JP2005181627A - 定着装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

定着装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

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【課題】 加熱部材側へのトナーの転移を確実に防止して転写材への汚損などの発生を確実に防止できる構成を備えた定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 トナー像を挟持搬送しながら定着する構成として、トナー像に対向する側に配置されて該トナー像を加熱する加熱部材34と、該加熱部材34に対向して配置され、上記転写材を上記加熱部材34に向けて加圧する加圧部材31とを備え、上記転写材におけるトナー像担持面と反対側に位置する加圧部材31の構成として、上記転写材に担持されているトナーを上記加熱部材34側に向けて静電的に反撥させない表面特性を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は定着装置およびこれを用いる画像形成装置さらに、画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジに関し、さらに詳しくは、トナー像を担持した転写材へのオフセット防止に関する。
複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置や印刷機などの画像形成装置においては、潜像担持体である感光体上に形成された静電潜像が現像されてトナー像が形成されると、記録紙などの転写材に対してトナー像が転写され、転写を受けた転写材は定着装置によりトナー像を定着される。
定着装置においては、トナー像に対して熱および圧力を作用させることにより、融解したトナーを転写材に浸透される定着行程が実行される。
定着装置の構成の一つに加熱源を内蔵した加熱ローラおよびこれに対向当接して定着ニップ部を構成可能な加圧ローラとを用いて熱ローラ定着方式を実施することができる構成がある。
熱ローラ定着方式の場合には、熱容量が比較的大きい材質からなるローラを使用することが多いことから、所定温度までの立ち上がり時間が長いという問題があった。
従来、このような問題を解消する定着方式として、トナーと接触する側の加熱部材として一つのローラに掛け回されたベルトを用い、立ち上がり時間の短縮と共に定着ニップの拡大を可能にした構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
ベルトはローラなどの構造と違って厚さを薄くすることにより熱容量を小さくできることにより所定温度までの立ち上がり時間を短縮することが可能となり、ベルトの可撓性を利用してこれに当接する加圧部材に対する接触面積を拡大して熱伝達領域を拡大できる利点がある。
一方、熱および圧力の作用を受けるトナーは、融解時に一部が加熱部材側に転移し、いわゆるホットオフセットを生じる場合がある。このため、従来では、加熱部材の表面にフッ素系樹脂などを被覆したオフセット防止層やあるいは離型性のよいシリコンオイルなどを塗布する等の対策が採られている。
しかし、加熱部材側でのオフセットには、上述した熱の影響によるホットオフセットの他に、融解前の未定着トナーが加熱部材に付着するコールドオフセットが発生することもある。
コールドオフセットは、転写材に対して自らの粘度だけでなく静電気力により付着しているだけのトナーが加圧部材とで構成される定着ニップ部に達した時点で加熱部材側に転移して付着する現象であり、付着したトナーは加熱部材による熱によって融解した状態で再度転写材に対面すると転写材を汚染する原因となる。
コールドオフセットが発生する原因の一つに摩擦帯電がある。つまり、加熱部材および加圧部材は加工精度の違いにより相対移動速度が異なる場合があり、このような状態で転写材が定着ニップ部内を移動すると、加熱部材、加圧部材および転写材の3者間での速度差による摩擦帯電が発生しやすくなる。このため、加熱部材が帯電することによりあるいはファンデルワールス力により転写材に担持されているトナーが加熱部材側に向けて静電的に吸着されてしまうことがある。
摩擦帯電が起こる原因としては、単に加工精度の違いだけではなく、加熱部材側の熱膨張による線速の変化も挙げられる。
従来、このような加熱部材側での帯電を抑制するために、定着ニップ部を通過した加熱部材の表面をクリーニングするための構成を設けることが良く知られているが、構成の複雑化や大型化を招く不具合がある。そこで、クリーニング装置を用いないようにするための構成として、トナーと接触する側に位置する加熱部材、例えば加熱ローラの表層部として構成されている離型性層での表面抵抗および体積抵抗を規定することが提案されている(例えば、特許文献2)。
加熱部材側での表面特性を特定することとは別に、加圧部材側の表面特性として、表面抵抗率を規定する構成も提案されている(例えば、特許文献3)。
一方、近年要求が高まる傾向にある高画質化への対策として、使用する現像剤、特に、トナーに関し、不定形で粒径分布や流動性および転写性さらには不定形による突起などが存在することにより突起部での電荷集中などが起こることで帯電特性が悪化しやすいという不具合がある混連粉砕法によるトナーに代えて、粉砕行程を含まない重合法によるトナーを用いることが提案されている(例えば、特許文献4)。
特開平11−282307号公報(段落「0026」欄) 特開2002−40856号公報(段落「0022」欄) 特開2003−76190号公報(段落「0016」欄) 特開2002−351143号公報(段落「0013」欄)
コールドオフセットの発生原因となる摩擦帯電は、上述したよう定着に用いられる部材間および転写材の間に発生する速度差が影響しており、この速度差をなくすことは殆ど無理であるのが現状である。このため、摩擦帯電した場合には、トナーと対面する側の加熱部材でトナーの付着を防止するための構成を設けることが重要となり、この点に関しては特許文献2に開示されている。
しかし、トナーが加熱部材に向けて転移する原因には、単に摩擦帯電による静電気力やファンデルワールス力だけでなく、転写材上のトナーと加圧部材との間の帯電極性がある。
転写材上に担持されているトナーは、加圧部材の帯電極性と同極性のものも含まれる場合があり、この場合には加圧部材とトナーとの間に反撥関係が成立してトナーが加熱部材側に飛翔して付着することがある。
転写材上に担持されたトナーが加圧部材の帯電極性と同極性となる理由は、転写時にACバイアスが用いられる場合があり、正規の転写バイアス極性とは逆極性に帯電したトナーも存在した状態で加圧部材と対向すると、互いに反撥することになる。
このような現象が発生する構成に対して、特許文献3に開示されている構成、つまり、加圧部材の表面抵抗率を規定した構成は、加熱部材および加圧部材間でのバイアス効果を用いる際に転写材後端での剥離放電が発生して加熱部材側での表面電位が不均一となるのを防止することが目的であり、加熱部材および加圧部材間での線速差による摩擦帯電が原因してトナーに反撥現象が発生することを解消するようにはなっていない。従って、加熱部材の表面電位が不均一となることで転写材上のトナーが加熱部材側に吸引されるのを防止できるものの、あくまでも加熱部材とトナーとの間の関係であり、線速差による帯電を考慮したものではないために転写材後端以外での帯電により加圧部材側から加熱部材側に向けたトナーの反撥を解消することはできない。
一方、近年では高画質化が望まれるようになっており、このための手法として、粒度分布や流動性などにおいて従来の粉砕工法によるトナーではなく重合法によるトナーを用いることがある。この場合、重合トナーが湿度などの環境変動の影響を受けやすいために帯電特性によっては加圧部材との間で反撥現象が顕著となり、加熱部材への付着が促進される場合がある。
本発明の目的は、上記従来の定着装置における問題に鑑み、加熱部材側へのトナーの転移を確実に防止して転写材への汚損などの発生を確実に防止できる構成を備えた定着装置および画像形成装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、潜像担持体から転写されたトナー像を担持している転写材を挟持搬送しながら該トナー像の定着を行う定着装置において、上記トナー像を挟持搬送しながら定着する構成として、上記トナー像に対向する側に配置されて該トナー像を加熱する加熱部材と、該加熱部材に対向して配置され、上記転写材を上記加熱部材に向けて加圧する加圧部材とを備え、上記転写材におけるトナー像担持面と反対側に位置する加圧部材の構成として、上記転写材に担持されているトナーを上記加熱部材側に向けて静電的に反撥させない表面特性を備えていることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記加圧部材の表面特性の一つとして表面電位が用いられ、該表面電位が上記転写材上のトナーが上記加熱部材側に向けて静電的な転移を生じない電位に設定されていることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の定着装置において、上記加熱部材は無端状ベルトで構成され、上記加圧部材は上記無端状ベルトに接触しながら連動することにより接触ニップを構成可能なローラで構成され、該加圧部材として用いられるローラは、上記転写材に担持されているトナーを上記無端状ベルトに向けて反撥させることがない帯電特性が得られる表面電位に設定されていることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載の定着装置において、上記加圧部材側の表面電位は、絶対値において100(V)以下に設定されていることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の定着装置において、上記無端状ベルトと上記加圧部材とで構成される接触ニップ部直前での上記無端状ベルトの表面電位の絶対値が、30(V)以下であることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の定着装置において、画像を記録媒体上に形成するための像形成物質として、有機溶媒中に変性ポリエステル形樹脂からなるプレポリマー、該プレポリマーと伸張又は架橋する化合物、及びトナー組成分を溶解又は分散させ、該溶解又は分散物を水系媒体中で架橋反応及び/又は伸張反応させ、得られた分散液から溶媒を除去することにより得られた重合トナーを用いることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、 請求項6記載の定着装置において、上記重合トナーとして、該重合トナー中に分散された顔料系着色剤の分散粒径が個数平均径で0.5(μm)以下であり、その個数平均径が0.7(μm)以上の個数割合が5個数(%)以下のものを用いることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の定着装置において、上記重合トナーの構成成分である上記着色剤として、分散粒径が個数平均径で0.3(μm)以下であり、その個数平均径が10個数(%)以下のものを用いることを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項6乃至8のうちの一つに記載の定着装置において、上記重合トナーの重量平均粒径が、3.0(μm)以上であって7.0(μm)以下であり、粒径分布が1.00≦Dv/Dn≦1.20(Dv:重量平均粒径、Dn:個数平均粒径)であることを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項6乃至9のうちの一つに記載の定着装置において、上記重合トナーの円形度が、0.900以上であって0.960以下であることを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項6乃至10のうちの一つに記載の定着装置において、上記重合トナー中に含まれるポリエステル系樹脂のテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布において、その分子量2500〜10000の領域にメインピークが存在し、その数平均分子量が2500〜50000の範囲にあることを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項6乃至11のうちの一つに記載の定着装置において、上記重合トナー中に含まれるポリエステル系樹脂のガラス転移点が40〜65(℃)であり、その酸価が1〜30(mgKOH/g)であることを特徴としている。
請求項13記載の発明は、請求項6乃至12のうちの一つに記載の定着装置において、上記重合トナーの該油性分散液が、該アミンと非反応性のポリエステル系樹脂を溶解していることを特徴としている。
請求項14記載の発明は、請求項6乃至13のうちの一つに記載の定着装置において、上記重合トナーとキャリアを含有することを特徴とする現像剤を用いることを特徴としている。
請求項15記載の発明は、請求項1乃至14のうちの一つに記載の定着装置を画像形成装置に用いることを特徴としている。
請求項16記載の発明は、請求項15記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、上記潜像担持体、現像手段、転写手段およびクリーニング手段能珍尾少なくとも一つを備え、上記画像形成装置に対して着脱可能に設けられていることを特徴としている。
請求項1乃至5記載の発明によれば、転写材を挟持搬送する加圧部材側での表面電位を規定することにより、加圧部材側と転写材に担持されたトナーとの間での反撥現象を阻止して反撥したトナーが加熱部材側に転移するのを防止することができる。これにより、加熱部材に付着したトナーが熱融解されて再度転写材に付着することによる転写材の汚損を防止することが可能となる。この点について説明を加えると次の通りである。
転写材に相当する記録媒体上の未定着トナーが加熱部材としてベルトが用いられ、加圧部材として加圧ローラが用いられる場合でいうと、未定着トナーが定着ベルトへ付着する理由は、ファンデルワールス力や、静電的な力による。
静電的な力が発生する主な理由としては、定着ベルトあるいは記録媒体と、加圧ローラとの線速差により摩擦帯電が起こることが挙げられる。定着ベルト及び加圧ローラは、等速で回転することが望ましいが、製造上の精度の問題、熱の膨張率等の問題から完全な等速は困難である。そのため、定着ベルトと加圧ローラは微量の線速差があり、両者は摩擦帯電を起こしながら回転していることになる。この際、ベルトあるいは加圧ローラの表面抵抗率が高ければ摩擦帯電により発生した電荷を保持しながら回転することになる。そしてこの電荷により記録媒体上の未定着トナーの一部をベルト上へ引き付けるのである。
本発明者が鋭意検討を重ねた結果、上記無端状のベルトと上記加圧ローラの接触ニップ部直前での、加圧ローラの表面電位が±100(V)以上の場合には、静電オフセットが発生しやすいことが分かった。例えば、表面抵抗率の高い加圧ローラを用いた場合、加圧ローラの表面電位が高くなり、静電オフセット量も多いことが判明した。これは、加圧ローラの表面抵抗率が高いと、上記摩擦帯電により生じた電荷が加圧ローラ上に滞留し易くなり、その結果、加圧ローラの極性と同極性のトナーが、ベルト上に移転してしまうのである。なお、記録媒体上の未定着トナーの極性は、正規のトナー極性のものが大半であるが、その逆極性のトナーも存在している。これは、像担持体上の潜像を転写する際に、正規のトナー極性と逆極性のバイアスを印加することにより、逆極性に帯電するトナーが発生するためである。従って、正規のトナー極性に関わらず上記問題が発生し得る。尚、上記した接触ニップ部直前とは、定着される転写紙等の転写材が定着ニップに突入する直前の、未定着トナーが静電的な影響を受ける範囲のことを指し、転写材の搬送経路や無端状ベルト及び加圧ローラの材質や径により異なる、装置固有の範囲である。
一方、上記無端状のベルトと上記加圧ローラの接触ニップ部直前での、加圧ローラの表面電位が±100(V)以下の場合には、表面電位の極性、及びトナーの帯電極性に関わらず、表面電位に起因する静電オフセットを有効に防止できることが分かった。具体的な表面電位を小さくする方法としては、表面抵抗率の低い(10(Ω/□)以下)加圧ローラを用いることにより、加圧ローラの表面電位も低くなることがわかった。これは、加圧ローラの表面抵抗率が低いと、上記摩擦帯電により生じた電荷が加圧ローラ上に滞留しにくくなるため(アースに落ちやすくなるため)と考えている。その結果、未定着トナーがベルト上に移転するのを防止することができ、静電オフセットが原因するコールドオフセットを防止できるのである。
従って、記録媒体でのトナー担持面とは反対側に位置する加圧部材において表面電位を規定することで、上述したトナーの反撥を防止することができ、これにより、加熱部材である定着ベルトへのトナーの転移をなくすことが可能となる。
請求項6乃至14記載の発明によれば、摩擦帯電の影響を受けやすいトナーを用いた場合においても、帯電の影響をトナーの与えることを無くし、これにより加熱部材として定着ベルトを用いた場合での記録媒体への融解トナーの再付着による汚損を防止することが可能となる。
請求項15および16記載の発明によれば、記録媒体として用いられる転写材への汚損を防止することが可能となる。
以下、図面に示す実施例により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の実施例にかかる画像形成装置としての電子写真方式のフルカラープリンタを示す。図1において、箱状の装置本体1内には複数個の像担持体ユニットとしての感光体ユニット2Y、2M、2C、2Bkが、それぞれ装置本体1に着脱可能に装着されている。各符号の数字の後に付されたY,M,C,Bkは、言うまでもなく、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。
装置本体1内の中央部には、記録紙などの転写材が用いられる記録材の担持体としての転写ベルト3が、装置本体1の対角線方向に斜めに配置されている。転写ベルト3は、その一つに回転駆動力が伝達される複数のローラに架け渡されて矢印Aで示す方向に回転駆動可能に設けられている。
転写搬送ベルト装置20に設けられている無端ベルト状の転写ベルト3は、駆動ローラ22、従動ローラ23及びテンションローラ24,25に張架されている。転写ベルト3の上部走行面の内側には、各色作像ユニット2M,2C,2Y,2Bkの感光体ドラム4M,4C,4Y,4Bkにそれぞれ対向する位置に、転写手段を構成する転写ブラシあるいは転写ローラ等を用いた転写バイアス部材(図1では、便宜上、転写ベルト3を挟んで感光体ドラムに対峙する転写ローラが示されている)28が配置されている。この転写バイアス部材28には、トナーの帯電極性(本発明の実施例ではマイナス極性)とは逆極性(プラス極性)の転写バイアスが印加される。また、従動ローラ23の上部には、転写ベルト3を挟んで紙吸着ローラ27が設けられている。記録紙は、従動ローラ23と吸着ローラ27の間から転写ベルト3上に送り出され、吸着ローラ27に印加されたバイアス電圧によって静電的に転写ベルト3上に吸着された状態で搬送される。本発明の実施例では、転写搬送ベルト装置20が斜めに延在させているので、水平方向での転写搬送装置20の占用スペースを小さくすることができる。
感光体ユニット2Y、2M、2C、2Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体4Y、4M、4C、4Bkを有し、各感光体の表面が転写ベルト3と接触するように、同ベルトの上方に配設されている。感光体4Y、4M、4C、4Bkとしては、ベルト状の感光体等を用いてもよい。
感光体ユニット2Y、2M、2C、2Bkは、感光体4Y、4M、4C、4Bk上にY、M、C、Bk各色のトナー像を形成するためのユニットであり、装置本体1に配置される場所を除いては同一構成となっている。以下、イエロー用の感光体ユニット2Yについてのみ説明する。現像装置5Yは、感光体4Yと対向配置されている。現像装置5Yは、イエロートナーとキャリアを有する2成分現像剤を感光体4Y上の静電潜像に供給して各静電潜像を現像するものである。
感光体ユニット2Yを含む各感光体ユニットの上方には露光手段としての書き込み装置6が配置され、感光体ユニット2Yを含む各感光体ユニットの下方には両面ユニットが配置されている。両面ユニットの下方には、サイズの異なる転写材が収納可能な給紙ユニット7、8が配設されている。
各感光体ユニット間を通過した転写ベルト3の近傍には、定着装置30が配置されている。
各感光体ユニットは、装置本体1に着脱可能に取付けられるプロセスカートリッジを構成している。本発明の実施例においては、図2中に2点差線で囲って示すようにカートリッジ本体の外郭をなすケーシングにより構成されている。すなわち、図2において感光体ユニット2Yを用いて説明すると、感光体ユニット2Yには、感光体4Yと、感光体4Yに当接する帯電手段としての帯電ローラ11Yと、感光体4Yの表面をブラシローラ12Y及びクリーニングブレード13Yでクリーニングするクリーニング装置14Yとが内蔵されて構成されている。このようにプロセスカートリッジを装置本体に対して着脱可能に構成することにより、感光体4等を個別に交換可能とし、メンテナンス性を向上させることができる。
本発明の実施例では、図示しない操作部により画像形成が指示されると、図2を用いて説明すると、感光体4Yが図示しない駆動源により回転駆動されて時計回り方向に回転する。感光体ユニット2Yの帯電ローラ11Yは、図示しない電源から帯電バイアスが印加されて感光体4Yを一様に帯電させる。感光体4Yは、帯電ローラ11Yにより一様に帯電された後に書き込み装置6にて、Y色の画像データで変調されたレーザ光(図2中、符号Lで示す)により露光されて、表面に静電潜像が形成される。感光体4Y上の静電潜像は、現像装置5Yにより現像されてY色のトナー像となる。
一方、給紙カセット7、8のうち選択された方の給紙カセットからは、1枚の記録媒体としての記録紙が分離されて、感光体ユニット2Yよりも給紙側に配置されたレジストローラ15に突き当たる。そして、記録紙は、各色トナー像の転写タイミングに同期するようにして、転写ベルト3上の裏面側により搬送され、各感光体4Y,4M,4C,4Bkに対向する転写位置に至る。この転写位置には、転写ベルト3の裏面側に配置された転写バイアス部材28に印加されるバイアスの作用により転写電界が形成される。この転写電界により、各感光体ドラム4Y,4M,4C,4Bk上の各色トナー像は、記録材上に互いに重ね合わさるように順次転写される。なお、モノクロ画像をプリントする場合は、黒用の作像ユニット2Bkの感光体ドラム4Bkにのみ黒トナーによるトナー像を形成する。この場合には、転写ベルト3が図1において二点鎖線で示すように他の色の感光体ユニットから離される。そして、このトナー像の転写タイミングに同期するようにして転写ベルト3により記録紙を搬送して、黒トナー像のみ転写を行う。
このようにして、各色トナー像が転写された記録紙は、駆動ローラ22の位置で転写ベルト3から曲率分離され定着装置30に送られる。そして、定着装置30の定着ニップを通過する際、熱と圧力により、各色トナー像が記録紙上に定着される。定着を終えた記録紙は、装置本体の上面に設けられた排紙トレイ10に排紙されるか、図2中、符号90で示す両面装置への導入のいずれかが選択される。
次に、本発明の実施例の特徴部分である定着装置30について説明する。図3は、本発明の実施例に係る定着装置の概略構成図を示している。本発明の実施例ではベルト定着方式を採用しており、バックアップローラ32と加熱ローラ33とにトナーを担持しているシート状の記録材を搬送するための無端状の定着ベルト34が巻き掛けられた構成となっている。
定着ベルト34は、記録材上に担持されているトナーに対面して加熱する側の加熱部材を構成している。
バックアップローラ32と加圧ローラ31は、定着ベルトを介して互いに圧接しており、定着ニップを形成している。加熱ローラ33及び加圧ローラ31にはそれぞれヒータ60、61が内蔵されている。また、定着ベルト34の温度管理のために加熱ローラ33の表面温度を検知するサーミスタ等の不図示の温度検知部材、定着される記録媒体を定着部に向けて案内するガイド12等が設けられている。さらに、定着ベルト34上には、オフセット防止用のオイルを塗布する手段としての塗布ローラ35、トナーがベルト上に付着した場合に備えてクリーニングローラ36とを備えている。なお、本発明の実施例では定着ベルト34が加熱ローラ33とバックアップローラ32とからなる一対のローラに張架されているが、それら以外のローラを用いて3つ以上のローラで張架してもよい。また、オイルレスタイプのトナーを用いるときには、上記オフセット防止用のオイルを塗布する手段としての塗布ローラ35は設けなくてよい。
定着ベルト34に適当な所定の張力を与えるため、加熱ローラ33は、バネなどの図示しない弾性体により、矢印P1で示すように、加熱ローラ33をバックアップローラ32から離間させる向きに付勢されている。加圧ローラ31は、以下の条件を満たすようにバックアップローラに当接するように構成されている。すなわち、バックアップローラ32の軸心を頂点とし、その軸心と、加熱ローラ33の軸心及び加圧ローラ31の軸心とをそれぞれ結ぶ2本の直線によって挟まれる角が鋭角をなすようにされている。これにより、シート状媒体にトナーを定着する定着領域(図3に示す定着部A、定着部B)を形成してシート状媒体を挾持すると共に、加熱する範囲が構成されるようになっている。定着部Aは、加圧ローラ31がバックアップローラ32に対向しない部位で定着ベルト34のみに当接する領域である。一方、定着部Bは、加圧ローラ31が定着ベルト34を介してバックアップローラ32に当接する領域である。
加圧ローラ31は、加熱部材をなす定着ベルト34に対して対向当接可能な加圧部材として用いられる部材であり、その構成としては、図4に示すように、芯金31Aとして、0.8(mm)厚さの鋼管(もしくは鉄管)が用いられ、その表面に、1.0(mm)のシリコンゴムからなる弾性層31Bが設けられ、さらに、その表面には、30(μm)のPFA(テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブ31Cが形成された3層構造であり、不図示の駆動手段により回転する。PFA層及び/又はシリコンゴム層において、カーボン等の導電性物質の混練量を変えることにより所望の表面抵抗率となるようにしている。
本発明の実施例では、表面抵抗率は、10(Ω/□)以下となるように設定され、表面電位が100V以下となる設定とされている。
現状における製造工程上の制約、及び表面抵抗を小さくするためにカーボン等の混練量を多くすると耐久性や離型性が低下することから、加圧ローラの表面抵抗率の下限としては、10(Ω/□)以上であることが望ましい。図4に示すように加圧ローラの芯金には、その端面にベアリング31Dが設けられている。
加圧ローラ31と定着ベルト34との間において線速の違いなどが原因して生起される摩擦帯電により発生した電荷は、PFA表面から芯金に向かって流れてアースに落とされている。このように、加圧ローラ31側での表面抵抗率は、摩擦帯電による電荷を接触的に除去することができ、これにより加圧ローラ31側での電荷の滞留がないようにしてある。
定着ベルト34は、3層構造となっている。本発明の実施例では、基体として厚さ90(μm)の導電性ポリイミド樹脂を用いている。この基体上には、200(μm)のシリコンゴムからなる弾性層が設けられている。この弾性層上には、表面層として機能する15〜30(μm)程度の厚みのPFA、又はPFAとPFTEとからなるチューブ表層が形成されている。シリコンゴム層において、カーボン等の導電性物質の混練量を変えることにより所望の表面抵抗率となるようにしている。表層をPFA、又はPFAとPFTEとかなるチューブ表層としたのは、離型性に優れているからである。本発明の実施例では、表面抵抗率は、1012(Ω/□)以下となるように設定している。ただし、表面抵抗率を低くすると、離型性や耐久性等の問題が発生するので材料選択には限界がある。
加熱ローラ33は、アルミ製の芯金と、テフロン(登録商標)からなる表層により構成されている。表層をテフロン(登録商標)より構成しているのは、ベルトのより防止、及び加熱ローラ表面の耐磨耗性を向上させるためである。また、万一トナーがベルト内周面に回りこんだ際に、トナーが加熱ローラ上に付着してベルトを傷つけるのを防止するためである。芯金の材質は、比熱が小さく、熱伝導率が大きいものが好ましく、他にも鉄、銅、ステンレス等の金属を使用することができる。
加熱ローラの芯金には、その端面にベアリングが設けてあり、加熱ローラ上の電荷はこのベアリングを介してアースに落とされるよう構成されている。摩擦帯電により発生したベルト上の電荷は、加熱ローラ表面を介して、上記アースに落とされていると考えている。
ここで、加熱ローラを、表面抵抗率の低い金属などで構成して電荷の流れを良好にすることも考えられる。しかしながら、かかる構成では万一トナーがベルト内周面に回り込んだ際には、トナーが加熱ローラに付着しやすくなり、ベルトを傷つける恐れがある等の理由により好ましくない。従って、表面抵抗率の高いテフロン(登録商標)などで表面を構成せざるを得ない。
バックアップローラ32は、金属からなる芯金と、この芯金を被覆する耐熱多孔質の弾性体層とを有する。本発明の実施例では、弾性体層として表面硬度(アスカ硬度)が50Sのシリコンスポンジを用いた。図示しない駆動手段によりバックアップローラの軸端が回転駆動されることで、バックアップローラ32が回転して加熱ローラ33の従動回転により定着ベルト34が駆動される。バックアップローラ32は、バネなどの図示しない弾性体により加圧ローラ31に圧接する向きに付勢されている。バックアップローラ32は、軸を介してアースに落とされている。しかし、弾性体層は、体積抵抗率が高いため、ベルト上の電荷をこのローラを介してアースに落とすのは困難と考えている。
加圧ローラとベルトは等速であることが望ましいが、熱の膨張や初期形状、製造上の精度の問題から完全な等速は困難である。線速差は、0.05から0.2(%)以下であることが好ましい。
記録媒体としては、コピー等に一般に用いられる普通紙(以下、単に「普通紙」という)のほか、以下のものを用いることが可能である。OHPシート、カードや葉書きなどの90K紙、坪量がおよそ100(g/m)相当以上の厚紙や封筒などの普通紙よりも熱容量が大きないわゆる特殊シート(以下、単に「特殊シート」という)などである。
次に、現像剤について説明する。近年は高画質化等の要望から重合法によるトナー(以下、「重合トナー」という)が広く使われるようになっている。従来用いられてきた粉砕トナーの問題点を克服するために、重合トナーの製造方法方法は、粉砕工程が含まれていないため、そのトナーの製造には練り工程及び粉砕工程が必要でなく、エネルギーの節約、生産時間の短縮、製品収率の向上等のコスト削減の寄与が大きい。また、このような重合法により得られる重合トナー粒子における粒度分布も、粉砕法によるトナーの粒度分布に比べてシャープな分布の形成が容易である上、ワックスの内包化も容易で、トナーの流動性を大きく向上させることもできる。また、粉砕法によるトナーに比して、帯電安定性、転写性について有利であり、球形トナーを得ることも容易である。
しかし、重合トナーには未だ解消されていない課題も多い。上記ベルト定着方式の定着装置に、像形成物質として重合トナーを使用した場合、従来の粉砕トナーを使用した場合に比して静電オフセットがより顕著に現れるという問題が生じた。ベルト上に付着したトナーを清掃するためにクリーニング装置を設けた場合を比較しても、重合トナーは粉砕トナーに比してクリーニング装置に回収されるトナー量が多い。また、重合トナーは、重合過程において表面張力が作用するため、粒子の真球度が高いものではあるが、そのトナー物性は例えば以下に説明するように未だ十分ではない点が多い。また、トナーの形状をコントロール(異型化)することは容易でない。
重合法の内で広く行われている懸濁重合法によるトナーの製造方法では、それに用いるバインダー(結着樹脂)用モノマーは人体に対して有害性のスチレンモノマーやアクリルモノマーに限られ、そして得られるトナーにはこれらの成分が含まれるため、環境上の問題がある。また、得られるトナーは、ワックスを内包化するため、トナーを実践に使用したときに、トナーの感光体への付着は低減されるものの、トナーの定着性については、ワックスが粒子界面状に存在する粉砕法に比べて、内包化されている分、ワックスがトナー表面に染み出にくく定着効率の悪いトナーとなる。従って、重合トナーは、消費電力に対しては不利なトナーとなってしまう。さらに、重合トナーの場合、その定着性向上を図るためワックスを増量したり、ワックスの分散粒径を大きくすると、カラートナーとして用いる場合、そのカラー画像の透明性が悪化するため、OHPによるプレゼンテーション画像形成用トナーとして用いるには不適なものとなる。
重合トナーの製造法には、懸濁重合法の他、異型化が比較的可能な乳化重合法などもある。乳化重合法においても、そのモノマーはスチレンモノマーに限られる。この方法の場合も、その未反応モノマー分のトナー粒子からの完全除去や、乳化剤、分散剤のトナー粒子からの完全除去はむずかしく、トナーによる環境問題をも生じるようになってきている。
トナーの製造法として溶解懸濁法が知られている。この方法の場合、低温定着が可能なポリエステル樹脂を使用できるメリットはあるが、この方法の場合、低温定着性樹脂や着色剤を溶剤に溶解又は分散する工程において高分子量成分を加えるため、液粘度が上がり生産性上の問題が発生するようになる。さらに、この溶解懸濁法においては、トナーの表面形状に関し、球形で且つ表面を凹凸形状にすることによりトナーのクリーニングの改善を図っている(特開平9−15903号公報)が、このようなトナーは規則性のない不定形トナーであるため、帯電安定性にかけ、さらに耐久性や離型性にも問題があり、満足すべきトナー品質は得られていない。
特開平11−133665号公報によれば、トナーの流動性改良、低温定着性改良、ホットオフセット性改良を目的に、トナーバインダーとしてウレタン変性されたポリエステルの伸長反応物からなる実用球形度が0.90〜1.00の乾式トナーが提案されている。また、小粒径トナーとした場合の粉体流動性、転写性に優れるとともに、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れた乾式トナーが特開平11−149180号公報及び2000−292981号公報等に記載されている。これらの公報に記載されたトナーの製造方法は、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを水系媒体中でアミンと重付加反応させる高分子量化工程を含むものである。
しかしながら、前記のような重合法により得られる重合トナーの場合、顔料の分散が悪く、顔料はトナー中に不均一に分散しているために、このトナーにより得られた画像は、透明性が低く、彩度(鮮やかさ)に劣るという問題点を有するものであった。特に、前記トナーを用いてOHPシート上にカラー画像を形成した場合、その画像は暗い画像となる欠点を生じた。
次に、本発明の実施例で用いた重合トナーについて詳細に説明する。本発明の実施例で用いた重合トナーは、有機溶媒中に少なくとも、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマーAが溶解し、顔料系着色剤が分散し、離型剤が溶解ないし分散している油性分散液を水系媒体中に無機微粒子及び/又はポリマー微粒子の存在下で分散させるとともに、この分散液中で該プレポリマーAをポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するモノアミンBと反応させてウレア基を有するウレア変性ポリエステル系樹脂Cを形成させ、このウレア変性ポリエステル系樹脂Cを含む分散液からそれに含まれる液状媒体を除去することにより得られるものである。
ウレア変性ポリエステル系樹脂Cにおいて、そのTgは40〜65(℃)、好ましくは45〜60(℃)である。その数平均分子量Mnは2500〜50000、好ましくは2500〜30000である。その重量平均分子量Mwは1万〜50万、好ましくは3万〜10万である。
このトナーは、該プレポリマーAと該アミンBとの反応によって高分子量化されたウレア結合を有するウレア変性ポリエステル系樹脂Cをバインダー樹脂として含む。そして、そのバインダー樹脂中には着色剤が高分散している。
前記トナーについて鋭意検討を重ねた結果、トナー粒子中に含まれる顔料系着色剤の分散粒径が個数平均径を0.5(μm)以下に規定するとともに、その個数平均径が0.7(μm)以上の個数割合を5(%)以下にコントロールすることにより、低温定着性、帯電安定性及び流動性にすぐれるとともに、高品質の画像を与え、特に、透明性の良い光沢性にすぐれたカラー画像を与えるトナーが得られることを見出した。
さらに検討した結果、該着色剤の分散粒径を個数平均径で0.3(μm)以下に規定するとともに、個数平均径が0.5(μm)以上の個数割合を10(%)以下にコントロールすることにより、さらに高品質のトナーが得られることを知見した。このようなトナーは、画像解像力にすぐれ、デジタル方式の現像装置用トナーとして好適なものとなる。特に、本発明の実施例によるカラートナーの場合、解像力及び透明性にすぐれ、色再現性の良い高品質のカラー画像を与える。
着色剤が均一に分散した前記トナーを得るには、トナーの製造条件に工夫を講ずることが必要であり、従来の製造条件では、前記した如き高品質のトナーを得ることはできない。
本発明の実施例の場合、前記高品質トナーを得るには、プレポリマーA、着色剤及び離型剤を含む油性分散液を形成させるに際し、該着色剤を粉砕する工程(湿式粉砕工程)を採用することが必要である。この場合の湿式粉砕工程を実施するための湿式粉砕装置としては、液体中で着色剤に衝撃力を与えて微粉砕し得る装置であればよく、任意のものを用いることができる。このようなものとしては、従来公知の各種の湿式粉砕装置、例えば、ボールミルやビーズミル等が挙げられる。
前記湿式粉砕工程において、その温度は5〜20(℃)、好ましくは15〜20(℃)である。
前記湿式粉砕条件を調節することにより、トナー粒子中に含まれる着色剤の分散粒径及び粒度分布を前記範囲にコントールすることができる。前記湿式粉砕工程は、必要に応じ、反応後の分散液に対しても適用することができる。さらに、本発明の実施例の場合、前記高品質トナーを得るには、樹脂中に着色剤を高濃度で分散させたマスターバッチ着色剤粒子を着色剤材料として有機溶媒中に添加し、攪拌分散させる方法を好ましく採用することができる。このマスターバッチ粒子を用いることにより、分散粒径の小さな着色剤が均一に分散した、透明性の良いカラー画像を与えるトナーを得ることができる。
このようなマスターバッチ着色剤粒子を好ましく製造するには、熱溶融性の樹脂と着色剤との混合物をその樹脂の溶融温度で高せん断力で混練し、得られた混練物を冷却固化し、この固化物を粉砕する。前記樹脂としては、前記プレポリマーA由来のウレア変性ポリエステル系樹脂Cと混和性の良い熱可塑性樹脂が用いられる。本発明の実施例の場合、ポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。前記熱可塑性樹脂において、その軟化点は100〜200(℃)、好ましくは120〜160(℃)であり、その数平均分子量Mnは、2500〜50000、好ましくは2500〜30000である。前記マスターバッチ着色剤粒子中の着色剤濃度は、10〜60重量(%)、好ましくは25〜55重量(%)である。
次に、トナー中の顔料系着色剤の分散粒径等のトナー物性の測定法について詳述する。トナー中の着色剤の分散粒径及び粒度分布を測定するには、トナーをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームMT6000−XL(盟和商事)にてトナーを約100nmに超薄切片化した測定サンプルを用意する。これを電子顕微鏡(日立製作所社製 H−9000NAR)を用いて加速電圧100kVにしてTEM写真を10000〜40000倍にて複数個撮影し、その画像情報をIMAGE ANALYZERの画像処理解析装置LUZEX IIIにて画像データに変換する。対象顔料系着色剤粒子は粒径にして0.1(μm)以上の粒径を有する粒子について無作為にサンプリングが300回を超えるまで測定を繰り返し、平均粒径と粒度(粒径)分布を求める。
本発明の実施例のトナーにおいて、その重量平均粒径(Dv)は3〜7(μm)であり、その個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)は1.00≦Dv/Dn≦1.20である。Dv/Dnをこのように規定することにより、高解像度、高画質のトナーを得ることが可能となる。また、より高品質の画像を得るには、着色剤の重量平均粒径(Dv)を3〜7(μm)にし、個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)を1.00≦Dv/Dn≦1.20にし、且つ3(μm)以下の粒子を個数(%)で1〜10個数(%)にするのがよく、より好ましくは、重量平均粒径を3〜6(μm)にし、Dv/Dnを1.00≦Dv/Dn≦1.15にするのがよい。このようなトナーは、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナーの粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に、転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の実施例で規定した範囲よりもトナーの体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着して、キャリアの帯電能力を低下させる。一方、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着が発生しやすくなる。これらの現象は、トナー中の微粉の含有率が大きく関係し、特に3(μm)以下の粒子含有量が10(%)を超えると、トナーのキャリアへの付着が生じにくくなる上、高いレベルで帯電の安定性を図ることがむつかしくなる。
逆に、トナーの粒子径が本発明の実施例で規定した範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、重量平均粒子径/個数平均粒子径が1.20よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、カーコールターカウンター法により測定される。トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。本発明の実施例においてはコールターカウンターTA−II型を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)と、PC9801パーソナルコンピューター(NEC製)とを接続し測定した。
次に、トナーの個数分布及び体積分布の測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150(ml)中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5(ml)加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて形成した約1(%)NaCl水溶液である。例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20(mg)加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100(μm)アパーチャーを用いて、トナー粒子の体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52(μm)未満;2.52〜3.17(μm)未満;3.17〜4.00(μm)未満;4.00〜5.04(μm)未満;5.04〜6.35(μm)未満;6.35〜8.00(μm)未満;8.00〜10.08(μm)未満;10.08〜12.70(μm)未満;12.70〜16.00(μm)未満;16.00〜20.20(μm)未満;20.20〜25.40(μm)未満;25.40〜32.00(μm)未満;32.00〜40.30(μm)未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00(μm)以上乃至40.30(μm)未満の粒子を対象とする。本発明の実施例のトナーに係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(Dv)と、その個数分布から求めた個数平均粒径(Dn)により、その比Dv/Dnを求めた。
トナーの耐ホットオフセット性に関しては、これまでにもバインダー樹脂の分子量分布の制御を含む様々な検討が行われてきた。低温定着性と耐ホットオフセット性という相反する性質の両立を図るための方法としては、分子量分布の広いバインダー樹脂を用いる方法や、分子量が数十万〜数百万の高分子量成分と、分子量が数千から数万の低分子量成分を含む少なくとも2つの分子量ピークを有する混合樹脂を用いる方法等がある。高分子量成分が架橋構造を持っているか又はゲルの状態であると、ホットオフセットにはより効果的である。しかし、光沢性や透明性なども求められているフルカラートナーにおいては、高分子量成分の多量の導入は好ましくない。本発明の実施例の場合、トナーはウレア結合を有する高分子量のウレア変性ポリエステル系樹脂を含むことから、透明性や光沢性を満足しながら、耐ホットオフセット性をも達成することが可能になった。
トナー中に含まれるバインダー樹脂成分の分子量分布は、GPCにより以下のようにして測定される。40(℃)のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラム溶媒としてTHFを毎分1(ml)の流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量(%)に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定操作を行う。試料の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co。あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いる。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
トナー中に含まれる前記バインダー成分の分子量分布におけるそのメインピーク分子量は、通常2500〜10000、好ましくは2500〜8000、さらに好ましくは2500〜6000である。分子量1000未満の成分の量が増えると耐熱保存性が悪化する傾向となる。一方、分子量30000以上の成分が増えると単純には低温定着性が低下傾向になるが、バランスコントロールでその低下を極力押さえることも可能である。分子量30000以上の成分の含有量は1(%)〜10(%)で、トナー材料により異なるが、好ましくは3〜6(%)である。1(%)未満では充分な耐ホットオフセット性が得られず、10(%)超では光沢性、透明性が悪化するようになる。トナー中に含まれるバインダー樹脂のMnは2500〜50000で、Mw/Mnの値は10以下である。10を超えると、シャープメルト性に欠け、光沢性が損なわれる。
本発明の実施例に係るトナーの円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(シスメックス(株)製)により計測される。本発明の実施例に係るトナーの平均円形度は0.900〜0.960であり、特定の形状と形状の分布を有すことが重要である。平均円形度が0.900未満ではトナーは不定形の形状を示し、満足した転写性やチリのない高画質画像を与えない。不定形のトナー粒子は感光体等への平滑性媒体への接触点が多く、また突起先端部に電荷が集中することから、ファンデルワールス力や鏡像力が比較的球形な粒子よりも高い。そのため静電的な転写工程においては、不定形粒子と球形の粒子の混在したトナーでは球形の粒子が選択的に移動し、文字部やライン部画像抜けが起る。また、残されたトナーは次の現像工程のために除去しなければならず、クリーナ装置が必要であったり、トナーイールド(画像形成に使用されるトナーの割合)が低かったりする不具合点が生じる。粉砕トナーの円形度は本装置で計測した場合、通常0.910〜0.920である。
トナー形状(円形度)の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法では粒子の投影面積が得られるが、円形度は、この投影面積と面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000により平均円形度として計測した値である。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150(ml)中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5(ml)加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及びトナーの形状分布を測定する。
本発明の実施例に係るトナーを製造する方法は、無機微粒子及び/又はポリマー微粒子を含む水系媒体中に分散させたイソシアネート基含有ポリエステル系プレポリマーAをアミンBと反応させる高分子量化工程を含む。この場合、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマー(A)は、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(PIC)と反応させることによって得ることができる。この場合、ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
前記ポリオール(PO)としては、ジオール(DIO)および3価以上のポリオール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)の混合物が好ましい。ジオール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIO)および3価以上のポリカルボン酸(TC)が挙げられ、(DIO)単独、および(DIO)と少量の(TC)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(DIO)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(PO)と反応させてもよい。
ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の比率は、水酸基(OH)とカルボキシル基(COOH)の当量比(OH)/(COOH)として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2、6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α、α、α’、α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステル系プレポリマーを得る場合、ポリイソシアネート(PIC)と活性水素を有するポリエステル系樹脂(PE)との比率は、イソシアネート基(NCO)と、水酸基を有するポリエステルの水酸基(OH)との当量比(NCO)/(OH)として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。(NCO)/(OH)が5を超えると低温定着性が悪化する。(NCO)のモル比が1未満では、変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量(%)、好ましくは1〜30重量(%)、さらに好ましくは2〜20重量(%)である。0.5重量(%)未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量(%)を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステル系プレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、得られるウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
前記アミン(B)としては、ポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するモノアミンが用いられる。この場合の活性水素含有基には、水酸基やメルカプト基が包含される。このようなアミンには、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
さらに、プレポリマーAとアミンBとを反応させる場合、必要により伸長停止剤を用いてポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、活性水素含有基を有しないモノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。その添加量は、生成するウレア変性ポリエステルに所望する分子量との関係で適宜選定される。
アミン(B)とイソシアネート基を有するプレポリマー(A)との比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基(NCO)と、アミン(B)中のアミノ基(NHx)(xは1〜2の数を示す)の当量比(NCO)/(NHx)として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。(NCO)/(NHx)が2を超たり1/2未満では、ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明の実施例においては、水系媒体中でイソシアネート基含有プレポリマーAとアミンBとを反応させる際に、該水系媒体中には、必要に応じ、アミンと非反応性のポリエステル系樹脂Dを存在させることができる。このポリエステル系樹脂Dにおいて、そのTgは35〜65(℃)、好ましくは45〜60(℃)であり、そのMnは2000〜10000、好ましくは2500〜8000である。このポリエステル系樹脂Dとしては、ウレア変性ポリエステル(UMPE)を用いることができるが、このポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10(%)未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル(UMPE)は、ワンショット法などの公知の方法により製造される。ウレア変性ポリエステル(UMPE)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜50万、さらに好ましくは3万〜10万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明の実施例においては、必要に応じて用いる前記ウレア結合で変性されたポリエステル系樹脂(UMPE)は単独使用だけでなく、このものと共に、変性されていないポリエステル系樹脂(PE)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(PE)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、(UMPE)の単独使用の場合よりも好ましい。(PE)としては、前記(UMPE)のポリエステル成分と同様なポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいPEの分子量は(UMPE)の場合と同様である。また、(PE)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(UMPE)と(PE)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(UMPE)のポリエステル成分と(PE)は類似の組成が好ましい。(PE)を含有させる場合の(UMPE)と(PE)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(UMPE)の重量比が5(%)未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(PE)の水酸基価は5以上であることが好ましい。(PE)の酸価((mg)KOH/g)は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには紙への定着時紙とトナーの親和性がよく、低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性特に環境変動に対し悪化傾向がある。プレポリマーAとアミンBとの重付加反応においては酸価がふれると造粒工程でのぶれにつながり乳化における制御がむずかしくなる。
本発明の実施例において、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は通常45〜65(℃)、好ましくは45〜60(℃)である。45(℃)未満では耐熱性が悪化し65(℃)を超えると低温定着性が不十分となる。
顔料系着色剤としては、従来公知の各種の顔料が使用できる。このようなものは、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナー中、通常、1〜15重量(%)、好ましくは3〜10重量(%)である。
着色剤は、前記したように、樹脂と複合化されたマスターバッチ着色剤粒子として用いることが好ましい。
マスターバッチの製造において着色剤とともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性のポリエステル系樹脂の他に、ポリスチレン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独あるいは混合して使用される。
マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練して得る事ができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
トナーには、トナーバインダー、着色剤とともに離型剤(ワックス)を含有させる。このワックスとしては従来公知の各種のものが使用できる。このようなものとしては、例えば、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。ワックスの融点は、通常40〜160(℃)であり、好ましくは50〜120(℃)、さらに好ましくは60〜90(℃)である。融点が40(℃)未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160(℃)を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20(℃)高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は、通常0〜40重量(%)であり、好ましくは3〜30重量(%)である。
トナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知の各種のものが使用できる。このようなものには、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物等が挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練する事もできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
本発明の実施例で得られた着色剤含有トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3(μm)〜2(μm)であることが好ましく、特に5×10−3(μm)〜0.5(μm)であることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500(m/g)であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量(%)であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量(%)であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子を用いることができる。このようなものとしては、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような外添剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においてもその流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シリコンオイル、変性シリコンオイルを好ましいものとして挙げることができる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1(μm)のものが好ましい。
次に、トナーの製造法について詳述する。トナーを製造するには、先ず、油性分散液調製工程において、有機溶媒中に、イソシアネート基含有ポリエステル系プレポリマーAが溶解し、着色剤が分散し、離型剤が溶解ないし分散している油性分散液を調製する。この油性分散液体は、それに含まれている着色剤を微粉砕し、均一分散させるために、これを、湿式粉砕工程において、湿式粉砕装置を用いて粉砕処理する。この場合、その粉砕処理時間は30〜120分程度である。
次に、前記のようにして得られた油性分散液は、これを、分散(乳化)工程において、水系媒体に無機微粒子及び/又はポリマー微粒子の存在下で分散(乳化)させて水中油型の分散液(乳化液)を形成させるとともに、この分散液中でそれに含まれるイソシアネート基含有ポリエステル系プレポリマーAを、反応工程において、アミンBと反応させてウレア結合を有するウレア変性ポリエステル系樹脂Cを生成させる。前記有機溶媒としては、ポリエステル系樹脂を溶解し、水に不溶であるか難溶もしくは微溶のものが用いられる。その沸点は、通常、60〜150(℃)、好ましくは70〜120(℃)である。このようなものとしては、例えば、酢酸エチルや、メチルエチルケトン等が挙げられる。着色剤としては、前記したマスターバッチ着色剤粒子を用いることが好ましく、これによって、着色剤の均一分散を効率良く行うことができる。有機溶媒には、補助成分として、アミンに対して非反応性のポリエステル系樹脂Dを溶解させるのが好ましい。また、このポリエステル系樹脂Dは、水系媒体に分散させることもできる。
油性分散液を水系媒体中に分散させる場合、その分散装置としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の分散機が適用できる。分散粒子の粒径を2〜20(μm)にするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000(rpm)、好ましくは5000〜20000(rpm)である。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150(℃)(加圧下)、好ましくは40〜98(℃)である。高温なほうが、分散液の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
油性分散液中に含まれるプレポリマーA、着色剤、離型剤及びポリエステル系樹脂D等のトナー固形物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー固形物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。湿式粉砕処理した油性液体をその処理後水系媒体中に分散させるまでの時間は、できるだけ短時間であることが好ましい。
水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー固形物を含む油性相を水が含まれる液体(水系媒体)に乳化、分散するためには、分散剤として、各種の界面活性剤(乳化剤)を用いることができるが、このようなものとしては、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N、N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−(オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−(オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(タイキン工莱社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEFーl32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
水系媒体中に存在させる無機微粒子としては、水に不溶ないし難溶の従来公知の各種の無機化合物が用いられる。このようなものとしては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなどが挙げられる。
水系媒体中に存在させるポリマー微粒子としては、水に不溶ないし難溶性の従来公知の各種のものが用いられる。このようなものとしては、炭化水素系樹脂、含フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の疎水性高分子の微粒子が挙げられる。
前記微粒子の粒径は、通常、トナーの粒径よりも小さくなり、粒径均一性の観点から、粒径比(微粒子の体積平均粒径)/(トナーの体積平均粒径)の値が0.001〜0.3の範囲であるのが好ましい。かかる粒径比が、0.3より大きいと微粒子がトナーの表画に効率よく吸着しないため、得られるトナーの粒度分布が広くなる傾向がある。
微粒子の体積平均粒径は、所望の粒径のトナーを得るのに適した粒径になるように、上記粒径比の範囲で適宜調整することができる。例えば、体積平均粒子径5(μm)のトナーを得たい場合には、好ましくは0.0025〜1.5(μm)、特に好ましくは0.005〜1.0(μm)の範囲、10(μm)のトナーを得た場合には、好ましくは0.005〜3(μm)、特に好ましくは0.05〜2(μm)である。
本発明の実施例では、水系媒体中には、分散安定剤として水系媒体中で高分子系保護コロイドを形成する各種の親水性高分子物質を存在させることができる。このような高分子物質において、それを構成するモノマー成分を示すと、以下のものを示すことができる。
アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
本発明の実施例において好ましく用いることのできる他の高分子物質としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類が挙げられる。
本発明の実施例において、プレポリマーAとアミンBとの重付加反応後に得られた乳化分散液からそれに含まれる液状媒体を除去するためには、液状媒体除去工程において、系全体を徐々に昇温し、有機溶媒を蒸発除去する工程を含む方法を採用することができる。この有機溶媒の除去前の液攪拌の強さと有機溶媒の除去時間によりトナー円形度の制御が可能となる。ゆっくり脱溶媒することにより形状はより真球円形度で表わすと0.980以上になり攪拌を強く短時間に脱溶媒を行うことにより、凹凸状や不定形になり円形度で表わすと0.900〜0.950になる。水系媒体中に乳化分散させさらに反応させた後の乳化液を脱液媒中に攪拌槽にて温度30〜50(℃)の強い攪拌力で攪拌しながら脱液媒を行うことにより、円形度の制御が可能で0.850〜0.990の範囲の形状制御が可能となる。これは造粒中に含有される酢酸エチル等の有機溶媒が急激に除去されることにより体積収縮が起ったものと考えられる。
前記液状媒体の除去は、乳化分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成するとともに、水系分散剤を蒸発除去する方法を採用することも可能である。乳化分散液が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、好ましくは使用される最高沸点の液状媒体のその沸点以上の温度に加熱された各種気流が用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で高品質トナーが得られる。反応後の分散液を、その反応後脱溶媒するまでの時間は、短時間であることが好ましいが、通常、25時間以内である。
なお、無機微粒子としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、そのリン酸カルシウム塩等の無機微粒子を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー粒子から無機微粒子を除去することができる。その他、酵素による分解操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、プレポリマーAとアミンBとの反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
さらに、反応後の分散液の粘度を低くするために、水系媒体中には、プレポリマーやウレア変性ポリエステルが可溶の溶剤を添加することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100(℃)未満の揮発性であることがその除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。などを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1、2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、プレポリマーAとアミンBとの反応後、常圧または減圧下にて加温してその溶剤を除去する。
プレポリマーAとアミンBとの反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150(℃)、好ましくは40〜98(℃)である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
プレポリマーAとアミンBとの反応後の乳化分散液中のトナー粒子の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行うときには、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。この場合の分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
乾燥後のトナー粒子を、必要に応じての離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子と混合して使用する場合、その混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって、トナー粒子表面でその異種粒子を固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
本発明の実施例のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良い。この現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200(μm)程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また、必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1(μm)以下のものが好ましい。平均粒子径が1(μm)よりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。また、本発明の実施例のトナーは、キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
以下、本発明の実施例におけるトナーを、(トナーという表記に数字をつけて)更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。なお、各実施例で用いたトナーを表1に示す。また、各評価方法については、最後にまとめて記載する。
(トナー1)
(添加用ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸230部を常圧下、210(℃)で10時間重縮合し、次いで10〜15(mm)Hgの減圧で5時間反応した後160(℃)まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていないポリエステル(a)(重量平均分子量Mw:85000)を得た。
(プレポリマーの製造例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物800部、イソフタル酸160部、テレフタル酸60部、およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230(℃)で8時間反応し、さらに10〜15(mm)Hgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160(℃)まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80(℃)まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行いイソシアネート基含有プレポリマー(1)(Mw:35000)を得た。
(ケチミン化合物の製造例)
攪拌棒および温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50(℃)で5時間反応を行いケチミン化合物(1)を得た。
(トナーの製造例)
ビーカー内に前記のプレポリマー(1)14.3部、ポリエステル(a)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、離型剤であるライスWAX(融点83(℃))10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、40(℃)にてTK式ホモミキサーで12000rpmで5分攪拌した後、ビーズミルで30分間20(℃)において粉砕処理した。これをトナー材料油性分散液(1)とする。
ビーカー内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10(%)懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液(1)に上記トナー材料油性分散液(1)及びケチミン化合物(1)2.7部を加え、攪拌を続けながらウレアー反応させた。反応後の分散液(粘度:3500mP・s)を減圧下1.0時間以内に50(℃)以下の温度で有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体粒子(1)を得た。
次に、得られた母体粒子(1)100部、帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロン E−84) 0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。
さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行った。
以上のようにして、シアントナー(1)を得た。この顔料系着色材平均分散粒径は0.4(μm)で、0.7(μm)以上の個数(%)は3.5(%)であった。このトナーの性状及びその評価結果を表1および図に示す。
(トナー2)
(マゼンタマスターバッチ粒子の作製)
水 600部
Pigment Red 57 含水ケーキ(固形分50(%)) 200部
をフラッシャーでよく撹拌する。ここに、ポリエステル樹脂(酸価;3、水酸基価;25、Mn;3500、Mw/Mn;4.0、Tg;60(℃))1200部を加え、150(℃)で30分混練後、キシレン1000部を加えさらに1時間混練した後、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、さらに3本ロールミルで2パスしマゼンタ色のマスターバッチ顔料(MB1−M)(平均粒径約0.2(μm))を得た。
(プレポリマーの製造例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物856部、イソフタル酸200部、テレフタル酸20部、およびジブチルチンオキサイド4部を入れ、常圧で250(℃)で6時間反応し、さらに50〜100(mm)Hgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160(℃)まで冷却して、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80(℃)まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行いイソシアネート基含有プレポリマー(2)(Mw:25000)を得た。
(トナーの製造例)
ビーカー内に前記のプレポリマー(1)15.4部、ポリエステル(a)50部、酢酸エチル95.2部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、カルナバワックス(分子量1800、酸価2.5、針進入度1.5(mm)/40(℃))を10部、実施例2のマスターバッチ粒子10部を入れ、85(℃)にてTK式ホモミキサーで10000rpmで攪拌した後、実施例1同様にビーズミルにより湿式粉砕処理して、トナー材料油性分散液(2)を得た。次いで、実施例1と同様にして得た水分散液(2)を用いた以外は実施例1と同様にして球形状の母体トナー粒子(2)を得た。
次いで、帯電制御材としてオリエント製 ボントロン E−84をE−89に変更する以外は実施例1と同様にしてトナー(2)を得た。このトナー中の顔料系着色剤の平均分散粒径は0.25(μm)で、0.5(μm)以上の個数(%)は1.0(%)であった。そのトナーの性状及びその評価結果を表1および図5に示す。
(トナー3)
(プレポリマーの製造例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物755部、イソフタル酸195部、テレフタル酸15部、およびジブチルチンオキサイド4部を入れ、常圧で220(℃)で8時間反応し、さらに50〜100(mm)Hgの減圧で脱水しながら5時間反応した後、160(℃)まで冷却して、これに10部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80(℃)まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行いイソシアネート基含有プレポリマー(3)(Mw:25000)を得た。
(トナーの製造例)
ビーカー内に前記のプレポリマー(3)15.4部、ポリエステル(a)50部、酢酸エチル95.2部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、カルナバワックス(分子量1800、酸価2.5、針進入度1.5(mm)/40(℃))を10部、実施例2のマスターバッチ粒子15部を入れ、85(℃)にてTK式ホモミキサーにより14000rpmで攪拌し、均一に分散させた後、ビーズミルにて15(℃)にて60分湿式粉砕処理した。これをトナー材料油性分散液(3)とする。ビーカー内にイオン交換水465部、炭酸ナトリウム10(%)懸濁液245部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4部を入れ、攪拌して水分散液(3)を得た。次いでこの分散液(3)を40(℃)に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料油性分散液(4)を投入し10分間攪拌した後、ケチミン化合物(1)2.7部を加え反応させた。その後40(℃)1時間以内で溶剤を除去し、次いで実施例2と同様にして、濾別、洗浄、乾燥した後、球形状の母体粒子を(3)を得た。
次に、この母体トナー粒子を用いた以外は実施例1同様にして、トナー(3)を得た。このトナー中の顔料系着色剤の平均分散粒径は0.15(μm)で0.5(μm)以上の個数(%)は3.0(%)であった。そのトナーの性状及びその評価結果を表1および図5に示す。
(比較例1)
(トナーバインダーの合成)
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物354部およびイソフタル酸166部を触媒としてジブチルチンオキサイド2部を用いて重縮合し、比較トナーバインダー(11)を得た。この比較トナーバインダー(11)のTgは57(℃)であった。
(トナーの作製)
ビーカー内に前記の比較トナーバインダー(1)100部、酢酸エチル溶液200部、銅フタロシアニンブルー顔料4部、実施例1で使用したライスワックス5部を入れ、50(℃)にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、比較分散液(11)を得た。この分散液(11)を用いた以外は、実施例1と同様にトナー化し、体積平均粒径6(μm)の比較トナー(11)を得た。このトナー中の顔料系着色剤の平均分散粒径は0.70(μm)で0.7(μm)以上の個数(%)は35(%)であった。トナーの性状及びその評価結果を表1および図5に示す。
(比較例2)
(トナーバインダーの合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物343部、イソフタル酸166部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230(℃)で8時間反応し、さらに10〜15(mm)Hgの減圧で5時間反応した後、80(℃)まで冷却し、トルエン中にてトルエンジイソシアネート14部を入れ110(℃)で5時間反応を行い、次いで脱溶剤し、ピークトップ分子量7000のウレタン変性ポリエステルを得た。ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物363部、イソフタル酸166部を実施例1と同様に重縮合し、ピーク分子量3800、酸価7の変性されていないポリエステルを得た。上記ウレタン変性ポリエステル350部と変性されていないポリエステル650部をトルエンに溶解、混合後、脱溶剤し、比較トナーバインダー母体粒子(12)を得た。この比較トナーバインダー(12)のTgは58(℃)であった。
(トナーの作製)
比較トナーバインダー(12)100部、実施例2に使用したマスターバッチ粒子とカルナバワックズとをそれぞれ10部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、連続式混練機)で混練した。ついでジェット粉砕機微粉砕した後、気流分級機で分級し、体積平均粒径6(μm)のトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して比較トナー(12)を得た。このトナー中の顔料系着色剤の平均分散粒径は0.7(μm)で、0.5(μm)以上の個数(%)は15.0(%)であった。そのトナーの性状を表1に、そして評価結果を図5にそれぞれ示す。
Figure 2005181627
(評価方法)
(1)Tg測定法
Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず、試料約10(mg)をアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10(℃/min)で150(℃)まで加熱した後、150(℃)で10(min)間放置、室温まで試料を冷却して10(min)放置、窒素雰囲気下で再度150(℃)まで昇温速度10(℃/min)で加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
(2)酸価測定方法
JISK0070に規定の方法による。但し、サンプルが溶解しない場合は溶媒にジオキサンまたはテトラヒドロフラン等を用いる。
(3)粉体流動性
ホソカワミクロン製パウダーテスターを用いてかさ密度(g/(ml))を測定した。流動性の良好なトナーほど、かさ密度は大きい。以下の4段階で評価した。
×:0.25未満
△:0.25〜0.30
○:0.30〜0.35
◎:0.35以上
(4)定着下限温度
定着ローラとしてテフロン(登録商標)を用いたローラを使用した複写機((株)リコー製複写機 MF−200)の定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行った。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70(%)以上となる定着ローラ温度をもって定着下限温度とした。
(5)ホットオフセット発生温度(HOT)
上記定着下限温度と同様にして定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ローラ温度をもってホットオフセット発生温度とした。
(6)光沢発現温度(GLOSS)
市販カラー複写機(PRETER550;リコー製)の定着装置を用いて定着評価した。定着画像の60゜光沢が10(%)以上となる定着ローラ温度をもって光沢発現温度とした
(7)ヘイズ度:
直読ヘーズコンピューター(HGM−2DP型)による。
(実験例)
上記実施例及び比較例のトナーおよびキャリアを用い、定着ベルトおよび加圧ローラの表面抵抗率を変化させた場合の、加圧ローラ及び定着ベルトの表面電位をトレック製表面電位計344−JX(1.9k)により測定した。定着ニップ部直前に測定プローブを近接させ、表面電位の値を測定する。近接距離は1(mm)である。
また、定着ベルトに付着する画像濃度をX−Rite938により測定した。画像濃度測定は、以下のように行っている。まず、転写紙上の未定着画像をベルト定着した直後に画像形成装置を強制停止する。そして、定着ベルト上の付着トナーを透明粘着テープ(日東製プリンタック)を貼り付けてテープ転写した後、白紙上に再度貼り付けたテープの画像濃度を測定する。転写紙上のトナー付着量は0.5(mg/cm2)、作像線速は125(mm/sec)、定着制御温度は175(℃)の条件にて測定を行った。なお、定着時にトナーが溶融することによりベルト側にトナーが付着する、いわゆるホットオフセットが発生する場合があるが、これは、タール上の画像やはぎとられた画像が形成されるので、静電オフセットとは容易に区別可能である。
表面抵抗率を測定するために、三菱化学製ハイレスタを使用した。2ピンプローブ(HAプローブ)を用い、印加バイアスとして100(V)の電圧を10秒間印加した。測定開始より10秒後の値を表面抵抗率の値として用いた。また、加圧ローラ及び定着ベルトの表面電位は、Trek製344−JX型表面電位計を用いて測定した。
図6において、定着ベルト34及び加圧ローラ31の表面抵抗率を変えたときの、画像濃度差△ID(地肌濃度との差分値)、及び、定着ベルト及び加圧ローラの表面電位(V)の値を示す。△IDは、3回測定し、その測定値と平均値とを示している。
図6において、加圧ローラの表面抵抗率が(1)1×1013(Ω/□)以上の場合、加圧ローラの表面電位は−460〜−500(V)、画像濃度差ΔID(3回の平均値)は0.012であった。次に(2)1×1010〜11(Ω/□)の場合、加圧ローラの表面電位は−290〜−300(V)に低減されるが、画像濃度差ΔID(3回の平均値)は0.009であった。一方、加圧ローラの表面抵抗率が(3)1×10(Ω/□)以下の場合には、加圧ローラの表面電位は−100(V)以下に低減され、画像濃度差ΔIDも、0.004以下であり、静電オフセット量が低減されることが分かる。
本発明者は、上記実施例に基づき画像上の地肌汚れ(地肌部での濃度ΔID)と視覚的な画像汚れとの関係を実験したところ、図7に示す結果を得た。図7において、画像汚れランクは、出荷段階で4.0、経時的な変化として3.5以上にあれば視覚的な判断において支障がないランクである。
図7からも明らかなように、ΔID=0,003以下であれば実用上、問題がないことが判明した。このことから、定着に用いる部材の表面特性を規定することにより視覚的な影響がでる地肌汚れを防止することが可能となる。
以上のような結果が得られた理由について、発明者は以下のように考えている。表面抵抗率の高い((1)1×1013(Ω/□)以上、(2)1×1010〜11(Ω/□))加圧ローラを用いた場合、加圧ローラの表面電位が高くなる。これは、加圧ローラの表面抵抗率が高いと、上記摩擦帯電により生じた電荷が加圧ローラ上に滞留し易くなったためと考えている。本実施例においては、上記(1)1×1013(Ω/□)以上、(2)1×1010〜11(Ω/□)の加圧ローラを用いた場合には、加圧ローラ表面はマイナスに帯電し、定着ベルトはプラスに帯電した。本実施例における正規帯電トナーはマイナス極性であるので、この正規帯電トナーが、ベルト上に静電的な力で移転してしまった。
一方、表面抵抗率の低い((3)10(Ω/□)以下)加圧ローラを用いた場合、加圧ローラの表面電位も低くなることがわかった。これは、加圧ローラの表面抵抗率が低いと、上記摩擦帯電により生じた電荷が加圧ローラ上に滞留しにくくなったため(アースに落ちやすくなったため)と考えている。その結果、未定着トナーがベルト上に移転するのを防止することができ、静電オフセットを防止できるのである。なお、表面電位が±100(V)以下の場合には、表面電位の極性、及びトナーの帯電極性に関わらず、表面電位に起因する静電オフセットを有効に防止できると考えている。
また、加圧ローラの表面抵抗率が、(1)1×1013(Ω/□)以上、(2)1×1010〜11(Ω/□)の場合には、定着ベルトの表面抵抗率がいずれの条件であっても画像濃度差ΔIDは、ほぼ同じ値を示し、定着ベルト上の表面電位も+40(V)以上の値を持つ。一方、加圧ローラの表面抵抗率が、(1)1×10(Ω/□)以下の場合には、定着ベルトの表面抵抗率が、[1]1×1013(Ω/□)以上の時には、定着ベルト上の表面電位が+30(V)と低減され、画像濃度差ΔIDは、0.004である。
一方、[2]1×1011〜12(Ω/□)、[3]1×10(Ω/□)以下の場合には、定着ベルト上の表面電位が−10(V)と 更に低減され画像濃度差ΔIDは、0.001である。後者の定着ベルトの表面電位を±30(V)以下にすることにより、静電オフセットをより効果的に低減することが可能となることがわかった。
なお、上記実施例に使用したプリンタは、本発明が適用できる装置の一例であり、この装置に限定されるものではない。また、上記実施例に使用した定着装置の部材は、本発明が適用できる部材の一例であり、所望の表面抵抗率を有するものであれば、上記部材に限定されるものではない。トナーは、本発明が適用できる像形成物質の一例であり、本実施例のものに限定されるものではない。
上記実施例によれば、加圧ローラ31の表面抵抗率を10(Ω/□)以下としている。これによって、加圧ローラ31上での表面電位を±100(V)以下に低減することが可能となり、バイアス印加を行わず簡易な構成で定着ベルトに未定着トナーが付着するのを低減して、静電オフセットを防止することができる。
また、定着ベルトの表面抵抗率を1012(Ω/□)以下としている。これによって、定着ベルト上の表面電位を±30(V)以下に低減することが可能となり、さらに良好に定着ベルトに未定着トナーが付着するのを低減して、静電オフセットを防止することができる。
また、上記実施例の重合トナーを用いることにより、バイアス印加を行わず簡易な構成で未定着トナーの定着ベルト上への付着を低減させて静電オフセットを防止することができる。また、紛体流動性、耐ホットオフセット性、帯電安定性、転写性、及び、顔料系着色剤が高分散して透明性と彩度(鮮やかさ、光沢)に優れた高い画像品質性を得ることができる。
本実施例に係る画像形成装置の全体構成図。 本実施例に係るイエローの感光体ユニットの概略構成を示す拡大図。 本実施例に係る定着装置の概略構成図。 本実施例に係る加圧ローラの概略断面図。 トナーの性状に対する評価結果を示す図である。 定着ベルト及び加圧ローラの表面抵抗率を変えたときの、画像濃度差△ID(地肌濃度との差分値)、及び、定着ベルト及び加圧ローラの表面電位(V)の値との関係を示す図である。 本実施例による地肌汚れと視覚的な画像汚れのランクを説明するための表図である。
符号の説明
2M,2C,2Y,2Bk 各感光体ユニット
4Y,4M,4C,4Bk 各感光体ドラム
30 定着装置
31 加圧ローラ
32 バックアップローラ
33 加熱ローラ
34 定着ベルト

Claims (16)

  1. 潜像担持体から転写されたトナー像を担持している転写材を挟持搬送しながら該トナー像の定着を行う定着装置において、
    上記トナー像を挟持搬送しながら定着する構成として、上記トナー像に対向する側に配置されて該トナー像を加熱する加熱部材と、該加熱部材に対向して配置され、上記転写材を上記加熱部材に向けて加圧する加圧部材とを備え、
    上記転写材におけるトナー像担持面と反対側に位置する加圧部材の構成として、上記転写材に担持されているトナーを上記加熱部材側に向けて静電的に反撥させない表面特性を備えていることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、
    上記加圧部材の表面特性の一つとして表面電位が用いられ、該表面電位が上記転写材上のトナーが上記加熱部材側に向けて静電的な転移を生じない電位に設定されていることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2記載の定着装置において、
    上記加熱部材は無端状ベルトで構成され、上記加圧部材は上記無端状ベルトに接触しながら連動することにより接触ニップを構成可能なローラで構成され、該加圧部材として用いられるローラは、上記転写材に担持されているトナーを上記無端状ベルトに向けて反撥させることがない帯電特性が得られる表面電位に設定されていることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1乃至3のうちの一つに記載の定着装置において、
    上記加圧部材側の表面電位は、絶対値において100(V)以下に設定されていることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1乃至4のうちの一つに記載の定着装置において、上記無端状ベルトと上記加圧部材とで構成される接触ニップ部直前での上記無端状ベルトの表面電位の絶対値が、30(V)以下であることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1乃至4のうちの一つに記載の定着装置において、
    画像を記録媒体上に形成するための像形成物質として、有機溶媒中に変性ポリエステル形樹脂からなるプレポリマー、該プレポリマーと伸張又は架橋する化合物、及びトナー組成分を溶解又は分散させ、該溶解又は分散物を水系媒体中で架橋反応及び/又は伸張反応させ、得られた分散液から溶媒を除去することにより得られた重合トナーを用いることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項6記載の定着装置において、
    上記重合トナーとして、該重合トナー中に分散された顔料系着色剤の分散粒径が個数平均径で0.5(μm)以下であり、その個数平均径が0.7(μm)以上の個数割合が5個数(%)以下のものを用いることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項6または7記載の定着装置において、
    上記重合トナーの構成成分である上記着色剤として、分散粒径が個数平均径で0.3(μm)以下であり、その個数平均径が10個数(%)以下のものを用いることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項6乃至8のうちの一つに記載の定着装置において、
    上記重合トナーの重量平均粒径が、3.0(μm)以上であって7.0(μm)以下であり、粒径分布が1.00≦Dv/Dn≦1.20(Dv:重量平均粒径、Dn:個数平均粒径)であることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項6乃至9のうちの一つに記載の定着装置において、
    上記重合トナーの円形度が、0.900以上であって0.960以下であることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項6乃至10のうちの一つに記載の定着装置において、
    上記重合トナー中に含まれるポリエステル系樹脂のテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布において、その分子量2500〜10000の領域にメインピークが存在し、その数平均分子量が2500〜50000の範囲にあることを特徴とする定着装置。
  12. 請求項6乃至11のうちの一つに記載の定着装置において、
    上記重合トナー中に含まれるポリエステル系樹脂のガラス転移点が40〜65(℃)であり、その酸価が1〜30(mgKOH/g)であることを特徴とする定着装置。
  13. 請求項6乃至12のうちの一つに記載の定着装置において、
    上記重合トナーの該油性分散液が、該アミンと非反応性のポリエステル系樹脂を溶解していることを特徴とする定着装置。
  14. 請求項6乃至13のうちの一つに記載の定着装置において、
    上記重合トナーとキャリアを含有することを特徴とする現像剤を用いることを特徴とする定着装置。
  15. 請求項1乃至14のうちの一つに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項15記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、
    上記潜像担持体、現像手段、転写手段およびクリーニング手段能珍尾少なくとも一つを備え、上記画像形成装置に対して着脱可能に設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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