JP2005180573A - 圧延機ロールネック用密封装置及び該密封装置を備えた圧延機 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部からのシールの潤滑剤供給を不要とする自己潤滑性を有する圧延機ロールネック用密封装置を提供する。
【解決手段】ロールネック1を回転可能に支持する軸受装置2の軸箱3とロールネック外周との間に組み込まれ、外径側が軸箱に固定されると共に、内径側がロールネック外周に摺接する密封装置5で、この密封装置は、軸箱内方から外方に見た状態で、円環状の内側シール6と、円環状の外側シール7と、該内側シールと外側シールの間に保持される潤滑油供給部材16とで構成され、前記潤滑油供給部材は、ロールネックとの摺接により生じた摩擦熱が前記シールを介して伝熱された結果、温度上昇により自然に油が滲み出てくる潤滑油自己供給性を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】ロールネック1を回転可能に支持する軸受装置2の軸箱3とロールネック外周との間に組み込まれ、外径側が軸箱に固定されると共に、内径側がロールネック外周に摺接する密封装置5で、この密封装置は、軸箱内方から外方に見た状態で、円環状の内側シール6と、円環状の外側シール7と、該内側シールと外側シールの間に保持される潤滑油供給部材16とで構成され、前記潤滑油供給部材は、ロールネックとの摺接により生じた摩擦熱が前記シールを介して伝熱された結果、温度上昇により自然に油が滲み出てくる潤滑油自己供給性を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鉄鋼産業における鋼材等の圧延設備全般に使用され、軸箱のバレル側に組み込まれる内外2重の密封装置であって、軸箱からの潤滑剤の漏れを防止し、かつ外側シールの潤滑供給を必要としない密封装置に関するものである。
鉄鋼用ロールネック軸受の軸箱のバレル側には、オイルシールを2重に組み込むものが知られている(非特許文献1参照)。
このように、オイルシールを2重に組み込むものとしたのは、バレル側から軸箱内への水・異物などの浸入を防止し、軸受内の潤滑剤の漏れによる製品の油染み防止などを目的としているものである。
NSKテクニカルジャーナル No.669 2000年発行 「圧延機用高信頼性4列円すいころ軸受"NSKエクストラキャパシティー密封ロールネック用軸受"の開発 相澤知之 他」P.22 図1
このように、オイルシールを2重に組み込むものとしたのは、バレル側から軸箱内への水・異物などの浸入を防止し、軸受内の潤滑剤の漏れによる製品の油染み防止などを目的としているものである。
NSKテクニカルジャーナル No.669 2000年発行 「圧延機用高信頼性4列円すいころ軸受"NSKエクストラキャパシティー密封ロールネック用軸受"の開発 相澤知之 他」P.22 図1
このような2重のオイルシールの場合、2重に組まれたオイルシールのうち、外側のオイルシールにおいて潤滑不良を起こしやすいものである。従って、この外側のオイルシールの潤滑不良を防ぐためには、オイルエア潤滑、オイルミスト潤滑などにより、2重シールの間に油を供給することが知られている。
しかし、ロールネック軸受の場合において、オイルエア潤滑で油を供給するには、軸箱にオイルエア専用の分配器を挿入して複数の潤滑点への供給を行うが、前記2重シール用に1個のオイルエア分配器が必要になり、コスト高及び施工手間が掛かる。
また、外側のオイルシールからの漏れを防がなければならない場合は、シール用の回収穴を設けるなどの余計な加工を施さなければならず、さらにコスト高及び施工手間を招くこととなる。
また、オイルミスト潤滑の場合は、2重に組まれたシールの外側のオイルシールが破損した場合、破損箇所から多くのミストが漏れるため、潤滑不良、設備周りの環境汚染を引き起こす可能性がある。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、外部からのシールの潤滑剤供給を不要とする自己潤滑性を有する圧延機ロールネック用密封装置を提供することである。
しかし、ロールネック軸受の場合において、オイルエア潤滑で油を供給するには、軸箱にオイルエア専用の分配器を挿入して複数の潤滑点への供給を行うが、前記2重シール用に1個のオイルエア分配器が必要になり、コスト高及び施工手間が掛かる。
また、外側のオイルシールからの漏れを防がなければならない場合は、シール用の回収穴を設けるなどの余計な加工を施さなければならず、さらにコスト高及び施工手間を招くこととなる。
また、オイルミスト潤滑の場合は、2重に組まれたシールの外側のオイルシールが破損した場合、破損箇所から多くのミストが漏れるため、潤滑不良、設備周りの環境汚染を引き起こす可能性がある。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、外部からのシールの潤滑剤供給を不要とする自己潤滑性を有する圧延機ロールネック用密封装置を提供することである。
前記目的を達成するために本発明がなした技術的手段は、ロールネックを回転可能に支持する軸受装置の軸箱とロールネック外周との間に組み込まれ、外径側が軸箱に固定されると共に、内径側がロールネック外周に摺接する密封装置であって、この密封装置は、軸箱内方から外方に見た状態で、円環状の内側シールと、円環状の外側シールと、該内側シールと外側シールの間に保持される潤滑油供給部材とで構成され、前記潤滑油供給部材は、ロールネックとの摺接により生じた摩擦熱が前記シールを介して伝熱された結果、温度上昇により自然に油が滲み出てくる潤滑油自己供給性を有するものとした。
内側シールは、そのシール内径が軸受側向き、外側シールは、そのシール内径が反軸受側向きの構成を有しているものとする。
潤滑油供給部材は、ロールネックと非接触で、ロールネックとの間に所望な空間を形成して内側シールと外側シールにより保持されているものとする。
前記潤滑剤供給部材は、例えば固形油を代表例としてあげることができる。
また、潤滑剤供給部材の外径側と内径側のいずれか一方若しくは双方に、間座を介在させることもできる。さらに、内径側の間座は、その外径面から内径面に連通する油溝を設けるものとする。
軸箱内に備えた軸受装置によりロールネックが回転自在に支持されており、軸箱のバレル側とロールネック外周との間には、外径側が軸箱に固定されると共に、内径側がロールネック外周に摺接する密封装置が組み込まれており、前記密封装置は、軸箱内方から外方に見た状態で、円環状の内側シールと、円環状の外側シールと、該内側シールと外側シールの間に保持される潤滑油供給部材とで構成され、前記潤滑油供給部材は、ロールネックとの摺接により生じた摩擦熱が前記シールを介して伝熱された結果、温度上昇により油が滲み出てくるものとした圧延機とする。
この発明の密封装置によると、ロールネック(ロール)が回転することにより、該ロールネックに摺接しているシールリップとの間で摩擦熱が生じ、その熱は2重シールに伝わり、該シールを加熱する。
そしてこのように加熱されたシールの熱は、該シール間に組み込まれた潤滑油供給部材に伝熱される。
このように伝熱された潤滑油供給部材は、その熱により温度が上昇し、自然に油が滲み出てシールの潤滑を行う。
内側シールは、そのシール内径が軸受側向き、外側シールは、そのシール内径が反軸受側向きの構成を有しているものとする。
潤滑油供給部材は、ロールネックと非接触で、ロールネックとの間に所望な空間を形成して内側シールと外側シールにより保持されているものとする。
前記潤滑剤供給部材は、例えば固形油を代表例としてあげることができる。
また、潤滑剤供給部材の外径側と内径側のいずれか一方若しくは双方に、間座を介在させることもできる。さらに、内径側の間座は、その外径面から内径面に連通する油溝を設けるものとする。
軸箱内に備えた軸受装置によりロールネックが回転自在に支持されており、軸箱のバレル側とロールネック外周との間には、外径側が軸箱に固定されると共に、内径側がロールネック外周に摺接する密封装置が組み込まれており、前記密封装置は、軸箱内方から外方に見た状態で、円環状の内側シールと、円環状の外側シールと、該内側シールと外側シールの間に保持される潤滑油供給部材とで構成され、前記潤滑油供給部材は、ロールネックとの摺接により生じた摩擦熱が前記シールを介して伝熱された結果、温度上昇により油が滲み出てくるものとした圧延機とする。
この発明の密封装置によると、ロールネック(ロール)が回転することにより、該ロールネックに摺接しているシールリップとの間で摩擦熱が生じ、その熱は2重シールに伝わり、該シールを加熱する。
そしてこのように加熱されたシールの熱は、該シール間に組み込まれた潤滑油供給部材に伝熱される。
このように伝熱された潤滑油供給部材は、その熱により温度が上昇し、自然に油が滲み出てシールの潤滑を行う。
本発明は、上述の通りの構成を採用したため、ロールネックを回転可能に支持する軸受装置の軸箱とロールネック外周との間に組み込まれ、外径側が軸箱に固定されると共に、内径側がロールネック外周に摺接する2重の密封装置であっても、その外側シール(オイルシール)潤滑用として、オイルエア、オイルミスト、グリースなどの潤滑剤の供給を必要としない。
従って、油漏れ防止、軸箱穴加工削減、オイルエア分配器の削減によるコストダウンなどの効果を奏する。また、オイルエア採用時のコストダウン、オイルミスト・油の漏れ防止などの効果を奏する。
従って、油漏れ防止、軸箱穴加工削減、オイルエア分配器の削減によるコストダウンなどの効果を奏する。また、オイルエア採用時のコストダウン、オイルミスト・油の漏れ防止などの効果を奏する。
本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態にすぎず、何等これに限定して解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。本発明は、例えば鉄鋼産業における鋼材等の圧延設備全般に使用される。
図1及び図2は、鉄鋼用ロールネック1が軸受装置2によって回転可能に支持され、軸受装置2の軸箱3とロールネック外周1aとの間に本発明密封装置5を組み込んだ圧延機の一実施形態を示している。
軸受装置2は、本実施形態では図1にて位置のみを示す概略で表すが、例えば4列円すいころ軸受若しくは4列円筒ころ軸受、又は複列円すいころ軸受などが用いられる。軸受装置は、特に限定して解釈されるものではなく、本発明の範囲内で任意に選択される。
軸受装置2は、本実施形態では図1にて位置のみを示す概略で表すが、例えば4列円すいころ軸受若しくは4列円筒ころ軸受、又は複列円すいころ軸受などが用いられる。軸受装置は、特に限定して解釈されるものではなく、本発明の範囲内で任意に選択される。
密封装置5は、軸箱3のバレル側端部4とロールネック外周1aとの間に組み込まれ、外径d1(図2参照)側が軸箱3のバレル側端部4に固定されると共に内径d2側がロールネック外周1aに摺接される。
密封装置5は、軸箱3内方から外方に見た状態で(図1及び図2において、図の左方が内方、右方が外方)、円環状の内側シール6と、円環状の外側シール7と、該内側シール6と外側シール7の間に介在される外径側間座14と内径側間座15と、該外径側間座14と内径側間座15間に保持されて両シール6,7間に配設されている潤滑油供給部材16とで構成されている。そして、内側シール6から外側シール7にわたって締結ボルト17を介して締め付け固定することにより、これら全ての構成が一体化された密封装置5として提供される。
なお、本実施形態では、締結ボルト17は、内側シール6の外面6bから内面6aにわたり軸方向に連通するボルト穴18と、潤滑油供給部材16の両側面16a,16bにわたり軸方向に連通するボルト穴19と、外側シール7の芯金9に設けたボルト穴20を連通せしめて締結しており、外側シール7の外面7bにはボルト穴が露呈しないものとしている。これは、潤滑油供給部材16から滲み出た油が、ボルト締結部分から外側シール7の外方(バレル方向)に漏れる可能性があり、これを防止するためである。
密封装置5は、軸箱3内方から外方に見た状態で(図1及び図2において、図の左方が内方、右方が外方)、円環状の内側シール6と、円環状の外側シール7と、該内側シール6と外側シール7の間に介在される外径側間座14と内径側間座15と、該外径側間座14と内径側間座15間に保持されて両シール6,7間に配設されている潤滑油供給部材16とで構成されている。そして、内側シール6から外側シール7にわたって締結ボルト17を介して締め付け固定することにより、これら全ての構成が一体化された密封装置5として提供される。
なお、本実施形態では、締結ボルト17は、内側シール6の外面6bから内面6aにわたり軸方向に連通するボルト穴18と、潤滑油供給部材16の両側面16a,16bにわたり軸方向に連通するボルト穴19と、外側シール7の芯金9に設けたボルト穴20を連通せしめて締結しており、外側シール7の外面7bにはボルト穴が露呈しないものとしている。これは、潤滑油供給部材16から滲み出た油が、ボルト締結部分から外側シール7の外方(バレル方向)に漏れる可能性があり、これを防止するためである。
内側シール6は、そのシール内径(シールリップ)を軸受方向(内側向き)に向けて構成し、軸箱3からの潤滑剤の漏れを防ぐものとする。
外側シール7は、そのシール内径(シールリップ)をバレル方向(外側向き)に向けて構成し、外部からの水や異物が軸箱3内に浸入することを防ぐものとする。この内側シール6と外側シール7は、本実施形態においては、周知のオイルシールを夫々背中合わせ状に並設して一体化させている。
具体的には、シール6(7)は、軸方向平坦面8a(9a)と半径方向平坦面8b(9b)とで構成される断面視略L字形の円環状芯金8(9)と、該芯金8(9)と一体的に設けられるゴム若しくは樹脂などからなるシール部材10(11)とで構成されている。
シール部材10(11)は、前記芯金8(9)の軸方向平坦面8a(9a)の内面に沿う外径面10a(11a)と、外径面10a(11a)端部から半径方向平坦面8b(9b)の内面に沿って延設される側面10b(11b)と、該側面10b(11b)から図面上で左方向(右方向)に傾斜させて延設したシールリップ10c(11c)とで一体の円環状に構成されている。
また、本実施形態では、シールリップ10c(11c)の半径方向外径側にガータスプリング12(13)を備えているが、このガータスプリングは必ずしも必須のものではない。
外側シール7は、そのシール内径(シールリップ)をバレル方向(外側向き)に向けて構成し、外部からの水や異物が軸箱3内に浸入することを防ぐものとする。この内側シール6と外側シール7は、本実施形態においては、周知のオイルシールを夫々背中合わせ状に並設して一体化させている。
具体的には、シール6(7)は、軸方向平坦面8a(9a)と半径方向平坦面8b(9b)とで構成される断面視略L字形の円環状芯金8(9)と、該芯金8(9)と一体的に設けられるゴム若しくは樹脂などからなるシール部材10(11)とで構成されている。
シール部材10(11)は、前記芯金8(9)の軸方向平坦面8a(9a)の内面に沿う外径面10a(11a)と、外径面10a(11a)端部から半径方向平坦面8b(9b)の内面に沿って延設される側面10b(11b)と、該側面10b(11b)から図面上で左方向(右方向)に傾斜させて延設したシールリップ10c(11c)とで一体の円環状に構成されている。
また、本実施形態では、シールリップ10c(11c)の半径方向外径側にガータスプリング12(13)を備えているが、このガータスプリングは必ずしも必須のものではない。
各シール6,7のシールリップ10c,11c形状は特に限定はされず、例えば図示はしないが、各シールが軸方向に複数枚のリップを備え、それら複数枚のリップをロールネックの外周に摺接させてシールさせたり、シールリップの摺接面に一本乃至複数本の溝を設けてシールさせることもできる。
また、本実施形態では、軸箱3のバレル側端部4に対向するシール外径d1に芯金8,9が露呈している状態であるが、芯金8,9をゴムなどのシール材材料で被覆して外径にゴムなどのシール材材料が対向するものとすることもでき、実施の形態に応じて適宜設計変更可能である。
また、本実施形態では、軸箱3のバレル側端部4に対向するシール外径d1に芯金8,9が露呈している状態であるが、芯金8,9をゴムなどのシール材材料で被覆して外径にゴムなどのシール材材料が対向するものとすることもでき、実施の形態に応じて適宜設計変更可能である。
潤滑油供給部材16は、ロールネック1との摺接により生じた摩擦熱が前記シール6,7を介して伝熱された結果、温度上昇により自然に油が滲み出てくる潤滑油自己供給性を有するものとした。具体的には次の構成が挙げられる。
潤滑油供給部材16は、例えば本実施形態では、断面視矩形の全体円環状に形成された固形油で、外径側間座14と内径側間座15に接触状に挟持されて内側シール6と外側シール7の間に保持されているものとする。
外径側間座14と内径側間座15に挟持されずに、内側シール6と外側シール7によって固着保持される実施の形態も本発明の範囲内である。
この他の実施の形態をも考慮した場合、シールの外径をd1、内径をd2、そして固形油16の外径をd3、内径をd4とすると、少なくとも、d1≧d3、d2<d4の関係を有し、固形油がロールネック外周と非接触なものとする。また、固形油16の側面16a,16bは、夫々内側シール6の内面6aと外側シール7の内面7aに接している。
潤滑油供給部材16は、例えば本実施形態では、断面視矩形の全体円環状に形成された固形油で、外径側間座14と内径側間座15に接触状に挟持されて内側シール6と外側シール7の間に保持されているものとする。
外径側間座14と内径側間座15に挟持されずに、内側シール6と外側シール7によって固着保持される実施の形態も本発明の範囲内である。
この他の実施の形態をも考慮した場合、シールの外径をd1、内径をd2、そして固形油16の外径をd3、内径をd4とすると、少なくとも、d1≧d3、d2<d4の関係を有し、固形油がロールネック外周と非接触なものとする。また、固形油16の側面16a,16bは、夫々内側シール6の内面6aと外側シール7の内面7aに接している。
外径側間座14は、本実施形態では、その外径がシール芯金8(9)の軸方向平坦面8a(9a)の外径と同径で、内径がシール芯金8(9)の軸方向平坦面8a(9a)の内径と同径とする。
内径側間座15は、本実施形態では、前記外径側間座14と半径方向厚さが同厚で、その内径がシール芯金8(9)の半径方向平坦面8b(9b)の内径と同径としている。
外径側間座14と内径側間座15の形状・大きさ等は図示例に限定解釈されず、少なくとも次の関係を有しているものとする。
シール6(7)の外径をd1、内径をd2、そして外径側間座14の外径をd5、内径側間座15の内径をd6とすると、少なくとも、d1≧d5、d2<d6の関係を有し、外径側間座14の外径d5がシール外径d1より半径方向外方に突出することなく、かつ内径側間座15がロールネック外周1aと非接触なものとする。この関係は、上述した潤滑油供給部材16との関係において適宜調整して設計変更される。
内径側間座15は、本実施形態では、前記外径側間座14と半径方向厚さが同厚で、その内径がシール芯金8(9)の半径方向平坦面8b(9b)の内径と同径としている。
外径側間座14と内径側間座15の形状・大きさ等は図示例に限定解釈されず、少なくとも次の関係を有しているものとする。
シール6(7)の外径をd1、内径をd2、そして外径側間座14の外径をd5、内径側間座15の内径をd6とすると、少なくとも、d1≧d5、d2<d6の関係を有し、外径側間座14の外径d5がシール外径d1より半径方向外方に突出することなく、かつ内径側間座15がロールネック外周1aと非接触なものとする。この関係は、上述した潤滑油供給部材16との関係において適宜調整して設計変更される。
また、本実施形態では、内径側間座15は、その外径面から内径面に連通する油溝15aを、外側シール7寄りに設けるものとする。
この油溝15aは、潤滑油供給部材16から滲み出た油を外側シール7の摺接面方向へと案内する溝で、周方向に一個乃至複数個設けられる。
溝形状も円筒状や周方向に長尺状であったり等任意に形成可能である。
なお、本実施形態では、外側シール7寄りにのみ油溝15aを設けているが、特に、潤滑油供給部材16から滲み出た油を外側シール7の摺接面方向へと供給し得るものであればこれに限定はされない。
この油溝15aは、潤滑油供給部材16から滲み出た油を外側シール7の摺接面方向へと案内する溝で、周方向に一個乃至複数個設けられる。
溝形状も円筒状や周方向に長尺状であったり等任意に形成可能である。
なお、本実施形態では、外側シール7寄りにのみ油溝15aを設けているが、特に、潤滑油供給部材16から滲み出た油を外側シール7の摺接面方向へと供給し得るものであればこれに限定はされない。
従って、ロールネック(ロール)1が回転することにより、該ロールネック1に摺接している内側シール6のシールリップ10c、外側シール7のシールリップ11cとの間で摩擦熱が生じる。
そして、その摩擦熱は、内側シール6と外側シール7に伝わり、該夫々のシール6,7を加熱する。
そして、このように加熱された夫々のシール6,7の熱は、該シール6,7間に組み込まれた潤滑油供給部材16に伝熱される。
このように伝熱された潤滑油供給部材16は、その熱により温度が上昇して溶け出し、自然に油が滲み出ると共に、内径側間座15の油溝15aを介して内径側へと流れ出し、外側シール7の内面7aを伝ってシールリップ11cの摺接面方向へと供給されて外側シール7の潤滑を行うことができる。
そして、その摩擦熱は、内側シール6と外側シール7に伝わり、該夫々のシール6,7を加熱する。
そして、このように加熱された夫々のシール6,7の熱は、該シール6,7間に組み込まれた潤滑油供給部材16に伝熱される。
このように伝熱された潤滑油供給部材16は、その熱により温度が上昇して溶け出し、自然に油が滲み出ると共に、内径側間座15の油溝15aを介して内径側へと流れ出し、外側シール7の内面7aを伝ってシールリップ11cの摺接面方向へと供給されて外側シール7の潤滑を行うことができる。
本実施形態では、潤滑油供給部材16から滲み出た油を、内径側間座15の油溝15aを介して外側シール7の摺接面方向へと案内しているが、この案内手段は限定されることなく、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
例えば、図3に示す構成を採用することも考えられる。
すなわち、外側シール7を構成している芯金9の半径方向平坦面9bの外面に、潤滑油供給部材16接触位置から内径に向けて連通する溝9cを一本乃至複数本設けることとしても、潤滑油供給部材16から滲み出た油を外側シール7の摺接面方向へと案内することができる。
例えば、図3に示す構成を採用することも考えられる。
すなわち、外側シール7を構成している芯金9の半径方向平坦面9bの外面に、潤滑油供給部材16接触位置から内径に向けて連通する溝9cを一本乃至複数本設けることとしても、潤滑油供給部材16から滲み出た油を外側シール7の摺接面方向へと案内することができる。
1:ロールネック
1a:ロールネック外周
2:軸受装置
3:軸箱
4:バレル側端部
5:密封装置
6:内側シール
7:外側シール
14:外径側間座
15:内径側間座
16:潤滑油供給部材(固形油)
1a:ロールネック外周
2:軸受装置
3:軸箱
4:バレル側端部
5:密封装置
6:内側シール
7:外側シール
14:外径側間座
15:内径側間座
16:潤滑油供給部材(固形油)
Claims (7)
- ロールネックを回転可能に支持する軸受装置の軸箱とロールネック外周との間に組み込まれ、外径側が軸箱に固定されると共に、内径側がロールネック外周に摺接する密封装置であって、
軸箱内方から外方に見た状態で、
円環状の内側シールと、
円環状の外側シールと、
該内側シールと外側シールの間に保持される潤滑油供給部材とで
構成され、
前記潤滑油供給部材は、ロールネックとの摺接により生じた摩擦熱が前記シールを介して伝熱された結果、温度上昇により油が滲み出てくる
ことを特徴とする圧延機ロールネック用密封装置。 - 内側シールは、そのシール内径が軸受側向きで、外側シールは、そのシール内径が反軸受側向きであることを特徴とする請求項1に記載の圧延機ロールネック用密封装置。
- 潤滑油供給部材は、ロールネックと非接触で、ロールネックとの間に所望な空間を形成して内側シールと外側シールにより保持されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の圧延機ロールネック用密封装置。
- 潤滑剤供給部材は、固形油であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧延機ロールネック用密封装置。
- 潤滑剤供給部材の外径側と内径側のいずれか一方若しくは双方に、間座を介在したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧延機ロールネック用密封装置。
- 内径側の間座は、その外径面から内径面に連通する油溝が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の圧延機ロールネック用密封装置。
- 軸箱内に備えた軸受装置によりロールネックが回転自在に支持されており、
軸箱のバレル側とロールネック外周との間には、外径側が軸箱に固定されると共に、内径側がロールネック外周に摺接する密封装置が組み込まれており、
前記密封装置は、
軸箱内方から外方に見た状態で、
円環状の内側シールと、
円環状の外側シールと、
該内側シールと外側シールの間に保持される潤滑油供給部材とで
構成され、
前記潤滑油供給部材は、ロールネックとの摺接により生じた摩擦熱が前記シールを介して伝熱された結果、温度上昇により油が滲み出てくる
ことを特徴とする圧延機。
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005180573A true JP2005180573A (ja) | 2005-07-07 |
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ID=34782913
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JP (1) | JP2005180573A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101125238B1 (ko) * | 2009-08-11 | 2012-03-21 | 주식회사 에스.제이테크 | 더스트 시일 링 |
-
2003
- 2003-12-19 JP JP2003421862A patent/JP2005180573A/ja not_active Withdrawn
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KR101125238B1 (ko) * | 2009-08-11 | 2012-03-21 | 주식회사 에스.제이테크 | 더스트 시일 링 |
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