この発明は、任意の画像情報に基づいて画像を形成する白黒及びカラー用のプリンタや複写機、これらの複合機等に適用して好適な画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
近年、任意の画像情報に基づいて画像を形成する白黒及びカラー用のプリンタや複写機、これらの複合機が使用される場合が多くなってきた。例えば、白黒用の画像形成装置は、露光手段、現像器、感光体ドラム及び定着装置から成る画像形成手段を備えている。露光手段では任意の画像情報に基づいて感光体ドラムに静電潜像を描くようになされる。現像器では感光体ドラムに描かれた静電潜像に黒色のトナー剤を付着して現像する。トナー像は、感光体ドラムから用紙に転写された後に定着装置によって定着される。これにより、給紙トレイから繰り出された用紙に画像を形成することができる。
この種の画像形成装置によれば、電源オンと共に定着装置の定着温度を一定に維持するために、ウォーミングアップ処理がなされる。また、ウォーミングアップ処理時にプロセス補正モードが実行される。この目的は、ウォーミングアップ処理完了後の画像形成系において高画質を維持するためである。ここにプロセス補正モードとは、感光体ドラムにプロセス動作調整用の画像を形成し、当該画像を読み取ってプロセス動作条件を調整する画像形成系を補正する動作をいう。カラー画像形成装置では、カラーレジスト補正、最高画像濃度(Dmax)補正及び階調補正が対象となされるが、その補正処理を実行する頻度が高く、また、補正処理に係る時間が長いという傾向にある。
白黒の画像形成装置におけるプロセス補正モードでも、感光体ドラム上に基準パッチ画像を作成し、この基準パッチ画像の濃度を読み取ることにより、画像濃度・階調性・トナー濃度などを補正するように帯電器、画像書き込み部及び現像器が制御される。一般に、位置ずれは、画像書き込み部、感光体ドラムの組み立て公差により生じる。また、外気温の変化や、連続使用により機内温度が変化することで、露光手段や、感光体ドラム等の支持部が伸縮し経時的に位置ずれを生じ、これを原因として発生すると考えられる。
この種のプロセス補正機能に関連して特許文献1には画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、画質調整動作制御装置を備え、電源投入時、ウォーミングアップ処理において、定着用の加熱ヒータが所定温度に到達したら、加圧用の加熱ローラに内蔵されたヒータは、その加熱を停止する。これと同時に画質調整動作を開始するようになされる。このようにすると、電源投入時の1枚目のコピー排出必要時間が短縮できるというものである。
また、特許文献2及び特許文献3には、別の画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、電源投入してから定着温度に到達するまでの、いわゆるウォーミングアップ処理時間を利用して、初期設定、レーザーパワー調整、トナー濃度制御、最高画像濃度補正、階調補正、現像剤準備を実行するようになされる。このようにすると、特別な時間を設けることなく、効率良く安定した階調性と画像濃度を有するコピー画像が得られるというものである。
更にまた、特許文献4には、画像形成装置及び画像形成方法が開示されている。この画像形成装置によれば、原稿読取手段、画像処理手段、画像形成手段及び制御手段を備え、制御手段は、画像形成手段のウォーミングアップ処理中に、原稿読取手段を制御して原稿を読取り、ここで得られた画像情報を画像処理手段に転送する。画像処理手段は、ウォーミングアップ処理中に画像処理した画像情報をメモリに蓄積する。ウォーミングアップ終了後、制御手段は、メモリから画像情報を読み出して画像形成手段に転送するようになされる。このようにすると、ウォーミングアップ終了を待つことなく、画像情報の読取りが行え、画像形成手段のウォーミングアップ終了後、その画像情報に基づく画像形成処理を直ちに行うことができるというものである。
特開平09−114311号公報(第4頁 第1図)
特開平08−095460号公報(第2頁 第1図)
特開平07−333922号公報(第2頁 第1図)
特開平05−219317号公報(第3頁 第2図)
ところで、従来方式の画像形成装置によれば、次のような問題がある。
i.近年の省エネルギーの観点から、ウォーミングアップ時間が短い複写機等の開発が行われているが、この種の画像形成装置において、従来、ウォーミングアップ処理中に行われていた画像補正制御を実行する時間が十分確保できない状態となってきている。
ii.また、特許文献1によれば、電源投入時、ウォーミングアップ処理において、定着用の加熱ヒータが所定温度に到達したら、加圧用の加熱ローラに内蔵されたヒータの加熱を停止し、これと同時に画質調整動作を開始するようになされる。このため、電源投入時の1枚目のコピーの画質が劣化するおそれがある。
iii.特許文献2及び特許文献3によれば、ウォームアップ時間を利用して初期設定、レーザーパワー調整、トナー濃度制御、最高画像濃度補正、階調補正及び現像剤準備を行っている。しかし、特許文献2や特許文献3でウォーミングアップ時間が短縮される中で、ユーザがその複写機等を緊急に使用したいとした場合に、補正動作時間が長くなり、装置を使用できない状態が長くなってしまう事態に陥ることが予想される。
iv.特許文献4によれば、ウォーミングアップ処理中に原稿読取処理を実行しているが、プロセス補正モードの実行タイミングによっては、ウォーミングアップ処理中に、定着装置に電力を安定して供給できないことが予測される。プロセス補正モードに使用する電力も削減する必要がある。その一方で、高い画質も確保しなければならない。
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、プロセス補正モードの実行タイミングを工夫して、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保できるようにすると共に、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保できるようにした画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の画像形成装置は、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する画像形成装置であって、像形成体にプロセス動作調整用の画像を形成し、当該画像を読み取ってプロセス動作条件を調整する画像形成系を補正する動作をプロセス補正モードとしたとき、像形成体を有して当該像形成体に画像を形成する画像形成手段と、電源オンと共に画像形成手段のウォーミングアップ処理を実行すると共に、画像形成手段への最初の画像形成ジョブに係る画像情報の入力を監視し、画像情報の入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係る第1の画像形成装置によれば、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する場合に、制御手段は、電源オンと共に、像形成体を有した画像形成手段のウォーミングアップ処理を実行すると共に、この画像形成手段への最初の画像形成ジョブに係る画像情報の入力を監視し、この画像情報の入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するようになされる。
従って、画像情報の入力有無に基づいて決定された実行タイミングによりプロセス補正モードを実行することができる。このとき、画像形成手段は、プロセス補正モードに基づく画像を当該像形成体に形成する。例えば、ウォーミングアップ処理中に画像情報の入力があった場合は、プロセス補正モードに移行せずに、簡易補正モード等を実行し、最初の画像形成ジョブの終了後に、プロセス補正モードを実行することができる。また、ウォーミングアップ処理中に画像情報の入力が無かった場合は、ウォーミングアップ処理終了後にプロセス補正モードを実行することができる。
これにより、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
本発明に係る第2の画像形成装置は、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する画像形成装置であって、像形成体にプロセス動作調整用の画像を形成し、当該画像を読み取ってプロセス動作条件を調整する画像形成系を補正する動作をプロセス補正モードとしたとき、像形成体を有して当該像形成体に画像を形成する画像形成手段と、電源オンと共に画像形成手段のウォーミングアップ処理を実行すると共に、画像形成手段への最初の画像形成ジョブに係る画像情報の入力を監視し、画像情報の入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定する制御手段と、この制御手段によって決定されたプロセス補正モードの実行に基づく補正値を取得して記憶更新する記憶手段とを備え、制御手段は、実行タイミングに基づくプロセス補正モードを実行し、当該プロセス補正モードに基づく補正値を順次記憶手段に記憶して更新し、次回の電源オン時のウォーミングアップ処理中においては、当該プロセス補正モードを実行せずに、前回の電源オフ時に記憶された記憶手段から最新の補正値を読み出し、当該補正値に基づいて画像形成処理を実行することを特徴とするものである。
本発明に係る第2の画像形成装置によれば、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する場合に、制御手段は、電源オンと共に、像形成体を有した画像形成手段のウォーミングアップ処理を実行すると共に、この画像形成手段への最初の画像形成ジョブに係る画像情報の入力を監視し、この画像情報の入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定する。
制御手段は、この実行タイミングに基づくプロセス補正モードを実行し、当該プロセス補正モードに基づく補正値を順次記憶手段に記憶して更新し、次回の電源オン時のウォーミングアップ処理中においては、当該プロセス補正モードを実行せずに、前回の電源オフ時に記憶手段に記憶された最新の補正値を読み出し、当該補正値に基づいて画像形成処理を実行する。
従って、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、前回の電源オフ時に取得された最新の補正値に基づいて画像形成処理を実行するので、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
本発明に係る第3の画像形成装置は、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する画像形成装置であって、像形成体にプロセス動作調整用の画像を形成し、当該画像を読み取ってプロセス動作条件を調整する画像形成系を補正する動作をプロセス補正モードとしたとき、像形成体を有して当該像形成体に画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段の設置環境を検出して設置環境情報を出力する検出手段と、電源オンと共に画像形成手段のウォーミングアップ処理を実行すると共に、画像形成手段への最初の画像形成ジョブに係る画像情報の入力を監視し、画像情報の入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定する制御手段と、この制御手段によって決定されたプロセス補正モードの実行に基づく補正値を取得して記憶更新する記憶手段とを備え、制御手段は、ウォーミングアップ処理中においては、プロセス補正モードを実行せずに、画像形成手段の前回の電源オフ時の設置環境情報と現在の設置環境情報とを比較して環境差情報を求め、前回の電源オフ時に記憶手段に記憶された最新の補正値を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正値に基づいて画像形成処理を実行することを特徴とするものである。
本発明に係る第3の画像形成装置によれば、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する場合に、検出手段は、画像形成手段の設置環境を検出して設置環境情報を出力する。これを前提にして、制御手段は、ウォーミングアップ処理中においては、プロセス補正モードを実行せずに、画像形成手段の前回の電源オフ時の設置環境情報と現在の設置環境情報とを比較して環境差情報を求め、前回の電源オフ時に記憶手段に記憶された最新の補正値を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正値に基づいて画像形成処理を実行する。このプロセス補正モードの実行に基づく補正値は、順次、記憶手段に記憶され更新される。
従って、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、前回の電源オフ時に取得された最新の補正値を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正値に基づいて画像形成処理を実行するので、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
本発明に係る第4の画像形成装置は、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する画像形成装置であって、像形成体にプロセス動作調整用の画像を形成し、当該画像を読み取ってプロセス動作条件を調整する画像形成系を補正する動作をプロセス補正モードとしたとき、画像を形成する像形成体及び当該像形成体に形成された画像を現像する現像器を有した画像形成手段と、現像器の電源オンから所定状態に至る立ち上がり経過時間を検出して起動時間情報を出力する検出手段と、電源オンと共に画像形成手段のウォーミングアップ処理を実行すると共に、画像形成手段への最初の画像形成ジョブに係る画像情報の入力を監視し、画像情報の入力有無に基づいて画像形成手段を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、現像器の起動時間情報と予め設定された起動基準値に係る情報とを比較し、立ち上がり経過時間が起動基準値を越えた場合に、当該比較以前に実行したプロセス補正モードの有無に関わらず、当該プロセス補正モードを実行することを特徴とするものである。
本発明に係る第4の画像形成装置によれば、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する場合、 検出手段は、現像器の電源オンから所定状態に至る立ち上がり経過時間を検出して起動時間情報を出力する。制御手段は、電源オンと共に画像形成手段のウォーミングアップ処理を実行すると共に、画像形成手段への最初の画像形成ジョブに係る画像情報の入力を監視し、この画像情報の入力有無に基づいて画像形成手段を制御する。
これを前提にして、制御手段は、前回の電源オフ時から一定時間経過後に再度電源がオンされたような場合であって、現像器の起動時間情報と予め設定された起動基準値に係る情報とを比較し、立ち上がり経過時間が起動基準値を越えた場合に、当該比較以前に実行したプロセス補正モードの有無に関わらず、当該プロセス補正モードを実行する。
例えば、制御手段は、現像器の立ち上がり経過時間が起動基準値を越えた場合であって、当該画像形成ジョブに係る残り枚数と、予め設定された判別基準枚数とを比較し、画像形成ジョブの残り枚数が判別基準枚数よりも少ない場合は、当該画像形成ジョブの終了後にプロセス補正モードを実行する。また、画像形成ジョブの残り枚数が判別基準枚数よりも多い場合は、当該画像形成ジョブを一旦停止してプロセス補正モードを実行し、その後、この画像形成ジョブに係る画像形成処理を再開する。
従って、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、前回の電源オフ時から一定時間経過後に電源が再度オンされたような場合であっても、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
本発明に係る第1の画像形成装置によれば、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する場合に、電源オンと共に画像形成手段のウォーミングアップ処理を実行し、これと共に、この画像形成手段への最初の画像形成ジョブに係る画像情報の入力を監視し、この画像情報の入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定する制御手段を備えるものである。
この構成によって、画像情報の入力有無に基づいて決定された実行タイミングによりプロセス補正モードを実行することができる。従って、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
本発明に係る第2の画像形成装置によれば、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する場合に、ウォーミングアップ処理中に決定された実行タイミングに基づくプロセス補正モードを実行し、当該プロセス補正モードに基づく補正値を順次記憶して更新し、次回の電源オン時のウォーミングアップ処理中においては、当該プロセス補正モードを実行せずに、前回の電源オフ時に取得された最新の補正値を読み出し、当該補正値に基づいて画像形成処理を実行する制御手段を備えるものである。
この構成によって、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、前回の電源オフ時に取得された最新の補正値に基づいて画像形成処理を実行するので、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
本発明に係る第3の画像形成装置によれば、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する場合に、ウォーミングアップ処理中においては、プロセス補正モードを実行せずに、画像形成手段の前回の電源オフ時の設置環境情報と現在の設置環境情報とを比較して環境差情報を求め、前回の電源オフ時に取得された最新の補正値を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正値に基づいて画像形成処理を実行する制御手段を備えるものである。
この構成によって、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、前回の電源オフ時に取得された最新の補正値を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正値に基づいて画像形成処理を実行するので、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
本発明に係る第4の画像形成装置によれば、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する画像形成手段を制御する制御手段を備え、この制御手段は、現像器の起動時間情報と予め設定された起動基準値に係る情報とを比較し、立ち上がり経過時間が起動基準値を越えた場合に、当該比較以前に実行したプロセス補正モードの有無に関わらず、当該プロセス補正モードを実行する制御手段を備えるものである。
この構成によって、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、前回の電源オフ時から一定時間経過後に電源が再度オンされたような場合であっても、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施例に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明をする。
図1は、本発明に係る各実施例としての画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
この実施例では、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する場合に、電源オンと共に画像形成手段のウォーミングアップ処理を実行し、これと共に、この画像形成手段への最初の画像形成ジョブに係る画像情報の入力を監視し、この画像情報の入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定する制御手段を備え、画像情報の入力有無に基づいて決定された実行タイミングによりプロセス補正モードを実行できるようにすると共に、ウォーミングアップ処理中に画像情報の入力があった場合、プロセス補正モードに移行せずに、簡易補正モード等を実行し、最初の画像形成ジョブの終了後に、プロセス補正モードを実行できるようにする(第1の画像形成装置)。
図1に示す画像形成装置100は、任意の画像形成ジョブに係る画像情報に基づいて像形成体に画像を形成する装置であり、白黒用のプリンタや複写機、これらの複合機等に適用して好適である。この画像形成装置100はモノクロ画像を得る直接転写方式の複合機等を構成するものであり、装置本体101を有している。この装置本体内には給紙トレイ30A、30B、原稿読取手段11、制御手段15、画像書き込み部60及び、画像形成手段(以下画像形成系ともいう)70等が備えられ、装置本体側面には、手差しトレイ63が備えられる。
この装置本体101の上部には自動原稿給紙装置(ADF)40が取り付けられており、任意の原稿を自動給紙するように動作する。例えば、ADF40は原稿載置部41、ローラ42a、ローラ42b、ローラ43、搬送ローラ44及び排紙皿46を有している。原稿載置部41には一又は複数の原稿20が載置される。原稿載置部41の下流側にはローラ42a及びローラ42bが設けられ、自動給紙モードが選択されたとき、原稿載置部41から繰り出された原稿20は下流側のローラ43によってU字回転するように搬送される。なお、自動給紙モードが設定された場合、原稿20の記録面は原稿載置部41で上に向けて載置するようになされる。
一方、本体装置内には、原稿読取手段11が設けられおり、任意の原稿20を読み取って画像形成手段70に画像情報を出力するようになされる。原稿読取手段11には縮小型イメージセンサが使用される。また、原稿読取手段11では、例えば、原稿20がローラ43によってU字状に反転するときに、その原稿20の表面を読み取って原稿表面の画像情報(以下原稿画像データDinという)を出力するようになされる。
画像読取手段11は第1のプラテンガラス51、第2のプラテンガラス52、光源53、ミラー54、55、56、結像光学部57、CCD撮像装置58及び図示しない光学駆動部を有している。原稿読取手段11で読み取られた原稿20は、搬送ローラ44により搬送されて排紙皿46へ排紙される。
原稿読取手段11には、縮小型イメージセンサを構成するCCD撮像装置58が備えられ、このCCD撮像装置58の出力段には画像処理手段21が接続され、画像処理後の原稿画像データDinが画像形成手段70に出力される。画像形成手段70では給紙トレイ30A、給紙トレイ30B、手差しトレイ63等の1つから繰り出された用紙30に画像を形成するようになされる。画像形成手段70は像形成体の一例となる有機感光体ドラム(以下感光体ドラムという)71、帯電器72、現像器73、転写器74、分離器75、クリーニング部76、搬送機構77及び定着装置78を有している。
この感光体ドラム71の上方には帯電器72が配設され、所定の帯電電位に基づいて予め感光体ドラム71が一様に帯電される。感光体ドラム71の例えば斜め右上方には画像書き込み60が設けられ、画像処理後の原稿画像データDinに基づく所定強度のレーザー光が照射され感光体ドラム71が露光され、その感光体ドラム71上に静電潜像が形成される。
感光体ドラム71の右側にはトナー及びキャリア(現像剤)が収容された現像器73が配設され、画像書き込み部60によって露光された静電潜像はトナーによって現像される。この現像器73の下方にはレジストローラ62や給紙トレイ30A及び30B等が設けられる。
感光体ドラム71の下方には転写器74が配設され、帯電、露光、現像を経てその感光体ドラム71上に形成されたトナー像が、レジストローラ62により搬送タイミング制御される用紙30に転写される。この転写器74に隣接して分離器75が設けられ、トナー像を転写した用紙30が感光体ドラム71から分離される。この分離器75の下流側には搬送機構部77が設けられ、その終端部には定着装置78が設けられる。定着装置78では用紙30に転写されたトナー像が定着される。搬送機構部77と上述の帯電器72との間であって、感光体ドラム71に対向してクリーニング部76が設けられ、感光体ドラム71に残留したトナーがクリーニングされる。
この例で両面コピーが選択されると、一方の用紙面(表面)に画像形成され、定着装置78から排出された用紙30の裏面にも画像が形成される。定着装置78から排出された用紙30は分岐手段91によりシート排紙路から分岐され、それぞれ給紙手段23を構成する下方の反転ローラ92や、反転部93等により表裏を反転され、反転後の用紙30は反転搬送路94を通過して給紙ローラ61の手前において通常の給紙路と合流する。
ここで反転搬送された用紙30は、レジストローラ62を経て、再度、転写器74に搬送され、用紙30の他方の面(裏面)上にトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙30は、定着装置78により定着処理され、排紙ローラ95に挟持されて機外の排紙トレイ96等に排紙される。これらの画像形成の際には、用紙30として52.3〜63.9kg/m2(1000枚)程度の薄紙や64.0〜81.4kg/m2(1000枚)程度の普通紙や83.0〜130.0kg/m2(1000枚)程度の厚紙や150.0kg/m2(1000枚)程度の超厚紙が用いられる。プロセス動作条件(画像形成条件)としては、線速度を80〜350mm/sec程度とし、環境条件として温度を5〜35℃程度、湿度を15〜85%程度の設定条件とすることが好ましい。用紙30の厚み(紙厚)としては0.05〜0.15mm程度の厚さのものが用いられる。
図2は、第1の実施例に係る画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。図2に示す画像形成装置100は制御手段15を有して、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する装置である。
制御手段15には上述した原稿読取手段11や画像メモリ13、画像処理手段21等が接続される。原稿読取手段11で読み取られた原稿画像データDinは、制御手段15のメモリ制御を受けて画像メモリ13に格納される。画像メモリ13に格納された原稿画像データDinは画像処理手段21で画像処理される。画像処理後の原稿画像データDoutは画像形成手段70へ転送される。
画像形成手段70は、図1に示した感光体ドラム71を有しており、画像形成モード又はプロセス補正モードに基づいて当該感光体ドラム71に画像を形成するようになされる。ここで画像形成モードとは、原稿画像データDoutに基づいて所定の用紙30に画像を形成して画像形成物を出力する動作をいう。プロセス補正モードとは、感光体ドラム71にプロセス動作調整用の画像を形成し、当該画像を読み取ってプロセス動作条件を調整する画像形成系を補正する動作をいう。プロセス動作調整用の画像には、濃度及び階調性を調整するための基準パッチ画像が適用される。
画像形成手段70には、図1に示した感光体ドラム71の他に、当該感光体ドラム71と対向する帯電器72、感光体ドラム71上に静電潜像を書き込む画像書き込み部60、静電潜像をトナー像化する現像器73、感光体ドラム71上のトナー像を用紙(転写材)30に転写する転写器74、用紙30上のトナー像を定着させる定着装置78が設けられる。上述のプロセス動作条件には、感光体ドラム71の回転速度(プロセス線速)や、帯電器72における帯電電圧、画像書き込み部(露光手段)60におけるレーザー発光強度、現像器73におけるバイアス電圧が含まれ、この他に転写器74や分離器75における印加電圧、定着装置78における温度等を含む場合もある。
プロセス補正モードでは、感光体ドラム71上に基準パッチ画像を作成し、この基準パッチ画像の濃度を読み取ることにより、画像濃度・階調性・トナー濃度などを補正するように帯電器72、画像書き込み部60及び現像器73が制御される。この制御は、プロセス動作条件をきめ細かく調整するためである(きめ細かい補正処理)。
上述の制御手段15は、電源オンと共に画像形成手段70のウォーミングアップ処理を実行すると共に、この画像形成手段70への電源オン後の最初の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinの入力を監視し、この原稿画像データDinの入力が有る無しに基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するようになされる。
この例で、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合は、ウォーミングアップ処理完了直後の最初の画像形成ジョブに係るスタートシーケンス処理中に、簡易補正モードを実行する。簡易補正モードとは、上述のプロセス補正モードに比べて画像形成系の補正内容を簡略した補正動作をいう(粗い補正処理)。
制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合、ウォーミングアップ処理中に簡易補正モードを実行し、最初の画像形成ジョブの終了後に、通常のプロセス補正モードを実行する。なお、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力が無かった場合は、ウォーミングアップ処理完了直後に、プロセス補正モードを実行する。
制御手段15には更に操作手段14が接続され、画像形成モード又はプロセス補正モードを設定するように操作される。画像形成モード時には、給紙トレイ30A、30B、手差しトレイ63等の中からその1つを選択するように操作される。また、操作手段14は画像形成条件(プロセス動作条件)を設定する際にも使用される。画像形成条件やトレイ選択情報等は操作データD3となって制御手段15に出力される。
制御手段15には操作手段14の他に表示手段18が接続され、操作手段14により選択操作される画像形成条件等を表示するようになされる。画像形成条件等は例えば、制御手段15で表示データD2に変換されて表示手段18に出力される。操作手段14は、例えば、タッチパネルから構成され、表示手段18は液晶表示パネルから構成される。この例では、表示手段18を構成する液晶表示パネル上に、操作手段14を構成するタッチパネルが組み合わされ、GUI(Graphic User Interface)方式の操作パネル48が構成される。
上述の制御手段15はROM(Read Only Memory)24、RAM(Random Access Memory)26、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)25を有している。ROM24には当該装置全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。RAM26はワークメモリとして使用され、例えば、制御コマンド等を一時記憶するようになされる。CPU25は電源がオンされると、ROM24からシステムプログラムデータを読み出してシステムを起動し、操作手段14からの操作データD3に基づいて当該装置全体を制御するようになされる。
なお、制御手段15は、画像形成モード時に、操作パネル48により設定された内容に基づいて画像を形成するように画像形成手段70の動作を制御する。制御手段15は、例えば、画像処理後の原稿画像データDout又は画像データDin’を画像形成手段70に出力して画像形成制御をする。
また、制御手段15には画像形成手段70の他に通信手段19が接続される。通信手段19はLAN等の通信回線に接続され、外部のコンピュータ等と通信処理する際に使用される。当該画像形成装置100をプリンタとして使用する場合に、そのプリントモード時に、通信手段19は外部のコンピュータから画像データDin’を受信するように使用される。
制御手段15には給紙手段23が接続され、画像形成モード時に、給紙制御信号Sfに基づいて図1に示した給紙トレイ30A、30Bを駆動制御する。給紙制御信号Sfは制御手段15から給紙手段23へ供給される。給紙手段23には図示ない送り出しローラや、給紙ローラ等を駆動するモータや、当該モータを駆動するための駆動制御用のICが使用される。給紙トレイ30Aや30B等は、シートセットトレイを構成し、これらの給紙トレイ30Aや30B等には所定のサイズ及び紙質の用紙30がセットされる。
制御手段15には枚数カウンタ12が接続され、画像形成手段70で形成される当該画像形成ジョブに係る画像形成物の枚数を計数するようになされる。枚数カウンタ12は、制御手段15に枚数カウント信号S1を出力する。枚数カウント信号S1は当該画像形成ジョブに係る画像形成物の枚数を示す信号である。
続いて、本発明に係る画像形成方法について、当該画像形成装置100の画像形成処理例について説明をする。図3及び図4は本発明に係る第1の実施例としての画像形成装置100における画像形成例(その1、2)を示すフローチャートである。
この実施例では、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する場合を前提として、電源オンと共に画像形成系のウォーミングアップ処理を実行すると共に、画像形成系への最初の画像形成ジョブ(以下単にJOBという)に係る原稿画像データDinの入力を監視し、この原稿画像データDinの入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するようになされる。これは、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保するとともに、最初のJOBの画質を確保するためである。
この例では、ウォーミングアップ処理完了後に簡易補正モードを実行する場合と、ウォーミングアップ処理完了前に簡易補正モードを実行する場合の2つに分けて説明をする。
[実施例1A]
この実施例では、ウォーミングアップ処理完了後に、画像形成処理が始まるような場合、そのスタートシーケンス中に、簡易補正モードを実行する。この例では、ウォーミングアップ処理完了と共に、簡易補正モードを実行し、そのまま画像形成ジョブに移行するようになされる。プロセス補正モードは、当該JOB終了後に実行する。なお、ウォーミングアップ処理完了と共に、画像形成処理が開始されないような場合は、ウォーミングアップ処理完了直後に、プロセス補正モードを実行する場合を例に挙げる。プロセス動作条件は次の通りである。
<プロセス動作条件>
プロセス線速:320mm/s
感光体:負帯電OPC、ドラム径φ=80mm
帯電器:スコロトロン方式帯電電圧−750V
露光手段:半導体レーザー、出力490μW(表面基準出力)
現像器:負帯電トナー、接触式現像、現像バイアス−600V(表面基準出力) 、スリーブ径φ=40mm、マグネット固定、
転写器:コロトロン方式正放電、
分離器:コロトロン方式負放電・AC重畳、
転写と同時にLED露光による分離補助する機能有り、
定着装置:誘導加熱方式、900W、加熱ローラ肉厚0.6mm。
これらをプロセス動作条件にして、図3に示すフローチャートのステップA1で制御手段15は、電源オン情報の検出を監視して画像形成要求を待機する。この例で、図2に示した操作パネル48には、図示しないパワーセーブボタンが設けられ、例えば、スリーピング状態にある当該画像形成装置100のパワーセーブボタンを押下することで電源オン情報が発生される。電源オン情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。
この電源オン情報を検出した場合は、ステップA2に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ処理を開始する。この処理では、定着装置78内の加熱ヒータ等を通電して昇温し、所定の定着温度を維持するようになされる。
そして、ステップA3に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ完了直後にプリントシーケンスをスタート(開始)するかを判別する。このとき、制御手段15は、電源オンと同時に、画像形成系への最初のJOBに係る原稿画像データDinの入力を監視する。この監視は、原稿画像データDinの入力が有る無しに基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するためである。この監視決定結果で制御を分岐する。
この例で、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合、つまり、プリントシーケンスをスタートする場合は、ステップA4に移行して制御手段15は、定着装置78から「WU完了」通知等を受信して、ウォーミングアップ処理完了を確認すると共に、ステップA5に移行して簡易補正モードを実行し、そのまま続けて画像形成ジョブ(JOB)に移行する。この簡易補正モードでは、プロセス補正モードに比べて画像形成系の補正内容を簡略した補正動作を実行し、当該JOBに関して、画像形成手段70は、原稿画像データDinに基づいて画像を形成する。
例えば、画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
その後、ステップA6に移行して、制御手段15は、画像形成手段70から「JOB終了」通知等を受信する。「JOB終了」通知は、当該JOBに係る画像形成処理の完了を示す情報である。その後、ステップA8に移行する。なお、上述のステップA3で、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に、原稿画像データDinの入力が無かった場合、つまり、プリントシーケンスをスタートしない場合は、ステップA7に移行して、画像形成手段70から「WU完了」通知等を受信すると、その直後に、ステップA8に移行して制御手段15は、プロセス補正モードを実行する。
プロセス補正モードは、簡易補正モードよりも細かく補正処理がなされる。このとき、制御手段15は、感光体ドラム71上に基準パッチ画像を作成し、この基準パッチ画像の濃度を読み取ることにより、画像濃度・階調性・トナー濃度などを補正するように帯電器72、画像書き込み部60及び現像器73を制御する。その後、図4に示すフローチャートのステップA9に移行して、当該装置100をレディ(READY)状態にして他のJOBが投入されるのを待機する。
図4に示すフローチャートのステップA9で、一定時間を経過しても、新たなJOBが投入されない場合は、ステップA12に移行する。ステップA9で新たなJOBが投入された場合は、ステップA10に移行して当該JOBに係る画像形成処理を実行する。例えば、画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
そして、ステップA11に移行して制御手段15は、当該JOBが終了したかを判別する。この際に、制御手段15は、当該JOBに係る画像形成ページが最終ページか否かを判別する。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページでない場合は、ステップA10に戻って画像形成処理を繰り返すようになされる。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページの場合は、ステップA12に移行する。なお、画像形成枚数(プリント枚数)は、枚数カウンタ12によりカウントされる。
上述のステップA11で当該JOBが終了した場合は、ステップA12に移行して画像形成処理に関して終了判断をする。例えば、制御手段15は、電源オフ情報を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップA9に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。電源オフ情報は当該画像形成装置100のパワーセーブボタンを押下することにより発生される。電源オフ情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。制御手段15は、操作データD3に基づいて当該装置100をスリーピング状態に移行させる。スリーピング状態では、CPU25等の監視機能や時計機能等の他は、通電を制限する低消費電力モードが設定される。
このように、画像形成装置100によれば、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合、プロセス補正モードに移行せずに、ウォーミングアップ処理完了後、簡易補正モード等を実行し、最初の画像形成ジョブの終了後に、プロセス補正モードを実行するようになる。従って、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
[実施例1B]
図5及び図6は、第1の実施例に係る画像形成装置100における別の画像形成例(その1、2)を示すフローチャートである。
この実施例では、ウォーミングアップ処理中に簡易補正モードを実行し、電源オン直後の最初の画像形成ジョブ(1st JOB)の終了後に、通常のプロセス補正モードを実行する。この例でも、ウォーミングアップ処理完了と共に、画像形成処理が開始されないような場合は、ウォーミングアップ処理完了直後に、プロセス補正モードを実行する場合を例に挙げる。
これらをプロセス動作条件にして、図5に示すフローチャートのステップB1で制御手段15は、電源オン情報の検出を監視して画像形成要求を待機する。この例でも、スリーピング状態にある当該画像形成装置100のパワーセーブボタンを押下することで電源オン情報が発生される。電源オン情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。
この電源オン情報を検出した場合は、ステップB2に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ処理を開始する。この処理では、定着装置78内の加熱ヒータ等を通電して昇温し、所定の定着温度を維持するようになされる。
そして、ステップB3に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ完了直後にプリントシーケンスをスタート(開始)するかを判別する。このとき、制御手段15は、電源オンと同時に、画像形成系への最初のJOBに係る原稿画像データDinの入力を監視する。この監視決定結果で制御を分岐する。
この例では、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合、つまり、プリントシーケンスをスタートする場合は、ステップB4に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に簡易補正モードを実行する。この簡易補正モードでは、プロセス補正モードに比べて画像形成系の補正内容を簡略した補正動作を実行する。その後、ステップB5に移行して、制御手段15は、定着装置78から「WU完了」通知等を受信して、ウォーミングアップ処理完了を確認する。その後、ステップB6に移行して電源オン直後の最初の画像形成ジョブ(1st JOB)を実行して終了する。当該1st JOBに関して、画像形成手段70は、原稿画像データDinに基づいて画像を形成する。
例えば、画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
そして、制御手段15は、画像形成手段70から「1st JOB終了」通知等を受信する。「1st JOB終了」通知は、当該最初のJOBに係る画像形成処理の完了を示す情報である。その後、ステップB8に移行して、制御手段15は、プロセス補正モードを実行する。なお、上述のステップB3で、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に、原稿画像データDinの入力が無かった場合、つまり、プリントシーケンスをスタートしない場合は、ステップB7に移行して、画像形成手段70から「WU完了」通知等を受信すると、その直後に、ステップB8に移行してプロセス補正モードを実行する。
プロセス補正モードは、簡易補正モードよりも細かく補正処理がなされる。このとき、制御手段15は、感光体ドラム71上に基準パッチ画像を作成し、この基準パッチ画像の濃度を読み取ることにより、画像濃度・階調性・トナー濃度などを補正するように帯電器72、画像書き込み部60及び現像器73を制御する。その後、図4に示すフローチャートのステップB9に移行する。
その後、図6に示すフローチャートのステップB9に移行して、当該装置100をレディ(READY)状態にして他のJOBが投入されるのを待機する。上述のステップB9で、一定時間を経過しても、新たなJOBが投入されない場合は、ステップB12に移行する。ステップB9で新たなJOBが投入された場合は、ステップB10に移行して当該JOBに係る画像形成処理を実行する。例えば、画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
そして、ステップB11に移行して制御手段15は、当該JOBが終了したかを判別する。この際に、制御手段15は、当該JOBに係る画像形成ページが最終ページか否かを判別する。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページでない場合は、ステップB10に戻って画像形成処理を繰り返すようになされる。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページの場合は、ステップB12に移行する。なお、画像形成枚数(プリント枚数)は、枚数カウンタ12によりカウントされる。
上述のステップB11で当該JOBが終了した場合は、ステップB12に移行して画像形成処理に関して終了判断をする。このとき、制御手段15は、電源オフ情報を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップB9に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。電源オフ情報は当該画像形成装置100のパワーセーブボタンを押下することにより発生される。電源オフ情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。制御手段15は、操作データD3に基づいて当該装置100をスリーピング状態に移行させる。スリーピング状態では、CPU25等の監視機能や時計機能等の他は、通電を制限する低消費電力モードに設定される。
このように、本発明に係る第1の実施例としての画像形成装置100によれば、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する場合に、制御手段15は、電源オンと共に、画像形成手段70のウォーミングアップ処理を実行すると共に、この画像形成手段70への最初の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinの入力を監視し、この原稿画像データDinの入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するようになされる。
従って、原稿画像データDinの入力有無に基づいて決定された実行タイミングによりプロセス補正モードを実行することができる。このとき、画像形成手段70では、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合は、プロセス補正モードに移行せずに、簡易補正モード等を実行し、最初の画像形成ジョブの終了後に、プロセス補正モードを実行することができる。また、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力が無かった場合は、ウォーミングアップ処理終了後にプロセス補正モードを実行することができる。
これにより、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
図7は、第2の実施例に係る画像形成装置200の制御系の構成例を示すブロック図である。
この実施例では、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する場合に、ウォーミングアップ処理中に決定された実行タイミングに基づくプロセス補正モードを実行し、当該プロセス補正モードに基づく補正値に係る取得情報(以下補正情報という)D1を順次記憶して更新し、次回の電源オン時のウォーミングアップ処理中においては、当該プロセス補正モードを実行せずに、前回の電源オフ時に記憶された最新の補正情報D1を読み出し、当該補正情報D1に基づいて画像形成処理を実行する制御手段15を備え、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保できるようにすると共に、前回の電源オフ時に取得された最新の補正情報D1に基づいて画像形成処理を実行して、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保できるようにしたものである(第2の画像形成装置)。
図7に示す画像形成装置200は制御手段15を有して、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する装置である。制御手段15には第1の実施例で説明した原稿読取手段11、枚数カウンタ12、画像メモリ13、通信手段19、画像処理手段21、給紙手段23、操作パネル48及び画像形成手段70等の他に不揮発メモリ16が接続される。なお、第1の実施例で説明した同じ名称及び同じ符号のものは、同じ機能を有するのでその説明を省略する。
制御手段15は、電源オンと共に画像形成手段70のウォーミングアップ処理を実行すると共に、画像形成手段70への電源オン後の最初の画像形成ジョブによる原稿画像データDinの入力を監視し、この原稿画像データDinの入力が有る無しに基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するようになされる。
不揮発メモリ16は記憶手段の一例であり、制御手段15によって決定されたプロセス補正モードの実行に基づく補正情報D1を取得して記憶更新するようになされる。不揮発メモリ16にはハードディスク(HDD)や、EEPROM等が使用される。HDDやEEPROM等はデータの書換えが可能で電源を切ってもデータが消去されないメモリである。
この例で、制御手段15は、ウォーミングアップ処理完了後の実行タイミングに基づくプロセス補正モードを実行し、当該プロセス補正モードに基づく補正情報D1を順次不揮発メモリ16に記憶して更新し、次回の電源オン時のウォーミングアップ処理中においては、当該プロセス補正モードを実行せずに、前回の電源オフ時に記憶された不揮発メモリ16から最新の補正情報D1を読み出し、当該補正情報D1に基づいて画像形成処理を実行する。
また、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合、最初の画像形成ジョブに関しては、前回の電源オフ時に記憶された最新の補正情報D1を使用して画像形成処理を実行し、画像形成ジョブの終了後にプロセス補正モードを実行する。この例でも、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力が無かった場合に、ウォーミングアップ処理完了直後にプロセス補正モードを実行する。
図8及び図9は、第2の実施例に係る画像形成装置200の画像形成例(その1、2)を示すフローチャートである。
この実施例では、ウォーミングアップ処理中には、全くプロセス補正モードを実行せず、前回の電源オフ時の補正情報D1を不揮発メモリ16に記憶しておき、次回の電源オン後に、その補正情報D1を利用して最初のJOBの画像形成処理を実行するようした。この例では、ウォーミングアップ処理完了と共に、画像形成処理が始まるような場合に、最初のJOBは、前回の補正情報D1を使用して画像形成処理を実行し、最初のJOBの終了後にプロセス補正モードを実行する。また、ウォーミングアップ処理完了と共に画像形成処理が始まらない場合は、ウォーミングアップ処理完了直後にプロセス補正モードを実行する例を挙げる。
これらをプロセス動作条件にして、図8に示すフローチャートのステップC1で制御手段15は、電源オン情報の検出を監視して画像形成要求を待機する。この例で、図7に示した操作パネル48には、図示しないパワーセーブボタンが設けられ、例えば、スリーピング状態にある当該画像形成装置200のパワーセーブボタンを押下することで電源オン情報が発生される。電源オン情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。
この電源オン情報を検出した場合は、ステップC2に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ処理を開始する。この処理では、定着装置78内の加熱ヒータ等を通電して昇温し、所定の定着温度を維持するようになされる。
そして、ステップC3に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ完了直後にプリントシーケンスをスタート(開始)するかを判別する。このとき、制御手段15は、電源オンと同時に、画像形成系への最初のJOBに係る原稿画像データDinの入力を監視する。この監視は、原稿画像データDinの入力が有る無しに基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するためである。この監視決定結果で制御を分岐する。
この例で、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合、つまり、プリントシーケンスをスタートする場合は、ステップC4に移行して制御手段15は、定着装置78から「WU完了」通知等を受信して、ウォーミングアップ処理完了を確認すると共に、ステップC5に移行して制御手段15は、不揮発メモリ16から補正情報D1を読み出して画像処理手段21や画像形成手段70に設定するようになされる。
このとき、画像処理手段21では、補正情報D1に基づく補正値により、ハイライトから最高画像濃度まで階調を一定に保つγ補正動作が実行される(階調補正処理)。画像形成手段70では、補正情報D1に基づく補正値により、帯電器72における所定電位を一定に保つ補正動作が実行される(感光体表面電位補正)。また、画像形成手段70では、補正情報D1に基づく補正値により、現像器73における最高画像濃度を一定に保つ補正動作が実行される(最高画像濃度補正処理)。
上述の補正情報D1は、制御手段15によって決定された前回のプロセス補正モードの実行に基づいて取得され、不揮発メモリ16に記憶され更新されたものである。そして、ステップC6に移行して制御手段15は、電源オン直後の最初のJOBに係る画像形成処理を実行する。このとき、画像形成手段70は、当該JOBに関して、補正後の原稿画像データDinに基づいて画像を形成する。例えば、画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により、補正後の所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
その後、制御手段15は、画像形成手段70から「JOB終了」通知等を受信する。「JOB終了」通知は、当該JOBに係る画像形成処理の完了を示す情報である。その後、ステップC8に移行して制御手段15は、プロセス補正モードを実行する。このとき、制御手段15は、感光体ドラム71上に基準パッチ画像を作成し、この基準パッチ画像の濃度を読み取ることにより、画像濃度・階調性・トナー濃度などを補正するように帯電器72、画像書き込み部60及び現像器73を制御する。制御手段15は、補正値を取得し、ここで得られた補正情報D1を不揮発メモリ16に記録し更新するようになされる。その後、図9に示すフローチャートのステップC9に移行する。
なお、上述のステップC3で、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に、原稿画像データDinの入力が無かった場合、つまり、プリントシーケンスをスタートしない場合は、ステップC7に移行して、画像形成手段70から「WU完了」通知等を受信すると、その直後に、ステップC8に移行してプロセス補正モードを実行する。その後、図9に示すフローチャートのステップC9に移行して、当該装置100をレディ(READY)状態にして他のJOBが投入されるのを待機する。
図9に示すフローチャートのステップC9で、一定時間を経過しても、新たなJOBが投入されない場合は、ステップC12に移行する。ステップC9で新たなJOBが投入された場合は、ステップC10に移行して当該JOBに係る画像形成処理を実行する。例えば、プロセス補正モード実行後の画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
そして、ステップC11に移行して制御手段15は、当該JOBが終了したかを判別する。この際に、制御手段15は、当該JOBに係る画像形成ページが最終ページか否かを判別する。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページでない場合は、ステップC10に戻って画像形成処理を繰り返すようになされる。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページの場合は、ステップC12に移行する。なお、画像形成枚数(プリント枚数)は、枚数カウンタ12によりカウントされる。
上述のステップC11で当該JOBが終了した場合は、ステップC12に移行して画像形成処理に関して終了判断をする。例えば、制御手段15は、電源オフ情報を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップC9に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。電源オフ情報は当該画像形成装置200のパワーセーブボタンを押下することにより発生される。電源オフ情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。制御手段15は、操作データD3に基づいて当該装置200をスリーピング状態に移行させる。スリーピング状態では、CPU25等の監視機能や時計機能等の他は、通電を制限する低消費電力モードに設定される。
このように、本発明に係る第2の実施例としての画像形成装置200によれば、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する場合に、制御手段15は、電源オンと共に、感光体ドラム71を有した画像形成手段70のウォーミングアップ処理を実行すると共に、この画像形成手段70への最初の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinの入力を監視し、この原稿画像データDinの入力有無に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定する。
制御手段15は、この実行タイミングに基づくプロセス補正モードを実行し、当該プロセス補正モードに基づく補正情報D1を順次不揮発メモリ16に記憶して更新し、次回の電源オン時のウォーミングアップ処理中においては、当該プロセス補正モードを実行せずに、前回の電源オフ時に不揮発メモリ16に記憶された最新の補正情報D1を読み出し、当該補正情報D1に基づいて電源オン直後のJOBに対して画像形成処理を実行する。
従って、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、前回の電源オフ時に取得された最新の補正情報D1に基づいて電源オン直後のJOBに対する画像形成処理を実行するので、電源オン直後の最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
図10は、第3の実施例に係る画像形成装置300の制御系の構成例を示すブロック図である。
この実施例では、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する場合に、ウォーミングアップ処理中に、プロセス補正モードを実行せずに、画像形成手段70の前回の電源オフ時の設置環境情報と現在の設置環境情報とを比較して環境差情報を求め、前回の電源オフ時に取得された最新の補正情報D1を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正情報D1に基づいて画像形成処理を実行する制御手段15を備え、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保できるようにすると共に、前回の電源オフ時に取得された最新の補正情報D1を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正情報D1に基づいて画像形成処理を実行し、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保できるようにしたものである(第3の画像形成装置)。
図10に示す画像形成装置300は制御手段15を有して、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する装置である。制御手段15には第1及び第2の実施例で説明した原稿読取手段11、枚数カウンタ12、画像メモリ13、不揮発メモリ16、通信手段19、画像処理手段21、給紙手段23、操作パネル48及び画像形成手段70等の他に環境センサ17が接続される。なお、第1及び第2の実施例で説明した同じ名称及び同じ符号のものは、同じ機能を有するのでその説明を省略する。
制御手段15は、電源オンと共に画像形成手段70のウォーミングアップ処理を実行すると共に、画像形成手段70への電源オン後の最初の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinの入力を監視し、この原稿画像データDinの入力が有る無しに基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するようになされる。
環境センサ17は検出手段の一例であり、画像形成手段70の設置環境を検出して設置環境信号S2を出力するようになされる。設置環境信号S2は環境センサ17から制御手段15へ出力され、アナログ・デジタル変換されて設置環境情報となる。環境センサ17には、温度検知センサや、湿度検知センサ等が使用される。これらのセンサは、装置本体内に取付けられる。設置環境情報は、当該装置300の機内温度や機内湿度を示す情報であり、不揮発メモリ16に記録される。
制御手段15は、ウォーミングアップ処理中においては、プロセス補正モードを実行せずに、画像形成手段70の前回の電源オフ時の設置環境情報と現在の設置環境情報とを比較して環境差情報を求め、前回の電源オフ時に不揮発メモリ16に記憶された最新の補正情報D1を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正情報D1に基づいて画像形成処理を実行する。例えば、制御手段15は、前回の電源オフ時の機内温度情報と現在の機内温度情報とを比較して温度差情報を求め、前回の電源オフ時に不揮発メモリ16に記憶された最新の補正情報D1を更に温度差情報に応じて補正する。
この例で、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合、最初の画像形成ジョブに関しては、前回の電源オフ時に記憶された不揮発メモリ16から読み出した最新の補正情報D1を更に補正した新たな補正情報D1に基づいて画像形成処理を実行し、最初の画像形成ジョブの終了後に、プロセス補正モードを実行する。なお、この例でも、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力が無かった場合に、制御手段15は、ウォーミングアップ処理完了直後にプロセス補正モードを実行する。
図11及び図12は、第3の実施例に係る画像形成装置300における画像形成例(その1、2)を示すフローチャートである。
この実施例では、ウォーミングアップ処理中は、全くプロセス補正モードを実行せずに、前回の電源オフ時の設置環境情報と現在の設置環境情報とを比較し、その環境差情報に応じて前回の電源オフ時の補正情報D1に、更に補正をした補正値を使用して画像形成処理を実行する。
この例では、ウォーミングアップ処理完了とともに画像形成処理が始まるような場合、電源オン後の最初のJOBは、前回の補正情報D1に更に補正をした補正値を使用して画像形成処理を実行し、最初のJOBの終了後にプロセス補正モードを実行する場合を例に挙げる。この例でも、ウォーミングアップ処理完了と共に、画像形成処理が始まらないような場合、ウォーミングアップ処理完了直後にプロセス補正モードを実行する場合を前提とする。
これらをプロセス動作条件にして、図11に示すフローチャートのステップE1で制御手段15は、電源オン情報の検出を監視して画像形成要求を待機する。この例で、図10に示した操作パネル48には、図示しないパワーセーブボタンが設けられ、スリーピング状態にある当該画像形成装置300のパワーセーブボタンを押下することで電源オン情報が発生される。電源オン情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。
この電源オン情報を検出した場合は、ステップE2に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ処理を開始する。この処理では、定着装置78内の加熱ヒータ等を通電して昇温し、所定の定着温度を維持するようになされる。
そして、ステップE3に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ完了直後にプリントシーケンスをスタート(開始)するかを判別する。このとき、制御手段15は、電源オンと同時に、画像形成系への最初のJOBに係る原稿画像データDinの入力を監視する。この監視は、原稿画像データDinの入力が有る無しに基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するためである。この監視決定結果で制御を分岐する。
この例で、ウォーミングアップ処理中に原稿画像データDinの入力があった場合、つまり、プリントシーケンスをスタートする場合は、ステップE4に移行して制御手段15は、定着装置78から「WU完了」通知等を受信して、ウォーミングアップ処理完了を確認すると共に、ステップE8に移行する。
これらの処理と並行して、電源オン情報を検出した場合は、ステップE5に移行して、前回及び今回の設置環境情報を入力する。このとき、制御手段15は、不揮発メモリ16から前回の設置環境情報を読み出し、環境センサ17から今回の設置環境情報を取得する。設置環境情報は、当該装置300の機内温度や機内湿度を示す情報である。
その後、ステップE6に移行して、制御手段15は、前回の電源オフ時の設置環境情報と現在の設置環境情報とを比較して環境補正値(環境差情報)を計算する。例えば、制御手段15は、前回の電源オフ時の機内温度情報と現在の機内温度情報とを比較して温度差情報を求める。温度差情報は、現在の機内温度情報を補正する補正値となる。
そして、ステップE7に移行して制御手段15は、前回の電源オフ時の補正情報D1を環境差情報に応じて補正計算して新たな補正情報D1を取得する。例えば、制御手段15は、前回の電源オフ時に不揮発メモリ16に記憶された最新の機内温度を更に温度差情報に応じて補正計算し、現在の機内温度情報を補正するようになされる。
制御手段15は、補正後の補正情報D1’を画像処理手段21や画像形成手段70に設定するようになされる。このとき、画像処理手段21では、補正後の補正情報D1’に基づく補正値により、ハイライトから最高画像濃度まで階調を一定に保つγ補正動作が実行される(階調補正処理)。画像形成手段70では、補正後の補正情報D1’に基づく補正値により、帯電器72における所定電位を一定に保つ補正動作が実行される(感光体表面電位補正)。また、画像形成手段70では、補正後の補正情報D1’に基づく補正値により、現像器73における最高画像濃度を一定に保つ補正動作が実行される(最高画像濃度補正処理)。
そして、ステップE8に移行して制御手段15は、電源オン直後の最初のJOBに係る画像形成処理を実行する。このとき、画像形成手段70は、当該JOBに関して、補正後の原稿画像データDinに基づいて画像を形成する。例えば、画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により、補正後の所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
その後、制御手段15は、画像形成手段70から「JOB終了」通知等を受信する。「JOB終了」通知は、当該JOBに係る画像形成処理の完了を示す情報である。その後、ステップE10に移行して制御手段15は、プロセス補正モードを実行する。なお、上述のステップE3で、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中に、原稿画像データDinの入力が無かった場合、つまり、プリントシーケンスをスタートしない場合は、ステップE9に移行して、画像形成手段70から「WU完了」通知等を受信すると、その直後に、ステップE10に移行してプロセス補正モードを実行する。
このプロセス補正モードでは、画像形成手段70によって、感光体ドラム71上に基準パッチ画像が作成され、この基準パッチ画像の濃度を読み取ることにより、制御手段15は、画像濃度・階調性・トナー濃度などを補正するように帯電器72、画像書き込み部60及び現像器73を制御する。制御手段15は、補正値を取得し、ここで得られた補正情報D1を不揮発メモリ16に記録し更新するようになされる。その後、図12に示すフローチャートのステップE11に移行に移行して、当該装置300をレディ(READY)状態にして他のJOBが投入されるのを待機する。
図12に示すフローチャートのステップE11で、一定時間を経過しても、新たなJOBが投入されない場合は、ステップE14に移行する。ステップE11で新たなJOBが投入された場合は、ステップE12に移行して当該JOBに係る画像形成処理を実行する。例えば、プロセス補正モード実行後の画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
そして、ステップE13に移行して制御手段15は、当該JOBが終了したかを判別する。この際に、制御手段15は、当該JOBに係る画像形成ページが最終ページか否かを判別する。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページでない場合は、ステップE12に戻って画像形成処理を繰り返すようになされる。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページの場合は、ステップE14に移行する。なお、画像形成枚数(プリント枚数)は、枚数カウンタ12によりカウントされる。
上述のステップE13で当該JOBが終了した場合は、ステップE14に移行して画像形成処理に関して終了判断をする。例えば、制御手段15は、電源オフ情報を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップE11に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。電源オフ情報は当該画像形成装置300のパワーセーブボタンを押下することにより発生される。電源オフ情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。制御手段15は、操作データD3に基づいて当該装置300をスリーピング状態に移行させる。スリーピング状態では、CPU25等の監視機能や時計機能等の他は、通電を制限する低消費電力モードに設定される。
このように、本発明に係る第3の実施例としての画像形成装置300によれば、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する場合に、環境センサ17は、画像形成手段70の設置環境を検出して設置環境情報を出力する。これを前提にして、制御手段15は、ウォーミングアップ処理中においては、プロセス補正モードを実行せずに、画像形成手段70の前回の電源オフ時の設置環境情報と現在の設置環境情報とを比較して環境差情報を求め、前回の電源オフ時に不揮発メモリ16に記憶された最新の補正情報D1を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正情報D1に基づいて画像形成処理を実行する。このプロセス補正モードの実行に基づく補正情報D1は、順次、不揮発メモリ16に記憶され更新される。
従って、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、ウォーミングアップ処理中の定着電力を確保することができ、しかも、前回の電源オフ時に取得された最新の補正情報D1を更に環境差情報に応じて補正した新たな補正情報D1に基づいて画像形成処理を実行するので、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
図13は、第4の実施例に係る画像形成装置400の制御系の構成例を示すブロック図である。
この実施例では、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する場合であって、図1に示したような現像器73の起動時間情報と、予め設定された起動基準値に係る情報とを比較し、立ち上がり経過時間が起動基準値を越えた場合に、当該比較以前に実行したプロセス補正モードの有無に関わらず、当該プロセス補正モードを実行する制御手段15を備え、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、前回の電源オフ時から一定時間経過後に電源が再度オンされたような場合であっても、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保できるようにする(第4の画像形成装置)。
図13に示す画像形成装置400は、ウォーミングアップ時間が2分未満と短いウォーミングアップ短時間型の画像形成装置である。画像形成手段70は、図1に示したように、画像を形成する感光体ドラム71及び当該感光体ドラム71に形成された画像を現像する現像器72を有している。この現像器72には、検出手段の一例となる起動タイマ27が設けられ、当該タイマ27は制御手段15に接続される。起動タイマ27は、現像器72の電源オンから所定状態に至る立ち上がり経過時間を検出して起動経過信号S3を制御手段15へ出力するようになされる。起動経過信号S3は起動タイマ27から制御手段15へ出力され、アナログ・デジタル変換されて起動(回転)時間情報となる。検出手段は、起動タイマ27に限られることはなく、現像器72を構成する現像スリーブ回転体の回転数を検出するものであってもよい。
この例でも、制御手段15は、電源オンと共に画像形成手段70のウォーミングアップ処理を実行すると共に、画像形成手段70への最初の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinの入力を監視し、原稿画像データDinの入力有無に基づいて画像形成手段70を制御する。
この制御手段15は、現像器73の起動時間情報と予め設定された起動基準値に係る情報とを比較し、立ち上がり経過時間が起動基準値を越えた場合に、当該比較以前に実行したプロセス補正モードの有無に関わらず、当該プロセス補正モードを実行する。起動基準値としては、例えば、起動基準時間=「2分」が設定される。この立ち上がり経過時間が起動基準時間=「2分」を越える場合にプロセス補正モードを実行する。
この例では、現像器73の立ち上がり経過時間が起動基準値を越えた場合であって、制御手段15が画像形成ジョブに係る残り枚数と、予め設定された判別基準枚数とを比較し、画像形成ジョブの残り枚数が判別基準枚数よりも少ない場合、例えば50枚未満のときは、当該画像形成ジョブの終了後にプロセス補正モードを実行し、画像形成ジョブの残り枚数が判別基準枚数よりも多い場合、例えば50枚以上のときは、当該画像形成ジョブを一旦停止してプロセス補正モードを実行し、その後、画像形成ジョブに係る画像形成処理を再開するようになされる。
図14及び図15は、第4の実施例に係る画像形成装置400における画像形成例(その1、2)を示すフローチャートである。
この実施例では、ウォーミングアップ処理中及びウォーミングアップ処理後に関わらず、プロセス補正モードを実行していても、現像器72の回転数が規定時間を経過したとき、例えば、現像剤の帯電量立ち上がりの70%以上に相当したところで、プロセス補正モードを実行する。この例では、画像形成ジョブ(JOB)に係るプリントの残り枚数が少ない場合は、JOBを終了してからプロセス補正モードを実行する。当該JOBに係るプリントの残り枚数が多い場合は、JOBを途中で止めて、プロセス補正モードを実行し、その後、JOBを再開する場合を例に挙げる。
これらをプロセス動作条件にして、図14に示すフローチャートのステップF1で制御手段15は、電源オン情報の検出を監視して画像形成要求を待機する。この例で、図13に示した操作パネル48には、図示しないパワーセーブボタンが設けられ、スリーピング状態にある当該画像形成装置400のパワーセーブボタンを押下することで電源オン情報が発生される。電源オン情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。
この電源オン情報を検出した場合は、ステップF2に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ処理を開始する。ここで簡易補正モードを実行してもよい。この処理でも、定着装置78内の加熱ヒータ等を通電して昇温し、所定の定着温度を維持するようになされる。
そして、ステップF3に移行して制御手段15は、ウォーミングアップ完了直後に当該JOBに係るプリントシーケンスをスタート(開始)する。このとき、画像形成手段70は、当該JOBに関して、原稿画像データDinに基づいて画像を形成する。
例えば、画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により、所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
また、制御手段15は、プリント開始と同時に、当該JOBに係るプリント枚数を監視する。この監視は、プリント枚数の残りの枚数に基づいてプロセス補正モードの実行タイミングを決定するためである。
これらの処理と並行して、ステップF1で電源オン情報を検出すると同時に、ステップF4に移行して起動タイマ27を起動して立ち上がり経過時間をカウントする。このとき、起動経過信号S3は起動タイマ27から制御手段15へ出力され、アナログ・デジタル変換されて起動(回転)時間情報となる。ステップF5では、制御手段15は、起動時間情報に基づいて、現像器73が電源オンから2分を経過したか否かが判別される。電源オンから2分を経過していない場合は、ステップF4に戻って立ち上がり経過時間のカウント処理を継続するようになされる。
この例で制御手段15は、プリント枚数の監視結果と、現像器73の立ち上げ経過時間の監視結果に基づいて制御を分岐する。電源オンから2分を経過した場合は、ステップF6に移行して、制御手段15は、当該JOBに係るプリントの残り枚数が50枚以上であるか否かを判別する。当該JOBの残り枚数が50枚以上である場合は、ステップF7に移行してJOBを中断する。そして、ステップF8に移行して制御手段15は、プロセス補正モードを実行する。
このプロセス補正モードでは、画像形成手段70によって、感光体ドラム71上に基準パッチ画像が作成され、この基準パッチ画像の濃度を読み取ることにより、制御手段15は、画像濃度・階調性・トナー濃度などを補正するように帯電器72、画像書き込み部60及び現像器73を制御する。
その後、図15に示すフローチャートのステップF9に移行してJOBを再開する。そして、ステップF10で制御手段15は画像形成手段70から「JOB終了」通知を受信する。「JOB終了」通知は、当該JOBに係る画像形成処理の完了を示す情報である。その後、ステップF13に移行する。
また、図14に示したステップF6で当該JOBの残り枚数が50枚未満である場合は、ステップF11に移行して、そのJOBを全部終了する。その後、ステップF12に移行してプロセス補正モードを実行する。その後、ステップF13に移行する。そして、図15に示すフローチャートのステップF13に移行して、当該装置400をレディ(READY)状態にして他のJOBが投入されるのを待機する。
図15に示すフローチャートのステップF13で、一定時間を経過しても、新たなJOBが投入されない場合は、ステップF16に移行する。ステップF13で新たなJOBが投入された場合は、ステップF14に移行して当該JOBに係る画像形成処理を実行する。例えば、プロセス補正モード実行後の画像形成手段70では、図1に示した感光体ドラム71が帯電器72により所定の電位に帯電され、この感光体ドラム71上には画像書き込み部60によって静電潜像が書き込まれ、この静電潜像が現像器73によってトナー像化される。そして、感光体ドラム71上のトナー像は、転写器74によって用紙(転写材)30に転写され、用紙30上のトナー像は、定着装置78によって定着される。その後、トナー像が定着された用紙(画像形成物)30は、排紙皿96に排紙される。
そして、ステップF15に移行して制御手段15は、当該JOBが終了したかを判別する。この際に、制御手段15は、当該JOBに係る画像形成ページが最終ページか否かを判別する。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページでない場合は、ステップF14に戻って画像形成処理を繰り返すようになされる。当該JOBに係る画像形成ページが最終ページの場合は、ステップF16に移行する。なお、画像形成枚数(プリント枚数)は、枚数カウンタ12によりカウントされる。
上述のステップF15で当該JOBが終了した場合は、ステップF16に移行して画像形成処理に関して終了判断をする。例えば、制御手段15は、電源オフ情報を検出して画像形成処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップF13に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。電源オフ情報は当該画像形成装置400のパワーセーブボタンを押下することにより発生される。電源オフ情報は操作データD3となって、操作手段16から制御手段15に出力される。制御手段15は、操作データD3に基づいて当該装置400をスリーピング状態に移行させる。スリーピング状態では、CPU25等の監視機能や時計機能等の他は、通電を制限する低消費電力モードに設定される。
このように、本発明に係る第4の実施例としての画像形成装置400によれば、任意の画像形成ジョブに係る原稿画像データDinに基づいて感光体ドラム71に画像を形成する場合、前回の電源オフ時から一定時間経過後に再度電源がオンされたような場合であって、現像器73の起動時間情報と予め設定された起動基準値に係る情報とが制御手段15によって比較され、立ち上がり経過時間が起動基準値を越えた場合に、制御手段15は、当該比較以前に実行したプロセス補正モードの有無に関わらず、当該プロセス補正モードを実行する。
この例では、現像器73の立ち上がり経過時間が起動基準値を越えた場合であって、画像形成ジョブの残り枚数が50枚未満のときは、当該画像形成ジョブの終了後にプロセス補正モードを実行する。また、画像形成ジョブの残り枚数が50枚以上のときは、当該画像形成ジョブを一旦停止してプロセス補正モードを実行し、その後、この画像形成ジョブに係る画像形成処理を再開する。従って、ウォーミングアップ時間が短縮化される中で、前回の電源オフ時から一定時間経過後に電源が再度オンされたような場合であっても、最初の画像形成ジョブに係る画質を確保することができる。
各実施例では、白黒用の画像形成装置100について説明したが、これに限られることはなく、この発明は、カラー用の画像形成装置においても適用することができる。
この発明は、任意の原稿画像データDinに基づいて画像を形成する白黒及びカラー用のプリンタや複写機、これらの複合機等に適用して極めて好適である。
本発明に係る各実施例としての画像形成装置100の構成例を示す概念図である。
第1の実施例に係る画像形成装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
画像形成装置100における画像形成例(その1)を示すフローチャートである。
画像形成装置100における画像形成例(その2)を示すフローチャートである。
画像形成装置100における別の画像形成例(その1)を示すフローチャートである。
画像形成装置100における別の画像形成例(その2)を示すフローチャートである。
第2の実施例に係る画像形成装置200の制御系の構成例を示すブロック図である。
画像形成装置200の画像形成例(その1)を示すフローチャートである。
画像形成装置200の画像形成例(その2)を示すフローチャートである。
第3の実施例に係る画像形成装置300の制御系の構成例を示すブロック図である。
画像形成装置300における画像形成例(その1)を示すフローチャートである。
画像形成装置300における画像形成例(その2)を示すフローチャートである。
第4の実施例に係る画像形成装置400の制御系の構成例を示すブロック図である。
画像形成装置400における画像形成例(その1)を示すフローチャートである。
画像形成装置400における画像形成例(その2)を示すフローチャートである。
符号の説明
11 原稿読取手段
13 画像メモリ
14 操作手段
15 制御手段
16 不揮発メモリ(記憶手段)
17 環境センサ(検出手段)
18 表示手段
21 画像処理手段
23 給紙手段
27 起動タイマ(検出手段)
48 操作パネル(操作手段+表示手段)
60 画像書込み部
70 画像形成手段
100,200,300,400 画像形成装置