JP2005181452A - 光学装置 - Google Patents

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Yoshihisa Tanimura
吉久 谷村
Tadashi Iwamoto
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Abstract

【課題】より簡易に光の強度分布、位置、角度を変換する。
【解決手段】光学プリズム10は、入射光30の入射する入射側境界面25と、光学プリズム10の内部を進む光の一部を透過、一部を反射させるスプリッター面24と、スプリッター面24を透過した光が出射する第1出射面26と、スプリッター面24で反射された光の第2出射面28とを有する。入射側境界面25は、入射光30の光軸に対して傾斜している。スプリッター面24は、入射光30の光軸と平行である。第1出射面26は入射側境界面25と平行であり、第2出射面28はスプリッター面24を中心として第1出射面26と面対称である。
【選択図】図2

Description

本発明は、光の位置、角度、強度分布を変換する光学装置に関する。
従来から、レーザー光のような光を用いた測定機器が種々提案されている。例えば、移動体の直進性を測定するための直線度測定器や、ナイフエッジ法により測定対象物の変位量を測定する光変位計などが知られている。これら測定機器について簡単に説明すると、直線度測定器は、直進移動する移動体に設けられた光電検出器とこの光電検出器に向かって照射されるレーザー光とを有する。そして、移動体を移動させた際のレーザー光と光電検出器との相対的な位置変化に基づいて、移動体の直進性を測定するものである。
また、光変位計は、集光させた光を測定対象物に照射し、その反射光の集光状態から光源と測定対象物との距離を測定する。この反射光の集光状態を知る手段としてナイフエッジ法が用いられている。これは、反射光の半分をナイフエッジで遮って得られる半遮蔽光の状態から集光状態を判別するものである。この集光状態は、半遮蔽光の光強度の重心位置などから判別される。
このような光を利用した種々の測定機器においては、光を所望の位置や角度、強度分布で照射させることが重要となる。例えば、直線度測定器では、光電検出器に照射されるレーザー光の光軸の位置を一定に保つ必要がある。しかし、光源装置から照射されたレーザー光は、光源装置から発生する熱や空気の揺らぎによってその位置や角度が変化する場合がある。このような場合、その位置・角度変化を矯正して照射しなければならない。
また、光変位計では、照射される光の強度分布を外側ほど強くなるように変換することが望ましい。通常、照射される光は、中心ほど強度の強いガウシャン形の強度分布であることが多い。しかし、半遮蔽光の光強度の重心位置をより精度よく得るためには、光の強度分布を外側ほど強い逆ガウシャン形であるほうがよいからである。
さらに、測定機器のほか、レーザー光を利用した加工装置や、光ファイバー間を光結合する場合などにおいても、光を所望の位置や角度、強度分布で照射させることが重要となる。そのため、従来から、照射された光の位置や角度、強度分布を変換させるための光学装置が多数提案されている。
例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3などには、ミラーやプリズムなどの複数の分離部材である光学部材をそれぞれ所定の位置に配置し、光の強度分布を均一に変換する技術が開示されている。また、非特許文献1には、照射された光の光軸の位置を一定に保つための複数の光学部材(ケスタープリズム)が開示されている。
特開平1−139727号公報 特開平5−121800号公報 特開平7−199004号公報 Werkstatt レーザによる直線度検査装置、機械設計、14巻第12号 P61〜P63
しかしながら、これらは、いずれも、複数の分離部材から構成されている。したがって、各光学部材の配置関係を考慮する必要があり、設計や製造の際に面倒であった。
そこで、本発明では、より簡易に光の強度分布や位置、角度を変換できる光学部材を提供することを目的とする
本発明の光学装置は、所定の屈折率を備えた光学装置であって、平行光の入射する面であって、光の光軸に対して傾斜した入射側境界面と、光学装置の内部を進む光の一部を透過、一部を反射させるスプリッター面であって、入射光の光軸と平行なスプリッター面と、入射側境界面と平行であって、スプリッター面を透過した光が出射する第1出射面と、スプリッター面で反射された光の出射面であって、スプリッター面を中心として第1出射面と面対称である第2出射面と、を有することを特徴とする。
好適な態様では、入射側境界面と第1出射面は、入射側境界面と第1出射面との距離をt、入射光線の光軸と出射光線の光軸との距離をd、光学部材の屈折率をn、入射角度をi、屈折角度をθとすると、
(数2)
d=t・sin(i){1−cos(i)/(n/cosθ)}
を満たす位置関係であって、入射位置は、スプリッター面から光の入射位置の高さをhとすると、d≧hを満たす位置にある。
別の好適な態様では、スプリッター面は、反射する光と透過する光の割合が等しい。別の好適な態様では、光学装置は、互いに空間を介さず配された1以上の光学部材からなる。
なお、入射側境界面は、一つの傾斜面でなく、スプリッター面を中心として面対称の2つの傾斜面であってもよい。
他の本発明の光学装置は、入射される光の光軸を含む基準面を中心として面対称の2つの傾斜面からなる入射側境界面と、光学部材の中を透過した光束が出射する出射面であって、基準面を中心として面対称、かつ、入射側境界面を反転した形状の2つの傾斜面からなる出射面とを有する。
本発明によれば、より簡易に光の強度分布、位置、角度を変換することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下で説明する光学プリズムは、いずれも、適宜、その形状や入射位置を変更することで、種々の光を利用した測定器や加工機、光ファイバーの光結合などに利用することができる。
図1(A)に本発明の第1の実施の形態である光学プリズム10の正面図を、図1(B)にその側面図を、図1(C)にその斜視図を示す。
光学プリズム10は、所定の屈折率nを備えた2つの台形プリズム12,14の底面を互いに貼り合わせることにより形成される。したがって、光学プリズム10全体としては、六角柱形状となっている。そして、互いに対向する2面(例えば、面16と面22、面18と面20など)は平行となっており、貼り合わせ面24を中心として上下対称の形状となっている。この貼り合わせ面24、すなわち、台形プリズム12,14の底面は、照射された光のうち半分を透過、半分を反射させるビームスプリッター面24となっている。
この光学プリズム10の幅L、および、高さHは、それぞれ所定の値に設定されている。この幅Lおよび高さHは、後述するように、光学プリズム10の屈折率nや光の照射高さh、入射角度iなどにより決定される。
次に、この光学プリズム10に対して平行光である入射光30を照射した場合について図2を用いて説明する。図2(A)は、光学プリズム10に入射光30を照射した際の正面図、図2(B)はその側面図、図2(C)は光学プリズム10から出射された2種類の出射光34,32を示す図である。なお、入射光30は一束の光束であるが、図2(B)においては、説明の便宜上、その光束に含まれる3本の光線のみを示す。また、3本の光線のうち、強い強度の光を実線で、弱い強度の光を破線で示している。
平行光である入射光30は、光学プリズム10の左上側面16(光源側かつ上側の側面)に照射される。したがって、この左上側面16が入射側境界面25となる。この入射光30は、ビームスプリッター面24とほぼ平行な光軸を有している。言い換えれば、入射側境界面25は、入射光30に対して所定の傾斜を有していることになる。また、入射光30の強度分布は、中心ほど強く、外側ほど弱いガウシャン形となっている。
光学プリズム10の左上側面16である入射側境界面25から入射された入射光30は、光学プリズム10内部への入射の際に、所定の角度で屈折する。この屈折角度は、光学プリズム10の屈折率nにより決定される。
屈折した入射光30は、光学プリズム10内を透過し、ビームスプリッター面24に到達する。そして、入射光30のうち半分はビームスプリッター面24を透過し、残り半分は反射する。
透過した光である第1出射光32は、光学プリズム10の右下側面22である第1出射面26から外部に出射する。この出射の際には、やはり、所定の角度で屈折する。ここで、この第1出射面26は、上述したように、対向する面である入射側境界面25(左上側面16)と平行となっている。したがって、入射側境界面25と平行な第1出射面26から出射する第1出射光32の光軸は、入射光30の光軸と平行となる。
一方、ビームスプリッター面24で反射された第2出射光34は、光学プリズム10の右上側面20である第2出射面28から外部に出射する。ビームスプリッター面24での反射角と入射角は等しい。また、第2出射面28は、ビームスプリッター面24を中心として第1出射面26と面対称の傾斜面である。したがって、第2出射光34は、ビームスプリッター面24を中心として第1出射光32と面対称の光路をとる。すなわち、第2出射光34は、第1出射光32と面対称の位置から出射し、その光軸は入射光30の光軸と平行となる。
このように、光学プリズムが所定の位置・角度関係を有する入射側境界面、第1出射面、第2出射面、および、ビームスプリッター面を有することにより、入射された光を2つの光に変換させることができる。
ところで、上述のような光の透過、屈折により、入射光を2つに変換させるためには、光学プリズム10の高さH、幅Lを所定の範囲内に設定しなければならない。この高さH,幅Lの範囲について図3、図4を用いて説明する。図3は、平行平面の光学ガラス40に入射された平行光の光路を示す図である。また、図4は、図3で示される原理を光学プリズム10に適用した場合を示す図である。
はじめに、図3に示すように、平行光である入射光30が光学ガラス38に、入射角i(光学ガラス38の垂線と入射光30の光軸とが成す角度)で照射された場合を考える。ここで光学ガラス38の屈折率をn、厚さをt、光学ガラス38内の光線の長さをsとすると、入射光30と出射光36との垂直方向(光軸に対して直交方向)のシフト量d(入射光線の光軸と出射光線の光軸との距離)は、式1で表される。
(数3)
s=t/cosθ
d=s・sin(i−θ)
d=(sin(i)・cosθ−cos(i)・sinθ)・t/cosθ
d=t・sin(i){1−cos(i)/(n・cosθ)}・・・(式1)
これを上述の光学プリズム10に置き換えて考える(図4参照)。光学ガラスの板厚tは、光学プリズム10では、入射側境界面25と出射面26との距離とおくことができる。したがって、第1出射面26から第1出射光32を出射させるためには、入射側境界面25と第1出射面26とは、式1を満たす位置関係である必要がある。
また、第2出射面28から第2出射光34を出射させるためには、入射された光をビームスプリッター面24で反射させなければならない。ここで、入射光30のビームスプリッター面からの入射高さをh(以下、hを「「入射高さh」という)とおくと、入射光30をビームスプリッター面24で反射させるためには、シフト量d≧hでなければならない。
入射側境界面25と出射面26との距離tに替えて、光学プリズム10の幅Lを用いて式(d≧h)を表すと、光学プリズム10の幅Lと入射高さhとの関係は式2で表される。
(数4)
t=L・cos(i)
d=L・cos(i)・sin(i){1−cos(i)/(n・cosθ)}
h≦d
h≦L・cos(i)・sin(i){1−cos(i)/(n・cosθ)}
L≧h/[cos(i)・sin(i){1−cos(i)/(n・cosθ)}]・・・(式2)
さらに、式1を満たす位置に第1出射面を設けるためには、(d−h)≦H/2でなければならない。したがって光学プリズム10の高さHは式3で表される。
(数5)
(d−h)≦H/2
H≧2・(d−h)・・・(式3)
したがって、入射光30の光軸と平行で、ビームスプリッター面24を中心として面対称の2つの出射光32,34を得るためには、光学プリズム10の幅Lと高さHとを式2、式3を満たす範囲内に設定することが必要である。なお、その前提条件として、入射側境界面25と第1出射面26とが平行であること、ビームスプリッター面24が入射光30の光軸と平行であること、第2出射面28がビームスプリッター面を中心として第1出射面26と面対称であることが必要であることはもちろんである。
ところで、入射光30は、光源装置から発生する熱や空気の揺らぎ(屈折率変化)によりその光軸角度や位置が変化することがある。このような、光軸の位置や角度がずれた入射光30が光学プリズム10に入射した場合について図5を用いて説明する。図5(A)は、入射光30の光軸位置がずれた場合の、図5(B)は入射光30の光軸角度がずれた場合の出射光32,34の様子を示す図である。図5では、本来の入射光31a、出射光32a,34aを破線で、実際の(位置や角度がずれた場合の)入射光30、出射光32,34を実線で示す。
はじめに、入射光30の光軸位置が本来より上方にずれた場合について図5(A)を用いて説明する。入射光30の光軸位置が本来より上方にずれた場合、ビームスプリッター面24を透過して出射する第1出射光32の光軸位置も上方(ビームスプリッター面24側)にずれる。ただし、その光軸角度は、本来の第1出射光32aと同じく、水平(入射光30と平行)となっている。
一方、ビームスプリッター面24で反射された第2出射光34は、その光軸位置は本来の第2出射光34aに比べて下方(ビームスプリッター面24側)にずれる。言い換えれば、第1出射光のずれ方向(上方)とは反対方向(下方)にずれる。このずれ量は、第1出射光32、第2出射光34ともに同じ量である。
つまり、入射光30の光軸位置がずれると、第1出射光32と第2出射光34とは、互いに、生じたずれを相殺する方向にずれる。したがって、入射光30の光軸位置がずれても、その第1出射光32と第2出射光34とからなる出射光全体36の光軸位置は変動することなく、ビームスプリッター面24と同じ高さに保たれる。
つまり、本実施の光学プリズムによれば、入射光の光軸位置が光源の発生熱や空気の揺らぎによりずれても、出射光全体の光軸位置は変化しない。また、出射光全体の強度分布は、常に、ビームスプリッター面24を中心として対称に保たれる。
次に、入射光30の光軸角度が変化した場合について図5(B)を用いて説明する。この場合も、入射光30の角度変化にともなって、第1出射光32の出射位置と出射角度は本来の第1出射光32aに比べ変化する。ただし、第1出射光32と入射光30との光軸は平行である。
ビームスプリッター面24で反射された第2出射光34の位置および角度も変化する。この変化は、第1出射光32の変化と逆方向の変化である。すなわち、第1出射光の変化を相殺する変化である。そのため、結果として、入射光30の光軸角度が変化しても、出射光全体36の光軸位置および角度は変化しない。また、出射光全体の強度分布は、常に、ビームスプリッター面24を中心として対称に保たれる。
以上、説明したように、本実施の形態の光学プリズム10によれば、入射光30の光軸位置や角度に変化が生じても、第1出射光32と第2出射光34は、互いに逆方向に変化し、対称な位置関係を保つ。したがって、入射光30の光軸位置や角度が変化しても、出射光32,34全体の光軸位置及び角度は変化しない。また、その強度分布は常に対称に保たれる。したがって、この光学プリズム10を、例えば、照射した光と光電検出器との相対的な位置関係の変化から移動体の直進性を測定する直線度測定器などに用いればより信頼性のある結果を得ることができる。
また、2つの台形プリズム12,14は、互いに空間を介することなく配されており、一つの光学部材として取り扱うことができる。したがって、光学プリズム全体の小型化を図ることができる。また、全体の部品点数を押さえることができる。
さらに、光学プリズムは、入射光と水平な面(上面および底面)を有しているため、種々の場所への取り付けを容易に行うことができる。また、場合によっては、光の屈折、透過、反射に関係ない部分、例えば、光学プリズムの上面や底面を設置場所や他の部品との関係に基づいて種々の形状にしてもよい。
次に、他の実施の形態について図6、図7を用いて説明する。この光学プリズム10は、第1の実施の形態と同じ形状であるが、入射光30の入射位置が異なる。なお、図7(A)においては、入射光30は、多数の光線からなる一束の光束であるが(図6(A)参照)、説明の便宜上、その光束に含まれる数本の光線のみを示す。本実施の形態では、入射光30は、図6(A)、図7(A)に示すように、その光軸がビームスプリッター面24と同じ高さになるように入射される(入射高さh=0)。言い換えれば、入射光30は、光学プリズム10の左上側面16と左下側面18との両面から入射される。つまり、左上側面16と左下側面18との2面が入射側境界面25となる。
このような条件で入射光30を入射した場合について説明する。入射光30の光束の一部である左上側面16から入射した光30aは、所定の角度で屈折してプリズム10内に入射する。入射した光の一部は、ビームスプリッター面24を透過し、右下側面22から出射する。また、残りの一部は、ビームスプリッター面24で反射し、右上側面20から出射する。この透過した光と反射した光の光路は、ビームスプリッター面24を中心として上下対称である。この光路は、第1の実施の形態と同じである。
一方、入射光30の光束の一部である左下側面18から入射した光30bは、左上側面16から入射した光30aと上下対称の動きをする。すなわち、ビームスプリッター面24を透過した光が右上側面20から出射し、反射した光が右下側面22から出射する。
つまり、右上側面20と右下側面22の2面は、いずれも、ビームスプリッター面24を透過した光を出射させる第1出射面であると同時に、ビームスプリッター面24で反射した光を出射させる第2出射面として機能する。この2つの出射面26は、上述したように、ビームスプリッター面24を中心として上下対称となっている。
そして、得られる出射光36は、ビームスプリッター面24を中心として常に面対称となる。したがって、第1の実施形態と同様に入射光30の位置や角度が変化しても、得られる出射光36の光軸位置および角度は変化しない。また、強度分布は、常に対称に保たれる。したがって、本実施の形態であっても、直進度測定器などの測定機器の信頼性を向上させることができる。
ところで、入射される入射光30の強度分布は、図6(A)、図6(B)で示すようにガウシャン形、すなわち、中心ほど強く、外側ほど弱い強度分布となっている。このようなガウシャン形の強度分布を有した入射光30を入射高さh=0で入射すると、図7に示すように、光強度分布が変換される。入射光30の中心付近の強い光(実線)は出射する際には外側(ビームスプリッター面24から離れた位置)から出射される。また、入射光30の外側の弱い光(破線)は出射する際には中心付近(ビームスプリッター面24から近い位置)から出射する。したがって、得られる出射光36は、その強度分布が、図7(B),図7(C)に示すように、中心ほど弱く、外側ほど強い逆ガウシャン形となる。
このような外側の強度が強い光は、例えば、次のような場合に利点がある。例えば、ナイフエッジ法を利用した光変位計は、集光した光を測定対象物に照射し、その反射光の集光状態から測定対象物の変位を計測している。具体的には、反射光の半分をナイフエッジで遮り、その半分遮られた半遮蔽光の重心位置の変化から変位を計測している。この重心位置は、通常、光強度の積分により算出される。したがって、反射光がガウシャン形の場合、重心位置は、中心近傍として検出されやすい。しかし、集光状態が変化しても中心近傍はその影響を受けにくい。そのため、中心ほど強度の強いガウシャン形の光では、重心位置の変化を精度良く検出することが困難である。そこで、本実施例のように、ガウシャン形の光を外側ほど強度が強くなるように変換すると、わずかな集光状態の変化も精度良く検出することができる。したがって、より高精度の光変位計などの測定器を得ることができる。
以上、説明したように、本実施の形態のように入射側境界面を面対称の2つの傾斜面としても、光軸位置、角度が変動しにくい出射光を得ることができる。したがって、本実施例によれば、直進度測定器などの測定機器の信頼性を向上させることができる。
また、入射光の光軸とスプリッター面との高さを揃えて入射させることにより光強度分布を逆ガウシャン形に変換できる。そして、光の集光状態などから位置や変位を計測する光変位計等の測定機器をより高精度にすることができる。
次に、他の実施の形態について図8を用いて説明する。図8(A)は他の実施の形態である光学プリズム10の正面図を、図8(B)はその側面図を、図8(C)は得られる出射光32,34を示す図である。
本実施の形態の光学プリズム10は、円筒形状のプリズム40の両端に円錐形プリズム42を設けたものである。また、その中心平面には、光の一部を透過、一部を反射させるビームスプリッター面24が設けられている。この透過と反射の割合は等しい。
この光学プリズム10の左上側面16、すなわち、円錐形プリズム42の側面に入射光30を照射した場合について説明する。この場合、第1の実施の形態と同様に、ビームスプリッター面24を透過した光は右下側面22である第1出射面26から、ビームスプリッター面24で反射した光は右上側面20である第2出射面28から、それぞれ出射する。このときの光路は、ビームスプリッター面24を中心として対称である。したがって、得られる2つの出射光32,34も、常に対称となる。したがって、入射光30の位置や角度がずれても出射光全体36の光軸位置および角度は変化しない。また、強度分布は常に対称となっている。したがって、本実施例の光学プリズム10であっても、直進度測定器のような測定機器の信頼性を向上させることができる。
なお、得られる出射光32,34は、図8(C)に示すように円錐の中心点を中心として点対称となっている。これは、一見、第1の実施形態で得られる出射光(図2(C)参照)と似ている。しかし、本実施形態での出射光32,34は、円錐の頂点を中心として点対称であることが異なる。
また、ここでは、入射光30を左上側面16のみから入射した例を示しているが、左下側面18のみから入射、あるいは、左上側面16と左下側面18との両面から入射してもよい。さらに、入射光30の光軸とスプリッター面24との高さを揃えて入射してもよい。その場合は、外側が強くなる強度分布の出射光が得られるため、光の重心位置変化から変位量などを測定する種々の測定器の精度を向上させることができる。
次に、他の実施の形態について、図9を用いて説明する。なお、図9においても説明の便宜上、数本の光線のみを図示しているが、入射光30は一束の光線である。これは、直方体のプリズム44の両端にフレネルレンズ46,48を設けたものである。このフレネルレンズ46,48には、所定の傾斜の側面を有した複数の直線状の溝49が形成されている。また、このフレネルレンズ46,48は、上下対称の形状となっている。すなわち、溝49の傾斜角度が上下で反転している。さらに、2つのフレネルレンズ46,48は互いに反転した形状となっている。したがって、互いに対向するフレネルレンズ46,48の溝49の側面は、平行となっている。
このフレネルレンズ46,48を有する光学プリズム10に入射光30が入射した場合、図9(B)に示すような光路をとる。すなわち、フレネルレンズ46に入射した入射光30は、溝49の傾斜面で所定角度に屈折して入射する。そして、中心平面に設けられたビームスプリッター面24で透過、または、反射する。透過、反射した光は、それぞれ、右側のフレネルレンズ48に設けられた溝49傾斜面から出射する。このとき、出射する出射光36は、ビームスプリッター面24を中心として上下対称、かつ、入射光と平行である。
したがって、出射光36の光軸位置および角度は常に一定に保たれる。また、出射光全体36の強度分布は、常にビームスプリッター面を中心として面対称となっている。つまり、本実施の形態のように、入射側境界面、出射面をフレネルレンズで構成しても、出射光の光軸位置および角度が変化しにくく、強度分布が上下対称に保たれる。したがって、直進度測定器などの信頼性を向上されることができる。
また、入射光30の光軸とビームスプリッター面24との高さを揃えて(入射高さh=0)入射光30を入射すると、得られる出射光36の強度分布は外側ほど強く、中心ほど弱い逆ガウシャン形となる。したがって、光変位計などの測定機器の精度を向上させることができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、光軸位置および角度が常に一定の出射光を得ることができるため直進度測定器などの信頼性を向上されることができる。また、入射位置を調整することにより逆ガウシャン形の出射光を得ることができる。したがって、光変位計などの測定機器の精度を向上させることができる。さらに、フレネルレンズで入射側境界面、出射面を構成しているため、光学プリズム全体を小型化することが可能となる。
なお、本実施の形態では、直方体プリズムの両端にフレネルレンズを設けたが、いずれか一方のみをフレネルレンズとし、他方を傾斜面で構成してもよい。すなわち、入射側境界面、出射面のいずれか一方のみをフレネルレンズで構成し、他方を通常の傾斜面で構成してもよい。また、本実施の形態では、直線状の溝を複数設けたフレネルレンズを用いたが、図10に示すように同心円状に複数の溝を形成したフレネルレンズ50,52を設けてもよい。この場合、間に円筒形プリズム54を配する。
次に、他の実施例について図11を用いて説明する。図11は、本実施例の光学プリズム10の正面図、側面図、出射光を示す図である。この光学プリズム10は、第2の実施形態の光学プリズムと似ている。したがって、入射光の光軸を含む面を基準面とした場合、基準面を中心として面対称の2つの傾斜面16,18からなる入射側境界面25と、入射側境界面25を反転させた形状の2つの傾斜面20,22からなる出射面26を有している。ただし、この光学プリズム10は、その中心平面にビームスプリッター面を有していない。
この光学プリズム10に入射光30を照射した場合について説明する。入射光30は、その光軸が入射側境界面25の頂点58と同じ高さになるように入射される。したがって、入射光30がガウシャン形の強度分布を有する場合、最も強い光が入射側境界面25の頂点58付近から入射する。この頂点58付近から入射した光は、屈折して出射面26(傾斜面20,22)から出射する。このときの出射位置は、図11から明らかなように、出射面26の頂点60から離れた位置となる。一方、入射光30の外側にある弱い光は、入射側境界面25の頂点58から離れた位置から入射し、それぞれ、出射面26の頂点60近傍から出射する。
したがって、得られる出射光36の強度分布は、中心ほど弱く、外側ほど強い逆ガウシャン形となっている。そのため、この光学プリズムを用いることにより、光変位計のような光の重心位置変化に基づいて測定する測定機器の精度を向上させることができる。また、ビームスプリッター面を設ける必要がないため、単一のプリズムで構成できる。そのため、より簡易に製造することができる。
なお、当然ながら、面対称の2つの傾斜面からなる入射側境界面、および、入射側境界面を反転させた出射面とを有するものであれば、他の形状のプリズムであってもよい。例えば、円筒プリズムの両端に円錐プリズムを設けたものや、直方体または円筒プリズムの両端にフレネルレンズを設けたものでもよい(図12,13参照)。この場合であっても、図12,13に示すようにそれぞれ、入射された光は上下で対称の光路をとるため逆ガウシャン形状の出射光を得ることができる。
本発明の実施の形態である光学プリズムを示す図である。 光学プリズムに光を照射したときの様子を示す図である。 光学ガラスに入射された平行光の光路を示す図である。 図3で示される原理を光学プリズムに適用した場合を示す図である。 入射光の光軸位置および角度が変化した場合を示す図である。 他の実施の形態である光学プリズムに入射される光を示す図である。 他の実施の形態である光学プリズムに光を入射した場合を示す図である。 他の実施の形態の光学プリズムを示す図である。 他の実施の形態の光学プリズムを示す図である。 他の実施の形態の光学プリズムを示す図である。 他の実施の形態の光学プリズムを示す図である。 他の実施の形態の光学プリズムを示す図である。 他の実施の形態の光学プリズムを示す図である。
符号の説明
10 光学プリズム、24 ビームスプリッター面、25 入射側境界面、26,28 出射面、30 入射光、32,34,36 出射光、44 プリズム、46,48,50,52 フレネルレンズ、d シフト量、h 入射高さ、i 入射角度、n 屈折率、θ 屈折角度。

Claims (9)

  1. 所定の屈折率を備えた光学装置であって、
    平行光の入射する面であって、光の光軸に対して傾斜した入射側境界面と、
    光学装置の内部を進む光の一部を透過、一部を反射させるスプリッター面であって、入射光の光軸と平行なスプリッター面と、
    入射側境界面と平行であって、スプリッター面を透過した光が出射する第1出射面と、
    スプリッター面で反射された光の出射面であって、スプリッター面を中心として第1出射面と面対称である第2出射面と、
    を有することを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置であって、
    入射側境界面と第1出射面は、入射側境界面と第1出射面との距離をt、入射光の光軸と出射光の光軸との距離をd、光学部材の屈折率をn、入射角度をi、屈折角度をθとすると、
    (数1)
    d=t・sin(i){1−cos(i)/(n/cosθ)}
    を満たす位置関係であって、
    光の入射位置は、スプリッター面から入射位置までの距離をhとすると、d≧hを満たす位置であることを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1または2に記載の光学装置であって、
    スプリッター面は、反射する光と透過する光の割合が等しいことを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1に記載の光学装置であって、
    光学装置は、互いに空間を介さず配された1以上の光学部材からなることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1に記載の光学装置であって、
    入射側境界面は、スプリッター面を中心として面対称の2つの傾斜面であることを特徴とする光学装置。
  6. 請求項1から4のいずれか1に記載の光学装置であって、
    光学部材は、六角柱形状のプリズムであって、その中心にスプリッター面を設けたプリズムであることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項1から4のいずれか1に記載の光学装置であって、
    光学部材は、円筒の両端に円錐を設けたプリズムであって、その中心にスプリッター面を設けたプリズムであることを特徴とする光学装置。
  8. 請求項1から4のいずれか1に記載の光学装置であって、
    入射側境界面、および、第1出射面の少なくとも1方は、所定の角度で傾斜した側面を有する複数の溝から構成されるフレネルレンズ面であることを特徴とする光学装置。
  9. 所定の屈折率を備えた光学装置であって、
    入射される光の光軸を含む基準面を中心として面対称の2つの傾斜面からなる入射側境界面と、
    光学部材の中を透過した光束が出射する出射面であって、基準面を中心として面対称、かつ、入射側境界面を反転した形状の2つの傾斜面からなる出射面と、
    を有することを特徴とする光学装置。
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