JP2005164307A - 酸性色素染色試液及びこれを用いた染色方法 - Google Patents

酸性色素染色試液及びこれを用いた染色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
長期保存安定性に優れ、取扱いが容易な新規酸性色素染色試液及びこれを用いた電気泳動画分の染色方法の提供。
【解決手段】
無機酸を含有し、且つpH0.8〜pH4.0である電気泳動画分の検出に用いられる酸性色素染色試液、該染色試液を用いた電気泳動画分の検出に用いられる染色法、酸性色素と無機酸とをpH0.8〜pH4.0で共存させることを特徴とする酸性色素染色試液の安定化方法、並びに酸性色素及び無機酸を含有する酸性色素染色試液を構成試薬として含有してなる、電気泳動に於ける画分の染色用試薬キット。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気泳動画分を検出するために用いられる、保存安定性に優れた酸性色素染色試液及びこれを用いた染色方法に関する。
電気泳動によって得られた蛋白質等の画分は通常無色であるから、検出・確認のために、色素その他による染色が常に行なわれている。
例えばクマシーブリリアントブルーG-250 (C.I.No.42,655、以下、CBB G-250と略記する。)及びクマシーブリリアントブルーR-250 (C.I.No.42,660、以下、CBB R-250と略記する。)は明るい青に、アミドブラック10B (C.I.No.20,470)は濃青に、アシッドバイオレット17 (C.I.No.42,650)は明るい紫に、夫々染色する酸性色素として広く用いられている。
従来、これら酸性色素を電気泳動画分の染色に用いる際の調製方法としては、有機酸に溶解させる方法(Analytical Biochemistry, 82, 580-582, 1977)、エタノール等の有機溶媒に溶解させる方法(MEDICAL TECHNOLOGY 別冊 カラー版 染色法のすべて,348〜349頁,1988年7月15日発行,医歯薬出版(株))等がある。しかし、酸性色素を有機酸に溶解させる方法で調製した酸性色素染色試液は、保存している間に試液中に色素が析出して沈殿が生じたり、褪色する等、試液の保存安定性に問題があったため、用時調製しなければならなかった。また、酸性色素を有機溶媒に溶解させる方法で調製した酸性色素染色試液は、染色後の廃液処理に問題があり、また、有機溶媒の取扱いが煩雑なことや、危険性等の問題もあった。
Analytical Biochemistry, 82, 580-582, 1977 MEDICAL TECHNOLOGY 別冊 カラー版 染色法のすべて,348〜349頁,1988年7月15日発行,医歯薬出版(株)
本発明は、上記した如き状況に鑑み成されたもので、保存安定性に優れ、取扱いが容易な酸性色素染色試液、及びこれを用いた電気泳動画分の染色方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の構成より成る。
(1)無機酸を含有し、且つpH0.8〜pH4.0である、電気泳動画分の検出に用いられる酸性色素染色試液。
(2)電気泳動画分の検出に用いられる染色法であって、電気泳動後の検出すべき物質を担持した支持体を、無機酸を含有し、且つpH0.8〜pH4.0の酸性色素染色試液で染色することを特徴とする、電気泳動画分の染色方法。
(3)酸性色素と無機酸とをpH0.8〜pH4.0で共存させることを特徴とする、酸性色素染色試液の安定化方法。
(4)酸性色素及び無機酸を含有する酸性色素染色試液を構成試薬として含有してなる、電気泳動に於ける画分の染色用試薬キット。
即ち、本発明者らは従来の電気泳動画分の染色に用いられる酸性色素染色試液の有する上記した問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸性色素溶液に無機酸を共存させることにより、従来の酸性色素染色試液に於ける上記した如き問題を全て解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の酸性色素染色試液は、酸性色素溶液に、従来酸性色素の溶媒として用いられていた有機酸や有機溶媒を実質的に含有せず、無機酸を含有させる点に特徴を有する。
本発明の酸性色素染色試液に於て用いられる酸性色素としては、例えばCBB G-250、CBB R-250、アシッドバイオレット17、アミドブラック10B、ニグロシン(C.I.No.50,420)、ポンソー3R(C.I.No.16,155)等、通常この分野に於て用いられる酸性色素が全て挙げられるが、中でもCBB G-250又はCBB R-250、特にCBB G-250が好ましい。
これら酸性色素の酸性色素染色試液中の濃度は必ずしも限定されるものではないが、酸性色素染色試液中の濃度として通常0.001〜5.00w/v%、好ましくは0.001〜0.05w/v%、より好ましくは0.003〜0.01w/v%の濃度が採用される。
本発明の酸性色素染色試液に含有される無機酸としては、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の強酸が挙げられるが、特に硫酸及びリン酸を用いるとより良い染色像が得られるので好ましい。また刺激臭がない、取扱いが不便でないという点でも硫酸及びリン酸を用いることが好ましい。これら無機酸は単独若しくは二種以上適宜混合して用いられる。
本発明の酸性色素染色試液中の当該無機酸の濃度は、用いられる無機酸の種類或いは用いられる色素の種類等により異なるため一概にはいえないが、保存時に酸性色素染色試液中の色素の析出や褪色を起こさない濃度であって、且つ電気泳動画分の染色性を阻害しない濃度であればよく、特に限定されない。好ましくは、酸性色素染色試液のpHが0.8〜4.0、好ましくはpH0.9〜1.9の範囲となるように用いられる。
一種類の無機酸を用いる場合の具体的濃度を示せば、例えば硫酸、リン酸又は硝酸を用いる場合は、酸性色素染色試液中の濃度として通常0.001〜5.00w/v%、好ましくは0.01〜5.00w/v%、より好ましくは0.1〜2.5w/v%、塩酸を用いる場合は、通常0.01〜3.00w/v%、好ましくは0.5〜2.5w/v%である。
無機酸を二種以上混合して用いる場合の濃度は、例えば硫酸、リン酸又は硝酸から選択される無機酸の混合溶媒を用いる場合は、酸性色素染色試液中の無機酸の濃度の合計として通常0.01〜5.00w/v%、好ましくは0.1〜2.5w/v%である。また、塩酸とその他の無機酸の混合溶媒を用いる場合の濃度は、酸性色素染色試液中の無機酸の濃度の合計として通常0.01〜3.00w/v%、好ましくは0.5〜2.5w/v%である。
本発明の酸性色素染色試液のpH条件は、染色の程度に影響を及ぼさない条件であればよいが、通常pH0.8〜pH4.0、好ましくはpH0.9〜pH1.9である。
本発明の酸性色素染色試液には、上記した如き酸性色素を含有する染色試液に、上記した如き無機酸を、上記した濃度範囲で若しくは所定のpH範囲となるように含有させる以外は、自体公知の電気泳動後の支持体を染色する染色法で通常用いられる染色液に含有される試薬類を、通常この分野で用いられる濃度となるように適宜添加すればよい。
尚、本発明に係る酸性色素染色試液には有機酸を含有させる必要はなく、むしろ含有させない方が好ましい。含有させる場合には、酸性色素染色試液の保存安定性や電気泳動画分の染色に影響を与えない濃度であることが必要であり、具体的には当該酸性色素染色試液中の含有量として12.0v/v%未満、好ましくは5.0v/v%未満、より好ましくは0〜3.0v/v%未満である。
上記した如き調製された本発明に係る酸性色素染色試液は、室温で少なくとも1年以上、37℃では少なくとも9ヶ月は、色素の褪色、沈殿物の発生等がない状態で保存可能である。
本発明に係る酸性色素染色試液の具体的な調製方法としては、例えば以下の方法がある。
即ち、先ず酸性色素と蒸留水と無機酸を混合し、1〜3時間程度攪拌下に溶解した後、要すれば濾紙等で濾過して、溶解しなかった酸性色素を除く。次いで更に無機酸水溶液を加え、所定のpHとすれば本発明に係る無機酸を含有する酸性色素染色試液が得られる。
上記調製方法に於いて、先に加える無機酸と、後に加える無機酸の無機酸の種類は、同じであっても異なっていてもよい。
また、先に加える無機酸と後に加える無機酸の水溶液中の濃度は、最終的に得られる酸性色素染色試液中の無機酸濃度及びpHが、上記した範囲になるように調製すればよいが、無機酸の溶解性及びpH調製の容易さ等を考慮すると、先に加える無機酸濃度の方が、後に加える無機酸濃度より高い方が好ましい。例えばリン酸を用いる場合、先に加える無機酸水溶液の濃度は、後に加える無機酸水溶液の濃度の10倍程度が好ましい。硫酸のみを用いる場合には、先に加える硫酸水溶液の濃度は、後に加える硫酸水溶液濃度の10倍以上の方が好ましい。
また、本発明に係る酸性色素と無機酸と蒸留水を所定量混合し、加熱攪拌下に溶解させる方法でも、本発明に係る無機酸を含有する酸性色素染色試液が得られる。この方法で調製する場合は、先に記載したような、無機酸を二段階で加えるような手順は必要ない。
本発明に係る電気泳動画分の染色方法は、本発明に係る酸性色素染色試液を染色試液として用いる以外は、常法に従い、電気泳動法によって分画された検出すべき物質、具体的には蛋白質、ペプチド等を担持した支持体を当該染色試液に振盪浸漬して染色すればよい。当該酸性色素染色試液の組成等の詳細は上記した如きである。
本発明の染色方法を適用する支持体としては、通常の電気泳動に用いられる支持体であれば何でも良く、その種類は特に限定されない。例えば通常網目構造を有する素材より成るものが使用される。例えばポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、寒天ゲル、セルロースアセテート膜などの高分子物質から成るものが挙げられる。
電気泳動法によって分画された検出すべき物質を担持した支持体を調製するために用いられる電気泳動法としては、従来よりこの分野で一般に行われている電気泳動法であればよく、その際に使用される試薬類や装置等も、通常この分野で用いられるものから適宜選択して用いればよい。より具体的には、例えば蛋白質、ペプチド等の分離精製に一般に用いられるポリアクリルアミドゲル電気泳動(Native-PAGE)、分子量の測定等に用いられるドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)等が挙げられる。
本発明に係る染色法に用いられる酸性色素染色試液の液量は、通常支持体の体積の3倍以上あればよいが、あまり多すぎるのは試液の無駄遣いになるので、5倍前後が好ましい。通常支持体の体積の1〜10倍量、好ましくは3〜8倍量、より好ましくは4〜6倍量である。
尚、通常電気泳動後の支持体を染色処理に付す前には、例えば酢酸,メタノール、水及びこれらの混合液等の、自体公知の固定液に電気泳動後の支持体を所定時間振盪浸漬処理する前処理(固定化処理)を行うのが一般的であるが、特に調製した固定液を用いなくてもよい。例えば電気泳動後の支持体を、蒸留水に所定時間振盪浸漬するだけでもよい。固定化試液の液量は、通常、支持体の体積の5倍以上あれば良いが、あまり多すぎるのは試液の無駄使いになるので通常は10倍前後が好ましい。当該固定化処理は、通常1回行なえばよいが、液を取り替えて更に1回行ってもよい。処理時間については特に制約はないが、通常は1回に各々10分間程度かければ十分である。
染色が行き過ぎた場合、染色後の支持体を、通常行われる脱色処理に付す等は任意である。脱色処理は、蒸留水を用いても良いし、通常この分野で用いられる脱色剤等の試薬を通常の濃度含有する溶液を用いてもよい。
弱脱色剤の具体例としては、例えばEDTA 3Na、EDTA 4Na、EDTA 4K等のキレート剤の0.04M〜飽和状態、好ましくは0.05M〜0.2M程度の濃度の水溶液等である。
本発明に係る酸性色素染色試液を用いて染色した支持体は、常温で1年以上、染色像が鮮明なままで保存可能である。
本発明に係る染色法の具体例を示せば、例えば以下の通りである。
即ち、電気泳動後の、検出すべき物質を担持した支持体を、要すれば蒸留水中で浸透浸漬固定化処理するか、通常の固定化処理を行った後、本発明に係る無機酸を含有する酸性色素染色試液に所定時間、即ち通常20分〜90分、好ましくは45分〜75分程度振盪浸漬処理し、適宜脱色処理すれば、検出すべき物質の画分を染色することが出来る。
本発明に係る酸性色素染色試液の安定化方法としては、酸性色素と無機酸とをpH0.8〜pH4.0で共存させる方法が挙げられる。当該試液中の構成要素の具体例、濃度等の好ましい態様は、上記した通りである。
本発明に係る酸性色素染色用試薬キットとしては、酸性色素及び無機酸を構成試薬として含んで成るものである。また、夫々の構成要素好ましい態様や具体例は先に述べた通りである。
本発明は、電気泳動画分の検出に用いられる新規な酸性色素染色試液及びこれを用いた染色方法を提供するものであり、本発明によれば、従来の酸性色素溶液の保存安定性が悪い、取扱いが不便であるといういう問題を解決し、長期保存が可能となるという効果を奏する。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものでない。
実施例1
〔染色用試液〕
CBB G-250 0.2g、2N硫酸100ml及び蒸留水100mlを混合し、3時間攪拌下に溶解させた。これをワットマン No.1(Whatman No.1)濾紙を用いてろ過した後、濾液に0.006N硫酸を加えて25倍(容量)希釈し、染色用試液とした(pH 1.05)。当該染色用試液中のCBB G-250 の終濃度は約0.004w/v%、硫酸の終濃度は約0.1w/v%である。
〔検出すべき物質を担持した支持体(ゲル)の調製〕
SuperSepTM〔ポリアクリルアミドゲル(5-20%のアクリルアミドグラジェントゲル)、和光光純薬工業(株)製〕を電気泳動用ゲルとして用い、牛血清アルブミン(BSA、総蛋白量として330ng、165ng、83ng、42ng、20ng、10ng、5ng又は2.5ng)を夫々アプライし、1時間、SuperSepTM のSDS−PAGE標準操作法に準じて電気泳動を行い、目的のものを調製した。尚、電気泳動時の電流は30mAで行った。
〔固定化処理及び染色処理〕
上記で得られたポリアクリルアミドゲルを、蒸留水(ゲル体積の約10倍量)中で5分間振盪浸漬した後、水で10秒間×3回振盪洗浄した(固定化処理)。次いで当該ゲルを上記で調製した染色用試液(ゲル体積の約5倍量)中で60分間振盪処理した後、蒸留水で更に1分×3回振盪洗浄することにより脱色処理した。
以上の固定化処理及び染色処理を行って得られたゲルについて、目視で染色の程度を確認した。結果を表1に示す。表1に於いて、○はBSA画分が十分染色されている場合、△はBSA画分の染色が不十分な場合、×はBSA画分が殆ど染色されなかった場合を夫々示す。
比較例1
<有機酸を用いる従来法>
酢酸を含有するクイックCBB(Quick CBB、和光純薬工業(株)製)キットを用いた。
〔固定化試液〕
クイックCBBの固定化試液(酢酸10w/v%及びメタノール45v/v%を含有する水溶液)を用いた。
〔染色用試液〕
クイックCBBの染色液Aと染色液Bとを、使用時に1:1の容積比に混合して、染色用試液とした。
〔脱色用試液〕 5w/v%酢酸水溶液を脱色用試液とした。
〔検出すべき物質を担持した支持体(ゲル)の調製〕実施例1と同様の方法で調製した。
〔固定化処理及び染色処理〕
実施例1と同様の方法でBSAを電気泳動して得たポリアクリルアミドゲルを、固定化試液中(ゲル体積の約10倍量)で10分間×2回振盪浸漬処理した。次に染色用試液(ゲル体積の約5倍量)中で30分間振盪浸漬した。更に、脱色用試液中に目視で染色状態を確認しながら、脱色処理を行った後、水で1分間×3回振盪洗浄した。
以上の固定化処理及び染色処理を行って得られたゲルについて、目視で染色の程度を確認した。結果を表1に併せて示す。
Figure 2005164307
表1から明らかな如く、本発明に係る酸性色素染色試液は、従来の酸性色素染色試液と同程度の感度で染色が出来ることが判った。
実施例2
〔染色用試液〕
CBB G-250 0.2g、2Nリン酸100ml及び蒸留水100mlを混合し、3時間攪拌下に溶解させた。これをワットマン No.1(Whatman No.1)濾紙を用いてろ過した後、濾液に0.2Nリン酸4800mlを加えて染色用試液とした(pH 1.75)。当該染色用試液中のCBB G-250の終濃度は0.004w/v%、リン酸の終濃度は約0.39w/v%である。
〔検出すべき物質を担持した支持体(ゲル)の調製〕実施例1と同様の方法で調製した。
〔固定化処理及び染色処理〕
上記で調製したCBB G-250とリン酸を含有する染色用試液を用いる以外は、実施例1と同様の方法で、電気泳動後のポリアクリルアミドゲルを固定化処理及び染色処理を行った結果、実施例1と同様に、BSA濃度が42ngまでは良好な染色像が得られた。
実施例3
〔染色用試液〕
CBB G-250 2.0g、2N硫酸100ml及び蒸留水100mlを混合し、3時間攪拌下に溶解させた。これをワットマン No.1(Whatman No.1)濾紙を用いてろ過した後、濾液に0.2Nリン酸4800mlを加えて染色用試液とした(pH 1.71)。当該染色用試液中のCBB G-250の終濃度は0.004w/v%、硫酸の終濃度は約0.1w/v%リン酸の終濃度は約0.39w/v%である。
〔検出すべき物質を担持した支持体(ゲル)の調製〕実施例1と同様の方法で調製した。
〔固定化処理及び染色処理〕
上記で調製したCBB G-250と硫酸及びリン酸を含有する染色用試液を用いる以外は、実施例1と同様の方法で、上記で得られたポリアクリルアミドゲルを固定化処理及び染色処理を行った結果、実施例1と同様に、BSA濃度が42ngまでは良好な染色像が得られた。
実施例4
実施例1と同様の方法で調製した酸性色素染色試液を、恒温器に入れて室温(22℃)で所定日数密封保存し、褪色の程度、沈殿の発生の程度を指標として、経時変化を目視にて観察した。
また、実施例1、実施例2及び実施例3と同様の方法で調製した酸性色素染色試液を、恒温器に入れて37℃で所定日数保存し、同様に経時変化を観察した。観察結果を表2に示す。
表2に於いて、○は調製時と染色液の状態に変化のなかった場合、△は底に少し沈殿の変化があった場合、×は上清が褪色して底に多くの沈殿があった場合を夫々示す。
比較例2
<有機酸及び有機溶媒を用いる従来法>
Analytical Biochemistry, 82, 580-582, 1977に記載された方法に従い、染色用試液を調製した。
即ち、CBB G-250 0.2g、2N硫酸100ml及び蒸留水100mlを混合し、3時間攪拌下に溶解させた。これをワットマン No.1(Whatman No.1)濾紙を用いてろ過した後、濾液に、濾液の1/9の容量の10N水酸化カリウムを添加後、トリクロロ酢酸を12.0w/v%になるように加えて染色用試液とした。当該染色用試液中のCBB G-250の終濃度は0.08w/v%、硫酸の終濃度は約2.2w/v%、トリクロロ酢酸の終濃度は12.0w/w%である。
これを、室温で、実施例4と同じ保存条件で所定日数保存し、経時変化を目視にて観察した。観察結果を表2に併せて示す。
Figure 2005164307
表2から明らかな如く、従来の酸性色素溶液は、約2週間で既に溶液中に色素の析出が観察され、十分な保存安定性が得られなかった。
これに対し、本発明による酸性色素染色試液を同じ条件で保存した場合、実施例1の染色試液(硫酸を含有する酸性色素染色試液)では37℃で保存した場合には9ヶ月まで経時変化は見られず、室温保存では1年保存しても褪色や、色素の析出、沈殿等が観察されなかった。また、実施例2の染色試液(リン酸を含有する酸性色素染色試液)及び実施例3の染色試液(硫酸及びリン酸を含有する酸性色素染色試液)を37℃で保存した場合には、1年保存しても褪色や、色素の析出、沈殿等が観察されなかった。
従って、本発明に係る酸性色素染色試液は、溶液状態での長期保存安定性に優れていることがわかった。

Claims (30)

  1. 無機酸を含有し、且つpH0.8〜pH4.0である、電気泳動画分の検出に用いられる酸性色素染色試液。
  2. 無機酸が硫酸、リン酸及び/又は硝酸である、請求項1記載の酸性色素染色試液。
  3. 無機酸が硫酸及び/又はリン酸である、請求項1記載の酸性色素染色試液。
  4. 0.001〜5.00w/v%の、硫酸及び/又はリン酸を含有する、請求項1記載の酸性色素染色試液。
  5. 酸性色素がクマシーブリリアントブルーG-250(CBB G-250)、クマシーブリリアントブルーR-250(CBB R-250)、アシッドバイオレット17又はアミドブラック10Bニグロシンである、請求項1記載の酸性色素染色試液。
  6. 酸性色素がCBB G-250である、請求項1記載の記載の酸性色素染色試液。
  7. 有機酸の含有量が5.0v/v%未満である、請求項1〜6の何れかに記載の酸性色素染色試液。
  8. 有機酸の含有量が3.0v/v%未満である、請求項1〜6の何れかに記載の酸性色素染色試液。
  9. 電気泳動画分の検出に用いられる染色法であって、電気泳動後の検出すべき物質を担持した支持体を、無機酸を含有し、且つpH0.8〜pH4.0の酸性色素染色試液で染色することを特徴とする、電気泳動画分の染色方法。
  10. 無機酸が硫酸、リン酸及び/又は硝酸である、請求項9記載の染色方法。
  11. 無機酸が硫酸及び/又はリン酸である、請求項9記載の染色方法。
  12. 0.001〜5.00w/v%の硫酸及び/又はリン酸を含有する酸性色素染色試液で染色する、請求項9記載の染色方法。
  13. 酸性色素がCBB G250、CBB R-250、アシッドバイオレット17又はアミドブラック10Bニグロシンである、請求項9記載の染色方法。
  14. 酸性色素がCBB G-250である、請求項9記載の染色方法。
  15. 酸性色素染色試液で染色する処理を行う前に、電気泳動後のゲルを水のみで洗浄することを特徴とする、請求項9記載の染色方法。
  16. 酸性色素染色試液中の有機酸の含有量が5.0v/v%未満である、請求項9〜15の何れかに記載の染色方法。
  17. 酸性色素染色試液中の有機酸の含有量が3.0v/v%未満である、請求項9〜15の何れかに記載の染色方法。
  18. 酸性色素と無機酸とをpH0.8〜pH4.0で共存させることを特徴とする、酸性色素染色試液の安定化方法。
  19. 無機酸が硫酸、リン酸及び/又は硝酸である、請求項18記載の安定化方法。
  20. 無機酸が硫酸及び/又はリン酸である、請求項18記載の安定化方法。
  21. 0.001〜5.00w/v%の硫酸及び/又はリン酸を含有させることを特徴とする、請求項18記載の安定化方法。
  22. 酸性色素がCBB G-250、CBB R-250、アシッドバイオレット17又はアミドブラック10Bニグロシンである、請求項18記載の安定化方法。
  23. 酸性色素がCBB G-250である、請求項18記載の安定化方法。
  24. 有機酸の含有量が5.00v/v%未満である、請求項18〜23の何れかに記載の安定化方法。
  25. 有機酸の含有量が3.0v/v%未満である、請求項18〜23の何れかに記載の安定化方法。
  26. 酸性色素及び無機酸を含有する酸性色素染色試液を構成試薬として含有してなる、電気泳動に於ける画分の染色用試薬キット。
  27. 無機酸が硫酸、リン酸又は/及び硝酸である、請求項26記載のキット。
  28. 無機酸が硫酸及び/又はリン酸である、請求項26記載のキット。
  29. 酸性色素がCBB G-250、CBB R-250、アシッドバイオレット17又はアミドブラック10Bニグロシンである、請求項26記載のキット。
  30. 酸性色素がCBB G-250である、請求項26記載のキット。
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