JP2005166516A - 燃料電池の過圧防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧下や急激な差圧変動に対しても迅速且つ安定に応答できるという液封式過圧逃がし機構の特性を生かしつつ、アノードガスとカソードガスの混合の恐れをなくし、燃料電池へ供給するガスの流量や燃料電池の使用状態も適正に担保できるようにした燃料電池の過圧防止装置を提供する。
【解決手段】アノードガスAG若しくはAG不活性なアノード側基準ガスXGをカソードガス給排ラインL2と略同圧に保って流通させるアノード側基準圧ラインL3と、カソードガスCG若しくはCG不活性なカソード側基準ガスYGをアノードガス給排ラインL1と略同圧に保って流通させるカソード側基準圧ラインL4と、L1の排出端側とL3の間及びL2の排出端側とL4の間にそれぞれ介在してL1(L2)とL3(L4)の間に設定限界差圧が現れたときに両ラインL1、L3間(L2、L4間)でガスを移動させる液封式過圧逃がし機構13、24とを具備するものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の性能テストや開発試験等で特に好適に用いられ、正負極間に過大な差圧が生じることを好適に解消した燃料電池の過圧防止装置に関する。
燃料電池は、電解質膜をカソード(空気極[正極])とアノード(燃料極[負極])の両電極で両面から挟み、アノード側にアノードガス(燃料ガス)を、カソード側にカソードガス(酸化ガス)をそれぞれ供給することにより、アノードとカソードの間に電位差が発生する。
ところで、この種の燃料電池において、アノードガスとカソードガスの差圧が過大になると、電解質膜が破損して、両ガス間のリーク(クロスリーク)等が起こり、電池性能が低下する問題等に進展する。このような不都合を解消するために、従来より、アノードガス給排ラインやカソードガス給排ラインに差圧検出用のセンサ及びコントロール弁を設け、センサからの差圧信号によりコントロール弁を開閉させて差圧を制御することが行われている。しかしながら、かかる構成は、機械系のアクティブ制御によるため、応答速度や動作の安定性に問題があり、特に流量変動が大きい時や加圧時に系が安定するまでに時間がかかるという難点がある。
そこで、近時になって、特許文献1、2に示される過圧防止装置が開発されている。
特許文献1のものは、アノードガス給排ラインの供給端側とカソードガス給排ラインの供給端側を、複数の鉛直管の下端部間を連通させ内部に所要量の作動液を充填した液封式過圧逃がし機構の各鉛直管内に閉成されるガス圧導入室に接続し、アノードガスとカソードガスの差圧に応じ各鉛直管の液面高さを変化させて、一時的な差圧を吸収するようにしたものである。
また、特許文献2のものは、アノードガス給排ラインの供給端側及び排出端側、カソードガス給排ラインの供給端側及び排出端側を、複数の鉛直管の下端部間を連通させ内部に所要量の作動液を充填した液封式過圧逃がし機構の各鉛直管内に閉成されるガス圧導入室に接続し、アノードガスとカソードガスの差圧が大きくなるとアノードガス給排ラインの供給端側から排出端側に、或いはカソードガス供給端側から排出端側に、それぞれ連通路を通ってガスが抜けるようにしたものである。
これら両特許文献1、2の構成は、何れも差圧に応動したパッシブな制御によるため、加圧下でも有効に作動し、センサやコントロールバルブより速く差圧変化が生じても対応できる応答性や安定性を少なくとも備えたものとなっている。
特開平6−36785号公報 特開昭64−76677号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、過大な差圧が急激に生じて一方の鉛直管の液面が連通路よりも下がったときに、一方の鉛直管から他方の鉛直管にガスが抜けてアノードガスとカソードガスが混合する事態を招くことが不可避である。これらのガスは反応性のものであるため、混合は燃料電池の破損に繋がり、ひいては安全性に重大な支障をもたらすおそれがある。
一方、特許文献2のものは、アノードガスとカソードガスの間で設定圧以上の差圧が生じた場合に供給端側のガスを排出端側にスルーさせる構成であるため、アノードガスとカソードガスの混合は即座には生じない。しかしながら、このように燃料電池へ供給すべきガスの一部をスルーさせると、燃料電池の発電特性が意図せずに変わってしまうという不都合がある。特に、燃料電池の試験等を実施する場合には有効な試験を行うことが困難になり、供給ガスが急激に減少した場合にはガス欠により燃料電池に損傷を与えかねない。また、同特許文献2のものも、やはり差圧検出のためにアノードガスとカソードガスを共通の作動液に作用させているため、急激に過大差圧が生じた場合にはアノードガスとカソードガスの間でガスの移動により混合を生ずる恐れが拭えないものである。
他方、センサの応答速度より速く差圧変化が起きた時に備え、液封式過圧逃がし機構に代えてリリーフ弁を採用する構成も考えられるが、これだと設定限界差圧付近でスローリークを生じるという不具合があり、適正差圧範囲でも燃料電池の使用に支障を来たす場合がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、加圧下や急激な差圧変動に対しても迅速且つ安定に応答できるという液封式過圧逃がし機構の特性を生かしつつ、アノードガスとカソードガスの混合の恐れをなくし、燃料電池へ供給するガスの流量や燃料電池の使用状態も適正に担保できるようにした新規有用な燃料電池の過圧防止装置を提供することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明に係る燃料電池の過圧防止装置は、正負極にアノードガス給排ライン及びカソードガス給排ラインを接続した燃料電池に適用するにあたり、アノードガスに対して同一の若しくは不活性となるアノード側基準ガスを前記カソードガス給排ラインと略同圧に保って流通させるアノード側基準圧ラインと、カソードガスに対して同一の若しくは不活性となるカソード側基準ガスを前記アノードガス給排ラインと略同圧に保って流通させるカソード側基準圧ラインと、アノードガス給排ラインとアノード側基準圧ラインの間及びカソードガス給排ラインとカソード側基準圧ラインの間にそれぞれ介在してガス給排ラインと基準圧ラインの間に設定限界差圧が現れたときに両ライン間でガスを移動させる対をなす液封式の過圧逃がし機構とを具備してなることを特徴とする。
本発明は、基本的に液封式過圧逃がし機構における作動液の挙動を利用してパッシブに過圧逃がしを行うものであるため、機械系のアクティブ制御によるコントロール弁のごとき応答性や安定性に問題が生じることはなく、リリーフ弁のごときスローリークの問題も生じない。しかも本発明は、アノード、カソード間の差圧と同視できる差圧を各ガス給排ラインと各々対応する基準圧ラインとの間に作り出し、両ライン間で同一若しくは相互に不活性となるガスを移動させるものであるため、アノードガスとカソードガスが直接混合するおそれも完全に払拭することができる。その上、本発明は、正負極の排出側においてガス給排ラインの背圧を制御するものであるため、燃料電池へのガスの流入流量を適正に担保して、燃料電池の特性が不慮に変化しないようにしておくことができる。
具体的な過圧逃がし機構としては、上端部を前記ガス給排ライン及び基準圧ラインにそれぞれ接続した一対の鉛直管と、それら鉛直管の下端部間を連通する連通路と、それら連通路及び鉛直管に封入した液体とを備えたものであり、前記ガス給排ライン及び基準圧ライン間に設定限界差圧が現れたときに、一方の鉛直管の液面が前記連通路まで下降し、その連通路を通じてガス給排ラインと基準圧ラインとの間でガスが移動するように構成したものを挙げることができる。ここで鉛直管とは鉛直成分を含んで起立する管のことである。
資源の利用効率を高めるには、アノード側基準圧ラインに、アノードガス給排ラインを流通するアノードガスと同一のガスを流通させるとともに、カソード側基準圧ラインにカソードガス給排ラインを流通するカソードガスと同一のガスを流通させるようにしたものであって、各ガス給排ライン又は/及び各基準圧ラインのガスを回収して、各ガス給排ライン等に再利用可能に構成しているものが好ましい。
一方、例えばアノードガスとカソードガスとが互いに不活性な場合や、アノードガスとカソードガスとが反応性のものであっても基準圧ラインに移動するガスが微量である等、混合しても安全性が確保される場合、あるいは互いにアノード側及びカソード側に同時に過大差圧の原因となる急激な圧力変動が生じることが考え難い場合等には、簡易なものとして、アノード側及びカソード側に共通の基準圧を保ってアノードガス及びカソードガスの双方に対して不活性な共通基準ガスを流通させる共通基準圧ラインと、アノードガス給排ラインの排出端側と共通基準圧ラインの間及びカソードガス給排ラインの排出端側と共通基準圧ラインの間にそれぞれ介在してガス給排ラインと共通基準圧ラインの間に設定限界差圧が現れたときに両ライン間でガスを移動させる対をなす液封式過圧逃がし機構とを具備する構成を採用しても、上記に準じた作用効果を奏することができる。
この場合の共通基準圧としては、正負極(空気極及び燃料極)を包囲する加圧容器の内圧等を利用することが可能である。
このように本発明の過圧防止装置によれば、加圧下や急激な差圧変動に対して応答性や安定性に優れ、リリーフ弁のように適正差圧範囲内で燃料電池の使用に支障が生じることも回避することができ、アノードガスとカソードガスを直接混合させないために安全性も確実に担保することができる上に、燃料電池へ流入するガスの流量も確保して燃料電池の特性に変動を来たす不具合、ひいては燃料電池に損傷、破損が生じる問題も的確に解消できる優れた過圧防止装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示す本実施形態の燃料電池1は、例えば固体高分子型のもので、電解質膜1aと、その電解質膜1aを両側から挟み込む2枚の平行平板電極であるアノード(燃料極[負極])11及びカソード(空気極[正極])12と、それら電極11、12に水素を含むアノードガス(燃料ガス)AG及び酸素を含むカソードガス(酸化ガス)CGを接触させるための燃料極流路11a及び空気極流路12aとを備えたセルによって構成される。そして、アノードガス給排ラインL1及びカソードガス給排ラインL2を、前記燃料極流路11a及び空気極流路12aを介して、アノード11及びカソード12にそれぞれ接続することにより発電するものである。
アノードガス給排ラインL1は、供給端側を燃料ガス供給ポートs1に接続し、排出端側を圧力センサPS1及び制御バルブMV1を介してベントポートv1に接続した構成からなる。また、カソードガス給排ラインL2は、供給端側を酸化ガス供給ポートs2に接続し、排出端側を圧力センサPS2及び制御バルブMV2を介してベントポートv2に接続した構成からなる。前記圧力センサPS1、PS2の検出値にてそれぞれ制御バルブMV1、MV2をコントロールし、各ガス給排ラインL1、L2の圧力を制御している。
一方、本実施形態の圧力調整装置は、アノードガスAGと同一若しくはアノードガスAGに対して不活性なアノード側基準ガスXGを前記カソードガス給排ラインL2と略同圧に保って流通させるアノード側基準圧ラインL3と、カソードガスCGと同一若しくはカソードガスCGに対して不活性なカソード側基準ガスYGを前記アノードガス給排ラインL1と略同圧に保って流通させるカソード側基準圧ラインL4と、アノードガス給排ラインL1の排出端側とアノード側基準圧ラインL3の間及びカソードガス給排ラインL2の排出端側とカソード側基準圧ラインL4の間にそれぞれ介在してガス給排ラインL1(L2)と基準圧ラインL3(L4)の間に設定限界差圧が現れたときに両ラインL1、L3間(L2、L4間)でガスを移動させる液封式過圧逃がし機構13、24とを具備している。
アノード側基準圧ラインL3は、供給端側を基準ガス供給ポートs3に接続し排出端側を制御バルブMV3を介し前記ベントポートv1に接続したもので、当該アノード側基準圧ラインL3における制御バルブMV3よりも上流と前記カソードガス給排ラインL2における制御バルブMV2の上流との間に差圧センサPS3を介設し、この差圧センサPS3の検出値にて前記制御バルブMV3をコントロールし、アノード側基準圧ラインL3の圧力を制御している。
カソード側基準圧ラインL4は、供給端側を基準ガス供給ポートs4に接続し排出端側を制御バルブMV4を介して前記ベントポートv2に接続したもので、当該カソード側基準圧ラインL4における制御バルブMV4の上流と前記アノードガス給排ラインL1における制御バルブMV1の上流との間に差圧センサPS4を介設し、この差圧センサPS4の検出値にて前記制御バルブMV4をコントロールし、カソード側基準圧ラインL4の圧力を制御している。
過圧逃がし機構13、24は、例えば図2〜図4に示すように、一対の鉛直管31、31の下端部間を水平又はU字状の連通路32を介して連通させたいわゆるU字管と称されるもので、差圧がない状態において鉛直管31の途中に液面が現われる程度に内部に作動液Rを封入し、鉛直管31の上端側に閉成されるガス導入室Cにガス給排ラインL1(L2)のガス及び基準圧ラインL3(L4)のガスを導入して作動液Rの液面にそれらのガス圧を作用させる構造をなしている。すなわち、一対の鉛直管31、31のガス導入室C、C間に差圧がないときは、液面は同一高さに位置するが(図2参照)、差圧が生じると高圧側の液面が低位に、また低圧側の液面が高位に位置するように作動液が移動し(図3参照)、さらに差圧が設定限界差圧に達すると、作動液Rの大半が過圧逃がし機構13(24)の中心よりも片側に移動する(図4参照)。鉛直管31は鉛直成分を有していれば必ずしも重力に対し鉛直に起立して配置される必要はない。また、ここに言う設定限界差圧とは、一方の液面が作動液R全体の最低位位置若しくはその近傍位置に達するまで当該作動液Rを移動させるに足る差圧を意味する。最低位位置若しくはその近傍位置とは、一方の鉛直管31に存するガスが他方の鉛直管31の液面に抜けるような浮力を受ける状態に置かれる位置である。かかる設定限界差圧は、封入する作動液Rの量によって簡単に調整することができる。この過圧逃がし機構13、24に封入する作動液Rに水銀等の比重の大きいものを使用すれば、過圧逃がし機構13、24ひいては加圧防止装置全体のコンパクト化を図ることが可能である。
本実施形態における圧力制御は次のようにして行われる。先ず、アノードガス給排ラインL1及びカソードガス給排ラインL2に設定圧が与えられる。そして、圧力センサPS1、2で計測した圧力とかかる設定圧力との差圧をなくすために、制御バルブMV1、MV2においてアノードガスラインL1の圧力及びカソードガスラインL2の圧力が制御される。また、差圧センサPS3、PS4で計測した差圧が0になるように制御バルブMV3、MV4においてそれぞれの基準圧ラインL3、L4の圧力が制御される。つまり、基準圧ラインL3(L4)はそれを基準圧力として使用するラインL1(L2)と異なるもう一方のラインL2(L1)と同一圧力を保つように制御される。アノードガス給排ラインL1のガス圧をP1、カソードガス給排ラインL2のガス圧をP2、アノード側基準圧ラインL3のガス圧をP3、カソード側基準圧ラインL4のガス圧をP4とした場合、上記の圧力制御により、P3=P2、P4=P1の圧力関係が保たれ、P1はP3(=P2)を、P2はP4(=P1)をそれぞれ基準圧として差圧変動が監視される。
このような制御を行うなかで、過圧逃がし機構13、24に着目すると、差圧が等しければ前述したように両鉛直管31、31における作動液の液面高さは等しくなるが(図2)、許容範囲での差圧が発生すると当該差圧の大きさに応じて液面が変化する。すなわち、相対的にガス導入室Cが高圧となった側の鉛直管31の液面は押し下げられて対応するガス給排ラインL1(L2)のガスをガス導入室Cに受け入れ、相対的にガス導入室Cが低圧となった側の鉛直管31の液面は押し上げられてガス給排ラインL2(L1)にガス導入室Cに存するガスを吐き出す(図3)。一方、許容する差圧を超えた過大な差圧が急峻に発生すると、作動液Rを通して一対のガス導入室Cの高圧側から低圧側に実際にガスが例えば気泡となって移動する(図4)。
これを過圧防止装置全体としてみると、差圧が微小であるうちは、相対的にガス導入室Cが高圧となった側の鉛直管31の液面が押し下げられたときに対応するガス給排ラインL1(L2)のガスが一時的にガス導入室Cに抜かれ、相対的に低圧となった側の鉛直管31の液面が押し上げられたときにガス給排ラインL2(L1)に一時的にガス導入室Cに存するガスが補給され(図3参照)、このような圧力バランスをとりながらガス給排ラインL1、L2で生じる微小な差圧変動が吸収される。一方、設定限界差圧が現われたときは、過圧逃がし機構13、24において高圧側から低圧側へガスがバイパスするため、ガス供給側において急激な供給過多やガス欠が発生しようとしても、ガス給排ラインL1(L2)から基準圧ラインL3(L4)にガスを必要なだけ逃がし、或いは基準圧ラインL3(L4)からガス給排ラインL1(L2)にガスを必要なだけ送り込んで、ガス給排ラインL1、L2の急峻な圧力変動を抑制する。このため、設定限界差圧を超えて差圧が大きくなることを有効に回避することができる。そして、本実施形態はかかる作動を差圧に応動してパッシブに行なうため、応答性や安定性に優れ、適正差圧範囲でスローリーク等を生じないため燃料電池1の適正な使用を確保することができる。
特に本実施形態のものは、ガス給排ラインL1、L2から完全に分離させた基準圧ラインL3、L4を新設して、ガスが移動してもアノードガスAG同士の混合、カソードガスCG同士の混合、或いはアノードガスAGと不活性ガスの混合、或いはカソードガスCGと不活性ガスの混合が生じるに止どまるものであるため、アノードガスAGとカソードガスCGの直接混合のおそれを完全に払拭して安全性を確実に担保することができる。特に基準圧ラインL3、L4に、ガス給排ラインL1、L2と同一のガスをそれぞれ供給するようにしておけば、ベントポートv1、v2からガスを回収することにより、再利用に供することもできるため、回収ラインを設ける等すれば燃料電池1の効率を容易に向上させることが可能となる。つまり、ベントポートv1、v2からガスを回収して、各ガス給排ラインL1、L2、各基準圧ラインL3、L4又は下流側に設けられた他の燃料電池(図示しない)等に前記回収ラインを介して回収したガスを供給することで、再利用が可能になる。また、再利用するためにベントポートv1、v2からガスを回収し、タンク等に蓄えておいてもよい。
その上、本実施形態は、燃料極流路11a及び空気極流路12aの排出側においてガス給排ラインL1(L2)と基準圧ラインL3(L4)の間を過圧逃がし機構13(24)を介して接続する構成、つまりガス給排ラインL1、L2の背圧を制御する構成を採用し、過圧逃がし機構13、24の上流に位置する燃料電池1に外部から供給される流量をそのまま流すようにしているため、過圧逃がし機構13、24の上流でガスの一部がスルーされる構成に比べて、不慮の流量変化により燃料電池の特性が変化する事態を招くことがない。したがって、例えば燃料電池1の試験を目的としてガスの供給量を種々変化させる必要がある場合等には有効な試験を持続させることができ、過剰なガスのスルーに基づくガス欠により燃料電池に損傷を与える事態等も確実に回避することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、カソードガス給排ラインL2とアノード側基準圧ラインL3の間及びアノードガス給排ラインL1とカソード側基準圧ラインL4の間にそれぞれ差圧センサP3、P4を接続し、この差圧センサP3、P4で検出される差圧をゼロにするようにアノード側基準圧ラインL3及びカソード側基準圧ラインL4に各々設けた制御バルブMV3、MV4を制御するように構成したが、図5に示すように、アノードガス給排ラインL1及びカソードガス給排ラインL2に既に存する圧力センサPS1、PS2を利用し、かつアノード側基準圧ラインL3及びカソード側基準圧ラインL4にそれぞれ圧力センサをPS3、PS4を設けて、カソードガス給排ラインL2及びアノード側基準圧ラインL3の圧力センサPS2、PS3が検出する検出値から両ラインL2、L3の差圧をゼロにするようにアノード側基準圧ラインL3に設けた制御バルブMV3を制御し、アノードガス給排ラインL1及びカソード側基準圧ラインL4の圧力センサPS1、PS4が検出する検出値から両ラインL1、L4の差圧をゼロにするようにカソード側基準圧ラインL4に設けた制御バルブMV4を制御するようにしても構わない。同図における他の構成のうち上記実施形態と共通する部分には同一符号が付してある。
また、ガス給排ラインL1、L2に設定圧を与えると同様に、基準圧ラインL3、L4にも適宜の設定圧を与え、これらの設定圧と実際の各ラインL1、L2、L3、L4の圧力センサP1、P2、P3、P4からの検出値に基づいて、各ラインL1、L2、L3、L4に設けた制御バルブMV1、MV2、MV3、MV4を個別に制御するようにしても同様の作用効果を得ることができる。
さらに、上記実施形態よりも簡易な構成による場合には、図6に示すように、燃料極流路11a及び空気極流路12aにアノードガス給排ラインL1及びカソードガス給排ラインL2を接続した燃料電池1に対して、アノード側及びカソード側に共通の基準圧PXを保って双方に対し不活性な共通基準ガスZGを流通させる共通基準圧ラインL5と、アノードガス給排ラインL1と共通基準圧ラインL5の間及びカソードガス給排ラインL2と共通基準圧ラインL5の間にそれぞれ介在してガス給排ラインL1(L2)と共通基準圧ラインL5の間に設定限界差圧が現れたときに両ラインL1、L5間(L2、L5間)でガスを移動させる液封式過圧逃がし機構15、25とを設けた構成によってもよい。この場合における過圧逃がし機構15、25の構成自体は、上記実施形態における過圧逃がし機構13、24の構成と同様である。
この場合の基準圧としては、燃料極流路11a及び空気極流路12aを包囲する図示しない加圧容器の内圧や、大気圧等を利用することができる。或いは、その他の適宜の設定圧を利用するようにしてもよい。
アノードガス給排ラインL1及びカソードガス給排ラインL2が圧力センサPS1、PS2や制御バルブMV1、MV2によって適正な設定圧に制御されていることが期待でき、かつ、過大な差圧の原因となる圧力変動は主としてガス給排ラインL1、L2の何れかにおいて起こり両ラインL1、L2に同時に起こる可能性が少ないことが期待できる場合には、上記のように両ガス給排ラインL1、l2と共通基準圧ラインL5との間を液封式過圧逃がし機構15、25で接続してガスを移動させるように構成しても、アノードガスAGとカソードガスCGの共通基準圧ラインL5への同時混合の恐れは極めて低いと言える。また、アノードガスとカソードガスとが互いに不活性な場合や、アノードガスとカソードガスとが反応性のものであっても基準圧ラインに移動するガスが微量である場合、混合しても安全性が確保される。よって、図示のような簡易な構成を通じて上記実施形態に準ずる作用効果を挙げることができる。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態を示す模式的な回路図。 同実施形態における液封式過圧逃がし機構の構成及び作動を示す原理図。 同実施形態における液封式過圧逃がし機構の構成及び作動を示す原理図。 同実施形態における液封式過圧逃がし機構の構成及び作動を示す原理図。 本発明の他の実施形態を示す模式的な回路図。 本発明の上記以外の実施形態を示す模式的な回路図。
符号の説明
1…燃料電池
11…負極(アノード)
12…正極(カソード)
13、24…液封式過圧逃がし機構
15、25…液封式過圧逃がし機構
AG…アノードガス
CG…カソードガス
L1…アノードガス給排ライン
L2…カソードガス給排ライン
L3…アノード側基準圧ライン
L4…カソード側基準圧ライン
L5…共通基準圧ライン
XG…アノード側基準ガス
YG…カソード側基準ガス
ZG…共通基準ガス

Claims (4)

  1. 正負極にカソードガス給排ライン及びアノードガス給排ラインを接続した燃料電池に適用されるものであって、
    アノードガス給排ラインを流通するアノードガスと同一の若しくは当該アノードガスに対して不活性なアノード側基準ガスをカソードガス給排ラインと略同圧に保って流通させるアノード側基準圧ラインと、
    カソードガス給排ラインを流通するカソードガスと同一の若しくは当該カソードガスに対して不活性なカソード側基準ガスをアノードガス給排ラインと略同圧に保って流通させるカソード側基準圧ラインと、
    アノードガス給排ラインの排出端側とアノード側基準圧ラインの間及びカソードガス給排ラインの排出端側とカソード側基準圧ラインの間にそれぞれ介在してガス給排ラインと基準圧ラインの間に設定限界差圧が現れたときに両ライン間でガスを移動させる液封式過圧逃がし機構とを具備してなることを特徴とする燃料電池の過圧防止装置。
  2. 前記過圧逃がし機構が、上端部を前記ガス給排ライン及び基準圧ラインにそれぞれ接続した一対の鉛直管と、それら鉛直管の下端部間を連通する連通路と、それら連通路及び鉛直管に封入した液体とを備えたものであり、前記ガス給排ライン及び基準圧ライン間に設定限界差圧が現れたときに、一方の鉛直管の液面が前記連通路まで下降し、その連通路を通じてガス給排ラインと基準圧ラインとの間でガスが移動するように構成したものである請求項1記載の燃料電池の過圧防止装置。
  3. アノード側基準圧ラインに、アノードガス給排ラインを流通するアノードガスと同一のガスを流通させるとともに、カソード側基準圧ラインにカソードガス給排ラインを流通するカソードガスと同一のガスを流通させるようにしたものであって、
    各ガス給排ライン又は各基準圧ラインのガスを回収して、再利用可能に構成している請求項1又は2記載の燃料電池の過圧防止装置。
  4. 正負極にカソードガス給排ライン及びアノードガス給排ラインを接続した燃料電池に適用されるものであって、
    アノード側及びカソード側に共通の基準圧を保ってアノードガス及びカソードガスの双方に対して不活性な共通基準ガスを流通させる共通基準圧ラインと、
    アノードガス給排ラインの排出端側と共通基準圧ラインの間及びカソードガス給排ラインの排出端側と共通基準圧ラインの間にそれぞれ介在してガス給排ラインと共通基準圧ラインの間に設定限界差圧が現れたときに両ライン間でガスを移動させる対をなす液封式過圧逃がし機構とを具備してなることを特徴とする燃料電池の過圧防止装置。
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