JP2005177163A - 化粧用パフ - Google Patents

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Tetsuyuki Osawa
哲之 大澤
Mieko Nasu
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Abstract

【課題】 リキッドファンデーションを吸い込まず、肌へのつき及び延びに優れ、指先で延ばしているのと同等以上の感触、ぼかしやすさ、仕上がりをもつパフの提供を目的とする。
【解決手段】 表面にエンボス加工を施した伸縮性フィルム内にゲル素材を包み込んでなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ファンデーション用のパフに関する。
現在、ファンデーション用のパフとしてはスポンジパフが主流であるが、このスポンジパフは、パウダー状のパウダリーファンデーションに用いるには適していても、乳液状のリキッドファンデーションに対しては、吸い込みの問題があって適しているとは言えない。すなわち、リキッドファンデーションは液状でスポンジパフとの親和性が強いのでスポンジ内部へ吸い込まれてしまい、たとえファンデーションを多めにとったとしても肌へのつきも延びも悪い。
そこで、液体が浸透しない素材を表面に塗布するなど表面処理をしたり、特許文献1のような特殊加工を行ったりするなどの工夫が施されている。
特開平9−164017号公報
しかし、いずれも満足のいく効果は得られておらず、現在までのところ、リキッドファンデーションに関して指先での塗布に勝るパフは発案されていない。
このような従来技術に鑑みて本発明は、リキッドファンデーションを吸い込まず、肌へのつき及び延びに優れ、指先で延ばしているのと同等以上の感触、ぼかしやすさ、仕上がりをもつパフの提供を目的とする。
指先でのリキッドファンデーション塗布を考察してみたところ、指紋という表面の凹凸(つまりエンボス加工)の存在が大きいことが知見された。すなわち、皮膚なのでスポンジのような吸い込み作用が無い一方、その皮膚にある指紋のくぼみにリキッドファンデーションが保持され、指先を滑らすことでこれが少しずつ放出されることにより均一な塗布が実現されている。また、指先の肉の弾力も圧力を分散させて均一にかけることでムラの無い塗布に貢献している。
したがって、肉同等の弾力、そして皮膚同様に吸い込み作用の無い素材に表面の指紋(エンボス加工)を再現することができれば、指先と同等以上の機能をもった化粧用パフを提供することができる。
そこで本発明では、表面にエンボス加工を施した伸縮性フィルム内にゲル素材を包み込んでなる化粧用パフを提供する。その伸縮性フィルムとしては、天然/合成ゴム、樹脂、不透性不織布、合成皮革等が使用可能であるが、中でもポリウレタンが皮膚の役割に近い伸縮性と柔らかさで適している。また、ゲル素材としては、寒天、こんにゃく、ゼラチンなどのヒドロゲルや、シリコンゲル、ポリウレタンゲル、スチレンゲルなどのオルガノゲルを使用することができる。このようなゲル素材は、指先に似た弾性感を生むうえで好ましい。これら伸縮性フィルム及びゲル素材については、特開平6−253927号に詳しい。
伸縮性フィルムに施すエンボス加工は、フィルム表面に凸部を多数形成してなる凸エンボスよりも、フィルム表面に凹部を多数形成してなる凹エンボスのほうが、肌の当たり感に優れ、より均一塗布ができて好ましい。
本発明の化粧用パフによれば、外皮となる伸縮性フィルム表面のエンボス加工が指紋同様の働きをし、そしてゲル素材が肉同様の弾力を生むので、指先同様の塗布作用を得ることができる。さらに、当該パフは指先よりも広い塗布面積及び力の分散効果をもたせることができるので、よりいっそうムラの無い優れた均一塗布を得ることが可能である。
図1及び図2に、本発明に係る化粧用パフの実施形態を斜視図と断面図で示している。図2は、図1中のA−A’断面でみたものである。
このパフ1は、一例として正方形とした伸縮性フィルム2でゲル素材3を包み込んだ構造を有し、そのフィルム2の表面には指紋状のエンボス加工2aが施されている。
フィルム2は、ポリウレタン製で厚み30〜120μmの薄膜からなり、その四辺2bを熱溶着等により密封することでゲル素材3を内部に封じ込めている。また表面のエンボス加工2aは、図3Bに示すごとく表面に凹部を形成することで凹エンボスとして作成されている。
ゲル素材3は、2液型のポリウレタンゲルからなり、本例では厚み30〜120μmの接着膜4により包み込んで封止したうえで、フィルム2内に収容されている。これにより、ゲル素材3の漏れが確実に防止され、さらに、接着膜4の接着性によりフィルム2の内壁へ密着するので、フィルム2とゲル素材3とのずれによるしわ、よじれが防止される。
このようなパフ1は、リキッドファンデーションに使用した場合、フィルム2がポリウレタン製なので、スポンジのように液を吸い込むことがない。すなわち、図3に示すようにファンデーションFDは、フィルム2の表面に形成されたエンボス加工2aの凹部内に保持されるだけであり、それ以上内部に吸い込まれることはない。図3は、リキッドファンデーションFDの保持状態を説明した図で、図3Aが凸エンボスの場合、図3Bが凹エンボスの場合を説明している。
ここで、両者の違いについて説明する。図3Aに示すように、フィルム2の表面に凸部を形成して凸エンボスとしたエンボス加工2aの場合、肌に当てたときに、その凸部がつぶれる状態となる。このため比較的肌当たり感が悪く、保持されていたファンデーションFDは凸部がつぶれることによって一気に流れ出てしまうので、筋になりやすい。これに対し、図3Bに示すように、フィルム2の表面に凹部を形成して凹エンボスとしたエンボス加工2aの場合、肌に当たるのは平面となるので肌当たりが良好となり、保持されているファンデーションFDは、凹部の底からかかる圧力に応じて徐々に放出されていくので、筋にならず均一に塗布される。したがって、図3Bのように凹エンボスとするほうが好ましい。
本例のようなゲル素材3を伸縮性フィルム2で包み込んでなるパフ1は、図4に示すように、肌に加わる圧力の均一性、これによる肌の引っ張り防止効果の点でも、スポンジパフと比較して優れている。図4Aはスポンジパフ10を指の先端で肌Sに押し当てたときの説明図、図4Bは本例のパフ1を同じく指の先端で肌Sに押し当てたときの説明図である。図示のように、スポンジパフ10の場合、指先端からの圧力は集中的に肌Sへかかり、このため肌に引っ掛かり肌を引っ張ってしまうことで、筋になりやすく、ムラ付きの原因となる。一方、図4Bに示す本例のパフ1の場合、中身がゲル状であることから水枕のごとく作用して圧力が分散され、肌への接触面積はほぼ倍、肌にかかる圧力は約半分となり、均一に力を加えられるので、スポンジのような引っ掛かりがなくなる。したがって、ムラ付きを防止して仕上がりの均一性を向上させられる。
本発明による化粧用パフの実施形態を示す斜視図。 図1のA−A’断面でみた断面図。 本発明による化粧用パフのエンボス加工についての説明図。 従来のスポンジパフと本発明のパフとの圧力分散効果を比較して示した説明図。
符号の説明
1 化粧用パフ
2 伸縮性フィルム
2a エンボス加工
3 ゲル素材
4 接着膜

Claims (5)

  1. 表面にエンボス加工を施した伸縮性フィルム内にゲル素材を包み込んでなる化粧用パフ。
  2. エンボス加工は、伸縮性フィルムの表面に凹部を多数形成してなる凹エンボスである請求項1記載の化粧用パフ。
  3. ゲル素材を接着膜で包み込んだうえに伸縮性フィルムで包んである請求項1又は請求項2記載の化粧用パフ。
  4. 伸縮性フィルムがポリウレタン製である請求項1〜3のいずれかに記載の化粧用パフ。
  5. ゲル素材がポリウレタンゲルである請求項4記載の化粧用パフ。
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