JP2005181657A - 二成分系現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多重転写工程、及び多種転写材に対しても、安定した転写効率が得られる二成分系現像剤を提供することにある。
画像の伸縮が目立たずに中抜けの起きない高画質な画像の得られる二成分系現像剤を提供する。
転写性に優れ、且つドット再現性や細線再現性に優れる二成分系現像剤を提供する。
【解決手段】 静電潜像を二成分系現像剤のトナーで現像して静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像工程;及び該静電潜像担持体上のトナー像を、中間転写体を介して又は介さずに、転写材上に転写する工程;を少なくとも有する画像形成方法に使用する二成分系現像剤において、
i)該トナー重量平均粒径が3.0μm乃至8.0μmの範囲であり、
ii)該キャリアが磁性体分散型樹脂キャリアであり、
iii)該キャリア重量平均粒径が20乃至60μmの範囲であり、
iv)該二成分系現像剤の安息角が30°乃至50°の範囲でることを特徴とする二成分系現像剤。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンター、ファクシミリ、製版システムなどに広く用いることの出来る二成分系現像剤に関する。
近年、コンピュータ及びマルチメディアの発達により、オフィスから家庭まで幅広い分野で、更なる高精細画像を出力する手段が要望されている。ヘビーユーザーは、多数枚の複写又はプリントによっても画質低下のない高耐久性を要求し、スモールオフィスや家庭では、高画質な画像を得ると共に省スペース、省エネルギーの観点から装置の小型化、定着温度の低温化が要望されており、低温定着が可能なトナーが求められており、これらの目的を達成するため各々の観点から種々の検討が行われている。
また、フルカラー複写機、あるいはカラープリンターの場合、通常の白黒複写機又は白黒プリンターに比べて、各種用紙に対して画像形成させる要求が高まっている。そのため各種用紙、たとえば厚紙、OHPで使用するトランスペアレンシーに対しても良好な画像を提供しなければならない。
そこで、近年提案されている、フルカラー複写機、プリンターにおいては、4つの感光体とベルト状転写体を用い、各感光体上にそれぞれ形成された静電荷像をシアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーを用い、現像後、感光体とベルト転写体に転写材を搬送しストレートパス間で転写後、フルカラー画像を形成せしめる方法や、感光体に対抗せしめた転写体表面に静電気力やグリッパーの如き機械的作用により転写材を巻き付け、現像−転写工程を4回実施することでフルカラー画像を得る方法が一般的に利用されている。
さらに最近では、高速化、オンデマンドプリンティングとしての機能も要求されるようになり、より低温定着性、高速且つ多数枚プリントの際でも、高い画像安定性が求められている。
従来は、これらの目的のために、トナーの流動性を向上させ、現像器内部のトナーの攪拌性を向上させ、帯電付与を均一にさせる事が一般的に行われてきた。
例えば、特開平05−341559号公報では、トナーの噴流性指数を50〜80にする事により、トナーの流動性を向上させ、現像剤内部の攪拌によるトナー搬送が良好になり、帯電量の低下、耐環境特性の低下及び逆極性トナーの発生を抑制できるトナーを開示している。しかし、この現像剤では、高速機で現像する場合、流動性を高めるために添加している微粒子が感光体表面に付着して、潜像を乱す原因となる。
さらに、プリントオンデマンド、という観点から、厚紙、コート紙等種々のマテリアルに対応する必要性が求められ、中間転写体を用いた転写方法が有効になってきている。従って、トナーとしては、潜像担持体上に現像された後、中間転写体に一旦転写され、その後、さらに転写材上へ再度転写されるという経路をたどるため、より高い転写効率を有することが望まれる。
また、特開平10−10771号公報においても、トナーの流動性を高めることで、耐刷を行ってもトナー粉煙やかぶりが発生せず現像剤寿命を向上させた静電潜像現像用トナー並びに静電潜像現像剤が開示されている。これは、高温高湿環境、低温低湿環境においてもトナー帯電量が安定する静電潜像現像用トナー並びに静電潜像現像剤であり、さらにフルカラー画像形成に適した静電潜像現像用トナーとなっている。しかし、さらなる高速化、およびオンデマンドプリントをふまえた時の低温定着性を兼ね備えたトナーの要求をまだ十分満足出来ていない。
また、特開2001−356516号公報には、圧縮率が32%以下、安息角が38°以下といった、流動性を向上させたトナーが開示されており、画像形成する際トナー粒子に比較的大きなストレスがかかっても、良好な流動性を維持し、高画質画像が実現できるとされている。しかしながら、トナー流動性を高めることで、転写時にトナーの飛び散りや、画像部の中抜けのような問題が発生してしまい、高速機で高画質を提供する際の大きな課題となっている。
二成分系現像剤に使用される磁性キャリアとしては、鉄粉キャリア、フェライトキャリアが知られている。これらのキャリアコア材の表面に樹脂を被覆した樹脂コートキャリアを用いる現像剤は、抵抗を適性化することができ、帯電制御性が優れこれまで、多く使用されている。しかし、これらのキャリアの比重が比較的高く、高速回転、耐久性の観点から、トナー劣化が進行しやすく、現像性を低下させてしまうといった課題が残っている。
さらに、省エネルギー化、グロスコントロールを狙ったワックスを含有したトナーも検討され、提案されているが、現状現像剤の流動性が十分ではなく、高い転写効率による低消費量の実現や、高画質の再現性において未だ問題点が残っている。
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した二成分系現像剤を提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、多重転写工程、及び多種転写材に対しても、安定した転写効率が得られる二成分系現像剤を提供することにある。
本発明の目的は、画像の伸縮が目立たずに中抜けの起きない高画質な画像の得られる二成分系現像剤を提供する。
本発明の目的は、転写性に優れ、且つドット再現性や細線再現性に優れる二成分系現像剤を提供する。
本発明は、離型材を有するカラートナーと磁性体分散型樹脂キャリアからなる、流動性の高い二成分系現像剤を鋭意検討した。これは、使用するトナーの安息角、キャリア表面の凸凹度、及び二成分系現像剤の安息角をある任意の範囲にコントロールすることで、上記目的を達成するものである。具体的には、以下の構成により達成出来る。
(1)静電潜像を二成分系現像剤のトナーで現像して静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像工程;及び該静電潜像担持体上のトナー像を、中間転写体を介して又は介さずに、転写材上に転写する工程;を少なくとも有する画像形成方法に使用する二成分系現像剤において、
i)該トナー重量平均粒径が3.0μmないし8.0μmの範囲であり、
ii)該キャリアが磁性体分散型樹脂キャリアであり、
iii)該キャリア重量平均粒径が20ないし60μmの範囲であり、
iv)該二成分系現像剤の安息角が30°ないし50°の範囲でることを特徴とする二成分系現像剤。
(2)該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、微粒子を有し、該トナーの安息角が35ないし48の範囲であること特徴とする(1)に記載の二成分系現像剤。
(3)該磁性体分散型樹脂キャリアの表面形状が、下記の条件を満足することを特徴とする(1)に記載の二成分系現像剤。
0.2μm≦中心線平均粗さ(Ra)≦5.0μm
10μm≦凹凸の平均間隔(Sm)≦80μm
0.05≦Ra/Sm≦0.5
(4)該二成分系現像剤は、現像器にて1時間、0.5m/secに空回転させた時の安息角が30°ないし50°であることを特徴とする(1)に記載の二成分系現像剤。
(5)該磁性体分散型樹脂キャリアは、1000/4π(kA/m)における磁化の強さが、30〜70Am2/kgであることを特徴とする(1)に記載の二成分系現像剤。
(6)該磁性体分散型樹脂キャリアは、見かけ密度が2.3g/cm3以下であることを特徴とする(1)に記載の二成分系現像剤。
(7)該磁性体分散型樹脂キャリアは、平均粒径が25〜50μmであることを特徴とする(1)に記載の二成分系現像剤。
本発明によれば、離型剤を有するトナーと表面に凹凸のある磁性体分散型樹脂キャリアを組み合わせた、安息角の低い二成分系現像剤を使用することにより、多重転写工程、及び多種転写材の場合にも、安定した転写効率、画像の伸縮が目立たずに中抜けの起きない高画質な画像、そして、ドット再現性に優れた画像が可能となり、耐久性も飛躍的に向上し高速マシンにおいても良好な画像の維持が可能となる。
本発明は、離型剤を有するトナーおよび、磁性体分散型樹脂キャリアを用いた二成分系現像剤の安息角をある任意の範囲にコントロールすることにより、上述した問題を解決するものである。
本発明者らは、高速化、マルチマテリアル対応を求められるカラー複写機、またはプリンターにおいて高画質、且つ高安定な画像を実現するために、中間転写体を用いた画像形成方法を用いている。この手法を用いることで、従来にない高速での出力および多種転写材への出力が可能となる。しかしながら、中間転写体を用いる画像形成方法では、転写工程を複数回必要とするので、現像剤の高い転写効率が必要となる。一方、社会的な要請から省エネルギー対応も兼ね備えた製品が求められており、低温定着性を有する現像剤が必須となっている。そこで、我々は、離型剤を有するトナーを使用しているが、任意の離型剤を有するトナーと表面状態に凹凸を施した樹脂分散型キャリアとの組み合わせにより、二成分系現像剤の流動性を所望の値にコントロールできるようになり、結果として良好な現像性、および高い転写効率が実現できるばかりではなく、画像の伸縮が目立たずに中抜けの起きない高画質な画像が得られることを見出したので本発明に至った。
また、低温定着性、グロスコントロール、そして高速マシンに対応した、離型剤を有したトナーは、トナー単独での凝集性が比較的高く、転写性、及び転写時の中抜けに対して良好であったが、二成分系現像剤にしてトナーにシェアの掛かりやすい環境にした場合、流動性が十分高くならずに、耐久時に劣化してしまうことがあった。しかし本発明の磁性体分散型樹脂キャリアを該トナーと組み合わせて用いることにより、二成分系現像剤の流動性が良化し、高速耐久を行った場合でも、安定した現像性を達成することができた。
本発明のトナー重量平均粒径は、3.0μm〜8.0μmである。より好ましくは、5.0μm〜8.0μmであることが、転写効率、ドットの再現性、さらには画像の中抜けを防止することにより好適である。3.0μmより小さいと、トナー粒子間に働く力が増大し、トナーの安息角が大きくなることから、二成分系現像剤の安息角をコントロールすることが難しくなり、現像性を低下させてしまう場合がある。また、8.0μmを超えると、潜像のスポット径が600dpi以上のような微少スポット径になった場合におけるドット再現性が悪くなり、高画質化に問題がある。
本発明のトナーには、トナー表面の極表層に存在するような離型剤のマスキングや流動性付与の目的、転写性、特に転写効率向上の目的で微粒子を外添して用いる。トナー表面に外添される外添剤としては、そのうちの一つが無機微粒子であり、少なくとも、酸化チタン、酸化アルミナ、シリカのうちいずれか1種類以上であり、即ち、トナーとキャリア或いはトナー同士相互間に外添剤が存在することで、現像剤の流動性が向上する。更に、現像剤の寿命の向上がなされることが望ましいが、その意味から、本発明においては、トナー粒子表面の外添剤被覆率を5乃至99%、更に好ましくは10乃至99%とすることが好ましい。
トナーに添加される外添剤としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物;炭化ケイ素等の炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩;ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;その他、カーボンブラック、シリカ、ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーンと言った微粉末を添加することが好適である。又、上述した様な外添剤の微粉末の個数平均粒径は0.1μm以下であることが好ましい。外添剤の重量平均粒径が0.1μmを超えると、流動性向上の効果がなくなり、トナー現像、転写時における不良等を生じる場合があり、画質を低下させてしまう場合があり、好ましくない。
又、本発明において、トナーに外添される上記した様な外添剤は、トナー粒子100重量部に対して0.01乃至10.0重量部が用いられるのが好ましく、更に好ましくは、0.05乃至5重量部使用することであり、耐久後の現像性維持、転写効率の維持及び低温定着性を十分満足させるために好適である。上記した外添剤は、単独で用いても、又、複数併用してもよい。
又、本発明に用いられる外添剤微粉末の表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m2/g以上、特に50乃至600m2/gの範囲のものが良好である。又、このような微粉末からなるトナーと外添剤の外添処理は、ヘンシェルミキサー等の混合機を使用して行うことができる。
本発明においては、結着樹脂、着色剤、離型剤、無機粒子を有するオイルレス定着に用いられるトナーにおいて、結着樹脂がポリエステルユニットを含むこと、粒子を含む外添剤により外添されたトナーであり、トナーの流動性をコントロールすることにより、従来は困難であった転写性を良好にすることにより、ドットの再現性を向上させ、同時に低温定着性、高温オフセット性に優れ、且つ、高速機での耐久による現像性をも良好にすることが可能となった。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、(a)ポリエステル樹脂、又は(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、又は(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、又は(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、もしくは(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物のいずれかから選択される樹脂である。樹脂成分のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が、メインピークを分子量3500乃至30000の領域に有しており、好ましくは、分子量5000乃至20000の領域に有しており、Mw/Mnが5.0以上であることが好ましい。
メインピークが3500未満である場合には、トナーの高温オフセット性が不十分となる。一方、メインピークが、分子量30000を越えると十分な低温定着性が得られなくなり、高速機での適用が難しくなる。また、Mw/Mnが5.0未満である場合には、シャープメルトとなり、高いグロスは得られやすくなるが、耐高温オフセット性が得られなくなる。
結着樹脂としてポリエステル系の樹脂を用いる場合は、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0) −ポリオキシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(6) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2 −プロピレングリコール、1,3 −プロピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4 −ブテンジオール、1,5 −ペンタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール、1,4 −シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6 −ヘキサンテトロール、1,4 −ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4 −ブタントリオール、1,2,5 −ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4 −ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5 −トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
酸性分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換された琥珀酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 2005181657
〔式中、Rはエチレン、プロピレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。〕
また、非線形状ポリエステル樹脂を形成するための三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸および、これらの無水物やエステル化合物が挙げられる。三価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1〜1.9mol%が好ましい。
さらに結着樹脂として、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂を用いる場合、さらに良好な離型剤分散性と、低温定着性、耐オフセット性の向上が期待できる。本発明に用いられる「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)を形成するものである。
ビニル系重合体を生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
本発明ではビニル系重合体成分及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系重合体とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
本発明のビニル系重合体を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
本発明のトナーは、公知の荷電制御剤と組み合わせて使用することもできる。例えば、有機金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体などが挙げられる。その他には、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類等のカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体なども挙げられる。また、ビスフェノール類、カリックスアレーンなどのフェノール誘導体なども用いられるが、好ましくは、芳香族カルボン酸の金属化合物を用いることで帯電の立ち上がりの観点から良好となる。
本発明においては、荷電制御剤は、結着樹脂100に対する含有量が0.1乃至10質量部、好ましくは、0.2乃至5質量部使用するのがよい。0.1質量部より少ないと高温高湿から低温低湿までの環境での帯電量の変化が大きくなる場合がある。10質量部より多いと低温定着性に劣る場合がある。
本発明に用いられる離型剤としては次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものが挙げられる。さらにベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。特に好ましく用いられるワックスとしては、分子鎖が短く、且つ立体障害が少なくモビリティに優れるパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスである。
ワックスの分子量分布では、メインピークが分子量350〜2400の領域にあることが好ましく、400〜2000の領域にあることがより好ましい。このような分子量分布を有することによりトナーに好ましい熱特性を付与することができる。
本発明に用いられるトナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数個の吸熱ピークを有し、結着樹脂のガラス転移温度に由来する吸熱ピーク以上の領域における該吸熱ピーク中のベースラインからの最大となる吸熱ピークを最大吸熱ピークと呼び、その吸熱ピーク温度Tscが、65℃<Tsc<110℃であることが好ましく、更に好ましくは、70℃<Tsc<90℃である。65℃以下であるとトナーの比表面積が大きいためにブロッキングしやすくなり、105℃以上では低温定着性に劣り、高速機への適応ができなくなる。
本発明に用いられる離型剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対する含有量が1〜10質量部、好ましくは、2〜8質量部使用するのがよい。1質量部より少ないと、オイルレス定着時にうまく離型性を発揮できなかったり、低温定着性を満足できなかったりする。10質量部を越えると、トナー表面近傍での離型剤存在状態をコントロールすることが困難となり、離型剤が固まりとして挙動することでトナーがくすんだりする。
本発明に用いられる着色剤としては、顔料及び/又は染料を用いることができる。
例えば染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等が挙げられる。
顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
また、フルカラー画像形成用トナーとして使用する場合には、マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,57:1,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209,238,C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
係る顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121,C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,15:3,16,17;C.I.アシッドブルー6;C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等である。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,74,83,93,97,109,110、155,180,185,C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1乃至15質量部、好ましくは3乃至12質量部、より好ましくは4乃至10質量部含有していることが良い。着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表される様な中間色の再現性も低下し易くなり、更にはトナーの帯電性の安定性が低下し、また低温定着性も得られにくくなる。着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、着色力が低くなり、濃度を出すためにトナーを多く使用しなければならなくなり、ドット再現性を損ないやすく、高い画像濃度の高品位画像が得られ難い。
また、本発明の二成分系現像剤のキャリアは磁性体分散型樹脂キャリアが好ましい。例えば、特開平8−160671号公報に示されているように、磁性体分散型樹脂キャリアを用いた二成分系現像剤では、特に高画像濃度、ハーフトーン部のガサツキ等を良好にすると共にキャリア付着やカブリのない良好な画像を提供し、さらに多数枚の複写によっても現像剤の劣化をなくし、耐久後の画質劣化を防止する効果がある。また、特開2000−89558号公報では、繰り返しの複写によって生ずる現像剤の流動性変化をなくすことができ、その結果、多数枚の複写によってもトナー含有量が安定化し、濃度の安定した画像、かぶりのない画像を提供することが可能となっている。
本発明に用いられる磁性体分散型樹脂キャリアの重量平均粒径は20μmないし60μmであり、より好ましくは、25μmないし50μmである。
即ち、粒径が20μm未満では、トナーとの混合性は良くなるが、カブリ取りバイアスが掛かった場合に静電潜像担持体上にキャリアが付着する、いわゆるキャリア付着が生じやすくなるので、好ましくない。又、粒径が60μmを超えると、トナーへのストレスが大きくなり、多数枚のプリントを行う場合、現像剤の流動性の低下即ち、安息角の上昇をまねき、現像性の悪化の原因となる。
本発明に用いられる二成分系現像剤の安息角は30°ないし50°の範囲でることが好ましく、より好ましくは、30°ないし40°である。
本発明における二成分系現像剤の安息角の値は、離型剤を有するトナーと磁性体分散型樹脂キャリアの二つ特徴を併せ持ってはじめて達成できるものである。従来提案されているトナーよりも少し安息角の高いトナーと表面の凸凹に特徴のある磁性体分散型樹脂キャリアとの組み合わせにより、安息角の低いかつ高速空回転によっても安息角の増加の少ない、二成分系現像剤を実現することが出来た。従来よりも低く抑えられた現像剤の安息角により現像性が優れ、ハーフトーン再現性やドット再現性にも優れている。さらにやや高めの安息角をもつトナーにより、高速プリントの際も中抜けの無い画像を再現し、かつ多転写工程を経ても高い転写効率を保持している。
本発明の二成分系現像剤の安息角は30°より小さいと、高流動性により複数転写時の飛び散りや中抜けの問題と、高速プリントの際、耐久時の転写性維持を十分満足することが出来ない。また、50°より大きくなると、プリント初期の飛び散り、中抜けレベルは良いが、高速かつ耐久での現像性の悪化につながる。
本発明に用いられる二成分系現像剤用のトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤、微粒子を少なくとも含有し、さらにトナーの安息角が安息角が35°ないし48°の範囲であることが好ましく、より好ましくは、35°ないし40°である。トナーの安息角をこの範囲にコントロールすることにより、優れた転写性を達成しつつドット再現性にも優れ、また中抜けの無い画像を提供することができる。また、本発明のトナーを用いることで同時オイルレス定着も同時に達成することができ、低温定着性にも優れることから、省エネルギー化も可能となった。
一方、トナーの安息角が35°より小さいと、流動性が高過ぎるが故に、現像時にトナーの飛び散りが発生したり、十分な帯電付与ができず、かぶりが発生するなど、良好な画像を出力することが困難になる。また、48°よりも大きくなると、現像時に、キャリアからのトナー離れが悪くなり、静電潜像を忠実に再現できなくなったり、トナーが感光体に付着し汚染の原因にもなりうる。このような観点から、好ましい二成分系現像剤用トナーの安息角の範囲は35°ないし48°である。
本発明に用いられる二成分系現像剤用のキャリアは、磁性体分散型樹脂キャリアであり、その表面形状が、下記の条件を満足することが好ましく、より好ましくは、Ra/Sm値が0.2ないし0.5である。
0.2μm≦中心線平均粗さ(Ra)≦5.0μm
10μm≦凹凸の平均間隔(Sm)≦80μm
0.05≦Ra/Sm≦0.50
上記式中のRa及びSmは、JIS B 0601及びISO 468に記載されている中心線平均粗さ及び凹凸の平均間隔を規定する値であり、これらは次式により求められる(図1参照)。
本発明のキャリア表面の凸凹度を制御することにより、二成分系現像剤の流動性をコントロールし、本発明の安息角の範囲をはじめて達成することが可能となった。また、離型性を有するトナーであっても、二成分系現像剤の安息角を低く抑えることができ、高速機を用いた場合でも、優れた現像性を実現することができる。
本発明のような低く抑えられた現像剤の安息角により現像性が優れ、ハーフトーン再現性やドット再現性にも優れている。さらにトナー単独ではやや高めの安息角をもつ離型材を含んだトナーであるが、本発明のキャリアを用いることにより、高速プリントの際も中抜けの無い画像を再現し、かつ多転写工程を経ても高い転写効率を実現している。また、耐久を行ってもその性能は維持されている。
この磁性体分散型樹脂キャリア表面の凹凸は、キャリア表面近傍の磁性体成分の粒子径を変化させることで実現できる。尚、本発明で使用するキャリア粉体の粒径測定方法については後述する。
上記の中心線平均粗さRaの値が0.2μmより小さいと、現像剤の搬送性が不十分な為、耐久による画像むらや画像の濃度むらが発生し易くなる。一方、Raの値が5μmを超えると、現像剤の搬送性には優れるものの、ブレード等の現像剤搬送量規制部における規制力が大きくなりすぎるため、外部添加剤が摺擦による劣化を受けて耐久時の画質が低下し易くなる。
凹凸の平均間隔Smの値が80μmより大きくなると、現像剤担持体上への現像剤が保持されにくくなるために画像濃度が低くなってしまう。この現象に対しSmの値が寄与する原因についての詳細は不明であるが、Smの値が80μmより大きくなると、現像剤担持体に対する搬送量規制部等で現像剤担持体との滑りが起こっていることから、凹凸の間隔が広くなりすぎると現像剤が密にパッキングされた塊として作用し、その力が現像剤担持体と現像剤間の保持力を上回る為であると考えられる。一方、Smの値が10μm未満であると、現像剤担持体表面の凹凸の多くが現像剤平均粒径より小さくなる為、凹部に入り込む現像剤に粒度選択性が生じてしまい、現像剤微粉成分による融着が発生し易くなる。又、凹凸の平均間隔を10μm未満とすることは、製造的にも困難である。
更に、上記の観点より、現像剤担持体上の凸部の高さと凹凸の間隔から求められる凸・凹の傾斜(f≒(Ra/Sm))が本発明の場合に重要な要素となる。即ち、本発明の画像形成方法においては、凸・凹の傾斜が、0.05≦Ra/Sm≦0.5であること特徴とする。又、本発明においてより好ましくは、0.07≦Ra/Sm≦0.3である。Ra/Smの値が0.05未満であると、現像剤の現像剤担持体上への保持力が弱くなり、現像剤担持体へ現像剤が保持されにくくなるので、現像剤規制部で搬送量が制御されにくくなり、結果として画像むらが生じる。Ra/Smの値が0.5を超えると、現像剤担持体表面の凹部に入った現像剤が他の現像剤と循環しにくくなり、現像剤融着が発生する。
尚、本発明におけるRa、Smの測定は、接触式表面粗さ測定器SE−3300(小坂研究所社製)を用い、JIS−B0601に準拠して行った。
又、本発明において用いる二成分系現像剤で重要なことは、現像器にて1時間、0.5m/secに空回転させた時の安息角が30°ないし50°であることが好ましい。
本発明の二成分系現像剤では、0.5m/secの如きプロセススピードにおける高速機の現像器であっても、耐久安定性を保持することができる。尚、現像器の構成などいついては後述する。
安息角が30°ないし50°の範囲をはずれると、トナーへの帯電付与が不良になり、現像性が悪化することがあり、好ましくない。
本発明の磁性体分散型樹脂キャリアは、用いる磁性体の磁気特性、種類、粒径および含有量にて、所望の磁化量、表面状態、抵抗にコントロールすることが容易であり、キャリア粒度分布のシャープさ及び球形度の高さにより、本発明に好適に用いられるものである。
次に、我々は、磁性体分散型樹脂キャリアの表面性と、二成分系現像剤の安息角の関係について種々検討したところ、磁性体と非磁性体の粒径を変化させ、キャリアの表面を凸凹状にすることで、二成分系現像剤の安息角が低下することを見出した。
本発明に用いられる磁性キャリアは、1000/4π(kA/m)における磁化の強さが、30〜70Am2/kgであることが好ましい。より好ましくは、30〜60Am2/kgである。
30Am2/kgより低い場合には、潜像担持体へキャリアが付着する。70Am2/kgを超えると、トナーへのストレスが大きくなり、トナーに含まれている離型剤のキャリアへの移動などが起こりやすくなり、耐久における現像剤の安息角の上昇が発生し、さらには現像性が劣るようになる。
本発明の二成分系現像剤に使用する磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライトや、磁性体と樹脂を含有するいわゆる樹脂キャリア等一般に公知のものを使用できるが、離型剤を有している低温定着性に優れたトナーには、比重の小さな樹脂キャリアを用いることが好適である。本発明の磁性キャリアは、キャリアコア表面を樹脂でコートして用いることが好ましい。
本発明により好適に用いることのできるキャリアについて説明する。
キャリアコアを構成する樹脂としては、ポリマー鎖中にメチレンユニットを有するビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂及びポリエーテル樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、混合して使用しても良い。
ビニル系重合体を形成するためのビニル系モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン及び不飽和モノオレフィン;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ジオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等の如きハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレインなどが挙げられ、これらの中から1種または2種以上使用して重合させたものが用いられる。
磁性微粒子分散型樹脂コア粒子を製造する方法としては、モノマーと磁性微粒子を混合し、モノマーを重合してキャリアコア粒子を得る方法がある。このとき、重合に用いられるモノマーとしては、前述したビニル系モノマーの他にエポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を形成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が用いられる。例えば、硬化系フェノール樹脂を用いたキャリアコアの製造方法としては、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で磁性微粒子を入れ、重合してコア粒子を得る。
磁性微粒子分散樹脂コア粒子を製造する他の方法としては、ビニル系又は非ビニル系の熱可塑性樹脂、磁性微粒子、その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き混練機を用いて溶融・混練して、これを冷却後、粉砕・分級を行ってキャリアコア粒子を得ることができる。この際、得られた磁性微粒子含有樹脂粒子を熱あるいは機械的に球形化してコアとして用いることが好ましい。
なかでも、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂の如き熱硬化性樹脂が、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れた点で好ましい。本発明の特性をより好適に発現せしめるためには、フェノール樹脂がより好ましい。
磁性樹脂キャリアの磁気特性を変えるために、キャリアコア中には磁性微粒子に加えて非磁性無機化合物を配合することが好ましい。磁性微粒子と非磁性無機化合物微粒子は、合計量で70〜95質量%(キャリア基準)(より好ましくは、80〜92質量%)含有されていることが、キャリアの真比重の調整と、キャリアコアの機械的強度との関係で好ましい。
また、非磁性無機化合物微粒子は、磁性微粒子よりも比抵抗値が大きく、非磁性無機化合物微粒子の個数平均粒径は磁性微粒子の個数平均粒径よりも大きい方が、キャリアの比抵抗値を高め、キャリアの真比重を小さくする上で好ましい。
磁性微粒子及び非磁性無機化合物微粒子の総量に対して、磁性微粒子は30〜100質量%含まれていることが、キャリアの磁気力を調整してキャリア付着を防止し、さらに、キャリアの比抵抗値を調整する上で好ましい。
本発明にのキャリアは、磁性微粒子がマグネタイト微粒子であるか、又は、鉄元素及びマグネシウム元素を少なくとも含む磁性フェライト微粒子であることが好ましく、また、非磁性無機化合物微粒子がヘマタイト(α−Fe2O3)の微粒子であることが、キャリアの磁気特性,真比重を調整する上で、より好ましい。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、フェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)が、より好ましい。
アルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げられる。中でもホルムアルデヒドが特に好ましい。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1〜4が好ましく、特に好ましくは1.2〜3である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成し難かったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子の強度が弱かったりする傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
フェノール類とアルデヒド類とを縮重合させる際に使用する塩基性触媒としては、通常のレゾール樹脂製造に使用されているものが挙げられる。例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02〜0.3が好ましい。
磁性キャリアの表面コートをする樹脂としては、絶縁性の樹脂を用いることが好ましい。この場合に使用し得る絶縁性樹脂は、熱可塑性の樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。具体的には、例えば、熱可塑性の樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートやスチレン−アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等を挙げることができる。
又、熱硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、或いは、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
上述した樹脂は、単独でも使用できるが、夫々を混合して使用してもよい。又、熱可塑性樹脂に硬化剤等を混合し硬化させて使用することもできる。特に好ましい形態は、離型剤を含有するトナーに対しては、より離型性の高いコート材を用いることが好適である。
コート樹脂は、THFの可溶成分のGPCのクロマトグラムにおいて、分子量2,000乃至100,000の領域にメインピークを有することが好ましく、さらに、分子量2,000乃至100,000の領域にサブピーク又はショルダーを有することが好ましい。
最も好ましくは、コート樹脂は、THFの可溶成分のGPCのクロマトグラムにおいて、分子量2万乃至10万の領域にメインピークを有し、分子量2,000乃至19,000の領域にサブピーク又はショルダーを有するのが良い。
上記分子量分布を満足していることにより、コート樹脂で被覆された磁性樹脂キャリアを用いることで、高速、多数枚の現像耐久を行っても、現像性、トナーへの帯電安定性、外添剤のキャリア粒子表面への付着防止性がさらに向上する。
更に、本発明においては、本発明において使用する磁性を示す金属酸化物の個数平均粒径が、キャリア粒径によっても変わるが、0.02乃至2μmまでのものが好ましく用いられる。又、上記した2種以上の金属酸化物を用い、これらをバインダー樹脂中に分散させて用いる場合には、強磁性を有する金属酸化物としては、個数平均粒径が0.02乃至2μmまでのものを用いることが好ましく、他方の該強磁性体よりも高抵抗の金属酸化物の個数平均粒径としては、0.05乃至5μmのものを使用することが好ましい。
この場合、特に好ましくは、強磁性体粒子の粒径(ra)に対して、もう一方の該強磁性体よりも高抵抗の金属酸化物の粒径(rb)との粒径比rb/raが、1.0を超えることが好ましい。更に好ましくは、粒径比rb/raの値が、1.0乃至5.0であることが好ましい。
即ち、raの値よりもrbの値が大きくて、粒径の大きな高抵抗の金属酸化物である金属酸化物粒子が表面に出易くなり、キャリアコア粒子表面の形状を好ましい凹凸に制御することができる。これにより、流動性の高い二成分系現像剤が得られる。
本発明における測定法について以下に説明する。
トナー粒子又はトナーの粒度分布の測定
測定装置としては、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NcCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)を、0.1〜5mlを加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、トナー粒子の体積分、布から求めた質量基準のトナー粒子又はトナーの重量平均粒径(D4)を求める。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
トナー摩擦帯電量の測定
本発明で使用した摩擦帯電量の測定方法を記載する。本発明で使用するトナーとキャリアとをトナー質量が5質量%となるように混合し、ターブラミキサーで120秒混合する。この現像剤を底部に635メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、吸引前後の質量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHOとする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用いて算出する。
Figure 2005181657
(上記式中、W1は吸引前の質量でありW2は吸引後の質量であり、Cはコンデンサーの容量、及びVはコンデンサーに蓄積された電位である。)
GPCによる分子量の測定(ポリエステル樹脂、共重合体類及びキャリアコート材)
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×104 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×105 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、103 〜2×106 の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Waters社製のμ−styragel 500,103 ,104 ,105 の組合せや、昭和電工社製のshodex KA−801,802,803,804,805,806,807の組合せが好ましい。
磁性キャリアの粒径、金属酸化物粒子、無機粒子及び流動性向上剤の粒径の測定
磁性キャリア粒子の粒径については、走査電子顕微鏡(5,000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上の磁性キャリア粒子を300個以上抽出し、デジタイザにより、個数平均の水平方向フェレ径をもってキャリアの個数平均粒子径とした。又、金属酸化物粒子、無機粒子、流動性向上剤の粒径は、同様に走査電子顕微鏡(20,00乃至50,000倍)によりランダムに粒径0.005μm以上の粒子を300個以上抽出し、長軸と短軸をデジタイザにより測定し、平均したものを粒径として300個以上の個数をカウントしてその平均をもって個数平均粒子径を算出する。その際、無機粒子の粒径においては、トナー表面に存在する粒子のうち、50nm以上の粒子を300個以上抽出して、同様に個数平均粒径を求める。
磁性キャリアの磁気特性、真比重の測定
磁性キャリアの磁気特性は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定した。キャリア粉体の磁気特性値は、1キロエルステッドの外部磁場を作り、磁化量を求めた。磁性キャリアの測定用試料は、円筒状のプラスチック容器に充分密になるようにパッキングした状態で作製する。この状態で磁化モーメントを測定し、更に、上記で充填した試料の実際の質量を測定して磁化の強さ(Am/kg)を求める。
本発明で使用する磁性キャリア粒子の真比重は、乾式自動密度計オートピクノメータにより求める。磁化の強さ(Am/kg)に真比重を(g/cm)かけて、本発明の磁化の強さ(×10−3Am/cm)とする。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(ハイブリッド樹脂製造例)
ビニル系共重合体として、スチレン2.2mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.18mol、フマル酸0.14mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.04molを滴下ロートに入れる。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.1mol、無水トリメリット酸2.1mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系重合体の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応せしめてハイブリッド樹脂を得た。GPCによる分子量測定の結果を表1に示す。
(ポリエステル樹脂製造例)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.4mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、テレフタル酸1.3mol、無水トリメリット酸1.4mol、フマル酸2.4mol及び酸化ジブチル錫0.12gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂を得た。GPCによる分子量測定の結果を表1に示す。
(スチレン-アクリル樹脂製造例)
・スチレン 68質量部
・アクリル酸n−ブチル 25質量部
・マレイン酸モノブチル 6質量部
・2,2−ビス(4,4−ジ−t−
ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン 1質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し120℃に昇温させた後3.5時間かけて滴下した。更にキシレン還流後下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、スチレン-アクリル樹脂を得た。GPCによる分子量測定の結果を表1に示す。
Figure 2005181657
本発明に用いた離型剤を表2に示す。
Figure 2005181657
(トナーの製造例1)
結着樹脂:ハイブリッド樹脂 100質量部
ワックス:精製 フィッシャートロプシュ ワックス(A) 3.5質量部
荷電制御剤:芳香族オキシカルボン酸Al化合物(I) 2.5質量部
顔料:顔料C.I.ピグメンブルー15:3 5.5質量部
をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して、シアン系樹脂粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対して、n−CSi(OCHで処理した疎水性酸化チタン(BET110m/g)1.5質量部を外添混合しシアントナー1を得た。得られたトナーの安息角を測定したところ、36°であることが判明した。また重量平均粒径は7.5μmであった。
(トナーの製造例2)
トナー製造例1に使用したエアージェット方式による微粉砕機での粉砕力をアップさせ、小粒径のトナーにしたこと以外は、トナー製造例1と同様の操作を行うことにより、トナー2を得た。得られたトナーの重量平均粒径は2.8μmであり、トナーの安息角は47°であった。
(トナーの製造例3)
トナー製造例1に使用したワックスの代わりに、精製ノルマルパラフィンワックス(B)を使用したこと以外は、トナー製造例1と同様の操作を行うことにより、トナー3を得た。得られたトナーの重量平均粒径は4.8μmであり、トナーの安息角は48°であった。
(トナーの製造例4)
トナー製造例1に使用したワックスの代わりに、精製ノルマルパラフィンワックス(C)を使用したこと以外は、トナー製造例1と同様の操作を行うことにより、トナー3を得た。得られたトナーの重量平均粒径は6.2μmであり、トナーの安息角は42°であった。
(トナーの製造例5)
トナー製造例1に使用した結着樹脂の代わりに、ポリエステル樹脂を使用し、さらに外添量を2.5部に変更したこと以外は、トナー製造例1と同様の操作を行うことにより、トナー5を得た。得られたトナーの重量平均粒径は7.2μmであり、トナーの安息角は25°であった。
(トナーの製造例6)
トナー製造例1に使用した結着樹脂の代わりに、ポリエステル樹脂を使用したこと以外は、トナー製造例1と同様の操作を行うことにより、トナー6を得た。得られたトナーの重量平均粒径は9.2μmであり、トナーの安息角は30°であった。
(トナーの製造例7)
トナー製造例1に使用した結着樹脂の代わりに、ポリエステル樹脂を使用し、さらに外添量を0.5部に変更したこと以外は、トナー製造例1と同様の操作を行うことにより、トナー7を得た。得られたトナーの重量平均粒径は7.9μmであり、トナーの安息角は51°であった。
(トナーの製造例8)
トナー製造例1に使用した結着樹脂の代わりに、スチレン−アクリル樹脂を使用し、ワックス成分を使用しなかったこと以外は、トナー製造例1と同様の操作を行うことにより、トナー8を得た。得られたトナーの重量平均粒径は9.5μmであり、トナーの安息角は34°であった。
それぞれのトナー物性を表3に示す。
Figure 2005181657
(キャリア製造例1)
・フェノール 11.0質量部
・ホルムアルデヒド溶液 9.5質量部
(ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水)
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0質量%
で親油化処理したマグネタイト微粒子 60.0質量部
(平均粒径0.23μm、比抵抗8×105Ω・cm、1000/4π(kA/m)における磁化の強さ49Am2/kg)
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0質量%で親油化処理したα−Fe23微粒子I 19.5質量部
(平均粒径0.62μm、比抵抗3×109Ω・cm)
ここで用いたマグネタイト及びα−Fe23の親油化処理は、マグネタイト98質量部及びα−Fe23 98質量部のそれぞれに対して2.0質量部のシラン系カップリング剤(3-(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、ヘンシェルミキサー内で100℃で40分間、予備混合撹拌することによって行なった。
上記材料および水12質量部を40℃に保ちながら、1時間混合を行った。このスラリーに塩基性触媒として28質量%アンモニア水2.2質量部、および水11質量部をフラスコに入れ、撹拌・混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応させ、フェノール樹脂を生成し硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に180℃で乾燥して、フェノール樹脂を結着樹脂としたマグネタイト微粒子含有球状の磁性キャリアコア粒子を得た。
この粒子を60メッシュ及び100メッシュの篩によって、粗大粒子の除去を行ない、次いでコアンダ効果を利用した多分割風力分級機(エッポジェットラボEJ−L−3、日鉄鉱業社製)を使用して微粉除去及び粗粉除去をおこない、体積平均50%粒径35μmのキャリアコア粒子を得た。
得られたキャリアコア粒子をコーター内に投入し、加湿窒素を流入させ水分量0.3質量%に調整した。その後、トルエン溶媒を用いて希釈したγ−アミノプロピルトリメトキシシラン3質量%を剪断応力を連続して印加しつつ、コア表面に処理した。またその際、40℃,13300Pa(100Torr)、乾燥窒素気流下で溶媒を揮発させながら行なった。引き続き、置換基がすべてメチル基であるストレートシリコーン樹脂0.5質量%及び、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.02質量%の混合物をトルエンを溶媒として被覆した。その際、40℃,66500Pa(500Torr)、乾燥窒素気流下で溶媒を揮発させながら行なった。
さらに、この磁性コートキャリアを140℃で焼き付け、100メッシュの篩で、凝集した粗大粒子をカットし、次いで多分割風力分級機で微粉及び粗粉を除去して粒度分布を調整し、磁性コートキャリア1を得た。
得られたコートキャリアの重量平均粒径を測定したところ、35μmであり、また、キャリアの表面凹凸度の指標であるRa/Sm値は0.45であり、そして、1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、38Am2/kgであった。
(キャリア製造例2)
キャリア製造例1において、塩基性触媒添加前後の攪拌速度を0.8倍にすること、そしてα−Fe23微粒子の重量平均粒径を0.90μmすること以外は同様にして磁性コートキャリア2を得た。キャリアの重量平均粒径を測定したところ、51μmであり、また、Ra/Sm値は0.50、そして、1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、37Am2/kgであった。
(キャリア製造例3)
キャリア製造例1において、塩基性触媒添加前後の攪拌速度を1.8倍にすること以外は同様にして磁性コートキャリア3を得た。キャリアの重量平均粒径を測定したところ、19μmであり、また、Ra/Sm値は0.47、そして、1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、32Am2/kgであった。
(キャリア製造例4)
キャリア製造例1において、マグネタイトとヘマタイトの比率を49.5:30とし、マグネタイトとして平均粒径0.22μm、比抵抗5.3×105Ω・cm、1000/4π(kA/m)における磁化の強さ32Am2/kgのマグネタイトIIIにすることを除いては、キャリア製造例1と同様にして磁性コートキャリア4を得た。キャリアの重量平均粒径を測定したところ、62μmであり、また、Ra/Sm値は0.25、そして、1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、67Am2/kgであった。
(キャリア製造例3)
キャリア製造例1において、α−Fe23微粒子の重量平均粒径を0.90μmすること以外は同様にして磁性コートキャリア3を得た。キャリアの重量平均粒径を測定したところ、33μmであり、また、Ra/Sm値は0.47、そして、1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、32Am2/kgであった。
(キャリア製造例4)
キャリア製造例1において、マグネタイトとして平均粒径0.24μm、比抵抗5.5×105Ω・cm、1000/4π(kA/m)における磁化の強さ77Am2/kgのマグネタイトIIを使用することを除いては、キャリア製造例3と同様にして磁性コートキャリア4を得た。キャリアの重量平均粒径を測定したところ、31μmであり、また、Ra/Sm値は0.25、そして、1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、75Am2/kgであった。
(キャリア製造例5)
キャリア製造例1において、マグネタイトとヘマタイトの比率を49.5:30とし、さらに塩基性触媒添加前後の攪拌速度を1.3倍にすることことを除いては、キャリア製造例1と同様にして磁性コートキャリア5を得た。キャリアの重量平均粒径を測定したところ、24μmであり、また、Ra/Sm値は0.11、そして、1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、69Am2/kgであった。
(キャリア製造例6)
モル比で、Fe=50モル%、CuO=26モル%、ZnO=24モル%になるように秤量し、ボールミルを用いて混合を行った。これを仮焼した後、ボールミルにより粉砕を行い、更にスプレードライヤーにより造粒を行った。これを焼結し、更に分級してキャリアコア粒子を得た。更に、上記で得られた粒子の表面に、キャリア1と同様な方法で樹脂コートしたキャリア6を得た。キャリアの重量平均粒径を測定したところ、40μmであり、また、Ra/Sm値は0.02、そして、1000/4π(kA/m)における磁化の強さは、78Am2/kgであった。
それぞれのキャリアの物性を表4に示す。
Figure 2005181657
トナー1、8質量部に対しキャリア1を92質量部をターブラーミキサーにより混合し、二成分系現像剤とした。摩擦帯電量を測定した結果、−39.1mc/kgであった。
得られた二成分系現像剤の安息角を測定後、図2に示す如き潜像担持体周りの構成を有する図4に示す画像形成装置の現像装置63dに投入して、下記の条件で画像の形成を行った。
現像バイアスとして、図3の現像バイアスを使用したものを用い、定着装置のローラー表層をPFAで1.3μm被覆したローラーに変更し、オイル塗布機構を除去した構成に改造し、23.5℃、60%湿度の環境下で、画像比率8.0%のテストチャートを用い計5000枚画像出しし耐久試験をおこない、さらに、1ドット1スペースのパターンを出力することによりドット再現性のチェックもおこない、以下の評価方法に基づいて評価した。
その結果、一次転写効率、二次転写効率、600dpiドット再現性、さらに、200線画像の中抜けの評価に関して、全て良好な結果が得られ、安定した画像が得られた。
また、該現像器にて1時間、0.5m/secに空回転させた時の安息角の結果も良好で、初期の安息角と同等な結果であった。
実施例の構成及び評価結果は、表5に記載する。
トナー1とキャリア2を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。摩擦帯電量を測定した結果、−38.1mc/kgであった。
その結果、一次転写効率、二次転写効率、600dpiドット再現性、さらに、200線画像の中抜けの評価に関して、全て良好な結果が得られ、安定した画像が得られた。
また、該現像器にて1時間、0.5m/secに空回転させた時の安息角の結果も良好で、初期の安息角と同等な結果であった。
トナー4とキャリア1を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。摩擦帯電量を測定した結果、−40.1mc/kgであった。
該現像器にて空回転させた時の安息角の上昇が少し見られたが、大きな問題はなかった。
トナー4とキャリア2を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。摩擦帯電量を測定した結果、−40.7mc/kgであった。
該現像器にて空回転させた時の安息角の上昇が少し見られ、また、若干の中抜けも生じたが、特に問題にならないレベルであった。
トナー1とキャリア5を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。摩擦帯電量を測定した結果、−36.7mc/kgであった。
若干の中抜けが生じたが、ドット再現性も良く特に問題にならないレベルであった。
トナー3とキャリア1を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。摩擦帯電量を測定した結果、−44.7mc/kgであった。
トナー粒径が比較的小さめのため、ドット再現性は優れていた一方で、転写性が少し低下したが、特に問題の無いレベルであった。
トナー4とキャリア5を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。摩擦帯電量を測定した結果、−37.7mc/kgであった。
該現像器にて空回転させた時の安息角の上昇が少し見られ、また、若干の中抜けも生じたが、大きな問題に繋がるものではなかった。
トナー3とキャリア2を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。摩擦帯電量を測定した結果、−45.7mc/kgであった。
耐久後のドット再現性および、中抜けのレベルがやや低下した。また、転写性が少し低下したが、特に問題の無いレベルであった。
トナー3とキャリア5を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。摩擦帯電量を測定した結果、−40.9mc/kgであった。
該現像器にて空回転させた時の安息角の上昇が少し見られ、また、転写、ドット再現性、及び中抜けレベルが若干低下したが、大きな問題に繋がるものではなかった。
実施例の構成及び評価結果は、表5に記載する。
(比較例1)
トナー6、キャリア3を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。
該現像器にて空回転させた時の安息角の上昇が高く、5000枚プリント時のドット再現性が低下した。また、画像出力当初から感光体へのキャリア付着が発生した。
(比較例2)
トナー5、キャリア4を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。
該現像器にて空回転させた時の安息角の上昇が非常に大きく、5000枚プリント時のドット再現性が悪化した。また、初期の段階で、トナーの飛び散りが生じていた。また、耐久につれ、徐々にキャリアへの汚染が起こり、現像性の変化が見られた。
(比較例3)
トナー5、キャリア3を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。
初期の段階で、トナーの飛び散り、また感光体へのキャリア付着が生じていた。また、二次転写効率も悪化しており、さらに5000枚プリント時にはドット再現性が悪化した。
(比較例4)
トナー2、キャリア4を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。
該現像器にて空回転させた時の安息角の上昇が非常に大きく、5000枚プリント時のドット再現性、中抜けレベルも悪化した。また、初期の段階から転写効率が低下していた。また、耐久につれ、徐々にキャリアへの汚染が起こり、現像性の変化が見られた。
(比較例5)
トナー7、キャリア6を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。
現像剤の安息角が非常に高く、現像性に問題があり、ドット再現性には大きな問題があった。
(比較例6)
トナー3、キャリア6を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。
該現像器にて空回転させた時の安息角の上昇が非常に大きく、転写性に大きな問題があった。また、5000枚プリント時のドット再現性、中抜けレベルも悪化した。また、耐久につれ、徐々にキャリアへの汚染が起こり、現像性の変化が見られた。
(比較例7)
トナー8、キャリア4を用いて、実施例1と全く同様にして画像出し耐久試験をおこなった。
低温定着性に問題があり、該現像器にて空回転させた時の安息角の上昇が非常に大きく、5000枚プリント時のドット再現性のレベルが悪かった。また、耐久につれ、徐々にキャリアへの汚染が起こり、現像性の変化が見られた。
Figure 2005181657
(1)安息角測定(トナー及び二成分系現像剤)
図5は、安息角測定の方法の一例を説明するための概略的説明図である。本発明におけるトナーの安息角Φは、以下の方法を用いて測定した。
測定装置:パウダーテスターPT−N型(ホソカワミクロン株式会社)
測定方法:パウダーテスターPT−N型に付属する取り扱い説明書における安息角の測定に準拠する(篩の目開き710μm、振動時間180s、振幅2mm以下)。トナーをロート2から円盤3上に落下させ、この円盤3上に円錐状に堆積したトナーの母線と円盤3表面とのなす角を安息角として求める。
但し、試料を23℃、相対湿度60%(以下、これを60%RHと表記する)で一晩放置した後、23℃、60%RH環境下にある測定装置で安息角を測定し、5回測定を繰り返して算術平均をとった値をΦとする。
(2)転写効率測定
転写効率測定は、5000枚ランニング後の現像剤にて23.5℃、60%湿度の環境下で(N/N)で行なった。評価方法は、まず感光体ドラム上にベタ黒画像を形成し、そのベタ黒画像を透明な粘着テープで採取し、その画像濃度(D1)をカラー反射濃度計(color reflection densitometer X−RITE 404A manufactured by X−Rite Co.)で測定した。次に再度、ベタ黒画像を感光体ドラム上に形成し、ベタ黒画像を記録材へ転写し、記録材上に転写されたベタ黒画像を透明な粘着テープで採取し、その画像濃度(D2)を測定した。転写効率は、得られた画像濃度(D1)及び(D2)から下式に基づいて算出した。
転写効率(%)=(D2/D1)×100
◎:97〜100%
○:95〜97%
△:85〜95%
□:80〜85%
×:80%以下
(3)画質
オリジナル原稿を基準にして、600dpiドット再現性、200線中抜けレベルについて目視で総合的に5段階評価した。
◎:優れている
○:良い
△:普通である
□:悪い
×:非常に悪い
現像財担持体表面の模式図 潜像担持体周りの構成を示す図 現像バイアスの図 画像形成装置の図 安息角測定の方法の一例の概略的説明図

Claims (4)

  1. 静電潜像を二成分系現像剤のトナーで現像して静電潜像担持体上にトナー像を形成する現像工程;及び該静電潜像担持体上のトナー像を、中間転写体を介して又は介さずに、転写材上に転写する工程;を少なくとも有する画像形成方法に使用する二成分系現像剤において、
    i)該トナー重量平均粒径が3.0μmないし8.0μmの範囲であり、
    ii)該キャリアが磁性体分散型樹脂キャリアであり、
    iii)該キャリア重量平均粒径が20ないし60μmの範囲であり、
    iv)該二成分系現像剤の安息角が30°ないし50°の範囲であることを特徴とする二成分系現像剤。
  2. 該トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、微粒子を有し、該トナーの安息角が35ないし48の範囲であること特徴とする請求項1に記載の二成分系現像剤。
  3. 該磁性体分散型樹脂キャリアの表面形状が、下記の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の二成分系現像剤。
    0.2μm≦中心線平均粗さ(Ra)≦5.0μm
    10μm≦凹凸の平均間隔(Sm)≦80μm
    0.05≦Ra/Sm≦0.5
  4. 該二成分系現像剤は、現像器にて1時間、0.5m/secに空回転させた時の二成分系現像剤安息角が30°ないし50°であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二成分系現像剤。
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