JP2005166458A - プラズマ表面処理方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアー等の噴射を要さないで、被処理物表面に対する励起種の照射量及び照射面積を拡大できるとともに、表面全域に均一に照射でき、かつ、有効励起種のロスも抑制して処理性能、処理効率の著しい向上が図れるようにする。
【解決手段】相対向する一対の放電電極1,1にパルス電圧を印加することで電極尖端部1a,1a間に生起されるコロナ放電によりプラズマを含む励起種を生成し表面処理を行なう方法であって、放電電極1,1の尖端部1a,1aの近くに、永久磁石4、磁性体5及びポールピース6からなる磁場形成手段により磁場を形成させ、この磁場中を運動するプラズマ中の荷電粒子に押出し作用するローレンツ力で励起種を被処理物Wの表面Wfに向けて噴射させて表面処理を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、主としてポリエチレンやポリプロピレン、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)などの樹脂に対して塗料を塗布する場合や印刷を施す場合にその表面の撥水性を親水性に改質したり、ガラス、セラミックス、金属、半導体等の表面に付着した有機物を洗浄したり、殺菌・滅菌したり、エッチングしたりするなどの各種の表面処理に適用されるもので、詳しくは、コロナ放電により生成されるプラズマによる分子解離の結果発生する励起分子、ラジカル、イオンなどの励起種を被処理物の表面に照射して改質等の表面処理を行なうコロナ放電式のプラズマ表面処理方法及びその装置に関するものである。
コロナ放電方式のプラズマ表面処理方法は、グロー放電方式のプラズマ表面処理方法の場合に必要であるヘリウムまたはアルゴンや水素など点火用ガスの使用が省け、使用時の安全性の向上及びガス消費量の節減による処理コストの低減を図れるという利点を有することから、表面改質等の表面処理に多く利用されている。
この種のコロナ放電方式のプラズマ表面処理方法による処理性能、処理効率を決定する上で重要な要素は、コロナ放電により生成されたプラズマを含む励起種の被処理物表面への照射量、照射面積及び照射の均一性であり、これら重要な要素を達成する手段として、従来、例えば放電電極の先端部を中空ピン状とし、その先端にエアー噴射口を設けたり、放電電極の外周に中空の絶縁ホルダーを設け、この絶縁ホルダーの先端面で放電電極を取り囲む複数箇所にエアー噴射孔を設けたりして、これら噴射口や噴射孔からの高圧高速エアーの噴射によってプラズマを含む励起種を被処理物表面に向けて照射する方法が採用されていた(例えば特許文献1参照)。
特開平8−81573号公報(図1、図2)
しかしながら、上記したように励起種の照射のために高圧高速エアー等のガスを噴射させる従来のコロナ放電方式のプラズマ表面処理方法では、そのエアー等のガス噴射のために放電電極や絶縁ホルダーに細かい細工を施さねばならないばかりか、コンプレッサーやブロワ等といったエアー等のガスの高圧送給設備を要し、装置全体が大型化、高コスト化しやすい。また、ガスの噴射圧力や噴射角度等の調整により励起種の照射量や照射面積を調整できるものの、その調整範囲には自ずと限界があり、特に、被処理物表面の全域に励起種を平均的に均等に照射させることは構造的にも技術的にも難しい。加えて、表面処理そのものには関与しないエアー等のガスを励起種とともに被処理物の表面に噴射させるものであるから、全照射量に占める有効励起種の量は少なく、また、エアー等のガスの跳ね返りや周囲逃散に伴う励起種のロスも多くなり、所定の表面処理性能、処理効率の向上にも限界があるという問題があった。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、エアー等のガス噴射を要することなく、被処理物表面に対する励起種の照射量及び照射面積を拡大できるとともに、表面全域に均一に照射することができ、しかも、有効励起種のロスを抑制して処理性能、処理効率の著しい向上を図ることができるプラズマ表面処理方法及びその装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るプラズマ表面処理方法は、相対向する一対の放電電極にパルス電圧を印加してそれら放電電極の尖端部間にコロナ放電を生起させ、このコロナ放電により生成されるプラズマを含む励起種を被処理物の表面に照射して表面処理を行なうプラズマ表面処理方法であって、
上記一対の放電電極の尖端部近くで上記プラズマ中の荷電粒子が存在しているところに磁場が形成されており、この磁場中を運動する荷電粒子に対して押出し作用する力によりプラズマを含む励起種を被処理物の表面に向けて照射させることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係るプラズマ表面処理装置は、相対向する一対の放電電極にパルス電圧を印加してそれら放電電極の尖端部間にコロナ放電を生起させ、このコロナ放電により生成されるプラズマを含む励起種を被処理物の表面に照射して表面処理を行なうように構成されたプラズマ表面処理装置であって、
上記一対の放電電極の尖端部近くで上記プラズマ中の荷電粒子が存在しているところに磁場を形成して該磁場中を運動する荷電粒子に対してプラズマを含む励起種を被処理物の表面に向けて照射させる押出し力を作用させることが可能な磁場形成手段が設けられていることを特徴とする。
上記構成の本発明によれば、一対の放電電極の尖端部近くに磁場を形成した状態で、一対の放電電極にパルス電圧を印加して両電極の尖端部間にコロナ放電を生起させると、このコロナ放電により生成されるプラズマを含む励起種が磁場の中に存在することになって、この磁場の中を運動するプラズマ中の荷電粒子に対して磁場から押出し力、すなわち、ローレンツ力が作用する。このローレンツ力によってプラズマを含む励起種には磁場に垂直な方向に力が与えられることになるため、高速高圧エアー等のガスを噴射しなくても、励起種を被処理物表面に向けて勢いよく、また、広い面積に亘ってほぼ均一に照射させることが可能である。また、表面処理そのものには直接関与しないエアー等のガスを用いないで、表面処理にとって有効成分である励起種のみを照射させてガスの跳ね返り等に起因する励起種のロスを抑制することが可能であるため、表面処理性能及び処理効率の著しい向上が図れる。
上記のようなコロナ放電式のプラズマ表面処理方法及び装置において、放電電極に印加するパルス電圧としては、請求項2及び請求項6に記載のように、矩形波パルス電圧、あるいは、請求項3及び請求項7に記載のように、交流電圧を半波整流または全波整流した複数の脈流波から構成されるパルス電圧のいずれを使用してもよい。このうち、特に、脈流波から構成されるパルス電圧を使用する場合は、特別なパルス電圧発生電源が不要で、商用または超音波領域の交流電源とダイオード等の整流素子との組み合わせからなる簡単な電源装置を用いることで、所望周期及びデューティのパルス電圧を印加することが可能で、装置の低コスト化を実現することができる。
また、上記コロナ放電式のプラズマ表面処理装置における磁場形成手段としては、請求項8に記載したように、永久磁石と一対の磁性体と端面間にギャップを形成する一対のポールピースとから構成されたもの、あるいは、請求項9に記載したように、直流電源に接続された電磁石と一対の磁性体と端面間にギャップを形成する一対のポールピースとから構成されたもの、のいずれであってもよい。このうち、永久磁石を用いる場合は、製作コストの低減及び電力消費の節減が図れる。一方、電磁石を用いる場合は、永久磁石を用いる場合に比して製作コスト及び電力消費が増大する反面、ポールピース端面間のギャップの磁束密度を調整することによってローシンツ力、ひいては、プラズマを含む励起種の照射力及び照射拡散範囲を被処理物の表面形態等に対応して容易かつ任意にコントロールしやすく、被処理物に対する形状適用性の拡大が図れる上に、処理性能、処理効率をより一層向上することができる。
さらに、本発明では、アルゴン、窒素、炭酸ガス等の反応性ガスを使用しなくてもよいが、請求項4及び10に記載のように、それら反応性ガスを大気圧または大気圧近傍下で一対の放電電極間に導入して、プラズマを含む励起ガス流を磁場から受ける押出し作用力(ローレンツ力)で照射させることにより、種々の表面処理に利用することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、コロナ放電によって生成されるプラズマを含む励起種を、プラズマ中の荷電粒子に作用するローレンツ力によって被処理物表面に向けて照射させることができるので、励起種の照射のために従来使用していた高圧高速エアー等のガスの使用を省くことができるとともに、放電電極や絶縁ホルダーに細かい細工を施したり、コンプレッサーやブロワ等といったガスの高圧送給設備を設置したりすることも不要で、装置全体の小型化、低コスト化を実現できる。しかも、被処理物表面に対する励起種の照射量及び照射面積を拡大しやすいとともに、励起種を被処理物表面の全域に均一に照射することができ、さらに、有効励起種の周囲飛散等によるロスも抑制することができるので、全体として表面処理性能、処理効率の著しい向上を達成することができるという効果を奏する。
特に、放電電極に印加するパルス電圧として、交流電圧を半波整流または全波整流した複数の脈流波から構成されるパルス電圧を使用することにより、特別なパルス電圧発生電源を用いずとも、商用または超音波領域の交流電源とダイオード等の整流素子との組み合わせからなる簡単な電源装置を用いることで、所望周期及びデューティのパルス電圧を印加することが可能で、装置の一層の低コスト化を実現することができる。
また、磁場形成手段として、直流電源に接続された電磁石と一対の磁性体とポールピースとから構成されたものを用いることによって、ポールピース端面間のギャップの磁束密度を調整してローシンツ力を加減し、プラズマを含む励起種の照射力及び照射拡散範囲を被処理物の表面形態等に対応して容易かつ任意にコントロールしやすくなり、被処理物に対する形状適用性の拡大が図れる上に、処理性能、処理効率をより一層向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係るプラズマ表面処理装置の第1実施例を示す一部を省略した縦断正面図、図2は図1のA−A線に沿った縦断側面図である。この第1実施例のプラズマ表面処理装置は、ステンレス等の金属材料から略L字形状に製作加工された(+),(−)一対の放電電極1,1をそれらの先端の尖った部分、すなわち、両尖端部1a,1aが相対向する状態で絶縁物からなる電極ホルダー2,2間に挟持固定させているとともに、これら一対の放電電極1,1には、パルス電圧として交流電圧を半波整流もしくは全波整流した複数の脈流波から構成されるパルス電圧を印加する電源装置3(後述する)が接続されており、この電源装置3から一対の放電電極1,1にパルス電圧を印加することにより、それら電極1,1の尖端部1a,1a間にコロナ放電を生起させ、このコロナ放電によりプラズマを含む励起種を生成させるように構成されている。
上記電源装置3としては、例えば図3に明示するように、50Hz〜100KHzの交流電源10と昇圧トランス11と一個の整流用ダイオードD1を用いた半波整流回路により交流の正電圧のみを取り出すことで、図4に示すように、5〜15KVの波高値Vpを持つ直流の脈流波に変換するとともに、その変換された複数の脈流波のON時間およびOFF時間の和を一周期Tとしてパルス周波数(1/T)が10〜200Hz、パルスデューティが10〜100%の正のパルス電圧を発生するように構成されたもの、あるいは、図5に示すように、50Hz〜100KHzの交流電源10と昇圧トランス11と四個の整流用ダイオードD1〜D4を用いたブリッジ形全波整流回路により交流の正電圧だけでなく、負電圧も正電圧の方向に逆転して加え合わせて取り出すことで、図6に示すように、5〜15KVの波高値を持つ直流の脈流波に変換するとともに、その変換された複数の脈流波のON時間およびOFF時間の和を一周期Tとしてパルス周波数が10〜200Hz、パルスデューティが10〜100%の正のパルス電圧を発生するように構成されたもの、のいずれかが使用されている。なお、ここでは正のパルス電圧を用いたが、負のパルス電圧を用いてもよいこともちろんである。
上記一対の放電電極1,1の尖端部1a,1a直近位置には、コロナ放電により生成されるプラズマ中の荷電粒子が存在する水平面に沿った磁場を形成する磁場形成手段が設けられている。この磁場形成手段は、上記放電電極1,1の基端部上方に配置された永久磁石4とこの永久磁石4のN,S両極に接続されて一対の放電電極1,1の尖端部1a,1a近くにまで延設された純鉄製等の一対の軟磁性体5,5とこれら軟磁性体5,5の先端に一体に連設されて放電電極1,1の尖端部1a,1aを挟んで相対向する端面6a,6a間に磁場形成用ギャップ7を形成する純鉄製等の一対のポールピース6,6とから構成されており、この磁場形成手段におけるポールピース6,6の端面6a,6a間のギャップ7に形成される磁場の中をプラズマ中の荷電粒子が運動することに伴い、この荷電粒子には押出し力、すなわち、ローレンツ力が作用してプラズマを含む励起種が図1,2中の矢印Xに示すように、被処理物Wの表面Wfに向けて照射されるように構成されている。
ここで、上記のローレンツ力Fは、粒子の電荷をQ、速度をv、ポールピース端面間のギャップの磁束密度をBとすると、
F=Qv×B
であり、荷電粒子の速度ベクトルに垂直に作用し、これによって、プラズマを含む励起種が矢印X方向に押出し照射される。
なお、上記一対の軟磁性体5,5と上記電極ホルダー2,2とは絶縁スペーサ8,8を介して固定連結されており、これによって、磁場形成手段と一対の放電電極1,1とが一体化されている。また、上記ポールピース6,6にはセラミックス等の保護絶縁性カバー9,9が嵌合されている。
上記のように構成された第1実施例のコロナ放電式プラズマ表面処理装置においては、永久磁石4のN,S両極に軟磁性体5,5を介して接続されたポールピース6,6の端面6a,6a間のギャップ7に有効磁束及び漏れ磁束からなる磁場(磁界)が形成されており、この状態で、上記した半波整流回路もしくは全波整流回路を用いた電源装置3から一対の放電電極1,1に、周波数が10〜200Hzの正または負のパルス電圧を印加して両電極1,1の尖端部1a,1a間にコロナ放電を生起させると、このコロナ放電により生成されるプラズマを含む励起種が磁場の中に存在することになり、この磁場の中を運動するプラズマ中の荷電粒子が磁場から受ける既述のローレンツ力Fによってプラズマを含む励起種には磁場に垂直な矢印X方向の力が与えられることになる。これによって、高圧高速エアー等のガスを噴射しなくても、プラズマを含む励起種を被処理物Wの表面Wfに向けて勢いよく、かつ、広い面積に亘ってほぼ均一に照射させることが可能である。
加えて、表面処理そのものには直接関与しないエアー等のガスを用いる必要がなく、表面処理にとって有効成分である励起種のみが被処理物Wの表面Wfに照射されることになるので、高圧高速エアー等の噴射ガスの跳ね返り等に起因する励起種の周囲飛散等のロスを抑制することが可能となり、所定の表面処理性能及び処理効率の著しい向上が図れる。さらに、ポールピース6,6を種々の形状のものに交換することにより、励起種の噴射形状を自由に変更することが可能で、二次元、三次元の表面処理にも有効に活用することができる。
また、本第1実施例では、一対の放電電極1,1に対して、交流電圧を半波整流または全波整流した複数の脈流波から構成される正または負のパルス電圧を使用しているので、たとえばマルチバイブレータやシュミット・トリガ回路、ブロッキング発振器などの特別なパルス電圧発生電源が不要で、商用交流電源あるいは超音波電源とダイオード等の整流素子との組み合わせからなる簡単な電源装置を用いながら、所望周期及びデューティのパルス電圧を印加することが可能であり、さらに、磁場形成手段として、製作コストが低くかつ電力消費のない永久磁石4を利用することによって装置全体の導入コスト及びランニングコストの低減が図れる。
図7は本発明に係るプラズマ表面処理装置の第2実施例を示す一部を省略した縦断正面図、図8は図7のB−B線に沿った縦断側面図である。この第2実施例のプラズマ表面処理装置は、磁場形成手段を構成する第1実施例の永久磁石4に代えて、例えば純鉄等の鉄心12にコイル13を巻回し、そのコイル13を直流電源14に接続してなる電磁石15を利用したものであり、その他の構成は第1実施例と同様であるため、該当する部材及び部位に同一の符号を付して、それらの詳しい説明を省略する。
この第2実施例によるプラズマ表面処理装置においても、上記第1実施例の場合と同様に、コロナ放電に伴って生成されたプラズマ中の荷電粒子が磁場の中に存在し、この磁場から受けるローレンツ力Fによってプラズマを含む励起種には磁場に垂直な矢印X方向の力が与えられ、これによって、高圧高速エアー等のガスを噴射しなくても、プラズマを含む励起種を被処理物Wの表面Wfに向けて勢いよく、かつ、広い面積に亘ってほぼ均一に照射させることが可能であるとともに、表面処理にとって有効成分である励起種のみを被処理物Wの表面Wfに照射させて高圧高速エアー等の噴射ガスの跳ね返り等に起因する励起種の周囲飛散等のロスを抑制することが可能で、所定の表面処理性能及び処理効率の著しい向上が図れる。加えて、コイル13への通電電流の調整によりポールピース6,6の端面間のギャップ7の磁束密度を広い範囲で制御することが可能で、これによって、ローシンツ力F、ひいては、プラズマを含む励起種の照射力及び照射拡散範囲を被処理物Wの表面形態等に対応して容易かつ任意にコントロールしやすく、被処理物Wに対する形状適用性の拡大が図れる上に、処理性能、処理効率の一層の向上を図ることができる。
なお、上記第1実施例及び第2実施例では、アルゴン、窒素、炭酸ガス等の反応性ガスを使用しないものについて説明したが、それら反応性ガスを大気圧または大気圧近傍下で一対の放電電極間に導入して、プラズマを含む励起ガス流を磁場から受けるローレンツ力で被処理物の表面に向けて照射させるように構成してもよく、この場合は、表面処理の適用性を拡大することが可能となる。
本発明は、樹脂の表面を改質したり、ガラス、セラミックス、金属、半導体等の表面にを洗浄したり、殺菌・滅菌したり、エッチングしたり、改質したりするなどの表面処理に利用することができる。
本発明に係るプラズマ表面処理装置の第1実施例を示す一部省略縦断正面図である。 図1のA−A線に沿った縦断側面図である。 同上処理装置における電源装置の一例である半波整流回路の構成図である。 同上半波整流回路により整流された脈流電圧の波形図である。 同上処理装置における電源装置の他の例である全波整流回路の構成図である。 同上全波整流回路により整流された脈流電圧の波形図である。 本発明に係るプラズマ表面処理装置の第2実施例を示す一部省略縦断正面図である。 図7のB−B線に沿った縦断側面図である。
符号の説明
1 放電電極
1a 尖端部
3 電源装置
4 永久磁石
5 磁性体
6 ポールピース
7 ギャップ
10 交流電源
11 昇圧トランス
14 直流電源
15 電磁石
D1〜D4 整流用ダイオード
W 被処理物
Wf 被処理物表面

Claims (10)

  1. 相対向する一対の放電電極にパルス電圧を印加してそれら放電電極の尖端部間にコロナ放電を生起させ、このコロナ放電により生成されるプラズマを含む励起種を被処理物の表面に照射して表面処理を行なうプラズマ表面処理方法であって、
    上記一対の放電電極の尖端部近くで上記プラズマ中の荷電粒子が存在しているところに磁場が形成されており、この磁場中を運動する荷電粒子に対して押出し作用する力によりプラズマを含む励起種を被処理物の表面に向けて照射させることを特徴とするプラズマ表面処理方法。
  2. 上記パルス電圧として、矩形波パルス電圧を使用する請求項1に記載のプラズマ表面処理方法。
  3. 上記パルス電圧として、交流電圧を半波整流または全波整流した複数の脈流波で構成されるパルス電圧を使用する請求項1に記載のプラズマ表面処理方法。
  4. 上記一対の放電電極間に反応性ガスを大気圧または大気圧近傍圧力下で導入することによりプラズマを含む励起ガス流を上記磁場から受ける押出し作用力で被処理物の表面に向けて照射させる請求項1ないし3のいずれかに記載のプラズマ表面処理方法。
  5. 相対向する一対の放電電極にパルス電圧を印加してそれら放電電極の尖端部間にコロナ放電を生起させ、このコロナ放電により生成されるプラズマを含む励起種を被処理物の表面に照射して表面処理を行なうように構成されたプラズマ表面処理装置であって、
    上記一対の放電電極の尖端部近くで上記プラズマ中の荷電粒子が存在しているところに磁場を形成して該磁場中を運動する荷電粒子に対してプラズマを含む励起種を被処理物の表面に向けて照射させる押出し力を作用させることが可能な磁場形成手段が設けられていることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  6. 上記パルス電圧印加手段が、矩形波パルス電圧発生電源である請求項5に記載のプラズマ表面処理装置。
  7. 上記パルス電圧印加手段が、交流電源と、その交流電圧を半波整流または全波整流した複数の脈流波で構成されるパルス電圧を発生する整流回路とから構成されている請求項5に記載のプラズマ表面処理装置。
  8. 上記磁場形成手段が、永久磁石とこの永久磁石のN,S両極に接続されて一対の放電電極の尖端部近くにまで延設された一対の磁性体とこれら磁性体の先端に連なり端面間にギャップを形成する一対のポールピースとから構成されている請求項5ないし7のいずれかに記載のプラズマ表面処理装置。
  9. 上記磁場形成手段が、直流電源に接続された電磁石とこの電磁石のN,S両極に接続されて一対の放電電極の尖端部近くにまで延設された一対の磁性体とこれら磁性体の先端に連なり端面間にギャップを形成する一対のポールピースとから構成されている請求項5ないし7のいずれかに記載のプラズマ表面処理装置。
  10. 上記一対の放電電極間に反応性ガスを大気圧または大気圧近傍圧力下で導入する手段が設けられており、この手段を介して反応性ガスを導入することによりプラズマを含む励起ガス流を上記磁場から受ける押出し作用力で被処理物の表面に向けて照射させるように構成されている請求項5ないし9のいずれかに記載のプラズマ表面処理装置。
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