JP2005171954A - 回転流体機械 - Google Patents

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博行 牧野
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Abstract

【課題】 斜板の直径を拡大してピストンのストロークを増加させながら、ピストンに作用する径方向の荷重を減少させて異常摩耗や焼き付きの発生を防止する。
【解決手段】 膨張機のアキシャルピストン・シリンダ群の55ピストン38と斜板31とを接続するコネクティングロッド45の斜板31側の球状部45bを、ロータ22の軸線Lと斜板31の軸線Lsとの交点Cを通って該斜板31の軸線Lsに直交する斜板回転面Psに対して、斜板31の軸線Ls方向のピストン38側に所定距離δだけオフセットして配置したので、斜板31の直径を拡大してピストン38のストロークを増加させながら、上死点にあるピストン38のコネクティングロッド45とロータ22の軸線Lとの傾きを最小限に抑え、斜板31からコネクティングロッド45を介してピストン38に作用する反力の径方向の成分を減少させて異常摩耗や焼き付きの発生を防止することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、アキシャルピストン・シリンダ群および斜板を介して作動媒体の圧力エネルギーと機械エネルギーとを相互に変換する回転流体機械に関する。
かかる回転流体機械は、下記特許文献1および下記特許文献2により公知である。下記特許文献1に記載されたものは、径方向内側に配置された第1のアキシャルピストン・シリンダ群と径方向外側に配置された第2のアキシャルピストン・シリンダ群とを備えており、第1のアキシャルピストン・シリンダ群のピストンはその球状頭部が斜板に形成したディンプルに当接し、第2のアキシャルピストン・シリンダ群のピストンはコネクティングロッドを介して斜板に連結されている。第1、第2のアキシャルピストン・シリンダ群を支持するロータの位相と斜板の位相とは、第1のアキシャルピストン・シリンダ群のピストンの球状頭部と斜板のディンプルとの当接により同一に維持されている。
また下記特許文献2に記載されたものは、ケーシングに配置されたアキシャルピストン・シリンダ群のピストンと出力軸に回転自在に支持された斜板とをコネクティングロッドで連結し、ケーシングの位相と斜板の位相とを両者に設けたギヤの噛み合いにより同一に維持している。
特開2002−256805号公報 特開昭50−100406号公報
ところで、アキシャルピストン・シリンダ群のピストンをコネクティングロッドを介して斜板に接続した場合、ピストンのストロークを増加させるために斜板の直径を拡大すると、ロータの軸線に対するコネクティングロッドの傾きが大きくなり、特に斜板からコネクティングロッドを介してピストンに作用する反力荷重が大きくなる膨張行程の初期に、ピストンの外周面をシリンダスリーブの内周面に押し付ける径方向の荷重が増加してコジリによる異常摩耗や焼き付きが発生する可能性がある。これを回避するために斜板の直径を縮小してロータの軸線に対するコネクティングロッドの傾きを小さくすると、今度はピストンのストロークが減少して回転流体機械の出力が低下する可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、斜板の直径を拡大してピストンのストロークを増加させながら、ピストンに作用する径方向の荷重を減少させて異常摩耗や焼き付きの発生を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ケーシングに回転自在に支持されたロータと、ロータにその軸線を囲むように設けられたアキシャルピストン・シリンダ群と、ロータの軸線に対して傾斜した軸線を有してケーシングに回転自在に支持された斜板と、アキシャルピストン・シリンダ群のピストンをピボット部を介して斜板に連結するコネクティングロッドと、斜板をロータに連結する連結手段とを備えた回転流体機械において、コネクティングロッドの斜板側のピボット部を、ロータの軸線と斜板の軸線との交点を通って該斜板の軸線に直交する斜板回転面に対して、斜板の軸線方向のピストン側に所定距離だけオフセットして配置したことを特徴とする回転流体機械が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記所定距離を、上死点にあるピストンのコネクティングロッドがロータの軸線と略平行になるように設定したことを特徴とする回転流体機械が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、膨張機として機能することを特徴とする回転流体機械が提案される。
尚、実施例の球状部45a,45bは本発明のピボット部に対応し、実施例のシンクロピン77は本発明の連結手段に対応する。
請求項1の構成によれば、回転流体機械のアキシャルピストン・シリンダ群のピストンと斜板とを接続するコネクティングロッドの斜板側のピボット部を、ロータの軸線と斜板の軸線との交点を通って該斜板の軸線に直交する斜板回転面に対して、斜板の軸線方向のピストン側に所定距離だけオフセットして配置したので、斜板の直径を拡大してピストンのストロークを増加させながら、上死点にあるピストンのコネクティングロッドとロータの軸線との傾きを最小限に抑え、斜板からコネクティングロッドを介してピストンに作用する反力の径方向の成分を減少させて異常摩耗や焼き付きの発生を防止することができる。
請求項2の構成によれば、コネクティングロッドの斜板側のピボット部を所定距離だけオフセットさせ、上死点にあるピストンのコネクティングロッドがロータの軸線と略平行になるように設定したので、上死点においてピストンがコネクティングロッドから受ける大きい反力をロータの軸線方向に作用させ、ピストンの径方向に作用する荷重を有効に減少させることができる。
請求項3の構成によれば、回転流体機械が膨張機として機能するので、作動媒体の圧力エネルギーを機械エネルギーに効率的に変換することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図12は本発明の一実施例を示すもので、図1は膨張機の縦断面図、図2は図1の2−2線矢視図、図3は図1の3部拡大図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6はロータの回転に伴うコネクティングロッドの傾きを説明する図、図7はコネクティングロッドの斜板側の球状部のオフセットによる効果を説明する図、図8はロータおよび斜板を1本のシンクロピンで結合した場合のロータおよび斜板の位相差を示すグラフ、図9は位相が72°ずつ異なる5本のシンクロピンについてロータおよび斜板の位相差を示すグラフ、図10は本実施例によるロータおよび斜板の位相差を示すグラフ、図11はロータの位相の変化に伴って長溝の内部を移動するシンクロピンの軌跡を示す図、図12はロータの位相の変化に伴って変化するシンクロピンと長溝との位置関係を示す図である。
図1〜図5に示すように、本実施例の膨張機Eは例えばランキンサイクル装置に使用されるもので、作動媒体としての高温高圧蒸気の熱エネルギーおよび圧力エネルギーを機械エネルギーに変換して出力する。膨張機Eのケーシング11は、ケーシング本体12と、ケーシング本体12の前面開口部にシール部材13を介して複数本のボルト14…で結合される前部カバー15と、ケーシング本体12の後面開口部にシール部材16を介して複数本のボルト17…で結合される後部カバー18と、ケーシング本体12の下面開口部にシール部材19を介して複数本のボルト20…で結合されるオイルパン21とで構成される。
ケーシング11の中央を前後方向に延びる軸線Lまわりに回転可能に配置されたロータ22は、その前部を前部カバー15に設けた組み合わせアンギュラベアリング23f,23rによって支持され、その後部をケーシング本体12に設けたラジアルベアリング24によって支持される。前部カバー15の後面に斜板ホルダ28が一体に形成されており、この斜板ホルダ28にラジアルベアリング29を介して斜板31が回転自在に支持される。斜板31の軸線Lsは前記ロータ22の軸線Lに対して傾斜しており、その傾斜角は固定である。
ロータ22は、組み合わせアンギュラベアリング23f,23rで前部カバー15に支持された出力軸32と、出力軸32の外周に嵌合してノックピン25で固定された球状部材26と、出力軸32の後部に一体に形成されたロータ本体33と、ロータ本体33の後面にメタルガスケット34を介して複数本のボルト35…で結合され、前記ラジアルベアリング24でケーシング本体12に支持されたロータヘッド36とを備える。
ロータ本体33には5個のスリーブ支持孔33a…が軸線Lまわりに72°間隔で形成されており、それらのスリーブ支持孔33a…に5本のシリンダスリーブ37…が後方から嵌合する。各々のシリンダスリーブ37の後端にはフランジ37aが形成されており、このフランジ37aがロータ本体33のスリーブ支持孔33aに形成した段部33bに嵌合した状態でメタルガスケット34に当接して軸方向に位置決めされる(図3参照)。各々のシリンダスリーブ37の内部にピストン38が摺動自在に嵌合しており、ピストン38の外周には2本の圧縮リング39,39と1本のオイルリング40とが支持される。メタルガスケット34とロータヘッド36に接合された環状の蓋部材41とピストン38の頂面との間に蒸気の膨張室42が区画される。
ピストン38の内部にコネクティングロッドホルダ43が嵌合してクリップ44で係止されており、コネクティングロッド45の後端の球状部45aがコネクティングロッドホルダ43に揺動自在に連結され、前端の球状部45bが斜板31に揺動自在に連結される。このとき、斜板31の後面に複数本のボルト27…でカバー部材76が固定され、このカバー部材76によってコネクティングロッド45の前端の球状部45bが抜け止めされる。
5個のシリンダスリーブ37…および5個のピストン38…はアキシャルピストン・シリンダ群55を構成する。
出力軸32の外周に固定された球状部材26に軸線L方向に延びる5本の長溝26a…が72°間隔で形成されており、環状をなす斜板31の開口31aの内周面に雄ねじ部77aを螺合により、またはインロー嵌合にて72°間隔で放射状に固定された5本のシンクロピン77…は、その頭部77b…が対応する長溝26a…に緩く嵌合する。図5に良く示されるように、球状部材26の各長溝26aの幅は軸線Lを中心とする径方向に一定であるが、長溝26aに緩く嵌合するシンクロピン77の頭部77bは径方向外側が細くなるように2°の角度をもってテーパーしている。従って、出力軸32と斜板31とが僅かに相対回転したとき、シンクロピン77の頭部77bは長溝26aの内面に線接触し、接触部の面圧低下により摩耗を抑制することができる。また5本のシンクロピン77…は5本のコネクティングロッド45…の間に配置されており、これによりシンクロピン77…およびコネクティングロッド45…の干渉を効果的に回避することができる。
図3および図6に詳細に示されるように、ロータ22の軸線Lと斜板31の軸線Lsとは交点Cにおいて交差しており、交点Cを通る斜板回転面Ps(斜板31の軸線Lsに直交する平面)に対して、5本のコネクティングロッド45…の斜板31側の球状部45b…は、所定距離δだけピストン38…側にオフセットされている。このオフセットによりコネクティングロッド45…の斜板31側の球状部45b…は図3において下側に偏位するが、このとき上死点にあるピストン38(図3の上側に示されるピストン38)に連なるコネクティングロッド45がロータ22の軸線Lと略平行になるように、オフセット量が設定される。従って、ピストン38が上死点にあるときにコネクティングロッド45はロータ22の軸線Lと略平行になり、上死点から下死点を経て再度上死点に戻る間、コネクティングロッド45はロータ22の軸線Lに対して傾斜することになる。
また5本のシンクロピン77…は前記斜板回転面Ps上に配置されているため、斜板31のトルクを球状部材26に伝達する際に偏荷重が発生しないようにしてスムーズなトルク伝達を可能にすることができる。
前部カバー15の前面にシール部材91を介して板状のベアリングホルダ92が重ね合わされてボルト93…で固定され、そのベアリングホルダ92の前面にシール部材94を介してオイルポンプ49のポンプボディ95が重ね合わされてボルト96…で固定される。組み合わせアンギュラベアリング23f,23rは、前部カバー15の段部とベアリングホルダ92との間に挟まれて軸線L方向に固定される。
出力軸32に固定した球状部材26と組み合わせアンギュラベアリング23f,23rのインナーレースとの間に所定厚さのシム97が挟持され、出力軸32の外周に螺合するナット98で組み合わせアンギュラベアリング23f,23rのインナーレースが締め付けられる。その結果、出力軸32は組み合わせアンギュラベアリング23f,23rに対して、つまりケーシング11に対して軸線L方向に位置決めされる。
ロータ22と一体の出力軸32内部に軸線L上に延びるオイル通路32aが形成されており、このオイル通路32aの後端部内周がオイル通路閉塞部材61で閉塞される。オイル通路32aの前端は径方向に分岐して出力軸32の外周の環状溝32bに連通し、オイル通路32aの中間部が径方向に延びるオイル孔32g…に連通し、更にオイル通路32aの後端が径方向に延びるオイル孔32c…を介してスリーブ支持孔33a…に形成した環状溝33c…に連通する。そして前記環状溝33c…とピストン38の外周面とは、シリンダスリーブ37…を貫通するオイル孔37b…を介して連通し、また前記オイル孔32g…は球状部材26に形成したオイル孔26b…を介して長溝26a…の内面に連通する。
ポンプボディ95の前面に形成した凹部95aと、ポンプボディ95の前面にシール部材56を介して複数本のボルト57…で固定したポンプカバー58との間に配置されたトロコイド型のオイルポンプ49は、前記凹部95aに回転自在に嵌合するアウターロータ50と、出力軸32の外周に固定されてアウターロータ50に噛合するインナーロータ51とを備える。オイルパン21の内部空間はオイルパイプ52およびポンプボディ95のオイル通路95bを介してオイルポンプ49の吸入ポート53に連通し、オイルポンプ49の吐出ポート54はポンプボディ95のオイル通路95cを介して出力軸32の環状溝32bに連通する。
ロータ22の5個の膨張室42…に蒸気を供給・排出するロータリバルブ64が、ロータ22の後方の軸線L上に配置される。ロータリバルブ64はバルブ本体部65と、固定側バルブプレート66と、可動側バルブプレート67とを備える。可動側バルブプレート67は、ロータ22の後面にノックピン68で回転方向に位置決めされた状態で、オイル通路閉塞部材61に螺合するボルト69で固定される。可動側バルブプレート67に平坦な摺動面70を介して当接する固定側バルブプレート66はバルブ本体部65と一体に形成されており、バルブ本体部65はノックピン71で後部カバー18に軸線L方向に移動可能かつ回転方向に移動不能に係止される。軸線Lを囲むように配置した複数個のプリロードスプリング72…で後部カバー18に対してバルブ本体部65を前方に押圧することで、固定側バルブプレート66および可動側バルブプレート67が摺動面70において密着する。そしてバルブ本体部65の後面に蒸気供給パイプ73が接続される。
次に、上記構成を備えた本実施例の膨張機Eの作用を説明する。
蒸発器で水を加熱して発生した高温高圧蒸気は蒸気供給パイプ73からロータリバルブ64のバルブ本体部65および固定側バルブプレート66に形成した蒸気通路を経て、可動側バルブプレート67との摺動面70に達する。そして摺動面70に開口する蒸気通路はロータ22と一体に回転する可動側バルブプレート67に形成した対応する蒸気通路に所定の吸気期間において瞬間的に連通し、高温高圧蒸気は可動側バルブプレート67の蒸気通路からシリンダスリーブ37内の膨張室42に供給される。
ロータ22の回転に伴って膨張室42への蒸気の供給が絶たれた後も膨張室42内で高温高圧蒸気が膨張することで、シリンダスリーブ37に嵌合するピストン38が上死点から下死点に向けて前方に押し出され、ピストン38に連結されたコネクティングロッド45が斜板31を押圧する。その結果、斜板ホルダ28から受ける反力で斜板31に回転トルクが与えられ、その回転トルクは斜板31に固定した5本のシンクロピン77…の頭部77b…の外周に嵌合する長溝26a……から球状部材26を介して出力軸32に伝達され、ロータ22と共に出力軸32を回転させる。そしてロータ22が5分の1回転する毎に、相隣り合う新たな膨張室42内に高温高圧蒸気が供給されてロータ22が連続的に回転駆動される。
ロータ22の回転に伴って下死点に達したピストン38が斜板31に押圧されて上死点に向かって後退する間に、膨張室42から押し出された低温低圧蒸気は、ロータ22と一体の可動側バルブプレート67から摺動面70、固定側バルブプレート66およびバルブ本体部65を経て凝縮器に排出される。
ロータ22の回転に伴って出力軸32に設けたオイルポンプ49が作動し、オイルパン21からオイルパイプ52、ポンプボディ95のオイル通路95b、吸入ポート53を経て吸入されたオイルが吐出ポート54から吐出され、ポンプボディ95のオイル通路95c、出力軸32の環状溝32b、出力軸32のオイル通路32a、出力軸32のオイル孔32c…、ロータ本体33の環状溝33c…およびシリンダスリーブ37のオイル孔37b…を経てピストン38…とシリンダスリーブ37…との摺動面に供給され、その摺動面を潤滑する。また出力軸32のオイル通路32a内のオイルは、出力軸32のオイル孔32g…および球状部材26のオイル孔26b…を経て長溝26a…に供給され、長溝26a…とシンクロピン77の頭部77b…との摺動面を潤滑する。
アキシャルピストン・シリンダ群55のピストン38…が発生する軸線L方向の推力を斜板31を介してロータ22の回転力に変換する際に、ピストン38…を直接斜板31に当接させることなく、ピストン38…をコネクティングロッド45…を介して斜板31に連結したので、斜板31から受ける反力によりピストン38…に作用する曲げモーメントを最小限に抑えることができる。これにより、高温高圧蒸気が凝縮した水がオイルに混入して潤滑条件が悪化しても、ピストン38…とシリンダスリーブ37…との摺動面のコジリを回避して異常摩耗の発生を防止し、かつ前記摺動面の摩擦力を低減して膨張機Eの効率を向上することができる。またピストン38…の曲げモーメントが最小限に抑えられるので、ピストン38…の軸線L方向寸法を短縮して膨張機Eを小型化し、かつピストン38…の要求強度を下げて軽量化を図ることができる。更に、ピストン38…の小型化によりヒートマスが低減するため、ピストン38…を通しての熱逃げを減少させて膨張機Eの効率を高めることができる。
特に、ピストン38が上死点の近傍にあるときに、つまり吸気行程において膨張室42に高温高圧蒸気が供給されてピストン38が最大の荷重で前方に押し出され、斜板31からの反力がコネクティングロッド45を介してピストン38に強く作用するとき、コネクティングロッド45がロータ22の軸線Lと略平行であるため、ピストン38およびシリンダスリーブ37の摺動面に加わる径方向の荷重を最小限に抑え、前記摺動面にコジリや異常摩耗が発生するのを防止するとともに、摩擦抵抗を低減して膨張機Eの出力向上に寄与することができる。
尚、膨張行程の終期や排気行程ではロータ22の軸線Lに対するコネクティングロッド45の傾斜角が大きくなるが、このとき斜板31からのコネクティングロッド45を介してピストン38に作用する反力荷重は小さくなるので、ピストン38およびシリンダスリーブ37の摺動面にコジリや異常摩耗が発生する虞はない。
以上のように、斜板31の直径を拡大してピストン38…のストロークを増加させることで膨張機Eの出力向上を図っても、斜板回転面Psに対してのコネクティングロッド45…の球状部45b…を所定距離δだけピストン38側にオフセットすることで、ロータ22の軸線L方向に前記球状部45b…の中心を投影すると、その軌跡はδ・sinαだけ下死点方向に中心がオフセットした楕円軌道となり、上死点近傍のピストン38のコネクティングロッド45の傾斜角を小さくし、ピストン38…およびシリンダスリーブ37…の摺動面の摩擦抵抗を低減することが可能になる(図7(A)参照)。
それに対し、図7(C)に示すように、斜板31の直径を単に拡大しただけでは、上死点のピストン38に連なるコネクティングロッド45の傾斜角が増加してピストン38およびシリンダスリーブ37の摺動面の摩擦抵抗が増加してしまい、また図7(B)に示すように、斜板31の直径を縮小すると、コネクティングロッド45の傾斜角は小さくなるが、ピストン38のストロークが減少して膨張機Eの出力が低下してしまう。
図8には、ロータ22および斜板31を1本のシンクロピンで結合したと仮定した場合の、ロータ22および斜板31の位相差が示される。この場合、ロータ22の軸線Lと斜板31の軸線Lsとは傾斜しているため、前記1本のシンクロピンは不等速ジョイントを構成し、ロータ22が一定の角速度で回転しても斜板31の角速度は変動する。この理由により、ロータ22の回転に伴って該ロータ22の位相と斜板31の位相とは不一致になる。
例えば、図8において♯1ピストン38が上死点にあるとき、ロータ22の位相と斜板31の位相とが共に0°で一致しているとすると、ロータ22が1回転する間にロータ22および斜板31の位相差は正弦波状に2周期に亘って変動する。従って、♯2ピストン38が上死点に達したときに前記位相差は約+1°になり、♯3ピストン38が上死点に達したときに前記位相差は約−2°になり、♯4ピストン38が上死点に達したときに前記位相差は約+2°になり、♯5ピストン38が上死点に達したときに前記位相差は約−2°になる。
このように、それぞれのピストン38についてロータ22および斜板31の位相差が異なると、膨張室42の容積はロータ22および斜板31の位相差により変化することから、各膨張室42毎に高温高圧蒸気の膨張比が不均一になってしまい、特定の膨張室42に対して最適の吸気タイミングや排気タイミングを設定しても、他の膨張室42については最適のタイミングが得られなくなる。そして各シリンダスリーブ37およびピストン38のセット毎の出力が異なることで、低次数(回転一次あるいは二次)の振動が発生する問題がある。
しかしながら本実施例によれば、5本のシンクロピン77…を円周方向に等間隔に配置し、ロータ22の回転に伴って5本のシンクロピン77…を順番に機能させることで、各ピストン38についてロータ22および斜板31の位相差が均一になるようにし、上述した問題を解消することができる。以下、その理由を更に説明する。
図9に示す5本の正弦波は、♯1ピストン38〜♯5ピストン38がそれぞれ上死点にあるときにロータ22および斜板31の位相差を0°に設定した場合の、ロータ22および斜板31の位相差の変動を示している。シンクロピン77が1本の場合には、前記位相差は±2°の範囲で変動するが、72°間隔で配置した5本のシンクロピン77…がロータ22および斜板31間に位相差が発生するのを順次抑制することで、図10に太い実線で示したように、前記位相差は+2°付近の略一定値をとるようになり、5個の膨張室42…の全てについて均一かつ最適の吸気タイミングや排気タイミングを設定して膨張機Eの出力の向上や振動の抑制が可能になる。
図11および図12は出力軸32の球状部材26の長溝26a内をシンクロピン77が移動する様子を説明するもので、図12において黒く塗りつぶしたシンクロピン77はロータ22の回転に伴って移動する同じシンクロピン77を示している。シンクロピン77が位相0°の上死点にあるとき(図12(A)参照)、そのシンクロピン77は長溝26aの幅方向(ロータ22の回転方向)中央の(1)の位置にある。ロータ22が位相45°の位置に回転すると(図12(B)参照)、シンクロピン77は長溝26aの内部を軸線L方向に移動しながらロータ22の回転方向進み側に移動し、長溝26aの一側面の(2)の位置に当接する。この状態で該シンクロピン77を介して斜板31からロータ22にトルクが伝達される。
ロータ22が位相90°の位置に回転すると(図12(C)参照)、シンクロピン77は長溝26aの内部を軸線L方向に移動しながらロータ22の回転方向遅れ側に移動して長溝26aの幅方向中央の(3)の位置に戻り、更にロータ22が位相135°の位置に回転すると(図12(D)参照)、シンクロピン77は長溝26aの内部を軸線L方向に移動しながらロータ22の回転方向遅れ側に移動して長溝26aの他側面の(4)の位置に当接するが、前記長溝26aの他側面はロータ22の回転方向遅れ側にあるためにシンクロピン77は斜板31からロータ22へのトルク伝達には寄与しない。そしてロータ22が位相180°の位置に回転すると(図12(E)参照)、シンクロピン77は長溝26aの内部を軸線L方向に移動しながらロータ22の回転方向進み側に移動し、長溝26aの幅方向中央の(5)の位置に戻る。
ロータ22が位相180°から位相360°までの後半部分を回転するとき、シンクロピン77は図11において鎖線で示すように、長溝26aの内部を上述した位相0°から位相180°までの前半部分と逆方向に移動する。このとき、シンクロピン77は位相225°の位置(つまり(6)の位置)で長溝26aの回転方向進み側の一側面に当接する。この状態で該シンクロピン77を介して斜板31からロータ22のトルクが伝達される。尚、図11における括弧付き数字(1)〜(9)は、図8における括弧付き数字(1)〜(9)に対応する。
このように、5本のシンクロピン77を設けたことにより、ロータ22が1回転する間に5本のシンクロピン77が順番に長溝26aの回転方向進み側の一側面に2回ずつ当接することで、斜板31からロータ22へのトルク伝達が連続的に行われる。そして前記トルク伝達が行われるタイミングは、上死点からの位相が45°位置と225°の位置とであって全てのシンクロピン77について同じであるため、5個のピストン38がロータ22に対して均等に駆動することに寄与することができる。
シンクロピン77…の数をn(nは2以上の自然数)とするとロータ22が1回転する間に2n次の位相変動が発生することになり、nが増加するほど振動周期が短くなって振動低減に寄与することができる。しかもシンクロピン77…の数が増加すると各シンクロピン77が負担する荷重が減少するため、その耐久性を高めることができる。特に、5本のシンクロピン77…を等間隔で配置したことにより、ロータ22および斜板31間の位相差を効果的に減少させるとともに、振動の低減効果を一層高めることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の回転流体機械の用途は圧縮性流体を作動媒体とする膨張機Eに限定されず、圧縮性流体を作動媒体とする圧縮機や、非圧縮性流体を作動媒体とするポンプあるいはモータであっても良い。
また実施例は5本のシンクロピン77…を備えているが、シンクロピン77…の本数は複数本でありさえすれば適宜変更可能であり、その本数が増加するほど位相差を効果的に減少させることができる。
また実施例のシンクロピン77の頭部77bは円形断面であるが、それを四角形断面や楕円形断面にすることができる。四角形断面を採用するとシンクロピン77の頭部が長溝26aに面接触するため、その耐久性を更に高めることができる。
膨張機の縦断面図 図1の2−2線矢視図 図1の3部拡大図 図3の4−4線断面図 図3の5−5線断面図 ロータの回転に伴うコネクティングロッドの傾きを説明する図 コネクティングロッドの斜板側の球状部のオフセットによる効果を説明する図 ロータおよび斜板を1本のシンクロピンで結合した場合のロータおよび斜板の位相差を示すグラフ 位相が72°ずつ異なる5本のシンクロピンについてロータおよび斜板の位相差を示すグラフ 本実施例によるロータおよび斜板の位相差を示すグラフ ロータの位相の変化に伴って長溝の内部を移動するシンクロピンの軌跡を示す図 ロータの位相の変化に伴って変化するシンクロピンと長溝との位置関係を示す図
符号の説明
11 ケーシング
22 ロータ
31 斜板
38 ピストン
45 コネクティングロッド
45a 球状部(ピボット部)
45b 球状部(ピボット部)
55 アキシャルピストン・シリンダ群
77 シンクロピン(連結手段)
C ロータの軸線と斜板の軸線との交点
E 膨張機
L ロータの軸線
Ls 斜板の軸線
Ps 斜板回転面
δ 所定距離

Claims (3)

  1. ケーシング(11)に回転自在に支持されたロータ(22)と、
    ロータ(22)にその軸線(L)を囲むように設けられたアキシャルピストン・シリンダ群(55)と、
    ロータ(22)の軸線(L)に対して傾斜した軸線(Ls)を有してケーシング(11)に回転自在に支持された斜板(31)と、
    アキシャルピストン・シリンダ群(55)のピストン(38)をピボット部(45a,45b)を介して斜板(31)に連結するコネクティングロッド(45)と、
    斜板(31)をロータ(22)に連結する連結手段(77)と、
    を備えた回転流体機械において、
    コネクティングロッド(45)の斜板(31)側のピボット部(45b)を、ロータ(22)の軸線(L)と斜板(31)の軸線(Ls)との交点(C)を通って該斜板(31)の軸線(Ls)に直交する斜板回転面(Ps)に対して、斜板(31)の軸線(Ls)方向のピストン(38)側に所定距離(δ)だけオフセットして配置したことを特徴とする回転流体機械。
  2. 前記所定距離(δ)を、上死点にあるピストン(38)のコネクティングロッド(45)がロータ(22)の軸線(L)と略平行になるように設定したことを特徴とする、請求項1に記載の回転流体機械。
  3. 膨張機(E)として機能することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の回転流体機械。
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