以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
本発明によれば、第1の照明装置が提供される。この第1の照明装置(例えば、図1等のバックライト装置1)は、予め設定された色度座標のそれぞれに対応する色度(例えば、図3の色度図における色度(点)35や色度(点)36、または、図16の色度図における色度(点)151−A乃至色度(点)151−D)で発光するようにそれぞれ製作された複数のランプ(例えば、図1等のランプ12−Aとランプ12−B)と、複数の前記ランプのそれぞれから入射する光を、所定の方向に出射する導光板(例えば、図1等の導光板11)と、複数のランプのそれぞれを駆動し、複数の前記ランプの総電流の実レベルを目標レベルに保つ制御を実行するとともに、導光板から出射される光の色度の色度座標の目標値、および、前記総電流の前記目標レベル若しくは前記実レベルに応じて、複数のランプのそれぞれに対する前記総電流の配分比を可変する制御を実行するランプ駆動装置(例えば、図2のインバータユニット13)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1の照明方法が提供される。この第1の照明方法は、予め設定された色度座標のそれぞれに対応する色度で発光するようにそれぞれ製作された複数のランプ(例えば、図1等のランプ12−Aとランプ12−B)と、複数の前記ランプのそれぞれから入射する光を、所定の方向に出射する導光板(例えば、図1等の導光板11)とを少なくとも備える照明装置(例えば、図1等のバックライト装置1)において、複数の前記ランプのそれぞれを駆動し、複数の前記ランプの電流を制御する照明方法であって、複数の前記ランプの総電流の実レベルをほぼ目標レベルに保つ制御を実行するとともに、前記導光板から出射される前記光の色度の色度座標の目標値、および、前記総電流の目標レベルに応じて、複数の前記ランプのそれぞれに対する前記総電流の配分比を可変する制御を実行する制御ステップ(例えば、図6の電流指令制御処理)を含むことを特徴とする。
本発明によれば、上述した第1の照明方法に対応する第1のプログラムの提供も可能である。この第1のプログラムは、コンピュータ(例えば、図5のマイクロコンピュータ71や図17のCPU201)により実行される。
本発明によれば、第1の表示装置が提供される。この第1の表示装置は、上述した第1の照明装置と、導光板から入射する光を利用して画像を表示する表示パネル(例えば、図1のLCD2)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1の表示方法が提供される。この第1の表示方法は、対象が表示装置(例えば、図1のバックライト装置1とLCD2とを少なくとも備える表示装置)となることを除いて、上述した第1の照明方法と基本的に同様の方法とすることができる。
本発明によれば、上述した第1の表示方法に対応する第4のプログラム(第2のプログラムと第3のプログラムについては後述する)の提供も可能である。この第4のプログラムは、コンピュータ(例えば、図5のマイクロコンピュータ71や図17のCPU201)により実行される。
本発明によれば、第2の照明装置が提供される。この第2の照明装置(例えば、図1等のバックライト装置1)は、予め設定された色度座標のそれぞれに対応する色度(例えば、図3の色度図における色度(点)35や色度(点)36、または、図16の色度図における色度(点)151−A乃至色度(点)151−D)で発光するようにそれぞれ製作された複数のランプ(例えば、図1等のランプ12−Aとランプ12−B)と、複数の前記ランプのそれぞれから入射する光を、所定の方向に出射する導光板(例えば、図1等の導光板11)と、複数の前記ランプの動作時間を計時して、これまでに計時された前記動作時間の累計を累計動作時間として出力する計時装置(例えば、図1等の計時装置15)と、複数の前記ランプのそれぞれを駆動し、複数の前記ランプの総電流の実レベルを目標レベルに保つ制御を実行するとともに、前記導光板から出射される前記光の色度の色度座標の目標値、および、前記計時装置から出力された前記累計動作時間に応じて、複数の前記ランプのそれぞれに対する前記総電流の配分比を可変する制御を実行するランプ駆動装置(例えば、図2のインバータユニット13)とを備えることを特徴とする。
この第2の照明装置の前記計時装置は、複数の前記ランプの前記動作時間を計時しているとき、複数の前記ランプの総電流の前記実レベルまたは前記目標レベルをさらに取得し(例えば、図4参照)、取得された前記総電流の前記実レベルまたは前記目標レベルに応じて、計時された前記動作時間の重み付けを行い、重み付けされた前記動作時間とこれまでの前記累計動作時間との加算時間を、現時点の前記累計動作時間として出力することができる。
本発明によれば、第2の照明方法が提供される。この第2の照明方法は、予め設定された色度座標のそれぞれに対応する色度で発光するようにそれぞれ製作された複数のランプ(例えば、図1等のランプ12−Aとランプ12−B)と、複数の前記ランプのそれぞれから入射する光を、所定の方向に出射する導光板(例えば、図1等の導光板11)と、複数の前記ランプの動作時間を計時して、これまでに計時された前記動作時間の累計を累計動作時間として出力する計時装置(例えば、図1等の計時装置15)とを少なくとも備える照明装置(例えば、図1等のバックライト装置1)において、複数の前記ランプのそれぞれを駆動し、複数の前記ランプの電流を制御する照明方法であって、複数の前記ランプの総電流の実レベルを目標レベルに保つ制御を実行するとともに、前記導光板から出射される前記光の色度の色度座標の目標値、および、前記計時装置から出力された前記累計動作時間に応じて、複数の前記ランプのそれぞれに対する前記総電流の配分比を可変する制御を実行する制御ステップ(例えば、図7の電流指令制御処理)とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、上述した第2の照明方法に対応する第2のプログラムの提供も可能である。この第2のプログラムは、コンピュータ(例えば、図5のマイクロコンピュータ71や図17のCPU201)により実行される。
本発明によれば、第2の表示装置が提供される。この第2の表示装置は、上述した第2の照明装置と、導光板から入射する光を利用して画像を表示する表示パネル(例えば、図1のLCD2)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第2の表示方法が提供される。この第2の表示方法は、対象が表示装置(例えば、図1のバックライト装置1とLCD2とを少なくとも備える表示装置)となることを除いて、上述した第2の照明方法と基本的に同様の方法とすることができる。
本発明によれば、上述した第2の表示方法に対応する第5のプログラム(第3のプログラムについては後述する)の提供も可能である。この第5のプログラムは、コンピュータ(例えば、図5のマイクロコンピュータ71や図17のCPU201)により実行される。
本発明によれば、第3の照明装置が提供される。この第3の照明装置(例えば、図1等のバックライト装置1)は、予め設定された色度座標のそれぞれに対応する色度(例えば、図3の色度図における色度(点)35や色度(点)36、または、図16の色度図における色度(点)151−A乃至色度(点)151−D)で発光するようにそれぞれ製作された複数のランプ(例えば、図1等のランプ12−Aとランプ12−B)と、複数の前記ランプのそれぞれから入射する光を、所定の方向に出射する導光板(例えば、図1等の導光板11)と、複数の前記ランプのうちの少なくとも一部の近傍に配置され、その配置場所の周囲の温度を計測する温度計(例えば、図1等の温度計14)と、複数の前記ランプのそれぞれを駆動し、複数の前記ランプの総電流の実レベルを目標レベルに保つ制御を実行するとともに、前記導光板から出射される前記光の色度の色度座標の目標値、および、前記温度計により計測された前記温度に応じて、複数の前記ランプのそれぞれに対する前記総電流の配分比を可変する制御を実行するランプ駆動装置(例えば、図1等のインバータユニット13)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第3の照明方法が提供される。この第3の照明方法は、予め設定された色度座標のそれぞれに対応する色度で発光するようにそれぞれ製作された複数のランプ(例えば、図1等のランプ12−Aとランプ12−B)と、複数の前記ランプのそれぞれから入射する光を、所定の方向に出射する導光板(例えば、図1等の導光板11)と、複数の前記ランプのうちの少なくとも一部の近傍に配置され、その配置場所の周囲の温度を計測する温度計(例えば、図1等の温度計14)とを少なくとも備える照明装置(例えば、図1等のバックライト装置1)において、複数の前記ランプのそれぞれを駆動し、複数の前記ランプの電流を制御する照明方法であって、複数の前記ランプの総電流の実レベルを目標レベルに保つ制御を実行するとともに、前記導光板から出射される前記光の色度の色度座標の目標値、および、前記温度計により計測された前記温度に応じて、複数の前記ランプのそれぞれに対する前記総電流の配分比を可変する制御を実行する制御ステップ(例えば、図8の電流指令制御処理)を含むことを特徴とする。
本発明によれば、上述した第3の照明方法に対応する第3のプログラムの提供も可能である。この第3のプログラムは、コンピュータ(例えば、図5のマイクロコンピュータ71や図17のCPU201)により実行される。
本発明によれば、第3の表示装置が提供される。この第3の表示装置は、上述した第3の照明装置と、導光板から入射する光を利用して画像を表示する表示パネル(例えば、図1のLCD2)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第3の表示方法が提供される。この第3の表示方法は、対象が表示装置(例えば、図1のバックライト装置1とLCD2とを少なくとも備える表示装置)となることを除いて、上述した第3の照明方法と基本的に同様の方法とすることができる。
本発明によれば、上述した第3の表示方法に対応する第6のプログラムの提供も可能である。この第6のプログラムは、コンピュータ(例えば、図17のCPU201)により実行される。
以下、図面を参照して、本発明の照明装置の実施の形態として、液晶表示装置用のバックライト装置について説明するとともに、本発明の表示装置の実施の形態として、液晶表示装置について説明する。
図1は、本実施の形態のバックライト装置、およびそれを搭載した本実施の形態の液晶表示装置の構成例を示す断面図である。
図1に示されるように、本実施の形態の液晶表示装置には、バックライト装置1とLCD(Liquid Crystal Display)2(なお、LCDとは、一般的に液晶表示装置全体等を指すこともあるが、ここでは、特に液晶パネルを指す)が設けられている。
バックライト装置1には、導光板11、2本のランプ12−Aおよびランプ12−B、インバータユニット13、温度計14、並びに、計時装置15が設けられている。
導光板11は、LCD2の裏面(LCD2の表示面が表面とされる)側に配置され、2本のランプ12−Aおよびランプ12−Bから入射する光を、LCD2に向けて(所定の方向)出射する。
なお、導光板11の表面(LCD2の裏面と対向する面)とLCD2の裏面との間には、拡散シートやプリズムシート等が配置されることもある。また、導光板11の裏面側には、反射シート等が配置されることもある。
2本のランプ12−Aとランプ12−Bとのそれぞれは、例えば、蛍光灯等で構成され、図1の例では、導光板11の表面と垂直な4つの面のうちの所定の面11−1(図1中右側の面11−1)側に、その面11−1と略平行に(面11−1に沿って)配置されている。
インバータユニット13は2つの出力を有しており、これらの2つの出力のうちの、第1の出力がランプ12−Aに接続され、また、第2の出力がランプ12−Bに接続されている。即ち、インバータユニット13は、ランプ12−Aとランプ12−Bとのそれぞれを個別に駆動することができる。詳細には、インバータユニット13は、ランプ12−Aとランプ12−Bとのそれぞれに対して高周波の電圧を個別に印加することで、ランプ12−Aとランプ12−Bとのそれぞれを個別に発光させる。
このとき、インバータユニット13は、ランプ12−Aとランプ12−Bとのそれぞれの電流を個別に制御することができる。この電流の制御方式自体は、特に限定されず、例えば、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御方式や、アナログ電流制御方式等を適用することができる。なお、PWM制御方式とは、電流のオン状態とオフ状態とをスイッチングにより切換え、そのオン状態とオフ状態との比率(デューティ)を可変することにより、平均電流を制御する方式をいう。このPWM制御方式は、デューティ制御方式或いはパルス幅制御方式等と称されることもある。一方、アナログ電流制御方式とは、アナログ的に電流値の大小を制御する方式をいう。
ここで注目すべき点は、インバータユニット13は、導光板11から出射される光の実際の輝度を目標値でほぼ保つことを目的として、即ち、上述した第4の課題の解決を目的として、複数のランプ(図1の例では、ランプ12−Aとランプ12−B)の電流の総和(以下、総電流と称する)の実レベルを目標レベル(目標輝度に対応するレベル)に保つ制御を実行するとともに、導光板11から出射される光の実際の色度の色度座標を目標値でほぼ保つことを目的として、即ち、上述した第1の課題乃至第3の課題の解決を目的として、複数のランプのそれぞれに対する総電流の配分比(以下、電流比と称する)を可変する制御を実行する点である。
具体的には、例えば、上述した第1の課題の解決を目的として、即ち、輝度調整等により複数のランプの総電流の目標レベルが更新され、その結果、総電流の実レベルがたとえ変化した場合でも、導光板11から出射される光の実際の色度の色度座標を目標値でほぼ保つことを目的として、複数のランプの総電流の現在の目標レベルまたは実レベルに応じて、複数のランプのそれぞれの電流比を可変制御する点である。即ち、総電流の目標レベルまたは実レベルの変化に応じて、複数のランプのそれぞれの電流比も変化させる点である。
また、例えば、上述した第2の課題の解決を目的として、即ち、複数のランプが経年劣化した場合でも、導光板11から出射される光の実際の色度の色度座標を目標値でほぼ保つことを目的として、複数のランプの累計動作時間(後述する計時装置15より供給される)に応じて、複数のランプのそれぞれの電流比を可変制御する点である。即ち、累計動作時間に応じて、複数のランプのそれぞれの電流比も変化させる点である。
また、例えば、上述した第3の課題の解決を目的として、即ち、複数のランプの周囲の温度がたとえ変化した場合でも、導光板11から出射される光の実際の色度の色度座標を目標値でほぼ保つことを目的として、複数のランプの周囲の温度(後述する温度計14より供給される)に応じて、複数のランプのそれぞれの電流比を可変制御する点である。即ち、周囲の温度変化に応じて、複数のランプのそれぞれの電流比も変化させる点である。
このような制御を行うインバータユニット13には、図2に示されるように、ランプ12−Aの電流のレベルを指令する信号A(以下、このような信号を、個別輝度制御信号Aと称する)をランプ駆動部22−Aに入力させるとともに、ランプ12−Bの電流のレベルを指令する信号B(以下、このような信号を個別輝度制御信号Bと称する)をランプ駆動部22−Bに入力させる電流指令部21が設けられている。電流指令部21には、上述した第3の課題の解決が必要な場合には温度計14の計測結果が入力され、また、上述した第2の課題の解決が必要な場合には計時装置15とのそれぞれの計測結果が入力される。なお、温度計14や計時装置15の計測結果とその利用方法の詳細については後述する。
インバータユニット13にはまた、ランプ12−Aを駆動し、電流指令部21からの個別輝度制御信号Aに基づいてランプ12−Aの電流を制御するランプ駆動部22−A、および、ランプ12−Bを駆動し、電流指令部21からの個別輝度制御信号Bに基づいてランプ12−Bの電流を制御するランプ駆動部22−Bが設けられている。
図1に戻り、温度計14は、複数のランプ(ここでは、ランプ12−Aとランプ12−B)のうちの少なくとも一部の近傍に配置され、その配置場所の周囲の温度を計測し、その計測結果(現在の温度)をインバータユニット13(正確には、上述した図2に示されるように、電流指令部21)に供給する。なお、温度計14の計測開始とその終了の指示(トリガ)は、インバータユニット13(電流指令部21)から供給されてもよいし、後述する輝度指令(後述する図5参照)等を電流指令部21に入力させる図示せぬ制御部から供給されてもよいし、或いは、それら以外から供給されてもよい。
計時装置15は、複数のランプの動作時間(ここでは、ランプ12−Aとランプ12−Bに電流が流れている時間)を計時して、これまでに計時された動作時間の累計(以下、累計動作時間と称する)を計測結果としてインバータユニット13(正確には、上述した図2に示されるように、電流指令部21)に出力する。なお、計時装置15の計時動作開始とその終了の指示(トリガ)は、インバータユニット13(電流指令部21)から供給されてもよいし、後述する輝度指令(後述する図5参照)等を電流指令部21に入力させる図示せぬ制御部から供給されてもよいし、或いは、それら以外から供給されてもよい。
この計時装置15は、複数のランプの動作時間を計時しているとき、複数のランプの総電流の目標レベルまたは実レベルをさらに取得し、取得された総電流の目標レベルまたは実レベルに応じて、計時された動作時間の重み付けを行い、重み付けされた動作時間とこれまでの累計動作時間との加算時間を、現時点の累計動作時間(計測結果)としてインバータユニット13に出力することができる。
インバータユニット13は、複数のランプの経年劣化に起因する色度のずれを補正するための電流比の調整(上述した第2の課題の解決を目的とする電流比の調整)を行う場合、計時装置15からこのようにして出力された計測結果、即ち、総電流のレベルに応じて重み付けされた累計動作時間を使用することで、単なる累計動作時間を使用したときと比較して、複数のランプの経年劣化の度合をより正確に反映させた電流比の調整を行うことが可能となる。
以上説明した様に、本実施の形態のバックライト装置1には、導光板11、ランプ12−Aおよびランプ12−B、温度計14、並びに計時装置15に加えてさらに、インバータユニット13が設けられており、このインバータユニット13には次のような手法が適用されている。即ち、インバータユニット13に適用されている手法とは、ランプ12−Aとランプ12−Bとのそれぞれを駆動し、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の実レベルを目標レベルに保つ制御を実行するとともに、導光板11から出射される光の色度の色度座標の目標値、並びに、現在の状況(ランプ12−Aとランプ12−Bとに対する、その総電流の現在の目標レベル若しくは実レベル、その累計動作時間、或いは、その周囲の温度等)に応じて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比(ランプ12−Aとランプ12−Bとのそれぞれに対する総電流の配分比)を可変する制御を実行する、という手法である。
以下、図3の色度図を参照して、インバータユニット13に適用されているこの手法についてさらに詳しく説明する。
図3の色度図において、曲線31は、スペクトル色軌跡を示している。即ち、このスペクトル色軌跡31上に、純粋な色を有するスペクトルの各単色光が配置される。スペクトル色軌跡31の近傍に示される各数値は、各単色光のそれぞれの波長を示している。また、直線32は純紫軌跡を示している。即ち、この純紫軌跡32に、紫と赤の単色光の混合によって得られる、光スペクトルにはない赤紫色の純な光が配置される。従って、全ての色は、このスペクトル色軌跡31と純紫軌跡32とで囲まれる範囲内の点、即ち、色度図における座標(x,y)の点として表現することができる。この点が色度と称されており、色度の位置を特定する座標(x,y)が色度座標(x,y)と称されている。
また、曲線33は、黒体曲線を示している。黒体曲線とは、黒体(全ての波長の光を完全に吸収する理想物体)を燃焼させた場合にその黒体から発する光の色度の軌跡を指す。なお、黒体曲線33の近傍に示される各数値は、その数値が示す色度(点)の光を発している黒体の温度を指している。この温度は色温度と称されており、色温度により黒体曲線33上の色度(点)が示される。即ち、黒体曲線33上の色度(点)は色度座標で示すこともできるし、色温度で示すこともできる。
ところで、この色度図において、第1の色度座標の第1の色度(点)の第1の光と、第2の色度座標の第2の色度(点)の第2の光とが空間的に混合された場合、第1の光と第2の光とが混合された第3の光の第3の色度(点)は、第1の色度(点)と第2の色度(点)とで結ばれた直線上に位置することになる。ただし、その直線上の何れの場所に位置するかについては、第1の光の第1の光量(輝度)と、第2の光の第2の光量(輝度)とに依存する。従って、第1の光の第1の光量(輝度)と、第2の光の第2の光量(輝度)との比を変えることで、第3の色度(点)の位置(即ち、色度座標)を可変させる(調整する)ことができる。
即ち、第1の色度座標の第1の色度で第1の光を発するように製作されたランプ12−Aの光量(輝度)と、第2の色度座標の第2の色度で第2の光を発光するように製作されたランプ12−Bの光量(輝度)との比を変えることで、導光板11から出射される第3の光(即ち、LCD2から出射される第3の光)の第3の色度の色度座標を可変させる(調整する)ことができる。
なお、ランプ12−Aの第1の色度の第1の色度座標と、ランプ12−Bの第2の色度の第2の色度座標とのそれぞれの設定手法は、特に限定されないが、図3に示されるように、所定の範囲34内における黒体曲線33上に設定する設定手法を適用すると好適である。即ち、色度35または色度36のうちのいずれか一方を第1の色度として設定し、他方を第2の色度として設定する設定手法を適用すると好適である。上述したように、液晶表示装置の目標色度は色温度(即ち、黒体曲線33上の色度)で設定されることが多いためである。即ち、導光板11の表面から出射される光の色度を色温度で調整する場合、色温度35(黒体曲線33上の色度35)と、色温度36(黒体曲線33上の色度36)とを用いる方が効率的だからである。
さらに、色温度35と色温度36とが属する範囲34は、±0.015[UV]以内で設定されるとよい。色温度35と色温度36とを結ぶ直線が黒体線33とほぼ一致するからである
ところで、ランプ12−Aの光量(輝度)は、そのランプ12−Aの電流を制御する(変化させる)ことにより調整する(変化させる)ことができる。同様に、ランプ12−Bの光量(輝度)は、そのランプ12−Bの電流を制御することにより調整することができる。
さらに、ランプ12−Aの光量(輝度)とランプ12−Bの光量(輝度)との総和を変えなければ(その他、周囲の温度変化や経年劣化等が生じなければ)、導光板11からの光(LCD2からの光)の輝度、即ち、最終的な輝度は一定に保たれる。
従って、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流を目標レベル(導光板11からの光の輝度の目標値に対応するレベル)にほぼ保ったまま、目標色度(導光板11からの光の色度の色度座標の目標値)に応じてランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比を可変する手法をインバータユニット13に適用することで、導光板11からの光の輝度を目標値にほぼ保ったまま、その光の色度を調整することができる。即ち、上述した第4の課題(特許文献3や特許文献4の発明が有している課題)を解決することができる。
ところが、たとえ、インバータユニット13がこのような手法を適用して色度を調整したとしても、例えば、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の実レベル(目標レベル)が調整時点から変化すると、ランプ12−Aからの第1の光の第1の色度は、設定された第1の色度座標とは異なる第4の色度座標に変化してしまう。同様に、ランプ12−Bからの第2の光の第の色度も、設定された第2の色度座標とは異なる第5の色度座標に変化してしまう。その結果、第1の光と第2の光とが混合された第3の光、即ち、導光板11から出射される第3の光の第3の色度の色度座標も、第1の色度座標の第1の色度と第2の色度座標の第2の色度とで結ばれた第1の直線上から、第4の色度座標の第1の色度と第5の色度座標の第2の色度とで結ばれた第2の直線上に変化してしまう。
また、第1の直線と第2の直線とが仮に同一の直線となった場合であっても、第1の色度座標の第1の色度から第2の色度座標の第2の色度までの距離と、第4の色度座標の第1の色度から第5の色度座標の第2の色度までの距離とは異なることから、第1の光と第2の光との光量(輝度)の比、即ち、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比が変化しなければ、結局、第1の光と第2の光が混合された第3の光の第3の色度の色度座標も変化してしまう。
このように、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の実レベル(目標レベル)が調整時点から変化すると、導光板11からの光(第3の光)の実際の色度がずれてしまう、といった上述した第1の課題が発生してしまう。
そこで、第1の課題の解決を目的として、本実施の形態においては、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流を目標レベル(導光板11からの光の輝度の目標値に対応するレベル)に保つ制御を実行しながら、目標色度(導光板11からの光の色度の色度座標の目標値)に加えてさらに、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベルまたは実レベルも考慮して電流比を可変する制御を実行する手法が、インバータユニット13に適用されている。ただし、以下、説明の簡略上、第1の課題の解決を目的とするこの手法のうちの、目標色度と総電流の目標レベルとに基づいて電流比を可変制御する手法が、インバータユニット13に適用されているとする。
また、例えば、調整時点から長時間が経過すると(ランプ12−Aとランプ12−Bとを長時間使用し続けていると)、ランプ12−Aとランプ12−Bとの経年劣化が生じ、その結果、総電流のレベルが変化した場合と同様の理由(上述した理由)で、導光板11からの光の実際の色度がずれてしまう、といった上述した第2の課題が発生してしまう。
そこで、第2の課題の解決を目的として、本実施の形態においては、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流を目標レベルに保つ制御を実行しながら、目標色度に加えてさらに、ランプ12−Aとランプ12−Bとの累計動作時間も考慮して電流比を可変する制御を実行する手法が、インバータユニット13に適用されている。
また、例えば、ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度が調整時点から変化すると、総電流のレベルが変化した場合と同様の理由(上述した理由)で、導光板11からの光の実際の色度がずれてしまう、といった上述した第3の課題が発生してしまう。
そこで、第3の課題の解決を目的として、本実施の形態においては、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流を目標レベルに保つ制御を実行しながら、目標色度に加えてさらに、ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度も考慮して電流比を可変する制御を実行する手法が、インバータユニット13に適用されている。
以上、第1の課題(および第4の課題)、第2の課題(および第4の課題)、並びに、第3の課題(および第4の課題)のそれぞれの解決手法についてその順番に個別に説明したが、これらの課題を同時に解決したい場合、上述した各解決手法を単に組み合わせればよい。即ち、例えば、第1の課題と第2の課題(および第4の課題)を同時に解決したい場合、インバータユニット13は、目標色度、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベル、および、ランプ12−Aとランプ12−Bとの累計動作時間のいずれも考慮して電流比を設定すればよい。その他の課題の組み合わせについても同様である。
このような各課題を解決可能な手法が適用されたインバータユニット13の詳細な構成例が図4に示されている。そこで、以下、図4を参照して、インバータユニット13の構成の詳細について説明する。
図4のインバータユニット13において、ランプ駆動部22−Aには、制御回路41−A、トランス42−A、検出抵抗43−A、および、帰還回路44−Aが設けられている。
制御回路41−Aは、入力電源45から印加された直流電圧を、高周波の交流電圧に変換してトランス42−Aの図示せぬ1次側に印加する。このとき、電流指令部21からは上述した個別輝度制御信号Aが入力されるとともに、帰還回路44−Aからはランプ12−Aの実電流に対応する信号が入力されるので、制御回路41−Aは、個別輝度制御信号A(ランプ12−Aの電流の指令値に相当)と、帰還回路44−Aから入力された信号(ランプ12−Aの電流の実績値に相当)との差分(誤差)に基づいて、個別輝度制御信号Aに対応するレベルの電流がランプ12−Aにほぼ安定して流れるように、トランス42−Aに供給する高周波の交流電圧のレベルを制御する。即ち、制御回路41−Aは、フィードバック制御を利用して、ランプ12−Aの電流を制御する。
トランス42−Aは、制御回路41−Aよりその1次側に印加された高周波の交流電圧を昇圧し、図示せぬその2次側よりランプ12−Aに印加する。
帰還回路44−Aは、ランプ12−Aの実電流を、検出抵抗43−Aの両端間の電圧として検出し、必要に応じてさらにそのレベルを変換して、制御回路41−Aに供給する。
ランプ駆動部22−Bにも、ランプ駆動部22−Aにおける制御回路41−A乃至帰還回路44−Aのそれぞれと全く同様の機能と構成を有する、制御回路41−B乃至帰還回路44−Bのそれぞれが設けられている。なお、制御回路41−B乃至帰還回路44−Bのそれぞれの説明は、制御回路41−A乃至帰還回路44−Aのそれぞれの説明と重複することになるので、ここでは省略する。
以上、図4を参照して、インバータユニット13のうちの、ランプ駆動部22−Aとランプ駆動部22−Bとの構成の詳細について説明した。
次に、図5を参照して、インバータユニット13のうちの、残りの電流指令部21の構成の詳細について説明する。即ち、図5は、電流指令部21の実施の一形態を示すブロック図である。
ところで、従来のインバータユニットにおいても、導光板からの光の輝度を調整する目的(2つのランプ毎の個別の輝度調整の目的ではない)で2つのランプの電流制御が行われていた。ただし、従来においては、輝度制御信号と称される電圧信号、例えば、0[V](最小輝度のレベル)乃至3[V](最大輝度のレベル)の範囲で可変する輝度制御信号(必要に応じてレベルが調整されることもある)が、2つのランプのランプ駆動部のそれぞれに電流指令として分配されていた。即ち、2つのランプに対する電流指令(個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれに対応する従来の信号)は常に同一の指令とされており、2つのランプの電流は常に同レベルとなるように制御されていた。
このため、従来の電流指令部は、例えば、この輝度制御信号を入力する入力端子(以下、輝度制御信号入力端子と称する)と、2つの同一の指令(同一レベルの2つの電圧信号であって、ここでいう個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれに対応する従来の信号)を生成する生成部と、生成部により生成された2つの指令を出力する出力端子(以下、輝度制御信号出力端子と称する)で構成されていた。
なお、上述したように、輝度制御信号は、導光板11からの光の輝度の目標値を示す指令であると言える。そこで、以下、輝度制御信号を輝度指令と称する。また、導光板11からの光の輝度の調整は、上述したように、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の調整(制御)により行われるので、輝度制御信号(輝度指令)は結局、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベルを決定する(指示する)信号であるとも言える。そこで、以下、輝度制御信号(輝度指令)を総電流指令とも適宜称する。
本実施の形態の電流指令部21においても、導光板11からの光の輝度を目標値に保つ目的があるため、従来の輝度指令(0[V]乃至3[V]の範囲で可変される電圧信号)が図示せぬ外部の制御部より入力されるとする。従って、図5に示されるように、本実施の形態の電流指令部21においても、従来の電流指令部と同様に、輝度制御信号入力端子51、並びに、輝度制御信号出力端子54、および、輝度制御信号出力端子55が設けられている。
ただし、本実施の形態においては、上述したように、電流指令部21より出力される2つの個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれのレベルは同一ではなく、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比に応じて可変される(ただし、電流比があえて1:1に設定された場合等において、同一レベルとなることもある)。そこで、本実施の形態の電流指令部21には、輝度指令(総電流指令)、および、後述する色度指令(ベース電流比指令)に基づいて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比を設定し、その電流比に基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとを生成する機能を有する生成部が必要となる。
さらに、この生成部は、上述した第1の課題を解決する必要がある場合には輝度指令(総電流指令)の大きさ(ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベル)を、上述した第2の課題を解決する必要がある場合には計時装置15の計測値(ランプ12−Aとランプ12−Bとの累計動作時間)を、上述した第3の課題を解決する必要がある場合には温度計14の計測値(ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度)を、それぞれ考慮してランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比を設定する(補正する)機能を有する必要がある。
換言すると、この生成部は、このような機能を有すればその形態は特に限定されず、様々な形態を取ることができる。具体的には、例えば、図5の電流指令部21の生成部(輝度制御信号入力端子51、輝度制御信号出力端子54、および、輝度制御信号出力端子55を除く部分)として、同図に示されるように、マイクロコンピュータ71が適用されている。
このマイクロコンピュータ71には、図示せぬ外部の制御部等から、0[V]乃至3[V]の範囲で可変する上述した輝度指令(総電流指令)が輝度制御信号入力端子51を介して入力されるとともに、色度指令が入力される。
なお、ここでは、色度指令とは次の信号を指す。即ち、上述したように、導光板11からの光の色度(LCD2からの光の色度)は、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比を可変することで調整可能である。従って、色度指令とは、基準状態におけるランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比(以下、ベース電流比と称する)の設定に必要な信号を指す。なお、このように、色度指令はベース電流比の設定指令であるとも言えるので、以下、色度指令をベース電流比指令とも適宜称する。
ただし、基準状態とは、例えば、ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度(温度計14の計測値)が予め設定された温度(例えば、20℃等)である状態、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベルが予め設定されたレベルである状態(例えば、輝度指令が3[V]である状態)、および、ランプ12−Aとランプ12−Bとの累計動作時間(計時装置15の計測値)が予め定められた時間(例えば、0時間)である状態、といった3つの状態が揃った状態をここでは指す。
詳細には、例えば、色度指令(ベース電流比指令)も0[V]乃至3[V]の範囲の電圧信号とされ、その範囲の中心(即ち、1.5[V])の電圧信号が、基準状態において、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流をほぼ等しくする指令(ベース電流比をほぼ1:1とする指令)を示している。また、0[V]乃至1.5[V]未満の範囲の電圧信号は、基準状態において、ランプ12−Aに大きな電流(高レベルの電流)を流し、ランプ12−Bに小さい電流(低レベルの電流)を流す指令を示している。一方、1.5[V]乃至3[V]の範囲(1.5[V]除く)の電圧信号は、基準状態において、ランプ12−Aに小さな電流(低レベルの電流)を流し、ランプ12−Bに大きな電流(高レベルの電流)を流す指令を示している。
具体的には、例えば、いま、基準状態であるとする。即ち、3[V]の輝度指令(総電流指令)が輝度制御信号入力端子51を介してマイクロコンピュータ71に入力され、そのときの温度計14の計測結果(ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度)が20℃であり、そのときの計時装置15の計測結果(ランプ12−Aとランプ12−Bとの累計動作時間)が0時間であったとする。
この場合、例えば、1.5[V]の色度指令(ベース電流比指令)が入力されると、マイクロコンピュータ71は、個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれとして、略1.5×G(Gは、所定のゲイン係数を示す)[V]の電圧信号を生成する。また、例えば、0[V]の色度指令(ベース電流比指令)が入力されると、マイクロコンピュータ71は、個別輝度制御信号Aとして略3×G[V]の電圧信号を、個別輝度制御信号Bとして略0×G[V]の電圧信号を、それぞれ生成する。一方、例えば、3[V]の色度指令(ベース電流比指令)が入力されると、電流バランス回路53は、個別輝度制御信号Aとして略0×G[V]の電圧信号を、個別輝度制御信号Bとして略3×G[V]の電圧信号を、それぞれ生成する。
なお、マイクロコンピュータ71は、色度指令(ベース電流比指令)の電圧レベルと、ランプ12−Aとランプ12−Bとのベース電流比との関係表(テーブル)を有し、かつ、基準状態であれば、色度指令(ベース電流比指令)から、個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれを直接生成することができる。
基準状態において、マイクロコンピュータ71によりこのようにして生成された個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれは、輝度制御信号出力端子54または輝度制御信号出力端子55を介して電流指令部21の外部に出力される。即ち、上述したように、個別輝度制御信号Aが、ランプ駆動部22−Aの制御回路41−A(図4)に入力されるとともに、個別輝度制御信号Bが、ランプ駆動部22−Bの制御回路41−B(図4)に入力される。
ところが、その後、例えば、3[V](基準状態)とは異なる電圧レベルの輝度指令(総電流指令)が、輝度制御信号入力端子51を介してマイクロコンピュータ71に入力された場合、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比がベース電流比のまま(更新されずに)、輝度制御信号Aと輝度制御信号Bが生成されてしまうと、導光板11からの光の実際の色度が変化してしまうと言う課題、即ち、上述した第1の課題が発生してしまう。
そこで、この第1の課題を解決するために、マイクロコンピュータ71は、ベース電流比を基準にして、輝度指令(総電流指令)の現時点の電圧レベル、即ち、総電流の現時点の目標レベルに応じた電流比を設定するのである。
即ち、第1の課題を解決するために、マイクロコンピュータ71は、輝度指令(総電流指令)のレベル、即ち、総電流の目標レベルに応じてベース電流比を補正する、と捉えてもよい。
なお、この場合の補正手法は、特に限定されず、例えば、輝度指令の取り得る電圧レベルを2以上の範囲(電圧範囲)に区分し、各電圧範囲のそれぞれに対応する補正値を予め定め、マイクロコンピュータ71にテーブルの形態で登録しておき、マイクロコンピュータ71に、そのテーブルに登録された2以上の補正値(補正値「0」含む)の中から、輝度指令の現時点の電圧レベルが属する電圧範囲に対応する補正値を検索させる手法を適用することもできる。
或いは、例えば、輝度の目標値(輝度指令のレベル)をパラメータとして入力して補正値を出力する関数を予め生成し、マイクロコンピュータ71に登録しておき、マイクロコンピュータ71に、その関数を演算させ、その演算結果を補正値として利用させる手法を適用することもできる。
また、その後(基準状態において、ベース電流比が設定された以降)、例えば、ランプ12−Aとランプ12−Bとが長時間使用され続けて(累計動作時間が増加して)経年劣化が生じた場合、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比がベース電流比のまま(更新されずに)、輝度制御信号Aと輝度制御信号Bが生成されてしまうと、導光板11からの光の実際の色度が変化してしまうと言う課題、即ち、上述した第2の課題が発生してしまう。
そこで、この第2の課題を解決するために、マイクロコンピュータ71は、ベース電流比を基準にして、計時装置15の現時点の計測値(ランプ12−Aとランプ12−Bとの現時点の累計動作時間)に応じた電流比を設定するのである。
即ち、第2の課題を解決するために、マイクロコンピュータ71は、ランプ12−Aとランプ12−Bとの現時点の累計動作時間(計時装置15の現時点の計測値)に応じてベース電流比を補正する、と捉えてもよい。
なお、この場合の補正手法は、特に限定されず、例えば、累計動作時間(計測装置15の計測値)が取り得る時間を2以上の時間帯に区分し、各時間帯のそれぞれに対応する補正値を予め定め、マイクロコンピュータ71にテーブルの形態で登録しておき、マイクロコンピュータ71に、そのテーブルに登録された2以上の補正値(補正値「0」も含む)の中から、計時装置15の現時点の計測値(現時点の累計動作時間)が属する時間帯に対応する補正値を検索させる手法を適用することもできる。
具体的には、例えば、所定の時間を閾値として設定し(以下、このような閾値として設定された時間を設定時間と称する)、さらに、累計動作時間が取り得る時間帯として、0時間以上設定時間以下の第1の時間帯と、設定時間以降の第2の時間帯とを設定し、第1の時間帯の場合の補正値は「0」であり、第2の時間帯の場合の補正値は「α(αは任意の正数値)」であることが記述されたテーブルをマイクロコンピュータ71に予め登録しておく。そして、マイクロコンピュータ71は、そのテーブルを参照して、累計動作時間が設定時間を超えていない場合には、その補正値として「0」を検索して使用し(ベース電流比を補正せずに、最終的な電流比として設定し)、累計動作時間が設定時間以降となった場合には、補正値として「α」を検索して使用する。即ち、例えば、マイクロコンピュータ71は、ベース電流比が「n:m(nとmは任意の正数値)」であるとき、「n−α:n+α」等と補正した電流比を、最終的な電流比として設定する。
なお、上述した例では、設定時間(閾値)は1つとされたが、勿論2以上とされてもよい。この場合、さらに細かなベース電流比の補正が可能になる。
さらには、閾値の数を無限大と捉え(閾値を使用せずに)、累計動作時間(計測装置15の計測値)をパラメータとして入力して補正値を出力する関数を予め生成し、マイクロコンピュータ71に登録しておき、マイクロコンピュータ71に、その関数を演算させ、その演算結果を補正値として利用させる手法を適用することもできる。
また、その後(基準状態において、ベース電流比が設定された以降)、例えば、周囲の温度が20℃(基準状態)から変化した場合、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比がベース電流比のまま(更新されずに)、輝度制御信号Aと輝度制御信号Bが生成されてしまうと、導光板11からの光の実際の色度が変化してしまうと言う課題、即ち、上述した第3の課題が発生してしまう。
そこで、この第3の課題を解決するために、マイクロコンピュータ71は、ベース電流比を基準にして、温度計14の現時点の計測値(現時点の周囲の温度)に応じた電流比を設定するのである。
即ち、第3の課題を解決するために、マイクロコンピュータ71は、現時点の周囲の温度(温度計14の現時点の計測値)に応じてベース電流比を補正する、と捉えることもできる。
なお、この場合の補正手法は、特に限定されず、例えば、温度計14の計測値が取り得る値を2以上の範囲(温度範囲)に区分し、各温度範囲のそれぞれに対応する補正値を予め定め、マイクロコンピュータ71にテーブルの形態で登録しておき、マイクロコンピュータ71に、そのテーブルに登録された2以上の補正値(補正値「0」含む)の中から、温度計14の現時点の計測値(現時点の周囲温度)が属する温度範囲に対応する補正値を検索させる手法を適用することもできる。
或いは、例えば、周囲の温度(温度計14の計測値)をパラメータとして入力して補正値を出力する関数を予め生成し、マイクロコンピュータ71に登録しておき、マイクロコンピュータ71に、その関数を演算させ、その演算結果を補正値として利用させる手法を適用することもできる。
このように、基準状態とは異なる状態となっても、マイクロコンピュータ71により電流比が適切に補正されるので、その補正された電流比に基づいて生成される個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれも現状の状態に適する電流指令となる。このような個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bのそれぞれもまた、輝度制御信号出力端子54または輝度制御信号出力端子55を介して電流指令部21の外部に出力される。即ち、上述したように、個別輝度制御信号Aが、ランプ駆動部22−Aの制御回路41−A(図4)に入力されるとともに、個別輝度制御信号Bが、ランプ駆動部22−Bの制御回路41−B(図4)に入力される。その結果、ランプ12−Aとランプ12−Bとの実際の電流比も、現時点の状態に適する電流比(即ち、導光板11からの光の色度をほぼ目標色度に保つことが可能な電流比)となるように適切に制御されるのである。
以上、図1と図2に示されるバックライト装置1の構成について説明した。そこで、次に、図1と図2に示されるバックライト装置1の動作について説明する
はじめに、図示せぬ制御部等は、導光板11からの光の輝度の目標値に基づいて輝度指令(総電流指令)を生成する。即ち、制御部等は、輝度の目標値に対応する電圧レベルの信号を、輝度指令(総電流指令)として生成する。制御部等はまた、導光板11からの光の目標色度(色度座標の目標値)に基づいて色度指令(ベース電流比指令)を生成する。即ち、制御部等はまた、目標色度に対応する電圧レベルの信号を、色度指令(ベース電流比指令)として生成する。そして、制御部等は、輝度指令(総電流指令)と色度指令(ベース電流比指令)とのそれぞれを電流指令部21に供給する。
すると、電流指令部21は、供給された輝度指令(総電流指令)に基づいてランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベルを設定するとともに、供給された色度指令(ベース電流比指令)に基づいてベース電流比を設定し、総電流の目標レベルとベース電流比とに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとを生成する。
ただし、このとき、例えば、上述した第1の課題の解決が必要な場合、電流指令部21はさらに、輝度指令(総電流指令)の電圧レベル、即ち、先に設定された総電流の目標レベルに応じてベース電流比を補正し、その結果得られる電流比と、総電流の目標レベルとに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとを生成する。
また、例えば、上述した第2の課題の解決が必要な場合、電流指令部21はさらに、計時装置15の計測結果(ランプ12−Aとランプ12−Bとの累計動作時間)に応じてベース電流比を補正し、その結果得られる電流比と、総電流の目標レベルとに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとを生成する。
また、例えば、上述した第3の課題の解決が必要な場合、電流指令部21はさらに、温度計14の計測結果(ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度)に応じてベース電流比を補正し、その結果得られる電流比と、総電流の目標レベルとに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとを生成する。
具体的には、例えば、電流指令部21は、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比を最終的に(ベース電流比に対して上述した補正等を行った結果)p:q(pとqは任意の整数値)と設定した場合、電圧レベルの比もほぼp:qとなる、個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれを生成する。
このようにして生成された個別輝度制御信号Aはランプ駆動部22−Aに供給される。一方、このようにして生成された個別輝度制御信号Bはランプ駆動部22−Bに供給される。
なお、このような電流指令部21の処理を、以下、電流指令制御処理と称する。この電流指令制御処理の詳細については、図6乃至図9のフローチャートを参照して後述する。
次に、ランプ駆動部22−Aとランプ駆動部22−Bに着目すると、ランプ駆動部22−Aは、ランプ12−Aを駆動し、供給された個別輝度制御信号Aに基づいてランプ12−Aの電流(レベル)を制御する。同様に、ランプ駆動部22−Bは、ランプ12−Bを駆動し、供給された個別輝度制御信号Bに基づいてランプ12−Bの電流(レベル)を制御する。
このようなランプ駆動部22−Aとランプ駆動部22−Bとの相互に独立した電流制御の結果、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流が目標レベル(輝度指令に対応する電流レベル)でほぼ一定に保たれたまま、ランプ12−Aとランプ12−Bとの実際の電流比が、電流指令部21により設定された電流比(設定値)とほぼ一致するようになる。即ち、ランプ12−Aとランプ12−Bとのそれぞれは、所定の色度(基準状態においては、予め設定された色度座標の色度、それ以外の状態においては、それからずれた色度座標の色度)の光を、各々制御された電流レベルに対応する輝度(光量)で出射する。
すると、導光板11の表面(即ち、LCD2の表面)からは、ランプ12−Aの光とランプ12−Bの光とが空間的に混合された光が出射される。このとき、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比は、上述したように、光の実際の色度が色度座標の目標値で保たれるようにその状況に応じて可変制御されている。その結果、導光板11の表面から出射される光の実際の色度の色度座標が目標値でほぼ一定に保たれる。さらに、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流も目標レベルで保たれるように制御されている(即ち、総電流の目標レベルが変化しない限り、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流はその目標レベルのまま、電流比だけが可変制御されている)ので、導光板11の表面から出射される光の輝度も目標値でほぼ一定に保たれる。
次に、図6乃至図9のフローチャートを参照して、電流指令部21の電流指令制御処理の詳細について説明する。
図6のフローチャートは、上述した第1の課題を解決するための電流指令制御処理、即ち、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の大きさ(目標レベルの大きさ)を考慮して電流比を設定することを特徴とする電流指令制御処理(以下、他の電流指令制御処理と区別するために、第1の電流指令制御処理と称する)の例を示している。
図7のフローチャートは、上述した第2の課題を解決するための電流指令制御処理、即ち、ランプ12−Aとランプ12−Bとの累計動作時間(計時装置15の計測値)を考慮して電流比を設定することを特徴とする電流指令制御処理(以下、他の電流指令制御処理と区別するために、第2の電流指令制御処理と称する)の例を示している
図8のフローチャートは、上述した第3の課題を解決するための電流指令制御処理、即ち、ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度(温度計14の計測値)を考慮して電流比を設定することを特徴とする電流指令制御処理(以下、他の電流指令制御処理と区別するために、第3の電流指令制御処理と称する)の例を示している。
図9のフローチャートは、これらの第1の課題乃至第3の課題を同時に解決するための電流指令制御処理、即ち、ランプ12−Aとランプ12−Bとに対する、その総電流の大きさ(目標レベルの大きさ)、その累計動作時間(計時装置15の計測値)、および、その周囲の温度(温度計14の計測値)の全てを考慮して電流比を設定することを特徴とする電流指令制御処理(以下、他の電流指令制御処理と区別するために、第4の電流指令制御処理と称する)の例を示している。
以下、第1の電流指令制御処理乃至第4の電流指令制御処理のそれぞれの詳細について、その順番で個別に順次説明していく。
なお、ここでは、説明の簡略上、第1の電流指令制御処理乃至第4の電流指令制御処理のいずれにおいても、輝度指令の電圧レベルは0[V]よりも大きいとされ、輝度指令の入力が開始された時点(輝度指令の電圧レベルが0[V]から所定のレベルに変化した時点)で、電流指令部21は、第1の電流指令制御処理乃至第4の電流指令制御処理のうちの対応する処理を開始させる。即ち、ここでは、輝度指令は、ランプ12−Aとランプ12−Bとの駆動指令(ランプ駆動指令)としても利用されるとする。換言すると、輝度指令が0[V]であることは、ランプ12−Aとランプ12−Bとの駆動停止の指令を示すとする。
はじめに、図6のフローチャートを参照して、第1の電流指令制御処理について説明する。
ステップS1において、電流指令部21は、輝度指令(総電流指令)に基づいて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベルを設定する。
ステップS2において、電流指令部21は、色度指令(ベース電流比指令)と、ステップS1の処理で設定した総電流の目標レベルとに基づいて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比を設定する。即ち、電流指令部21は、色度指令(ベース電流比指令)に基づいてベース電流比を設定し、現時点の総電流の目標レベルに応じてベース電流比を補正し、その補正結果を最終的な電流比として設定する。
ステップS3において、電流指令部21は、ステップS1の処理で設定した総電流の目標レベルと、ステップS2の処理で設定した電流比とに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれを生成し、出力する。
ステップS4において、電流指令部21は、輝度指令(総電流指令)が変化したか否かを判定する。
ステップS4において、輝度指令が変化していないと判定された場合、処理はステップS3に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、第1の課題乃至第3の課題のうちの第1の課題の解決のみを目的とする場合、輝度指令が変化しない限り(総電流の目標レベルが変化しない限り)、同一の電圧レベルの個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれが出力され続ける。即ち、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比の設定はそのまま保持される。その結果、ランプ12−Aとランプ12−Bとの実際の電流比もほぼ一定に保たれる。
これに対して、ステップS4において、輝度指令が変化したと判定した場合、電流指令部21は、ステップS5において、輝度指令(ランプ駆動指令)が停止したか否かを判定する。
即ち、輝度指令の電圧レベルが第1のレベル(ここでは、例えば、上述したように、0[V]よりも大きい所定の範囲内のレベル)から第2のレベル(0[V]と第1のレベルは除く、先の範囲内のレベル)に変化した場合、ステップS4において、輝度指令が変化したと判定され、ステップS5において、輝度指令(ランプ駆動指令)が停止していないと判定され、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、これまで、第1のレベルに対応する第1の電流比が設定されていたが、今度は、第2のレベルに対応する第2の電流比が設定され(設定の更新が行われ)、その第2の電流比(設定値)と第2のレベルとに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれが生成され(更新され)、出力される。その結果、ランプ12−Aとランプ12−Bとの実際の電流比も略第1の電流比(設定値)から略第2の電流比(設定値)に変化する。
その後、輝度指令の電圧レベルが第2のレベルから0[V]に変化した場合、ステップS4において、輝度指令が変化したと判定され、ステップS5において、輝度指令(ランプ駆動指令)が停止したと判定され、第1の電流指令制御処理が終了となる。
次に、図7のフローチャートを参照して、第2の電流指令制御処理について説明する。
なお、図7は、輝度指令は一定とされる(輝度の目標値は一定とされる)場合のフローチャートである。
ステップS21において、電流指令部21(或いは、輝度指令等を電流指令部21に供給する図示せぬ制御部等)は、計時装置15の計時動作を開始させる。
即ち、ステップS21において、計時装置15は、ランプ12−Aとランプ12−Bとの動作時間の計時を開始し、それ以降、計時動作の終了が指示されるまで(後述するステップS28の処理まで)、計時動作を継続し、計時された動作時間と、これまでの(その動作時間が計時される直前までの)累計動作時間との加算時間を、現時点の累計動作時間として電流指令部21に出力する。このとき、上述したように、計時装置15は、複数のランプの総電流の目標レベルまたは実レベルをさらに取得し、取得された総電流の目標レベルまたは実レベルに応じて、計時された動作時間の重み付けを行い、重み付けされた動作時間とこれまでの累計動作時間との加算時間を、現時点の累計動作時間として電流指令部21に出力することもできる。
次に、ステップS22において、電流指令部21は、輝度指令(総電流指令)に基づいて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベルを設定する。
ステップS23において、電流指令部21は、色度指令(ベース電流比指令)に基づいて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比を設定する。即ち、電流指令部21は、色度指令(ベース電流比指令)に基づいてベース電流比を設定する。
ステップS24において、電流指令部21は、累計動作時間が設定時間を超えたか否かを判定する。
計時装置15の計測値(累計動作時間)が設定時間を超えている場合(ステップS24において、累計動作時間が設定時間を超えたと判定した場合)、電流指令部21は、ステップS25において、電流比を再設定する。即ち、電流指令部21は、ベース電流比を累計動作時間に応じて補正し、その補正結果を最終的な電流比として設定する。
そして、ステップS26において、電流指令部21は、ステップS22の処理で設定した総電流の目標レベルと、ステップS25の処理で再設定した電流比とに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれを生成し、出力する。
これに対して、計時装置15の計測値(累計動作時間)が設定時間を超えていない場合(ステップS24において、累計動作時間が設定時間を超えていないと判定した場合)、電流指令部21は、ステップS25の処理を実行せずに(即ち、ベース電流比を最終的な電流比として設定し)、ステップS26において、ステップS22の処理で設定した総電流の目標レベルと、ステップS23の処理で設定した電流比(ベース電流比)とに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれを生成し、出力する。
このように、第1の課題乃至第3の課題のうちの第2の課題の解決のみを目的とする場合、累計動作時間が設定時間を超えない限り、ベース電流比(設定値)に対応する、同一の電圧レベルの個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれが出力され続ける。その結果、ランプ12−Aとランプ12−Bとの実際の電流比も、ベース電流比(設定値)でほぼ一定に保たれる。
そして、累計動作時間が設定時間を超えると、電流比がベース電流比から他の比率に更新され、更新されたその電流比(設定値)に対応する、同一の電圧レベルの個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれが出力され続ける。その結果、ランプ12−Aとランプ12−Bとの実際の電流比も、更新された電流比(設定値)でほぼ一定に保たれる。
なお、設定時間(閾値)は、図7のフローチャートの例では1つとされているが、上述したように、2以上とされてもよい。即ち、例えば、ランプの劣化の度合を複数段階設定し、各段階のそれぞれの区切りとなる時間を設定時間とすることができる。
具体的には、例えば、第1段階乃至第3段階まで設定され、第1段階から第2段階に移行する累積動作時間が3000時間とされ、第2段階から第3段階に移行する累積動作時間が10000時間とされた場合、3000時間を第1の設定時間と、10000時間を第2の設定時間とすることができる。この場合、例えば、第1段階乃至第3段階のそれぞれに対して、第1の補正値乃至第3の補正値のそれぞれを予め対応付けておき(そのようなテーブルを作成しておき)、現在の累計動作時間が、第1の設定時間未満の場合には第1の補正値により、第1の設定時間以上第2の設定時間未満の場合には第2の補正値により、第2の設定時間以上の場合には第3の補正値により、電流比の再設定処理(ベース電流比の補正処理)を電流指令部21が実行すればよい。
或いは、上述したように、閾値の数を無限大とし(閾値を設けずに)、累計動作時間をそのままパラメータとして入力して補正値を出力する関数を利用する、電流比の再設定処理(ベース電流比の補正処理)を電流指令部21が実行してもよい。
このようなステップ26の処理を終了すると(個別輝度信号Aと個別輝度信号Bを出力すると)、電流指令部21は、ステップS27において、ランプ駆動指令(いまの場合、輝度指令)が停止したか否かを判定する。
ステップS27において、ランプ駆動指令が停止していないと判定された場合、処理はステップS24に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、ステップS27において、ランプ駆動指令が停止したと判定した場合、電流指令部21(或いは、輝度指令等を電流指令部21に供給する図示せぬ制御部等)は、ステップS28において、計時装置15の計時動作を終了させる。これにより、第2の電流指令制御処理は終了となる。
次に、図8のフローチャートを参照して、第3の電流指令制御処理について説明する。
なお、図8は、輝度指令は一定とされる(輝度の目標値は一定とされる)場合のフローチャートである。
ステップS41において、電流指令部21(或いは、輝度指令等を電流指令部21に供給する図示せぬ制御部等)は、温度計14の温度計測を開始させる。
ステップS42において、電流指令部21は、輝度指令(総電流指令)に基づいて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベルを設定する。
ステップS43において、電流指令部21は、色度指令(ベース電流比指令)、および、ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度(温度計14の計測値)に基づいて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比を設定する。即ち、電流指令部21は、色度指令(ベース電流比指令)に基づいてベース電流比を設定し、ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度(温度計14の計測値)に応じてベース電流比を補正し、その補正結果を最終的な電流比として設定する。
ステップS44において、電流指令部21は、ステップS42の処理で設定した総電流の目標レベルと、ステップS43の処理で設定した電流比とに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれを生成し、出力する。
ステップS45において、電流指令部21は、ランプ駆動指令(いまの場合、輝度指令)が停止したか否かを判定する。
ステップS45において、ランプ駆動指令が停止していないと判定された場合、処理はステップS43に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
即ち、第1の課題乃至第3の課題のうちの第3の課題の解決のみを目的とする場合、ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度(温度計14の計測結果)が変化しない限り、同一の電圧レベルの個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれが出力され続ける。即ち、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比の設定はそのまま保持される。その結果、ランプ12−Aとランプ12−Bとの実際の電流比もほぼ一定に保たれる。
これに対して、ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度が変化すると、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比(設定値)が更新され、更新されたその電流比(設定値)に対応する、同一の電圧レベルの個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれが出力され続ける(ただし、周囲の温度が再度変化するまで)。その結果、ランプ12−Aとランプ12−Bとの実際の電流比も、更新された電流比(設定値)でほぼ一定に保たれる。
その後、ランプ駆動停指令が停止されると(ステップS45において、ランプ駆動指令が停止したと判定すると)、電流指令部21(或いは、輝度指令等を電流指令部21に供給する図示せぬ制御部等)は、温度計14の温度計測を終了させる。これにより、第3の電流指令制御処理は終了となる。
次に、図9のフローチャートを参照して、第4の電流指令制御処理について説明する。
ステップS61において、電流指令部21(或いは、輝度指令等を電流指令部21に供給する図示せぬ制御部等)は、計時装置15の計時動作と、温度計14の温度計測を開始させる。
ステップS62において、電流指令部21は、輝度指令(総電流指令)に基づいて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の目標レベルを設定する。
ステップS63において、電流指令部21は、色度指令(ベース電流比指令)、ステップS62の処理で設定した総電流の目標レベル、および、ランプ12−Aとランプ12−Bとの周囲の温度(温度計14の計測値)に基づいて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比を設定する。即ち、電流指令部21は、色度指令(ベース電流比指令)に基づいてベース電流比を設定し、そのベース電流比に対して、総電流の目標レベルに応じた第1の補正と、周囲の温度に応じた第2の補正とのそれぞれを施し、それらの補正結果(第1の補正と第2の補正が施されたベース電流比)を電流比として一旦設定する。
ステップS64において、電流指令部21は、累計動作時間が設定時間を超えたか否かを判定する。
計時装置15の計測値(累計動作時間)が設定時間を超えている場合(ステップS64において、累計動作時間が設定時間を超えたと判定した場合)、電流指令部21は、ステップS65において、電流比を再設定する。即ち、電流指令部21は、第1の補正と第2の補正が施されたベース電流比に対してさらに、累計動作時間に応じた第3の補正を施し、その補正結果(第1の補正乃至第3の補正が施されたベース電流比)を最終的な電流比として設定する。
そして、ステップS66において、電流指令部21は、ステップS62の処理で設定した総電流の目標レベルと、ステップS65の処理で再設定した電流比(第1の補正乃至第3の補正が施されたベース電流比)とに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれを生成し、出力する。
これに対して、計時装置15の計測値(累計動作時間)が設定時間を超えていない場合(ステップS64において、累計動作時間が設定時間を超えていないと判定した場合)、電流指令部21は、ステップS65の処理を実行せずに(即ち、第1の補正と第2の補正が施されたベース電流比を最終的な電流比として設定し)、ステップS66において、ステップS62の処理で設定した総電流の目標レベルと、ステップS63の処理で設定した電流比(第1の補正と第2の補正が施されたベース電流比)とに基づいて個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれを生成し、出力する。
ステップS67において、電流指令部21は、輝度指令(総電流指令)が変化したか否かを判定する。
ステップS67において、輝度指令が変化していないと判定された場合、処理はステップS63に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、輝度指令が変化しない限り(総電流の目標レベルが変化しない限り)、総電流の目標レベルに対応する第1の補正として同一の補正が施された電流比が設定される。ただし、温度が変化した場合(温度計14の計測値が変化した場合)、周囲の温度に対応する第2の補正として、これまでとは異なった補正が施された電流比が設定される。同様に、累計時間(計時装置15の計測値)が設定時間を超えた場合、累計時間に対応する第3の補正として、これまでとは異なった補正が施された電流比が設定される。
これらに対して、ステップS67において、輝度指令が変化したと判定した場合、電流指令部21は、ステップS68において、輝度指令(ランプ駆動指令)が停止したか否かを判定する。
ステップS68において、輝度指令が停止していないと判定された場合、即ち、輝度指令の電圧レベルが第1のレベルから第2のレベル(0レベルと第1のレベル以外のレベル)に変化した場合、処理はステップS62に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、輝度指令が変化すると、総電流の目標レベルに対応する第1の補正として、これまでとは異なった補正が施された電流比が設定される。なお、この場合も、温度が変化したとき(温度計14の計測値が変化したとき)、周囲の温度に対応する第2の補正として、これまでとは異なった補正がさらに施された電流比が設定される。同様に、累計時間(計時装置15の計測値)が設定時間を超えた場合、累計時間に対応する第3の補正として、これまでとは異なった補正がさらに施された電流比が設定される。
その後、輝度指令が停止されると(0[V]となると)、ステップS68において、輝度指令(ランプ駆動指令)が停止したと判定され、電流指令部21(或いは、輝度指令等を電流指令部21に供給する図示せぬ制御部等)は、計時装置15の計時動作と、温度計14の温度計測を終了させる。これにより、第4の電流指令制御処理は終了となる。
このように、電流指令部21が、例えば、第4の電流指令制御処理(図9のフローチャートに従った電流指令制御処理)を実行することで、第1の課題乃至第3の課題を同時に解決することができる。
なお、第1の課題と第2の課題だけを解決したい場合、即ち、温度変化に対応する第3の課題の解決が不要な場合、ステップS63の処理を「色度指令、および、総電流の目標レベルに基づいて電流比を設定する」という処理に単に訂正すればよい。
また、第1の課題と第3の課題だけを解決したい場合、即ち、累計動作時間(経年劣化)に対応する第2の課題の解決が不要な場合、ステップS64とステップ65の処理を単に省略すればよい。
また、第2の課題と第3の課題だけを解決したい場合、即ち、総電流の目標レベルに対応する第1の課題の解決が不要な場合、単に、ステップS63の処理を「色度指令、および、周囲の温度に基づいて電流比を設定する」という処理に訂正するとともに、ステップS67の処理を省略すればよい。
ところで、バックライト装置1のランプ12−Aとランプ12−Bとのそれぞれの配置位置は、図1と図2の場所に限定されず、ランプ12−Aからの光とランプ12−Bからの光とが空間的に混合された光が、導光板11からLCD2の所定の方向に出射可能な場所であれば何れの場所でもよい。例えば、図10(断面図)や図11(LCD2の上面図)に示されるように、導光板11の表面と垂直な4つ面のうちの面11−2側に、その面11−2と略平行に(面11−2に沿って)ランプ12−Aを配置させ、その面11−2と対向する面11−1側に、その面11−1と略平行に(面11−1に沿って)ランプ12−Bを配置させてもよい。
また、バックライト装置1のランプ駆動装置として、上述した例では、2出力のインバータユニット13(図4)が適用されたが、このインバータユニット13と同様の機能を有する装置であれば、その構成は特に限定されない。即ち、バックライト装置1のランプ駆動装置として、インバータユニット以外の駆動装置を適用してもよい。
或いは、例えば、バックライト装置1のランプ駆動装置として、図12に示されるようなインバータユニットを適用してもよい。
図12のインバータユニットにおいて、電流指令部21、トランス42−A、検出抵抗43−A、トランス42−B、検出抵抗43−B、および、入力電源45のそれぞれは、図4の対応する回路等と基本的に同様の機能と構成を有している。
ただし、図4のインバータユニット13においては、2つの制御回路41−Aと制御回路41−Bが設けられていたが、図12のインバータユニットにおいては、1つの制御回路81が設けられている。また、図4のインバータユニット13においては、ランプ12−Aの実電流(それに対応する電圧信号)を制御回路41−Aにフィードバックする帰還回路44−Aと、ランプ12−Bの実電流(それに対応する電圧信号)を制御回路41−Bにフィードバックする帰還回路44−Bとが設けられていたが、図12のインバータユニットにおいては、ランプ12−Aの実電流とランプ12−Bの実電流との総和、即ち、総電流の実レベル(それに対応する電圧信号)を制御回路81にフィードバックする総和帰還回路82が設けられている。
即ち、制御回路81は、図示せぬ制御部等より供給される輝度制御信号(ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の指令値)と、総和帰還回路82よりフィードバックされた信号(ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の実績値)を用いて、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流をフィードバック制御しながら、電流指令部21から供給された個別輝度制御信号Aと個別輝度制御信号Bとのそれぞれに基づいて、ランプ12−Aの電流とランプ12−Bの電流とのそれぞれを個別にオープンループ制御を行う。
その結果、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流のクローズド制御(フィードバック制御)により、導光板11から出射される光(LCD2から出射される光)の輝度が適切に制御されるとともに、ランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比の制御により、導光板11から出射される光(LCD2から出射される光)の色度が適切に制御される。即ち、図12のインバータユニットは、導光板11から出射される光(LCD2から出射される光)の輝度と色度との制御を同時かつ適切に実行できる効果を奏することが可能になる。
また、総和帰還回路82の出力値(ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の実レベル)は計時装置15にも供給されるので、計時装置15側から見ると、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の実レベルに応じた累計動作時間の重み付け演算を行う場合、ランプ12−Aとランプ12−Bとの総電流の実レベルの演算が不要となる効果を奏することが可能になる。
或いは、例えば、図13に示されるように、バックライト装置1のランプ駆動装置として、電流指令装置91、1出力のランプ駆動装置(インバータユニット)92−A、および、1出力のランプ駆動装置(インバータユニット)92−Bからなるシステムを適用してもよい。
なお、図13の電流指令装置91は、図4の電流指令部21と基本的に同様な機能と構成を有しているとする。即ち、図13の電流指令装置91は、上述した図5に示されるように構成することができる。従って、ここでは、図13の電流指令装置91の詳細な説明については省略する。
また、図13のランプ駆動装置(インバータユニット)92−Aとランプ駆動装置(インバータユニット)92−Bとのそれぞれは、図4のランプ駆動部22−Aとランプ駆動部22−Bとのそれぞれと基本的に同様な機能と構成を有しているとする。従って、ここでは、図13のランプ駆動装置(インバータユニット)92−Aとランプ駆動装置(インバータユニット)92−Bとのそれぞれの詳細な説明については省略する。
また、ランプ12−Aの配置位置は、当然ながら図13の例に限定されず、図1と図2に示されるように、ランプ12−Bと同一側に配置させてもよい。
ところで、上述したバックライト装置1においては、2本のランプ12−Aとランプ12−Bが搭載されていたが、ランプの本数は2本以上であれば特に限定されない。
例えば、図14の断面図に示されるバックライト装置101のように、4本のランプ12−A乃至ランプ12−Dのそれぞれを搭載することも可能である。
この場合、4本のランプ12−A乃至ランプ12−Dの配置位置は特に限定されず、例えば、図示はしないが、図1に対応する配置位置でもよい。即ち、4本のランプ12−A乃至ランプ12−Dの全てを、導光板11の面11−1側に、その面11−1と略平行に(面11−1に沿って)配置させてもよい。或いは、図14に示されるように、4本のランプ12−A乃至ランプ12−Dを、2本のランプ12−Aとランプ12−Bとからなる第1の組と、2本のランプ12−Cとランプ12−Dとからなる第2の組に分割し、第1の組に属するランプの全てを、導光板11の面11−2側に、その面11−2と略平行に(面11−2に沿って)配置させるとともに、第2の組に属するランプの全てを、面11−2と対向する面11−1側に、その面11−1と略平行に(面11−1に沿って)配置させてもよい。或いは、図14において、ランプ12−Aとランプ12−Cとを第1の組と捉え、ランプ12−Bとランプ12−Dを第2の組と捉えてもよい。
ただし、このように、4本のランプ12−A乃至ランプ12−Dが使用される場合、図15に示されるように、4出力のインバータユニット111(或いは、図示はしないが、図13に対応する形態、即ち、4つのランプ駆動装置と指令装置とからなるシステム)が必要とされる。
このインバータユニット111には、電流指令部121と、4つのランプ駆動部122−A乃至ランプ駆動部122−Dが設けられている。
電流指令部121は、導光板11(図14)から出射される光の色度の色度座標の目標値の他、必要に応じて、4つのランプ12−A乃至ランプ12−Dに対する、その総電流の目標レベル、その累計動作時間(計時装置15の計測値)、或いは、その周囲の温度(温度計14の計測値)等の現時点の状況を考慮して、4つのランプ駆動部122−A乃至ランプ駆動部122−Dのそれぞれの電流比を設定し、その電流比に基づいて4つの個別輝度制御信号A乃至個別輝度制御信号Dを生成する。そして、電流指令部121は、個別輝度制御信号A乃至個別輝度制御信号Dのそれぞれを、ランプ駆動部122−A乃至ランプ駆動部122−Dのそれぞれに供給する。
なお、ランプ駆動部122−A乃至ランプ駆動部122−Dのそれぞれの電流比の設定手法は特に限定されない。例えば、先に、第1の組内のランプ12−Aとランプ12−Bとの電流比と、第2の組内のランプ12−Cとランプ12−Dとの電流比を調整した後、第1の組と第2の組との電流比を調整することもできる。或いは、上述したように、組の考え方を変えることもできるので、即ち、図14において、ランプ12−Aとランプ12−Cとを第1の組と捉え、ランプ12−Bとランプ12−Dを第2の組と捉えることもできるので、先に、第1の組内のランプ12−Aとランプ12−Cとの電流比と、第2の組内のランプ12−Bとランプ12−Dとの電流比を調整した後、第1の組と第2の組との電流比を調整することもできる。
なお、これらの場合において、先に調整される各組の内部の電流比を1:1に設定すれば、即ち、第1の組内のランプ12−Aとランプ12−Bとの電流を同一のレベルとなるように設定し、かつ、第2の組内のランプ12−Cとランプ12−Dとの電流を同一のレベルとなるように設定すれば、電流指令部121は、その後の組同士の電流比の設定を容易に行うことが可能となる。その結果、電流指令部121を簡素な構成で実現することも可能になる。
この場合、ランプ駆動部122−A乃至ランプ駆動部122−Dのそれぞれは、第1の組と第2の組毎に、同一の組に属するランプの全ての電流をほぼ同一のレベルで安定させる制御を実行することになる。
ところで、4本のランプ12−A乃至ランプ12−Dが発する光の色度は特に限定されない。
即ち、第1の組に属するランプとして、第1の色度座標のランプを適用し、第2の組に属するランプとして、第2の色度座標のランプを適用してもよい。この場合、上述した図3の色度図に示されるように、第1の組に属するランプとして、黒体曲線33上の第1の色度(図3の例では、色度(色温度)35または色度(色温度)36)で発光するように製作されたランプを適用し、第2の組に属するランプとして、黒体曲線33上の第1の色度とは異なる第2の色度(図3の例では、色度(色温度)36または色度(色温度)35)で発光するように製作されたランプを適用することができる。
或いは、4本のランプ12−A乃至ランプ12−Dとして、色度座標が全て異なるランプを適用してもよい。この場合、図16の色度図(図3と同様の色度図)に示されるように、4本のランプ12−A乃至ランプ12−Dのそれぞれとして、黒体曲線33を包含する所定の四角形状の領域161の頂点に対応する4つの色度(即ち、色度(点)151−A乃至色度(点)151−D)のうちのいずれかで発光するようにそれぞれ製作されている、4本のランプのそれぞれを適用することできる。
なお、図示はしないが、色度151−Aで発光するように製作されたK(Kは任意の整数値)本のランプが第1の組とされ、色度151−Bで発光するように製作されたK本のランプが第2の組とされ、色度151−Cで発光するように製作されたK本のランプが第3の組とされ、かつ、色度151−Dで発光するように製作されたK本のランプが第4の組とされた、4×K本のランプがバックライト装置に搭載されてもよい。
さらに、図示はしないが、黒体曲線33を包含する所定のN(Nは、3以上の任意の整数値)角形状の領域のN個の頂点に対応するN個の色度のうちのいずれかで発光するようにそれぞれ製作されている、N本のランプ(或いは、N組のランプ群)のそれぞれを適用することもできる。
このように、N個の色度のそれぞれが設定されたN本のランプ(或いは、N組のランプ群)を適用することで(上述した例では、4個の色度のそれぞれが設定された4本のランプ12−A乃至ランプ12−D(或いは、4組のランプ群)を適用することで)、導光板11から出射される光(LCD2から出射される光)の色度の調整の自由度を、2つの色度のそれぞれが設定された2本のランプ(或いは2組のランプ群)を適用した場合のそれと比べて格段に増加させることが可能になる。即ち、2本のランプ(或いは2組のランプ群)を適用した場合には、それらのランプに設定された2つの色度で結ばれる直線上でのみしか、導光板11から出射される光(LCD2から出射される光)の色度の調整を行えなかった。これに対して、N本のランプ(或いはN組のランプ群)を適用した場合には、それらのランプに設定されたN個の色度を頂点とするN角形状の領域内で、導光板11から出射される光(LCD2から出射される光)の色度を調整することが可能となる。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることができる。
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ(例えば、上述した図5のマイクロコンピュータ71)、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図17に示される汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
なお、図17において、CPU201は、ROM202に記録されているプログラム、または記憶部208からRAM203にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM203にはまた、CPU201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204を介して相互に接続されている。このバス204にはまた、入出力インタフェース205も接続されている。
入出力インタフェース205には、キーボード、マウスなどよりなる入力部206、ディスプレイなどよりなる出力部207、記憶部208、および、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部209が接続されている。
なお、この場合、出力部207は、例えば、上述した図1に示されるような表示装置(バックライト装置1とLCD2とを少なくとも含む)として構成することができる。即ち、この場合、出力部207に対する上述した一連の処理は、図5のマイクロコンピュータ71ではなく、CPU201により実行されることになる。
入出力インタフェース205にはまた、必要に応じてドライブ210が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体211が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部208にインストールされる。
ところで、このようなプログラムを含む記録媒体は、図5や図17に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体(パッケージメディア)211により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されている図5のマイクロコンピュータ71の図示せぬROMまたは図17のROM202や、記憶部208に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置や処理部により構成される装置全体を表すものである。
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
1 バックライト装置, 2 LCD, 11 導光板, 11−1,11−2 導光板の面, 12−A乃至12−D ランプ, 13 インバータユニット, 14 温度計, 15 計時装置, 21 電流指令部, 22−A,22−B ランプ駆動部, 33 黒体曲線, 34,35 色度, 71 マイクロコンピュータ, 91 電流指令装置, 92−A,92−B ランプ駆動装置(インバータユニット), 111 インバータユニット, 121 電流指令部, 122−A乃至122−D ランプ駆動部, 151−A乃至151−D 色度, 201 CPU, 202 ROM, 207 出力部, 211 リムーバブル記録媒体, A,B 個別輝度制御信号