ電極内に形成された四重極電界により導入されたイオンの多くはイオントラップ内にトラップされる。しかし、イオントラップ空間に捕捉されない低質量のイオンや、導入された時の高周波の位相や電位により安定にトラップされなかった高質量のイオンの一部は、エンドキャップ電極の細孔からイオントラップの外に放出される。放出されたイオンは、暫時、次段のTOFに送り込まれ、TOFにより質量スペクトルを与えることになる。即ち、イオントラップで不要イオンとして排出されたはずのイオンが、質量スペクトル上に化学ノイズとして再び生き返ることになる。
また、イオントラップでMS/MS又はMSn を行う場合、トラップされた種々のイオンの中から先ず分析対象となる前駆イオンを単離する工程が行われる。この前駆イオンの単離方法は種々あるが、イオンの固有振動数(secular motion)との共鳴により排出する方法が広く用いられている。これは、ある周波数が欠如した(ノッチ)ホワイトノイズをエンドキャップに印加するものであり、これにより、ノッチの周波数に相当するイオンのみがイオントラップ内に残り、他のイオンはホワイトノイズとの共鳴によりイオントラップ外に排出される。この共鳴による排出のエネルギーは大きく、リング電極への最大印加電圧に相当するエネルギーのイオンがエンドキャップ電極の細孔から排出される。
このように、イオントラップへのイオントラップ導入,イオンの蓄積,MS/MSの際に、エネルギー幅の広いイオンがランダムに放出される。放出されたイオンは、0〜1
kV程度まで広範なエネルギーの広がりを持っている。そのため、エンドキャップ電極に隣接した電極に数100V程度印加しても、イオンを阻止することは出来ない。そのため、イオントラップの処理工程での不要イオンの放出は、TOFマススペクトルに化学ノイズを与え、TOFの高感度,高分解能などの特徴を損なうようになる。また、この化学ノイズは正常のイオンと区別がつかないために、誤った情報をユーザに与えるという問題が生じた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、イオントラップ/TOFの持つ高い分解能と高感度の特性を維持しつつ、イオントラップから排出される不要イオンの影響を除去することのできるイオントラップ/飛行時間型質量分析計を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の特徴は、試料をイオン化するイオン源と、リング電極と一対のエンドキャップ電極を備え、前記イオン源から排出されたイオンを蓄積するイオントラップと、複数の円柱状電極から成り、前記イオントラップから排出されたイオンが導入される多重極イオンガイドと、前記多重極イオンガイドから排出されたイオンが導入される飛行時間型質量分析計とで構成され、前記イオントラップと前記多重極イオンガイド間に、イオンが通過する細孔を備え、且つ電圧の印加によってイオンの通過を制御する第1のゲート電極を備え、前記多重極イオンガイドと前記飛行時間型質量分析計の間に、イオンが通過する細孔を備え、且つ電圧の印加によってイオンの通過を制御する第2のゲート電極を備え、前記多重極イオンガイド、及び前記第1及び第2のゲート電極に印加される電圧を制御して、イオンが前記多重極イオンガイドを通過できなくなる期間と前記多重極イオンガイドをイオンが通過可能な期間を選択的に設定することである。
また更には、上記イオントラップと飛行時間型質量分析計間に更にもう1つ多重極イオンガイドを追加して設置することである。
上記構成によれば、イオントラップから化学ノイズイオンが排出される期間において、化学ノイズイオンを多重極イオンガイド中で拡散排出させるようにし、質量分析測定の期間には、多重極イオンガイドを介してイオントラップから飛行時間型質量分析計へイオンを送り出すようにすることができる。これにより、イオントラップから排出される不所望なイオンが飛行時間型質量分析計に対して進入することを防ぐことが可能となり、取得される質量スペクトル中に化学ノイズイオンが混入することを防ぐことができる。
本発明によれば、イオントラップから排出される不要イオンの影響を除去することができ、これにより化学ノイズのない質量スペクトルを得ることができるため、精度が高く且つ容易な解析が可能になる。
以下に、本発明の実施例を示す。説明の簡素化のため、試料のイオンの極性は正として説明する。
本発明に関する装置は、ESI等のソフトイオン化手段とそのイオン化手段で生成したイオンを大気圧から真空下のイオントラップにイオンを導く系,イオントラップ,イオントラップから分析のため排出されたイオンをTOFのパルサー部に導く系、及びTOFなどで構成される。
イオンをイオン源からイオントラップに、イオントラップからTOFのパルサー部にイオンを移送する部分は多重極イオンガイドを用いる。多重極イオンガイドは、図14の上段のように複数(4,6,8,…本の)の円柱を中心軸から等距離に平行に配置する。四重極イオンガイドの断面を図14の下段に示す。4本の円柱が中心軸を中心とした内接円の上に等間隔に配置されている。この偶数の円柱(電極)を一つ置きに結線し、2組の間に高周波電圧を印加する。高周波電源46からトランス47を経て高周波電圧が電極に印加される。直流オフセット電圧48がトランス47の中点に供給される。これにより高周波電圧は高周波電源46から、また直流オフセット電圧は直流電源48から独立に制御可能になる。
図15に、この多重極イオンガイドの前後に細孔付の平板電極64,66を各々配置した構成を示す。金属性のシールド筒26で、電極64,多重極イオンガイド65,電極
66を覆う。金属製のシールド筒26内には、不活性ガスをガス導入系31から導入する。電極64,多重極イオンガイド65,電極66は直列に配置され、電極64に直流電圧V1、多重極イオンガイド65には高周波電圧Rfと直流オフセット電圧V2、電極66には直流電圧V3が印加される。各電極に電位を種々与えることにより、多重極イオンガイド65は異なった種々の働きを果たせるようになる。
図15下段に、各電極への電圧の印加方法と種々のイオンガイドの働きを示す。
(1)イオンガイド; イオンの移送
多重極イオンガイド65の電極に高周波電圧Rfを印加する。印加される直流電 圧がV1>V2>V3となるように設定する。このイオンガイドは左方向から入射 したイオンをイオンガイドの中心軸上に収束させながら、高い効率でイオンを右方 向に移送する事が出来る。V1より高い電圧で加速されたイオンは、電極64の中 心に開けられた細孔を通り、多重極イオンガイド65内に導入される。ここでイオ ンは高周波電界により加速減速され、多重極イオンガイド65中の不活性ガスと衝 突を繰り返す。この衝突によりイオンは次第に運動エネルギーを失う(サーマライ ズ)。その結果、イオンガイドによりイオンは高い効率で移送され電極66から外 部に放出される。
(2)リニアトラップ
多重極イオンガイド65に高周波電圧Rfが印加され、V1=V3>V2となる
ように直流電圧が印加されると多重極イオンガイド65は、その中にイオンを一定
時間蓄える事の出来るリニアトラップとなる。電圧V1以上で加速されたイオンは
、電極64を通過して多重極イオンガイド65中に進入する。ここでイオンはサー
マライズされ、イオンの電位はV2となる。イオンは高周波電界により中心軸上に
収束され、軸上を進行方向に対して前後に拡散する。電極66に到達したイオンは
V3>V2の電位差により、多重極イオンガイド65の中心方向に押し戻される。
一方、電極64方向に拡散したイオンも同様にV1>V2の電位差により多重極イ
オンガイド65の中心方向に押し戻される。この結果、イオンは多重極イオンガイ
ド65内に安定にトラップされるようになる。
(3)イオンシャッタ
多重極イオンガイド65への高周波電圧Rfを遮断するか、または遮断せずにそ
の高周波電圧Rfを低く設定する。直流電圧はV1>V2<V3となるように印加
する。V1とV3の電圧は揃える必要はない。
電極64を通過したイオンは、多重極イオンガイド65中に進入する。しかし、
高周波電界が存在しないか、または存在しても非常に弱いため、イオンは収束され
ることはなく、逆に不活性ガスの中性ガス分子と衝突して急速に拡散する。イオン
は電極に衝突したり、電極の間から外部に拡散し、イオンの大半は失われる。また
、電極66付近に到達したイオンも広く拡散しているため、電極66の中心に開け
られた細孔を通り抜けることは出来ない。また、V3>V2の電圧印加により、イ
オンは押し戻され、最終的に多重極イオンガイド65内からイオンは消去される。
イオンを通過させない、即ち遮断の機能により、多重極イオンガイド65は、イオ
ン通過のON/OFF制御を行うイオンシャッタとして機能することが出来る。
本発明は、多重極イオンガイド65とそれに付随する電極を用いて、それらに印加される高周波電圧,直流電圧を制御して、ある期間毎に各イオンガイドの動作モードを切り替えて、全体として質量分析を達成している。
(実施例1)
本発明の第1の実施例を図1に示す。
液体クロマトグラフ(LC)1から送り出された試料溶液は、ESIイオン源の噴霧プローブ2に送り込まれ、正に帯電した微細な液滴として大気圧イオン化室4に噴霧され、イオン化される。
生成したイオンは、油回転ポンプ(RP)7で排気された中間圧力室6を経て、ターボ分子ポンプ(TMP)30によって真空排気された真空室9に導入される。イオン加速電極10に印加された直流電圧により、イオンは加速され、真空室9内に配置された金属性のシールド筒26の細孔からイオン移送空間29内に導入される。金属製のシールド筒
26内には第1の多重極イオンガイド12,イオントラップ20,第2の多重極イオンガイド22が直列に配置されている。
ここで、第1の多重極イオンガイド12は、図15に示した(1)のイオンガイドの役割を果たすものである。即ち、それは大気圧イオン源で生成したイオンを高効率にイオントラップ20に移送する。一方、第2のイオンガイド22は、(3)のイオンシャッタと(1)のイオンガイドの役割を果たすものであり、イオントラップ20の動作に同期して切り替えて動作している。
金属製のシールド筒26内には、ガス導入系31から、He,Ne,Ar,Xeや窒素ガスなどの不活性ガスが、単独またはそれらの混合ガスとして配管32を経て導入されている。イオン移送空間29内の圧力は10-1〜10-3Torr(100mTorr〜1mTorr)となるようにガス導入系31からガスが供給される。イオン移送空間29に導入されたイオンは、第1の多重極イオンガイド12を経て、イオントラップ20のエンドキャップ電極14の中心に開けられた細孔15からイオントラップ空間17に高効率に導入される。
イオントラップ20はドーナツ状のリング電極16と2つのエンドキャップ電極14,19で構成される。リング電極16と両エンドキャップ電極14,19間には主高周波電源44から供給される主高周波電圧(〜1MHz,数kV程度)が印加される。その結果、イオントラップ空間17には四重極高周波電界が発生し、この電界によりイオントラップ空間17に導入されたイオンは安定にトラップされる。
トラップされたイオンは、不要イオンの除去や、MS/MSの処理の後、イオントラップ空間17から細孔18を経由して排出され、第2の多重極イオンガイド22に入る。イオンはここで、導入された不活性ガスの分子と繰り返し衝突してその運動エネルギーを失い、熱運動エネルギーレベルまでその運動エネルギーが低下する。運動エネルギーを失ったイオンは、多重極イオンガイド22に印加された高周波電圧の印加によって生成される高周波電界によりイオンガイドの中心軸上に収束される。サーマライズされたイオンは、イオンガイドの軸に沿って少しずつ拡散して金属製のシールド筒26から外に放出される。
イオンは、次に、ターボ分子ポンプ(TMP)33により高真空排気されたTOF空間53内に導入される。TOF空間53には、イオンパケット生成やイオンの加速を行うイオンパルサー部59,リフレクタ54,検出器55が配置されている。イオンはパルサー部59のイオン押し出し電極50とイオン引き出し電極51の間を進む。イオンはイオン押し出し電極50とイオン引き出し電極51に印加された正と負のパルス電圧により、イオンの進入方向に対して直角方向、即ちTOF飛行軸方向に偏向され、イオン加速電極
52に入射、最終的にイオンは加速され、TOF空間53に放出される。イオンはTOF空間53を飛行し、イオンリフレクタ54を経て、検出器55に到達し、イオンの到達時間に対応したイオン電流値が計測され、データ処理装置40によりマススペクトルを与える。
図16に、イオントラップから放出され、第2の多重極イオンガイド22に導入された後、TOFで繰り返し質量スペクトルを取得したイオン計数値と時間経過のグラフを示す。図16の例では、第2の多重極イオンガイド22に導入する不活性ガスの量を調整して、ガス圧に対して、イオンがどのようにTOFに供給されるかを調べた。ガス圧が5,
40,100mTorrに対し、イオンの継続時間(80%以上のイオンが放出される時間)は7,15,40msecであった。パルス的(〜μsec )にイオントラップから一時に放出されたイオンが、第2の多重極イオンガイド22を経由することにより擬似的な連続流になっている。ガス圧を100mTorr以上に高めるとTOFの真空が悪化し、全体でのイオンの透過効率が急速に低下する。また、イオン移送空間29内でのグロー放電の危険も増加する。そのため、ガス圧は100mTorr〜1mTorrまでの領域、好ましくは70mTorr〜10mTorr内に調整導入するのが良い。
本実施例の装置は、イオンを時間経過と共に以下の(1)から(5)のステップに従い処理を進めていく。
(1)イオントラップ20へのイオンの導入と、イオントラップ空間17におけるイオン
の蓄積
(2)MS/MS; 前駆イオンの単離(Isolation of Precursor Ion),前駆イオンの
励起,生成物イオン(Product Ion)の生成,蓄積
(3)イオントラップ20内のイオンの排出、第2の多重極イオンガイド22で排出され
たイオンのサーマライズ
(4)第2の多重極イオンガイド22からイオンをTOFに送り出し、イオンをイオン束
(パケット)化,マススペクトルの取得
(5)イオントラップ20や第2の多重極イオンガイド22内のイオンの消去
以下に、このステップを図2から図5の構成図と、イオントラップ20とTOFのパルサー部59の動作シーケンスを示した図11に従い、各部の動作状況を記述する。
(1) イオントラップ20へのイオンの導入,蓄積
イオンの導入,蓄積の期間(図11のt0〜t1)における、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加の様子を図2に示す。
イオン源で生成したイオン100は、中間圧力室6を経て真空室9に導入される。イオン加速電極10には、イオン加速電源60から−100V程度の加速電圧が印加される。導入されたイオン100は、加速され、イオン加速電極10の中心に開けられた細孔を通過してイオン移送空間29に導入される。イオンは第1の多重極イオンガイド12に導入される。第1の多重極イオンガイド12を構成する電極には、高周波電源43から高周波電圧(1〜2MHz,1〜2kV)が印加されている。イオン移送空間29には、ガス導入系31(図示せず)から不活性ガスが導入され、圧力は10-1から10-3Torr程度に保たれている。第1の多重極イオンガイド12に導入されたイオン100は、第1の多重極イオンガイド12内でサーマライズされ、第1の多重極イオンガイド12の中心軸に次第に収束する。運動エネルギーの大部分を失ったイオンは、イオンゲート電極13に印加された−100V程度のイオンゲート電圧により加速されてイオントラップ20のエンドキャップ電極14の中心部に開けられた細孔15からイオントラップ空間17に導入される。即ち、イオンゲートはOpen状態である。リング電極16とエンドキャップ電極14,19間には主高周波電源44から主高周波電圧が印加されている。この主高周波電圧によってイオントラップ空間17に生成した四重極高周波電界により、イオンはイオントラップ空間17にトラップされる。このような動作により、連続的に(t0−t1)期間に導入されたイオンは、イオントラップ空間17内に蓄積される。
安定にトラップされたイオンの中に存在するバックグラウンドイオンやマトリックスイオンなどは、試料由来のイオンを抑制し、誤った情報をユーザに与える可能性があるため、事前にイオントラップ20から排除することが好ましい。不要イオンの排除のために、不要イオンの固有振動数(secular motion)と同じ振動数の補助交流をエンドキャップ電極14,19間に印加する。不要イオンは補助交流電圧と共鳴しイオントラップ外に排除される。そのため、イオントラップ20へのイオンの導入,蓄積の期間であっても、多くのイオン103がイオントラップの細孔18から外部に絶えず排出されている。排出されたイオン103のエネルギー幅は0から数kV近くまで分布する。そのためイオンは
+100V程度の押し返し電圧が印加された電極21を簡単に通過して、第2の多重極イオンガイド22に進入してしまう。この期間中は、第2の多重極イオンガイド22の電極に印加される高周波電圧は切断され、電極は接地電位になっている。そのため、第2の多重極イオンガイド22に進入したイオン103は、高周波電圧による収束作用を受けずに第2の多重極イオンガイド22中を急速に拡散して、多重極の電極の間から外部に排出されるか、多重極の電極に衝突し電荷を失うことになる。拡散しながら電極23に達した一部のイオンは、その分布が電極23の細孔より広いために大半のイオンは細孔を通過できない。第2の多重極イオンガイド22の中心付近にわずかに存在するイオンも、電極23に印加された押し戻し電圧(+20V)によりイオンガイド22内に押し戻されて最終的に拡散して消滅する。
このように、イオン導入,蓄積期間の間に、イオントラップ20から放出される不要イオンは、拡散,消滅し、第2の多重極イオンガイド22中に残存することはない。この期間、第1の多重極イオンガイド12は、イオンをイオン源からイオントラップに移送するイオンガイドの役割を果たしている。第2の多重極イオンガイド22は、イオントラップからランダムに排出されるイオンをTOFに移送されることのないように、またイオンが第2の多重極イオンガイド22中に蓄積,残存しないようにするイオンシャッタの役割を果たしている。
(2) MS/MS
MS/MS工程(図11のt1〜t2,t2〜t3)における、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加の様子を図3に示す。
このMS/MS工程は、イオントラップ20内にトラップされたイオンのうち特定の質量を持つイオン(前駆イオン)を、既知の方法によりイオントラップ内で単離した後、前駆イオンを共鳴励起して前駆イオンを解離させるものである。このMS/MS工程は、分析上必要ない場合は省略することもできる。その場合ステップ(1)からステップ(3)へ直接処理が進むことになる。
MS/MSは、以下に示す(a)から(b)の2つの工程に従い実行される。
(a)前駆イオンの単離
MS/MSの期間,イオン加速電極10やイオンゲート電極13にイオンと同極性の電圧(+100V)を印加してイオンがイオン移送空間29内に進入することを阻止する
(Close 状態)。前の工程でイオントラップ内にトラップされたイオンは、既知のFNF(Filtered Noise field)やSWIFT(Stored Waveform Inverse Fourier Transform)によるノッチ付の補助交流電圧をエンドキャップ電極14,19へ印加してイオンの励起する。ノッチに相当する特定の質量を有するイオン(前駆イオン)のみがイオントラップ空間17内に残される。一方、他のイオンはイオントラップの細孔18から外部に排出される。イオンの単離には、他に主高周波電圧を掃引する方式も知られている。この場合も、不要イオンの多くはエンドキャップ電極19の細孔18から外部に排出される。
(b)前駆イオンの励起,CID
イオントラップ20内に前駆イオンのみが残された後、前駆イオンの固有振動数と同じか、近傍の周波数の補助交流電圧を、補助交流電源42からエンドキャップ電極14,
19に印加する。前駆イオンは、印加された補助交流電圧と共鳴して、振幅が大きくなる。イオンはイオントラップ空間17内で、不活性ガスの分子と繰り返し衝突し、運動エネルギーの一部を内部エネルギーとして取り込むようになる。励起による内部エネルギーが分子の化学結合エネルギーを超えると、前駆イオンは解離する。これが衝突誘起解離
(Collision Induced Dissociation, CID)である。CIDで生成した生成物イオンが新たにイオントラップ空間内にトラップされる。このCIDの際に、励起された前駆イオンの一部や質量の小さな生成物イオンなどが、細孔18から外部に放出される。
このように、MS/MSの際には、常にイオンが細孔18から外部に放出される可能性がある。これらイオンはステップ(1)と同様に、第2の多重極イオンガイド22に印加する高周波電圧を接地電位にすることと、電極23にイオン押し戻し電圧を印加することにより、第2の多重極イオンガイド22内から不要イオンの排除とTOFへの導入を阻止できる。即ち、このMS/MS期間において、第2の多重極イオンガイド22はイオンの遮断,排除を行うイオンシャッタの役割を果たしている。
なお、MS/MS工程はMS3,MS4,…へと繰り返し処理を進めることができる。その間、第2の多重極イオンガイド22はイオンシャッタの役割を持続する。
(3) イオントラップからのイオンの放出とTOF測定
図11のt3〜t4の期間における、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加の様子を図4に示す。
このステップでは、まずイオントラップ20内にトラップされているイオンをイオントラップ20から放出する。
イオントラップからイオンを一挙に放出するために、まず、主高周波電源44から供給される主高周波電圧は切断され、直流電圧+10Vに切り替わる。同時に第1のエンドキャップ電極14には+100V、第2のエンドキャップ電極には−100Vの直流電圧が印加される。これら電圧の印加は1msec 程度のパルス的に印加しても、t3からt4まで連続的に印加しても良い。これにより、イオントラップ空間17内の電界は四重極高周波電界から直流電界に切り変わる。これによりイオントラップ空間17の中心付近にあったイオン102は第2のエンドキャップ電極19方向に加速され、細孔18からイオントラップの外に放出される。放出されたイオンは電極21で減速された後、第2の多重極イオンガイド22に導入される。
多重極イオンガイド22には高周波電源45から供給される高周波電圧が印加されている。イオンは、多重極イオンガイド22内でサーマライズされて、その結果多重極イオンガイド22の中心軸付近に収束される。イオンはイオントラップ20からパルス的に排出されるが、多重極イオンガイド22により、イオンガイドの中心軸付近に広く分布滞在し、電極21,23の電位差により、次第にTOF方向に排出される。その結果、イオンは擬似的な連続流となりTOFへ送り込まれる。
高真空排気されたTOF空間に導入されたイオンは、イオン押し出し電極50とイオン引き出し電極51間を直進する。TOFのイオン押し出し電極50とイオン引き出し電極51には、正と負の直流電圧がパルス的(〜nsec )に電圧が印加され、イオンをイオンの侵入方向に対して直角方向に偏向する。これにより、イオンは擬似連続流からパルス的にサンプリングされ、即ち、イオンパケットとなりTOF測定がおこなわれる。直角方向に偏向されたイオンパケットはイオン加速電極52に印加された加速電圧(〜4kV)により加速されTOF空間53に放出される。イオンはリフレクタ54で折り返し検出器
55に到達して、イオン到達時間に相当するイオン電流値が検出される。TOF測定はステップ(3)の期間内において繰り返し行われ、取得したデータは積算されマススペクトルを与える。
この期間、第2の多重極イオンガイド22は、イオンをサーマライズして移送するイオンガイドの役割を果たしている。
(4) イオン消去期間(Quench)
図11のt4〜t5の期間における、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加の様子を図5に示す。
ステップ(2)のイオン排出TOF測定の期間の後、第2の多重極イオンガイド22やイオントラップ20内にイオンが残存していると、次の周期においてこれら残存イオンがマススペクトル上に化学ノイズとして出現する可能性がある。この化学ノイズを無くすには、一度イオントラップやイオンガイドに残留するイオンを排除する過程が必要である。これには2つの多重極イオンガイドの電極やイオントラップ電極に印加される高周波電圧を一度接地電圧にして、短時間(1msec程度)待てばよい。これにより、残留するイオンを拡散させて消滅することが出きる。
この消去期間を経て、測定の一周期が終了し、再びステップ(1)のイオンの導入蓄積に戻ることが出来る。ステップ(1)から(4)までの工程を繰り返し、イオン源で生成されたイオンの質量スペクトルを収集する。
なお、ステップ(3)のイオン排出、TOF測定の時間を30msec 程度と充分に長くすれば、第2の多重極イオンガイド22に残存するイオンはなくなり、ステップ(4)のイオン消去の工程を省略することができる。
上記各ステップ(1),(2),(4)の期間中、第2の多重極イオンガイド22は、イオンを移送するイオンガイドの役割ではなく、イオンを遮断するイオンシャッタの役割を果たしている。本実施例によれば、ステップ(1),(2)の期間中にイオントラップ20から排出される不所望なイオンを第2の多重極イオンガイド22によって遮断することができるため、測定に必要なイオンのみをTOFへ送ることができる。これにより、ノイズの少ない測定を行うことが可能となる。
また、第2の多重極イオンガイド22におけるイオンの遮断としては、イオンガイドの電極に印加する高周波電圧を遮断し、接地電位とする他に、印加する高周波の電圧(振幅)を下げることにより、あらかじめ定められた質量以上のイオンの通過を阻止することもできる。通常印加される1kV〜数kVから、100V以下に高周波電圧を下げれば、イオンはイオンガイドを通過できなくなる。
(実施例2)
図6に本発明の第2の実施例を示す。
実施例1ではイオントラップ20とTOFの間に一つの多重極イオンガイドを配置し、この多重極イオンガイドに印加する高周波電圧を制御することで高エネルギーのイオンも遮断できることを示した。これに対し、本実施例では、2つの多重極イオンガイド56,22をイオントラップ20とTOFとの間に直列に配置する。第3の多重極イオンガイド56には高周波電源58が接続され、また、第2の多重極イオンガイド22には高周波電源45が接続され、各々の電源はデータ処理装置40から信号線41を経由して送られる信号により独立に制御される。
実施例1では、(1)イオンの導入,蓄積、(2)MS/MS、(3)イオン排出、
TOF測定、(4)イオン消去が時分割,時系列的に行われる。本実施例2では、(1)イオンの導入,蓄積と、(2)MS/MS,TOF測定とを並列的に行い、所謂Duty
Cycleの向上を図る方式を示す。
図7から図9に各ステップでのイオン移送部の電位設定を示す。また、図12にイオントラップ20とTOFのイオンパルサー部59の動作シーケンスを示した動作ダイアグラムを示す。以下、これらの図を用いて各ステップを説明する。
(1) イオン導入,蓄積/TOF測定
図12のt0〜t1の期間における、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加の様子を図7に示す。
イオン源で生成したイオンは、中間圧力室を経てターボ分子ポンプ(TMP)30で排気された真空室9に導入される。導入されたイオン100は、イオン加速電極10に印加された加速電圧−100Vにより加速され、イオン移送空間29に導入される。導入されたイオン100は高周波電圧が印加された第1の多重極イオンガイド12に導入され、サーマライズされてイオンガイドの中心軸上に収束される。収束したイオン101はイオンゲート電極13に印加されたイオンゲート電圧−100Vにより加速されて、イオントラップ20のエンドキャップ電極の中心軸に開けられた細孔15からイオントラップのイオントラップ空間17に導入される。主高周波電源44から供給される主高周波電圧により、イオントラップ空間17には四重極高周波電界が生成される。この四重極高周波電界によりイオンは安定にイオントラップ空間17内にトラップされる。
この期間、第3の多重極イオンガイド56の電極は接地電位となり、電極21に印加される電圧をV1、イオンガイドの直流オフセット電圧をV2、電極57に印加される電圧をV3とすると、これら直流電圧はV1,V3>V2となるように設定されている。イオン導入,イオン蓄積の際にイオントラップから放出されるイオンは、イオンガイド56内で拡散し、また電極57により押し返されて最終的に消滅する。即ち、第3の多重極イオンガイド56がイオンを遮断し、第2の多重極イオンガイド22に導入されないようにしている。この第3の多重極イオンガイド56により、イオントラップ20と第2の多重極イオンガイド22は独立に動作が可能になる。
一方、前の周期で第2の多重極イオンガイド22にトラップされたイオンは、(電極
57の電圧)>(第2の多重極イオンガイド22のオフセット直流電圧)>(電極23の電極に印加される直流電圧)となるよう設定すると、第2の多重極イオンガイド22内にトラップされたイオンはTOFの方に移動し、擬似連続流となりTOFのイオンパルサー部59に導入される。TOFのイオンパルサー部59のイオン押し出し電極50,イオン引き出し電極51に直流パルス電圧を印加してイオンパケットを生成する。その後イオンは加速され、質量スペクトルを与える。イオンパケット生成のための直流パルスは繰り返し印加され、マススペクトルを繰り返し取得する。
この期間、第1の多重極イオンガイド12はイオンをイオントラップ20に移送するイオンガイド、第2の多重極イオンガイド22はイオンをTOFに送り出すイオンガイド、第3の多重極イオンガイド56はイオンシャッタの役割をそれぞれ果たしている。
(2) MS/MS工程
図12のt1〜t2,t2〜t3の期間における、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加の様子を図8に示す。
ステップ(1)の工程でイオントラップ20に導入蓄積されたイオンは、次にMS/
MS工程に移ることができる。MS/MSでは、先ず前駆イオンの単離が行われる。この前駆イオンの単離は、エンドキャップ電極にノッチ付のホワイトノイズ(FNFやSWIFT)や、主高周波電圧を掃引する方法が知られている。既知の方法に従い単離された前駆イオンは、次に前駆イオンの固有振動数(secular motion)と同じ周波数の補助交流電圧をエンドキャップ電極に印加して励起される。励起された前駆イオンは繰り返し中性ガス分子と衝突し、最終的にイオンは解離して生成物イオンとなる。生成物イオン中から特定のイオンを選び、次の世代のMS/MS、即ちMS3 を行うことも出きる。イオントラップはこのMSn が可能であることが特徴である。このMS/MSの期間、イオン源で生成されたイオンがイオントラップ20に導入されることを阻止される。即ち、電極10には
+100Vの電圧が印加されイオン106は押し戻される。また、(電極10の印加電圧)>(第1の多重極イオンガイド12の直流オフセット電圧)<(電極13の印加電圧)の関係が保たれ、イオンは第1の多重極イオンガイド12を通過してイオントラップ20に導入されることはない。
また、MS/MSの工程でイオントラップ20からランダムに放出されるイオンは、第3の多重極イオンガイド56を通過できないように(電極21の印加電圧)>(第3の多重極イオンガイド56の直流オフセット電圧)<(電極57の印加電圧)の関係が保たれている。また、第2の多重極イオンガイド22へ印加する高周波電圧を遮断することで
TOFへのイオンの導入の阻止と、第2の多重極イオンガイド22のイオンの消去を可能にしている。
この期間、第1の多重極イオンガイド12はイオンシャッタ、第2の多重極イオンガイド22はイオンシャッタ、第3の多重極イオンガイド56はイオンシャッタの役割をそれぞれ果たしている。
(3) イオントラップからのイオンの排出とマススペクトル測定
図12のt3〜t4の期間における、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加の様子を図9に示す。
本ステップは、MS/MSで生成したイオンをイオントラップ20から第2の多重極イオンガイド22に移す工程である。同時にイオンを第2の多重極イオンガイド22に移しながら、TOF測定を続ける事が出来る。
エンドキャップ電極14,19に印加された補助交流電源42を直流パルス電源421,422に切り替える。エンドキャップ電極14に+100V、リング電極16に+30V、エンドキャップ電極19に−100Vをパルス的に印加する。イオントラップ空間
17の中央付近にトラップされていたイオン102は、イオントラップ空間17内に出来た傾斜電界により加速され、細孔18からイオントラップ20の外に排出される。第3,第2の多重極イオンガイド56,22に高周波電圧が印加され、更に(電極21の印加電圧)>(第3の多重極イオンガイド56の直流オフセット電圧)>(電極57に印加される電圧)>(第2の多重極イオンガイド22の直流オフセット電圧)>(電極23の印加電圧)となるよう設定されている。これによりイオンは多重極イオンガイド56,22を通過してTOFに導入され、マススペクトルを与えることが出来る。このイオントラップ20から第2の多重極イオンガイド22へのイオンの排出は1msec 程度で完了するため、第2の多重極イオンガイド22内のイオンがTOFに全て移送される前に(1)工程へ移行することにより、Duty Cycleを向上させることができる。
この期間、第1の多重極イオンガイド12はイオンシャッタ、第2の多重極イオンガイド22はイオンをTOFに送り出すイオンガイド、第3の多重極イオンガイド56はイオンをイオントラップから第2の多重極イオンガイド22に移送するイオンガイドの役割をそれぞれ果たしている。
(実施例3)
実施例2ではイオントラップ20とTOFの間に2つの多重極イオンガイドを配置して、イオン導入蓄積,MS/MSの工程とTOFによるMS測定の並列処理を可能にした例を示した。これに対して、この第3の実施例は、実施例2と同様の構成であるが、第2の多重極イオンガイド22の役割をイオンガイドではなく、リニアトラップとイオンガイドの両方の役割を果たすようにした例である。
本実施例は、図7,図8,図10及び図13を用いて説明する。
(1) イオン導入,蓄積/TOF測定
本期間は、図13のt0〜t1の期間であり、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加は、実施例2のステップ(1)と同じである。即ち、図7に示された印加を行い、第1の多重極イオンガイド12はイオンをイオントラップ20に移送するイオンガイド、第2の多重極イオンガイド22はイオンをTOFに送り出すイオンガイド、第3の多重極イオンガイド56はイオンシャッタとして機能させる。
(2) MS/MS工程
本期間は、図13のt1〜t2,t2〜t3の期間であり、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加は、実施例2のステップ(2)と同じである。即ち、図8に示された印加を行い、第1の多重極イオンガイド12はイオンシャッタ、第2の多重極イオンガイド22はイオンシャッタ、第3の多重極イオンガイド56はイオンシャッタとして機能させる。
もし、ステップ(1)のイオン導入,蓄積の時間がTOFによるMS測定より短い場合、図12に示したようにt1〜t2のMS/MS期間もMS測定を続けても良い。
(3) イオントラップからのイオンの排出と、第2の多重極イオンガイド22でのイオンのトラップ
図13のt3〜t4の期間における、イオン移送空間29内に配置された複数の電極への電圧の印加の様子を図10に示す。
本ステップは、MS/MSで生成したイオンをイオントラップ20から第2の多重極イオンガイド22に移してトラップする工程である。
エンドキャップ電極14,19に印加された補助交流電源42を直流パルス電源421,422に切り替える。エンドキャップ電極14に+100V、リング電極16に+30V、エンドキャップ電極19に−100Vをパルス的に印加する。イオントラップ空間
17の中央付近にトラップされていたイオン102はイオントラップ空間17内にできた傾斜電界により加速され、細孔18からイオントラップ20の外に排出される。第3,第2の多重極イオンガイド56,22に高周波電圧が印加され、更に(電極21の印加電圧)>(第3の多重極イオンガイドの直流オフセット電圧)>(電極57に印加される電圧)>(第2の多重極イオンガイド22の直流オフセット電圧)、かつ(電極23の印加電圧)=(電極57の印加電圧)となるよう設定されている。これによりイオンは、第3の多重極イオンガイド56を通過して、第2の多重極イオンガイド22に送られる。第2の多重極イオンガイド22中のイオンはサーマライズされているため、電極57と電極23の電位の障壁を越えられず、第2の多重極イオンガイド22中にトラップされる。このイオントラップから第2の多重極イオンガイド22へのイオンの排出は1msec 程度で完了するため、第2の多重極イオンガイド22内のイオンがTOFに全て移送される前にイオン導入,蓄積の工程へ移行することにより、Duty Cycleを向上させることができる。
この期間、第1の多重極イオンガイド12はイオンシャッタ、第2の多重極イオンガイド22はイオンをTOFに送り出すイオンガイド、第3の多重極イオンガイド56はリニアトラップの役割をそれぞれ果たしている。
(分析例)
図17の上段(a)に、本発明を適用せずに、第2または第3の多重極イオンガイドを単なるイオンガイドとして使用した場合に得られた生成物イオンの質量スペクトルを示す。Nと記されたマスピークが化学ノイズに相当するイオンである。Pと記されたイオンが前駆イオンから生成した生成物イオンである。この化学ノイズは、微量成分の分析など、高感度測定をする際に顕著に出現する。化学ノイズは正常のイオンと識別が出来ず、マススペクトルの解析を著しく困難にする。
図17の下段(b)に、本実施例1,2,3で得られた生成物イオンの質量スペクトルを示す。上段(a)の質量スペクトルと比較すると、多くの化学ノイズイオンが消滅し、生成物イオン(P)が明瞭に出現していることが分かる。
本発明では、多重極イオンガイドに印加する高周波電圧やオフセット直流電圧をイオントラップの工程に従い、時分割に制御しているため、ノイズが少なく、高感度,高分解能の質量スペクトルを与えることができる。したがって、本発明によれば、S/N比が向上し、より精度の高い解析を行うことが可能となる。
本発明の第1の実施例を示す概略構成図である。 イオン導入,蓄積の工程時の説明図である。 MS/MS工程時の説明図である。 イオントラップからイオンの排出と質量スペクトル取得工程の説明図である。 イオン消去時の説明図である。 本発明の第2の実施例を示す概略構成図である。 イオン導入,蓄積と質量スペクトル取得の工程時の説明図である。 MS/MS工程時の説明図である。 イオントラップからイオンの排出と質量スペクトル取得工程の説明図である。 本発明の第3の実施例の説明図である。 本発明の第1の実施例の動作シーケンス図である。 本発明の第2の実施例の動作シーケンス図である。 本発明の第3の実施例の動作シーケンス図である。 本発明における多重極イオンガイドの動作説明図である。 多重極イオンガイドの説明図である。 多重極イオンガイドによるサーマライズの説明図である。 本発明を用いていない場合と用いた場合のマススペクトルである。
符号の説明
1…液体クロマトグラフ(LC)、2…噴霧プローブ、3…噴霧イオン流、4…大気圧イオン化室、6…中間圧力室、7…油回転ポンプ(RP)、9…真空室、10,13,
21,23,57…電極、12,22,56…多重極イオンガイド、14,19…エンドキャップ電極、15,18,24,25…細孔、16…リング電極、17…イオントラップ空間、20…イオントラップ、26…金属製のシールド筒、29…イオン移送空間、
30…ターボ分子ポンプ、31…ガス導入系、40…データ処理装置、42…補助交流電源、43,45,46…高周波電源、44…主高周波電源、50…イオン押し出し電極、51…イオン引き出し電極、52…イオン加速電極、53…TOF空間、54…リフレクタ、55…検出器、59…パルサー部。

Claims (13)

  1. 試料をイオン化するイオン源と、リング電極と一対のエンドキャップ電極を備え、前記イオン源から排出されたイオンを蓄積するイオントラップと、複数の円柱状電極から成り、前記イオントラップから排出されたイオンが導入される多重極イオンガイドと、前記多重極イオンガイドから排出されたイオンが導入される飛行時間型質量分析計とで構成され、
    前記イオントラップと前記多重極イオンガイド間に、イオンが通過する細孔を備え、且つ電圧の印加によってイオンの通過を制御する第1のゲート電極を備え、
    前記多重極イオンガイドと前記飛行時間型質量分析計の間に、イオンが通過する細孔を備え、且つ電圧の印加によってイオンの通過を制御する第2のゲート電極を備え、
    前記多重極イオンガイド、及び前記第1及び第2のゲート電極に印加される電圧を制御して、イオンが前記多重極イオンガイドを通過できなくなる期間と前記多重極イオンガイドをイオンが通過可能な期間を選択的に設けるようにしたことを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  2. 請求項1において、
    前記多重極イオンガイドをイオンが通過できない期間は、前記多重極イオンガイドは接地電位とし、前記第1及び第2のゲート電極には電圧を印加することを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  3. 請求項1において、
    前記多重極イオンガイドをイオンが通過できる期間は、前記多重極イオンガイドには高周波電圧が印加され、前記第1及び第2のゲート電極にはイオンの進行方向に対して電圧勾配ができるような電圧を印加することを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  4. 請求項1において、
    前記イオントラップは、(a)イオン導入・蓄積工程,(b)MS/MS工程,(c)イオン排出工程を繰り返し、
    前記(a)イオン導入・蓄積工程、及び(b)MS/MS工程は、前記多重極イオンガイドをイオンが通過できない期間とし、前記(c)イオン排出工程は、前記多重極イオンガイドをイオンが通過できる期間としたことを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  5. 請求項4において、
    前記(c)のイオン排出工程の後に、前記多重極イオンガイド、及び前記第1及び第2のゲート電極が接地電位と成る、(d)イオントラップ内を空にする工程を設けることを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  6. 請求項1において、
    前記イオントラップ、前記多重極イオンガイド、及び前記第1及び第2のゲート電極は、真空容器内に設置された一つの筐体内に収納され、当該筐体内に不活性ガスを導入するガス導入系を備えていることを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  7. 請求項6において、
    前記筐体内の圧力が100mTorrから1mTorrの間になるように不活性ガスが導入されることを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  8. 試料をイオン化するイオン源と、リング電極と一対のエンドキャップ電極を備え、前記イオン源から排出されたイオンを蓄積するイオントラップと、複数の円柱状電極から成り、前記イオントラップから排出されたイオンが導入される第1の多重極イオンガイドと、複数の円柱状電極から成り、前記第1の多重極イオンガイドから排出されたイオンが導入される第2の多重極イオンガイドと、前記第2の多重極イオンガイドから排出されたイオンが導入される飛行時間型質量分析計とで構成され、
    前記イオントラップと前記第1の多重極イオンガイド間に、イオンが通過する細孔を備え、且つ電圧の印加によってイオンの通過を制御する第1のゲート電極を備え、
    前記第1の多重極イオンガイドと前記第2の多重極イオンガイドの間に、イオンが通過する細孔を備え、且つ電圧の印加によってイオンの通過を制御する第2のゲート電極を備え、
    前記第2の多重極イオンガイドと前記飛行時間型質量分析計の間に、イオンが通過する細孔を備え、且つ電圧の印加によってイオンの通過を制御する第3のゲート電極を備え、
    前記多重極イオンガイド、及び前記第1,第2,第3のゲート電極に印加される電圧を制御して、イオンが前記第1の多重極イオンガイドを通過できなくなる期間と前記第1の多重極イオンガイドをイオンが通過可能な期間を選択的に設けるようにしたことを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  9. 請求項8において、
    前記第1の多重極イオンガイドをイオンが通過できない期間は、前記第1の多重極イオンガイドは接地電位とし、前記第1,第2及び第3のゲート電極には電圧を印加することを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  10. 請求項8において、
    前記第1の多重極イオンガイドをイオンが通過できる期間は、前記第1の多重極イオンガイドには高周波電圧が印加され、前記第1,第2及び第3のゲート電極にはイオンの進行方向に対して電圧勾配ができるような電圧を印加することを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  11. 請求項8において、
    前記イオントラップは、(a)イオン導入・蓄積工程,(b)MS/MS工程,(c)イオン排出工程を繰り返し、
    前記(a)イオン導入・蓄積工程は、前記第1の多重極イオンガイドをイオンが通過できない期間とし、且つ前記第2の多重極イオンガイドに高周波電圧を印加し、
    前記(b)MS/MS工程は、前記第1の多重極イオンガイドをイオンが通過できない期間とし、且つ前記第2の多重極イオンガイドを接地電位とし、
    前記(c)イオン排出工程は、前記第1の多重極イオンガイドをイオンが通過できる期間とし、且つ前記第2の多重極イオンガイドに高周波電圧を印加したことを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  12. 請求項8において、
    前記イオントラップ、前記第1及び第2の多重極イオンガイド、前記第1,第2及び第3のゲート電極は、真空容器内に設置された一つの筐体内に収納され、当該筐体内に不活性ガスを導入するガス導入系を備えていることを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
  13. 請求項8において、
    前記筐体内の圧力が100mTorrから1mTorrの間になるように不活性ガスが導入されることを特徴とするイオントラップ/飛行時間型質量分析計。
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