JP2005173202A - 電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも結着樹脂および着色剤粒子を含有するコア粒子表面に、ウレタン変性ポリエステル樹脂または/およびアクリル変性ポリエステル樹脂を含むシェル層を有してなるトナー粒子を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
【選択図】なし
Description
本発明においてコア粒子は少なくとも結着樹脂と着色剤粒子とを含有する限り、いかなる構成を有していて良く、例えば、少なくとも樹脂粒子および着色剤粒子が凝集/融着されてなる構成を有していても良いし、または1の樹脂粒子中に着色剤粒子が含有されてなる構成を有していてもよい。コア粒子、ひいてはトナー粒子の粒度分布のシャープ化および粒度分布の再現性などの観点から、前者の構成を有することが好ましい。
「融着」は、凝集粒子における個々の構成粒子の界面の少なくとも一部において樹脂粒子等の溶融による結合が形成され、使用、取り扱い単位としての一つの粒子となることを意図する概念で用いるものとする。そのような「融着」がなされた粒子群を「融着粒子」と呼ぶものとする。
「凝集/融着」とは、凝集と融着とが同時あるいは段階的に起こること、または、凝集と融着とを同時あるいは段階的に起こさせる行為をいう。
これらの連鎖移動剤は、一般に入手できる市販のものや合成したものを使用することができる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウムなどの脂肪酸石鹸、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリキシエチレンエーテル、ラルリルポリキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖、などが挙げられる。これらの中でアニオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活性剤が好ましい。
すなわち、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイトなどがある。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、二ッケルチタンイエロ−、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ペンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどがある。
赤色顔料としては、ベンガラ、鉛丹、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー誘導体、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどがある。
白色顔料としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化スズなどがある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト、カオリンなどがある。
染料としては、ローズベンガル、トリフェニルメタン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料、ローダミン系染料、縮合アゾ系染料、フタロシアニン系染料などがある。
社製)などのニグロシン系染料、P-51(オリエント化学工業社製)、コピーチャージPX VP435(クラリアント社製)などの第四級アンモニウム塩、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料、およびPLZ1001(四国化成工業社製)などのイミダゾール化合物が挙げられる。
本発明においてコア粒子表面に形成されるシェル層はウレタン変性ポリエステル樹脂または/およびアクリル変性ポリエステル樹脂からなっている。本発明においてはシェル層をウレタン変性ポリエステル樹脂または/およびアクリル変性ポリエステル樹脂から構成することにより、比較的低コストで、低温定着性、保存安定性及び耐高温オフセット性を同時に達成できる。すなわち、ウレタン変性ポリエステル樹脂または/およびアクリル変性ポリエステル樹脂はトナー粒子の表面のみを構成するので、ポリエステル樹脂のシャープメルト性に由来する低温定着性と保存安定性との両立を比較的低コストで達成できる。またポリエステル樹脂は後で詳述するように変性されているので湿式重合法にてトナー粒子を製造できる。しかも、本発明のトナー粒子はコア・シェル構造を有する。そのため、コアにオフセット防止剤を高充填することにより、保存安定性の低下を引き起こすことなく、耐高温オフセット性を有効に向上させ得る。
まず、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分とを必要に応じて減圧雰囲気下、触媒の存在下および/または窒素雰囲気下で加熱によって縮重合反応させることにより、ポリエステルジオールプレポリマーを合成する。次いで、該プレポリマーの末端水酸基に多価イソシアネート化合物を反応させることによってウレタン結合を生成し、鎖延長を行い、ウレタン変性ポリエステル樹脂を得る。
本明細書中、重量平均分子量はGPCシステム(Waters社製)によって測定された値を用いている。
またガラス転移温度はDSC220(セイコーインスツルメント社製)によって測定された値を用いている。
まず、多価アルコール成分とラジカル重合性不飽和結合含有多価カルボン酸成分とを必要に応じて減圧雰囲気下、触媒の存在下および/または窒素雰囲気下で加熱によって縮重合反応させることにより、ポリエステルプレポリマーを合成する。次いで、該プレポリマーのラジカル重合性不飽和結合に(メタ)アクリル化合物を反応させることによってラジカル重合を行い、アクリル変性ポリエステル樹脂を得る。
洗浄処理工程においては、酸性、場合によっては塩基性の水を微粒子に対して数倍の量で加え撹拌した後、ろ過して固形分を得る。これに純水を固形分に対して数倍加えて撹拌した後、ろ過を行なう。この操作を数回繰り返し、ろ過後のロ液のpHが約7になった時点で終了し、着色されたトナー粒子を得る。
撹押装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管を備えた1000ml反応器に、蒸留水450ml、ドデシル硫酸ナトリウム0.56gを仕込み、撹拌しながら80℃に昇温した後、これに1wt%過硫酸カリウム水溶液120gを添加した。次に、下記組成のモノマー混合液を滴下した後、更に2時間保持し重合を完結させた。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、固形分濃度20wt%のスチレン−アクリル樹脂A分散液を得た。
<モノマー混合液>
スチレン 120g
アクリル酸ブチル 35g
メタクリル酸 15g
n−オクチルメルカプタン 3.5g
重合体の重量平均分子量は18,000、ガラス転移温度は61℃、UPAで測定した平均粒径は70nmであった。
撹拌装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管を備えた1000ml反応器に、蒸留水450ml、ドデシル硫酸ナトリウム0.56gを仕込み、撹拌しながら80℃に昇温した後、これに1wt%過硫酸カリウム水溶液120gを添加した。次に、下記組成のモノマー混合液を1.5時間かけて添加した後、更に2時間保持し重合を完結させた。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、固形分濃度20wt%スチレン−アクリル樹脂B分散液を得た。
<モノマー混合液>
スチレン 140g
アクリル酸ブチル 15g
メタクリル酸 15g
n−オクチルメルカプタン 3.6g
重合体の重量平均分子量は12,000、ガラス転移温度は80℃、UPAを用いて測定した平均粒径は80nmであった。
撹拌装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管を備えた反応器に、ピスフエノールAおよびテレフタル酸からなるポリエステルジオ−ルとイソホロンジイソシアネートとの反応により得られたプレポリマーを、さらにイソホロンジアミンと反応させることによってウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。重合体の重量平均分子量は55,000、ガラス転移温度は73℃であつた。
撹拌装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管を備えた反応器に、蒸留水のリン酸三カルシウム10%懸濁液、ドデシル硫酸ナトリウムを入れ、60℃で撹拌しながら上記ウレタン変性ポリエステル樹脂の酢酸エチル/メチルエチルケトン溶液を加えた。その後96℃まで昇温して溶剤を除去することによって、固形分濃度20wt%のウレタン変性ポリエステル樹脂分散液を得た。UPAを用いて測定した平均粒径は110nmであった。
撹拌装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管を備えた反応器に、ピスフェノールAおよびマレイン酸からなるポリエステルジオールと2−エチルヘキシルメタクリレートとを反応させることによってアクリル変性ポリエステル樹脂を得た。重合体の重量平均分子量は17,000、ガラス転移温度は72℃であった。
上記アクリル変性ポリエステル樹脂を用いたこと以外は、ウレタン変性ポリエステル樹脂分散液の調製方法と同様の方法により、20wt%アクリル変性ポリエステル樹脂分散液を得た。UPAを用いて測定した平均粒径は120nmであった。
蒸留水680g、カルナバワックス(野田ワックス社製)180g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオゲンSC、第一工業製薬製)17gを混合し、高圧せん断をかけて乳化分散させワックス微粒子分散液を得た。ワックス微粒子の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、ELS-800(大塚電子工業社製)を用いて測定した所、平均粒径は110nmであつた。
着色剤微粒子としてカーボンブラック表面にカルボン酸基を導入した自己分散性顔料を蒸留水に分散させ、固形分17wt%の着色剤微粒子分散液を得た。分散させたカーボンブラックの粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、ELS-800(大塚電子工業社製)を用いて測定した所、平均粒径は103nmであった。
実施例1
反応器に、スチレン−アクリル樹脂A分散液240g、ワックス分散液13.6g、着色剤微粒子分散液24g、及び蒸留水240gとを仕込み、撹拌しながら2N水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50wt%塩化マグネシウム水溶液40gを添加した後、撹拌しながら85℃に昇温して所望の平均粒径に成長するまで保持した(コア粒子の形成)。所望の粒径に達したら、ウレタン変性ポリエステル樹脂分散液48gを添加して、さらに85℃で0.5〜1.5時間保持した(シェル層の形成)。その後、20wt%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから92℃に昇温し、円形度が0.96程度になるまで92℃の状態で保持した。所望の円形度に達したら、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過および得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させる事によってトナー粒子を得た。洗浄時の再懸濁後の濾過処理に於いて、濾液はわずかに白味を帯びており、コア粒子粒子表面に付着していないウレタン変性ポリエステル樹脂がわずかに存在するものと考えられる。
得られたトナー粒子100部に対して、シリカ(H-2000;ワツカー社製)0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにて1000rpmで1分間、後処理を行い、トナーを得た。
反応器に、スチレン−アクリル樹脂A分散液240g、ワックス分散液13.6g、着色剤微粒子分散液24g、及び蒸留水240gとを仕込み、撹拌しながら2N水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50wt%塩化マグネシウム水溶液40gを添加した後、撹拌しながら85℃に昇温して所望の平均粒径に成長するまで保持した(コア粒子の形成)。所望の粒径に達したら、アクリル変性ポリエステル樹脂分散液48gを添加して、さらに85℃で0.5〜1.5時間保持した(シェル層の形成)。その後、20wt%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから92℃に昇温し、円形度が0.96程度になるまで92℃の状態で保持した。所望の円形度に達したら、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過および得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させる事によってトナー粒子を得た。洗浄時の再懸濁後の濾過処理に於いて、濾液はわずかに白味を帯びており、コア粒子表面に付着していないアクリル変性ポリエステル樹脂がわずかに存在するものと考えられる。
得られたトナー粒子100部に対して、シリカ(H-2000;ワッカー社製)0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにて1000rpmで1分間、後処理を行い、トナーを得た。
反応器に、スチレン−アクリル樹脂A分散液192g、ウレタン変性ポリエステル樹脂分散液48g、ワックス分散液13.6g、着色剤微粒子分散液24g、及び蒸留水240gとを仕込み、撹拌しながら2N水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50wt%塩化マグネシウム水溶液40gを添加した後、撹拌しながら85℃に昇温して所望の平均粒径に成長するまで保持した(コア粒子の形成)。所望の粒径に達したら、ウレタン変性ポリエステル樹脂分散液48gを添加して、さらに85℃で0.5〜1.5時間保持した(シェル層の形成)。その後、20wt%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから92℃に昇温し、円形度が0.96程度になるまで92℃の状態で保持した。所望の円形度に達したら、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過および得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させる事によってトナー粒子を得た。洗浄時の再懸濁後の濾過処理に於いて、濾液は無色透明である事からウレタン変性ポリエステル樹脂はほぼすべてコア粒子表面に付着しているものと考えられる。
得られたトナー粒子100部に対して、シリカ(H-2000;ワッカー社製)0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにて1000rpmで1分間、後処理を行い、トナーを得た。
反応器に、スチレン−アクリル樹脂A分散液192g、アクリル変性ポリエステル樹脂分散液48g、ワックス分散液13.6g、着色剤微粒子分散液24g、及び蒸留水240gとを仕込み、撹拌しながら2N水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50wt%塩化マグネシウム水溶液40gを添加した後、撹拌しながら85℃に昇温して所望の平均粒径に成長するまで保持した(コア粒子の形成)。所望の粒径に達したら、アクリル変性ポリエステル樹脂分散液48gを添加して、さらに85℃で0.5〜1.5時間保持した(シェル層の形成)。その後、20wt%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから92℃に昇温し、円形度が0.96程度になるまで92℃の状態で保持した。所望の円形度に達したら、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過および得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させる事によってトナー粒子を得た。洗浄時の再懸濁後の濾過処理に於いて、濾液は無色透明である事からアクリル変性ポリエステル樹脂はほぼすべてコア粒子表面に付着しているものと考えられる。
得られたトナ−粒子100部に対して、シリカ(H-2000;ワツカー社製)0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにて1000rpmで1分間、後処理を行い、トナーを得た。
反応器に、スチレン−アクリル樹脂A分散液240g、ワックス分散液13.6g、着色剤微粒子分散液24g、及び蒸留水240gとを仕込み、撹拌しながら2N水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50wt%塩化マグネシウム水溶液40gを添加した後、撹拌しながら85℃に昇温して所望の平均粒径に成長するまで保持した。所望の粒径に達したら、20wt%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから92℃に昇温し、円形度が0.96程度になるまで92℃の状態で保持した。所望の円形度に達したら、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過および得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させる事によってトナー粒子を得た。洗浄時の再懸濁後の濾過処理に於いて、濾液は無色透明であつた。
得られたトナー粒子100部に対して、シリカ(H-2000;ワッカー社製)0.5部を添加し、ヘンシェルミキサ−にて1000rpmで1分間、後処理を行い、トナーを得た。
反応器に、スチレン−アクリル樹脂A分散液240g、ワックス分散液13.6g、着色剤微粒子分散液24g、及び蒸留水240gとを仕込み、撹拌しながら2N水酸化ナトリム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50wt%塩化マグネシウム水溶液40gを添加した後、撹拌しながら85℃に昇温して所望の平均粒径に成長するまで保持した(コア粒子の形成)。所望の粒径に達したら、スチレン−アクリル樹脂B分散液48gを添加して、さらに85℃で0.5〜1.5時間保持した(シェル層の形成)。その後、20wt%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから92℃に昇温し、円形度が0.96程度になるまで92℃の状態で保持した。所望の円形度に達したら、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過および得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させる事によってトナー粒子を得た。洗浄時の再懸濁後の濾過処理に於いて、濾液は無色透明である事からスチレン−アクリル樹脂Bはほぼすべてコア粒子表面に付着しているものと考えられる。
得られたトナー粒子100部に対して、シリカ(H-2000;ワッカー社製)0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにて1000rpmで1分間、後処理を行い、トナーを得た。
体積平均粒径は「コールターマルチサイザーII;コ−ルターベックマン社」を用いて測定した。
平均円形度は「FPIA-2000;シスメックス社」を用いて測定した。なお、平均円形度は
平均円形度=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
で定義される。
トナー10gを50℃の高温下に24時間放置後、そのトナーを目視で確認することにより保存安定性を評価した。
○:凝集物は全く見られなかった。
△:凝集物が10個未満であった。
×:凝集物が10個以上であった。
定着器の温度を変更できるように改造したMQS製プリンターmagicolor2300DLを用いて、定着下限温度、定着上限温度を評価した。詳しくは定着器温度を120℃から220℃の間で5℃間隔で変更し、それぞれの定着器温度で定着画像を得た。
定着下限温度は、定着強度が70%以上となる最低定着器温度と定義した。定着強度は、得られた定着画像を砂消しゴムでこする前における画像濃度Ioと、こすった後における画像濃度Isとを求め、「定着強度=(Is/Io)×100」と定義して評価した。
また定着上限温度は、定着画像への高温オフセツトに起因した画像ノイズが発生しない最高定着器温度と定義した。
比較例1のトナーは、実施例1〜4のトナーに比べて保存安定性、耐高温オフセット性が劣つた。保存安定性は、トナーの結着樹脂としてガラス転移点の低いスチレン−アクリル樹脂のみで構成されていたためと考えられる。また耐高温オフセット性はシャープメルト性を高めたことによる弊害と考えられる。
比較例2のトナーは、低温定着性が劣つた。これはガラス転移点の高いスチレン−アクリル樹脂で被覆を施したことにより、比較例1のトナーに比べて保存安定性は改善されたものの、シャープメルト性が低下して低温定着性が悪化したものと考えられる。
以上の結果より、表面をウレタン変性ポリエステル樹脂または/およびアクリル変性ポリエステル樹脂で被覆したトナーは、保存安定性、定着性(低温定着性、耐高温オフセット性)を比較的低コストで両立させることができる。
Claims (3)
- 少なくとも結着樹脂および着色剤粒子を含有するコア粒子表面に、ウレタン変性ポリエステル樹脂または/およびアクリル変性ポリエステル樹脂を含むシェル層を有してなるトナー粒子を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
- コア粒子に含有される結着樹脂がスチレン−アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- コア粒子がさらにウレタン変性ポリエステル樹脂または/およびアクリル変性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナー。
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