JP2005165127A - 表面加飾層を有する偏光板の製造方法 - Google Patents

表面加飾層を有する偏光板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
引張破壊伸びが低い偏光子保護フィルムを用いても、高い表面硬度を有する長尺の表面加飾層付き偏光板を、高い生産性でもって安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】
偏光子保護フィルムに、透明ハードコート層を設けたときの長さ方向の引張破壊伸びが、3%以下となるような偏光子保護フィルム、例えば非晶性オレフィン系樹脂フィルム(特に、飽和ノルボルネン系樹脂フィルム又はオレフィン−マレイミド共重合体フィルム)と偏光子とを貼り合わせて偏光板を製造した後に、偏光板の偏光子保護フィルムの表面に透明ハードコート層を設ける。上記透明ハードコート層としては、クリアハードコート層もしくは防眩機能を有する透明ハードコート層であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主として液晶表示装置(以下「LCD」と略す)に使用される表面加飾層を有する偏光板の製造方法に関する。
LCDは、卓上電子計算機、電子時計、ワープロ、パソコン、液晶テレビ、自動車や機械類の計器類に広く使用されている。LCDは一般に、液晶分子が封入され電極が組み込まれたガラスセルに位相差フィルムや偏光板を貼り合わせて用いられる。
上記偏光板は、通常、延伸配向したポリビニルアルコール(以下「PVA」と略す)のフィルムにヨウ素または二色性染料を吸着させてなる偏光子の両面に、偏光子保護フィルムを貼り合わせることにより製造される。
従来、偏光子保護フィルムとしては、セルローストリアセテート(以下「TAC」と略す)樹脂のフィルムが多用されてきた。しかし、TACのフィルムは透湿度が高いため、TACのフィルムを用いた偏光板に耐湿耐久試験をすると偏光板内に水分が侵入し結果的に偏光子が褪色するという問題がある。また耐熱耐久試験をすると四周に近い部分が額縁状に光り抜け(コントラスト低下)する等、表示特性が悪化するという問題がある。耐熱耐久試験で光抜けが起こる理由は、TACの光弾性係数が大きいためであることが一般に知られており、光弾性係数のより小さい材料が望まれていた。
これらの問題を解決するために、特許文献1では、環状オレフィン系樹脂のひとつであるノルボルネン系樹脂を偏光子保護フィルムに用いた偏光板が提案されている。ノルボルネン系樹脂は、透明性、耐熱性、耐湿性に優れかつ光弾性係数が小さいため、偏光子保護フィルムや位相差フィルムなどとして好適である。
ところで、LCDのディスプレイパネルでは、表面の耐擦傷性を向上させることが要求されており、また画質向上や視認性向上のために、反射防止機能や防眩機能を有することも要求されている。特に液晶テレビ用途では、特に高いハードコート性能が要求される。これらの観点から、LCDの最表面に位置する偏光板には、表面加飾層として、ハードコート層やアンチグレア機能付きハードコート層、低反射防止機能付きハードコート層又は反射防止機能つきハードコート層等が設けられるのが一般的である。
従来、このような表面加飾層付き偏光板を製造するには、先ず、偏光子保護フィルムに表面加飾層を形成して表面加飾層付き偏光子保護フィルムを製造し、この表面加飾層付き偏光子保護フィルムと偏光子とを貼り合わせることにより行われる。反射防止機能付きハードコート層をもつ偏光板においては、まずクリアハードコート層付き偏光板を製造し、その後この偏光板に反射防止機能を付与する製造法がとられることもある。
しかるに、1.偏光子保護フィルムを生産し、2.次に偏光子に偏光子保護フィルムを積層して表面加飾層のない偏光板を生産し、3.その後偏光板に表面加飾層を形成する。4.あるいは場合によっては(反射防止層等の)追加の表面加飾層を形成する、という工程にて表面加飾層つき偏光板を製造することはなされていない。
従来このような工程が採用されてこなかった大きな理由は、偏光板の歩留まりが低下するためである。また、偏光板を製造してから表面加飾層を形成する場合、たとえば、紫外線硬化により表面加飾層を形成する場合においては、紫外線により偏光子が劣化するおそれもある。このため、TACフィルムを偏光子保護フィルムとして用いた場合には、表面加飾層を形成しても十分な引張破壊伸びが保持できていたため、本発明のような製造法ではまったく製造がされていなかった。
強靭性に優れたTACのフィルムに透明ハードコート層を設ける場合においては、例えば、厚さ40μmのTACフィルムは、引張破壊伸びが13%程度あり、これに、例えば厚さ6μmの透明ハードコート層を設けても引張破壊伸びはなお4.2%程度を保持しており、著しく生産性を落とすほどではない。
ところが、前述の環状オレフィン系樹脂は、一般に樹脂そのものが非常に脆く、フィルムの引張破壊伸びが小さい上に、表面加飾層は一般に硬いが脆いため、ただでさえ脆いフィルムがさらに脆くなってしまう。この結果透明ハードコート層付き偏光子保護フィルムと偏光子とを貼り合わせる工程において、引取り速度が速くなると、透明ハードコート層付き偏光子保護フィルムが破断するという問題を生じる。このため、長尺の偏光板を製造する場合には、生産性に問題がある。
厚さ40μmの環状オレフィン樹脂フィルムを用いる場合においては、表面加飾層を形成する前の状態で、引張破壊伸びは3.5%程度しかなく、透明ハードコート層の形成後では、引張破壊伸びは1.5%程度まで落ちてしまう。ここまで引張破壊伸びが落ちると、長尺の偏光板の製造効率に著しく影響を及ぼす。さらに、ノルボルネン系樹脂は従来使われているTACに比し弾性率が低く、同厚みのハードコート層などの表面加飾層を形成させても、表面硬度が落ちる場合がある。この場合、表面硬度を高めるために例えば、表面加飾層の厚みを上げる等の措置をすると、表面硬度は上がっても、引張破壊伸びはさらに低下する。
特に、表面加飾層の硬度が上がるにつれて、表面加飾層を設けた偏光子保護フィルムの引張破壊伸びが低下する。それゆえ、従来の製造方法では、高い表面硬度を有する長尺の表面加飾層付き偏光板を、高い生産性でもって安定して製造することは困難である。
表面加飾処理そのものは、プロテクトフィルム(以下、第1のプロテクトフィルムという)で担持された偏光子保護フィルムに処理をすることで、ある程度可能になるが、偏光子と表面加飾層付き偏光子保護フィルムを貼合する工程では、表面加飾層付き偏光子保護フィルムの第1のプロテクトフィルムを剥がして行う必要があるため、長尺品を安定して生産することは非常に困難である。また、表面加飾層付き偏光子保護フィルムの表面加飾層にさらに第2のプロテクトフィルムを積層すれば、第1のプロテクトフィルムを剥がしても偏光子と偏光子保護フィルムを貼合できる場合があるが、偏光板を製造するためには、偏光子保護フィルムにある程度透湿性が要求されるため、第2のプロテクトフィルムが積層されていると、透湿性が落ちるため、生産が困難になる。また、これを防ぐために無理に第2のプロテクトフィルムを剥がそうとすると、通常ではまだ偏光子と偏光子保護フィルムの接着が不十分な状態で剥離せざるを得ないため、偏光子と偏光子保護フィルムの界面で剥離が起こりやすくなる。
このような環状オレフィン系樹脂からなるフィルムに表面加飾をする方法としては、特許文献2においては、環状オレフィン系フィルムの少なくとも一方の表面に電離放射線硬化型樹脂から形成されてなるハードコート層とフィルムとの間にエラストマー層を設けたハードコート層付きフィルムが提案されている。しかし、この環状オレフィン系フィルムは厚い基材フィルムを用いたものであった。本発明者は薄膜の基材フィルムに特許文献2と同様にしてハードコート層を形成したが、引張破壊伸びが低く、長尺品の生産は困難であった。
特開平6−51117号公報 特開2002−254561号公報
本発明は、上記の問題を解決するものであり、その目的とするところは、引張破壊伸びが低い偏光子保護フィルムを用いても、高い表面硬度を有する長尺の表面加飾層付き偏光板を、高い生産性でもって安定して製造する方法を提供することにある。
本発明者は以上の課題に鑑み、鋭意研究を行った結果、十分な鉛筆硬度を持ちながら、搬送中の破断を防ぐことができる偏光板の製造方法を完成するに至った。すなわち上記課題は、以下の発明により解決することができるのである。
請求項1に記載の発明は、偏光子と表面加飾層を有する偏光子保護フィルムとが積層されてなる偏光板の製造方法であって、偏光子と偏光子保護フィルムとを貼り合わせて偏光板を製造した後、この偏光板の偏光子保護フィルムに表面加飾層を設けることを特徴とする表面加飾層を有する偏光板の製造方法である。
本発明は偏光子保護フィルムに表面加飾層を設けた表面加飾層付き偏光子保護フィルム
の引張破壊伸びが3%以下である場合に特に有用である。この引張破壊伸びが3%より大きければ、通常の生産工程で偏光板を生産できるからである。
また、本発明は特に長尺品を製造する場合に有効である。A4サイズ等の小サイズでは、引張破壊伸びが低くとも、表面加飾層つき偏光子保護フィルムを貼合して偏光板を製造することができるが、長尺品を生産する場合に引張破壊伸びの小ささが問題になるからである。
上述の引張破壊伸びの測定は、引張試験機を用いて、JIS K 7113に準じて行われる。
表面加飾層付き偏光子保護フィルムの引張破壊伸びの測定方法は、以下の2通りあり、どちらで測定してもかまわない。
偏光板に表面加飾層を形成する条件が分かっている場合には、その条件で偏光子保護フィルムに表面加飾層を形成することで、表面加飾層付き偏光板の偏光子保護フィルムとすることができる。長尺品の表面加飾層付き偏光子保護フィルムを作製する場合には、偏光子保護フィルムにプロテクトフィルムが貼られた状態で作製してもかまわない。
もしくは、偏光板から表面加飾層付き偏光子保護フィルムを剥離し、表面加飾層付き偏光子保護フィルムを測定してもかまわない。このときの剥離方法は、偏光板を80℃の温水に浸し、偏光子を溶かすことでフィルムを得ることができる。また、この場合は表面加飾がされていない側のフィルムにわずかに傷を付けることで、速やかに表面加飾層付き偏光子保護フィルムを剥離することができる。
本発明において、偏光子としては、従来から広く知られている、延伸配向したPVAのフィルムにヨウ素または二色性染料を吸着させてなる偏光子が好適に使用されるが、これ等に限定されず、公知の偏光子がすべて使用できる。
本発明において、偏光子保護フィルムとしては、引張破壊伸びが低い公知の偏光子保護フィルムであればすべて使用できるが、主として非晶性オレフィン系樹脂にてなるフィルムが好ましい。光学特性、機械特性、耐湿性等に優れるからである。ここで主としてとはフィルム組成において重量分率で60%以上を占めることをいう。
非晶性オレフィン系樹脂とは、オレフィン系モノマー成分を10重量%以上有する非晶性の樹脂をいうが、引張破壊伸びが低い非晶性の樹脂であれば特に限定されず、例えばポリ4−メチルペンテン樹脂(TPX)、アタクティックPP樹脂、エチレン−アクリレート樹脂、主鎖もしくは側鎖にノルボルナン骨格を有する環状オレフィン系樹脂、オレフィン−マレイミド共重合体等が挙げられる。上記主鎖にノルボルナン骨格を有する環状オレフィン系樹脂が、更に光学特性、耐熱性、機械物性に優れるため好ましい。中でもノルボルネン系樹脂又はオレフィン−マレイミド共重合体が、透明性、耐熱性に優れ、固有複屈折率が低く、光弾性係数が小さいため特に好適に用いられる。
上記ノルボルネン系樹脂は、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂が好ましく、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂、ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂、ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加共重合させた樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は公知であり、商業的に入手できる。
本発明に用いられるノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を有するものであれば特に限定されないが、耐熱性、低線膨張率等に優れた成形品が得られることから、三環体以上の多環ノルボルネン系単量体を用いることが好ましい。
ノルボルネン系モノマーの具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエン等の三環体;テトラシクロドデセン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環体;テトラシクロペンタジエン等の七環体;これらのメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル、ビニル等のアルケニル、エチリデン等のアルキリデン、フェニル、トリル、ナフチル等のアリール等の置換体;さらにこれらのエステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ピリジル基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、無水酸基、シリル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基等の炭素、水素以外の元素を含有する基、いわゆる極性基を有する置換体等が例示される。これらの中でも、エステル基や無水酸基が好ましい。これらのモノマーは、単独で、または複数種を組み合わせて用いられる。入手が容易であり、反応に優れ、得られる樹脂成型品の耐熱性が優れる点から、三環体、四環体、及び五環体のモノマーが好ましい。
市販されている熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン社のゼオノア ♯1660R、ゼオノア ♯1420R、ゼオネックス ♯490K、JSR社のアートン G6810などがある。オレフィン−マレイミド共重合体としてはオレフィン−N−アルキルマレイミド系樹脂である、東ソー社のTI−160αなどがある。
これ等の樹脂にてなる偏光子保護フィルムは、溶剤キャスト法や溶融押出法で製造することができる。表面加飾層を形成しない状態での偏光子保護フィルムの引張破壊伸びは、偏光板の製造工程におけるフィルムの破断を防ぐためには、3%以上、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上あることが好ましい。
また、偏光子保護フィルムの厚みは60μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μmである。元々LCDの薄型化のため薄い偏光板が要求されているためであるが、厚さが60μmを超えると透明性が低下したり、偏光子との貼り合わせによる積層において偏光子の水分を蒸散させるための時間が長くなる等の問題が生じるからである。
本発明においては、先ず、上記偏光子と偏光子保護フィルムとを貼り合わせて、表面加飾層が設けられていない偏光板を製造する。この貼り合せには既存の偏光板製造ラインに使用されている貼り合わせ装置がそのまま使用できる。
貼り合わせには、ポリビニルアルコール系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤などの接着剤が使用される。なお、偏光子保護フィルムの貼り合わせ面には、接着性改善のために、あらかじめコロナ放電処理やプライマー処理などの親水化処理を施しておくことが好ましい。更に表面加飾層が設けられる予定の面には接着性改善のために、あらかじめコロナ放電処理やプライマー処理などの親水化処理を施しておくのが好ましい。
次にこうして製造された偏光板の片方の偏光子保護フィルムの表面に表面加飾層が設けられる。表面加飾層としては、前述のように、透明ハードコート層やアンチグレア機能付きハードコート層、低反射防止機能付きハードコート層又は反射防止機能つきハードコート層が挙げられるが特に限定はされない。
表面加飾層の形成材料は少なくとも有機材料が含まれているものであり、有機材料単独でも、無機材料(例えば無機超微粒子など)が配合されたハイブリッド材料でも構わない。ハードコートに用いられる樹脂としては、紫外線・電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂などを挙げることができる。紫外線・電離放射線硬化型樹脂には、光カチオン系、無機微粒子分散アクリルラジカル系、アクリルラジカル系などがある。熱硬化型樹脂としては、メラミン系、フェノール系、ウレタン系、アルキド系、尿素系、オルガノシラン系などがある。ハードコート層中には、防眩性を付与するための樹脂ビーズや無機フィラーなどが入っていてもよい。
塗布方法もウェット法、ドライ法のどちらでもよい。ウェット法とは水系、溶剤系で調製した塗液をコーターを用いて塗布(例えば、ロールコート、グラビアコート、バーコート、押出コートなどの公知の方法)し、塗液を乾燥及び又は硬化させて塗膜を形成する方法である。ドライ法としては、真空蒸着、スパッタ、CVDなどで形成する方法が挙げられる。
また、ハードコート層とフィルムとの間には、密着性を上げるために、下塗り層を形成してもかまわない。下塗り層はハードコート層と基材フィルムの間に1層もしくは複数層形成されていても構わない。また、下塗り層にはUV吸収機能、帯電防止機能、反射防止機能を持たせてもよい。
下塗り層の材料は特に限定されるものでないが、例えば、(メタ)アクリル系、ウレタン系、ポリオレフィン系、セルロース系、ポリエステル系、ポリアミド系樹脂などが挙げられるが、ウレタン系が好ましく、密着力を得るためには硬化型ウレタン接着剤を用いることが好ましい。硬化型のウレタン接着剤は1液型でも2液型でも構わない。
また、更にハードコート層上に低屈折率層や高屈折率層をドライ法またはウェット法にて形成し、反射防止機能を付与させてもよい。その他、帯電防止機能や防汚機能を積層によって設けてもよい。また、ハードコート層単層に機能付与してもよい。ハードコート層にはその他に紫外線吸収剤や酸化防止剤などの安定剤を添加してもよい。
表面の硬度の測定方法はいくつか存在するが、実使用時での傷の付き方に最も近いことから、鉛筆硬度で測定することが好ましい。表面加飾層付き偏光板の鉛筆硬度は、HB以上であることが好ましく、より好ましくは2H以上、さらに好ましくは4H以上である。
鉛筆硬度がHBより低いとLCDに搭載して使用する際に耐傷性に劣り、擦り傷などにより画面が見づらくなるなどの問題を発生する。透明ハードコート層の形成には、紫外線硬化型のシリコーン系樹脂液やアクリル系樹脂液が好適に使用される。
又、必要に応じて透明ハードコート層には、微細かつ乾燥硬化後のハードコート層成分と屈折率の近似した、樹脂ビーズや無機フィラーを配合して防眩性(アンチグレア性)を付与することが好ましい。
ハードコート層の厚みは3〜20μmが好ましい。3μm未満であると十分な硬度を得ることができない。一方、20μmを超えると偏光板のカールが大きくなって、偏光板をパネルに貼合する際にハンドリング性が低下する、さらには耐久試験中にパネルから偏光板が剥がれるなどの問題が発生しやすい。
本発明における偏光板には、表面加飾層が少なくとも偏光板の片面に形成されていればよい。液晶パネルに偏光板を貼合する場合、通常、偏光板は観察者側とバックライト側に1枚ずつ使用されるが、実用上は観察者側に位置する偏光板にのみ表面加飾がされていればよい。しかし、耐久性を考慮するとバックライト側に位置する偏光板にも表面加飾がされていてもかまわない。
こうして、長尺の表面加飾層付き偏光板が製造され、最終的にロール状に巻き取られる。ここで、長尺とは、透明ハードコート形成装置(塗工乾燥装置)のパスライン以上の長さを意味する。通常は、数十メートル〜数百メートルの巻物状に製造される。
本発明による偏光板の製造方法によれば、引張破壊伸びが低い偏光子保護フィルムを用いても、高い表面硬度を有する長尺の表面加飾層付き偏光板を、高い生産性でもって安定して製造できる。
本発明では、偏光子と偏光子保護フィルムとを貼り合わせて偏光板を製造した後、この偏光板の表面に表面加飾層を設けるものであって、従来方法のように、あらかじめ作製した表面加飾層付きの偏光子保護フィルムを使用するものではないので、表面加飾層形成による引張破壊伸び低下の影響がなく、製造工程で引取り速度が速くてもフィルムが破断しない。それゆえ、引張破壊伸びが低い偏光子保護フィルムを用いても、高い表面硬度を有する長尺の透明ハードコート層付き偏光板を、高い生産性で安定して製造することができる。
特に、本発明は、表面加飾層付き偏光子保護フィルムの長さ方向の引張破壊伸び(JIS K 7127に準拠)が、3%以下である場合に、顕著な効果が発揮される。したがって、偏光子保護フィルムが、主に非晶性オレフィン系樹脂にてなるフィルムである場合に好適に使用される。
更に、表面加飾層が、防眩機能を有する表面加飾層であっても引張破壊伸びが低い偏光子保護フィルム、例えば主に非晶性オレフィン系樹脂にてなるフィルム、を用いても高い表面硬度を有する長尺の表面加飾層付き偏光板を、高い生産性でもって安定して製造できる。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。
(偏光子保護フィルムの作製)
飽和ノルボルネン系樹脂(JSR社製、商品名:アートン G6810)を100℃で4時間乾燥し、この樹脂を一軸スクリュータイプの溶融押出装置に供給し同押出装置に取り付けられたTダイより280℃の温度でフィルム状に溶融押し出し、140℃に温度調節された冷却ロールに接触させた後、巻き取ることにより、長さ200m、幅450mm、厚さ40μmの偏光子保護フィルムを作製した。なお、巻き取りの際に、このフィルムにポリエチレンテレフタレート製の微粘着型プロテクトフィルム(帝人化学社製)を仮着した。
(偏光子保護フィルムの引張破壊伸びの測定)
プロテクトフィルムを仮着する前の上記偏光子保護フィルムの長さ方向の引張破壊伸びを測定した。引張試験機を用いて、JIS K 7113に準じて行った。試験片は、長さ200mm、幅20mmの試験片タイプ2とし、試験片を23℃50%RHで24時間放置した後、チャック間距離150mm、引張速度は20mm/分で引張試験をしたときの、破断点の伸びを引張破壊伸びとした。上記偏光子保護フィルムの引張破壊伸びは3.5%であった。
(偏光板の作製)
重合度2400のPVAフィルムを、染色浴(ヨウ素およびヨウ化カリウム含有の水溶液)で染色しながら、浴中で2.2倍に縦方向に延伸し、その後、ホウ酸およびヨウ化カリウム含有の架橋浴で架橋処理を行いながら、初期からの延伸倍率が5.6倍になるよう縦方向に延伸して、偏光子を作製した。
同時に、偏光子保護フィルムの表面にコロナ放電処理を施した後、ポリエチレン製の微粘着型プロテクトフィルムを剥離除去しながら、偏光子保護フィルムを上記偏光子の両面に連続貼り合わせ装置を用いて貼り合わせた。貼り合わせには、ウレタン系接着剤(固形分10%)(東洋モートン社製 商品名:EL−436)を用いて45℃にてラミネートした。続いて80℃の乾燥炉を2分間通し、長さ150mのロール状偏光板を作製した。引取速度は8m/分で、作製は問題なく進行した。この偏光板を60℃で12時間養生して接着剤のキュアリングおよびアニール処理を行った。
(透明ハードコート層付き偏光板の作製)
上記偏光板の片面にインラインでコロナ放電処理を施した後、この処理面に、紫外線硬化型シリコーン系ハードコート剤(GE東芝シリコーン社製 商品名:UVHC−1105)(イソプロパノールで固形分が50%なるように希釈したもの)を、ロールコートした。
引き続いて、80℃の加熱炉に3分間通して溶剤を除去後、高圧水銀灯を用いて空気雰囲気下で1.0J/cm2の紫外線を照射して硬化させ、ロール状の、長さ120mのハードコート層付き偏光板を作製した。硬化後のハードコート層の厚みは6μmであった。引取速度は10m/分で、作製は問題なく進行した。
その後、上記偏光板を40℃の恒温槽で72時間養生した後、表面硬度(鉛筆硬度)をJIS K 5400に準拠して測定した。鉛筆硬度はHBであった。
ハードコート剤に架橋スチレンビーズ(綜研化学社製、粒径1.3μm、屈折率1.61)を25重量部配合することで、防眩機能を有する表面加飾層を設け、実施例1と同様にして、表面加飾層付きの偏光板を作製した。偏光板は問題なく作製できた。なお、偏光板の鉛筆硬度はHBであった。
飽和ノルボルネン系樹脂の代わりにオレフィン−マレイミド共重合体(東ソー社製、商品名:TI−160α)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ハードコート層付き偏光板を作製した。偏光板は問題なく作製できた。なお、ハードコート層のないフィルムの引張破壊伸びは2.8%であり、偏光板の鉛筆硬度は2Hであった。
(比較例1)
偏光子の片面には飽和ノルボルネン系樹脂からなるハードコート層付き偏光子保護フィルムをラミし、もう片面にはハードコートのない飽和ノルボルネン系樹脂からなる偏光子保護フィルムをラミすることで、ハードコート層付きの偏光板を作製することを試みた。なお、この飽和ノルボルネン系樹脂からなるハードコート層付き偏光子保護フィルムの引張破壊伸びは1.5%であった。偏光板を15m程度貼合した時点でハードコート層付き偏光子保護フィルムが破断した。その後もフィルムが頻繁に破断し、安定して偏光板を作製することができなかった。なお、わずかに得られた偏光板の鉛筆硬度はHBであった。
(比較例2)
ハードコート剤に架橋スチレンビーズ(綜研化学社製、粒径1.3μm、屈折率1.61)を25重量部配合することで、防眩機能を有する表面加飾層を設け、実施例2と同様にして、表面加飾層付きの偏光板を作製することを試みた。しかし、比較例1と同様に、フィルムが頻繁に破断し、安定して偏光板を作製することができなかった。なお、この防眩機能付きの表面加飾層付き偏光子保護フィルムの引張破壊伸びは1.3%であり、わずかに得られた偏光板の鉛筆硬度はHBであった。
(比較例3)
飽和ノルボルネン系樹脂の代わりにオレフィン−マレイミド共重合体(東ソー社製、商品名:TI−160α)を用いたこと以外は比較例1と同様にして、ハードコート層付き偏光板を作製することを試みた。しかし、比較例1と同様に、フィルムが頻繁に破断し、安定して偏光板を作製することができなかった。なお、オレフィン−マレイミド共重合体からなるハードコート層付き偏光子保護フィルムの引張破壊伸びは1.0%であり、わずかに得られた偏光板の鉛筆硬度は2Hであった。

Claims (3)

  1. 偏光子と表面加飾層を有する偏光子保護フィルムとが積層されてなる偏光板の製造方法であって、偏光子と偏光子保護フィルムとを貼り合わせて偏光板を製造した後、この偏光板の偏光子保護フィルムに表面加飾層を設けることを特徴とする表面加飾層を有する偏光板の製造方法。
  2. 偏光子保護フィルムが、主として非晶性オレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の表面加飾層を有する偏光板の製造方法。
  3. 表面加飾層が、防眩機能を有する表面加飾層であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面加飾層を有する偏光板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002174729A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Sumitomo Chem Co Ltd 偏光板、粘着剤付き偏光板及びそれらの使用
JP2009075417A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Toppan Printing Co Ltd 反射防止フィルムおよびそれを用いた偏光板
JP2009116103A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Sumitomo Chemical Co Ltd 偏光板

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