JP2005169502A - 流体検出装置、流体検出方法及び鋳造方法 - Google Patents

流体検出装置、流体検出方法及び鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 装置の大型化を招くことなく流体の位置を精度高く検出することができる流体検出装置、流体検出方法及び鋳造方法を提供する。
【解決手段】 溶融金属5が流入する鋳型3に空芯の第1、第2コイル15,16を配置した。溶融金属5が例えば第1コイル15に近づくと、第1コイル15に流れる電流により溶融金属5に渦電流21が発生して第1コイル15のインダクタンスが変化し、第1コイル15に流れる電流の周波数が変化し、この周波数変化量に基づいて溶融金属5を検出する。このため、渦電流の値を大きくせずに検出でき、コイルの巻き数の増加や芯の追加が不要となり、装置を小型化できる。コイル15,16は空芯とされ、芯材の耐用温度に制約されることがないので、コイル15,16を溶融金属5に極力近づけて、検出精度を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋳造装置の型のキャビティに流入される溶融金属の位置などを把握するためなどに用いられる流体検出装置、流体検出方法及び鋳造方法に関する。
ダイカスト法などのように、ダイカスト装置の型のキャビティに溶融金属を流入させて前記溶融金属を凝固させる鋳造方法では、空気抜き装置を設け、空気抜き装置に備えられている真空ポンプで前記キャビティ内のガスを排気し、良好な製品を得ることが一般的に行われる。
しかしながら、上述した空気抜き方法では、溶融金属のキャビティに対する位置を適切に把握した上で真空ポンプに真空引きを行わなければ、溶融金属を真空ポンプに吸い込んでしまい、真空ポンプひいては空気抜き装置の故障を招くことが起こり得た。このような問題点を改善するために、溶融金属の位置を適切に把握することが望まれている。
この要望に応えるために、例えば、鋼板の探傷等に用いられる渦電流センサを用いることが考えられる。しかしながら、この渦電流センサでは、検出距離が非常に小さく、直径20mm程度のコイルを用いた渦電流センサで、検出距離は0.5mm程度である。このため、数mm程度の検出距離が必要とされる前記溶融金属の位置検出に、前記渦電流センサを、そのままで用いることはできなかった。
この対策として、渦電流センサのコイルに、フェライトコアなどの磁気特性のよい芯を用いたり、コイルの巻き数を数百回と多くして、コイルインピーダンスを上げることが考えられる。
しかしながら、この場合には、コイル径が大きくなり、これに伴い渦電流センサのサイズが大きくなるという問題があった。さらに、コイルの芯材の磁気特性は、温度により大きく変化する上、高温になると磁力が失われる性質がある。この温度(キュリー点)は、例えばフェライトでは200℃程度である。このような温度上の制約があることなどから、上記対策を施した渦電流センサでも、前記溶融金属を適切には位置検出できなかった。
また、前記溶融金属の位置検出を行うために、特許文献1の装置を用いることが考えられる。この特許文献1の装置は、励磁コイルおよび該励磁コイルを間にして配置された2つの検出コイルからなるセンサの前記励磁コイルによって、ノズル内を流れる溶鋼に渦電流を発生させ、前記渦電流により生じた交流磁場によって、前記2つの検出コイルに交流電圧を発生させ、前記2つの交流電圧の差に相当する誘起電圧の振幅を前記センサの出力電圧とし、このセンサの出力電圧を用いて、ノズルの内面とノズル内を流れる溶鋼との間の距離を測定する(特許文献1の明細書の段落「0019」及び「0020」並びに図1)ようにしている。
特開平7−276018号公報
しかしながら、上述した特許文献1の装置では、センサの出力電圧は、検出コイルに誘起される交流電圧の大きさに基づいて得られるものであり、良好な検出精度を確保するためには、大きな渦電流を発生する必要があり、これに伴いコイル巻き数を多くしたり、磁気特性のよい芯を採用するなどの対策が必要とされる。このため、特許文献1の装置でも、上述したのと同様に、コイル径が大きくなり、これに伴いセンサのサイズが大きくなるという問題が惹起することになる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置の大型化を招くことなく流体の位置を精度高く検出することができる流体検出装置、流体検出方法及び鋳造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の流体検出装置に係る発明は、導電性材料からなる流体の進行部分の近傍に配置され前記流体に発生させた渦電流によりインダクタンスが変化する空芯のコイルと、該コイルを流れる電流の周波数変化量を計測する周波数変化量計測回路と、該周波数変化量計測回路が計測する周波数変化量に基づいて前記流体の流れを検出する流体検出部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の流体検出装置において、前記コイルは、軸心を流体の進行方向に直交する方向に向けて配置されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の流体検出装置において、前記コイルには高周波電流が供給されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3までのいずれかに記載の流体検出装置において、前記コイルはボビンに保持され、該ボビンはセラミック製とされたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4までのいずれかに記載の流体検出装置において、流体検出部は、周波数変化の大きさにより、前記流体の大部分を占める主流部であるか又は流体における前記主流部から分離した飛沫であるかを判定することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5までのいずれかに記載の流体検出装置において、前記コイルは、前記流体の進行方向に沿って位置を変えて配置された複数個からなることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6までのいずれかに記載の流体検出装置において、前記流体は、空気抜き装置を備えた鋳造装置の型のキャビティに流入される溶融金属であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の流体検出装置において、前記流体検出部が検出する流体の流れに基づいて空気抜き装置の作動を停止することを特徴とする。
請求項9に記載の流体検出装置に係る発明は、導電性材料からなる流体の進行部分の近傍に配置され前記流体に発生させた渦電流によりインダクタンスが変化する空芯のコイルと、該コイルに対して高周波電流を供給する高周波発振器と、周波数が前記高周波電流の周波数に近い大きさとされた基準周波数電流を出力する基準周波数発振器と、前記コイル及び高周波発振器からなるセンサ回路を流れるセンサ回路電流及び前記基準周波数発振器からの基準周波数電流を混合し、周波数がセンサ回路電流の周波数及び基準周波数電流の周波数の差に相当する大きさの検波電流を出力する混合・検波回路と、前記検波電流の周波数変化量を計測する周波数変化量計測回路と、該周波数変化量計測回路が計測する周波数変化量に基づいて前記流体の流れを検出する流体検出部と、を備えたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の流体検出装置において、前記高周波発振器、前記基準周波数発振器及び前記混合・検波回路は、前記周波数変化量計測回路及び前記流体検出部とは分離された状態で、ヘッドアンプとして一体的に構成され、かつ前記コイルの近傍に配置されることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10記載の流体検出装置において、前記コイルは、軸心を流体の進行方向に直交する方向に向けて配置されたことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項9から11までのいずれかに記載の流体検出装置において、前記コイルはボビンに保持され、該ボビンはセラミック製とされたことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項9から12までのいずれかに記載の流体検出装置において、流体検出部は、周波数変化の大きさにより、前記流体の大部分を占める主流部であるか又は流体における前記主流部から分離した飛沫であるかを判定することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項9から13までのいずれかに記載の流体検出装置において、前記コイルは、前記流体の進行方向に沿って位置を変えて配置された複数個からなることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項9から14までのいずれかに記載の流体検出装置において、前記流体は、空気抜き装置を備えた鋳造装置の型のキャビティに流入される溶融金属であることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の流体検出装置において、前記流体検出部が検出する流体の流れに基づいて空気抜き装置の作動を停止することを特徴とする。
請求項17に記載の流体検出方法に係る発明は、請求項1から16までのいずれかに記載の流体検出装置を用いて前記流体の流れを検出することを特徴とする。
請求項18に記載の鋳造方法に係る発明は、請求項7、8、15又は16に記載の流体検出装置を用いて前記溶融金属の流れを検出することを特徴とする。
請求項1から18に記載の発明によれば、流体がコイルに近づくと、コイルに流れる電流により、流体に渦電流が発生し、これに伴いコイルのインダクタンスが変化して、コイルに流れる電流の周波数が、それ以前に比して変化する。この周波数変化量に基づいて流体を検出する。流体の検出を電流の周波数変化に基づいて行うので、渦電流を大きくせずに流体を検出でき、コイル巻き数の増加や芯の追加が不要となる分、装置を小型化できる。また、流体の位置を空芯のコイルを用いて検出するので、芯材の耐用温度に制約されることがなくなり、これに伴いコイルを流体に極力近づけることができ、検出精度を向上させることができる。
また、請求項9から16に記載の発明によれば、混合・検波回路が、コイル及び高周波発振器からなるセンサ回路を流れるセンサ回路電流及び基準周波数発振器からの基準周波数電流を混合し、周波数がセンサ回路電流の周波数及び基準周波数電流の周波数の差に相当する大きさの検波電流を出力し、周波数変化量計測回路が検波電流の周波数変化量を計測し、流体検出部が周波数変化量計測回路が計測する周波数変化量に基づいて流体の流れを検出するので、流体の流れ検出を、コイルに流れる電流よりも低周波の検波電流を用いて行なえ、ノイズの低減が可能で検出最小分解能を小さくできる。このためS/N比の向上が図れてコイルひいては装置を小型化することができる。
以下、本発明の第1実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1において、流体検出装置1は、ダイカスト装置(鋳造装置)2に用いられ、このダイカスト装置2の鋳型3(型)のキャビティ4に押し流されるアルミ合金(流入時の温度:780℃未満)からなる溶融金属5(導電性材料からなる流体)の変位を検出する。ダイカスト装置2は、固定型6及びこの固定型6と共にキャビティ4を形成する可動型7からなる鋳型3を有し、溶融金属5をキャビティ4へ流入させて製品を成形するようにしている。本実施の形態では、キャビティ4は、図1左側から右側に延びる形状をなし、溶融金属5は、キャビティ4の図1左側端部(以下、便宜上、キャビティ左側端部4aという。)から流入され、図1右側端部(以下、便宜上、キャビティ右側端部4bという。)に向けて押し流される。
固定型6には、溶融金属5の進行方向(図1右方向)に沿って位置を変えて2つの孔(以下、図1左側,右側の孔を夫々、第1孔11、第2孔12という。)が形成されている。第1、第2孔11,12は、キャビティ4の長手方向と直交する方向に延びる形状とされている。
第1、第2孔11,12には、円柱状のセラミックス(耐熱温度:1000℃以上)製のボビン14が夫々挿入されている。各ボビン14は,予め筒状に形成され、その内側に空芯の銅製のコイル(耐熱温度:瞬時780℃以上)が収納されている。さらに、筒状状態のボビン14には、前記コイルを収納した状態で前記セラミックスが充填され、ボビン14は全体として円柱状とされている。第1、第2孔11,12に夫々対応したコイルを、以下、第1、第2コイル15,16という。第1、第2コイル15,16は、軸心を溶融金属5の進行方向に直交する方向に向けて配置されている。
本実施の形態では、コイル(第1、第2コイル15,16)に高周波電流(周波数が1MHz以上の電流)を流し、高周波の磁界20を発生させ、このコイル(第1、第2コイル15,16)に測定対象である溶融金属5が近づくと、溶融金属5側に渦電流21が発生し、この渦電流21の磁界によりコイル(第1、第2コイル15,16)のインダクタンス(ひいてはインピーダンス)が変化し、これに伴いコイル(第1、第2コイル15,16)を含む後述する第1、第2発振回路29a,29bの発振周波数(第1、第2発振周波数F1,F2)が変化することを利用し、移動する溶融金属5の先端の位置、キャビティ4における長手方向の位置に対応した溶融金属5の充填率、溶融金属5の移動速度(流速)V等を検出するようにしている。
第1、第2コイル15,16は、高周波発振器23に接続されている。高周波発振器23は、第1、第2コイル15,16に夫々接続される第1、第2増幅側回路24,25を有している。第1増幅側回路24は、第1コイル15と共に発振周波数(前記第1発振周波数)F1を規定するために用いられるコンデンサ(以下、第1コンデンサという。)26aと、第1発振周波数F1の電流を継続して出力するための増幅回路(以下、第1増幅回路という。)27aと、を備えている。第1増幅回路27aには、電源(以下、第1電源という。)28aが含まれており、第1コイル15及び第1コンデンサ26aに継続して電流を供給し得るようにしている。第1コイル15及び第1増幅側回路24(第1コンデンサ26a及び第1増幅回路27a)により発振回路(以下、第1発振回路という。)29aが形成されている。
第2増幅側回路25は、第1増幅側回路24と同様に、第2コイル16と共に発振周波数(前記第2発振周波数)F2を規定するために用いられるコンデンサ(以下、第2コンデンサという。)26bと、第2発振周波数F2の電流を継続して出力するための増幅回路(以下、第2増幅回路という。)27bと、を備えている。第2増幅回路27bには、電源(以下、第2電源という。)28bが含まれている。第2コイル16及び第2増幅側回路25(第2コンデンサ26b及び第2増幅回路27b)により発振回路(以下、第2発振回路という。)29bが形成されている。
第1、第2増幅回路27a,27bには、第1、第2コイル15,16から分岐するように信号処理装置32が接続されている。信号処理装置32は、第1、第2発振回路29a,29bを流れる電流(以下、第1、第2電流33a,33bという。)の周波数〔前記第1、第2発振周波数F1,F2に相当する。〕を夫々計測する周波数計測回路34と、第1電流33aの周波数変化量(周波数の変化の大きさ)f01及び第2電流33bの周波数変化量(周波数の変化の大きさ)f02を個別に計測する周波数変化量計測回路35と、周波数変化量計測回路35の計測結果に基づいて演算を行い溶融金属5の流れを検出し、検出内容に応じた制御信号36を出力するコントローラ(流体検出部)37と、を備えている。コントローラ37には、表示器38が接続されており、制御信号36に基づいて画像表示を行うようにしている。
周波数計測回路34は、第1、第2電流33a,33bについて、その波形から夫々の周期を求め、その逆数から周波数(第1、第2発振周波数F1,F2)を算出している。この場合、前記周波数(第1、第2発振周波数F1,F2)は、各波形毎に算出したり、あるいは一定数の波形をブロックとしてそのブロックの平均周期を求め、その平均周期の逆数から算出している。前記周波数(第1、第2発振周波数F1,F2)の算出については、上述した波形毎及びブロック毎の算出のいずれの場合にも、継続して行っており、各周波数変化量f01,f02を継続して求められるようにしている。
周波数変化量計測回路35は、周波数計測回路34で継続して算出される周波数(第1、第2発振周波数F1,F2)に基づいて、第1電流33aの周波数変化量f01及び第2電流33bの周波数変化量f02を別個に求めるようにしている。
本実施の形態では、溶融金属5がコイル(第1、第2コイル15,16)の配置部分に到達すると、上述したように溶融金属5に渦電流21が発生することに伴い、第1、第2コイル15,16のインダクタンスが変化し、それ以前の状態に比べて、第1、第2電流33a,33bの周波数(第1、第2発振周波数F1,F2)が大きく変化する。コントローラ37は、この第1、第2発振周波数F1,F2の各変化量f01,f02に夫々対応する基準値(以下、第1、第2周波数変化量基準値という。)K1,K2を予め比較対象として記憶している。また、コントローラ37は、第1電流33aの周波数変化量f01が第1周波数変化量基準値K1を示す時刻(以下、第1時刻という。)T1、第2電流33bの周波数の変化量f02が前記第2周波数変化量基準値K2を示した時刻(以下、第2時刻という。)T2及び第1、第2周波数変化量基準値K1,K2を、溶融金属5の移動速度Vの算出などに用いるようにしている。
すなわち、第1時刻T1から第2時刻T2までの時間taと、第1、第2コイル15,16間の長さL0から、溶融金属5の移動速度Vを求める。この移動速度(流速)Vは、前記制御信号36に含まれ、図1に示すように表示器38に表示される。
また、コントローラ37は、第1、第2電流33a,33bの周波数変化量f01,f02が第1、第2周波数変化量基準値K1,K2を示すことに対応して、移動する溶融金属5の先端の位置を検出し、キャビティ4における長手方向の位置に対応した溶融金属5の充填率を算出し、この充填率データを制御信号36に含めて表示器38に出力し、キャビティ4の位置に対応する充填率を表示器38の充填率表示エリア40に表示させるようにしている。
さらに、コントローラ37は、上述したように移動する溶融金属5の先端の位置を検出することに伴い、表示器38の位置表示エリア41に、当該溶融金属5の先端の位置を、図1に示すように点灯表示させる。すなわち、第1電流33aの周波数変化量f01が第1周波数変化量基準値K1を示す(第1コイル15の配置部分に溶融金属5の先端が到達する)と、位置表示エリア41における所定の部位(便宜上、第1部位という。)42aを点灯させる。また、第2電流33bの周波数の変化量f02が第2周波数変化量基準値K2を示す(第2コイル16の配置部分に溶融金属5の先端が到達する)と、位置表示エリア41における第1部位42aの右側の第2部位42bを点灯させる。さらに、第2部位42bの点灯の後、第2コイル16からキャビティ右側端部4aまでの距離〔第2コイル16・キャビティ右側端部4a間距離〕L及び前記溶融金属5の移動速度Vから計算される時間T0が経過した時点で、位置表示エリア41における第2部位42bの右側の第3部位42cを点灯させ、溶融金属5の先端がキャビティ右側端部4aに達したことを表示するようにしている。
上述したように構成した流体検出装置1の作用を図2のフローチャートに基づいて説明する。
キャビティ4への溶融金属5の押し流しに先だって、まず、高周波発振器23が作動され(ステップS1)、第1、第2増幅回路27a,27bに対し夫々、第1、第2電流33a,33bを流す。
そして、溶融金属5がキャビティ4に流入され、その先端が第1コイル15に達すると、溶融金属5に渦電流21が発生し、第1コイル15のインダクタンスが変化して第1電流33aの周波数が変化し、その周波数変化量f01が第1周波数変化量基準値K1に達したか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2でNo〔周波数変化量f01が第1周波数変化量基準値K1に達していない〕と判定すると、再度ステップS2を実行する。ステップS2でYes〔周波数変化量f01が第1周波数変化量基準値K1に達した〕と判定すると、この判定時刻(第1時刻T1)を記憶し、第1部位42aを点灯させ、キャビティ4の位置に対応する充填率を表示器38に表示させ、かつ時間taの計測を開始する(ステップS3)。ステップS3では、充填率は、溶融金属5の先端が第1コイル15に達した状態で示される。
そして、溶融金属5の移動が進んで、その先端が第2コイル16に達すると、溶融金属5に渦電流21が発生し、第2コイル16のインダクタンスが変化して第2電流33bの周波数が変化し、その周波数変化量f02が、第2周波数変化量基準値K2に達したか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4でNo〔周波数変化量f02が第2周波数変化量基準値K2に達していない〕と判定すると、再度ステップS4を実行する。
ステップS4でYes〔周波数変化量f02が第2周波数変化量基準値K2に達した〕と判定すると、この判定時刻(第2時刻T2)を記憶し、第2部位42bを点灯させ、キャビティ4の位置に対応する充填率を表示器38に表示させると共に、第1、第2時刻T1,T2から時間taを算出する (ステップS5)。
ステップS5では、時間ta及び長さL0から溶融金属5の移動速度Vを計算し、かつ移動速度V及び第2コイル16・キャビティ右側端部4a間距離Lから溶融金属5がキャビティ右側端部4aに達するまでの時間T0を算出すると共に、時間tbの計測を開始する。このステップS5では、充填率は、溶融金属5の先端が第2コイル16に達した状態で示される。ステップS5以降、充填率は、溶融金属5が移動速度Vに応じてキャビティ右側端部4bに移動することに合わせて、充填率表示エリア40で溶融金属5の先端が図1右方に移動するように表示される。
続いて、ステップS5で計測が開始された時間tbが前記時間T0に達したか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6でNoと判定すると再度ステップS6を実行する。
ステップS6でYesと判定すると、第3部位42cを点灯させ、溶融金属5の先端がキャビティ右側端部4aに達したことを表示する(ステップS7)。
上述したように本実施の形態によれば、溶融金属5の位置を空芯のコイル(第1、第2コイル15,16)を用いて検出するので、芯材の耐用温度に制約されることがなくなり、これに伴いコイル(第1、第2コイル15,16)を溶融金属5に極力近づけることができ、検出精度を向上させることができる。この場合、第1、第2コイル15,16の保持の為にボビン14を用いているが、ボビン14はセラミック製とされており、十分な耐用温度を有しているので、ボビン14を熱的に保護するための部材を別個に設けなくて済み、装置の大型化を招くことがない。
また、溶融金属5がコイル(第1、第2コイル15,16)に近づくと、コイル(第1、第2コイル15,16)に流れる高周波電流により、溶融金属5に渦電流21が発生し、これに伴いコイル(第1、第2コイル15,16)のインダクタンスが変化し、第1、第2増幅回路27a,27bの発振周波数が変化し、ひいては第1、第2電流33a,33bの周波数が変化すること(すなわち周波数変化量f01,f02)を利用して、位置検出を行うので、渦電流21を大きな値にする必要がなくなる。このため、大きな渦電流21を発生するために必要とされるコイル巻き数の増加や、芯の追加などを行うことなく、溶融金属5の位置(変位)を適正に検出することができる。さらに、コイル巻き数の増加や、芯の追加などを伴わないので、その分、装置の小型化を図ることができる。
本実施の形態では、第1、第2コイル15,16は、軸心を溶融金属5の進行方向に直交する方向に向けて配置されているので、溶融金属5への渦電流21の発生をより効果的に行うことができる。なお、溶融金属5に渦電流21を発生させることができれば、第1、第2コイル15,16の配置は、上記例に限られるものではなく、軸心が溶融金属5の進行方向に略直交する方向に向けて配置されて(溶融金属5の進行方向に対する軸心の傾き角度が例えば80〜100度とされて)いてもよい。
次に、本発明の第2実施の形態を図3及び図4に基づき、図1及び図2を参照して説明する。
この第2実施の形態の流体検出装置1は、第1実施の形態の流体検出装置1に比して、キャビティ4内のエアを吸引するための真空ポンプ50と、真空ポンプ50と鋳型3のキャビティ4とを連通する管部51に設けられて当該管部51を開閉する電磁弁52と、を設けたこと、コントローラ37が溶融金属5の位置に応じて電磁弁52を制御すること、コントローラ37が図4に示すように溶融金属5の主流部5aと分離する飛沫5bを検出し、これに応じて電磁弁52を制御することが主に異なっている。この第2実施の形態では、表示器38(図1参照)を設けていないが、前記第1実施の形態と同様に表示器を設け、溶融金属5の位置及び充填率等を表示させるようにしてもよい。本実施の形態では、真空ポンプ50及び電磁弁52が本発明の空気抜き装置を構成している。
このダイカスト装置2では、キャビティ4内の空気を巻き込んで製品に巣が入ることを避けるために、キャビティ4内の空気を真空ポンプ50で排気するようにしている。この場合、溶融金属5が真空ポンプ50へ吸い込まれてしまうと真空ポンプ50の故障の原因になる。そこで、このダイカスト装置2では、前記第1実施の形態と同様にして溶融金属5の位置を検出し(図2ステップS3、S5)、溶融金属5が真空ポンプ50に吸い込まれる直前で電磁弁52を閉じ、これにより真空ポンプ50の故障を回避して最大限に排気を行うようにしている。
また、溶融金属5は、図4に示すように、キャビティ4への流入の際に、その主流部5aから飛沫5bが飛び出すように分離することがある。この場合に、真空ポンプ50の排気作動がそのまま継続されていると、真空ポンプ50は前記飛沫5bを吸い込んで故障することが起こり得る。そして、このような事態になることを回避するために、本実施の形態では、次のような対策を講じている。
すなわち、コントローラ37は、第1周波数変化量基準値K1より小さい値(飛沫検出用第1基準値)K1a〔K1a<K1〕及び第2周波数変化量基準値K2より小さい値(飛沫検出用第2基準値)K2a〔K2a<K2〕を記憶し、周波数変化量f01,f02との比較に用いるようにしている。
すなわち、コントローラ37は、第1電流33aの周波数変化量f01が値K1a以上で値K1未満である場合、第1コイル15が、溶融金属5の主流部5aでなく飛沫5bの影響を受けたとして、飛沫5bが第1コイル15の部分に達したとの判定(以下,飛沫判定という。)を行う。そして、この飛沫判定と同時に又は所定時間経過後に、電磁弁52を閉じさせ、飛沫5bが真空ポンプ50に吸い込まれることを防止する。
また、コントローラ37は、第2電流33bの周波数変化量f02が値K2a以上で値K2未満である場合、第2コイル16が、溶融金属5の主流部5aでなく飛沫5bの影響を受けたとして、飛沫5bが第2コイル16の部分に達したとの判定(以下,飛沫判定という。)を行う。そして、この飛沫判定と同時に又は所定時間経過後に、電磁弁52を閉じさせ、飛沫5bが真空ポンプ50に吸い込まれることを防止する。
上記実施の形態では、コイルを複数(第1、第2コイル15,16)設け、溶融金属5の移動速度Vについても検出すると共に、位置をより精度高く検出する場合を例にしたが、本発明はこれに限らず、コイルを1個とし、このコイルへの通電に伴い溶融金属5に渦電流が発生し,これによりコイルのインダクタンス(インピーダンス)が変化し,これに応じてコイルに流れる電流の周波数変化量を計測することにより、溶融金属5の流れ(溶融金属5の先端のコイルへの到達)を検出するようにしてもよい。
また、コイルの個数を、3個以上として、溶融金属5の位置をさらに精度高く検出するようにしてもよい。
上記第1、第2実施の形態では、第1、第2増幅回路27a,27bに流れる高周波(略1MH以上)の電流の周波数の変化を周波数計測回路34及び周波数変化量計測回路35(信号処理装置32)を直接的に計測する場合を例にしたが、ラジオ等に用いられヘテロダイン検波等の手段を用いるようにしてもよい。例えば、次の本発明の第3実施の形態(図5〜図8)、第4実施の形態(図9〜図11)、第5実施の形態(図12〜図15)のように構成してもよい。第3〜第5実施の形態は、上述したヘテロダイン検波と同様の信号処理を行ないS/N比を向上させ、後述するように装置の小型化を図るようにしている。
なお、第3〜第5実施の形態(図5〜図15)において、図1〜図4に示す部材及び部分と同等の部材及び部分には,同一の符号を付し、その説明は適宜、省略する。
本発明の第3〜第5実施の形態のうち、まず、第3実施の形態を図5〜図8に基づいて説明する。
図5及び図6において、流体検出装置1Bは、ダイカスト装置(鋳造装置)2Bに用いられ、このダイカスト装置2Bの鋳型3(型)のキャビティ4に押し流されるアルミ合金(流入時の温度:780℃未満)からなる溶融金属5(導電性材料からなる流体)の変位を検出する。ダイカスト装置2Bは、固定型6及びこの固定型6と共にキャビティ4を形成する可動型7からなる鋳型3を有し、溶融金属5をキャビティ4へ流入させて製品を成形するようにしている。鋳型3には、溶融金属5を案内する筒状部材60が接続されている。筒状部材60には、プランジャ駆動機構61により作動されるプランジャ62が挿入されており、溶融金属5を押圧して溶融金属5を鋳型3内に配置されたゲート63を通してキャビティ4へ流入させるようにしている。
固定型6には、後述する多重シールド同軸ケーブル(以下、ヘッドアンプ用ケーブルという。)64に接続されるヘッドアンプ65が、図6に示すように、断熱部材66を介して保持されている。ヘッドアンプ65には、信号処理装置32が接続され、信号処理装置32には表示器38が接続されている。
固定型6には、図6の上下方向に延びるキャビティ4と直交する方向に延びる孔67が形成されている。孔67には、円柱状のセラミックス(耐熱温度:1000℃以上)製のボビン14が挿入されている。ボビン14は、予め筒状に形成され、その内側に空芯の銅製のコイル68(耐熱温度:瞬時780℃以上)が収納されている。さらに、筒状状態のボビン14には、コイル68を収納した状態で前記セラミックスが充填され、ボビン14は全体として円柱状とされている。コイル68は、軸心を溶融金属5の進行方向に直交する方向に向けて配置されている。
本実施の形態では、コイル68には、コイル68に高周波電流(周波数が16MHzの電流)を流す高周波発振器69が接続されている。そして、コイル68に高周波電流が流れることにより高周波の磁界20を発生させ、このコイル68に測定対象である溶融金属5が近づくと、溶融金属5側に渦電流21が発生し、この渦電流21の磁界によりコイル68のインダクタンス(ひいてはインピーダンス)が変化し、これに伴いコイル68及び高周波発振器69からなるセンサ回路70を流れる電流の周波数が変化することを利用し、移動する溶融金属5の先端の位置や溶融金属5の飛沫等を検出するようにしている。
前記ヘッドアンプ65は、高周波発振器69と、高周波発振器69の高周波電流(周波数が16MHzの電流)と500KHzの差がある15.5MHz(基準周波数)の電流を出力する基準周波数発振器71と、センサ回路70ひいてはコイル68に接続されてセンサ回路70を流れるセンサ回路電流の周波数と前記基準周波数との差の周波数(略500KHz)の電流に相当する検波電流Kdを信号処理装置32へ出力する混合・検波回路72(ヘテロダイン検波回路)と、からなっており、ケース74内に配置されている。ケース74は小さく設定されており、配置スペースが制約されている固定型6の近傍であっても、適切に配置し得るものになっている。
ヘッドアンプ65の高周波発振器69とコイル68とは、図5及び図6に示すように、ヘッドアンプ用ケーブル64を介して接続されている。ヘッドアンプ用ケーブル64は、図7に示すように、銅材料などからなる主線部64aを有し、主線部64aの外周側に、発泡ポリエチレン製の被覆64b、アルミ箔64c、スズメッキ銅線編組64d、アルミ製の被覆64e、ゴム製の被覆64fをこの順に施して構成されている。
信号処理装置32は、混合・検波回路72からの検波電流Kd(センサ回路70の電流ひいては溶融金属5のコイル68への近接により周波数が変化する電流に対応する電流)の周波数を計測する周波数計測回路34と、検波電流Kdの周波数変化量(周波数の変化の大きさ)を計測し、その周波数変化量を対応する電圧値に変換してコントローラ37に出力する周波数変化量計測回路35と、周波数変化量計測回路35の計測結果に基づいて演算を行い溶融金属5の流れを検出し、検出内容に応じた制御信号36を出力するコントローラ(流体検出部)37と、を備えている。周波数変化量計測回路35は、本実施の形態では、周波数変化量に対応して例えば電圧値を5Vとした信号を発生する。この装置構成において、検波電流に0.002KHzの差が生じれば、S/N>2以上の良好な信号が得られる。コントローラ37には、表示器38が接続されており、制御信号36に基づいて検波電流Kdの周波数の変化量に対応する波形の画像を表示する(図8参照)ようにしている。また、コントローラ37にはプランジャ駆動機構61が接続されており、コントローラ37に制御されてプランジャ62を作動して溶融金属5を押圧するようにしている。
第1実施の形態では、第1、第2増幅側回路24,25を含む高周波発振器23及び信号処理装置32は、同一ケース73(図1参照)内に収納されているが、第1実施の形態のケース73に比して第3実施の形態のケース74は、信号処理装置32を含んでおらず、その分、小さくて固定型6の近傍に容易に配置し得るものになっている。また、第1実施の形態では、第1、第2増幅側回路24,25を含む高周波発振器23及び信号処理装置32を同一ケース73に収納する分、当該ケース73は大きくなり、配置スペースが制約されている固定型6の近傍に配置することができず、これに伴い固定型6から離間して配置される。このため、コイル68と高周波発振器23とを接続するケーブル75(図1参照)は、例えば5m程度の長さが必要とされる。これに対して、第3実施の形態では、ケース74を固定型6の近傍に配置したことから、ヘッドアンプ用ケーブル64(コイル68とヘッドアンプ65を接続するケーブル)を短くできる。本実施の形態では、ヘッドアンプ用ケーブル64を約1.5mに設定している。
そして、このようにヘッドアンプ用ケーブル64を短くしていることから、その分、ケーブル抵抗値が低減し、検波電流Kdの大きさの低減が抑制され、周波数計測感度を良好に維持することが可能になり、後述する混合・検波回路72を設けたことによるS/N比の向上に伴う装置(特にコイル68側)の小型化をさらに進めることができる。
混合・検波回路72は、上述したように、センサ回路70を流れるセンサ回路電流の周波数と前記基準周波数との差の周波数の電流(略500KHzの電流。前記検波電流Kd)を発生するようにしており、ノイズを低減できる。そして、信号処理装置32(周波数計測回路34及び周波数変化量計測回路35)は、上述したノイズの低減した検波電流Kdを対象にして計測を行うので、検出最小分解能を小さくでき、これによりS/N比を向上できる。
例えば、混合・検波回路72を用いない前記第1実施の形態では、電圧値が5Vの信号を発生する場合、1KHzの周波数変化量を必要とするが、本第3実施の形態では、上述したS/N比の向上を図ることができることにより、上述したように0.002KHzの周波数変化量があれば、S/N>2以上の信号を得ることができる。
そして、第3実施の形態によれば、S/N比を向上できることから、コイル68の径を小さくでき、ひいては装置の小型化を図ることができる。このようにS/N比の向上及びこれに伴う装置の小型化を図ることができるのは、後述する第4、第5の実施の形態についても同様に言えることである。
本願発明者等は、第1実施の形態及び第3実施の形態を対象にして、検証を行ない、第3実施の形態によれば、コイル68の径を小さくでき、ひいては装置の小型化を図ることができることを確認することができた。
すなわち、第1実施の形態において、コイル(15,16)について、直径を24mmとした場合、検出距離は5mmであった。そして、この検出距離5mmは、一般のダイカスト装置に用いる場合、十分満足できる値である。一方、第3実施の形態において、コイル68について、直径を24mmとした場合、検出距離は11mmであった。このため、仮にコイル68の直径を12mm程度にしても、一般のダイカスト装置に要求される前記5mmの検出距離を得ることができると予測される。このため、第3実施の形態は、第1実施の形態に比して、十分な検出距離を確保して、すなわち十分な検出能力を維持してコイル68ひいては装置の大きさを小さくすることができる。
次に、第4実施の形態に係る流体検出装置1Cを図9〜図11に基づいて説明する。流体検出装置1Cは、第3実施の形態に係る流体検出装置1Bに比して、以下の(a)〜(d)の事項が主に異なっている。
(a)第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cを、図9に示すように溶融金属5の移動方向に沿って配置していること。
(b)第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cに対応して第1、第2、第3のヘッドアンプ65a,65b,65cを備えたこと。
(c)信号処理装置32は、第1、第2、第3のヘッドアンプ65a,65b,65cからの検波信号Kdに対して個別に信号処理を行なえるようにしていること。
(d)コントローラ37が、キャビティ4における第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cの各配置部分における断面積、及び第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cの各配置部分までの各容積並びにキャビティ4の容積を記憶し、溶融金属5の先端位置を第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cが検出した際、検出箇所におけるキャビティ4の断面積等から溶融金属5の最適射出速度を求め、当該最適射出速度が得られるようにプランジャ駆動機構61を制御すること。
なお、本実施の形態では、第1のコイル68aの配置部分及び第3のコイル68cの配置部分間の距離は略250mmとされている。
このように構成された流体検出装置1Cの作用を図10及び図11に基づいて説明する。
図10のステップS11で、キャビティ4における第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cの各配置部分に溶融金属5の先端部が達することにより、第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cに対応する第1、第2、第3制御信号36a,36b,36c(第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cの近傍で生じる渦電流に相当する信号)が大きく変化することにより、溶融金属5の先端部の位置が検出される。
表示器38には、例えば図11に示すように、第1、第2、第3制御信号36a,36b,36cが表示されるが、溶融金属5が第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cに近づくと、図11に楕円D1,D2,D3に示すように第1、第2、第3制御信号36a,36b,36cは大きな値(すなわち、周波数の変化量が大きい)となり、このことにより、溶融金属5の先端位置を把握することができる。
ステップS11に続いて、第1、第2、第3のコイル68a,68b,68cのうち溶融金属5の先端位置を検出したコイルが配置された部分におけるキャビティ4の断面積等から溶融金属5の最適射出速度を算出する(ステップS12)。次に、この最適射出速度に基づいてプランジャ駆動機構61を駆動して、プランジャ62を作動させ、溶融金属5の射出速度が前記最適射出速度となるようにリアルタイムに制御する(ステップS13)。
本実施の形態によれば、上述したS/N比の向上及びこれに伴う装置の小型化を図ることができるのに加えて、湯温低下を最小限に抑えつつ、空気巻込みのない湯流れを実現でき、鋳巣の発生を低減し、品質向上を図ることができる。
次に、第5実施の形態に係る流体検出装置1Dを図12〜図15に基づいて説明する。流体検出装置1Dは、第4実施の形態に係る流体検出装置1Cに比して、以下の(g)〜(l)の事項が主に異なっている。
(g)可動型7に、一端がキャビティ4の先端側部分〔固定型6における溶融金属5の進行方向先端側の壁部(以下、便宜上、固定型一端側壁部6aという。)側の部分〕に連通し、他端が可動型7の端部に開口する減圧ランナー部80を形成し、減圧ランナー部80の他端に減圧ランナー部80を開閉するシャットオフバルブ81を設けたこと。
(h)第1〜第4のコイル68a〜68dを、溶融金属5の移動方向に沿ってキャビティ4の形成部に配置し、減圧ランナー部80のシャットオフバルブ81近傍で、固定型一端側壁部6aに臨む部分に第5のコイル68eを配置していること。
(i)第1〜第5のコイル68a〜68eに対応して第1〜第5のヘッドアンプ65a〜65eを備えたこと。
(j)信号処理装置32は、第1〜第5のヘッドアンプ65a〜65eからの検波信号に対して個別に信号処理を行なえるようにしていること。
(k)コントローラ37は、第1〜第4のコイル68a〜68dに基づく制御信号(以下、第1〜第4の制御信号36a〜36dという。)が順次、溶融金属5が近接したことを示す場合、シャットオフバルブ81の開閉量を制御して徐徐に減圧量を落とし、かつ、第5のコイル68eに基づく制御信号(以下、第5の制御信号という。)36eが第5のコイル68eの配置部分に溶融金属5が達したことを示すと、シャットオフバルブ81を閉じるように制御すること。
(l) コントローラ37は、制御信号(第1〜第5の制御信号36a〜36e)の比較対象となる基準波形データを有しており、制御信号及び基準波形データを比較するようにし、かつ、この比較により、例えば図14の楕円D4の部分に示すように、制御信号(36a〜36e)の波形が、急激に大きな変化を示す波形である場合には、溶融金属5の先端部(本体部)を検出したと判定する一方、図15の楕円D5の部分に示すように、制御信号(36a〜36e)の波形が、前後の部分に対して変化があるものの変化の大きさが小さい場合には、当該制御信号に対応するコイル(第1〜第4のコイル68a〜68d)の配置部分に溶融金属5の先端部は達しておらず、溶融金属5の本体部から分離した飛沫が達したと判定するようにしていること。
このように構成された流体検出装置1Dの作用について、溶融金属位置検出処理ルーチンを示す図13に基づいて説明する。
図13のステップS21で、プランジャ62の作動により溶融金属5を射出し、キャビティ4に充填する。
次に、溶融金属5をキャビティ4に充填する際の、第1〜第5の制御信号36a〜36eの波形をモニタリングする(ステップS22)。
続いて、第1〜第4の制御信号36a〜36dの波形が、図14の楕円D4の部分に示すように急激に大きく変化すること、ひいては第1〜第4の制御信号36a〜36dに対応する第1〜第4のコイル68a〜68dの各配置部分に溶融金属5が達したことの検出が、順次行なわれたか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23でYES(第1〜第4のコイル68a〜68dの各配置部分に溶融金属5が達したことが順次検出された)と判定すると、シャットオフバルブ81の開閉量を制御して徐徐に減圧量を低減する(ステップS24)。
次に、第5のコイル68eの配置部分に溶融金属5が達したことが検出されたか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25でNO〔第5のコイル68eの配置部分に溶融金属5が達していない〕と判定すると、ステップS24に戻る。
ステップS25でYES〔第5のコイル68eの配置部分に溶融金属5が達した〕と判定すると、シャットオフバルブ81を閉じ、溶融金属位置検出処理ルーチンを終了する。
また、ステップS23でNO(第1〜第4のコイル68a〜68dの各配置部分に溶融金属5が達したことが順次検出されていない)と判定すると、表示器38等の報知手段にこのことを報知し(ステップS27)、溶融金属位置検出処理ルーチンを終了する。
第5実施の形態によれば、上述したS/N比の向上及びこれに伴う装置の小型化を図ることができるのに加えて、さらに、以下の効果を有する。すなわち、第1〜第4のコイル68a〜68dの各配置部分の順に溶融金属5の先端部が検出されることにより(すなわち、キャビティ4に溶融金属5が充填されるのに伴い)、シャットオフバルブ81の開閉量を制御して徐徐に減圧量を落とし、さらに、第5のコイル68eに対応する制御信号(第5の制御信号36e)の値が大きく変化する(すなわち、第5のコイル68e配置部分に溶融金属5が達した)場合、シャットオフバルブ81を閉じるようにする。このため、キャビティ4内の真空度の最適化を図ることができ、これに伴い鋳巣の発生を抑えることができ、鋳造品の品質を向上することができる。
本発明の第1実施の形態に係る流体検出装置及びこの流体検出装置を用いたダイカスト装置を模式的に示す図である。 図1の流体検出装置の作用を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施の形態に係る流体検出装置を用いたダイカスト装置を模式的に示す図である。 図3のダイカスト装置で、第1コイルの近くで飛沫を発生した状態を模式的に示す図である。 本発明の第3実施の形態に係る流体検出装置のコイルの配置状態、並びにコイル、ヘッドアンプ、信号処理装置及び表示器の接続状態を模式的に示す図である。 図5の流体検出装置を用いたダイカスト装置を模式的に示す図である。 図6のヘッドアンプ用ケーブルを示す図である。 図6の表示器に表示される制御信号の波形の一例を示す図である。 本発明の第4実施の形態に係る流体検出装置のダイカスト装置を模式的に示す図である。 図9のダイカスト装置の作用を示すフローチャートである。 図9の表示器に表示される制御信号の波形の一例を示す図である。 本発明の第5実施の形態に係る流体検出装置のダイカスト装置を模式的に示す図である。 図12のコントローラが実行する溶融金属位置検出処理ルーチンを示すフローチャートである。 飛沫が無い場合に図12の表示器に表示される制御信号の波形を示す図である。 飛沫が有る場合に図12の表示器に表示される制御信号の波形を示す図である。
符号の説明
1…流体検出装置、2…ダイカスト装置(鋳造装置)、3…鋳型(型)、4…キャビティ、5…溶融金属、15,16…第1、第2コイル、35…周波数変化量計測回路、37…コントローラ(流体検出部)、65…ヘッドアンプ、68a〜68e…第1〜第5のコイル、72…混合・検波回路。

Claims (18)

  1. 導電性材料からなる流体の進行部分の近傍に配置され前記流体に発生させた渦電流によりインダクタンスが変化する空芯のコイルと、該コイルを流れる電流の周波数変化量を計測する周波数変化量計測回路と、該周波数変化量計測回路が計測する周波数変化量に基づいて前記流体の流れを検出する流体検出部と、を備えたことを特徴とする流体検出装置。
  2. 前記コイルは、軸心を流体の進行方向に直交する方向に向けて配置されたことを特徴とする請求項1記載の流体検出装置。
  3. 前記コイルには高周波電流が供給されることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体検出装置。
  4. 前記コイルはボビンに保持され、該ボビンはセラミック製とされたことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の流体検出装置。
  5. 流体検出部は、周波数変化の大きさにより、前記流体の大部分を占める主流部であるか又は流体における前記主流部から分離した飛沫であるかを判定することを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の流体検出装置。
  6. 前記コイルは、前記流体の進行方向に沿って位置を変えて配置された複数個からなることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の流体検出装置。
  7. 前記流体は、空気抜き装置を備えた鋳造装置の型のキャビティに流入される溶融金属であることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の流体検出装置。
  8. 前記流体検出部が検出する流体の流れに基づいて空気抜き装置の作動を停止することを特徴とする請求項7に記載の流体検出装置。
  9. 導電性材料からなる流体の進行部分の近傍に配置され前記流体に発生させた渦電流によりインダクタンスが変化する空芯のコイルと、該コイルに対して高周波電流を供給する高周波発振器と、周波数が前記高周波電流の周波数に近い大きさとされた基準周波数電流を出力する基準周波数発振器と、前記コイル及び高周波発振器からなるセンサ回路を流れるセンサ回路電流及び前記基準周波数発振器からの基準周波数電流を混合し、周波数がセンサ回路電流の周波数及び基準周波数電流の周波数の差に相当する大きさの検波電流を出力する混合・検波回路と、前記検波電流の周波数変化量を計測する周波数変化量計測回路と、該周波数変化量計測回路が計測する周波数変化量に基づいて前記流体の流れを検出する流体検出部と、を備えたことを特徴とする流体検出装置。
  10. 前記高周波発振器、前記基準周波数発振器及び前記混合・検波回路は、前記周波数変化量計測回路及び前記流体検出部とは分離された状態で、ヘッドアンプとして一体的に構成され、かつ前記コイルの近傍に配置されることを特徴とする請求項9記載の流体検出装置。
  11. 前記コイルは、軸心を流体の進行方向に直交する方向に向けて配置されたことを特徴とする請求項9又は10記載の流体検出装置。
  12. 前記コイルはボビンに保持され、該ボビンはセラミック製とされたことを特徴とする請求項9から11までのいずれかに記載の流体検出装置。
  13. 流体検出部は、周波数変化の大きさにより、前記流体の大部分を占める主流部であるか又は流体における前記主流部から分離した飛沫であるかを判定することを特徴とする請求項9から12までのいずれかに記載の流体検出装置。
  14. 前記コイルは、前記流体の進行方向に沿って位置を変えて配置された複数個からなることを特徴とする請求項9から13までのいずれかに記載の流体検出装置。
  15. 前記流体は、空気抜き装置を備えた鋳造装置の型のキャビティに流入される溶融金属であることを特徴とする請求項9から14までのいずれかに記載の流体検出装置。
  16. 前記流体検出部が検出する流体の流れに基づいて空気抜き装置の作動を停止することを特徴とする請求項15に記載の流体検出装置。
  17. 請求項1から16までのいずれかに記載の流体検出装置を用いて前記流体の流れを検出することを特徴とする流体検出方法。
  18. 請求項7、8、15又は16に記載の流体検出装置を用いて前記溶融金属の流れを検出することを特徴とする鋳造方法。

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