JP2005168435A - 細胞培養装置及び細胞培養方法 - Google Patents

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靖典 市川
Hirohiko Tsuzuki
博彦 都築
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悟 戸田
Fumiko Shiraishi
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Abstract

【課題】 動物細胞の培養に最適な培養装置を構築すること。
【解決手段】 培養したい細胞を付着させるための高分子含水ゲル膜に細胞を付着させ培養液を流すことにより細胞を培養する装置において、少なくとも細胞培養部以前と細胞培養部と細胞培養部以降の3個所以上の場所でそれぞれ独立に温度を制御できる温度制御手段を流路近傍に設け、それぞれの温度制御手段の温度がお互いに影響を与えないようにそれぞれの温度制御手段の間に断熱手段を有することを特徴とする細胞培養装置。
【選択図】 なし

Description

本発明は、動物培養技術に関するものである。更に詳しくは、本発明は、細胞培養装置、及び、この装置を用いた細胞培養方法に関するものである。
古くから 医薬品の研究及び開発においては、古くから実験動物が用いられてきている。一方、ヒト特有の代謝機能により実験動物では予知できない医薬品の効能、副作用があることもわかっている。また、最近では動物愛護の観点から実験動物の削減が叫ばれていること、およびヒトでの治験に開発費が多くかかることから、生体と同じ機能を持つ臓器をin vitroで再現することが望まれている。近年、再生医療の技術が出現し、このようなモデルを構築できる可能性がでてきた。
生体内で臓器は血液をはじめとする様々な流体に接することで機能を発現しており、臓器のモデル化には流動系での細胞培養が不可欠であることから、各種のリアクターによる培養方法が提案されている(特許文献1および2参照)。
生体内の流体は毛管を流れ細胞に各種物質を供給し、排泄物を流出させている。また、さらに血管内皮細胞などの流体に直接接する細胞は血流の剪断が細胞への刺激となることが知られている。これらの条件を充たす培養条件を構築するためには、マイクロリアクターでの細胞培養が生体系のモデル化に適していると考えられ、多くの研究がなされている(非特許文献1〜3参照)。
特に肝臓をモデル化するには胆汁に相当する培地が血液に相当する培地に逆流することなく、かつ両培地と細胞間の物質移動が可能な状態での培養が必要となる。このような観点で作製された肝臓モデルとしては、血液側培地から胆汁側培地に流れを作りその途中で細胞培養する方法がある。しかしながら、実際の肝臓では胆汁と血液の間には細胞が存在し、直接することはなく、完全な肝臓モデルとはいえない。
2種類の培地を隔壁を設けて分けて培養する方法としては糸状菌等を用いた物質生産用のバイオリアクターで提案されている(特許文献3及び4参照)。しかしながら、これらの方法では血液の流れを模し、血流の剪断によって細胞への刺激をあたえることが難しく、動物細胞の培養、生体モデルの構築には適さない。
また、上記したような(動物)細胞培養装置の特徴は流動系での培養が必要であり、その目的によるが時間オーダーから日オーダーの培養が必要であり、長時間、安定に試験が可能な設備系の構築が求められている。その一方で、加速条件を見つけ試験時間を短縮したり、強制試験を行うことで検体の対応力を強制試験したりできることが必要である。
特開2001-190270号公報 米国特許第5,202,254号公報 特開平7-322874号公報 特開平8-9958号公報 Manabu Tokeshi et al, Anal. Chem., 74, 1565 (2002) Shuichi Takayama et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 5545 (1999) M. J. Powers et al, Tissue Eng., 8, 499 (2002)
本発明は、動物細胞の培養に最適な培養装置を構築することを解決すべき課題とする。より具体的には、(1)培養する細胞に均一な条件で物質を供給することができ、(2)物質供給のための流れを均一化することができ、(3)デッドスペースがなく、(4)流れにより細胞層の剥離が発生させないようすることができる、細胞培養装置及び細胞培養方法を提供することが必要であるが、上記した基本的な機能の他に、(5)試験時間の短縮、及び(6)検体の条件対応力の評価などが求められている。このような課題を解決するための手段としては温度を制御することが挙げられる。本発明は、細胞培養装置に相応しい温度制御方法を実用レベルで実現することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、培養装置に培養液を供給し、目的の細胞を培養する系において、少なくとも細胞培養部以前と細胞培養部と細胞培養部以降の3個所以上の場所でそれぞれ独立に温度を制御できる温度制御手段を流路近傍に設け、それぞれの温度制御手段の温度がお互いに影響を与えないようにそれぞれの温度制御手段の間に断熱手段を設けることによって、上記の課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明によれば、培養したい細胞を付着させるための高分子含水ゲル膜に細胞を付着させ培養液を流すことにより細胞を培養する装置において、少なくとも細胞培養部以前と細胞培養部と細胞培養部以降の3個所以上の場所でそれぞれ独立に温度を制御できる温度制御手段を流路近傍に設け、それぞれの温度制御手段の温度がお互いに影響を与えないようにそれぞれの温度制御手段の間に断熱手段を有することを特徴とする細胞培養装置が提供される。
好ましくは、断熱手段は真空による断熱構造を有する。
好ましくは、断熱手段は、培養装置を構成する部材を削り取った構造の空気断熱構造を有する。
好ましくは、温度制御を流路形成層側だけではなく蓋側からも行うことができるように温度制御手段が設けられている。
好ましくは、本発明の細胞培養装置は、高分子含水ゲル膜の一方の側と他方の側に異なる液体を流すことができる構造を有している。
好ましくは、本発明の細胞培養装置は、培養液を配管若しくは配管状の構造を通じて培養装置に導入後、この配管部の動圧を培養装置の幅方向に均一化するための第一の圧力均一化機構を有し、ここから流れ方向に流れる流路を厚み方向で1mm以下であるμオーダーの均一厚みの流路とし、この流路の途中に細胞培養部を設け、更にこの下流側流路を厚み方向で1mm以下であるμオーダーの均一厚みの流路とし、更にその下流に出口配管若しくは配管状の構造を有している。
好ましくは、第一の圧力均一化機構は、培養装置に供給される液体圧力を流出口において均一圧力に調整するためのポケット構造である。
好ましくは、本発明の細胞培養装置は、細胞培養部の下流側流路の下流に培養装置から流出する時の流れを安定化させるための第二の圧力均一化機構を更に有している。
好ましくは、第二の圧力均一化機構は、培養装置から流出する液流れが細胞培養部から圧力調整機構に流れ込む流れを均一圧力に調整するためのポケット構造である。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の細胞培養装置を用いることを特徴とする、細胞培養方法が提供される。
好ましくは、培養する細胞は動物細胞である。
本発明の細胞培養装置を用いることにより、細胞培養装置の中で流れ方向、幅方向に安定な温度制御が可能であり、その制御性も長時間安定である。本発明によれば、今後ますます盛んになる細胞培養試験、細胞代謝試験などを実現するための温度制御装置を組み込んだ実用的な装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の細胞培養装置は、培養したい細胞を付着させるための高分子含水ゲル膜に細胞を付着させ培養液を流すことにより細胞を培養する装置である。本発明で用いる高分子含水ゲルとしては、高分子が化学結合によって網目状構造をとり、網目に多量の水を保有した物質であれば任意の物質を使用することができる。ハイドロゲルを形成する高分子化合物としては、アニオン性多糖類(アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、アガロペクチン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースなど)やその塩、カチオン性多糖類(キトサン、部分脱アセチルキチン、アミノ化セルロースなど)やその塩、ノニオン性多糖類(デキストラン、セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アガロース、アミロース、グリコマンナンなど)、ポリペプチド(コラーゲン、ゼラチン、絹フィブロインなど)、合成高分子(ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなど)、無機(シリカゲルなど)、並びにこれらの混合物や複合体が挙げられる。
本発明で用いる高分子含水ゲルとしては、キトサン含有ゲルが好ましく用いられる。本明細書で言うキトサン含有ゲルとは、キトサンを酸で溶解し、pHを上昇させ水不溶化したもの、キトサンと水溶性アニオン性高分子(アルギン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、アガロペクチン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸やその共重合体、ポリメタクリル酸やその共重合体、ポリスチレンスルホン酸やその共重合体など)もしくは両性高分子(ゼラチン、コラーゲンなど)とポリイオンコンプレックスを作らせたものが挙げられる。ポリイオンコンプレックスの作り方としては、キトサン水溶液とアニオン性もしくは両性高分子水溶液を混合させる方法や、キトサン水溶液とアニオン性もしくは両高分子水溶液に交互に浸漬するいわゆる交互積層(layer-by-layer)法などが挙げられる。ここで交互積層法を用いる場合は最上層(最終浸漬液)をキトサンとすることが好ましい。本発明で用いるキトサン含有ゲルにはゲル化に直接寄与しない化合物を添加してもよい。
本発明で用いる高分子含水ゲルの厚さとしては、乾燥膜厚として5μm以上200μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下が特に好ましい。高分子含水ゲルの厚さが薄いと強度が不足し、培地を流動させた際に破ける問題が生じる。また、高分子含水ゲルの厚さが厚いと物質の拡散に時間がかかる問題が生じる。
本発明の細胞培養装置においては、高分子含水ゲル膜の少なくとも一方の面は動物細胞接着性物質で覆われていることが好ましい。本発明で用いることができる動物細胞接着性物質は、培養する細胞種によって異なるが、ポリペチドが好ましく用いられる。このようなポリペプチドとしては、いわゆる細胞接着性ペプチドであり、細胞毒性が無く、通常の培養条件で動物細胞が付着するペプチドであれば天然又は合成のペプチドのいずれでもよいが、好ましくは層状の細胞外マトリックス成分ゲルである。細胞外マトリックスは、一般的には「動物組織中の細胞の外側に存在する安定な生体構造物で、細胞が合成し、細胞外に分泌・蓄積した生体高分子の複雑な会合体」と定義されており(生化学辞典(第3版)p.570,東京化学同人(株))、細胞を物質的に支持する役割や細胞の活性を調節する役割(すなわち細胞外の情報を細胞に伝えその活性に変化を与える役割)等を担っている。細胞外マトリックス成分であるポリペプチドとは、細胞外マトリックスの構成成分を意味し、その具体例としては、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、ゼラチン等を例示でき、これらのうち特に好ましいものとして、コラーゲン、アテロコラーゲン、マトリゲル(IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸よりなるゲル)を例示できる。細胞外マトリックス成分は、常法に従って得ることができる。また、市販の細胞外マトリックス成分を使用してもよい。細胞接着性成分のゲル化は、常法に従って行なうことができる。例えば、細胞接着性成分がコラーゲンである場合には、0.3〜0.5%コラーゲン水溶液を37℃で10〜20分間インキュベーションすることにより、コラーゲンゲルを得ることができる。細胞外マトリックス成分のゲル化の際には、必要に応じてゲル化剤を使用してもよい。
本発明の細胞培養装置においては、高分子含水ゲル膜の少なくとも一方の面上において動物細胞を培養する。培養し得る動物細胞の具体例としては、繊維芽細胞、血管内皮細胞、軟骨細胞、肝細胞、小腸上皮細胞、表皮角化細胞、骨芽細胞、骨髄間葉細胞、胚性幹細胞、体性幹細胞等を例示できる。動物細胞の培養の際には、通常、細胞濃度1〜1.5万cells/mlの培養液(例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12培地、HamF10培地)を細胞接着性ゲル層上に添加する。動物細胞の培養条件は、培養する細胞に従って適宜選択し得る。細胞接着性ゲル層上で細胞を培養する場合には、通常、細胞接着性ゲル層上にコンフルエントな単層の細胞層が形成されるまで行う。
細胞培養担体(高分子含水ゲル膜)を用いた動物細胞の培養は具体的には次のようにして行うことができる。高分子含水ゲル膜をシャーレ等の内部に設置し、シャーレ内に適当な培養液(例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12培地、HamF10培地)を添加して5分浸漬後培地交換することを3回繰り返したのち12〜24時間放置し、培養液を細胞培養担体(高分子含水ゲル膜)中に浸潤させる。シャーレ内の培養液を捨て、細胞培養担体の細胞接着性ゲル層上に細胞を播き、シャーレ内に適当な培養液(例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12培地、HamF10培地)を添加する。37℃で1〜2時間放置し、細胞接着性ゲル層に保持(接着)させた後、37℃で培養を続ける。培養の際には、必要に応じて培養液を交換してもよい。通常は培養0.5〜2日ごとに培養液を交換する。ついで高分子含水ゲル膜を培養装置に組み込み培地をポンプで送液する。
あるいは別法としては、高分子含水膜を予め培養装置に組み込み細胞を液体に分散し高分子含水ゲル膜表面に送り込み、付着、増殖、培養を行ってもよい。
本発明の装置において一緒に培養する動物細胞の種類は、2種類以上10種類以下であることが好ましく、複数の動物細胞を平面共培養(高分子含水ゲル層上に複数種の細胞を培養)或いは重層化することができる。平面共培養の具体例としては、繊維芽細胞、肝細胞等のポリペプチド上にのみ接着する細胞を予め培養したのち、アニオン性多糖類上に接着する血管内細胞等の細胞を培養する方を例示できる。
本発明の細胞培養装置を用いた動物細胞培養物上に、別に調製した細胞シートを載せることによって重層化培養を行うこともでき、これは本発明の好ましい態様でもある。重層のする層の数は2層以上10層以下が好ましい。重層化する動物細胞層として、例えば、血管内皮細胞層、肝細胞層を使用すれば、肝臓の3次元組織構造物を構築できる。この3次元組織構造物は、in vitroにおける薬物の透過性試験へ適用できるとともに、動物実験代替モデルや移植用臓器へ応用できる。重層化した動物細胞層は、細胞層を構成する細胞の種類に応じた培養条件で培養することができる。培養の際には、例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12培地、HamF10培地等の培地を使用できる。高分子含水ゲル膜を用いた細胞培養物が平面共培養となっている場合、さらに重層化することで3次元状に細胞組織を構築することが可能となる。
本発明の細胞培養装置は、高分子含水ゲル膜の一方の側と他方の側に異なる液体を流すことができる構造を有していてもよい。このような装置を用いれば、高分子含水ゲル膜の一方の側と他方の側に異なる液体を流しながら動物細胞の培養を行うことができる。本明細書で言う「異なる液体」とは、同じ組成の液体を循環させないで流すことも含まれるが、一方の側と他方の側に異なる組成の液体を流す態様が好ましい。動物細胞側に流す液体としては血液を模した液体、例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12、HamF10培地に酸素を飽和させたものなどが挙げられ、動物細胞とは逆側に流す液体としては、胆汁を模した液体、例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12培地、HamF10培地、等潮リン酸緩衝液などが挙げられ、胆汁成分として胆汁酸等を添加してもよい。液体の流量は流れずり応力として2.0dyn/cm2以上が細胞に負荷する流速が好ましく、2.0〜3.0dyn/cm2の負荷が細胞に負荷する流速が特に好ましい。また、流れずり応力を細胞に負荷するためには、本発明の細胞培養装置はマイクロリアクターであることが好ましい。本発明の培養装置のサイズは、適当な流れずり応力を付加できるサイズであれば特に限定されず、例えば、用途によって、メートルスケール(物質生産)からマイクロスケール(センサー)にすることができる。
本発明の細胞培養装置においては、高分子含水ゲル膜と培養装置内壁とにより流路を形成することができる。この場合、高分子含水ゲル膜と培養装置の内壁との間隙は、10μm以上2mm以下であることが好ましく、特に好ましくは20μm以上1mm以下である。間隙が狭すぎると動物細胞が培養装置の内壁に接してしまい、液を流すことができない。また、間隙が広すぎると液層の遠い部分から動物細胞へ物質供給が遅くなる問題や動物細胞に適当な剪断を付与するのが難しいという問題が生じる。
上記した流路は、固体基板上に微細加工技術により作成することができる。使用される材料の例としては、金属、シリコン、テフロン(登録商標)、ガラス、セラミックスまたはプラスチックなどである。耐熱、耐圧および耐溶剤性が必要な場合、好ましい材料は金属、シリコン、テフロン(登録商標)、ガラスまたはセラミックスであるが、特に好ましくは金属である。金属の例を挙げれば、ニッケル、アルミ、銀、金、白金、タンタル、ステンレス、ハステロイ(Ni−Fe系合金)またはチタンであるが、好ましくは耐腐食性の高いステンレス、ハステロイもしくはチタンである。
従来のバッチ式反応装置では酸性物質などを扱う時に金属(ステンレス等)表面にガラスで被覆した装置が用いられるが、マイクロリアクターでも金属表面にガラスで被覆してもよい。ガラスに限らず目的に応じて、金属の上に別の金属もしくは他の材料をコーティングしても良いし、金属以外の材料(例えばセラミック)に金属もしくはガラスなどをコーティングしてもよい。
流路を作成するための微細加工技術として代表的なものを挙げれば、X線リソグラフィを用いるLIGA技術、EPON SU-8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法、マイクロ放電加工法(μ−EDM)、Deep RIEによるシリコンの高アスペクト比加工法、Hot Emboss加工法、光造形法、レーザー加工法、イオンビーム加工法、およびダイアモンドのような硬い材料で作られたマイクロ工具を用いる機械的マイクロ切削加工法などがある。これらの技術を単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。好ましい微細加工技術は、X線リソグラフィを用いるLIGA技術、EPON SU-8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法、マイクロ放電加工法(μ−EDM)、および機械的マイクロ切削加工法である。
本発明の細胞培養装置(バイオリアクター)を組み立てるためには、接合技術を用いることができる。通常の接合技術は大きく固相接合と液相接合に分けられ、一般的に用いられている接合方法は、固相接合として圧接や拡散接合、液相接合として溶接、共晶接合、はんだ付け、接着等が代表的な接合方法である。更に、組立に際しては高温加熱による材料の変質や大変形による流路等の微小構造体の破壊を伴わない寸法精度を保った高度に精密な接合方法が望ましいが、その技術としてはシリコン直接接合、陽極接合、表面活性化接合、水素結合を用いた直接接合、HF水溶液を用いた接合、Au-Si共晶接合、ボイドフリー接着などがある。
本発明の細胞培養装置を用いた動物細胞の培養は、流路の中を流れながら、すなわちフローで行う。
本発明の細胞培養装置の流路は目的に応じて表面処理してもよい。特に水溶液を操作する場合、ガラスやシリコンへの試料の吸着が問題になることがあるので表面処理は重要である。マイクロサイズの流路内における流体制御では、複雑な製作プロセスを要する可動部品を組み込むことなくこれを実現することが望ましい。例えば、流路内に表面処理により親水性と疎水性の領域を作成し、その境界に働く表面張力差を利用して流体を操作することが可能になる。
細胞培養装置のマイクロサイズの流路中へ試薬やサンプルなどを導入して混合するために、流体制御機能が必要である。特に、微小領域における流体の挙動は、マクロスケールとは異なる性質を持つため、マイクロスケールに適した制御方式を考えなければならない。流体制御方式は形態分類すると連続流動方式と液滴(液体プラグ)方式があり、駆動力分類すると電気的駆動方式と圧力駆動方式がある。これらの方式を以下に詳しく説明する。
流体を扱う形態として、最も広く用いられるのが連続流動方式である。連続流動式の流体制御では、培養装置の流路内は全て流体で満たされ、外部に用意したシリンジポンプなどの圧力源によって、流体全体を駆動するのが一般的である。この場合、比較的簡単なセットアップで制御システムを実現できることが一つの利点であるが、複数ステップの反応やサンプルの交換を伴うような操作は困難で、システム構成の自由度が小さいこと、また駆動媒体が溶液そのものであるため、デッドボリュームが大きいことなどが難点である。連続流動方式とは異なる方式として、液滴(液体プラグ)方式がある。この方式では、培養装置内部や培養装置に至る流路内で、空気で仕切られた液滴を動かすものであり、個々の液滴は空気圧によって駆動される。その際、液滴と流路壁あるいは液滴同士の間の空気を必要に応じて外部に逃がすようなベント構造、及び分岐した流路内の圧力を他の部分と独立に保つためのバルブ構造などを、培養装置システム内部に用意する必要がある。また、圧力差を制御して液滴の操作を行うために、外部に圧力源や切り替えバルブからなる圧力制御システムを構築する必要がある。このように液滴方式では、装置構成や培養装置の構造がやや複雑になるが、複数の液滴を個別に操作して、いくつかの反応を順次行うなどの多段階の操作が可能で、システム構成の自由度は大きくなる。
流体制御を行うための駆動方式として、流路(チャンネル)両端に高電圧をかけて電気浸透流を発生させ、これによって流体移動させる電気的駆動方法と、外部に圧力源を用意して流体に圧力をかけて移動させる圧力駆動方法が一般に広く用いられている。両者の違いは、たとえば流体の挙動として、流路断面内で流速プロファイルが電気的駆動方式の場合にはフラットな分布となるのに対して、圧力駆動方式では双曲線状に、流路中心部が速くて、壁面部が遅い分布となることが知られており、サンプルプラグなどの形状を保ったまま移動させるといった目的には、電気的駆動方式の方が適している。電気的駆動方式行う場合には、流路内が流体で満たされている必要があるため、連続流動方式の形態をとらざるを得ないが、電気的な制御によって流体の操作を行うことができるため、例えば連続的に2種類の溶液の混合比率を変化させることによって、時間的な濃度勾配をつくるといった比較的複雑な処理も実現されている。圧力駆動方式の場合には、流体の電気的な性質にかかわらず制御可能であること、発熱や電気分解などの副次的な効果を考慮しなくてよいことなどから、基質に対する影響がほとんどなく、その適用範囲は広い。その反面、外部に圧力源を用意しなければならないこと、圧力系のデッドボリュームの大小に応じて、操作の応答特性が変化することなど、複雑な処理を自動化する必要がある。
流体制御方法として用いられる方法はその目的によって適宜選ばれるが、好ましくは連続流動方式の圧力駆動方式である。
本発明の細胞培養装置は、いかなる方法で滅菌されてもよい。滅菌法としてはアルコール滅菌、湿熱滅菌、乾熱滅菌、EOG滅菌、電子線、γ線、X線、紫外線などの放射線による滅菌が好ましく用いられ、放射線がさらに好ましく用いられ、電子線滅菌が特に好ましい。本発明における電子線滅菌の照射線量としては0.1kGy以上65kGy以下が好ましく、1kGy以上40kGy以下が特に好ましい。EOG滅菌などの化学滅菌、高圧蒸気ガス滅菌などの高熱をかける滅菌は細胞接着性層やアルギン酸ゲル層を分解するため好ましくない。このように滅菌した細胞培養担体((高分子含水ゲル膜))は無菌条件下であれば長期間に渡って室温保管が可能である。上記した滅菌法は単独もしくは複数種の組み合わせで実施してもよく、同一種の滅菌法を繰り返し使用してもよい。
本発明の細胞培養装置の構造の一例を図1〜図3に示す。図1〜図3に示したバイオリアクターは、図1に示す上部部品1と下部部品5との間に、図2に示す高分子含水ゲル膜保持用ステンレス9を、図3に示すように挟みこんだ構造を有している。上部部品1と下部部品5にはそれぞれ流路4及び8が形成されており、該流路4及び8の両端にはホース接続部2及び6が形成されている。また、上部部品1、下部部品5及び高分子含水ゲル膜保持用ステンレス9にはそれぞれ対応する位置にねじ穴3、7及び10が設けられており、該ねじ穴にねじをはめ込むことにより各部品を一体化することができる。
本発明の細胞培養装置の構造の一例を、図4を参照しながら説明する。
図4に示す本発明の細胞培養装置においては、培養液を配管若しくは配管状の構造11を通じて培養装置に導入後、この配管部の動圧を培養装置の幅方向に均一化するための第一の圧力均一化機構12を有することを特徴とする。また、図4に示す本発明の細胞培養装置においては、ここから流れ方向に流れる流路13を厚み方向で1mm以下であるμオーダーの均一厚みの流路とし、この流路の途中に細胞培養部14を設け、更にこの下流側流路15を厚み方向で1mm以下であるμオーダーの均一厚みの流路とし、更にその下流に出口配管若しくは配管状の構造16を有している。図4に示す本発明の細胞培養装置においては、細胞培養部の下流側流路15の下流に培養装置から流出する時の流れを安定化させるための第二の圧力均一化機構17を更に有している。図4に示す本発明の細胞培養装置においては、第一の圧力均一化機構12は、培養装置に供給される液体圧力を流出口において均一圧力に調整するためのポケット構造であり、第二の圧力均一化機構17は、培養装置から流出する液流れが細胞培養部から圧力調整機構に流れ込む流れを均一圧力に調整する為のポケット構造である。上記したポケット構造は、ポケット構造部に流れ込む単位時間当りの流量の少なくとも2倍分以上を保有できる容積を有し、流入液のベクトル方向が直接ポケットから流出する方向と直接重ならないことが好ましい。また、細胞培養部14は、培養液の流れ方向に対し四角形の構造を有していることが好ましい。好ましくは、本発明の細胞培養装置は、少なくとも流路形成部、蓋部及び細胞培養部に分解可能となるように構成することができる。また、ポケット構造部と流路13の間に、流路13よりも厚みの狭いオリフィス部を有することも好ましい。
次に、本発明の細胞培養装置の特徴を図5を参照しながら説明する。
図5に示す本発明の細胞培養装置においては、細胞培養部以前と細胞培養部と細胞培養部以降の3個所以上の場所でそれぞれ独立に温度を制御できる温度制御手段21、22及び23が流路近傍に設けられている。温度制御手段21は細胞培養部以前、温度制御手段22は細胞培養部、温度制御手段23は細胞培養部以降における温度制御手段である。また、それぞれの温度制御手段の温度がお互いに影響を与えないように、それぞれの温度制御手段の間には、断熱手段24が設けられている。本発明の細胞培養装置においては、培養部及び培養部に供給される液体の温度を所定の条件に制御するための具体的装置を提供するものであり、本発明の細胞培養装置を用いることにより適切な温度制御の下で細胞を培養することができる。
本発明で用いる温度制御手段としては、金属抵抗線や、ポリシリコンなどのヒーター構造を装置内に作り込み、加熱についてはこれを使用し、冷却については自然冷却でサーマルサイクルを行ってもよい。温度のセンシングは、金属抵抗線ではヒーターと同じ抵抗線をもう一つ作り込んでおき、その抵抗値の変化に基づいて温度検出を行い、ポリシリコンについては熱電対を用いて検出を行うことができる。また、ペルチェ素子を培養装置に接触させることによって外部から加熱、冷却を行ってもよい。どの方法を用いるかは用途や培養装置本体の材料などに合わせて選択される。
本発明で用いる断熱手段としては、断熱スリット(真空断熱スリットなど)を設けることなどが挙げられる。あるいは断熱材を用いて断熱スリットを構成することもできる。断熱材の種類などは、用途や培養装置本体の材料などに合わせて選択される。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1:
(1)リアクターの作製
長さ9cm、幅3cmのPMMA樹脂に流入口、ポケット、細胞培養部への液体供給流路、及び、培養部からの排出流路、ポケット、流出路から構成される2つの流路形成部とこの2つの流路形成部で挟まれるようにして組み込まれ、その中に細胞を培養する培養部で構成し、各々の液は内径1mmの流入配管で構成し、この先に半径5mmの半円状のポケット部を幅2cmで設け、このポケットから幅2cmの培養液の流出流路を深さ500μmで出口側の幅2cmのポケット部までの流路を設け、更にその先に入口と対象形状のポケットと流出配管部を設け、細胞培養部への供給流路、排出流路の下(厚さ1mm)にペルチェ型温度制御装置を幅2.1cm、長さ2.5cmのサイズで設け、更に細胞培養部の真下に幅2cm、長さ2cmのペルチェ型温度制御装置を設け、お互いの温度制御装置の間に幅2.8cm、長さ2mmの真空断熱部を設けた。また、細胞培養部を構成する部材は厚さ2mmとし、この途中に高分子含水ゲル膜保持用の厚さ100μm、幅2cm、長さ2cmのステンレス製加工品に以下に述べるゲル膜、細胞を付与し、細胞設置場所に設置する。
(2)温度測定
サンプルとなる液体に感温液晶をマイクロカプセル化した粒子を調製し(粒径;平均5μm、温度変化視認性±1℃)を分散し、液体の供給温度を20℃、細胞培養部の温度を30℃に制御し、細胞培養部の手前で20℃の液温が細胞培養部に流出する時に30℃になる様に途中の流路を31.5℃に加熱し、細胞培養部から流出する液温度を25℃にする為に24.3℃で冷却することで培養装置を流れる液の色が幅方向に均一で予め温度計で測定しながら確認した各温度での液体の色と同等色となる様に温度が制御されていることが確認できた。
(3)高分子含水ゲル膜の作製
キトサン(和光純薬製CT-100)20gを1質量%の酢酸水溶液1000gに徐々に添加して40℃で3時間攪拌して溶解し、富士写真フイルム製ミクロフィルターFG-30でろ過した。ろ過したキトサンの酢酸水溶液を、あらかじめ用意しておいたポリエチレンテレフタレートフイルム(フイルム厚200ミクロン)上にアプリケータでウェット膜厚250ミクロンとなるように塗布し、40℃にて3時間乾燥した。乾燥したキトサンゲル膜を、10質量%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液に60分間浸漬し、引き続きPBS溶液に60分間浸漬した。その後、流水下で60分洗浄後、40℃で3時間乾燥してキトサンゲルを得た。以上の膜を3時間 UV滅菌することで高分子含水ゲル膜を得た。
(4)動物細胞培養
(i)剥離型細胞培養膜
上記(2)で得たキトサンゲル膜を0.1mol/Lの塩化カルシウム水溶液に5分間浸漬した。その後、キトサンゲル膜を取り出し、SUS版の上にしわにならないように置いた。あらかじめ40℃で1時間乾燥しておいたスポンジローラーでキトサンゲル上の水分を吸収後、アプリケータでウェット膜厚500ミクロンとなるように塗布した。塗布物を0.5mol/L塩化カルシウムおよび0.05mol/Lの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルアミノ)カルボジイミド塩酸塩の混合水溶液に60分間浸漬し、引き続き流水下で30分間洗浄後、皿状のテフロン(登録商標)版上に移し変え、0.04mol/LのHEPES水溶液で希釈した0.03質量%のCELLMATRIX TypeI-C(新田ゼラチン社製)コラーゲン水溶液15gをキャストし、37℃で一昼夜乾燥した。以上の膜を3時間 UV滅菌することで剥離型細胞培養膜を得た。
(ii)重層細胞培養物の作成
(a)高分子含水ゲル膜上への培養
・使用細胞:HepG2(ヒト肝臓ガン由来細胞)
・使用培地:Eagle最小培地(MEM)、10%牛胎児血清
・細胞培養担体:
上記(3)の高分子含水ゲル膜をシャーレの中に置き、培地を添加して5分浸漬後培地交換することを3回繰り返したのち一晩放置し、培地を細胞培養担体中に浸潤させた。予め培養しておいた細胞をトリプシン処理で回収し、細胞濃度を50000cell/mlに調製した。セル及びシャーレ内の培地を捨てた後、この細胞液を細胞数10000cell/cm2となるようにシャーレ内に播種し培地を添加した。その後、CO2インキュベーターを用いて37℃で2日間培養した。
(b)剥離型細胞培養膜上への培養
・使用細胞:BAE(牛大動脈内皮細胞)
・使用培地:Eagle最小培地(MEM)、10%牛胎児血清
・細胞培養担体:
上記(i)の剥離型細胞培養膜をシャーレの中に置き、培地を添加して5分浸漬後培地交換することを3回繰り返したのち一晩放置し、培地を細胞培養担体中に浸潤させた。予め培養しておいた細胞をトリプシン処理で回収し、細胞濃度を50000cell/mlに調製した。セル及びシャーレ内の培地を捨てた後、この細胞液を細胞数10000cell/cm2となるようにシャーレ内に播種し培地を添加した。その後、CO2インキュベーターを用いて37℃で2日間培養した。
(c)細胞の重層化
上記(a)で作成した細胞培養物上に上記(b)の細胞培養物を細胞同士が接するように重ねMEM培地中で一晩培養した。この細胞培養物を剥離液(MEM培地に3mMの1-hydroxyethane-1,1-diphosphonic acid:HEDPを加えたもの)に10分間浸しアルギン酸カルシウム層を溶解させナイロンミクロフィルターを取り除いた。
(5)リアクターの組み上げと培養
上記(4)の細胞培養物を、上記(1)の細胞培養装置の高分子含水ゲル膜保持用ステンレスの枠内に組み込んだ。さらに培地Aとして細胞層側にMEMを、培地Bとして細胞層とは逆側にpH7.2の等張リン酸緩衝液にコール酸40g/Lの濃度で溶かし込んだものを流した。血流による剪断をモデル化するため、組織壁での流れずり応力に相当する2.5dyn/cm2が細胞に負荷できるように培地Aの流量を調整すると共に、母液温度を20℃、細胞培養部温度を25℃に設定し、培養部に供給させる液をペルチェ素子を用いて加熱することで25℃にし、培養後に同じくペルチェ素子を用いて冷却することで20℃にする系を構成し、72時間の培養試験を行った。この時の入口側ポケット、出口側ポケット、細胞培養部に熱電対を取り付け、十差の温度変化を連続的に観察し温度制御安定性を評価したが、±2.5℃の範囲で非常に安定制御が可能であった。また、この方法による細胞培養は順調であり、細胞の剥離も殆ど認められなかった。
比較例:
比較例においては、リアクタの作製において、ペルチェ型温度制御装置と真空断熱部のない装置を使用した他は実施例(1)と同様の操作を行い、室温を20℃に保ったまま細胞を培養した。
比較例の場合、入口側のポケット上部に取り付けた前述の圧力計で脈動率を測定した結果、0.6%の脈動率であった。また、培養自体は順調に行われたが、1%以下の細胞の剥離が観察された。
図1は、本発明の細胞培養装置の一例を構成する上部部品と下部部品の側面図と上面図を示す。 図2は、本発明の細胞培養装置の一例を構成する高分子含水ゲル膜保持用ステンレスを示す。 図3は、本発明の細胞培養装置の一例の構成を示す。 図4は、圧力均一化機構(ポケット構造)を有する本発明の細胞培養装置の一例の構成を示す。 図5は、温度制御手段と断熱手段とを有する本発明の細胞培養装置の一例の構成を示す。
符号の説明
1 上部部品
2 ホース接続部
3 ねじ穴
4 流路
5 下部部品
6 ホース接続部
7 ねじ穴
8 流路
9 高分子含水ゲル膜保持用ステンレス
10 ねじ穴
11 配管若しくは配管状の構造
12 第一の圧力均一化機構
13 流路
14 細胞培養部
15 下流側流路
16 出口配管若しくは配管状の構造
17 第二の圧力均一化機構
21 温度制御手段
22 温度制御手段
23 温度制御手段
24 断熱手段


Claims (11)

  1. 培養したい細胞を付着させるための高分子含水ゲル膜に細胞を付着させ培養液を流すことにより細胞を培養する装置において、少なくとも細胞培養部以前と細胞培養部と細胞培養部以降の3個所以上の場所でそれぞれ独立に温度を制御できる温度制御手段を流路近傍に設け、それぞれの温度制御手段の温度がお互いに影響を与えないようにそれぞれの温度制御手段の間に断熱手段を有することを特徴とする細胞培養装置。
  2. 断熱手段が真空による断熱構造を有する、請求項1に記載の細胞培養装置。
  3. 断熱手段が、培養装置を構成する部材を削り取った構造の空気断熱構造を有する、請求項1又は2に記載の細胞培養装置。
  4. 温度制御を流路形成層側だけではなく蓋側からも行うことができるように温度制御手段が設けられている、請求項1から3の何れかに記載の細胞培養装置。
  5. 高分子含水ゲル膜の一方の側と他方の側に異なる液体を流すことができる構造を有する、請求項1から4の何れかに記載の細胞培養装置。
  6. 培養液を配管若しくは配管状の構造を通じて培養装置に導入後、この配管部の動圧を培養装置の幅方向に均一化するための第一の圧力均一化機構を有し、ここから流れ方向に流れる流路を厚み方向で1mm以下であるμオーダーの均一厚みの流路とし、この流路の途中に細胞培養部を設け、更にこの下流側流路を厚み方向で1mm以下であるμオーダーの均一厚みの流路とし、更にその下流に出口配管若しくは配管状の構造を有する、請求項1から5の何れかに記載の細胞培養装置。
  7. 第一の圧力均一化機構が、培養装置に供給される液体圧力を流出口において均一圧力に調整するためのポケット構造である、請求項6に記載の細胞培養装置。
  8. 細胞培養部の下流側流路の下流に培養装置から流出する時の流れを安定化させるための第二の圧力均一化機構を更に有する、請求項6又は7に記載の細胞培養装置。
  9. 第二の圧力均一化機構が、培養装置から流出する液流れが細胞培養部から圧力調整機構に流れ込む流れを均一圧力に調整するためのポケット構造である、請求項8に記載の細胞培養装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の細胞培養装置を用いることを特徴とする、細胞培養方法。
  11. 培養する細胞が動物細胞である、請求項10に記載の細胞培養方法。

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