JP2005177316A - 洋傘 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装飾性に優れるとともに軽量で繊維組織の剥離による強度の低下を防止できる洋傘を提供する。
【解決手段】 支柱10、親骨20および受け骨30はそれぞれ、複合材料を棒材状または線材状に加熱成形することで形成された基材20aの外層に化学ニッケル層20bを形成し、化学ニッケル層20bの外層に電極処理によって銅層20cを形成し、銅層20cの外層に電極処理によってニッケル層20dを形成し、ニッケル層20dの外層に電極処理によってクロム層または金層20eを形成し、クロム層または金層20eの外層にさらにフッ素樹脂層20fを形成することによって製造される。
【選択図】 図3

Description

この発明は、雨傘や日傘等の洋傘に関し、特に、親骨、受け骨および支柱の何れかまたは全てに炭素繊維やガラス繊維等の複合材料を用いた洋傘に関する。
洋傘は、上端に上ロクロを固定するとともに下端に握持部を固定した支柱、支柱の長手方向に移動する昇降ロクロ、上ロクロに一端が片持ち支持された親骨、及び、一端が親骨の中間部において回転自在に支持されるとともに他端が昇降ロクロに支持された受け骨を備え、支柱の長手方向における昇降ロクロの上下動作を受け骨を介して親骨に伝達することにより、親骨に張り付けられた傘布を開閉する。
支柱には上下2カ所の開口部から弾性力を介して係合部材(以下、ハジキという。)が支柱の内側に退避できる状態で露出しており、昇降ロクロは上下のハジキのそれぞれに係合して移動範囲の上限位置又は下限位置に停止する。
閉傘状態の傘布を開く際には、昇降ロクロに係合している下側のハジキを支柱内部側に押圧して下側のハジキと昇降ロクロとの係合状態を解除しつつ、昇降ロクロを上昇させる。また、開傘状態の傘布を閉じる際には、昇降ロクロに係合している上側のハジキを支柱内部側に押圧して上側のハジキと昇降ロクロとの係合状態を解除しつつ、昇降ロクロを下降させる。
開傘状態の傘布には過大な風圧が作用する場合があり、また、開傘状態の傘布に作用した風圧は親骨、受け骨及び支柱によって支持される。したがって、親骨、受け骨及び支柱は、十分な耐風圧機能を備えている必要があり、鉄等の金属材料を素材として形成したものが多かった。ところが、鉄等の十分な強度を有する金属材料によって親骨、受け骨及び支柱を構成すると、洋傘全体の重量が重くなり、携帯性や操作性が劣化する。
また、洋傘を軽量化する目的で、親骨、受け骨及び支柱の何れか又は全てをアルミニウム合金により構成したものもあったが、アルミニウム合金は鉄等に比較して軽量ではあるものの強度が不十分で変形や破断を生じ易く、十分な耐風圧機能を得ることができない。
そこで、炭素繊維やガラス繊維等の複合材料を加熱成形して親骨、受け骨及び支柱の何れか又は全てを構成した洋傘が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。これらの複合材料は金属材料に比較して十分に軽量である上に同等以上の強度を備えており、親骨、受け骨及び支柱の何れか又は全てに複合材料を用いることによって耐風圧機能を損なうことなく洋傘の軽量化を実現することができる。
特開平8−322620号公報
しかしながら、洋傘の親骨には中間部に受け骨を支持するための支持部を形成する必要があり、支柱には上下のハジキを露出させるための開口部を形成する必要があるとともに、洋傘の使用中に親骨、受け骨又は支柱に傷を生じる場合があるが、炭素繊維やガラス繊維等の複合材料は、表面の繊維組織の一部に欠落を生じると、欠落部分から繊維組織の一部が繊維方向に沿って剥離し易く、その部分において強度が著しく低下する。このため、複合材料によって構成した親骨、受け骨又は支柱の表面において、支持部及び開口部等の加工部分や使用中に傷が付いた部分に強度の著しい低下が生じ、十分な耐風圧機能を確保することができない問題がある。
また、炭素繊維は黒色であり、ガラス繊維は光に対して無反射性の素材であるため、これらの材料は装飾性の点で劣る。そこで、炭素繊維やガラス繊維の外層に電極処理によって光沢性のある金属層を形成することが考えられるが、炭素繊維やガラス繊維は導電性を有しないので、炭素繊維またはガラス繊維の外層にまず化学ニッケルの液体を塗布し乾燥させた後、化学ニッケル層の外層に電極処理によって金属層を形成することが考えられる。
しかし、化学ニッケル層と金属層との電極処理による結合力と比較して、炭素繊維やガラス繊維と化学ニッケル層との結合力は非常に弱いので、炭素繊維やガラス繊維の外層に化学ニッケル層を形成しその外層に光沢性のある金属層を形成する上述の構成では、開傘状態の傘布を閉じて傘布を巻き付けベルトで束ねる等の際に、化学ニッケル層とともに金属層が剥がれ落ち、親骨や受け骨等の装飾性を損なうばかりか傘布を汚してしまう場合がある。
この発明の目的は、複合材料を加熱成形して構成した親骨、受け骨または支柱の何れかまたは全ての表面に複数層の金属層を形成し、それらの最外層に光沢性に優れた金属層を形成することによって、装飾性に優れるとともに軽量で繊維組織の剥離による強度の低下を防止できる洋傘を提供することにある。
この発明の洋傘は、上述の課題を解決するために以下のように構成される。
(1)支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
前記親骨は、複合材料を線材に加熱成形した後、この線材における前記支持部を含む範囲の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成したことを特徴とする。
この構成においては、複合材料によって構成された親骨の表面に、電極処理を施すためにまず化学ニッケルの導電層が形成される。親骨の表面に光沢性のあるクロムまたは金の層を形成するために、クロムまたは金の層の下地となる層にニッケル層が形成される必要があるが、化学ニッケル層の外層に直接ニッケル層を電極処理によって形成することはできないので、化学ニッケル層の外層にまず銅層が形成され、次いで銅層の外層にニッケル層が形成される。したがって、複合材料の外層には、化学ニッケル層、銅層、ニッケル層、およびクロムまたは金の層が、内側からこの順序で形成される。
親骨の最外層に光沢性のあるクロムまたは金の層が形成されるので、非常に装飾性に優れた親骨が形成される。また、親骨が複数の金属層によって補強されるとともに、複数の金属層によって補強された部分には複合材料の繊維組織が露出しておらず、繊維組織の一部の剥離や毛羽立ちを生じることがなく、親骨の耐風圧機能が維持されるとともに使用者の安全性が確保される。さらに、複合材料が使用されることで、非常に軽量化される。
(2)支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
前記受け骨は、複合材料を線材に加熱成形した後、この線材の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成したことを特徴とする。
この構成においては、複合材料によって構成された受け骨の表面に、電極処理を施すためにまず化学ニッケルの導電層が形成される。受け骨の最外層に光沢性のあるクロムまたは金の層を形成するために、クロムまたは金の層の内層にまずニッケル層が形成される。化学ニッケル層の外層に直接ニッケル層を電極処理によって形成することはできないので、ニッケル層の内層にまず銅層が形成される。したがって、複合材料の外層には、化学ニッケル層、銅層、ニッケル層、およびクロムまたは金の層が、内側からこの順序で形成される。
受け骨の最外層に光沢性のあるクロムまたは金の層が形成されるので、非常に装飾性に優れた受け骨が形成される。また、受け骨が複数の金属層によって補強されるとともに、複数の金属層によって補強された部分には複合材料の繊維組織が露出しておらず、繊維組織の一部の剥離や毛羽立ちを生じることがなく、受け骨の耐風圧機能が維持されるとともに使用者の安全性が確保される。さらに、複合材料が使用されることで、非常に軽量化される。
(3)支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
前記親骨は、複合材料を線材に加熱成形した後、この線材における前記支持部を含む範囲の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成し、前記クロム層または金層の外層に透明保護用樹脂層を形成したことを特徴とする。
この構成においては、複合材料によって構成された親骨の表面に、電極処理を施すためにまず化学ニッケルの導電層が形成される。親骨の外層に光沢性のあるクロムまたは金の層を形成するために、クロムまたは金の層の内層にまずニッケル層が形成される。化学ニッケル層の外層に直接ニッケル層を電極処理によって形成することはできないので、ニッケル層の内層にまず銅層が形成される。さらに、クロムまたは金の層の外層に、透明保護樹脂層が形成される。したがって、複合材料の外層には、化学ニッケル層、銅層、ニッケル層、クロムまたは金の層、および透明保護用樹脂層が、内側からこの順序で形成される。
光沢性のあるクロムまたは金の層の外層にさらに透明保護用樹脂層が形成されるので、クロムまたは金の優れた装飾性を維持しながら、クロムや金の層の剥離が防止される。また、親骨が複数の金属層によって補強されるとともに、複数の金属層によって補強された部分には複合材料の繊維組織が露出しておらず、繊維組織の一部の剥離や毛羽立ちを生じることがなく、親骨の耐風圧機能が維持されるとともに使用者の安全性が確保される。さらに、複合材料が使用されることで、非常に軽量化される。
(4)支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
前記受け骨は、複合材料を線材に加熱成形した後、この線材の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成し、前記クロム層または金層の外層に透明保護用樹脂層を形成したことを特徴とする。
この構成においては、複合材料によって構成された受け骨の表面に、電極処理を施すためにまず化学ニッケルの導電層が形成される。受け骨の外層に光沢性のあるクロムまたは金の層を形成するために、クロムまたは金の層の内層にまずニッケル層が形成される。化学ニッケル層の外層に直接ニッケル層を電極処理によって形成することはできないので、ニッケル層の内層にまず銅層が形成される。さらに、クロムまたは金の層の外層に、透明保護樹脂層が形成される。したがって、複合材料の外層には、化学ニッケル層、銅層、ニッケル層、クロムまたは金の層、および透明保護樹脂層が、内側からこの順序で形成される。
光沢性のあるクロムまたは金の層の外層にさらに透明保護樹脂層が形成されるので、クロムまたは金の優れた装飾性を維持しながら、クロムや金の層の剥離が防止される。また、受け骨が複数の金属層によって補強されるとともに、複数の金属層によって補強された部分には複合材料の繊維組織が露出しておらず、繊維組織の一部の剥離や毛羽立ちを生じることがなく、受け骨の耐風圧機能が維持されるとともに使用者の安全性が確保される。さらに、複合材料が使用されることで、非常に軽量化される。
(5)支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
前記支柱は、複合材料を棒材に加熱成形した後、この棒材における前記係止部材が突出する部分を含む範囲の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成したことを特徴とする。
この構成においては、複合材料によって構成された支柱の表面に、電極処理を施すためにまず化学ニッケルの導電層が形成される。支柱の最外層に光沢性のあるクロムまたは金の層を形成するために、クロムまたは金の層の内層にまずニッケル層が形成される。化学ニッケル層の外層に直接ニッケル層を電極処理によって形成することはできないので、ニッケル層の内層にまず銅層が形成される。したがって、複合材料の外層には、化学ニッケル層、銅層、ニッケル層、およびクロムまたは金の層が、内側からこの順序で形成される。
支柱の最外層に光沢性のあるクロムまたは金の層が形成されるので、非常に装飾性に優れた支柱が形成される。また、支柱が複数の金属層によって補強されるとともに、複数の金属層によって補強された部分には複合材料の繊維組織が露出しておらず、繊維組織の一部の剥離や毛羽立ちを生じることがなく、支柱の耐風圧機能が維持されるとともに使用者の安全性が確保される。さらに、複合材料が使用されることで、非常に軽量化される。
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)親骨の最外層に光沢性のあるクロムまたは金の層を形成することによって、非常に装飾性に優れた親骨を形成することができる。また、親骨を複数の金属層で補強することによって、繊維組織の一部の剥離や毛羽立ちを生じさせず、親骨の耐風圧機能を維持するとともに使用者の安全性を確保することができる。さらに、複合材料を使用することで、洋傘を非常に軽量化することができる。
(2)受け骨の最外層に光沢性のあるクロムまたは金の層を形成することによって、非常に装飾性に優れた受け骨を形成することができる。また、受け骨を複数の金属層で補強することによって、繊維組織の一部の剥離や毛羽立ちを生じさせず、受け骨の耐風圧機能を維持するとともに使用者の安全性を確保することができる。さらに、複合材料を使用することで、洋傘を非常に軽量化することができる。
(3)光沢性のあるクロムまたは金の層の外層にさらに透明保護用樹脂層を形成するので、クロムまたは金の優れた装飾性を維持しながら、クロムや金の層の剥離を防止することができる。
(4)支柱の最外層に光沢性のあるクロムまたは金の層を形成することによって、非常に装飾性に優れた支柱を形成することができる。また、支柱を複数の金属層で補強することによって、繊維組織の一部の剥離や毛羽立ちを生じさせず、支柱の耐風圧機能を維持するとともに使用者の安全性を確保することができる。さらに、複合材料を使用することで、洋傘を非常に軽量化することができる。
以下に、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、この発明の実施形態に係る洋傘の構成を示す図である。この実施形態に係る洋傘1は、上端に石突き11及び上ロクロ12を固定するとともに下端に握持部であるハンドル13を固定した支柱10と、上ロクロ12に一端が回転自在に片持ち支持された複数の親骨20と、一端が各親骨20の中間部の支持部21に支持された複数の受け骨30と、支柱10に外嵌して上下方向に移動自在にされるとともに受け骨30の他端を回転自在に支持する昇降ロクロ40と、を備えている。支柱10の上下2カ所には、ハジキ14,15が弾性力を介して支柱10内に退避できるようにして外部に露出しており、昇降ロクロ40は上下のハジキ14,15のそれぞれに係合する範囲で上下に移動自在にされている。
なお、図1においては、理解を容易にするため、単一の親骨20及び受け骨30のみを表示している。
複数の親骨20に張り付けられた傘布を閉傘状態から開く際には、昇降ロクロ40に係合している下側のハジキ15を支柱10の内部側に押圧しつつ昇降ロクロ40を上昇させる。昇降ロクロ40の上昇動作は昇降ロクロ40及び親骨20に両端が軸支された受け骨30を介して親骨20に伝達され、親骨20は上ロクロ12に軸支された一端を支点にして開放端である他端(露先)が支柱10から離間する方向に回転し、親骨20に張り付けられた傘布が拡げられる。昇降ロクロ40は、上側のハジキ14に係合する位置で上昇を停止し、上側のハジキ14との係合によって開傘状態を維持する。
傘布を開傘状態から閉じる際には、昇降ロクロ40に係合している上側のハジキ14を支柱10の内部側に押圧しつつ昇降ロクロ40を下降させる。昇降ロクロ40の下降動作は受け骨30を介して親骨20に伝達され、親骨20は上ロクロ12に軸支された一端を支点にして露先が支柱10に接近する方向に回転し、親骨20に張り付けられた傘布が畳まれる。昇降ロクロ40は、下側のハジキ15に係合する位置で下降を停止し、下側のハジキ15との係合によって閉傘状態を維持する。
図2は、図1に示す洋傘1の親骨20、受け骨30および支柱10の製造プロセスを示す図である。支柱10、親骨20および受け骨30は、例えば、炭素繊維等の複合材料を加熱成形することによって中空棒材状および線材状の基材20a(図3参照)を形成し、基材20aの表面に化学ニッケル(還元ニッケル金属)層20b、銅層20c、ニッケル層20d、金層20e、およびフッ素樹脂層20fをこの順序で形成することによって製造される。なお、支柱10の場合は、基材20aにハジキ14、15が露出する開口部を形成した後に、各層20b〜20fを形成することによって製造される。
基材20aの表面に対する各層20b〜20fの形成プロセスでは、先ず、基材20aの表面にプラス極またはマイナス極電極処理等の電極処理を行った後、基材20aの表面を化学薬剤によって腐食させて粗化し、次いで、基材20aの表面を別の化学薬剤によって浸洗した後に触媒を架橋作用に供する。さらに、基材20aの表面に化学ニッケルを塗布し乾燥させることで、導電層としての化学ニッケル層20bを形成する。さらに、化学ニッケル層20bの表面に、他の電極を用いて電気メッキ処理によって銅の粉末を付着させることで銅層20cを形成する。さらに、銅層20cの表面に電気メッキ処理によってニッケルの粉末を付着させることでニッケル層20dを形成し、ニッケル層20dの表面に電気メッキ処理によって金の粉末を付着させることで金層20eを形成する。さらに、金層20eの表面に、テフロン(登録商標)等の略透明色のフッ素樹脂層20fを形成する。このようにして、基材20aの表面に緊密な金属等の層20b〜20fを形成する。
金層20eを形成するためにはその下地となる層にニッケル層20dを形成する必要があり、基材20aの表面に電気メッキ処理するためには導電層として化学ニッケル層20bを形成する必要がある。しかし、化学ニッケル層20bの表面に直接ニッケル層20dを形成することはできないので、化学ニッケル層20bの表面にまず銅層20cを電気メッキ処理によって形成し、銅層20cの表面にさらに電気メッキ処理によってニッケル層20dを形成することで、金層20eの形成が可能となる。
上述の製造プロセスにおいて、基材20aの表面の粗化処理は、化学薬剤を用いて腐食させることによる粗化処理に限定されず、ヤスリで基材20aの表面を擦り付ける方法であってもよい。また、基材20aの表面の粗化処理の段階において、支柱10の基材20aに設けられハジキ14、15が露出する開口部等のバリ取りがなされることが好ましい。
上述の製造プロセスによって、十分な靱性及び耐風圧強度を備えた支柱10、親骨20および受け骨30を製造することができるだけでなく、複合材料を素材とする基材20aの表面に優れた金属光沢を有する表面処理効果を施すことができ、装飾性に優れた支柱10、親骨20および受け骨30を製造することができる。
なお、各層20b〜20fの厚さおよび密度は、上述の製造プロセスに用いる化学薬剤の溶液濃度および処理時間によって調整することができる。
図3は、図1に示す洋傘の一部を構成する親骨の一部を示す断面図である。上述のような製造プロセスによって、親骨20は、炭素繊維又はガラス繊維等の複合材料を線材状に加熱成形した基材20aの外層に導電層として形成された化学ニッケル層20bと、化学ニッケル層20bの外層に形成された厚さが約0.006mmの銅層20cと、銅層20cの外層に形成された厚さが約0.003mmのニッケル層20dと、ニッケル層20dの外層に形成された厚さが約0.002mmの金層20eと、金層20eの外層に形成された厚さが約0.003mmのフッ素樹脂層20fと、を備える。
受け骨30は、親骨20と同様に、炭素繊維又はガラス繊維等の複合材料を線材状に加熱成形した基材の外層に導電層として形成された化学ニッケル層と、化学ニッケル層の外層に形成された厚さが約0.006mmの銅層と、銅層の外層に形成された厚さが約0.003mmのニッケル層と、ニッケル層の外層に形成された厚さが約0.002mmの金層と、金層の外層に形成された厚さが約0.003mmのフッ素樹脂層と、を備える。
支柱10は、炭素繊維又はガラス繊維等の複合材料を中空棒材状に加熱成形した基材の外層に導電層として形成された化学ニッケル層と、化学ニッケル層の外層に形成された厚さが約0.006mmの銅層と、銅層の外層に形成された厚さが約0.003mmのニッケル層と、ニッケル層の外層に形成された厚さが約0.002mmの金層と、金層の外層に形成された厚さが約0.003mmのフッ素樹脂層と、を備える。
親骨20、受け骨30および支柱10のそれぞれの視認可能な層に光沢性に優れた金層20eが形成されるので、洋傘1の装飾性が高められる。また、金層20eの外層に略透明の保護用樹脂層であるフッ素樹脂層20fが形成されるので、金層20eの装飾性を損なうことなく金層20e等の金属層20b〜20eの剥離が防止される。さらに、露先やダボの部分を含む親骨20、受け骨30および支柱10のそれぞれの全ての最外層にフッ素樹脂層20fが形成されるので、親骨20、受け骨30および支柱10は撥水性に優れ、親骨20、受け骨30および支柱10のそれぞれの金属部での錆の発生が防止される。
また、支柱10の最外層にフッ素樹脂層が形成されるので、支柱10の表面の自己潤滑特性が向上され、昇降ロクロ40の昇降動作時の滑り性が良くなるとともに、耐摩耗性が向上される。
また、基材20aの外層に複数の金属等の層が形成されているので、親骨20、受け骨30および支柱10のそれぞれの表面に複合材料が露出することがない。このため、基材20aの最外層に位置する複合材料の繊維組織は銅層20c等の金属材料を介して互いに結合し、また、洋傘1の使用中等に基材20aに直接傷が付くことがなく、親骨20、受け骨30および支柱10のそれぞれの表面に付いた傷部分において繊維組織の一部が繊維方向に沿って容易に剥離することがなく、親骨20、受け骨30および支柱10の強度が担保される。さらに、親骨20、受け骨30および支柱10のそれぞれの表面に付いた傷部分において繊維組織の端部が毛羽立ちを生じることがなく、誤って傷部分に触れた使用者の手指に損傷を与えることがない。
なお、金層20eに代えて、同様にニッケル層20dの表面に電気メッキ処理によってクロム層を形成してもよい。また、親骨20、受け骨30および支柱10のそれぞれの最外層には、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂層20fを形成することに限定されず、透明ワニス若しくは略透明色のラッカーの層を形成してもよい。さらに、親骨20、受け骨30および支柱10のそれぞれにおいて、金層20eまたはクロム層の外層に透明ワニス若しくは略透明色のラッカーの層を形成し、さらにその外層にフッ素樹脂層20fを形成してもよい。
また、親骨20の中間部に断面が略U字型のダボと呼ばれる支持部材を外嵌させ、この支持部材に受け骨30の一端をハトメ又はピンを介して回転自在に支持させる構成としてもよい。さらに、親骨20の長手方向における支持部材の両端部にそれぞれ、支持部材と親骨20との当接部を覆う円筒形の補強部材を設けてもよい。補強部材によって、支持部材と親骨20との当接部の強度が補強され、支持部材と親骨20との当接部での親骨20の損傷を防止することができる。また、補強部材を透明色の樹脂で形成することで、親骨20の装飾性を損なうことなく親骨が補強される。
この発明の実施形態に係る洋傘の構成を示す図である。 図1に示す洋傘の親骨、受け骨および支柱の製造プロセスを示す図である。 図1に示す洋傘の一部を構成する親骨の一部を示す断面図である。
符号の説明
1 洋傘
10 支柱
12 上ロクロ
14、15 ハジキ
20 親骨
20a 基材
20b 化学ニッケル層
20c 銅層
20d ニッケル層
20e 金層
20f フッ素樹脂層
21 支持部
30 受け骨
40 昇降ロクロ

Claims (5)

  1. 支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
    前記親骨は、複合材料を線材に加熱成形した後、この線材における前記支持部を含む範囲の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成したことを特徴とする洋傘。
  2. 支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
    前記受け骨は、複合材料を線材に加熱成形した後、この線材の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成したことを特徴とする洋傘。
  3. 支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
    前記親骨は、複合材料を線材に加熱成形した後、この線材における前記支持部を含む範囲の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成し、前記クロム層または金層の外層に透明保護用樹脂層を形成したことを特徴とする洋傘。
  4. 支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
    前記受け骨は、複合材料を線材に加熱成形した後、この線材の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成し、前記クロム層または金層の外層に透明保護用樹脂層を形成したことを特徴とする洋傘。
  5. 支柱の上端に固定された上ロクロに親骨の一端を回転自在に片持ち支持するとともに、一端が前記親骨の中間部の支持部に回転自在に支持された受け骨の他端を昇降ロクロに回転自在に支持し、かつ、前記支柱の上下2カ所から弾性力を介して外部に露出する係止部材のそれぞれと係合する範囲で前記昇降ロクロを支柱の長手方向に移動自在にし、前記昇降ロクロの動作を前記受け骨を介して前記親骨に伝達することによって傘布を開閉する洋傘において、
    前記支柱は、複合材料を棒材に加熱成形した後、この棒材における前記係止部材が突出する部分を含む範囲の外層に化学ニッケル層を形成し、前記化学ニッケル層の外層に電極処理によって銅層を形成し、前記銅層の外層に電極処理によってニッケル層を形成し、前記ニッケル層の外層に電極処理によってクロム層または金層を形成したことを特徴とする洋傘。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009214129A (ja) * 2008-03-10 2009-09-24 Amada Co Ltd 熱加工装置及びその装置に用いる加工ヘッド
FR2972104A1 (fr) * 2011-03-04 2012-09-07 Mapache Parapluie de protection de personnalites
WO2012119961A1 (fr) * 2011-03-04 2012-09-13 Mapache Parapluie de protection de personnalites

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