JP2005174605A - 有機el素子および画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非接触の配向処理により発光層を配向させ、且つキャリア輸送性も維持することによって、高効率、長寿命な偏光した有機EL素子を提供する。
【解決手段】 本発明は、正孔注入電極2と電子注入電極5との間に有機化合物からなる発光層を挟持して構成された有機EL素子10であって、前記発光層が液晶性発光層4であり、前記液晶性発光層4の少なくとも一面側に液晶配向能を有する層3が設けられていることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、偏光を発する有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、およびこの有機EL素子を用いて構成された画像表示装置に関するものである。
現在、最も一般的な透過型の液晶表示装置(LCD)には、TN(Twist Nematic)型、STN(Super Twist Nematic)型の液晶が用いられ、近年、軽量、薄型、高輝度、高精細、高視野角とあらゆる面で高性能化が進み、フラットパネルディスプレイの代名詞として認知されるようになった。LCDの基本原理は、ディスプレイ側面に位置された冷陰極管などの光源からの光を、視認者の方向へ変換する導光板と呼ばれる部分(ここでは、光源と導光板との組み合わせ等、ディスプレイにおける光発生および光拡散部を特に「バックライト部」という。)を通過し、さらに、一枚目の偏光板を通過することにより、自然光を直線偏光に変換する。直線偏光された光(偏光光)は液晶セル内の液晶化合物の配向を電界によってスイッチングすることにより、視認者側に配置されたもう一枚の偏光板を透過あるいは遮断される偏光光に変換され、ディスプレイとしての機能を実現している。
また、LCDにおいて、高輝度、高視野角を実現するためには、位相差板や視覚補償板、輝度向上フィルム等のさまざまな光学フィルムを積層する必要があり、複雑な構成となる。さらに、カラーLCDを構成するためには、カラーフィルタが使用される。
LCDでは、このように光源の光が各種フィルタを透過した後に視認者に到達するため、きわめて光の利用効率が低く、光源からの光量を100%とすると視認者に到達する光量はわずか数%ともいわれている。したがって、高輝度を実現するためには、あらかじめ冷陰極管の輝度を高くする必要があり、これがLCDの低消費電力化に大きな障害となっている。
光源からの光の損失は、その多くをカラーLCDにとって必要不可欠な偏光板とカラーフィルタによって占められている。なかでもバックライト部側に配置される二色性物質を用いた偏光板は約50%の光を吸収することによって自然光を直線偏光光に変換しているため、最も損失の大きい部分となっている。
偏光板による光の損失を低減するためには、多くの試行錯誤が行われている。例えば、蛍光偏光板や、コレステリック液晶の選択反射とよばれる現象を利用し偏光板に入射する自然光のうち偏光板で吸収される偏光の光のみをバックライト部側へ反射させ、導光板で乱反射させられた光を再利用する輝度向上フィルム、偏光板を利用しないゲスト−ホスト型液晶などがある(例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3参照。)。
しかし、実際に使用されているのは輝度向上フィルムくらいで、輝度向上フィルムを用いた場合でさえ従来の約1.5倍程度の輝度であるため、バックライト部側の偏光板での光の損失を大幅に低減しているとは言い難い状況にある。
一方で、新しいフラットパネルディスプレイとして、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイが注目されている。有機ELは、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料等を積層した低分子化合物を利用する低分子有機ELと、導電性高分子を利用する高分子有機ELとに大別される。こららは、いずれの有機層も厚さ100nm程度の極めて薄い層で、この有機層に電流を流すことによって発光を得ることができるデバイスである。
有機ELの発光メカニズムは、(1)陰極からの電子注入と陽極からの正孔注入、(2)電子と正孔の固体内の移動、(3)電子と正孔の再結合、(4)生成された励起子からの発光、という段階を経る。
このような有機ELディスプレイはLCDと異なり、自発光型のディスプレイであるため、上述した導光板等から成るバックライト部を必要としない。また高速応答が可能で、しかも有機層や電極の厚さを含めても数100nmでデバイスとしては極めて薄く、基板の厚さによってデバイスの厚さが決定されるという状況となっている。さらに、有機ELは面発光デバイスであるため、照明やLCDのバックライト部としての応用も検討されている。
上記の通り、有機ELディスプレイは、ディスプレイとして多くの優れた点を有していることから、精力的な研究がなされている。
また、有機ELの発光物質の遷移モーメントを一軸配向させる偏光有機ELの報告もなされている。実際の報告例としては、例えば、正孔輸送材料をドープしたポリイミド配向層をラビングし、その上に主鎖型導電性液晶高分子であるポリフルオレン薄膜を形成し一軸配向させた偏光EL素子がある(例えば、特許文献4参照。)。また、他の例としては、発光性の導電性高分子自身をラビングすることによって導電性高分子を配向させる方法がある(例えば、特許文献5参照。)。さらに、他の例としては、「A.Contret,S.Farrar,P.Jackson,S.M.Kelly,S.Khan,L.May,E.Nicholles,G.Richards,M.O'Neill Adv.Mater.12,971(2000)」に開示されるように、光配向材料に正孔輸送材料をドープし、偏光した紫外線を光配向材料に照射し、その上に発光性の液晶モノマーを配向させて光重合することによって偏光EL素子を実現している例がある。
また、液晶化合物がスメクチック層などのより高次な秩序を形成することによって、キャリア移動度が飛躍的に向上する報告がなされている(例えば、特許文献6および特許文献7参照。)。また、棒状のキャリア輸送性液晶化合物中に二色性蛍光色素をドープして、液晶化合物を一軸配向させることによって、偏光ELを実現している報告が、「K.Kogo,T.Goda,M.Funahashi,J.Hanna,Appl.Phys.Lett.,73,11,1595(1998)」あるいは、「H.Tokuhisa,M.Era,T.Tsutsui Appl.Phys.Lett.,72,21,2639(1998)」に記載されている。
このような偏光有機EL素子をLCDのバックライト部に使用すると、バックライト部側の偏光板で吸収される光の損失が大きく低減できる。また、有機ELは面発光光源であるため、LCDにて通常用いられる導光板が不要となり、LCDの薄型化に大きく寄与する。さらに、偏光有機ELの偏光度が高い場合には、バックライト部側の偏光板も不要となり、一段とLCDの薄型化に寄与する。
また、有機ELの素子劣化における研究において、素子劣化の一因として素子駆動中に、電極に使用しているインジウムやマグネシウム等の金属が有機ELを構成する有機材料中を拡散し、発光領域まで金属の拡散が及び、発光効率が著しく低下することが「S.T.Lee,Z.Q.Gao,L.S.Hung,75,10,1404(1999)」に開示されている。これに対して、発光領域への金属の拡散を抑制するため、発光層と電極との間に数nmから約10nm程度の絶縁材料であるテトラフルオロエチレン膜を挿入することによって、発光効率、発光寿命が向上するという報告が「Y.Gao,L.Wang,D.Zhang,L.Duan,G.Dong,Y.Qiu,82,2,155(2003)」に開示されている。
特開2001−174636号公報 特開2001−174809号公報 特表2002−502051号公報 特表2002−532846号公報 特開平8−306954号公報 特開平10−312711号公報 特開平9−316442号公報
上述した偏光を発する有機ELでは、発光物質を一軸配向させるための手段として、ラビングや、正孔輸送材料をドープした光配向材料に偏光した活性エネルギー線を照射することによる、光配向技術が主として適用されている。これは、特に配向物質として液晶性を示す化合物を利用した偏光有機ELにおいてより顕著である。
しかしながら、配向層や発光層自身のラビングは、材料を機械的に摩擦するため、ラビングされる材料表面への物理的な損傷が大きい。さらに、ラビング時に発生する微少な粉塵は、極めて清浄な環境を必要とする有機EL素子の作製工程には不適切である。従来の技術において記載した偏光ELにおいては、いずれの報告においても発光面積は極めて小さいためラビングによる物理的な損傷や粉塵の影響は小さいが、ディスプレイ用のバックライト部等、比較的大きな発光面積が必要となる場合には、ラビングによる物理的な損傷や、粉塵が存在するとその部分から素子短絡が生じるため、著しく素子の性能を低下させたり、素子自体が機能しない可能性も生じる。したがって、発光面積が大きくなるにつれて、ラビングは適用しにくくなるという問題があった。
一方、光配向技術を利用した方法においては、一般的に光配向材料は絶縁性であるため、正孔輸送材料等のキャリア輸送性低分子化合物をドープする必要がある。
しかし、光配向技術は、直線偏光紫外線照射による光配向材料の異方的な光二量化や光分解を利用した技術であるため、光配向材料中に他の機能を有する物質を混合すると、異方的な光二量化や光分解が阻害され、十分な配向能力を発現できないという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、非接触の配向処理により発光層を配向させ、且つキャリア輸送性も維持することによって、高効率、長寿命な偏光を発する有機EL素子を提供することを課題とする。また、本発明は、このような有機EL素子を用いて構成された画像表示装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、正孔注入電極と電子注入電極との間に有機化合物からなる発光層を挟持して構成された有機EL素子であって、前記発光層が液晶性発光層であり、前記液晶性発光層の少なくとも一面側に電子および/または正孔が透過し得る厚さの液晶配向能を有する層が設けられていることを特徴としている。より具体的には、正孔注入用電極と電子注入用電極との間に、有機化合物からなる発光層と液晶配向能を有する層とを挟持し、前記液晶配向能を有する層の上に液晶性を示す発光層、あるいは液晶化合物を含む発光層を積層して構成された有機EL素子であることを特徴とし、この液晶配向能を有する層によって、発光分子が一軸に配向することによって偏光を発するように構成されている。
このような構成によれば、液晶配向能を有する層を有しているため、ラビング処理等の物理的な接触処理を行うことなく、偏光を発する有機EL素子を得ることができる。つまり、本発明によれば、ラビング処理に起因する粉塵等が皆無となるため、極めてクリーンな環境にて有機EL素子の製造を行うことができる。また、この粉塵等に起因して発生していた素子短絡も防止できる。さらに、ラビング処理を行わないので、クリーンな表面が要求される有機EL素子に好適であり、表面の傷等がないことから、有機EL素子の強度および耐久性をも高めることができる。また、ラビング処理を必要としないため、発光面積が大きな有機EL素子を比較的容易に製造可能である。
また、本発明にかかる有機EL素子においては、前記液晶配向能を有する層が、偏光した活性エネルギの照射によって液晶配向能を発現する機能を有することが好ましい。
また、本発明にかかる有機EL素子においては、前記液晶配向能を有する層の厚さが、25nm以下である構成が好ましい。
さらに、上記課題を解決するためになされた本発明にかかる画像表示装置は、上述したいずれかの有機EL素子をバックライト部として用いたことを特徴としている。
このような構成によれば、液晶ディスプレイ等の画像表示装置を構成する際に従来必要であった冷陰極管、導光板等バックライト部構成要素が不要となって、光の利用効率を向上させることができる。また、このような構成によれば、バックライト部として有機EL素子を用いることによって、画像表示装置の大幅な薄型化、軽量化等を実現することができる。
本発明においては、活性エネルギ線によって液晶配向能を有する極めて薄い層(液晶配向能層)を発光層の下側に設けて、有機EL素子が構成されている。
したがって、本発明によれば、非接触の配向処理が可能となる。また、液晶配向能層の厚さが極めて薄く、キャリア輸送性を液晶配向能層に添加する必要がないため、十分な配向能を発現して偏光を発する有機EL素子を、比較的容易に且つ経済性よく得ることができる。
さらに、このような有機EL素子を用いることによって、光の利用効率を向上させ、大幅な薄型化、軽量化等を実現可能な画像表示装置を得ることができる。
実施形態に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明にかかる有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)は、正孔注入電極と電子注入電極とで、有機化合物からなる発光層と液晶配向能を有する層とを挟持して構成されている。このような有機EL素子は、より具体的には、液晶配向能を有する層の上に液晶性を示す発光層、あるいは液晶化合物を含む発光層が積層され、発光分子が一軸に配向することによって偏光を発すべく構成されている。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる偏光を発する有機EL素子の基本構造の一例を示す概略断面図である。
本実施形態にかかる有機EL素子10は、図1に示すように、ガラス等にて形成された基板1上に、正孔注入電極2、液晶配向能を有する層3(以下、「液晶配向能層」ともいう。)、液晶性発光層4(ここで、「液晶性発光層」とは、液晶性を示す発光層あるいは液晶化合物を含む発光層である。)、および電子注入電極5を積層して構成されている。より具体的には、基板1上に正孔注入電極2を配設し、この正孔注入電極2と電子注入電極5との間に、液晶配向能層3および液晶発光層4を設けている。また、本実施形態においては、正孔注入電極2側に液晶配向能層3を設け、電子注入電極5側に液晶性発光層4を設けている。
本実施形態にかかる有機EL素子10は、液晶性発光層4が、極めて薄く(例えば、25nm以下に)形成された液晶配向能層3の上に積層されていることを最大の特徴としている。そして、この液晶配向能層3によって液晶性発光層4の発光分子が一軸に配向するため、その結果得られる発光は、図1の矢印Aで示すように、直線偏光性の発光となる。
ここで、図2は、従来技術にかかる有機EL素子20を示している。なお、この図2においては、図1に示した本実施形態にかかる有機EL素子10の構成要素と同様の部分については、同様の符号を付し、その説明を省略する。
図2に示した従来技術にかかる有機EL素子20は、図1のような液晶配向能層3を有しないため、正孔注入電極2と電子注入電極5との間に液晶性発光層4を挟持して構成しても、液晶性発光層4の発光分子は三次元的にランダムに配向することとなる。したがって、有機EL素子20の基板1側からの発光は、直線偏光性を有しない。また、この図2に示した有機EL素子20は、発光領域において電極に使用した金属が拡散するため、本実施形態にかかる有機EL素子10(図1参照)に比較して、素子寿命も短くなった。
さて、本実施形態にかかる有機EL素子10を構成する正孔注入電極2としては、、発光層、正孔輸送層、または正孔注入層に正孔を効率よく注入するという点から、仕事関数が4.0eV以上の電気伝導体を用いることが好ましい。具体的には、このような性質を有するものであれば、金属、無機酸化物、半導体等の無機物、有機物等のいずれからなるものであってもよい。
また、本実施形態にかかる有機EL素子10においては、通常、基板1側すなわち正孔注入電極2側から光を取り出すため、この正孔注入電極2としては、ITO(インジウム錫酸化物)、In23(酸化インジウム)、SnO2(酸化錫)等からなる透明な電極を用いることがより好ましい。
また、本実施形態にかかる有機EL素子10を構成する電子注入電極5としては、発光層、電子輸送層、または電子注入層に電子を効率よく注入する点から、仕事関数が4.5eV以下である電気伝導体を用いることが好ましい。具体的には、このような性質を有するものであれば、金属、無機酸化物、半導体等の無機物、有機物等のいずれかからなるものであってもよい。さらには、注入効率の点から、アルミニウム、マグネシウム−銀の合金等からなる電極であることがより好ましい。
また、本実施形態にかかる有機EL素子10を構成する液晶性発光層4は、正孔注入電極2と電子注入電極5とに電圧を印加することによって発光する有機化合物、あるいは有機化合物の混合物であって、この有機化合物の薄膜が一軸に配向することによって、分子単位の発光が偏光を示すものであればよい。一軸に配向する有機化合物としては、液晶性を示す導電性高分子、キャリア輸送性を有する液晶化合物に二色性の蛍光性有機化合物をドープした液晶組成物、蛍光性とキャリア輸送特性を合わせ持つ液晶化合物が好ましい。
液晶性を示す導電性高分子としては、ポリフルオレン系の高分子が特に好ましい。キャリア輸送性を有する液晶化合物としては、フェニルナフタレンやフェニルベンゾチアゾール、ターチオフェン等を液晶メソゲンに有する、スメクチック相等の秩序の高い相においてキャリア輸送特性を発現する化合物が好ましく、従来用いられているキャリア輸送性の化合物の化学構造を液晶性を示すような化学構造に変換した化合物でもよい。
また、これらの液晶化合物は低分子液晶でも重合性液晶でも液晶高分子でもよいが、低分子液晶では、液晶層転移温度でのみ配向状態を保持するため、配向状態の固定が困難である。また、重合性液晶では、光重合開始剤等を添加する必要があり、光重合開始剤は薄膜形成後にもデバイス内に残存するため、デバイスの性能を低下させる可能性がある。液晶高分子は、液晶転移温度にて配向させた後、材料のガラス転移温度以下では配向が固定されるため、最も好ましい。
ドーパントとして使用する二色性の蛍光性有機化合物としては、その化学構造が異方性を有し、その異方性によって分子単位の発光が偏光を示すものであればよい。このような蛍光性有機化合物としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェナントレン、ペンタセン、テトラセン、クリセン、クマリン、コロネン、ペリノン、およびこれら誘導体との縮合多環芳香族である平面状分子、オリゴフェニレン、オリゴチオフェン、スチルベン、ビススチリルベンゼン、オリゴフェニレンビニレン、オリゴチエニレンビニレン、オリゴフェニレンエチレン、ジフェニルオキサゾール、ビス(フェニルオキサゾール)ベンゼン、ビス(ベンゾオキサゾリル)チオフェン、キノジカルボシアニンイオダイド、オキサカルボシアニンイオダイド、およびこれら誘導体等の棒状分子等が挙げられる。
さらに、本実施形態にかかる有機EL素子10を構成する液晶配向能を有する層(液晶配向能層)3は、光配向材料を用いて構成することが好ましい。
光配向材料には公知な材料が使用でき、本実施形態にかかる光配向材料は、分子中に光異性化基、光二量化形成基、あるいは光分解する化学構造を有する低分子または高分子で、偏光した活性エネルギー線の照射によって、偏光面に平行な光反応性基のみが選択的に反応し、ラビング処理した配向膜と同じような配向規制力を発現する材料である。
光異性化基としては、例えばアゾベンゼンが用いられる。また、光二量化形成基としては、例えば、シンナモイル基やクマリン、カルコン基が好適に用いられる。光分解型の材料は特に限定されないが、耐熱性、機械的強度の点でポリイミドが好ましい。
なお、光異性化型の光配向材料に使用されるアゾベンゼンは着色されており、光分解型の光配向材料では分解物がデバイス内に残存するため、本実施形態においては、光二量化型の光配向材料を用いることが特に好ましい。
さらに、活性エネルギー光線としては、紫外線、あるいは電子線等が用いられるが、特に紫外線が好ましい。
液晶配向能を有する層3は、液晶性発光層4(液晶性を示す発光層、あるいは液晶化合物を含む発光層)の下層に形成されていればよい。
また、正孔注入電極2と電子注入電極5との間にはこれらの2層以外に、正孔注入層や正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層を別途積層してもよいが、有機層全体の厚さが厚くなると印加電圧が高くなるため、あまり好ましくない。逆に、薄くなりすぎると、素子短絡の可能性が高くなるため、薄すぎるのも問題である。
そこで、本実施形態においては、有機層全体の厚さを抑えつつ、素子短絡の可能性を低減させるために、有機EL素子10の電極2,5間厚さ(図1の基板1を除いた厚さ)は、数10nmから数μmに設定することが好ましい。また、必要に応じて、約50nmから約500nmに設定することが好ましく、最も好ましいのは、約80nmから約150nm程度に設定することである。
なお、液晶配向能層3の厚さについては、電子および/または正孔が透過し得る厚さに設定されている。また、この液晶配向能3の厚さは、厚くなるとキャリアの移動が極めて困難になり、逆に薄くなると液晶配向能が低下するため、約10オングストロームから約25nm程度であることが好ましく、さらに好ましくは約3nmから約15nm、最も好ましいのは約5nmから約10nm程度に設定することである。
これらの有機薄膜を形成する方法としては、ドライプロセスとウェットプロセス、あるいはそれら両方を組み合わせた方法がある。
ドライプロセスとしては、真空蒸着法、分子線蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、クラスターイオンビーム法、イオン蒸着法、イオンプレーティング法、各種化学気相堆積(CVD)法、プラズマ重合法、パルスレーザー蒸着法等の方法であり、分子を効率よく配向させるという点や簡便に有機層を形成するという点から真空蒸着法が好ましい。
また、ウェットプロセスとしては、有機溶剤による溶液として塗工方法やインクジェット法が適用できる。通常、有機溶剤による溶液として塗工する。塗工は、バーコーターやスピンコーター、ロールコーター等の適宜な塗工機にて行うことができる。
本実施形態にかかる有機EL素子10は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
本実施形態においては、図1に示すように、有機EL素子10は、液晶発光層4と正孔注入電極2との間に液晶配向能層3を設け、この液晶配向能層3および液晶発光層4が、正孔注入電極2と電子注入電極5との間に挟持されている。すなわち、本実施形態によれば、液晶配向能層3を設けたことによって、液晶発光層4に対し接触が必須であるラビング処理等を行うことなく、液晶発光層4の発光分子を一軸に配向させ、偏光を発する構成を得ることができる。つまり、本実施形態によれば、液晶配向能層3を設けた構成とすることにより、有機EL素子10に対して非接触の配向処理を施すことが可能となる。
また、本実施形態においては、上記の通り、ラビング処理を必要としないため、材料表面への物理的損傷を無くすことができる。よって、有機EL素子10の強度および耐久性を高め、長寿命化を図ることができる。さらに、ラビング処理を行わないことから、微少な粉塵等の発生もないため、極めて清浄な環境にて有機EL素子10の製造を実現できる。また、粉塵に起因して発生していた素子短絡等も防止できるため、素子自体の信頼性を向上させることができる。さらに、ラビング処理を必要としないため、発光面積が大きな有機EL素子10を比較的容易に製造することができることとなる。
次に本発明の実施例を示すが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
正孔注入電極であるITOをコートしたガラス基板をイソプロピルアルコール超音波洗浄し、次いで純水で洗浄し、さらにイソプロピルアルコールでリンスして直ちに乾燥させた。さらに、この基板をUVオゾン洗浄した後、基板上に正孔注入材料であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)をスピンコート法により25nmの厚さに製膜した。その上に、ポリビニルシンナメート(アルドリッチ、Mw=約20万)(本発明の「液晶配向能を有する層」に相当。)をスピンコート法により5nmの厚さに製膜した。この薄膜に偏光UV照射装置(センエンジニアリング)にて1500mJ/cm2の光を照射した。さらに、ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン)をスピンコート法により80nmの厚さに製膜した。これらの有機薄膜を形成したガラス基板を180℃で1分間、加熱配向した後、室温まで急冷することで、ポリフルオレンを一軸配向させた。一軸配向した有機薄膜を形成したガラス基板を真空チャンバー内に導入し、真空排気を行った。真空度が10-5Paに到達した後、マグネシウムと銀を共蒸着(マグネシウム:銀=10:1(重量比))することによって、有機EL素子とした(発光面積0.25cm2)。この有機EL素子は15Vの印加電圧で200cd/m2の輝度を示し、偏光板を介して発光を観察すると、偏光板の透過軸を回転させると、90度毎に明暗が繰り返されていることから、この有機ELからの発光は直線偏光であることが確認された。
(比較例1)
ポリビニルシンナメート層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で有機EL素子(発光面積0.25cm2)を作製した。この有機EL素子は、15Vの印加電圧で200cd/m2の輝度を示したが、偏光板を介して発光を観察しても、輝度に変化は無かった。したがって、この有機EL素子からの偏光は、非偏光であることが確認された。
以上のように、実施例1によれば、液晶配向能を有する層(液晶配向能層)である極薄膜をITO上のPEDOT上に塗布して偏光UVを照射することによって、PFO等の液晶性の有機EL素子を形成可能であるため、非接触での配向を実現可能な有機EL素子を得ることができる。
この実施例1にて示した液晶配向能層は絶縁性であるが、極めて薄いため、キャリアはトンネル効果で移動が可能である。したがって、チャージのバランスが取れて高効率での発光を実現できる。
さらに、ポリマー一層の場合、ITOからのインジウムの拡散による有機層の汚染を防止することができる。
一対のITOガラスを使用し、その電極側表面にスピンコートでポリビニルアルコール溶液を塗布・乾燥させた後、ラビング処理を行って、ラビング膜を形成した。ラビング方向が直交するように前記基板の一対を透明電極に対向させて、ギャップ調整材を配し、周囲をエポキシ樹脂でシールした後、メルク社製液晶「ZLI−4792」を注入した。ガラス基板の外側にラビング方向と平行になるように偏光板を貼り、TN型液晶セルを作製した。偏光板には、上側基板、下側基板とも日東電工株式会社製偏光板「NPF EGW1225DU」を使用した。
この液晶セルを実施例1で作製した有機EL素子上に配置した。このとき、有機EL素子と接する液晶セルの偏光板は、偏光板の透過軸が、有機EL素子の発する直線偏光発光の発光軸と一致するように配置し、画像表示装置とした。液晶セルには電圧を印加せず、有機EL素子には、15Vの電圧を印加すると、150cd/m2の輝度で画像表示装置が点灯した。
(比較例2)
比較例1で作製した有機EL素子を使用した以外は、実施例2と同様の方法で画像表示装置を作製した。液晶セルには電圧を印加せず、有機EL素子には15Vの電圧を印加すると、80cd/m2の輝度で画像表示装置が点灯した。
なお、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
本発明の実施形態にかかる有機EL素子の概略断面図を示したものである。 従来技術にかかる有機EL素子の概略断面図を示したものである。
符号の説明
1 基板
2 正孔注入電極
3 液晶配向能層(液晶配向能を有する層)
4 液晶性発光層
5 電子注入電極
10 有機EL素子

Claims (4)

  1. 正孔注入電極と電子注入電極との間に有機化合物からなる発光層を挟持して構成された有機EL素子であって、
    前記発光層が液晶性発光層であり、前記液晶性発光層の少なくとも一面側に電子および/または正孔が透過し得る厚さの液晶配向能を有する層が設けられている
    ことを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記液晶配向能を有する層が、偏光した活性エネルギの照射によって液晶配向能を発現する機能を有する
    請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記液晶配向能を有する層の厚さが、25nm以下である
    請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の有機EL素子をバックライト部として用いた
    ことを特徴とする画像表示装置。
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