JP2005177843A - 金属ガラスの加工方法および加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属ガラスの表層領域だけを局所的に加熱して流動化することにより、エネルギー利用効率の高い金属ガラスの微細加工方法を提案する。
【解決手段】 レーザー1Aに対して透明な転写型6を通して金属ガラス20の表面をレーザー1Aで照射し、金属ガラス20の表層領域の温度をそのガラス転移点と結晶化点の間に一定時間保持して流動化した金属ガラス20を転写型6へ充填する加熱充填工程と、加熱充填工程後、金属ガラス20をそのガラス転移点温度より低い温度に冷却して、転写型6を金属ガラス20から引き離す離型工程とを備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、金属ガラスに対して精密・微細加工を実現するための成形加工方法及びその装置に関する。
金属ガラスの加工方法として、バルク状の金属ガラスを加熱して流動化し、そこへ転写型を押しつけることにより、転写型の凹凸パターンを金属ガラス表面へ転写することが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−166069号公報
上記のような加工方法は、大きな寸法(〜数mm)を有する凹凸形状の転写には適している。しかし、マイクロあるいはナノオーダーの微細凹凸パターンを転写する目的には必ずしも適していない。それは、容積が大きな金属ガラスの固まり全体を加熱して流動化するために、必要以上に多くの熱エネルギーを投入しなければならず、例えば加熱装置が大掛かりなものとなって、製造コストを引き上げる要因となるからである。マイクロあるいはナノオーダーの微細凹凸パターンを転写するのであれば、金属ガラスの表層領域(数nm〜数μm)だけを流動化すれば十分であり、そのためには、金属ガラスの表層領域だけを加熱するエネルギー利用効率の高い成形加工手段が必要になる。
本発明は上記課題に対応したものであり、金属ガラスの表層領域だけを局所的に加熱して成形加工を行うことで、エネルギー利用効率の高い金属ガラスの微細加工方法および装置を提案するものである。
本発明の加工方法は、レーザーに対して透明な転写型を通して金属ガラスの表面を前記レーザーで照射し、前記金属ガラスの表層領域の温度をそのガラス転移点と結晶化点の間に一定時間保持して流動化した前記金属ガラスを前記転写型へ充填する加熱充填工程と、前記加熱充填工程後、前記金属ガラスをそのガラス転移点温度より低い温度に冷却して、前記転写型を前記金属ガラスから引き離す離型工程とを備える。
また、レーザーに対して透明な転写型を通して金属ガラスの表面を前記レーザーで照射し、前記金属ガラスの表層領域の温度をその融点より高い温度にして流動化した前記金属ガラスを前記転写型へ充填する加熱充填工程と、前記加熱充填工程後、前記金属ガラスをそのガラス転移点温度より低い温度に急冷却して、前記転写型を前記金属ガラスから引き離す離型工程とを備える。
なお、前記加熱充填工程において、前記金属ガラスと前記転写型とを圧着することが好ましい。
また、前記加熱充填工程を不活性ガス雰囲気中または真空中で行うことが好ましい。
さらに、前記離型工程における冷却または急冷却は、水、空気、窒素ガスなどを利用して行う。
また、前記加熱充填工程における前記レーザーの照射は、前記金属ガラスへ照射するレーザーの面積を拡大して、前記金属ガラスの加工部位の一定範囲を同時に照射して行っても、あるいは、該レーザーを走査し、前記金属ガラスの加工部位を順に照射して行ってもよい。
本発明の加工装置は、被加工物である金属ガラスに転写しようとする形状を有した転写型を保持する転写型保持装置と、レーザーを発生するレーザー発生装置と、前記レーザー発生装置からのレーザーを前記保持装置に保持された転写型を通して前記被加工物に照射するレーザー照射装置と、前記被加工物の表層温度を測定する温度測定装置と、前記被加工物を冷却する冷却手段とを備える。
なお、前記温度測定装置で検出された温度をもとに前記レーザーの照射強度を制御するレーザー強度制御装置を備えてもよい。また、前記転写型と前記被加工物とを圧着する圧着装置を備えてもよい。
本発明によれば以下のような効果を奏する。
(1)金属ガラスの表層(数nm〜〜数μm)に対して、必要最小限の熱エネルギーを用いて効率よく微細凹凸形状を形成することができる。
(2)金属ガラスの表層(数nm〜〜数μm)に高精度なパターン転写が可能になる。
(3)金属ガラスの成形加工が高スループットで可能となる。
(4)金属ガラス加工のための装置構成が簡便になり装置および生産コストが低減する。
本発明において加工の対象となる金属ガラスは、Al基、Zr基、Pd基、Ni基などからなるアモルファス金属であって、金属でありながら酸化物ガラスのようにガラス転移点以上の温度で流動状態となる性質を有するものである。具体的なものとして、Zr−Al−Cu−Ni 、Pd−Cu−Ni−P、Pd−Ni−Fe−P、 Pd−Cu−B−Si、Al−Cs−Ni、Ni−Zr−Ti−Sn−Siなどの合金ある。金属ガラスは、高強度、高摩耗性、高耐蝕性など工業応用上優れた性質を備えており、例えば、ゴルフクラブ、時計ケース、電源用チョークコイル、光ディスク用スタンパ、光学素子などへの応用が実行または提案されている。
また、上記のような金属ガラスに目的の形状を転写する成形用転写型は、加工対象である金属ガラスの加熱に用いるレーザーを透過する材料(すなわちレーザーに対して透明な材料)であって、そのガラス転移点が加工対象である金属ガラスのガラス転移点よりも必要充分に高い材料からなる。このような材料として、例えば合成石英がある。合成石英は、200nm〜2000nmの波長のレーザーに対して透明であり、軟化点が1700℃、またその温度以下では歪みが発生しない歪点が1060℃であり、本発明の転写型として利用することができる。この他、転写型には、熱的に安定なダイヤモンドも利用可能であり、さらに、10μmを超えるような比較的長い波長に対しては、ZnSeやGeなどの透明な素材も利用できる。
次に、金属ガラスとその加熱に用いるレーザーとの関係について検討する。金属ガラスの加熱に連続発振のYAGレーザー(波長1.06μm)を利用する場合、このYAGレーザーに対して、合成石英の転写型は透明であり、他方、金属ガラスは不透明である。また、レーザーを金属ガラスへ照射した場合、金属ガラス中に侵入するレーザーの強度は金属ガラス表面からの深さの関数で表わされ、ほぼ指数関数的に減衰する。この関係は図1に示すようなものである。そして、そのレーザー侵入深さdは、照射レーザーの波長ならびに金属ガラスの複素誘電率に左右され、次の(1)式で与えられる。
d≒(μωσ)-1/2 …(1)
ここで、ωはレーザーの角周波数、μ、σは金属ガラスの透磁率と導電率である。従って、転写型が有する凹凸パターンの高さに応じて、所要のレーザー侵入深さを実現するように、照射レーザーの波長と金属ガラスの物性を選ぶ必要がある。上記YAGレーザーの場合、金属ガラスに対する侵入深さは数nmであり、ナノオーダーの微細な凹凸パターンを成形加工するには充分である。このようなレーザーで金属ガラスを照射加熱すると、金属ガラスの表層温度が短時間のうちに上昇し、そのガラス転移点(Zr55Al10Ni5Cu30の場合は約410℃)を越え、金属ガラスの表層が流動化する。本発明は、この表層が流動化した金属ガラスを、その金属ガラスに密着させた転写型の凹凸面に充填または充満させるようにして、該金属ガラスの表層にその転写型の凹凸形状を転写成形しようとするものである。
本発明における成形に際して金属ガラスの粘性流動状態を利用する場合、金属ガラスの表層温度Tを次の(2)式の状態に保ったまま時間Δtだけ保持して、その間に流動化した金属ガラスを転写型に充填する。
Tg<T<Tx …(2)
ただし、Txは金属ガラスの結晶化点(Zr55Al10Ni5Cu30の場合は約493℃)である。式(2)の状態は、例えば、レーザーの照射強度あるいは照射時間を調節することにより実現できる。
ところで、流動状態にある金属ガラス20に対する成形は、それが結晶化を開始する以前に終了しなければならない。この時間は、金属ガラスの表層温度とも関係しており、成形加工に費やせる時間Δtは、次の(3)式の関係を満足する必要がある。
Δt<tc …(3)
ここで、tcは結晶化開始時間である。図2には金属ガラスZr55Al10Ni5Cu30の結晶化開始時間tcと金属ガラスの温度T(Tg<T<Tx)の関係を示した。この関係から、T−Tgが小さいほど、結晶化が始まるまでの時間が長くなることがわかる。金属ガラスZr55Al10Ni5Cu30に対して、例えば温度を約450℃に保持して成形加工を行う場合には、その結晶化開始までの時間は約20分であり、成形加工のために必要十分な時間を費やすことができる。
次に、本発明の金属ガラスの成形加工方法を実施する加工装置について説明する。なお、ここで説明する装置はあくまでも一例であり、本発明の加工方法の実施は以下の加工装置に限定されるものではない。
図3は金属ガラスの成形加工を実施するための本発明の実施形態に係る加工装置の構成図である。図示するように、この加工装置は、レーザー発生装置としてのレーザー発振器1と、レーザー発振器1から出力されたレーザービーム1Aの強度を調整するアッテネータ2と、レーザービーム1Aの照射方向を調整するミラー3と、レーザービーム1Aのビーム径を拡径するエキスパンダ4とを備える。これらのアッテネータ2、ミラー3およびエキスパンダ4はレーザービーム1Aの照射装置を構成している。加工装置はまた、成形型としての転写型6を保持する転写型保持装置5を備える。転写型保持装置5は油圧または空圧などによりその先端部がピストン運動可能とされ、その最先端に吸着具またはチャックなどの転写型6を固定する手段を備えている。なお、転写型保持装置5による転写型6の固定は、転写型6の対向する2辺または対向する4辺を利用して行うことが、転写型の安定保持および後述する金属ガラスとの圧着の観点から好ましい。
上記加工装置は、さらに、被加工物である金属ガラス20を載置してセットする被加工物載置台7と、被加工物載置台7をX軸、Y軸、Z軸の3軸方向に移動させることができる3軸ステージ8を備える。また、転写型と同様の素材からなる開閉自在のケース11を備え、転写型6と金属ガラス20は、加工時、このケース11と被加工物載置台7とによって囲まれた空間内に置かれる。さらに、ケース11内の空間へ不活性ガスや冷却用の水、空気またはガスを導く配管12を備える。また、被加工物載置台7にセットされた金属ガラス20の表層温度をリアルタイムで測定する温度計として輻射温度測定器9と、輻射温度測定器9で測定された温度を受けてアッテネータ2の調整を行うレーザー強度コントローラ10とを備える。なお、レーザー強度コントローラ10は任意の構成である。また、金属ガラス20表層温度は、転写型6に熱電対を取り付けて、その転写型6の温度を計測して得るようにしてもよいし、あるいは、パイロセンサーにより、転写型6の温度を非接触で計測して得るようにしてもよい。
次に、図3の装置を使って、金属ガラスからなる反射型回折格子を製作する方法を説明する。ここでは、反射型回折格子の素材として、厚さ約1mmの金属ガラス20(Zr55Al10Ni5Cu30、ガラス転移点410℃)を、そして、転写型6には合成石英をそれぞれ用いるものとする。この転写型6には金属ガラスに転写したい格子形状が予め任意の方法によって形成されているものとする。なお、ここでは、フォトリソグラフィと反応性イオンエッチングを用いて合成石英基板上に高さ0〜数nmの凹凸パターン(格子パターン)を形成したものを転写型として用いる。
実施形態1
図4は本発明の実施形態1に係る金属ガラスの加工フローチャートである。ここでは、転写型6が予め転写型保持装置5に取付けられた状態となっているものとする。加工は、被加工物載置台7に金属ガラス20を載置してセットすることから始まる(S1,S2)。続いて、3軸ステージ8および/または転写型保持装置5を利用して転写型6と金属ガラス20との位置合せを行いそれらを密着させる(S3)。続いて、レーザー発振器1からレーザービーム1A(YAGレーザー、波長1.06μm)を発振させて、金属ガラス20の表面に照射しその表層を加熱する(S4)。なお、金属ガラスが酸化しやすいものである場合には、ケース11内に配管12からアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを導入してケース11内を不活性ガス雰囲気として、あるいはケース11内を真空状態として加熱すると金属ガラスの酸化が防止できる。
レーザービーム1Aの照射により金属ガラス20の表層温度が約450℃になったら、その状態を結晶化開始時間である20分より少ない所定時間(例えば5〜10分)保持することにより、金属ガラス20の表層の粘性流動化した金属ガラス20を温転写型6に形成した凹凸パターンに充填する(S5)。そして、その所定時間が経過したら、配管12からケース11内に冷却流体(例えば、水、空気、窒素ガスなど)を導入して、金属ガラス20を冷却する(S6)。そして、金属ガラス20が転写型6により転写された形状を保持できる温度となった時点(Zr55Al10Cu30Ni5 の場合、例えば390〜400℃)で、転写型保持装置5および/または3軸ステージ8を利用して転写型6を金属ガラス20から引き離す(S7)。この時点で転写型6を離型するのは、金属ガラス20の熱膨張により転写型6が金属ガラス20からはずれなくなるのを回避するためである。以後は、金属ガラス20を常温まで冷却し(S8)、被加工物載置台7から取り外して終了する(S9)。
実施形態1の方法では、金属ガラス20の表層のみを加熱してその部分を粘性流動状態として成形加工を行うため、エネルギーの利用効率に優れ、しかも転写型6に形成された凹凸パターンが金属ガラス20に精度がよく転写される高精度の微細加工が実現できる。また、転写型6と金属ガラス20が接触している箇所の温度を輻射温度測定器9によりリアルタイムに測定し、その測定結果をレーザー強度コントローラ10を介してアッテネータ2へフィードバックして、レーザービーム1Aの照射強度を調節しているため、温度管理に優れた信頼性の高い成形加工が可能となる。
実施形態2
これは、レーザーで金属ガラス20を照射加熱して金属ガラス20の表層を溶融し、その溶融した金属ガラス20を転写型6に充填しようとするものである。この場合、金属ガラス20の表層温度Tは次式を満足するものである。
T>Tm …(4)
ただし、Tmは金属ガラス20の融点(Zr55Al10Cu30Ni5 の場合は820℃)である。
この加工方法は、まず、実施形態1の方法と同様にして、金属ガラス20の表面にレーザービーム1Aを照射してその表層を加熱する。そして、金属ガラス20の表層温度を融点である820℃以上にしてその部分を溶融し、溶融した金属ガラス20を転写型6に形成した凹凸パターンに充填する。その後、レーザービーム1Aの照射を止め、配管12からケース11内に冷却流体(例えば、水、空気、窒素ガスなど)を導入して金属ガラス20を急冷却して、金属ガラス20を結晶化させることなくそのガラス転移点(410℃)より低い温度まで下げる。この急冷却は、例えば10マイクロ秒程度の時間内で行う。そして、金属ガラス20が転写型6により転写された形状を保持できる温度となった時点(Zr55Al10Cu30Ni5 の場合、例えば390〜400℃)で、転写型保持装置5および/または3軸ステージ8を利用して転写型6を金属ガラス20から引き離す。以後は、実施形態1の方法と同様にして、金属ガラス20を常温まで冷却し、最後に被加工物載置台7から取り外して終了する。なお、金属ガラス20の急冷却は、水素ガス雰囲中にて行うようにしてもよい。
この実施形態2の方法では、金属ガラス20の表層の流動性がきわめて高い状態で転写型6への充填が行われるため、実施形態1において説明した効果に加えて、転写型の凹凸パターンが精細な場合でもパターンの隅々まで金属ガラスがいきわたり、忠実度の高い転写成形が可能になる効果も奏する。
実施形態3
実施形態1または2の場合、金属ガラスの表面をレーザーで照射加熱して流動化させ、その流動化した金属ガラスを転写型へ充填する加熱充填工程において、図5に示すように、転写型6と金属ガラス20とを単に密着状態としていたが、ここではその加熱充填工程において、図6に示すように、転写型6と金属ガラス20とを積極的に圧着させるようにしたものである。これは、転写型保持装置5と3軸点ステージ8の一方または両方を利用して転写型6と金属ガラス20とを押圧して行うことができる。こうすることにより、転写型6と金属ガラス20の接触面積が広い場合でも、転写型6の凹部6Aの細部にまで隙間なく金属ガラス20を充満させることができ、微細なパターンを忠実に転写することが可能となる。なお、転写型6と金属ガラス20の一方を他方側に吸引させる構成として、それらを吸引圧着させてもよい。
実施形態4
図1の加工装置では、エキスパンダ4を用いて均一な強度分布を有する拡径された照射用レーザービーム1Aを作り出し、それにより金属ガラスの加工部位の一定範囲を同時に照射して加熱する構成としていた。しかしながら、図7に示すように、ビーム走査ミラー14またはその他のビーム走査手段を用いてレーザービーム1Aを走査して、金属ガラス20の表面を順次加熱する構成としてもよい。
ところで、エキスパンダ4により断面積が拡大されかつ均一な強度分布を有するレーザービーム1Aを用いて金属ガラスを成形加工したところ、図8(a)に示すように、金属ガラス20の表面の広い領域(5mm×5mm)に微細なパターン凹凸パターンを忠実に転写することができた。なお、金属ガラス20へ照射するレーザーの面積を拡大してかつ均一な強度分布を持たせることは、上記のエキスパンダの他に、ビームホモジナイザや回折光学素子を用いても実現できる。
本発明はまた、図8(b)に示すように、金属ガラス20の特定の複数箇所に対して凹凸パターンを転写することも可能である。なお、その場合において、各箇所の形状が異なる場合には、場所毎に転写型を違えて、金属ガラス20の表面へ転写を行ってもよい。
以上の本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明で加工対象となる金属ガラスは、これまでの説明で用いたZr55Al10Ni5Cu30に限られるものではなく、同じ金属成分で組成比が異なる素材を用いることもできる。また、金属成分自体が異なる他の金属ガラスを用いることも可能である。
さらに、照射レーザー光源として波長1.064μmの連続発振のYAGレーザーを使用したが、同じ波長のパルス発振のYAGレーザーも利用できる。また、波長0.808μmの高出力LDレーザー等、他の種類のレーザーを用いることも可能である。なお、使用するレーザーの条件(波長、出力)は、先に述べたように、加工対象となる金属ガラスの表層領域の深さに配慮して定める。
本発明は、レーザー光源の選定ならびにレーザー照射条件の変更により、転写型および金属ガラスに関する幅広い条件に対応することが可能であり、各種の金属ガラスに対するマイクロあるいはナノオーダーの微細パターンの成形加工に幅広く応用することができる。例えば、本発明により、回折光学素子に代表される光波制御デバイスの製造、放熱ラジエータのような輻射熱の制御を目的とする微細構造体の製造が可能となる。
金属ガラスへのレーザーの侵入深さとレーザー強度との関係図。 金属ガラスにおける加熱温度と結晶化開始までの時間との関係図。 本発明の実施形態に係る金属ガラスの加工装置構成図。 本発明の実施形態に係る金属ガラスの加工フローチャート。 本発明の加工方法における転写型と金属ガラスとの状態説明図。 本発明の加工方法における転写型と金属ガラスとの状態説明図。 金属ガラスに対するレーザー照射の他の態様を示す説明図。 本発明による金属ガラスの加工例を示す説明図。
符号の説明
1…レーザー発振器、1A…レーザービーム、2…アッテネータ、3…ミラー、4…エキスパンダ、5…転写型保持装置、6…転写型、6A…転写型の凹部、7…被加工物載置台、8…3軸ステージ、9…輻射温度測定器、10…レーザー強度コントローラ、11…ケース、12…冷却装置、14…ビーム走査ミラー、20…被加工物(金属ガラス)。

Claims (12)

  1. レーザーに対して透明な転写型を通して金属ガラスの表面を前記レーザーで照射し、前記金属ガラスの表層領域の温度をそのガラス転移点と結晶化点の間に一定時間保持して流動化した前記金属ガラスを前記転写型へ充填する加熱充填工程と、
    前記加熱充填工程後、前記金属ガラスをそのガラス転移点温度より低い温度に冷却して、前記転写型を前記金属ガラスから引き離す離型工程と、
    を備えたことを特徴とする金属ガラスの加工方法。
  2. レーザーに対して透明な転写型を通して金属ガラスの表面を前記レーザーで照射し、前記金属ガラスの表層領域の温度をその融点より高い温度にして流動化した前記金属ガラスを前記転写型へ充填する加熱充填工程と、
    前記加熱充填工程後、前記金属ガラスをそのガラス転移点温度より低い温度に急冷却して、前記転写型を前記金属ガラスから引き離す離型工程と、
    を備えたことを特徴とする金属ガラスの加工方法。
  3. 前記加熱充填工程において、前記金属ガラスと前記転写型とを圧着することを特徴とする請求項1または2記載の金属ガラスの加工方法。
  4. 前記加熱充填工程を不活性ガス雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の金属ガラスの加工方法。
  5. 前記加熱充填工程を真空中で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の金属ガラスの加工方法。
  6. 前記離型工程における冷却または急冷却を、水により行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の金属ガラスの加工方法。
  7. 前記離型工程における冷却または急冷却を、空気又はガスにより行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の金属ガラスの加工方法。
  8. 前記加熱充填工程における前記レーザーの照射を、前記金属ガラスへ照射するレーザーの面積を拡大して、前記金属ガラスの加工部位の一定範囲を同時に照射して行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の金属ガラスの加工方法。
  9. 前記加熱充填工程における前記レーザーの照射を、該レーザーを走査し、前記金属ガラスの加工部位を順に照射して行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の金属ガラスの加工方法。
  10. 被加工物である金属ガラスに転写しようとする形状を有した転写型を保持する転写型保持装置と、
    レーザーを発生するレーザー発生装置と、
    前記レーザー発生装置からのレーザーを前記保持装置に保持された転写型を通して前記被加工物に照射するレーザー照射装置と、
    前記被加工物の表層温度を測定する温度測定装置と、
    前記被加工物を冷却する冷却手段と、
    を備えた金属ガラスの加工装置。
  11. 前記温度測定装置で検出された温度をもとに前記レーザーの照射強度を制御するレーザー強度制御装置を備えたことを特徴とする請求項10記載の金属ガラスの加工装置。
  12. 前記転写型と前記被加工物とを圧着する圧着装置を備えたことを特徴とする請求項10または11記載の金属ガラスの加工装置。
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