ところが、特許文献1の構成では、排気筒203を有するサイクロン本体201自体が吸気路109に固定された構成であるため、ダストカップ202内の塵埃を捨てるべく、ダストカップ202をサイクロン本体201から取り外した後は、サイクロン本体201の排気筒203(フィルタ204)がその場で露出されたままとなる。その結果、振動、衝撃等が排気筒203に加わった場合に、排気筒203に残存している塵埃が、清掃後の室内で飛散および落下し、清掃後の床面や周囲の空気が汚れるという問題が生ずる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、排気筒表面のフィルタの清掃が可能なサイクロン集塵方式の電気掃除機であって、清掃場所とは別の場所(例えばゴミ捨て場)で排気筒を露出させてダストカップ内の塵埃を捨てることができ、これによって、清掃場所が上記塵埃によって汚れるのを回避できる電気掃除機を提供することにある。
(1)本発明の電気掃除機は、掃除機本体に内蔵される電動送風機の運転により、吸込口体から吸引した空気を旋回させて上記空気中の塵埃を分離するサイクロン集塵ユニットを備えた電気掃除機であって、上記サイクロン集塵ユニットは、上記掃除機本体と上記吸込口体との間のユニット収容部に対して着脱可能に設けられているともに、空気から分離された塵埃を収容するダストカップと、上記ダストカップに対して着脱される蓋部と、上記蓋部に設けられ、当該ユニット内の空気を排気するための排気筒と、上記排気筒の表面に被覆されるフィルタと、上記フィルタを清掃する清掃手段とを備えており、上記清掃手段は、上記蓋部と上記ダストカップとの離間動作に伴って上記フィルタと摺動することにより、上記フィルタを清掃することを特徴としている。
上記の構成によれば、サイクロン集塵ユニット内の塵埃(ゴミ)を捨てる場合には、サイクロン集塵ユニットごとユニット収容部から取り外してゴミ捨て場まで運び、そのゴミ捨て場で蓋部とダストカップとを分離すれば、中身のゴミを捨てることができる。このとき、蓋部とダストカップとの分離によって、蓋部に設けられた排気筒が露出しても、その露出はゴミ捨て場においてなされる。したがって、露出した排気筒に振動、衝撃等が加わったとしても、排気筒に残存している塵埃は、ゴミ捨て場で飛散および落下し、電気掃除機による清掃済みの場所で飛散および落下することはない。その結果、ダストカップ内のゴミ捨て時に、排気筒に残存する塵埃により、清掃済みの場所が汚れるのを回避することができ、衛生面に優れた電気掃除機を提供することができる。
また、上記構成では、蓋部とダストカップとの離間動作に伴って、清掃手段がフィルタを清掃する。上記のフィルタは、蓋部に設けられた排気筒表面に被覆されているので、蓋部とダストカップとの離間動作時には、蓋部とともにフィルタが上記離間方向に移動し、清掃手段と摺動する。したがって、清掃手段によるフィルタ清掃は、例えばフィルタとの摺動が完了するまで、清掃手段をダストカップに保持させておくことで実現可能である。
このような構成により、ダストカップ内のゴミを捨てるべく、蓋部をダストカップから取り外す(離間させる)動作を行うごとに、フィルタが清掃される。これにより、サイクロン集塵ユニットをユニット収容部に着脱する構成においても、フィルタの目詰まりを防止して、サイクロン集塵ユニットの集塵能力の低下を防止することができる。しかも、清掃手段によるフィルタの清掃は、蓋部とダストカップとの離間動作に連動して自動的に行われるので、ユーザが別途フィルタを清掃する必要がなく、サイクロン集塵ユニットをユニット収容部に着脱する構成の電気掃除機において、その利便性を向上させることができる。
(2)本発明の電気掃除機において、上記清掃手段は、上記フィルタとの摺動が完了するまで、上記ダストカップに保持される一方、上記摺動が完了した後は、上記排気筒または上記蓋部に保持される構成であってもよい。
上記の構成によれば、清掃手段は、フィルタとの摺動が完了するまでダストカップに保持されるので、蓋部とダストカップとの離間動作に伴うフィルタと清掃手段との相対的な移動および摺動により、フィルタ全体を確実に清掃することができる。また、上記摺動が完了した後は、清掃手段が排気筒または蓋部に保持されるので、清掃手段を蓋部と一体的にダストカップから分離することができ、ダストカップ内のゴミを捨てることが可能となる。
(3)本発明の電気掃除機は、上記清掃手段は、上記フィルタとの摺動が完了するまで、上記清掃手段を上記ダストカップに連結する一方、上記摺動が完了した後は、上記連結を解除する連結手段を備えている構成であってもよい。
上記の構成によれば、清掃手段とフィルタとの摺動が完了するまで、連結手段により、清掃手段がダストカップに連結され、ダストカップに保持される。これにより、蓋部とダストカップとの離間動作時に、フィルタと清掃手段との相対的な移動による摺動により、フィルタ全体を確実に清掃することができる。また、上記摺動が完了した後は、連結手段による清掃手段とダストカップとの連結が解除されるので、例えば清掃手段を排気筒に保持させた状態で蓋部とダストカップとを分離することができ、ダストカップ内のゴミを捨てることが可能となる。
(4)本発明の電気掃除機において、上記ダストカップの内面には、上記連結手段が嵌合するための凹部(ダストカップ側凹部)が形成されている構成であってもよい。
上記の構成によれば、連結手段がダストカップの凹部に嵌合することで、例えばフィルタとの摺動が完了するまで、清掃手段をダストカップに確実に保持させることができる。これにより、清掃手段とフィルタとの摺動によるフィルタ清掃を確実に行うことができる。
(5)本発明の電気掃除機において、上記排気筒には、上記離間動作に伴う上記清掃手段と上記フィルタとの摺動が完了した後に、上記連結手段が移動して嵌合するための凹部(排気筒側凹部)が形成されている構成であってもよい。
上記の構成によれば、清掃手段とフィルタとの摺動後は、連結手段が移動して排気筒の凹部に嵌合する。これにより、上記摺動後は、連結手段によって清掃手段を一時的に排気筒に保持させることができるとともに、連結手段による清掃手段とダストカップとの連結を確実に解除することができる。したがって、清掃手段を排気筒に保持させた状態で蓋部とダストカップとを確実に分離することが可能となる。
(6)本発明の電気掃除機において、上記連結手段は、離間した上記蓋部と上記ダストカップとを接合する際に、上記排気筒または上記蓋部に保持された上記清掃手段の保持位置に応じて、上記清掃手段を上記ダストカップに連結する構成であってもよい。
上記の構成によれば、離間した蓋部とダストカップとの接合時、清掃手段が排気筒にどのような位置で保持されていても、あるいは、蓋部に保持されていても、その保持位置に応じて、連結手段が清掃手段をダストカップに連結する。これにより、清掃手段の排気筒または蓋部での保持位置に関係なく、最終的には、清掃手段をダストカップに保持させて、蓋部とダストカップとを接合させることができる。
(7)本発明の電気掃除機において、上記清掃手段は、上記連結手段を複数備えている構成であってもよい。
上記構成によれば、複数の連結手段により、清掃手段とダストカップとを複数箇所で連結、固定することができる。これにより、清掃手段とフィルタとの摺動時において、フィルタに対する清掃手段の傾きやブレを無くして、清掃手段とフィルタとの安定した摺動を実現することができる。
(8)本発明の電気掃除機において、上記蓋部と上記ダストカップとは、上記排気筒の軸線方向に離間される構成であってもよい。
上記の構成によれば、蓋部とダストカップとを離間させる方向が、排気筒の軸線方向であるので、蓋部とダストカップとを上記離間方向に引き離す力を、そのまま清掃手段による排気筒表面のフィルタの清掃動作に利用することができる。したがって、ダストカップ内のゴミを捨てるべく、蓋部とダストカップとを離間させる動作によって、ユーザが意識することなく確実にフィルタ清掃を完了させることができる。
(9)本発明の電気掃除機において、上記排気筒には、上記清掃手段を当該排気筒の軸線方向に相対的に案内するための案内部が設けられている構成であってもよい。
上記の構成によれば、蓋部とダストカップとの上記軸線方向の離間動作に伴って、案内部により、清掃手段が上記軸線方向に相対的に案内されるので、排気筒表面のフィルタと清掃手段との摺動方向が上記軸線方向(一定)となる。これにより、フィルタに対する清掃手段の摺動ブレを無くし、上記離間動作に伴うフィルタ清掃を清掃手段に確実に行わせることができる。
(10)本発明の電気掃除機において、上記ダストカップには、上記吸込口体から吸引した空気を上記サイクロン集塵ユニット内に導入するための空気導入口が設けられており、上記清掃手段は、上記ダストカップ内では、上記空気導入口よりも上記蓋部側に位置している構成であってもよい。
上記の構成によれば、清掃手段が空気導入口からダストカップ内に流入した旋回流の妨げになることがなく、サイクロン集塵ユニットの集塵能力が低下するのを回避することができる。また、例えばゴミ捨ての際に蓋部をダストカップから離間させたときでも、清掃手段が、その下部の空気導入口を含むダストカップ内部を塞ぐようになる。したがって、清掃手段が、第2の蓋部としての機能を果たし、ダストカップ内部からゴミが飛散するのを防止することができる。
(11)本発明の電気掃除機において、上記ダストカップは、カップ本体と底部とが分離可能に連結されて構成されていてもよい。
この場合、ダストカップを洗浄するときに、カップ本体と底部とを分離することによって、ダストカップ全体を隅々まで洗浄することができるとともに、ゴミが溜まることによって汚れやすい底部を確実に洗浄することができる。
(12)本発明の電気掃除機は、上記蓋部と上記ダストカップとを締結する第1ロック手段をさらに備えている構成であってもよい。
上記の構成によれば、蓋部とダストカップとが第1ロック手段により締結されれば、サイクロン集塵ユニットをゴミ捨て場まで運ぶ最中でも、蓋部がダストカップに対して開くことがないので、サイクロン集塵ユニットの移動中に内部のゴミが飛散するのを回避することができる。
(13)本発明の電気掃除機において、上記ユニット収容部には、上記サイクロン集塵ユニットを位置決めするための位置決め部が設けられている一方、上記サイクロン集塵ユニットには、上記位置決め部と嵌合する嵌合部が設けられている構成であってもよい。
この構成では、ユニット収容部の位置決め部に対して、サイクロン集塵ユニットの嵌合部を嵌合させることで、サイクロン集塵ユニットのユニット収容部に対する位置決めがなされるので、サイクロン集塵ユニットを誰でも簡単に、かつ、適切な位置でユニット収容部に取り付けることができる。
(14)本発明の電気掃除機は、上記サイクロン集塵ユニットを上記ユニット収容部に対して締結する第2ロック手段をさらに備えている構成であってもよい。
この構成によれば、サイクロン集塵ユニットが第2ロック手段によりユニット収容部に締結されれば、例えば清掃中において、ユニット収容部からのサイクロン集塵ユニットの不用意な脱落がなく、本電気掃除機による清掃作業を安心して行うことができる。
本発明によれば、サイクロン集塵ユニットがユニット収容部に対して着脱可能に設けられているので、サイクロン集塵ユニットごとユニット収容部から取り外して、例えばゴミ捨て場で蓋部とダストカップとを分離すれば、中身のゴミを捨てることができる。このとき、蓋部に設けられた排気筒が露出するが、たとえ露出した排気筒に振動、衝撃等が加わったとしても、排気筒に残存している塵埃は、ゴミ捨て場で飛散および落下し、電気掃除機による清掃済みの場所で飛散および落下することはない。その結果、ダストカップ内のゴミ捨て時に、排気筒に残存する塵埃により、清掃済みの場所が汚れるのを回避することができ、衛生面に優れた電気掃除機を提供することができる。
また、蓋部とダストカップとの離間させる動作を行うごとに、フィルタが清掃されるので、サイクロン集塵ユニットをユニット収容部に着脱する構成においても、フィルタの目詰まりを防止して、サイクロン集塵ユニットの集塵能力の低下を防止することができる。しかも、フィルタ清掃が蓋部とダストカップとの離間動作に連動して清掃手段によって自動的に行われることにより、ユーザが別途フィルタを清掃する必要がなく、本電気掃除機の利便性を向上させることができる。
本発明の実施の一形態について、図1ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(1.全体構成)
図2は、本実施形態の電気掃除機の概略の構成を示す側面図である。本電気掃除機は、吸込口体1と掃除機本体2との間の吸気路に、延長管3、サイクロン集塵ユニット4および接続ホース5を配して構成されている。サイクロン集塵ユニット4は、延長管3と接続ホース5との間に配置されるユニット収容部6(図1(a)(b)参照)に収容されている。
掃除機本体2には、電動送風機2aが内蔵されており、この電動送風機2aが駆動されると、吸込口体1の吸込口1aから空気が吸引される。吸引された空気は、延長管3およびユニット収容部6内の吸気路を介してサイクロン集塵ユニット4に供給される。サイクロン集塵ユニット4では、供給された空気が高速旋回されて、上記空気中の塵埃が遠心分離される。遠心分離後の空気は、接続ホース5を介して掃除機本体2に送られ、そこから外部に排出される。
(2.サイクロン集塵ユニットの構成)
次に、サイクロン集塵ユニット4の詳細な構成について説明する。
図1(a)(b)は、サイクロン集塵ユニット4の概略の構成を示す断面図であって、図1(a)は、サイクロン集塵ユニット4がユニット収容部6に収容されている状態での断面図を、図1(b)は、サイクロン集塵ユニット4がユニット収容部6から取り外されつつある状態での断面図を示している。このように、サイクロン集塵ユニット4は、ユニット収容部6に対して着脱可能に設けられており、ダストカップ11と、蓋部12と、排気筒13と、フィルタ14と、清掃手段15とを有している。
(2−1.ダストカップ)
ダストカップ11は、ユニット内での空気の高速旋回により、当該空気から遠心分離された塵埃を収容するものであり、開口部を有するカップ形状をなしている。ここで、図3は、サイクロン集塵ユニット4のダストカップ11を縦断面で2分割したときの一方の分解斜視図を示している。このダストカップ11は、カップ本体11aと底部11bとが分離可能に連結されて構成されている。ダストカップ11を洗浄するときには、カップ本体11aと底部11bとを分離すれば、それらの洗浄がしやすくなる。
また、ユーザがダストカップ11の開口部から手を入れても底まで届かないような場合でも、ダストカップ11を分離することで、底(底部11b)まで確実に洗浄することができる。したがって、ダストカップ11を縦長に大きく形成することも可能となり、塵埃収容量の大きなサイクロン集塵ユニット4を実現することもできる。
なお、カップ本体11aと底部11bとの固定方法は、ネジ止めであってもよく、バイオネット等の他の固定方法であってもよい。また、ダストカップ11を分割する位置は、ダストカップ11の長さに応じて適宜決めればよく、例えば底面のみが分割される位置であってもよい。さらに、ダストカップ11は、3つ以上の複数個に分離可能に構成されてもよい。
図4は、図1(a)におけるA−A’線矢視断面図を示している。ダストカップ11のカップ本体11aの周面には、空気導入口11cが設けられている。この空気導入口11cは、吸込口体1から吸引した空気をサイクロン集塵ユニット4内に導入するための入口である。
図5(a)は、サイクロン集塵ユニット4の外観を示す斜視図を示し、図5(b)は、上記サイクロン集塵ユニット4を縦断面で2分割したときの一方の斜視図を示している。ダストカップ11の蓋部12側の外面には、係止部11dが設けられており、蓋部12をダストカップ11にセットしたときには、係止部11dが蓋部12の後述する第1ロック手段16の被係止部16bを係止するようになっている。
図6(a)は、サイクロン集塵ユニット4の縦断面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるB−B’線矢視断面図である。ダストカップ11の内面上部には、後述する清掃手段15の連結手段24の頭部24aが嵌合する凹部11eが、ダストカップ11の周方向に形成されている。凹部11eの内面は、頭部24aの形状に合わせた曲面形状となっている。
この凹部11eの形成により、蓋部12のダストカップ11に対する離接動作の最中に、連結手段24を凹部11eに嵌合させて、清掃手段15をダストカップ11に連結、保持させることができる。したがって、例えば、清掃手段15と後述するフィルタ14との摺動が完了するまで、清掃手段15をダストカップ11に保持させることで、清掃手段15とフィルタ14との摺動によるフィルタ清掃を確実に行うことができる。
また、例えばダストカップ11の内面に凸部が形成されていると、ダストカップ11内に収容された塵埃(ゴミ)を、カップを斜めにして捨てるときに、中身のゴミが凸部で引っかかって、スムーズにゴミを捨てることができない。しかし、ダストカップ11内面に形成されているのは、凸部ではなく凹部11eであるので、ゴミの引っ掛かりなどなく、中身のゴミをスムーズに捨てることができる。
また、図1(a)(b)に示すように、上記のユニット収容部6には、サイクロン集塵ユニット4を位置決めするための位置決め部6aが設けられている。これに伴い、ダストカップ11の底部11bには、上記の位置決め部6aに嵌合する嵌合部11f(図3参照)が設けられている。本実施形態では、位置決め部6aは凸部で形成されており、嵌合部11fはその凸部が嵌合するような凹部となっている。
このような位置決め部6aおよび嵌合部11fが設けられていることにより、ダストカップ11をユニット収容部6に取り付ける際に、常に一定の位置関係となるように適切に、かつ、容易に位置決めがなされる。したがって、ユーザは、ダストカップ11を適切かつ容易にユニット収容部6に取り付けることができる。なお、上記の位置決め部6aが凹部で形成されれば、嵌合部11fは上記凹部に嵌合する凸部で形成されればよい。
(2−2.蓋部)
図5(a)(b)に示すように、蓋部12は、ダストカップ11に対して着脱されるものであり、ダストカップ11の開口部を塞ぐように設けられる。この蓋部12には、蓋部12とダストカップ11とを締結するための第1ロック手段16が設けられている。第1ロック手段16は、ロックボタン16aと被係止部16bとを一体的に有している。ロックボタン16aの非押圧時には、被係止部16bがダストカップ11の係止部11dにて係止されることで、蓋部12とダストカップ11とが締結される。一方、ロックボタン16aの押圧時には、係止部11dに対する被係止部16bの係止が解除され、蓋部12とダストカップ11とを分離することが可能となる。
蓋部12とダストカップ11とを第1ロック手段16で締結すれば、サイクロン集塵ユニット4をゴミ捨て場まで運ぶ最中でも、蓋部12がダストカップ11に対して開くことがない。したがって、サイクロン集塵ユニット4の移動中に内部のゴミが飛散するのを回避することができる。
また、第1ロック手段16自体が蓋部12に凸部となって現れれば、この凸部を基にしてユニット収容部6に対する位置決め(取り付け方向の特定)を容易にすることもできる。したがって、サイクロン集塵ユニット4とユニット収容部6との位置関係を容易に一定とすることができる。また、ユーザが位置決めを意識しなくとも、上記の凸部が大きな目印となるため、ユーザがサイクロン集塵ユニット4をユニット収容部6に取り付ける際の煩わしさも生じない。
図5(b)および図6(a)に示すように、蓋部12には、サイクロン集塵ユニット4をユニット収容部6に対して締結するためのロックレバー17(第2ロック手段)が設けられている。このロックレバー17は、バネ等の付勢手段(図示せず)により、ユニット収容部6に設けられた凹部(図示せず)に嵌合する方向に付勢されている。ユーザは、このロックレバー17を操作することにより、サイクロン集塵ユニット4をユニット収容部6に対して締結したり、その締結を解除したりすることができる。
例えば、ユーザがロックレバー17を下方に引いて、上記凹部からロックレバー17の先端を抜けば、ロックレバー17によるサイクロン集塵ユニット4のユニット収容部6に対する締結が解除される。したがって、ユーザは、位置決め部6aを中心にサイクロン集塵ユニット4を回動させることで、サイクロン集塵ユニット4をユニット収容部6から取り外すことができる。
逆に、サイクロン集塵ユニット4のユニット収容部6への取り付けは、以下のようにすればよい。まず、ユーザは、位置決め部6aにダストカップ11の嵌合部11fを嵌め込み、位置決め部6aを中心にサイクロン集塵ユニット4をその収容方向に回動させる。サイクロン集塵ユニット4の収容位置の手前では、ロックレバー17の先端が上記凹部の端面と接触してバネ付勢に抗してへこみ、サイクロン集塵ユニット4の収容位置にてロックレバー17の先端が上記凹部に嵌合する。これにより、サイクロン集塵ユニット4がユニット収容部6に固定される。
したがって、例えば清掃中において、ユニット収容部6からのサイクロン集塵ユニット4が不用意に脱落することがなく、本電気掃除機による清掃作業を安心して行うことができる。また、ユーザがロックレバー17の操作により、サイクロン集塵ユニット4をユニット収容部6に対して明瞭簡単に着脱させることができる。さらに、蓋部12の閉まった状態でサイクロン集塵ユニット4をユニット収容部6から取り外すことができるので、取り外しの際にゴミの飛散も全く生じない。
(2−3.排気筒)
図1(a)(b)に示す排気筒13は、サイクロン集塵ユニット4内で塵埃が遠心分離された後の空気を排気するための筒であり、蓋部12に設けられている。ここで、図7は、排気筒13の概略の構成を示す斜視図である。なお、同図では、フィルタ14の図示を省略している。この排気筒13には、複数の排出口13aが形成されており、ユニット内の空気が排気筒13の外側から排出口13aを介して排気筒13の内側に入り、ユニット外に排出される。
また、排気筒13の外側表面には、案内部13bが排気筒13の軸線方向に沿って形成されている。この案内部13bは、蓋部12とダストカップ11との離接時に、排気筒13が蓋部12とともに清掃手段15に対して移動することにより、清掃手段15を上記軸線方向に相対的に案内するものであり、本実施形態では、清掃手段15のリブ22a(図8参照)が嵌る溝部で形成されている。
このような案内部13bが形成されていることにより、蓋部12のダストカップ11に対する上記軸線方向の離接動作に伴って、清掃手段15を上記軸線方向に相対的に案内することができる。これにより、フィルタ14に対する清掃手段15の摺動ブレを無くし、上記離間動作に伴うフィルタ清掃を清掃手段15に確実に行わせることができる。なお、清掃手段15を上記軸線方向に案内できるものであれば、案内部13bは凸部で形成されていても構わない。
排気筒13の先端、すなわち、排気筒13の軸線方向において蓋部12とは反対側の端部13cは、清掃手段15の後述する保持体23と当接可能な当接部となっている。この端部13cは、排気筒13において排出口13aが形成されている部分よりも大きい径で形成されており、保持体23と当接することによって、清掃手段15の排気筒13からの抜けを防止することができる。
また、図6(b)に示すように、排気筒13の軸線方向の上部には、上側凹部13dが形成されており、その軸線方向において上側凹部13dよりも下部には、下側凹部13eが形成されている。これら上側凹部13dおよび下側凹部13eは、排気筒13の半径方向への連結手段24の逃げを形成する部分であり、連結手段24が嵌合可能となっている。連結手段24が上側凹部13dまたは下側凹部13eに嵌合することによって、連結手段24による清掃手段15のダストカップ11への固定を一時的に解除することができる。
(2−4.フィルタ)
フィルタ14(図4参照)は、サイクロン集塵ユニット4内で遠心分離によってもなお除去されなかった細かい塵埃を空気中から除去するためのものであり、ナイロン等の合成繊維を織って細かいメッシュを形成したもので構成されている。このフィルタ14は、排出口13a(図7参照)を覆うように排気筒13の表面に被覆されている。
(2−5.清掃手段)
図8は、清掃手段15の外観構成を示す斜視図であり、図9は、サイクロン集塵ユニット4の清掃手段15での横断面図である。清掃手段15は、排気筒13の表面のフィルタ14と摺動することにより、フィルタ14を清掃するものであり、クリーニング体21と、支持体22と、保持体23と、連結手段24とを有して構成されている。
クリーニング体21は、フィルタ14と摺動することによってフィルタ14を清掃するものであり、フィルタ14の外面を覆うようにリング状に形成されている。
支持体22は、クリーニング体21を外側から支持するものであり、リング状に形成されているとともに、その高さ(排気筒13の軸線方向の長さ)は、クリーニング体21よりも高くなるように形成されている。
支持体22の内面であって、クリーニング体21の非形成位置には、リブ22aが形成されている。このリブ22aは、支持体22の中心方向に突出し、排気筒13の表面にその軸線方向に形成された溝部としての案内部13b(図7参照)に嵌る形状となっている。
リブ22aが案内部13bに嵌ることにより、支持体22の移動が案内部13bの形成方向に案内される。これにより、蓋部12をダストカップ11に対して排気筒13の軸線方向に離接させたときに、支持体22にて支持されたクリーニング体21は、排気筒13の軸線方向に相対的に移動してフィルタ14と摺動し、フィルタ14を清掃することになる。しかも、リブ22aが案内部13bに嵌ることにより、排気筒13に対する支持体22の回転や傾きは抑えられ、クリーニング体21は、排気筒13の軸線方向に確実に案内されることになる。
保持体23は、支持体22および連結手段24を保持するものである。保持体23の外観は、略椀状となっているが、その底部には、排気筒13が貫通するように開口部23a(図7参照)が形成されている。また、保持体23は、その周面と支持体22の周面との間に所定の間隙が形成されるように、支持体22の底部を保持しているとともに、リブ23bを介して支持体22の周面を保持している。
また、支持体22の周面には、連結手段24の後述する脚部24cの通路となる開口部22bが形成されている。一方、保持体23の周面において、支持体22の開口部22bと対向する位置には、連結手段24の後述する頭部24aの通路となる開口部23cが形成されている。これにより、連結手段24は、これらの開口部22b・23cを介して、排気筒13の半径方向に移動することが可能となる。
連結手段24は、清掃手段15をダストカップ11に連結したり、その連結を解除したりするものであり、本実施形態では、複数(例えば2個)設けられている。このように複数の連結手段24を清掃手段15に設けることにより、複数箇所で清掃手段15とダストカップ11とが固定されるので、後述するように蓋部12をダストカップ11から離間させてフィルタ14と清掃手段15とを摺動させる際に、フィルタ14に対する清掃手段15の傾きやブレを無くして、安定した摺動を実現することができる。
このとき、複数個の固定場所がダストカップ11の周面における同一円周上に形成されるように、複数の連結手段24を設ければ、その効果はより高まる。特に、本実施形態では、各連結手段24は、保持体23(または支持体22)の中心軸に対して対称となるように2個設けられているので、清掃手段15の傾きやブレを確実に無くすことができ、安定した摺動を確実に実現することができる。
連結手段24は、例えば樹脂で構成されており、頭部24aと、2本の板バネ部24bと、脚部24cとが一体となって構成されている。各板バネ部24bは、支持体22の外面を支点として、頭部24aおよび脚部24cを保持体23(または支持体22)の半径方向外側へ付勢している。
このような構成により、板バネ部24bの付勢力に抗する力(上記半径方向内側への力)が連結手段24に働いていない場合には、上記付勢力により、連結手段24の頭部24aが上記半径方向の最も外側に位置し、例えばダストカップ11の凹部11e(図6(b)参照)に嵌合する。これにより、清掃手段15は、連結手段24によってダストカップ11に固定されることになる。一方、板バネ部24bの付勢力に抗する力が連結手段24に働いている場合には、その力によって連結手段24が上記半径方向内側に移動して、例えば脚部24cが排気筒13の上側凹部13dまたは下側凹部13e(図6(b)参照)に嵌合する。これにより、連結手段24による清掃手段15のダストカップ11への固定が解除されることになる。
ここで、頭部24aの先端部(凹部11eとの嵌合側端部)は、図8に示すように、排気筒13の半径方向(排気筒13の軸線方向に垂直方向)の長さが、排気筒13の軸線方向における上部および下部で最小となり、上記軸線方向における中心部で最大となるような曲面形状となっている。これにより、頭部24aが凹部11eに嵌合した状態で連結手段24に上記軸線方向の力がかかったときに、頭部24aには、頭部24aと凹部11eとの接触によって上記半径方向内側に分力が生じ、頭部24aはその分力を受けて上記半径方向内側に移動することが可能となる。
上記構成の清掃手段15は、ダストカップ11内では、空気導入口11cよりも蓋部12側に位置している(図6(a)参照)。これにより、清掃手段15がダストカップ11内に流入した旋回流の妨げになることがなく、サイクロン集塵ユニット4の集塵能力が低下するのを回避することができる。また、例えばゴミ捨ての際、連結手段24により清掃手段15がダストカップ11に固定された状態で、蓋部12をダストカップ11から離間させたときでも、清掃手段15が第2の蓋としての機能を果たし、ダストカップ11内部からゴミが飛散するのを防止することができる。
(3.清掃動作)
次に、サイクロン集塵ユニット4のフィルタの清掃動作について、以下に説明する。
サイクロン集塵ユニット4のダストカップ11内のゴミを捨てるべく、図1(b)に示すように、ユーザがサイクロン集塵ユニット4をユニット収容部6から取り外し、それをゴミ捨て場所まで運ぶ。そして、蓋部12の第1ロック手段16を操作して、蓋部12のダストカップ11に対する固定を解除する。この状態で、蓋部12を垂直上方に引き上げる、つまり、蓋部12とダストカップ11とを排気筒13の軸線方向に離間させる。
ここで、図10(a)は、蓋部12をダストカップ11から離間させつつある状態のサイクロン集塵ユニット4の外観斜視図であり、図10(b)は、上記サイクロン集塵ユニット4を縦断面で2分割したときの一方の斜視図であり、図10(c)は、上記サイクロン集塵ユニット4の縦断面図である。
この状態では、連結手段24は、排気筒13の軸線方向において、上側凹部13dと下側凹部13eとの間に位置するため、連結手段24の排気筒13側への逃げがない。したがって、連結手段24における排気筒13側は、フィルタ14の面と同面となる一方、ダストカップ11側は、ダストカップ11の凹部11eに嵌合しており、連結手段24を有する清掃手段15が、この連結手段24を介してダストカップ11に固定される。よって、蓋部12をダストカップ11から離間させつつある状態で、連結手段24に不慮の荷重が加わったとしても、清掃手段15がダストカップ11から外れることはない。したがって、この場合は、蓋部12のダストカップ11からの離間動作に連動して、清掃手段15のクリーニング体21(図8参照)により、排気筒13表面のフィルタ14の清掃が行われることになる。
このとき、蓋部12とダストカップ11とを離間させる方向が、排気筒13の軸線方向であるので、蓋部12とダストカップ11とを上記離間方向に引き離す力を、そのまま清掃手段15によるフィルタ14の清掃動作に利用することができる。
次に、図11(a)は、図10(a)の状態から蓋部12をダストカップ11に対してさらに離間させて、連結手段24が排気筒13の半径方向において下側凹部13eと対向する位置にきた状態でのサイクロン集塵ユニット4の外観斜視図であり、図11(b)は、上記サイクロン集塵ユニット4を縦断面で2分割したときの一方の斜視図であり、図10(c)は、上記サイクロン集塵ユニット4の縦断面図である。
この状態では、連結手段24が下側凹部13eに逃げる(上記半径方向内側に移動する)ことが可能となり、また、排気筒13の端部13cが清掃手段15の保持体23に当接する。したがって、この状態から、蓋部12をダストカップ11に対してさらに離間させようとすると、端部13cが保持体23を持ち上げる状態となり、この保持体23を介して清掃手段15の連結手段24に上方向(蓋部12の離間方向)の力が働く。
このとき、連結手段24の頭部24a(図8、図9参照)は、上述した形状を有しているので、頭部24aと凹部11eとの接触時に生じる上記半径方向内側への分力により、連結手段24が上記半径方向内側に移動して、脚部24c(図8、図9参照)が排気筒13の下側凹部13eに嵌合する。これにより、清掃手段15の連結手段24を介してのダストカップ11への固定が解除されるのと同時に、清掃手段15は連結手段24を介して排気筒13に一時的に保持される。その結果、清掃手段15を排気筒13に保持させたまま、蓋部12をダストカップ11から離間させ、これらを完全に分離することが可能となり、ダストカップ11内のゴミを捨てることが可能となる(図12(a)ないし図12(c)参照)。このとき、清掃手段15によるフィルタ14の清掃は終了しており、ユーザが清掃を意識することはない。
(4.取り付け方法)
次に、ゴミ捨て後における蓋部12のダストカップ11への取り付け方法について説明する。
本実施形態では、連結手段24は、離間した蓋部12とダストカップ11とを接合する際に、清掃手段15の排気筒13での保持位置に応じて、清掃手段15をダストカップ11に連結するようになっている。そこで、説明の便宜上、排気筒13での清掃手段15の保持位置を第1の状態から第3の状態まで3分割し、各状態ごとに蓋部12のダストカップ11への取り付け方法を説明することとする。
ここで、第1の状態とは、清掃手段15が排気筒13に対して最下方位置で保持されている状態を指し、第2の状態とは、清掃手段15が排気筒13に対して最上方位置と最下方位置との間の中間位置で保持されている状態を指し、第3の状態とは、清掃手段15が排気筒13に対して最上方位置で保持されている状態を指すものとする。
また、これらの各状態では、蓋部12は、排気筒13に清掃手段15を保持させたまま、ダストカップ11とは完全に分離されているため、連結手段24に排気筒13の半径方向内側への力は何ら働いてはおらず、それゆえ、連結手段24は、板バネ部24bによる付勢力により、上記半径方向の最も外側に位置している。
まず、第1の状態での蓋部12のダストカップ11への取り付け方法について説明する。図12(a)は、第1の状態でのサイクロン集塵ユニット4の外観斜視図であり、図12(b)は、上記サイクロン集塵ユニット4を縦断面で2分割したときの一方の斜視図であり、図12(c)は、上記サイクロン集塵ユニット4の縦断面図である。
第1の状態では、連結手段24が下側凹部13eと上記半径方向において対向する位置関係にあり、下側凹部13eに逃げる(上記半径方向内側に移動する)ことが可能となっている。この状態から、蓋部12をダストカップ11に対してさらに近づけると、連結手段24の頭部24aがダストカップ11の開口部の縁に当たり、頭部24aが排気筒13の軸線方向に力を受ける。
このとき、連結手段24の頭部24aは、上述した形状を有しているので、頭部24aと上記の縁との接触時に生じる上記半径方向内側への分力により、連結手段24が上記半径方向内側に移動して、脚部24cが排気筒13の下側凹部13eに嵌合する。これにより、清掃手段15を排気筒13に保持させたまま、蓋部12をダストカップ11にさらに近づける可能となる。
やがて、連結手段24が排気筒13の半径方向においてダストカップの凹部11eとの対向位置にくると、連結手段24の板バネ24bの上記半径方向外側への付勢力により、連結手段24は上記半径方向外側に移動して、連結手段24の頭部24aが凹部11eに嵌合する。これにより、清掃手段15は、連結手段24を介してダストカップ11に固定されることになる。この状態で、蓋部12をさらにダストカップ11に近づけていき、前述した第1ロック手段16によって、蓋部12とダストカップ11とを締結すれば、蓋部12のダストカップ11へのセットが完了する。
次に、第2の状態での蓋部12のダストカップ11への取り付け方法について説明する。図13(a)は、第2の状態でのサイクロン集塵ユニット4の外観斜視図であり、図13(b)は、上記サイクロン集塵ユニット4を縦断面で2分割したときの一方の斜視図であり、図13(c)は、上記サイクロン集塵ユニット4の縦断面図である。
第2の状態においても、排気筒13に清掃手段15を保持させたまま、蓋部12をダストカップ11に近づけていく。すると、やがて、図14に示すように、連結手段24がダストカップ11の開口部の縁と当接する。この状態から、蓋部12をさらにダストカップ11に近づけると、連結手段24の頭部24aが、上記縁から排気筒13の軸線方向に力を受けるが、曲面形状の頭部24aと上記縁との当接により、連結手段24には排気筒13の半径方向の分力が生じる。しかし、この状態では、排気筒13には、連結手段24を半径方向内側に逃がすための受け(凹部)は存在しないので、連結手段24は、上記半径方向内側には移動できない。
この状態から、さらに蓋部12をダストカップ11に近づけると、連結手段24は、やがて上側凹部13dと上記半径方向において対向するように位置するようになり、上側凹部13dに逃げる(上記半径方向内側に移動する)ことが可能となる。したがって、この状態から、蓋部12をダストカップ11に対してさらに近づけると、上記の分力によって連結手段24が上記半径方向内側に移動して、連結手段24の脚部24cが排気筒13の上側凹部13dに嵌合する。これにより、清掃手段15が排気筒13に一時的に保持され、清掃手段15とともに蓋部12をさらに押し込むことが可能となる。
やがて、連結手段24が排気筒13の半径方向においてダストカップの凹部11eとの対向位置にくると、連結手段24の板バネ24bの上記半径方向外側への付勢力により、連結手段24は上記半径方向外側に移動して、連結手段24の頭部24aが凹部11eに嵌合する。これにより、清掃手段15は、連結手段24を介してダストカップ11に固定されることになる。この状態で、蓋部12をさらにダストカップ11に近づけていき、前述した第1ロック手段16によって、蓋部12とダストカップ11とを締結すれば、蓋部12のダストカップ11へのセットが完了する。
次に、第3の状態での蓋部12のダストカップ11への取り付け方法について説明する。図15(a)は、第3の状態でのサイクロン集塵ユニット4の外観斜視図であり、図15(b)は、上記サイクロン集塵ユニット4を縦断面で2分割したときの一方の斜視図であり、図15(c)は、上記サイクロン集塵ユニット4の縦断面図である。
第3の状態では、連結手段24が上側凹部13dと排気筒13の半径方向において対向する位置関係にあり、上側凹部13dに逃げる(上記半径方向内側に移動する)ことが可能となっている。この状態から、蓋部12をダストカップ11に近づけると、連結手段24の頭部24aがダストカップ11の開口部の縁に当たり、頭部24aが排気筒13の軸線方向に力を受ける。
このとき、連結手段24の頭部24aは、上述した形状を有しているので、頭部24aと上記の縁との接触時に生じる上記半径方向内側への分力により、連結手段24が上記半径方向内側に移動して、連結手段24の脚部24cが排気筒13の上側凹部13dに嵌合する。これにより、清掃手段15を排気筒13に保持させたまま、蓋部12をダストカップ11にさらに近づける可能となる。
やがて、連結手段24が排気筒13の半径方向においてダストカップの凹部11eとの対向位置にくると、連結手段24の板バネ24bの上記半径方向外側への付勢力により、連結手段24は上記半径方向外側に移動して、連結手段24の頭部24aが凹部11eに嵌合する。これにより、清掃手段15は、連結手段24を介してダストカップ11に固定されることになる。また、この状態では、蓋部12とダストカップ11とが接触した状態となり、前述した第1ロック手段16によって、蓋部12とダストカップ11とを締結すれば、蓋部12のダストカップ11へのセットが完了する。
なお、以上では、蓋部12とダストカップ11との離間状態では、清掃手段15が排気筒13のみに保持されている場合の例について説明したが、清掃手段15の位置に応じて、清掃手段15が排気筒13と蓋部12との一方または両方に保持される構成であっても構わない。例えば、清掃手段15が排気筒13の軸線方向において最も蓋部12側に位置しているときには、清掃手段15を外側から覆うように、蓋部12が清掃手段15を保持する構成であってもよい。
(5.効果)
以上のように、本実施形態の電気掃除機は、(1)サイクロン集塵ユニット4が、掃除機本体2と吸込口体1との間のユニット収容部6に対して着脱可能に設けられているともに、(2)清掃手段15は、そのサイクロン集塵ユニット4を構成する蓋部12とダストカップ11との離間動作に伴って、蓋部12に設けられる排気筒13表面のフィルタ14と摺動することにより、フィルタ14を清掃する構成である。
上記(1)の構成により、サイクロン集塵ユニット4内のゴミを捨てる場合には、サイクロン集塵ユニット4ごとユニット収容部6から取り外してゴミ捨て場まで運び、ゴミ捨て場で蓋部12とダストカップ11とを分離すれば、中身のゴミを捨てることができる。このとき、蓋部12とダストカップ11との分離によって排気筒13が露出するが、露出するのはゴミ捨て場においてである。したがって、露出した排気筒13に振動、衝撃等が加わったとしても、排気筒13に残存している塵埃は、ゴミ捨て場で飛散および落下し、電気掃除機による清掃済みの場所で飛散および落下するのを回避することができる。その結果、上記構成によれば、ダストカップ11内のゴミ捨て時に排気筒13に残存する塵埃により、清掃後の床面や室内の空気が汚れるのを回避することができる。また、ゴミ捨て場まで運ばれるのは、蓋部12とダストカップ11とを接合させた状態のサイクロン集塵ユニット4であるため、移動中に周囲にゴミが飛散することはなく、ユーザは不快な思いをしなくて済む。
また、上記(2)の構成によれば、蓋部12とダストカップ11との離間動作に伴って、清掃手段15がフィルタ14を清掃するので、蓋部12をダストカップ11から取り外してダストカップ11内のゴミ捨てを行うごとに、フィルタ14を清掃できる。その結果、サイクロン集塵ユニット4をユニット収容部6に着脱する上記(1)の構成においても、フィルタ14の目詰まりを防止して、サイクロン集塵ユニット4の集塵能力の低下を防止することができる。また、清掃手段15によるフィルタ14の清掃は、蓋部12とダストカップ11との離間動作に連動して自動的に行われるので、ユーザが別途フィルタ14を清掃する必要がなく、サイクロン集塵方式の電気掃除機の利便性を向上させることができる。また、上記離間動作時にフィルタ14から落下する塵埃は、ダストカップ11内に受け止められるので、これが周囲に飛散することはない。
また、清掃手段15は、フィルタ14との摺動が完了するまで、連結手段24により、ダストカップ11に保持されるので、そのダストカップ11に保持された清掃手段15により、フィルタ14全体を確実に清掃することができる。一方、上記摺動が完了した後は、清掃手段15は、連結手段24によるダストカップ11への連結が解除されて排気筒13に保持されるので、清掃手段15を蓋部12と一体的にダストカップ11から分離することができ、ダストカップ11内のゴミを捨てることが可能となる。また、清掃手段15が排気筒13に保持される、つまり、清掃手段15が排気筒13とは別個に分離されないので、ユーザが清掃手段15を支持すべく、清掃手段15に手を触れる必要が一切なく、手の汚れを気にしなくても済む。
また、排気筒13には、蓋部12とダストカップ11との離間動作に伴う清掃手段15とフィルタ14との摺動が完了した後に、連結手段24が移動して嵌合するための凹部(下側凹部13e)が形成されている。これにより、上記摺動後は、連結手段24によって清掃手段15を一時的に排気筒13に保持させるのと同時に、連結手段24による清掃手段15とダストカップ11との連結を確実に解除することができる。したがって、清掃手段15を排気筒13に保持させた状態で蓋部12とダストカップ11とを確実に分離することができる。
また、連結手段24は、離間した蓋部12とダストカップ11とを接合する際に、清掃手段15の排気筒13での保持位置に応じて、清掃手段15をダストカップ11に連結するので、清掃手段15が排気筒13にどのような位置で保持されていても、最終的には、清掃手段15をダストカップ11に保持させて、蓋部12とダストカップ11とを接合させることができる。したがって、清掃手段13の排気筒13での保持位置によって、蓋部12とダストカップ11とを接合できないといった誤使用がない。
また、離間した蓋部12とダストカップ11との接合後は、連結手段24により、清掃手段15がダストカップ11に連結されていることになるので、その後、次に、ゴミ捨てのために蓋部12とダストカップ11とを再度離間させるときでも、連結手段24によって清掃手段15をダストカップ11に連結した状態で、蓋部12とダストカップ11とを離間させることができる。したがって、清掃手段15によるフィルタ清掃を、上記離間動作開始時から直ちに開始させることができ、フィルタ清掃を有効に行うことができる。