JP2005174613A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の化合物を用いることにより高効率である有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】 一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一つの有機層を有する有機電界発光素子であって、前記有機層に化合物を含有し、前記化合物が主鎖部と側鎖部とを有し、前記主鎖部に含まれる炭素原子は前記側鎖部の原子団と結合して環を構成する有機電界発光素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機電界発光(EL)素子に関する。
近年、りん光発光材料(ゲスト)とポリマー材料(ホスト)を発光層に用いた高効率の塗布型有機電界発光素子が注目されている(例えば非特許文献1)。このタイプの素子では、電荷輸送を担うホストポリマーから発生した励起子エネルギーがりん光発光材料に移動する。このエネルギーは三重項エネルギー準位へ項間交差し、りん光発光を与える。しかし、ホストポリマーの最低励起三重項エネルギー準位(T)がりん光発光材料のTより低い場合、ホストポリマーへのエネルギー移動が起こり、りん光発光の効率が低下する。したがって、ホストのTはゲストのりん光発光材料のTより高いことが望ましい(非特許文献2)。
一般に、電荷輸送性に優れるπ共役ポリマーのTは低く、りん光発光材料のホストポリマーとして用いる場合、発光効率低下の要因となる。例えば、π共役ポリマーの中でもバンドギャップの比較的大きいポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)でさえも、そのTは50kcal/molであり、前記緑色りん光発光材料のホストポリマーとしては不十分である。以上のことから、りん光発光材料のホストポリマーとして、Tが高い非π共役系ポリマーが用いられる。
このような、非π共役系ポリマーとしてポリビニルカルバゾール(PVK)が知られている。しかしながら、PVKのTは64kcal/molと、緑色りん光発光材料のホストには十分であるものの、青色りん光発光材料(例えば実施例中のG−2のT=66kcal/mol(276kJ/mol )のホストには不十分であり、素子の発光効率は低い。
また、ホストポリマーと同様に、電子輸送層の電子輸送材料のTがりん光発光材料のTより低いと、層間でエネルギー移動し、りん光発光の効率が低下する。
例えば電子輸送性ポリマーとして知られているオキサジアゾール系の非π共役ビニルポリマーのTは50kcal/molと低いため、これをホストポリマーとして用いる緑色りん光発光素子では極めて低い効率を与える。
以上のことから、高い効率を与える塗布型りん光発光有機電界素子を作製するには、りん光発光材料に見合った高いTを兼ね備えるホストポリマーおよび電子輸送性ポリマーが必要であるが、現在までこのような理想的なものは報告されていない。
ジャーナル・オブ・アプライドフィジックス 2002年92巻3447ページ スィンソリッドフイルムス 2003年436巻264ページ
本発明の課題は、高発光効率を示す有機電界発光素子を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、1)芳香環を連続的にπスタックさせた下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する化合物が高いTを兼ね備えること、また2)前記芳香環にヘテロ原子を導入することで高い電子輸送性が発現することを見出した。さらに、この化合物を用いることにより、高効率を有する有機電界発光素子を提供できることを発見し、本発明に至った。
本発明の上記の課題は下記の有機電界発光素子を提供することによって達成される。
(1)一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一つの有機層を有する有機電界発光素子であって、前記有機層が、主鎖部と側鎖部とを有し、前記主鎖部に含まれる炭素原子が前記側鎖部の原子団と結合して環を形成した化合物(以下、環含有化合物ということがある。)を含有する化合物であることを特徴とする有機電界発光素子。
(2)前記化合物が下記式で表される(I)を繰り返し単位を有してなることを特徴とする(1)に記載の有機電界発光素子。
一般式(I)
Figure 2005174613
(一般式(I)において、 XおよびYは互いに同一でも異なっていてもよく、このうち少なくとも一つが芳香環を表し、Wは2価の連結基を表し、Zは単結合もしくは2価の連結基を表す。)
(3)前記一般式(I)において、X及びYの少なくとも一つが炭化水素芳香環又はヘテロ芳香環であることを特徴とする(2)に記載の有機電界発光素子。
(4)前記一般式(I)において、X及びYが芳香環であり、かつZが単結合又はアルキレン基であることを特徴とする(2)に記載の有機電界発光素子。
(5)前記有機層が、発光層であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(6)前記化合物を含有する有機層が電子輸送層であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(7)前記化合物を含有する発光層に、蛍光発光材料、又はりん光発光材料をさらに含有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
(8)前記有機層に、ホール注入材料および電子注入材料の少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
本発明の有機電界発光素子は、蛍光発光もしくはりん光発光において高い発光効率を有する。
以下、本発明について詳細に説明する。
(化合物)
本発明で用いられる化合物(以下、「本発明の化合物」と称する。)は、主鎖部と側鎖部とを有し、前記主鎖部に含まれる炭素原子が前記側鎖部の原子団と結合して環を形成する。
本発明で用いられる化合物は、下記一般式(I)の繰り返し単位を有してなる。
Figure 2005174613
一般式(I)において、 XおよびYは二価の有機基であり、同一であっても異なってもよく、このうち少なくとも一つが芳香環を表し、Wは二価の連結基を表し、Zは単結合もしくは二価の連結基を表す。
XおよびYが表す芳香環の骨格とは、単環式芳香族炭化水素化合物、縮合多環式芳香族炭化水素化合物、ヘテロ単環式芳香族化合物およびヘテロ縮合多環式芳香族化合物の骨格である。XおよびYの少なくとも1つが芳香環であると、芳香環がπスタッキングを形成しやすくなり電荷移動に好ましい形となる。XおよびYが表す芳香環の骨格として例えば下記が挙げられる。
ベンゼン、ペンタレン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、フェナンスレン、アントラセン、フルオラセン、アセフェナンスリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、プライアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ヘプタセン、ピラセン、オバレン等の単環式もしくは縮合炭化水素化合物。
チオフェン、チアンスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、クサンセン、フェノクサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミヂン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノィン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、ベータカルボリン、フェナンチリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロィン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン等のヘテロ環化合物。
XおよびYの骨格として好ましくは、単環式(好ましくは環員数5〜10であり、より好ましくは環員数6である)の炭化水素化合物およびヘテロ環化合物あり、さらに好ましくは六員環炭化水素化合物およびヘテロ環化合物であり、特に好ましくはベンゼン、ピリジン、ピリミジンもしくはピリダジンであり、最も好ましくはベンゼンもしくはピリジンである。さらにXおよびYは双方が単環式の芳香環(ヘテロ原子を含む)が好ましい。
なお、これらの骨格に置換基を導入した誘導体もXとYに含まれる。導入できる置換基は一価の基であり、具体的には以下のものがあげられる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、ピレニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数3〜16、特に好ましくは炭素数4〜12であり、例えばピリジノオキシ、ピリミジノオキシ、ピリダジノオキシ、ベンズイミダゾリルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜20であり、例えばトリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、
ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数4〜12であり、例えばピリジノチオ、ピリミジオチオ、ピリダジノチオ、ベンズイミダゾリルチオ、チアジアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニルなどが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、互いに同じでも異なっていてもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
Wは二価の連結基を、Zは単結合もしくは二価の連結基を表す。Yは不飽和の二価の連結基が好ましく、さらにXとYとの共役を有することが好ましい。これらの二価の連結基の例として下記のものが挙げられる。
アルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜3であり、例えばメチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)、トリメチレン基(−CHCHCH−)、などが挙げられる。)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニレン基(−C−)、ナフチレン基(−C10−)などが挙げられる。)、オキシアルキレン基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばオキシメチレン基(−OCH−)、オキシエチレン基(−OCHCH−)、などが挙げられる。)、
オキシアリーレン基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばオキシフェニレン基(−OC−)、オキシナフチレン基(−OC10−)などが挙げられる。)、オキシカルボニル基(−COO−)、イミノカルボニル基(−CONH−)、ウレイレン基(−NHCONH−)、硫黄原子や酸素原子などヘテロ原子、アミノ基(−NR−:Rは置換基を表す)などが挙げられる。また、これらの連結基を二個以上組み合わせてもよい。さらに、これらの連結基は置換基で置換されてもよい。
Wは、好ましくはアルキレン基もしくはアリーレン基であり、さらに好ましくはアルキレン基であり、最も好ましくはメチレン基である。
Zは、好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、もしくはヘテロ原子であり、さらに好ましくは、単結合、メチレン基、フェニレン基、硫黄原子もしくは酸素原子であり、最も好ましくは単結合である。
本発明の化合物の数平均分子量は好ましくは200〜10000000、より好ましくは200〜1000000、最も好ましくは200〜500000である。
本発明の化合物は、異なる一般式(I)の繰り返し単位を2個以上有する共重合体としてもよい。また一般式(I)の繰り返し単位と既存の繰り返し単位の共重合体としてもよい。
以下に本発明の化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005174613
Figure 2005174613
Figure 2005174613
本発明の化合物は、非特許文献ジャーナル・オブ・ズィ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティー2001年123巻9182ページなどを参照して合成することができる。
以下に本発明で用いる化合物の具体的製法、すなわち市販可能な試薬から出発し、前駆体を経て最終の化合物の合成法を記す。
(P−1)の合成
Figure 2005174613
(中間体Aの合成)
窒素雰囲気下、フルオレノン(シグマアルドリッチ社製)18.0gとトリフェニルホスフィンメチルブロマイド37.5gをジメチルホルムアミド200mLに溶かし、氷水バス冷却しながらナトリウムメトキシド28%メタノール溶液23gを加え、30分攪拌する。これを水500mL中に注ぎ、沈殿物を吸引ろ過する。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/1)に付し、Aの留分を取り出す。濃縮し、クロロホルム/ヘキサンで再結晶すると、Bの結晶7.0gが得られた。
(P−1の合成)
窒素雰囲気下、A5.0gを無水塩化メチレン30mLに溶かし、氷浴で冷却しながらBFエーテル錯体2mgを滴下し、室温で24h攪拌する。得られた溶液をメタノール中に加え、得られた沈殿を吸引ろ過する。沈殿物をテトラヒドロフランに溶かし、再びろ過し、ろ液をメタノール中に加える。得られた沈殿を吸引ろ過し、80℃で真空乾燥すると、P−1 0.7gを得る。数平均分子量=1000、重量平均分子量=2500。 P−1をクロロホルムに溶かし、石英基板上にスピンコートし、この膜のりん光測定をする。T=64kcal/mol(268kJ/mol)。
(P−7)の合成
Figure 2005174613
(中間体Bの合成)
フェナンスロリン(シグマアルドリッチ社製)1水和物25.0gと水酸化カリウム13.0gを水1.3L中に加え、還流させる。これに過マンガン酸カリウム64.5gを1Lの熱水に溶かした溶液を滴下していく。滴下終了後、さらに1時間還流させる。これを熱時ろ過し、室温まで自然放冷させる。得られる粗結晶をさらに熱水で再結晶させると、Bの結晶4.5gを得る。
(中間体Cの合成)
窒素雰囲気下、B3.6gとトリフェニルホスフィンメチルブロマイド7.5gをジメチルホルムアミド40mLに溶かし、氷水バス冷却しながらナトリウムメトキシド28%メタノール溶液4.6gを加え、30分攪拌する。これを水300mL中に注ぎ、沈殿物を吸引ろ過する。得られた固体をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/1)に付し、Bの留分を取り出す。濃縮し、クロロホルム/ヘキサンで再結晶すると、Cの結晶1.5gが得られる。
(P−7の合成)
窒素雰囲気、B5.0gを無水テトラヒドロフラン30mLに溶かし、ドライアイス/メタノールバスで冷却しながら1.6Mノルマルブチルリチウムヘキサン溶液1.7mLを滴下し、24h攪拌する。得られた溶液をメタノール中に加え、得られた沈殿を吸引ろ過する。沈殿物をテトラヒドロフランに溶かし、再びろ過し、ろ液をメタノール中に加える。得られた沈殿を吸引ろ過し、80℃で真空乾燥すると、P−7 1.5gを得る。数平均分子量=3000、重量平均分子量=8000。 P−7をクロロホルムに溶かし、石英基板上にスピンコートし、この膜のりん光測定をする。その立ち上がり波長よりTを算出すると、62kcal/mol(260kJ/mol)となる。
(有機電界発光素子)
本発明は、一対の電極間に少なくとも一層の発光層を含む発光素子であって、本発明の化合物を含むことを特徴とする発光素子である。
本発明の発光素子は、本発明の化合物を含む点以外は、通常の発光素子のシステム、駆動方法、利用形態と同様に実施できる。代表的な発光素子として有機EL素子を挙げることができる。
有機EL素子として用いる場合、本発明の化合物を正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料もしくは発光層ホスト材料として好適に使用できる。好ましくは、正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料もしくは発光層ホスト材料として用いられ、さらに好ましくは発光層ホスト材料もしくは電子輸送材料として用いられる。
(層形成)
本発明の化合物を含有する発光素子の有機層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、電子写真法などの方法が用いられ、特性面、製造面で抵抗加熱蒸着、コーティング法、転写法が好ましい。
本発明の発光素子は陽極、陰極の一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
(陽極)
陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。
陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5000nmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1000nmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
陽極は通常、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には材料によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾル−ゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。陽極は洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
(陰極)
陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の材料としては金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K、Cs等)及びそのフッ化物、酸化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)及びそのフッ化物、酸化物、金、銀、鉛、アルニウム、ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれらの混合金属等である。陰極は、上記化合物及び混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及び混合物を含む積層構造を取ることもできる。
陰極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5000nmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1000nmであり、更に好ましくは100nm〜1000nmである。
陰極の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。陽極及び陰極のシート抵抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
(発光層)
本発明で用いられる発光材料は、蛍光発光材料またはりん光発光材料またはこれら両方を含む材料であり、重合体を用いても低分子を用いてもよく、本発明の化合物を用いてもよい。
本発明で用いられる蛍光発光材料は、蛍光性化合物である共役系不飽和化合物が用いられる。具体的には例えば下記に挙げる化合物を用いることができる。
本発明の化合物、ベンゾオキサゾール,ベンゾイミダゾール,ベンゾチゾール,スチリルベンゼン,ポリフェニル,ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾピロリジン、スチリルアミン、芳香族ジメチリジン化合物、ピレンおよびこれらの誘導体、8−キノリノールおよびその誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、およびこれらの置換されたポリマー化号物。
この中でも、スチリルベンゼン,ポリフェニル,ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾピロリジン、スチリルアミン、芳香族ジメチリジン化合物、ピレンおよびこれらの誘導体、8−キノリノールおよびその誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体が好ましく用いられ、スチリルベンゼン,ポリフェニル,ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ペリレン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾピロリジン、スチリルアミン、芳香族ジメチリジン化合物、ピレンおよびこれらの誘導体がさらに好ましく用いられる。
本発明で用いられるりん光発光材料は、りん光発光性化合物であるオルトメタル化金属錯体およびポルフィリン金属錯体の少なくとも一つが好ましく用いられ、オルトメタル化金属錯体がより好ましく用いられる。
本発明で用いられるオルトメタル化金属錯体について説明する。オルトメタル化金属錯体とは、例えば「有機金属化学 基礎と応用」p150,232裳華房社 山本明夫著 1982年発行、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 p71−p77,p135−p146 Springer−Verlag社 H.Yersin著1987年発行等に記載されている化合物群の総称である。前記金属錯体の中心金属としては、遷移金属であればいずれも使用可能であるが、本発明では、中でもロジウム、白金、金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム等を好ましく用いることができる。この中でより好ましいものはイリジウムである。オルトメタル化金属錯体の金属の価数は特に限定しないが、イリジウムを用いる場合には3価が好ましい。オルトメタル化金属錯体の配位子は、オルトメタル化金属錯体を形成しうるものであれば特に問わない。
例えば、アリール基置換含窒素芳香族へテロ環誘導体(アリール基の置換位置は含窒素芳香族へテロ環窒素原子の隣接炭素上であり、アリール基としては例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基などが挙げられ、含窒素芳香族へテロ環としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリン、ナフチリジン、シンノリン、ペリミジン、フェナントロリン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、フェナントリジンなどが挙げられる)、ヘテロアリール基置換含窒素芳香族へテロ環誘導体(ヘテロアリール基の置換位置は含窒素芳香族へテロ環窒素原子の隣接炭素上であり、ヘテロアリール基としては例えば前記の含窒素芳香族へテロ環誘導体を含有する基、チオフェニル基、フリル基などが挙げられる)、7,8−ベンゾキノリン誘導体、ホスフィノアリール誘導体、ホスフィノヘテロアリール誘導体、ホスフィノキシアリール誘導体、ホスフィノキシヘテロアリール誘導体、アミノメチルアリール誘導体、アミノメチルヘテロアリール誘導体等が挙げられる。このうちアリール基置換含窒素芳香族ヘテロ環誘導体、ヘテロアリール基置換含窒素芳香族ヘテロ環誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体が好ましく、フェニルピリジン誘導体、チオフェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体がより好ましく、チオフェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体が更に好ましい。
本発明に用いるポルフィリン金属錯体として好ましくは白金錯体であり、より好ましくは二価の白金錯体である。
本発明の発光素子の発光層に、さらに他の有機材料や無機材料と併用して使用してもよい。併用する有機材料は、低分子有機材料であっても高分子材料であってもよい。また、他の高分子有機材料と積層塗布して使用することも可能である。低分子化合物と混合し、積層して使用することも可能である。この場合、低分子化合物はポリマーバインダーと混合して塗布しても、真空蒸着、スパッタリング、転写等の方法で積層してもよい。
本発明では、発光層中の正孔輸送性、正孔注入性、電子輸送性もしくは電子注入性を補うため、それぞれの機能を有する添加材料を発光層中に加えることができる。発光材料としてりん光発光材料を用いる場合、用いる前記の添加材料のTは、エネルギー移動を効率よく進行させるため、発光材料のTより高いことが好ましい。
本発明の化合物をホスト及び/又は発光材料として利用する場合、発光層は、ホストおよび前記の発光材料および添加材料を適当な比率で混合することによって得られる。混合の発光材料/ホスト比率は、重量比で1/1000〜1、好ましくは1/500〜1/2、さらに好ましくは1/100〜1/5である。発光層中に前記の添加材料を加える場合、混合する添加材料/ホストの化合物比率は、質量比で1/1000〜1、好ましくは1/500〜1/2、さらに好ましくは1/100〜1/5である。
分子量が1000以下である、本発明の化合物をホストもしくは発光材料として用いる場合、ホストと発光材料と前記の添加材料を共蒸着することが望ましい。分子量が1000以上である該環含有化合物をホストもしくは発光材料として用いる場合、該環含有化合物と前記の発光材料と前記の添加材料もしくは本発明の化合物を、適当な溶媒中で溶解させることが望ましい。
溶解させる溶媒は、これらを溶かす有機溶媒であるならなんでもよい。例えば、トルエンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられるが、好ましくは、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒もしくはハロゲン系溶媒であり、さらに好ましくは、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒もしくはケトン系溶媒である。
発光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5000nmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1000nmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層の形成方法は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)、LB法、インクジェット法、印刷法、転写法、電子写真法などの方法が用いられる。分子量が1000以下である本発明の化合物をホストもしくは発光材料として用いる場合、抵抗加熱蒸着が好ましく、分子量が1000以上である本発明の化合物をホストもしくは発光材料として用いる場合、コーティング法、インクジェット法、印刷法もしくは転写法が好ましい。
(正孔注入層および正孔輸送層)
正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、本発明の化合物、カルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物及びこれらの誘導体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、カーボン膜等が挙げられる。
正孔注入層、正孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5000nmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1000nmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法、LB法、インクジェット法、印刷法、転写法、電子写真法、前記正孔注入輸送剤を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。分子量が1000以下である本発明の化合物を正孔輸送材料もしくは正孔注入材料として用いる場合、抵抗加熱蒸着が好ましく、分子量が1000以上である本発明の化合物を正孔輸送材料もしくは正孔注入材料として用いる場合、コーティング法、インクジェット法、印刷法もしくは転写法が好ましい。
(電子注入層および電子輸送層)
電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。その具体例としては、本発明の化合物、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルビジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、トリアジン、ベンズイミダゾール、イミダゾピリジン、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニンおよびこれらの誘導体、8−キノリノールおよびこれらの誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体等が挙げられる。
電子注入層、電子輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5000nmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1000nmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法、LB法、インクジェット法、印刷法、転写法、電子写真法、前記電子注入輸送剤を溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)などが用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解または分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。分子量が1000以下である本発明の化合物を電子輸送材料もしくは電子注入材料として用いる場合、抵抗加熱蒸着が好ましく、分子量が1000以上である本発明の化合物を電子輸送材料もしくは電子注入材料として用いる場合、コーティング法、インクジェット法、印刷法もしくは転写法が好ましい。
(保護層)
保護層の材料としては水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。その具体例としては、In、SnPb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2 、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等の金属酸化物、MgF、LiF、AlF、CaF等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、インクジェット法、印刷法、転写法を適用できる。
以下に本発明の実施例および比較例を例示して説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。ここで用いたP−1及びP−7は先の合成例で合成したものである。なお以下の電子輸送材料ET−1およびET−2は、特開2002−100476を参照して合成できる。
Figure 2005174613
実施例1
25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上にITOを150nmの厚さで製膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持基板とする。この透明支持基板をエッチング、洗浄する。このITOガラス基板上に、ホール輸送層のBaytron P(PEDOT−PSS溶液(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸ドープ体)/バイエル社製)をスピンコートした後、100℃で1時間真空乾燥し、ホール輸送層とする(膜厚約100nm)。この上にホスト化合物P−1 40mgと発光材料G−1(上記構造)1mgを1,2−ジクロロエタン3mLに溶解した溶液をスピンコートし、発光層とする(膜厚約50nm)。次いで、電子輸送材料ET−1(上記構造)を蒸着し、電子輸送層とする(膜厚約36nm)。さらにLiFを膜厚約3nmを順に10−3〜10−4Paの真空中で、基板温度室温の条件下蒸着する。この上にパターニングしたマスク(発光面積が5nm×4nmとなるマスク)を設置し、アルミニウムを膜厚約400nm蒸着して素子を作製した。なお、作製した素子は乾燥グローブボックス内で封止した。
実施例2
実施例1の素子において、発光材料G−1の代わりに発光材料G−2(上記構造)を、電子輸送層の電子輸送材料ET−1の代わりに電子輸送層の電子輸送材料ET−2を用いる以外は実施例1と全く同様にして素子を作製した。
実施例3
実施例1の素子において、P−1 37mgとホール注入材料HI−1 3mgと発光材料G−1(上記構造)1mgを1,2−ジクロロエタン3mLに溶解した溶液をスピンコートし、発光層とする以外は実施例1と全く同様にして素子を作製した。
実施例4
実施例2の素子において、P−1 37mgとホール注入材料HI−1 3mgと発光材料G−2(上記構造)1mgを1,2−ジクロロエタン3mLに溶解した溶液をスピンコートし、発光層とする以外は実施例2と全く同様にして素子を作製した。
実施例5
25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上にITOを150nmの厚さで製膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持基板とする。この透明支持基板をエッチング、洗浄する。このITOガラス基板上に、ホール輸送層のBaytron P(PEDOT−PSS溶液(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸ドープ体)/バイエル社製)をスピンコートした後、100℃で1時間真空乾燥し、ホール輸送層とする(膜厚約100nm)。この上にP−1 40mgを1,2−ジクロロエタン3mLに溶解した溶液をスピンコートし、発光層とする(膜厚約50nm)。次いで、電子輸送材料ET−1(上記構造)を蒸着し、電子輸送層とする(膜厚約36nm)。さらにLiFを膜厚約3nmを順に10−3〜10−4Paの真空中で、基板温度室温の条件下蒸着する。この上にパターニングしたマスク(発光面積が5nm×4nmとなるマスク)を設置し、アルミニウムを膜厚約400nm蒸着して素子を作製した。なお、作製した素子は乾燥グローブボックス内で封止した。
比較例1
実施例1の素子において、発光層ホスト化合物P−1の代わりに発光層ホスト化合物PVK(Mw=63000,Mn=19000)を用いる以外は実施例1と全く同様にして素子を作製した。
比較例2
実施例4の素子において、発光層ホスト化合物P−1の代わりに発光層ホスト化合物PVK(Mw=63000,Mn=19000)を用いる以外は実施例4と全く同様にして素子を作製した。
比較例3
実施例5の素子において、発光層の化合物P−1の代わりにPVK(Mw=63000,Mn=19000)を用いる以外は実施例5と全く同様にして素子を作製した。
実施例6
25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上に、パターニングしたマスク(発光面積が5nm×4nmとなるマスク)を設置し、アルミニウムを蒸着する(膜厚約400nm)。この上にP−7 40mgを1,2−ジクロロエタン3mLに溶解した溶液をスピンコートし、電子輸送層とする(膜厚約40nm)。次いで、発光層ホストCBP(上記構造)と発光材料G−1を共蒸着し(蒸着比51/3)発光層とし(膜厚約50nm)、さらにTPDを蒸着しホール輸送層とする(膜厚約100nm)。この上に銀を蒸着し電極とした。なお、作製した素子は乾燥グローブボックス内で封止した。
実施例7
実施例6の素子において、発光材料G−1の代わりに発光材料G−3(上記構造)を、以外は実施例6と全く同様にして素子を作製した。
比較例4
実施例6の素子において電子輸送層の電子輸送性化合物P−7の代わりにPVMOX(Mw=70000,Mn=20000)を用いる以外は実施例6と全く同様にして素子を作製した。
比較例5
実施例7の素子において電子輸送層の電子輸送性化合物P−7の代わりにPVMOX(Mw=70000,Mn=20000)を用いる以外は実施例7と全く同様にして素子を作製した。
(素子評価)
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し、発光させる。その輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用い、発光スペクトルと発光波長を浜松ホトニクス社製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらの数値をもとに、輝度が200cd/m付近の外部量子効率を輝度換算法により算出した。
以上の結果を下の表にまとめた。
Figure 2005174613
上記表から明らかなように、本発明で規定する環含有化合物を用いる素子(実施例1から7)は、PVKもしくはPVMOXを用いる素子(比較例1から3もしくは4から5)より、外部量子効率が高い。すなわち、環含有化合物を用いる素子は、従来のPVKもしくはPVMOXを用いる素子よりも好適である。
本発明は、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子に関し、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア等の分野に好適に使用できる有機電界発光素子に利用可能である。

Claims (8)

  1. 一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一つの有機層を有する有機電界発光素子であって、前記有機層が、主鎖部と側鎖部とを有し、前記主鎖部に含まれる炭素原子が前記側鎖部の原子団と結合して環を形成した化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記化合物が下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有してなることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
    一般式(I)
    Figure 2005174613
    (一般式(I)において、 XおよびYは二価の有機基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、このうち少なくとも一つが芳香環を表し、Wは2価の連結基を表し、Zは単結合もしくは2価の連結基を表す。)
  3. 前記一般式(I)において、X及びYの少なくとも一つが炭化水素芳香環又はヘテロ芳香環であることを特徴とする請求項2記載の有機電界発光素子。
  4. 前記一般式(I)において、X及びYが芳香環であり、かつZが単結合又はアルキレン基であることを特徴とする請求項2記載の有機電界発光素子。
  5. 前記有機層が、発光層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記化合物を含有する有機層が電子輸送層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記化合物を含有する発光層に、蛍光発光材料、又はりん光発光材料をさらに含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記有機層に、ホール注入材料および電子注入材料の少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
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