JP2005173227A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 掃き寄せの防止と、トナー飛散を抑制する。
【解決手段】 感光ドラムに対向して設けられ、現像剤を担持して搬送する現像ローラと、現像ローラ上の現像剤層厚を規制する現像ブレードと、感光ドラムと現像ローラとの間に交番電界を形成する電界形成手段と、前記電界形成手段により、感光ドラムと現像ローラとで構成される間隙の現像領域にて現像剤を往復運動させることで現像する現像装置を有した画像形成装置において、現像ローラと感光ドラムとの間の領域で現像ローラの像担持体と対向した面を覆い、かつ、略現像領域に相当する部分をスリットとして現像剤の飛翔を制御する現像剤飛翔制御部材を有することを特徴とする。
【選択図】 図11

Description

本発明は、モノクロプリンタ、カラープリンタ、ファクシミリまたは複写機等、電子写真方式の画像形成部に用いられる現像装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置では、像担持体としての感光体の表面を帯電手段で帯電し、その後感光体の表面に光を照射して感光体の表面上に静電像を形成し、この静電像を現像手段から供給される現像剤のトナーによってトナー像として顕像化する。このトナー像を転写手段で感光体から紙、OHPシート、布などの転写材に転写する。尚、転写後の感光体に残留する転写残トナーなどの付着物はクリーニング手段によって除去され、感光体に対して再び帯電手段による帯電工程が行われる。そして、トナー像が転写された転写材は、定着装置によってトナー像の定着を受けた後、画像形成装置から出力される。
従来、電子写真画像形成装置に用いられる現像装置としては、現像ローラ、現像スリーブ等の現像剤担持体と、感光体ドラム、感光体ベルト等の像担持体とが非接触に配置される非接触方式の現像装置が多く用いられている。
ここで、図19を参照して従来の現像器の一例について説明する。
現像ローラ101は、図中矢印A方向に回転駆動され、現像ブレード102は、弾性を有するものであり、現像ローラ101上の現像剤の塗布量及び帯電量を規制する現像剤規制手段として設置させている。その一端部を長手方向に支持板金103に支持され、自由端側の先端近傍を現像ローラ101の外周面に近接させている。
又、現像容器105内の非磁性一成分現像剤(現像剤)Tを現像ローラ101に供給する供給ローラ104が現像ローラ101に当接配置されている。供給ローラ104は、図中矢印B方向に回転駆動される。供給ローラ104は、スポンジローラであり、現像ローラ101への現像剤Tの供給、及び現像に供されずに現像ローラ101上に残った現像剤Tの剥ぎ取りを目的している。供給ローラ104は、現像ブレード102よりも現像ローラ101の回転方向上流側に配置されている。
供給ローラ104によって現像ローラ101に供給された現像剤Tは、現像ブレード102で所定の層厚に規制された後に、現像ローラ101と感光体(図示せず)の表面との近接領域(以下、「現像領域」という。)に送られる。現像領域においては、現像時に現像ローラ101に現像バイアス電源107から供給される現像バイアスによって形成された電界の力によって、感光体上の静電像が形成されている部分に向けて現像剤Tが飛翔される。
上記の感光体と現像ローラ101とは現像部において、50〜500μmの間隔、通常は300μmを開けて非接触に配置され、この現像部の現像ローラ101と感光ドラムの間(SD間)の間隔にバイアス電源により、周波数0.8kHz〜3.5kHz、振幅400〜3000V、波形の平均値−50V〜−550Vからなる直流電圧と交流電圧とを重畳した現像バイアスを印加されており、現像電界が生じている。
又、現像ローラ101の下方には、現像容器105の下部から外部への現像剤Tの吹き出しを防止するための吹き出し防止シート106が設けられている。
その他にも、従来では現像装置からの現像剤漏れを防止するために、現像ローラの下部において、現像ローラに接触するように現像剤粒子と反対の帯電極性を有する弾性シール部材を設置する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、現像剤粒子の磁性、非磁性によらず1成分現像方式のプロセスにおいて、現像ローラの下方に蓄積した現像剤の漏れや吹き出しを防止する技術も開示されている。
上記の交流電圧としては、図20に示すようなサイン波、図21に示すような三角波、図22に示すような鋸波、図23に示すような矩形波、更には、波形の1/2値と、平均値とが異なり、図24に示すように、トナーを現像スリーブ101から感光ドラムに向かう方向に付勢する電界を形成する第2ピーク値(Vmin)が印加される時間とから構成されているバイアス(以下、このバイアスをデューティバイアスと呼ぶ)等が従来知られている。
上述したように、感光体に転移された現像剤Tは、感光体から紙などの転写材上に転写され、この転写材に定着処理を施すことによって、カブリがなく高い画像濃度を満足する記録画像を得ることができる。多色画像形成装置には、内包するトナーの色の異なる複数個の現像装置が設置され、各々の色に対応して形成された像担持体である感光体ドラム上の潜像を現像するのに供される。
しかしながら、現像剤粒子を飛翔させて現像を行う現像方式(1成分非接触現像方式)には、画像部と非画像部との境界で起こる特徴的な画像不良が発生する現象がある。この画像不良の発生には、上記で挙げた従来技術では解決することができない。以後、この画像部と非画像部との境界で起こる特徴的な画像不良、画像後端で他の部位より濃度が濃くなる「掃き寄せ」と称する。「掃き寄せ」に関しての詳細な説明に関しては、[発明が解決しようとする課題]で説明する。
このような「掃き寄せ」という現象を発生させずに、かつ、像担持体上及び転写紙上で、十分な現像剤を担持させるために、現像剤担持体上に形成された微小閉電界によって、帯電量の安定した現像剤を所定量だけ担持し、非接触現像により等速現像を達成するものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、電源のコストアップや画像のシャープ性等のために問題が残され、充分な濃度が得られない。
更に、非接触現像装置は、振動電界によって現像剤担持体から現像剤を飛翔させて現像を行い、このような現像剤の飛翔を制御する目的で現像領域内に板状電極部材を設置する構成が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、従来技術には、静電潜像後端での現像剤の偏りを防止する目的で前述した板状電極部材の設定位置に関する構成が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、電源のコストアップ等のために問題が残されている。
また、従来技術には、像担持体と現像剤担持体との間に板状部材を挿入し、像担持体と現像剤担持体との間隔を維持する構成が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、板状部材と現像剤担持体との当接圧により、現像剤の凝集により当接部により付着し、目詰まりを起こして画像上にスジ画像が発生する。特に、画像形成動作を行う環境下によって顕著に発生した。さらに、非接触現像方式の特有の問題として、飛翔現像剤が現像領域外に飛散し画像形成装置を汚染するという現像剤飛散の問題がある。
一方、飛散トナーの防止という観点では、従来より現像剤担持体に磁性ローラが組み込まれ、磁性ローラが回転することによって現像剤を搬送する現像器において、現像剤担持体上に現像剤の搬送方向に沿って複数の電極を設け、現像剤の搬送方向上流側の電極によるポテンシャルが大きくなるようなバイアス電圧を印加することによって、現像性を低下させること無く、トナー飛散を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
上記従来例のいずれにおいても、トナー飛散を抑えるために、新たに吸引手段を設ける必要があり、実現可能なコストで作製する、可能な簡易な構成をとっているものではない。また、電源のコストアップや画像のシャープ性等のために問題が残されている。
特開平08−254896号公報 (第2〜4頁、第1図) 特開平04−127177号公報(第4〜15頁 第1図参照) 特開平08−30089号公報(第3〜7頁 第1図参照) 特登録03366968号公報(第2〜7頁 第1図参照) 特公平06−48404号公報(第2〜6頁 第1図参照) 特開平02−197883公報(第2〜6頁 第1図参照)
しかしながら、上記に示した従来の画像形成装置では、以下に示すような問題点がある。現像剤粒子を飛翔させて現像を行う現像方式(1成分非接触現像方式)には、画像部と非画像部との境界で起こる特徴的な画像不良が発生する現象がある。この画像不良の発生には、上記で挙げた従来技術では解決することができない。以後、この画像部と非画像部との境界で起こる特徴的な画像不良を「掃き寄せ」と称する。
この画像部と非画像部との境界で起こる特徴的な画像不良とは、例えば図25に示すように、画像部と画像部と非画像部を矢印の方向に現像する場合に、その画像部後端G‘の濃度がその他の画像部Gに比べて部分的に濃度が高くなる。この境界近傍の非画像部に現像剤粒子が集中的に現像されるものである。
従って、一定濃度の画像を現像するときに、画像後端部の濃度が一定にならない。
近年求められているフルカラー画像では、高画質で安価な画像形成装置が求められている。特に、フルカラー画像では、トナーを透過して色を視覚するため、画像後端部で濃度が濃くなり、特に色を重ねた画像の場合は、色見が変わってしまうなど大きな画像不良が生じる。
また、1成分非接触現像方式を採用した画像形成装置においては、トナー飛散という不具合が生じることが多い。現像スリーブに担持されたトナーは、現像スリーブ上に担持される前に、現像ブレードによってトナー担持量が規定されるようになっているが、現像ブレードを通過した時点から感光体ドラム表面に対向する現像領域に入るまでの間に、現像スリーブの回転に起因する遠心力、さらには、感光体ドラムの回転、現像ローラの回転によって生じる空気流の影響によってトナーが飛散する場合がある。
あまりにもトナーが飛散すると、感光体ドラムの表面にトナーが付着して感光体汚染の原因になることや、現像装置の近傍に配置されている帯電装置や、露光経路の構成部品に付着した場合には、帯電不良や露光がさえぎられることによる光量不足を引き起こす原因となる。
それだけではなく、ユーザがメンテナンス等を行う際に、飛散したトナーによって汚染された部品に触れなければならない為、作業性を損なうこと等の理由で、手を汚してしまうというユーザビリティの悪さがあった。
本発明は、上記画像不良を顧みてなされたものであり、その目的は、像担持体と現像スリーブなどの現像剤担持体との間に現像剤粒子を飛翔させて現像を行う現像方式を採用したときに、画像部と非画像部との境界近傍での集中的な現像である「掃き寄せ」を低減し、良好なカラー画像を形成することができる現像装置、及び画像形成装置を提供することである。さらに、板状部材を振動電界下に挿入した場合にもスジ画像の発生を低減するものである。又、現像領域の下方やその周辺にトナー飛散し、像かぶりや周辺を汚してしまうことを抑制し、現像装置から飛散したトナーにより画像形成装置へのトナー汚れを防止する。
上記目的は、本発明に係る画像形成装置にて達成される。
要約すれば、第1の発明によれば、像担持体に対向して設けられ、現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する現像剤層厚規制手段と、前記像担持体と前記現像剤担持体との間に交番電界を形成する電界形成手段と、前記電界形成手段により、前記像担持体と現像剤担持体とで構成される間隙の現像領域にて現像剤を往復運動させることで現像する現像手段とを有した画像形成装置において、現像剤担持体と像担持体との間の領域で現像剤担持体の像担持体と対向した面を覆い、かつ、略現像領域に相当する部分をスリットとして現像剤の飛翔を制御する現像剤飛翔制御部材を有することを特徴とするものである。
第2の発明によれば、前記記載の画像形成装置において、前記現像領域の前記現像剤担持体回転方向上流側より半分以下を前記現像剤飛翔部材で遮蔽するようにスリットを設けることを特徴とするものである。
第3の発明によれば、前記記載の画像形成装置において、前記記載の現像剤飛翔制御部材が、絶縁材質からなるシート状の部材であることを特徴とするものである。
第4の発明によれば、前記記載の画像形成装置において、前記記載の現像剤飛翔制御部材を保持する現像装置枠体に取り付けられた支持部材に対し、前記シート状部材を貼り付けることを特徴とするものである。
第5の発明によれば、画像形成装置本体に対して現像手段を着脱自在とされることを特徴とするものである。
第6の発明によれば、少なくとも、静電潜像が形成される像担持体と、現像手段と、現像剤担持体と像担持体との領域で現像剤担持体と対向した面を覆い、略現像領域に相当する部分をスリットとし、現像剤の飛翔を制御する現像剤飛翔制御部材とを含む複数のプロセス手段が一体に構成され、画像形成装置本体に着脱自在とされるプロセスカートリッジとしたものである。
第7の発明によれば、像担持体に対向して設けられ、現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する現像剤層厚規制手段と、前記像担持体と前記現像剤担持体との間に交番電界を形成する電界形成手段と、前記電界形成手段により、前記像担持体と現像剤担持体とで構成される間隙の現像領域にて現像剤を往復運動させることで現像する現像手段とを有した画像形成装置において、少なくとも現像手段を含む複数のプロセス手段を一体に構成され、画像形成装置本体に着脱自在とされるプロセスカートリッジであり、現像剤担持体と像担持体との間の領域で現像剤担持体を像担持体と対向した面を覆い、かつ、略現像領域に相当する部分をスリットとし、現像剤の飛翔を制御する現像剤飛翔制御部材を有することを特徴とするプロセスカートリッジとしたものである。
第8の発明によれば、複数の現像手段が、無端回動する中間転写体に複数配置され、無端回動する中間転写体を駆動することにより、前記像担持体に形成された静電潜像を現像して多色画像を得ることを特徴とするものである。
上記手段を用いることにより、像担持体と現像剤担持体とで構成される間内の回転方向上流側、下流側において、往復する現像剤の飛翔運動を阻止する。従って、現像剤担持体上の上流側の一定位置に現像剤の溜まりが形成されず、現像剤担持体及び像担持体の回転方向下流側において、現像剤が像担持体の表面の静電潜像後端に、現像剤が多量に付着されることがなくなり、「掃き寄せ」画像の発生が抑えられる。
また、現像剤担持体の回転方向上流、下流から、絶縁材料からなるシート状の部材を配置することより、像担持体と現像剤担持体とで形成される間への空気の流入が制限され、前述した間において回転方向上流側、回転方向下流側に生じる空気流が低減される。
よって、前述した空気流により現像剤担持体および像担持体の回転方向下流側へと運ばれる現像剤の量を低減し、現像剤飛散を抑制することができる。
従って、画像欠陥である「掃き寄せ」による汚染を抑制し、長期間にわたって高品位な出力画像が得られるようになる。また、像担持体の交換や現像剤の補給など、画像形成装置のメンテナンス作業に要するユーザの労力を軽減し、衣服・手などの現像剤汚染を抑止する事が可能になる。
以上説明したように、本発明によれば、現像剤粒子を像担持体と現像剤担持体との間で飛翔させて現像を行う画像形成装置において、像担持体と現像剤担持体との間のある領域に現像剤粒子が微妙な力のつりあいによって滞留し、これらの現像剤粒子が「掃き寄せ」という画像不良の原因になっている事実に着目し、現像領域の上流側と下流側に滞留する現像剤粒子を除去し、あるいは現像剤粒子の滞留を抑制することができる。
このため、滞留した現像剤が原因となる画像部と非画像部との境界近傍の「掃き寄せ」や、ユーザが画像形成装置から現像装置を交換する際に生じるトナー漏れを防止することができ、画像不良のない良好な画像を得ることができる。また、現像装置を交換する際に、現像剤による汚れを受けることがなくなるために、ユーザに対して違和感を与えることなく、ユーザビリティの向上を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。
本発明者等は、現像により「掃き寄せ」を軽減すること、および「トナー飛散」を軽減し、良好な画像を得るべく検討を重ねた。その結果、以下に説明する現像剤飛翔制御部材を感光ドラムと現像ローラとの隙間に配置することで、「掃き寄せ」、「トナー飛散」の少ない良好な画像を得ることができた。
次に、図1に基づいて「掃き寄せ」の発生について説明することにする。
図1は、現像バイアスを印加した現像ローラと感光ドラムとの間(SDギャップ)における電気力線を示す模式的にあらわした断面図である。図2に示されるように、現像ローラ2と感光ドラム1とのSD間の横方向(移動方向)上の間隔の狭い中心部13では、電気力線Hはほぼ直線状になっているが、その両側の間隔が広い端部14では電気力線Hはゆがんでいる。これの電気力線Hが作用する領域は、ほぼ静電潜像を現像に作用する領域に相当する。
次に、図2は現像ローラ2と対向した感光ドラム1の表面に、静電潜像(図3において、Rb)が存在する際、現像ローラ2と感光ドラム1との間隙において、現像ローラ2及び感光ドラム1の回転方向上流側端部(図4において、(b)と記載した領域)に形成された電界の作用力により、現像剤T'が移動する様を示した模式的に説明した図である。
図2に示すように、現像ローラ2から飛翔したトナーは、SD間の横方向上の端部(図1における(b)の位置)におけるゆがんだ電気力線H1上の点A1で、その接線方向にベクトル速度V1を持つ。次の瞬間トナーが点A2 に来たときに、トナーは点A2での電気力線H2の接線方向にベクトル速度V2を持つ。
静電的な力により、トナーは点A2からこれらのベクトル速度を合成したベクトル(V1 +V2 )の方向に飛ぶ。従ってSD間の端部(図1における(b)の
置)では、図3に示すように、現像ローラ2からのトナーTは電気力線Hの通りには飛ばずに、図中、飛翔軌跡Q1で示されるように、感光ドラム1との間で外側にずれるように往復運動をする。
また、図4に示すように、感光ドラム1の非画像部Ra(感光ドラム表面電位:−600V)とこれに続く上流側の画像部Rb(感光ドラム表面電位:−100V)との境界である画像先端エッジ部Rcが、電気力線のゆがんでいるSD間の端部14に来ると、画像部Rbよりも下流側にある現像ローラ2上のトナーTが、軌跡Q2に示すように飛翔して、画像部Rb側へ移動する。これにより画像先端エッジ部RcにトナーTが集中して、その集中したトナーが現像ローラ2の上流側に戻るために、SD間の端部14に対応した現像ローラ2の上流側位置にトナーTの大きな溜りSができる。
次いで図5に示すように、SD間の端部14に画像部Rbが位置した状態になると、現像ローラ2上のトナーTは、軌跡Q3のように外側にずれた往復運動をする。これにより現像ローラ2が回転するに拘わらず、現像スリーブ2の上流側の一定位置にトナーの溜りSが形成され続け、その堆積するトナーTは更に多くなって行く。
そして図6に示すように、感光ドラム1の回転によりその画像部Rbとこれに続く上流側の非画像部Rdとの境界である画像後端エッジ部ReがSD間の端部14に来ると、電界は画像後端エッジ部Reに集中し、現像スリーブ2上のトナー溜りSのトナーTは画像後端エッジ部Reに引き寄せられる。これによりトナー溜りSのトナーtがSD間を往復運動しながら、画像後端エッジ部Reの移動に伴い下流に移動してSD間を通過する。
最後に図7に示すように、SD間の広くなった点で、トナー溜りSのトナーTが画像部Rbの後端に付着する。こうして、感光ドラム1上に形成されたトナー像Rの後端部に掃き寄せRfが形成される。
以上の事から、画像不良である「掃き寄せ」の発生を抑えるためには、電気力線が歪んでいる領域(SD間隔が開いている領域)において、トナーの往復運動を抑えることが効果的である。
また、トナー飛散に関しても、上述したように、現像ローラ2からのトナーTは電気力線Hの通りには飛ばずに、感光ドラム1との間で外側にずれるように往復運動をするため、同様に電気力線が歪んだ領域において、トナーの往復運動を抑えることが効果的であると考えられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図8は、本実施例の画像形成装置の概略構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、外部ホスト機器からの画像情報信号に応じて電子写真方式により転写材に画像を形成して出力するレーザビームプリンタである。画像形成装置100は、現像剤として非磁性一成分現像剤を用いる現像器を備える。以下のような印字プロセスにより画像が形成される。
先ず、本実施例の画像形成装置の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのホスト53とコネクタ52により電気的に接続されており、このホスト53からのプリント要求に応じてビデオインターフェイスを介して画像データを受け取る。そして、この画像データに基づいて、以下説明するようにトナー像を形成し、紙、OHPシート、布などの転写材(記録媒体)Pに転写して記録画像を得る。
画像形成装置100は、像担持体としての光導電性の有機感光体である感光ドラム1を備え、感光ドラム1は、駆動モータ(図示せず)によって図中矢印の方向に回転駆動される。この感光ドラム1の表面は、所定の帯電バイアスが電圧印加手段(図示せず)から印加される帯電器(帯電ローラ)2によって一様に暗部電圧Vd=−600Vに帯電される。
次に、画像情報に基づいて、露光手段としてのレーザビームを光源とするレーザスキャナ3により、感光ドラム1の一様帯電面に対して画像露光が行われる。感光ドラム1の画像露光された部分は明部電圧Vl=−150Vとなり、これにより感光ドラム1上に静電像が形成される。
このように形成された静電潜像は、現像器4によって、負帯電性の非磁性一成分現像剤(現像剤)Tで反転現像によりトナー像として可視化される。詳しくは後述するが、感光ドラム1と対向配置された現像器4においては、所定の層厚に規制された現像剤Tを担持している現像剤担持体としての現像ローラ41が回転駆動され、現像時にこの現像ローラ41の芯金に所定の現像バイアスが印加されることにより現像が行われる。
一方、感光ドラム1へのトナー像の形成と同期するように、カセットなどの転写材収容手段(図示せず)から搬送ローラ5などを介して転写材Pが、感光ドラム1と転写手段6とが対向する転写部へと搬送されてくる。
感光ドラム1上で可視化されたトナー像は、転写手段6に現像剤Tのトナー粒子の帯電極性とは逆極性の電圧(転写バイアス)を印加することにより、転写材P上に転写する。転写工程後に感光ドラム1に残留する転写残トナーなどの付着物は、クリーニング手段としてのクリーニングブレードを備えるクリーナー8で清掃される。
そして、トナー像が転写された転写材Pは定着装置7に搬送され、ここで熱、圧力などによって未定着トナー像が転写材Pに定着されて永久像を得る。
本実施例では、プロセススピード(感光ドラム1の周速度)は、50mm/secとし、A4サイズの転写材Pを毎分6枚出力できる構成とした。
次に、1成分非接触現像方式の現像器4について更に詳しく説明する。
本実施例における現像器4は、図9に示すように、現像容器(現像器本体)45の現像剤容器45a内に負帯電性の非磁性一成分現像剤(現像剤)Tを収容している。現像剤容器45a内には現像剤搬送部材49が設けられており、現像容器45の感光ドラム1側に位置する現像室45bには、現像剤担持体としての現像ローラ41、現像剤担持体への現像剤層形成手段としての供給ローラ44、現像剤規制部材としての現像ブレード42、現像ブレード42の支持部材たる支持板金43などが設けられている。
現像剤搬送部材49は現像室45b側に現像剤Tを搬送し、現像室45内に回転自在に設置された現像剤薄層形成手段の1つである供給ローラ44へ現像剤Tを搬送する。そして、供給ローラ44が現像ローラ41に当接し、又現像ローラ41に対して相対速度を有するように回転し(本実施例では、現像ローラ41と供給ローラ44との当接部において、現像ローラ41の図中矢印A方向の回転に対して逆方向である図中矢印B方向に回転させる)、現像剤容器45aから現像室45bに搬送された現像剤Tを現像ローラ41上に塗布するようになっている。
このように現像ローラ41上に塗布された現像剤Tは、現像剤薄層形成手段である現像ブレード42により所定の層厚に規制される。こうして現像剤層が形成された現像ローラ41は、対向する感光ドラム1に対して、所定の相対周速度差で回転している。
感光ドラム1と現像ローラ41は一定の隙間を有して非接触に保たれ、現像ローラ41上の現像剤は上記隙間(SDギャップ)を飛翔して、感光ドラム1上の静電潜像に現像される。現像剤を飛翔させるために、現像ローラ41には現像バイアスVが印加される。
尚、現像ローラ両端部には、内径部で現像ローラ41に接触し、その外径部を感光ドラム1に当接することにより現像ローラ41表面と感光ドラム1表面を所定の間隔に保つ働きをする、リング状のコロが設けられる。このコロは、摺動性POM等、摺動性に優れ、圧縮歪みが比較的小さい有機高分子材質等からなる。間隔維持コロが回転自在に嵌合され、現像ローラよりも大きい外径を有しており、押圧力により感光ドラムと当接して現像ローラと感光ドラムとの間隔を一定に保っている。図10に、現像器を説明する斜視図を示す。
更に、現像ローラ41の表面と感光ドラム1表面の間隔が、前記規制コロ8によって300μmに保たれるように構成した。
現像ローラ41は、直径15mmとし、樹脂溶液中にカーボン等を配合して抵抗調整した後、アルミニウム素管上に塗工を行ったものを用いた。現像ローラ41はこの構成に限定されるものではなく、乾式一成分非接触現像法のためには、適当な弾性及び導電性を有するものを適宜選択して用いることができる。例えば、金属ローラの表面にウレタンコーティングを施したものである。コーティング膜は、ウレタンコーティング以外にも通常接触現像用の現像ローラの表層に用いられるシリコーン系、NBR、ヒドリン系、ナイロン、フッ素系樹脂等をバインダーとして表面粗さ調整用の各種粗し粒子、帯電制御剤等を配合した表層コートであっても良い。
現像時、現像ローラ41に対して、使用するトナー粒子の極性と同極性(本実施例では負極性)である−400Vの直流電圧(現像時の現像バイアス)を印加して、一成分反転現像を行い、感光ドラム1上の静電像をトナー像として可視化する。現像バイアスは、制御部50の制御により第1の電圧印加手段としての現像バイアス電源47から印加される。又、十分な画像濃度を達成することができるように、感光ドラム1の周速度に相当するプロセススピードに対して、約170%の周速度で回転するように、感光ドラムは、回転周速を50mm/secとして、現像ローラの回転周速は、75mm/secとした。
現像ローラ41上に現像剤Tを良好に塗布するためには、供給ローラ44としては、スポンジ状形状加工を施したものを用いるのが好ましい。本実施例では、供給ローラ44は、ステンレスにて作製した導電性芯金の外側に、発泡ゴムを用いて厚さ5mm、体積抵抗が106Ω・cmの発泡ゴム層を形成して構成される。発泡ゴムとしてはウレタン、シリコーンなどを好適に用い得る。
現像時、供給ローラ44に対して、使用するトナー粒子の極性と同極性(本実施形では負極性)である−400Vの現像バイアス(現像時のDC+ACバイアス)を印加する。本実施例では、この供給ローラバイアスは、制御部50の制御により現像バイアス電源47から印加され、現像バイアスと同電位とされる。
現像ブレード42は、厚さ0.1mmの板状のステンレス鋼から成る帯状の弾性板であり、その先端(自由端)を現像ローラ41の回転方向上流に向けて面接触にて配置される、所謂、カウンタタイプの現像剤規制部材である。現像ブレード42の材料としてはこれに限定されるものではなく、適当な導電性を有する材料を適宜選択して用いることができる。これにより、現像ローラ41上に形成する現像剤層(現像剤層)の高さ及び量を規制する。この現像ブレード44によって、現像ローラ41上には1層若しくは2層程度の薄層の現像剤層が形成される。
現像ローラ41と感光ドラム1との間には、現像剤の飛翔を制御するための部材つまり現像剤飛翔制御部材70が設置されている。図10破線部(破線部内を現像領域としている)を参照。
現像剤飛翔制御部材70は、感光ドラムと現像ローラとの最近接より上流側と下流側で現像される現像剤の量を規制して、現像剤が偏って現像される「掃き寄せ」を抑制するものである。前記現像剤飛翔制御部材70は、現像ローラを包みこむように設置され、現像剤粒子を感光ドラム1に飛翔させるために、現像領域になる位置にスリット71を設けてある。現像剤飛翔制御部材70を感光ドラム1と現像ローラ41との間に設置した状態の概略構成図を図12にしめす。
現像剤飛翔制御部材70の材質は、電気的絶縁性に優れるものが好ましく、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体材料等を厚み10μm〜100μm程度のシート状の部材により、現像ローラ41を包み込むことになる。
又、現像剤飛翔制御部材70は、一端が現像剤規制部材を支持する部材により取り付けられる。現像ローラ41の回転方向上流側に設けられた支持部材72と、現像ローラ41の回転方向下流側に設けられた支持部材73とに、支持され現像剤飛翔制御部材70が取り付けられている。現像装置の外観上では、現像ローラ41を包み込む状態になっている。
現像剤飛翔制御部材70の取り付け方法としては、現像ブレード44と現像ローラ41の下方に支持部材72を設け、この支持部材72に対して厚み60μmのPETシートを貼り付けた。
本実施例の現像器では、支持部材72に取り付けるシートの部材としては、PETシートを用いたが、例えばウレタン等のように絶縁性を有し、且つ感光ドラム1に接触、摺動した際に傷等を生じさせないものであれば、同様の効果が得られる。
一方、現像剤飛翔制御部材70にあけられたスリットの一部は、振動電界によって現像剤が飛翔する実質的な現像領域内を遮るように形成され、感光ドラム1と現像ローラ41間の移動方向上流側のトナー飛翔を物理的に阻害し、トナーの飛翔領域を制限している。
尚、現像剤飛翔制御部材70が現像ローラ41表面に接触しないように配置する。なぜなら、現像剤飛翔制御部材70が現像ローラ表面に接触すると、現像ローラ41表面上のトナーコートが乱され、濃度むら等の出力画像の欠陥が生じやすくなってしまうからである。
そこで、現像ローラ41が感光ドラム1に対向した際に、現像剤飛翔制御部材70の一部が感光体1に接触し、且つ現像ローラ41の表面に接触しない様、支持部材72の位置を調整し位置決めを行った。
尚、現像剤飛翔制御部材70が現像領域を遮る量の設定について後述する。
上記述べた現像剤飛翔制御部材70を用いることで、画像領域と非画像領域との間に生じる「掃き寄せ」を減少させることができる。
現像領域まで搬送された現像剤Tは、現像用電源から現像ローラ41に印加されるAC電圧とDC電圧を重畳させた振動電界によって、感光ドラム1と現像ローラ41との間で往復する間に、感光ドラム1表面に形成された静電潜像に付着して現像が行われる。
本実施例の現像器では、感光ドラム1の外径は、30mmのものを用い、感光ドラムの表面は−600Vに帯電されている。現像ローラは直径15mmであり、感光ドラムと300μmの間隔がSD間隔コロによって保たれている。現像ローラには、平均電圧(直流成分)が−350V、周波数3kHz、振幅1.8kV(ピーク・トゥ・ピーク)でデューティ50%の矩形波を印加した。
感光ドラムは、回転周速を50mm/secとして、現像ローラの回転周速は、75mm/sec、現像ローラ上の現像剤は、1平方あたり0.4mgの担持量であり、現像剤の帯電量は、20〜50μC/mgであった。
ここで、現像バイアスのDC、AC設定値は、感光ドラム上に形成された静電潜像のコントラストや、現像器の置かれた環境等に応じて適宜調整を行うことができる。
上述の現像条件において、現像領域は感光ドラム1及び現像ローラ41との最近接部から、現像ローラの回転方向の上下流側にそれぞれ1.5mm〜1.8mmの範囲、すなわち3.0〜3.6mm程度の幅を持つことがわかった。
ここで、現像剤飛翔制御部材70が現像領域を遮る量の設定について、図12を参照して説明する。現像ローラの回転方向上流側に設けられた支持部材72に接着する位置(O)を突き当てとして、突き当て位置からスリット71の上流側に設けられた開口部(X)までの距離(A)を現像剤飛翔制御部材70の撓み量を考慮して規定した。現像領域を狭めるためのスリット71の幅(B)も規定した。三次元測定装置において上述した感光ドラム1と現像ローラ41との最近接部を基準にとり、現像ローラ41の回転方向の上下流側にそれぞれ0.3mmずつ刻み(三次元測定装置による測定結果を基にしている)現像剤飛翔制御部材70内におけるスリット71の位置を調整した。
ここで、図13に示したCは、スリット71の長手方向をあらわしており、Dは現像剤飛翔制御部材70の長手方向の距離(実際に現像ローラを長手方向で覆っている領域)である。このとき、CはDよりも長いことが好ましく、こうすることでスリット71の位置決めが安定して行える。
また、図13には、感光ドラム1と現像ローラ41との最近接位置を基準にしたとき、上流側に設けられたスリット71の開口位置を示した概略構成断面図を示す。この図において、スリット71の上流側に設けられた開口部の位置(X)を変化させ、スリット71、現像剤飛翔制御部材70の設置位置の方向は、回転方向上流から回転方向下流への方向を正と設定した。
スリット71の上流側に設けられた開口部の位置(X)を調整することと、スリットの開口部の幅を調整した現像剤飛翔制御部材70を試作して、画像形成動作を行い出力された画像を目視判断することで、「掃き寄せ」が発生しているか否かを判断した。
また、上記の条件のもとに、現像器を画像形成装置に装着して、気温24℃、相対湿度50%の環境下で5000枚の印字を行った。同様に、画像形成装置、及び現像器各部へのトナー飛散の状況を調べた。
「掃き寄せ」の目視判断に用いた画像としては、縦横2.5cm×2.5cmのベタ黒画像(以後、この評価画像についてベタ黒画像と称する)を用いての目視による画像評価の結果を用いた。
尚、本実施例の優位性を確認するために、現像剤飛翔制御部材70を取り付けないという構成でも、同様の実験を行った。
以下、実験結果を説明する。「掃き寄せ」に関する結果を図14、出力画像の濃度にかんして図15にそれぞれ示す。トナー飛散に関しては、現像剤飛翔制御部材70を設けたものに関しては、問題無く、画像形成装置及び、現像器をトナーにより手や装置を汚染することは無かった。
以上の実験結果において、掃き寄せの目立ち易さを評価している。図14中の「○」は、掃き寄せが目立たない。「△」は、掃き寄せがやや目立つが許容することができる。「×」は、掃き寄せが目立つ、各データポイントを示している。
図15中の「○」は、ベタ濃度画像の濃度が良好である。「△」は、若干濃度が薄いがきになるレベルではなく、許容することができる。「×」は、濃度薄である、各データポイントを示している。
X)の位置に記載された数値は、感光ドラムと現像ローラとの最近接位置を基準として、現像ローラ41の回転方向上流側を負の符号、現像ローラ41の回転方向下流側を正の符号として記載してある。
この結果から、現像剤飛翔制御部材70の位置X)が−1.8mmから+0.6mmの位置にあり、スリット幅が2mである場合に、「掃き寄せ」が改善されているのがわかる。
これは、感光ドラム1と現像ローラ41とで構成される隙間の上流と下流において、現像に作用するトナー量を現像剤飛翔制御部材70により制限することで、感光ドラム1上の静電潜像後端に集中して飛翔するトナーが減少したためであると考えられえる。
逆に、現像剤飛翔制御部材70の位置X)を+0.3mmにすると、白縦スジ状に現像されない部分が発生し、+0.6mmにすると、明らかな濃度低下が観測された。
この現象は、現像領域に対して現像剤飛翔制御部材70が侵入している領域が過多になることで、現像作用に介在するトナーが極端に減少するために生じることと考えられる。
尚、現像剤飛翔制御部材70の位置X)が−2.1mmの場合、スリット71の上流側が先に述べた現像領域よりも外に位置していることが観測された。
図15にも示したように、現像剤飛翔制御部材70の位置X)を−1.8mmに設定し、スリットの幅を3mmとすると、スリット幅が2mmの場合に比べ、ベタ黒濃度が上がることがわかる。このように、現像剤飛翔制御部材70を設置しスリット71の開口幅を変化させた場合については、ベタ黒濃度は現像領域より狭いスリット幅にするほど濃度は低下する傾向にあった。ベタ黒濃度を満足するためには、スリット幅が2mm以上であることが望ましい。そのため、現像剤飛翔制御部材70の位置X)を規定し、スリット幅はベタ黒濃度が十分に出る設定にすればよく、図15に示すように回転方向下流側の現像剤飛翔制御部材70の位置X‘)規定する。感光ドラム1と現像ローラ41との最近接位置を基準にしたとき、現像剤飛翔制御部材70の位置X)までの距離よりも、基準位置からX’)までの距離を長くしてベタ黒濃度を満足させても良い。
また、トナー飛散については、現像剤飛翔制御部材70を取り付ける構成で大変良い結果が得られた。比較例として、現像剤飛翔制御部材70を設置していない現像器では、現像ローラ下に配置される顎部には勿論のこと、画像形成装置内部に多量のトナー飛散によるトナー付着が見られた(上記の判定では、×レベル)。
上述した通り、実施例の現像器では、感光ドラム1と現像ローラ41とで構成される隙間上流側、下流側において、現像に作用するトナー量を現像剤飛翔制御部材70により制限することで、ベタ黒画像後端に集中的に飛翔するトナーを制限することで、「掃き寄せ」を抑止することができた。
また、現像剤担持体の回転方向上流、下流から、絶縁材料からなるシート状の現像剤飛翔制御部材を配置することより、像担持体と現像剤担持体とで形成される間への空気の流入が制限され、前述した間において回転方向上流側、回転方向下流側に生じる空気流が低減され、「トナー飛散」を抑止することができた。
本実施例の画像形成装置と同様に、感光ドラム1と現像ローラ41との間に現像剤飛翔制御部材70を上述したように配置すれば、複数の現像器を格納し、各々の現像器で現像を行った現像剤像を積層してフルカラー画像の形成を行う、タンデム方式、ロータリー方式等の多色画像形成装置においても、「掃き寄せ」及び「トナー飛散」を抑制することが可能である。タンデム方式の多色画像形成装置の概略構成図を図16に示す。現像装置4(4a、4b、4c、4d)において、各色の現像装置に独立して、現像剤飛翔制御部材70を取り付けることで、以上説明した本発明の方法を適用する。
従って、現像画像の濃度低下を引き起こすことなく、「掃き寄せ」及びトナー飛散を抑制することが可能になった。
図17に、本発明に係わる第2の実施例である画像形成装置の模式図を示す。
本実施例の画像形成装置は、本発明に係わる第1の実施例の画像形成装置において、画像形成プロセスの構成要素の内、感光ドラム1、帯電器2、現像器4、クリーナー8を一体的に枠体91によってカートリッジ化し、画像形成装置本体が備える装着手段(図示せず)を介して装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ90とすることができる。
また、本実施例においては、感光体ドラム71、帯電ローラ72及びクリーニング手段8は、フレーム枠体Fにより一体になったプロセスカートリッジPCとされ、装置本体に対して着脱自在に構成することができる。
実施例1で説明したものと同様に、感光ドラム1と現像ローラ41の間隙において、現像域Sを遮る現像剤飛翔制御部材70(シート)も、台座を介してプロセスカートリッジ90に取付けられている。
プロセスカートリッジ90に、現像バイアスを印加するためのカートリッジ側現像バイアス接点70aを設け、プロセスカートリッジ90を画像形成装置本体に適当に装着した際に、それぞれ現像バイアス電源47と電気的に接続されている装置本体側現像バイアス接点70bと電気的に接続されるようにすればよい。これにより、本発明を適用し、上記各実施例と同様の効果を得ることができる。
本実施例においても、像担持体と現像剤担持体とで構成される間内の回転方向上流側、下流側において、往復する現像剤の飛翔運動を阻止する。従って、現像剤担持体上の上流側の一定位置に現像剤の溜まりが形成されず、現像剤担持体及び像担持体の回転方向下流側において、現像剤が像担持体の表面の静電潜像後端に、現像剤が多量に付着されることがなくなり、「掃き寄せ」画像の発生が抑えられる。
また、現像剤担持体の回転方向上流、下流から、絶縁材料からなるシート状の部材を配置することより、像担持体と現像剤担持体とで形成される間への空気の流入が制限され、前述した間において回転方向上流側、回転方向下流側に生じる空気流が低減される。
よって、前述した空気流により現像剤担持体および像担持体の回転方向下流側へと運ばれる現像剤の量を低減し、現像剤飛散を抑制することができる。
本実施例の画像形成装置においても、本発明に係わる第1の実施例である画像形成装置と同様に、出力画像上の「はき寄せ」や現像剤飛散を抑止出来た。更に、プロセスカートリッジ90を交換するという簡単な操作のみで、感光ドラムや帯電ローラ等の消耗部材の交換が容易に行えるため、諸々のメンテナンス作業に係わる使用者の労力を軽減出来、且つ長期に亘り安定した出力画像を得られる様になった。
従って、画像欠陥である「掃き寄せ」による汚染を抑制し、長期間にわたって高品位な出力画像が得られるようになる。また、像担持体の交換や現像剤の補給など、画像形成装置のメンテナンス作業に要するユーザの労力を軽減し、衣服・手などの現像剤汚染を抑止する事が可能になる。
図18に、本発明に係わる第3の実施例である画像形成装置の模式図を示す。
本実施例の画像形成装置は、本発明に係わる第1の実施例の画像形成装置において、感光ドラム1上に形成された静電潜像を非接触現像する現像器4を着脱可能とし、容易に現像剤Tの補給を行える様にしたものである。
また、実施例1で説明したものと同様に、感光ドラム1と現像ローラ41の間隙において、現像域Sを遮る現像剤飛翔制御部材70(シート)も、台座を介して現像器4に取付けられている。
尚、シートは現像ローラ41に触れずに、シートが感光ドラム1に接触すると共に、現像域をシート70が遮る領域が、現像ローラ41の回転方向上流端側より半分以下となる様に調整を行っている。
本実施例の画像形成装置においても、本発明に係わる第1の実施例である画像形成装置と同様に、出力画像上の「はき寄せ」や現像剤飛散を抑止出来た。更に、現像剤飛翔制御部材70が、現像器と一体で取り付けられているために、簡単に取り外すことができる構成をとる。
また、現像器に取り付けられた現像剤飛翔制御部材は、図19に示すC方向に取り外すことが可能になっており、これを取り外すことで現像剤の補給や、現像ローラ41等消耗部材の取替えを容易に行えるため、諸々のメンテナンス作業に係わる使用者の労力を軽減出来、且つ長期に亘り安定した出力画像を得られる様になった。
更に、上記手段を用いる事で、簡単な構成によりシートを現像ローラ41と感光ドラム1との間隙内に設置出来、画像形成機構の簡略化を図る事が出来る。
また、現像剤切れ等に生じる現像器交換の時など、ユーザが現像器を交換する際に、誤って現像器を落下させたときにも、現像ローラに傷がつくのを最小限に抑えることができるようになる。
実施例の構成をとることで、「掃き寄せ」、「トナー飛散」を良化させるだけでなく、現像器の保護部材としても役に立つようになる。
本発明での実験に用いた装置を示すブロック図である。 現像バイアスを印加した現像ローラと感光ドラムとの間における電気力線を模式的に示す断面図である。 現像ローラと対向した感光ドラムの表面が画像部になっているときの、感光ドラムと現像ローラとの間の横方向上の端部における電界の力によるトナーの運動方向を模式的に示した図である。 現像バイアスを印加した時における、感光ドラムと現像ローラとの間でのトナーの挙動により画像後端に掃き寄せが発生するメカニズムの一部を説明する断面図である。 同じくメカニズムの一部を説明する断面図である。 同じくメカニズムの一部を説明する断面図である。 同じくメカニズムの一部を説明する断面図である。 同じくメカニズムの一部を説明する断面図である。 本発明の画像形成装置の実施例を示す概略構成図である。 本発明の現像器の実施例を示す概略構成断面図である。 本発明の現像器の実施例を示す概略構成の斜視図である。 本発明の現像剤飛翔制御部材を示す概略構成斜視図である。 本発明の現像剤飛翔制御部材を示す概略構成図である。 本発明の現像剤飛翔制御部材の設定位置例を示す概略構成断面図である。 本発明を適用した時における、「掃き寄せ」実験結果を示す図である。 本発明を適用した時における、「ベタ黒濃度」実験結果を示す図である。 本発明を他の画像形成装置に適用した時の実施例を示す図である。 本発明を他の画像形成装置に適用した時の他の実施例を示す図である。 本発明を他の画像形成装置に適用した時の他の実施例を示す図である。 従来の現像器を示す構成図である。 従来の現像装置で用いられている現像バイアスを示す波形図である。 同じく現像バイアスの他の例を示す波形図である。 同じく現像バイアスの他の例を示す波形図である。 同じく現像バイアスの他の例を示す波形図である。 従来の現像バイアス等を用いて現像した場合に得られるトナー像に掃き寄せが発生したことを示す説明図である。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 露光装置(露光手段)
4 現像装置(現像手段)
6 クリーニング手段
8 規制コロ
41 現像ローラ
42 現像ブレード
44 供給ローラ
45 現像容器
49 現像剤搬送部材
70 現像剤飛翔制御部材
71 スリット
72 支持部材(回転方向上流側)
73 支持部材(回転方向下流側)
90 プロセスカートリッジ
100 画像形成装置

Claims (8)

  1. 像担持体に対向して設けられ、現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する現像剤層厚規制手段と、前記像担持体と前記現像剤担持体との間に交番電界を形成する電界形成手段と、前記電界形成手段により、前記像担持体と現像剤担持体とで構成される間隙の現像領域にて現像剤を往復運動させることで現像する現像手段とを有した画像形成装置において、
    現像剤担持体と像担持体との間の領域で現像剤担持体の像担持体と対向した面を覆い、かつ、略現像領域に相当する部分をスリットとして現像剤の飛翔を制御する現像剤飛翔制御部材を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、前記現像領域の前記現像剤担持体回転方向上流側より半分以下を前記現像剤飛翔部材で遮蔽するようにスリットを設けることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1乃至請求項2記載の画像形成装置において、前記記載の現像剤飛翔制御部材が、絶縁材質からなるシート状の部材であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載の画像形成装置において、前記記載の現像剤飛翔制御部材を保持する現像装置枠体に取り付けられた支持部材に対し、前記シート状部材を貼り付けることを特徴とする画像形成装置。
  5. 画像形成装置本体に対して現像手段を着脱自在とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 少なくとも、静電潜像が形成される像担持体と、現像手段と、現像剤担持体と像担持体との領域で現像剤担持体と対向した面を覆い、略現像領域に相当する部分をスリットとし、現像剤の飛翔を制御する現像剤飛翔制御部材とを含む複数のプロセス手段が一体に構成され、画像形成装置本体に着脱自在とされるプロセスカートリッジとした請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 像担持体に対向して設けられ、現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する現像剤層厚規制手段と、前記像担持体と前記現像剤担持体との間に交番電界を形成する電界形成手段と、前記電界形成手段により、前記像担持体と現像剤担持体とで構成される間隙の現像領域にて現像剤を往復運動させることで現像する現像手段とを有した画像形成装置において、少なくとも現像手段を含む複数のプロセス手段を一体に構成され、画像形成装置本体に着脱自在とされるプロセスカートリッジであり、現像剤担持体と像担持体との間の領域で現像剤担持体を像担持体と対向した面を覆い、かつ、略現像領域に相当する部分をスリットとし、現像剤の飛翔を制御する現像剤飛翔制御部材を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 複数の現像手段が、無端回動する中間転写体に複数配置され、無端回動する中間転写体を駆動することにより、前記像担持体に形成された静電潜像を現像して多色画像を得ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
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