本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明を繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による動力出力装置の概略ブロック図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による動力出力装置100は、動力伝達ギア111と、駆動軸112と、ディファレンシャルギア114と、モータジェネレータMG1,MG2と、プラネタリギア120と、動力取出ギア128と、チェーンベルト129と、エンジン150と、レゾルバ139,149,159と、ダンパ157と、制御装置180とを備える。
エンジン150のクランクシャフト156は、ダンパ157を介してプラネタリギア120およびモータジェネレータMG1,MG2に接続される。ダンパ157は、エンジン150のクランクシャフト156のねじり振動の振幅を抑制し、クランクシャフト156をプラネタリギア120に接続する。
動力取出ギア128は、チェーンベルト129を介して動力伝達ギア111に接続される。そして、動力取出ギア128は、プラネタリギア120のリングギア(図示せず)から動力を受け、その受けた動力をチェーンベルト129を介して動力伝達ギア111に伝達する。動力伝達ギア111は、駆動軸112およびディファレンシャルギア114を介して駆動輪に動力を伝達する。
図2は、図1に示すプラネタリギア120およびそれに結合されるモータの拡大図である。図2を参照して、プラネタリギア120およびモータジェネレータMG1,MG2について詳細に説明する。プラネタリギア120は、キャリア軸127に軸中心を貫通された中空のサンギア軸125に結合されたサンギア121と、キャリア軸127と同軸のリングギア軸126に結合されたリングギア122と、サンギア121とリングギア122との間に配置され、サンギア121の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリピニオンギア123と、キャリア軸127の端部に結合され、各プラネタリピニオンギア123の回転軸を軸支するプラネタリキャリア124とから構成されている。
このプラネタリギア120では、サンギア121、リングギア122およびプラネタリキャリア124にそれぞれ結合されたサンギア軸125、リングギア軸126およびキャリア軸127の3軸が動力の入出力軸とされ、3軸のいずれか2軸へ入出力される動力が決定されると、残りの1軸に入出力される動力は、決定された2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。
なお、サンギア軸125、リングギア軸126およびキャリア軸127には、それぞれの回転角度θs,θr,θcを検出するレゾルバ139,149,159が設けられている。
リングギア122には、動力の取り出し用の動力取出ギア128が結合されている。この動力取出ギア128は、チェーンベルト129により動力伝達ギア111に接続されており、動力取出ギア128と動力伝達ギア111との間で動力の伝達がなされる。
モータジェネレータMG1は、同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石135を有するロータ132と、回転磁界を形成する3相コイル134が巻回されたステータ133とを備える。
ロータ132は、プラネタリギア120のサンギア121に結合されたサンギア軸125に結合されている。ステータ133は、無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケース119に固定されている。このモータジェネレータMG1は、永久磁石135による磁界と、3相コイル134によって形成される磁界との相互作用によりロータ132を回転駆動する電動機として動作し、永久磁石135による磁界とロータ132の回転との相互作用により3相コイル134の両端に起電力を生じさせる発電機として動作する。
モータジェネレータMG2は、外周面に複数個の永久磁石145を有するロータ142と、回転磁界を形成する3相コイル144が巻回されたステータ143とを備える。ロータ142は、プラネタリギア120のリングギア122に結合されたリングギア軸126に結合されており、ステータ143はケース119に固定されている。ステータ143も、無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されている。このモータジェネレータMG2も、モータジェネレータMG1と同様に、電動機または発電機として動作する。
再び、図1を参照して、制御装置180は、レゾルバ139からのサンギア軸125の回転角度θs、レゾルバ149からのリングギア軸126の回転角度θr、レゾルバ159からのキャリア軸127の回転角度θc、アクセルペダルポジションセンサー164aからのアクセルペダルポジション(アクセルペダルの踏込量)AP、ブレーキペダルポジションセンサー165aからのブレーキペダルポジション(ブレーキペダルの踏込量)BP、シフトポジションセンサー185からのシフトポジションSP、モータジェネレータMG1に取り付けられた電流センサー(図示せず)からのモータ電流MCRT1、およびモータジェネレータMG2に取り付けられた電流センサー(図示せず)からのモータ電流MCRT2を受ける。
そして、制御装置180は、これらの受けた各信号に基づいて、モータジェネレータMG1,MG2の3相コイル134,144に流す電流を制御してモータジェネレータMG1,MG2を駆動する。
図3は、動力出力装置100の主要部の電気回路図である。図3を参照して、動力出力装置100は、モータジェネレータMG1,MG2と、電流センサー12,13,31と、直流電源30と、配線切換器40,41と、コンデンサ50と、電圧センサー51と、インバータ181,182と、制御CPU(Central Processing Unit)184とを備える。
なお、インバータ181,182および制御CPU184は図1に示す制御装置180を構成する。
モータジェネレータMG1は、3相コイル10を含む。そして、3相コイル10は、図2に示す3相コイル134を構成する。モータジェネレータMG2は、3相コイル11を含む。そして、3相コイル11は、図2に示す3相コイル144を構成する。
直流電源30は、配線切換器40と配線切換器41との間に接続される。この場合、直流電源30の正極端子は、配線切換器40に接続され、負極端子は、配線切換器41に接続される。
配線切換器40は、スイッチSW1と、端子40A,40B,40Cとからなる。スイッチSW1は、制御CPU184からの信号SE1によって端子40A,40B,40Cのいずれかに接続され、または端子40A,40B,40Cから切り離される。より具体的には、信号SE1は、2ビットのデジタル信号からなる。そして、スイッチSW1は、信号SE1が[0,0]からなるとき端子40A,40B,40Cのいずれにも接続されず、信号SE1が[0,1]からなるとき端子40Aに接続され、信号SE1が[1,0]からなるとき端子40Bに接続され、信号SE1が[1,1]からなるとき端子40Cに接続される。端子40Aは、3相コイル10の中性点M1に接続される。端子40Bは、3相コイル11の中性点M2に接続される。端子40Cは、正母線LN1に接続される。
配線切換器41は、スイッチSW2と、端子41A,41B,41Cとからなる。スイッチSW2は、制御CPU184からの信号SE2によって端子41A,41B,41Cのいずれかに接続され、または端子40A,40B,40Cから切り離される。より具体的には、信号SE2も2ビットのデジタル信号からなる。そして、スイッチSW2は、信号SE2が[0,0]からなるとき端子41A,41B,41Cのいずれにも接続されず、信号SE2がそれぞれ[0,1]、[1,0]および[1,1]からなるとき、それぞれ、端子41A,41B,41Cに接続される。端子41Aは、3相コイル11の中性点M2に接続され、端子41Bは、負母線LN2に接続され、端子41Cは、3相コイル10の中性点M1に接続される。
インバータ181は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17は、正母線LN1と負母線LN2との間に並列に設けられる。
U相アーム15は、正母線LN1と負母線LN2との間に直列に接続されたNPNトランジスタQ1,Q2から成る。V相アーム16は、正母線LN1と負母線LN2との間に直列に接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成る。W相アーム17は、正母線LN1と負母線LN2との間に直列に接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成る。
NPNトランジスタQ1,Q3,Q5は、コレクタが正母線LN1に接続され、エミッタがそれぞれNPNトランジスタQ2,Q4,Q6のコレクタに接続される。NPNトランジスタQ2,Q4,Q6のエミッタは負母線LN2に接続される。また、各NPNトランジスタQ1〜Q6のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1〜D6がそれぞれ接続されている。さらに、駆動回路Dr1〜Dr6がそれぞれNPNトランジスタQ1〜Q6に接続されている。
インバータ182は、U相アーム18と、V相アーム19と、W相アーム20とを含む。U相アーム18、V相アーム19およびW相アーム20は、正母線LN1と負母線LN2との間に並列に設けられる。
U相アーム18は、正母線LN1と負母線LN2との間に直列に接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。V相アーム19は、正母線LN1と負母線LN2との間に直列に接続されたNPNトランジスタQ9,Q10から成る。W相アーム20は、正母線LN1と負母線LN2との間に直列に接続されたNPNトランジスタQ11,Q12から成る。
NPNトランジスタQ7,Q9,Q11は、コレクタが正母線LN1に接続され、エミッタがそれぞれNPNトランジスタQ8,Q10,Q12のコレクタに接続される。NPNトランジスタQ8,Q10,Q12のエミッタは負母線LN2に接続される。また、各NPNトランジスタQ7〜Q12のエミッタ−コレクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD7〜D12がそれぞれ接続されている。さらに、駆動回路Dr7〜Dr12がそれぞれNPNトランジスタQ7〜Q12に接続されている。
インバータ181の各相アームの中間点は、モータジェネレータMG1の3相コイル10の各相コイルの各相端に接続され、インバータ182の各相アームの中間点は、モータジェネレータMG2の3相コイル11の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、3相コイル10のU相、V相およびW相の3つのコイルの一端が中性点M1に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ1,Q2の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点にそれぞれ接続されている。また、3相コイル11のU相、V相およびW相の3つのコイルの一端が中性点M2に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ9,Q10の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ11,Q12の中間点にそれぞれ接続されている。
駆動回路Dr1〜Dr6は、制御CPU184からの信号PWMI1に応じて、それぞれ、対応するNPNトランジスタQ1〜Q6をオン/オフする。駆動回路Dr7〜Dr12は、制御CPU184からの信号PWMI2に応じて、それぞれ、対応するNPNトランジスタQ7〜Q12をオン/オフする。
また、駆動回路Dr1〜Dr6は、それぞれ、信号FE1〜FE6を生成して制御CPU184へ出力する。また、駆動回路Dr7〜Dr12は、それぞれ、信号FE7〜FE12を生成して制御CPU184へ出力する。そして、信号FE1〜FE12の各々は、対応するNPNトランジスタ(NPNトランジスタQ1〜Q12のいずれか)が短絡(ショート)したときレベルLV1の電圧V1からなり、対応するNPNトランジスタ(NPNトランジスタQ1〜Q12のいずれか)が正常であるときレベルLV2(<LV1)の電圧V2からなり、対応するNPNトランジスタ(NPNトランジスタQ1〜Q12のいずれか)が断線(オープン)したときレベルLV3(<LV3)の電圧V3からなる。
コンデンサ50は、正母線LN1と負母線LN2との間にインバータ181,182に並列に接続される。
電流センサー12は、モータジェネレータMG1の3相コイル10に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御CPU184へ出力する。電流センサー13は、モータジェネレータMG2の3相コイル11に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御CPU184へ出力する。
直流電源30は、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。電流センサー31は、直流電源30へ入出力する直流電流BCRTを検出し、その検出した直流電流BCRTを制御CPU184へ出力する。
コンデンサ50は、正母線LN1と負母線LN2との間に印加される直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ181,182へ供給する。電圧センサー51は、コンデンサ50の両端の電圧Vcを検出し、その検出した電圧Vcを制御CPU184へ出力する。
インバータ181は、コンデンサ50から供給された直流電圧を制御CPU184からの信号PWMI1に基づいて交流電圧に変換して3相コイル10の各相コイルに印加する。これにより、インバータ181は、モータジェネレータMG1を駆動する。
また、インバータ182は、コンデンサ50から供給された直流電圧を制御CPU184からの信号PWMI2に基づいて交流電圧に変換して3相コイル11の各相コイルに印加する。これにより、インバータ182は、モータジェネレータMG2を駆動する。なお、直流電源30が配線切換器40,41によって中性点M1と中性点M2との間に接続されている場合、インバータ181,182は、それぞれ、信号PWMI1,2に応じて、直流電源30から出力される直流電流が重畳された交流電流を3相コイル10,11の各相コイルに流す。
さらに、インバータ181は、制御CPU184からの信号PWMI1に応じて3相コイル10において発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサ50へ供給する。インバータ182は、制御CPU184からの信号PWMI2に応じて3相コイル11において発電された交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサ50へ供給する。なお、直流電源30が配線切換器40,41によって中性点M1と中性点M2との間に接続されている場合、インバータ181,182は、それぞれ、信号PWMI1,2に応じて、コンデンサ50からの直流電圧を降圧し、その降圧した直流電圧によって直流電源30を充電する。
制御CPU184は、インバータ181,182からの信号FE1〜FE12に基づいて、インバータ181,182に含まれるNPNトランジスタQ1〜Q12のいずれかが短絡または断線したかを判定する。
そして、制御CPU184は、電圧V1またはV3からなる信号FE1〜FE12をNPNトランジスタQ1〜Q12のいずれからも受けていないとき、すなわち、インバータ181,182が正常であるとき、アクセルペダルポジションセンサー164aからのアクセルペダルポジションAP、ブレーキペダルポジションセンサー165aからのブレーキペダルポジションBPおよびシフトポジションセンサー185からのシフトポジションSPに基づいて、エンジン指令パワー、発電機指令トルク(モータジェネレータMG1指令トルク)TR1および電動機指令トルク(モータジェネレータMG2指令トルク)TR2を演算する。
そして、制御CPU184は、レゾルバ139からの回転角度θsに基づいて発電機(モータジェネレータMG1)の回転数を演算し、演算した発電機指令トルクTR1と回転数とを乗算して発電機パワーPgを演算する。また、制御CPU184は、レゾルバ149からの回転角度θrに基づいて電動機(モータジェネレータMG2)の回転数を演算し、演算した発電機指令トルクTR2と回転数とを乗算して電動機パワーPmを演算する。そうすると、制御CPU184は、電動機パワーPmと発電機パワーPgとの和Pm+Pgが零であるか否かを判定し、和Pm+Pgが零であるとき、直流電源30を中性点M1,M2から切り離してモータジェネレータMG1,MG2を駆動する。一方、和Pm+Pgが零でないとき、制御CPU184は、直流電源30を中性点M1,M2に接続したままモータジェネレータMG1,MG2を駆動する。
また、制御CPU184は、演算した発電機指令トルクTR1に基づいてモータジェネレータMG1の電流指令値Id1*,Iq1*およびコンデンサ50のコンデンサ電圧指令値Vc*を演算する。さらに、制御CPU184は、演算した電動機指令トルクTR2に基づいてモータジェネレータMG2の電流指令値Id2*,Iq2*を演算する。
そうすると、制御CPU184は、電流センサー12,13からのモータ電流MCRT1,2と、電流センサー31からの直流電流BCRTと、モータジェネレータMG1の回転軸が結合されたサンギア軸125に設置されたレゾルバ139からの回転角度θsと、演算した電流指令値Id1*,Iq1*およびコンデンサ電圧指令値Vc*とに基づいて信号PWMI1,2を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ181へ出力し、生成した信号PWMI2をインバータ181へ出力する。
さらに、制御CPU184は、インバータ181からの信号FE1〜FE6およびインバータ182からの信号FE7〜FE12に基づいて、インバータ181,182のいずれかが異常であると判定したとき、インバータ181,182に含まれるNPNトランジスタQ1〜Q12が短絡したか断線したかをさらに判定する。そして、制御CPU184は、表1に従って、直流電源30の接続を維持し、または切り換える。
まず、インバータ181が異常である場合について説明する。なお、制御CPU184は、少なくとも1つの信号が電圧V1またはV3からなる信号FE1〜FE6をインバータ181から受けると、インバータ181が異常であると判定する。
インバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)のいずれかが短絡しているとき、またはインバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)が全て短絡しているとき、制御CPU184は、インバータ181のNPNトランジスタQ1〜Q6を全てオフするように駆動回路Dr1〜Dr6を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Bに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。
また、インバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)のいずれかが断線しているとき、またはインバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)が全て断線しているとき、制御CPU184は、インバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)をオンし、かつ、上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)をオフするように駆動回路Dr1〜Dr6を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Bに接続し、直流電源30の負極端子を端子41Cに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。
さらに、インバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)のいずれかが短絡しているとき、またはインバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)が全て短絡しているとき、制御CPU184は、インバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)をオンし、かつ、上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)をオフするように駆動回路Dr1〜Dr6を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Bに接続し、直流電源30の負極端子を端子41Cに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。
さらに、インバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)のいずれかが断線しているとき、制御CPU184は、インバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)をオンし、かつ、上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)をオフするように駆動回路Dr1〜Dr6を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Bに接続し、直流電源30の負極端子を端子41Cに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。すなわち、制御CPU184は、この場合、インバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)の少なくとも1つが断線したときと同じ制御を行なう。
さらに、インバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)の全てが断線したとき、制御CPU184は、インバータ181のNPNトランジスタQ1〜Q6を全てオフするように駆動回路Dr1〜Dr6を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Bに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。すなわち、制御CPU184は、この場合、インバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)の少なくとも1つが短絡したときと同じ制御を行なう。
次に、インバータ182が異常である場合について説明する。なお、制御CPU184は、少なくとも1つの信号が電圧V1またはV3からなる信号FE7〜FE12をインバータ182から受けると、インバータ182が異常であると判定する。
インバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)のいずれかが短絡しているとき、またはインバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)が全て短絡しているとき、制御CPU184は、インバータ182のNPNトランジスタQ7〜Q12を全てオフするように駆動回路Dr7〜Dr12を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Aに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。
また、インバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)のいずれかが断線しているとき、またはインバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)が全て断線しているとき、制御CPU184は、インバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)をオンし、かつ、上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)をオフするように駆動回路Dr7〜Dr12を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Aに接続し、直流電源30の負極端子を端子41Aに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。
さらに、インバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)のいずれかが短絡しているとき、またはインバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)が全て短絡しているとき、制御CPU184は、インバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)をオンし、かつ、上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)をオフするように駆動回路Dr7〜Dr12を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Aに接続し、直流電源30の負極端子を端子41Aに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。
さらに、インバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)のいずれかが断線しているとき、制御CPU184は、インバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)をオンし、かつ、上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)をオフするように駆動回路Dr7〜Dr12を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Aに接続し、直流電源30の負極端子を端子41Aに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。すなわち、制御CPU184は、この場合、インバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)の少なくとも1つが断線したときと同じ制御を行なう。
さらに、インバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)の全てが断線したとき、制御CPU184は、インバータ182のNPNトランジスタQ7〜Q12を全てオフするように駆動回路Dr7〜Dr12を制御する。そして、制御CPU184は、直流電源30の正極端子を端子40Aに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように、または直流電源30の正極端子を端子40Cに接続し、かつ、直流電源30の負極端子を端子41Bに接続するように配線切換器40,41を制御する。すなわち、制御CPU184は、この場合、インバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)の少なくとも1つが短絡したときと同じ制御を行なう。
このように、制御CPU184は、インバータ181,182のいずれかが異常であるとき、インバータ181,182の異常部位および異常原因を判定し、その判定結果に応じて、直流電源30の接続を維持し、または直流電源30の接続を切り換える。
図4は、図3に示す駆動回路Dr1の回路図である。図4を参照して、駆動回路Dr1は、NPNトランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間の電流を分流するようにNPNトランジスタQ1のエミッタに接続される。そして、駆動回路Dr1は、NPNトランジスタ1,5と、PNPトランジスタ6と、抵抗2〜4と、ドライブIC7とからなる。NPNトランジスタ1は、抵抗2と接地ノードGNDとの間に接続される。この場合、コレクタは抵抗2に接続され、エミッタは接地ノードGNDに接続される。そして、ベースは、NPNトランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間の電流を分流するようにNPNトランジスタQ1のエミッタに接続される。抵抗2は、ノードN1とNPNトランジスタ1のコレクタとの間に接続される。ノードN1は、NPNトランジスタQ1のゲートに接続される。
抵抗3は、NPNトランジスタ1のベースと接地ノードGNDとの間に接続される。抵抗4は、ノードN1とノードN2との間に接続される。NPNトランジスタ5およびPNPトランジスタ6は、電源ノードVcと接地ノードGNDとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ5のコレクタは電源ノードVcに接続され、エミッタはPNPトランジスタ6のエミッタに接続される。また、PNPトランジスタ6のコレクタは接地ノードGNDに接続される。なお、ノードN2は、NPNトランジスタ5とPNPトランジスタ6の中間点である。
ドライブIC7は、ポートP1〜P4を有する。ポートP1は、NPNトランジスタ5およびPNPトランジスタ6のベースに接続される。ポートP2は、NPNトランジスタ1のベースに接続される。ポートP3は、信号FE1を制御CPU184へ出力する。ポートP4は、制御CPU184から信号PWMI1を受ける。
NPNトランジスタQ1が短絡すると、NPNトランジスタ1はオンされ、NPNトランジスタQ1のゲートに入力されるゲート電圧は低下し、NPNトランジスタQ1は、コレクタ−エミッタ間に流れる電流を減少させる。そうすると、ドライブIC7は、抵抗3の両端に生じたレベルLV1からなる電圧V1をポートP2に受け、電圧V1からなる信号FE1をポートP3から制御CPU184へ出力する。
また、NPNトランジスタQ1が正常であるとき、ドライブIC7は、抵抗3の両端に生じたレベルLV2からなる電圧V2をポートP2に受け、電圧V2からなる信号FE1をポートP3から制御CPU184へ出力する。
さらに、NPNトランジスタQ1が断線すると、抵抗3に流れる電流が減少し、ドライブIC7は、抵抗3の両端に生じたレベルLV3(0V)からなる電圧V3をポートP2に受け、電圧V3からなる信号FE1をポートP3から制御CPU184へ出力する。
また、ドライブIC7は、信号PWMI1をポートP4に受けると、所定の電圧をポートP1からNPNトランジスタ5およびPNPトランジスタ6のベースへ出力し、NPNトランジスタQ1を信号PWMI1に従ってスイッチングする。
このように、駆動回路Dr1は、NPNトランジスタQ1をスイッチング制御し、NPNトランジスタQ1における短絡、正常、および断線に応じた電圧レベルからなる信号FE1を生成する。
駆動回路Dr2〜Dr6は、駆動回路Dr1と同じ構成からなり、駆動回路Dr1と同じ動作により、それぞれ対応するNPNトランジスタQ2〜Q6をスイッチング制御し、NPNトランジスタQ2〜Q6における短絡、正常、および断線に応じた電圧レベルからなる信号FE2〜FE6を生成して制御CPU184へ出力する。
また、駆動回路Dr7〜Dr12も、駆動回路Dr1と同じ構成からなり、駆動回路Dr1と同じ動作により、それぞれ対応するNPNトランジスタQ7〜Q12をスイッチング制御し、NPNトランジスタQ7〜Q12における短絡、正常、および断線に応じた電圧レベルからなる信号FE7〜FE12を生成して制御CPU184へ出力する。
図5および図6を参照して、直流電源30が中性点M1と中性点M2との間に接続された場合のモータジェネレータMG1,MG2およびインバータ181,182の動作原理について説明する。
図5は、3相コイル10の中性点M1と3相コイル11の中性点M2との電位差V012が直流電源30の電圧Vbよりも小さい状態における電流の流れを2つのモータジェネレータMG1,MG2に含まれる3相コイル10,11のU相の漏れインダクタンスに着目して説明するための回路図である。
3相コイル10の中性点M1と3相コイル11の中性点M2との電位差V012が直流電源30の電圧Vbよりも小さい状態でインバータ181のNPNトランジスタQ2がオンの状態かインバータ182のNPNトランジスタQ7がオンの状態を考える。
この場合、図5の(a)か図5の(b)中に実線矢印で示す短絡回路が形成され、3相コイル10,11のU相はリアクトルとして機能する。この状態からインバータ181のNPNトランジスタQ2をオフするとともに、インバータ182のNPNトランジスタQ7をオフすると、リアクトルとして機能している3相コイル10,11のU相に蓄積されたエネルギーは、図5の(c)中の実線矢印で示す充電回路によってコンデンサ50に蓄積される。したがって、この回路は、直流電源30の直流電圧Vbを昇圧し、その昇圧した直流電圧によってコンデンサ50を充電するコンデンサ充電回路とみなすことができる。
そして、NPNトランジスタQ2またはQ7のオン期間に応じて昇圧レベルを自由に設定できるので、コンデンサ50の両端の電圧Vcを直流電源30の電圧Vbよりも高い任意の電圧に操作できる。
2つのモータジェネレータMG1,MG2に含まれる3相コイル10,11のV相およびW相についても、U相と同様にコンデンサ充電回路とみなすことができるから、3相コイル10の中性点M1と3相コイル11の中性点M2との電位差V012が直流電源30の電圧Vbよりも小さい状態とするとともに、インバータ181のNPNトランジスタQ2,Q4,Q6またはインバータ182のNPNトランジスタQ7,Q9,Q11をオン/オフすることにより、直流電源30の電圧Vbを昇圧してコンデンサ50を充電できる。
図6は、3相コイル10の中性点M1と3相コイル11の中性点M2との電位差V012が直流電源30の電圧Vbよりも大きい状態における電流の流れを2つのモータジェネレータMG1,MG2に含まれる3相コイル10,11のU相の漏れインダクタンスに着目して説明するための回路図である。
3相コイル10の中性点M1と3相コイル11の中性点M2との電位差V012が直流電源30の電圧Vbよりも大きい状態でインバータ181のNPNトランジスタQ1がオンされ、NPNトランジスタQ2がオフされ、インバータ182のNPNトランジスタQ7がオフされ、NPNトランジスタQ8がオンされた状態を考える。この場合、図6の(a)中に実線矢印で示す充電回路が形成され、コンデンサ50の端子間電圧Vcを用いて直流電源30を充電する。このとき、3相コイル10,11のU相は、前述したようにリアクトルとして機能する。この状態からインバータ181のNPNトランジスタQ1をオフするかインバータ182のNPNトランジスタQ8をオフすると、リアクトルとして機能している3相コイル10,11のU相に蓄えられたエネルギーは、図6の(b)または図6の(c)中の実線矢印で示す充電回路により直流電源30を充電する。
したがって、この回路は、コンデンサ50のエネルギーを直流電源30に蓄える直流電源充電回路とみなすことができる。2つのモータMG1,MG2に含まれる3相コイル10,11のV相およびW相も、U相と同様に直流電源充電回路とみなすことができるから、3相コイル10の中性点M1と3相コイル11の中性点M2との電位差V012が直流電源30の電圧Vbよりも大きい状態とするとともに、インバータ181のNPNトランジスタQ1〜Q6またはインバータ182のNPNトランジスタQ7〜Q12をオン/オフすることにより、コンデンサ50に蓄積されたエネルギーによって直流電源30を充電できる。
このように、動力出力装置100においては、直流電源30によってコンデンサ50を充電したり、コンデンサ50により直流電源30を充電することができるから、コンデンサ50の端子間電圧Vcを所定の値に制御することができる。
コンデンサ50の端子間に電位差を生じさせると、インバータ181,182が接続された正母線LN1と負母線LN2との間には、コンデンサ50による直流電源が接続された状態となり、コンデンサ50の端子間電圧Vcがインバータ入力電圧Viとして作用するので、インバータ181,182のNPNトランジスタQ1〜Q6,Q7〜Q12をスイッチング制御することによって2つのモータジェネレータMG1,MG2を駆動制御できる。
この場合、3相コイル10に印加する三相交流の各相の電位Vu1,Vv1,Vw1は、インバータ181のNPNトランジスタQ1〜Q6のスイッチング制御によりインバータ入力電圧Viの範囲内で自由に設定できるとともに、3相コイル11に印加する三相交流の各相の電位Vu2,Vv2,Vw2は、インバータ182のNPNトランジスタQ7〜Q12のスイッチング制御によりインバータ入力電圧Viの範囲内で自由に設定できるので、モータジェネレータMG1の3相コイル10の中性点M1の電位V01およびモータジェネレータMG2の3相コイル11の中性点M2の電位V02を自由に操作することができる。
図7に3相コイル10の中性点M1の電位V01と、3相コイル11の中性点M2の電位V02との差が直流電源30の電圧Vbに一致するように操作したときの3相コイル10の電位Vu1,Vv1,Vw1(図7の(a))と、3相コイル11の電位Vu2,Vv2,Vw2(図7の(b))との波形図を示す。図7において、Vxは、インバータ入力電圧Viの中央値(Vi/2)である。したがって、2つのモータジェネレータMG1,MG2にそれぞれ含まれる3相コイル10,11の中性点間の電位差V012が直流電源30の電圧Vbよりも低くなるように操作してコンデンサ50を充電したり、逆に、3相コイル10,11の中性点間の電位差V012が直流電源30の電圧Vbよりも高くなるように操作して直流電源30を充電することもできる。そして、コンデンサ50の充電電流または直流電源30の充電電流は、3相コイル10,11の中性点M1,M2間の電位差V012を昇降することにより制御することができる。
図8は、図3に示す制御CPU184の一部の機能を説明するための機能ブロック図である。図8を参照して、制御CPU184は、電流変換部1841と、減算器1842,1852と、PI制御部1843,1853,1855と、加算器1844,1846と、変換部1845と、PWM演算部1847と、回転速度演算部1849と、速度起電力予測演算部1850と、電池電流予測演算部1851と、加減算器1854とを含む。
電流変換部1841は、電流センサー12,13がそれぞれ検出したモータ電流MCRT1,2を、それぞれ、レゾルバ139が検出した回転角度θsおよびレゾルバ149が検出した回転角度θrを用いて三相二相変換する。つまり、電流変換部1841は、モータジェネレータMG1の3相コイル10の各相に流れる3相のモータ電流MCRT1およびモータジェネレータMG2の3相コイル11の各相に流れる3相のモータ電流MCRT2をそれぞれ回転角度θs,θrを用いてd軸およびq軸に流れる電流値Id,Iqに変換して減算器1842へ出力する。
減算器1842は、2つのモータジェネレータMG1,MG2の駆動に関する指令値の1つとして制御CPU184によって演算された電流指令値Id*,Iq*から電流変換部1841からの電流値Id,Iqを減算して偏差ΔId,ΔIqを演算する。PI制御部1843は、偏差ΔId,ΔIqに対してPIゲインを用いてモータ電流調整用の操作量を演算する。
回転速度演算部1849は、レゾルバ139からの回転角度θsに基づいてモータジェネレータMG1の回転速度を演算し、レゾルバ149からの回転角度θrに基づいてモータジェネレータMG2の回転速度を演算する。そして、回転速度演算部1849は、演算した回転速度を速度起電力予測演算部1850および電池電流予測演算部1851へ出力する。速度起電力予測演算部1850は、回転速度演算部1849からの回転速度に基づいて速度起電力の予測値を演算する。
加算器1844は、PI制御部1843からのモータ電流調整用の操作量と、速度起電力予測演算部1850からの速度起電力の予測値とを加算して電圧操作量Vd,Vqを演算する。変換部1845は、加算器1844からの電圧操作量Vd,Vqをレゾルバ139からの回転角度θsとレゾルバ149からの回転角度θrとを用いて二相三相変換する。つまり、変換部1845は、d軸およびq軸に印加する電圧の操作量Vd,Vqを回転角度θs,θrを用いて2つのモータジェネレータMG1,MG2の3相コイル10,11の3つの相(U相、V相およびW相)に印加する電圧の操作量に変換する。
減算器1852は、制御CPU184によって演算されたコンデンサ50の両端の電圧の指令値であるコンデンサ電圧指令値Vc*から電圧センサー51によって検出されたコンデンサ50の両端の電圧Vcを減算して偏差ΔVcを演算する。
PI制御部1853は、偏差ΔVcに対してPIゲインを用いてコンデンサ電圧調整用の電池電流操作量を演算する。電池電流予測演算部1851は、回転速度演算部1849によって演算された回転速度と、電流指令値Id1*,Iq1*とに基づいて電池電流の予測値を演算し、その演算した電池電流の予測値を加減算器1854へ出力する。
加減算器1854は、電池電流予測演算部1851からの電池電流の予測値とPI制御部1853からの電池電流操作量とを加算する。そして、加減算器1854は、電流センサー31から直流電源30に入出力する直流電流、すなわち、電池電流BCRTを受け、既に演算した加算結果から電流電流BCRTを減算し、その減算結果をPI制御部1855へ出力する。PI制御部1855は、加減算器1854からの出力に対してPIゲインを用いて電池電流を調整するための3相コイル10,11の中性点M1,M2間の電位差V012を設定する。
加算器1846は、変換部1845から出力された各相電位Vu1,Vv1,Vw1,Vu2,Vv2,Vw2に、PI制御部1855から出力された電位差V012を加算し、その加算結果をPWM演算部1847へ出力する。PWM演算部1847は、加算器1846からの出力に基づいて信号PWMI1,2を生成する。変換部1845により得られた各相電位Vu1,Vv1,Vw1,Vu2,Vv2,Vw2に、減算器1852、PI制御部1853、電池電流予測演算部1851、加減算器1854およびPI制御部1855によって演算された中性点M1,M2間の電位差V012を加算してPWM信号(信号PWMI1,2)を演算することにより、直流電源30に電流を流してインバータ入力電圧Viとしてのコンデンサ50の電圧Vcが指令値Vc*に保持されるように3相コイル10,11に印加される三相交流を図7に例示するように中央値Vxからオフセットした波形とすることができる。
図9は、動力出力装置100の動作を説明するためのフローチャートである。図9を参照して、一連の動作が開始されると、制御CPU184は、インバータ181から受けた信号FE1〜FE6が電圧V1またはV3からなるか否かを判定することにより、インバータ181が異常か否かを判定する(ステップS1)。そして、ステップS1において、インバータ181が異常であると判定されたとき、一連の動作は、ステップS4へ移行し、後述する異常処理1が実行される。
一方、ステップS1において、インバータ181が正常であると判定されたとき、制御CPU184は、インバータ182から受けた信号FE7〜FE12が電圧V1またはV3からなるか否かを判定することにより、インバータ182が異常か否かを判定する(ステップS2)。そして、ステップS2において、インバータ182が異常であると判定されたとき、一連の動作は、ステップS5へ移行し、後述する異常処理2が実行される。
一方、ステップS2において、インバータ182が正常であると判定されたとき、後述する正常動作が実行される(ステップS3)。そして、ステップS3,S4,S5のいずれかの後、一連の動作は終了する。
図10は、図9に示す正常動作(ステップS3)を詳細に説明するためのフローチャートである。図10を参照して、正常動作が開始されると、制御CPU184は、ドライバー要求トルクを受ける。すなわち、制御CPU184は、アクセルポジションAP、シフトポジションSPおよびブレーキポジションBPを受ける(ステップS31)。そして、制御CPU184は、回転数、温度および直流電源30の容量(バッテリのSOC:State Of Charge)等のシステム情報を受ける(ステップS32)。
その後、制御CPU184は、ステップS31,S32で受けた各種の信号に基づいてエンジン指令パワー、発電機指令トルクTR1および電動機指令トルクTR2を演算する(ステップS33)。そして、制御CPU184は、レゾルバ139からの回転角度θsに基づいてモータジェネレータMG1(発電機)の回転数MRN1を演算し、レゾルバ149からの回転角度θrに基づいてモータジェネレータMG2(電動機)の回転数MRN2を演算する。
そうすると、制御CPU184は、ステップS33において演算した発電機指令トルクTR1および電動機指令トルクTR2に、それぞれ、回転数MRN1,MRN2を乗算して発電機パワーPgおよび電動機パワーPmを演算する(ステップS34)。そして、制御CPU184は、発電機パワーPgと電動機パワーPmとの和Pg+Pmが零であるか否かを判定し(ステップS35)、和Pg+Pmが零でないとき、さらに、前回、直流電源30が中性点M1,M2間に接続されたか否かを判定する(ステップS36)。
ステップS36において、前回、直流電源30が中性点M1,M2間に接続されていないと判定されたとき、制御CPU184は、[1,0]からなる信号SE1を生成して配線切換器40へ出力し、[1,1]からなる信号SE2を生成して配線切換器41へ出力する。これにより、スイッチSW1は、端子40Bに接続され、スイッチSW2は、端子41Cに接続され、直流電源30が3相コイル10の中性点M1と3相コイル11の中性点M2との間に接続される(ステップS37)。ステップS36において、前回、直流電源30が中性点M1,M2間に接続されたと判定されたとき、またはステップS37の後、減算器1852、PI制御部1853、電池電流予測演算部1851、加減算器1854およびPI制御部1855は、上述した方法によって3相コイル10の中性点M1と3相コイル11の中性点M2との電位差、すなわち、中性点電圧指令を演算する(ステップS38)。その後、ステップS43へ移行する。
一方、ステップS35において、和Pg+Pmが零であると判定されたとき、制御CPU184は、さらに、電流センサー31からの電流BCRTに基づいてバッテリ電流が零か否かを判定する(ステップS39)。そして、ステップS39において、バッテリ電流が零でないと判定されたとき、上述したステップS38へ移行する。
ステップS39において、バッテリ電流が零であると判定されたとき、制御CPU184は、前回、直流電源30が中性点M1,M2から切り離されたか否かを判定し(ステップS40)、直流電源30が中性点M1,M2から切り離されていないとき、[0,0]からなる信号SE1,SE2を生成してそれぞれ配線切換器40,41へ出力する。これにより、スイッチSW1,SW2は、端子40A,40B,40C;41A,41B,41Cから切り離され、直流電源30は、3相コイル10の中性点M1および3相コイル11の中性点M2から切り離される(ステップS41)。そして、ステップS40において、前回、直流電源30が中性点M1,M2から切り離されたと判定されたとき、またはステップS41の後、上述した減算器1852、PI制御部1853、電池電流予測演算部1851、加減算器1854およびPI制御部1855は、3相コイル10の中性点M1と3相コイル11の中性点M2との電位差V012を零、すなわち、中性点電圧指令を零と演算する(ステップS42)。
そして、ステップS38の後、直流電源30が中性点M1と中性点M2との間に接続された状態で発電機(モータジェネレータMG1)および電動機(モータジェネレータMG2)が駆動される(ステップS43)。また、ステップS42の後、直流電源30が中性点M1,M2から切り離された状態で発電機(モータジェネレータMG1)および電動機(モータジェネレータMG2)が駆動される(ステップS43)。
ステップS35,S39〜S42,S43の経路は、直流電源30が中性点M1,M2から切り離された状態で発電機(モータジェネレータMG1)および電動機(モータジェネレータMG2)が駆動される経路、すなわち、モータジェネレータMG1が発電した電力によってモータジェネレータMG2が駆動される経路である。このようなモードにおいて、直流電源30を中性点M1,M2間に接続しておくと、モータジェネレータMG1の3相コイル10の各相に印加可能な電圧はVc−Vbになり、モータジェネレータMG1における発電効率が低下する。
モータジェネレータMG2は、ハイブリッド自動車の駆動輪を駆動するためのモータであるため、回転数を広い範囲で制御できることがハイブリッド自動車のスムーズな走行を実現するためには好ましい。そこで、モータジェネレータMG1における発電効率を向上し、モータジェネレータMG2の回転数を広い範囲で制御可能にするために、モータジェネレータMG1が発電した電力によってモータジェネレータMG2を駆動しているモードにおいては、直流電源30を中性点M1,M2から切り離すことにしたものである。
これによって、動力出力装置100をハイブリッド自動車に適用した場合、ハイブリッド自動車をスムーズに走行させることができる。
図11は、図9に示す異常処理1(ステップS4)の動作を詳細に説明するためのフローチャートである。図11を参照して、異常処理1の動作が開始されると、制御CPU184は、インバータ181から受けた信号FE1,FE3,FE5が電圧V1またはV3からなるか否かを判定することにより、インバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)が異常であるか否かを判定する(ステップS51)。この場合、制御CPU184は、信号FE1,FE3,FE5のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1またはV3からなるとき、インバータ181の上アームは異常であると判定する。
ステップS51において、インバータ181の上アームが異常であると判定されたとき、制御CPU184は、信号FE1,FE3,FE5のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1およびV3のいずれからなるかを判定することにより、上アームの異常原因が短絡であるか否かを判定する(ステップS52)。この場合、制御CPU184は、信号FE1,FE3,FE5のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1からなるとき、上アームの異常原因は「短絡」であると判定し、信号FE1,FE3,FE5のうち、少なくとも1つの信号が電圧V3からなるとき、上アームの異常原因は「断線」であると判定する。
ステップS52において、上アームの異常原因が「短絡」であると判定されたとき、制御CPU184は、信号STP1を生成してインバータ181へ出力し、インバータ181のNPNトランジスタQ1〜Q6の全てをオフする(ステップS53)。そして、制御CPU184は、電流Iac1が基準値Istd1以上であるか否かを判定する(ステップS54)。
電流Iac1は、次式によって定義される。
Iac1=(BCRT/3)+MCRT2・・・(1)
すなわち、電流Iac1は、インバータ181の異常時にモータジェネレータMG2の3相コイル11の1つのコイルに流れている電流である。また、基準値Istd1は、モータジェネレータMG2から実際に出力されるトルクTmg2がモータジェネレータMG2のトルク指令値TR2に対して飽和し始めるときに、3相コイル11の1つのコイルに流れている電流である。
ステップS54において、電流Iac1が基準値Istd1よりも小さいと判定されたとき、制御CPU184は、[1,0]からなる信号SE1およびSE2を生成し、それぞれ、配線切換器40,41へ出力する。これにより、スイッチSW1は、端子40Bへの接続が維持され、スイッチSW2は、端子41Cから端子41Bに切り換えられる。すなわち、直流電源30の接続は、端子40B−41C間から端子40B−41B間へ切り換えられる(ステップS55)。そして、一連の動作は、ステップS64へ移行する。
一方、ステップS54において、電流Iac1が基準値Istd1以上であると判定されたとき、制御CPU184は、[1,1]からなる信号SE1と、[1,0]からなる信号SE2とを生成し、それぞれ、配線切換器40,41へ出力する。これにより、スイッチSW1は、端子40Bから端子40Cへ切り換えられ、スイッチSW2は、端子41Cから端子41Bに切り換えられる。すなわち、直流電源30の接続は、端子40B−41C間から端子40C−41B間へ切り換えられる(ステップS56)。そして、一連の動作は、ステップS64へ移行する。
ステップS52において、インバータ181の上アームの異常原因が「短絡」ではないと判定されたとき、すなわち、インバータ181の上アームの異常原因が「断線」であると判定されたとき、制御CPU184は、インバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)をオフし、下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)をオンする(ステップS57)。
そして、制御CPU184は、電流Iac1が基準値Istd1以上であるか否かを判定し(ステップS58)、電流Iac1が基準値Istd1よりも小さいとき、[1,0]からなる信号SE1と、[1,1]からなる信号SE2とを生成してそれぞれ配線切換器40,41へ出力する。これにより、スイッチSW1は、端子40Bへの接続が維持され、スイッチSW2は、端子41Cへの接続が維持される。すなわち、直流電源30の接続は、維持される(ステップS59)。そして、一連の動作は、ステップS64へ移行する。
一方、ステップS58において、電流Iac1が基準値Istd1以上であると判定されたとき、制御CPU184は、インバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)をオフする(ステップS60)。そして、制御CPU184は、[1,1]からなる信号SE1と、[1,0]からなる信号SE2とを生成してそれぞれ配線切換器40,41へ出力する。これにより、スイッチSW1は、端子40Bから端子40Cへ切り換えられ、スイッチSW2は、端子41Cから端子41Bへ切り換えられる。すなわち、直流電源30の接続は、端子40B−41C間から端子40C−41B間へ切り換えられる(ステップS61)。そして、一連の動作は、ステップS64へ移行する。
ステップS51において、インバータ181の上アームが異常でないと判定されたとき、すなわち、インバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)が異常であると判定されたとき、制御CPU184は、インバータ181から受けた信号FE2,FE4,FE6のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1およびV3のいずれからなるかを判定することにより、下アームの異常の原因が短絡であるか否かを判定する(ステップS62)。この場合、制御CPU184は、信号FE2,FE4,FE6のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1からなるとき、下アームの異常原因は「短絡」であると判定し、信号FE2,FE4,FE6のうち、少なくとも1つの信号が電圧V3からなるとき、下アームの異常原因は「断線」であると判定する。
ステップS62において、下アームの異常原因が「短絡」であると判定されたとき、上述したステップS57〜S61,S64が実行される。一方、ステップS62において、下アームの異常原因が「短絡」ではないと判定されたとき、すなわち、下アームの異常原因が「断線」であると判定されたとき、制御CPU184は、信号FE2,FE4,FE6のうち、1個または2個の信号が電圧V3からなるか否かを判定することにより、NPNトランジスタQ2,Q4,Q6のうち、1個または2個のNPNトランジスタが異常であるか否かを判定する(ステップS63)。
ステップS63において、NPNトランジスタQ2,Q4,Q6のうち、1個または2個のNPNトランジスタが異常であると判定されたとき、上述したステップS57〜S61,S64が実行される。
一方、ステップS63において、NPNトランジスタQ2,Q4,Q6のうち、全てが異常であると判定されたとき、上述したステップS53〜S56,S64が実行される。
そして、ステップS55,S56,S59,S61のいずれかの後、モータジェネレータMG2が駆動される(ステップS64)。
ステップS55の後、モータジェネレータMG2が駆動される場合、直流電源30の正極端子は、モータジェネレータMG2の中性点M2に接続され、負極端子は負母線LN2に接続される。そして、直流電源30からの直流電圧Vbを3相コイル11の1つのコイルを用いて昇圧してコンデンサ50を充電し、またはコンデンサ50の電圧を降圧して直流電源30を充電しながら、コンデンサ50に蓄積された電力によってモータジェネレータMG2が駆動される。
また、ステップS56またはステップS61の後、モータジェネレータMG2が駆動される場合、直流電源30の正極端子は、正母線LN1に接続され、負極端子は負母線LN2に接続される。そして、モータジェネレータMG2は、直流電源30から出力される直流電圧Vbによって駆動される。
さらに、ステップS59の後、モータジェネレータMG2が駆動される場合、直流電源30の正極端子は、モータジェネレータMG2の中性点M2に接続され、負極端子はモータジェネレータMG1の中性点M1に接続される。そして、直流電源30からの直流電圧Vbを3相コイル10,11の1つのコイルを用いて昇圧してコンデンサ50を充電し、またはコンデンサ50の電圧を降圧して直流電源30を充電しながら、コンデンサ50に蓄積された電力によってモータジェネレータMG2が駆動される。そして、異常処理1の動作が終了する。
このように、インバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)または下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)が「短絡」または「断線」により異常であるとき、直流電源30の接続が維持、または切り換えられてモータジェネレータMG2が駆動される。
図12は、図9に示す異常処理2(ステップS5)の動作を詳細に説明するためのフローチャートである。図12を参照して、異常処理2の動作が開始されると、制御CPU184は、インバータ182から受けた信号FE7,FE9,FE11が電圧V1またはV3からなるか否かを判定することにより、インバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)が異常であるか否かを判定する(ステップS71)。この場合、制御CPU184は、信号FE7,FE9,FE11のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1またはV3からなるとき、インバータ182の上アームは異常であると判定する。
ステップS71において、インバータ182の上アームが異常であると判定されたとき、制御CPU184は、信号FE7,FE9,FE11のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1およびV3のいずれからなるかを判定することにより、上アームの異常原因が短絡であるか否かを判定する(ステップS72)。この場合、制御CPU184は、信号FE7,FE9,FE11のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1からなるとき、上アームの異常原因は「短絡」であると判定し、信号FE7,FE9,FE11のうち、少なくとも1つの信号が電圧V3からなるとき、上アームの異常原因は「断線」であると判定する。
ステップS72において、上アームの異常原因が「短絡」であると判定されたとき、制御CPU184は、インバータ182のNPNトランジスタQ7〜Q12の全てをオフする(ステップS73)。そして、制御CPU184は、電流Iac2が基準値Istd2以上であるか否かを判定する(ステップS74)。
電流Iac2は、次式によって定義される。
Iac2=(BCRT/3)+MCRT1・・・(2)
すなわち、電流Iac2は、インバータ182の異常時にモータジェネレータMG1の3相コイル10の1つのコイルに流れている電流である。また、基準値Istd2は、モータジェネレータMG1から実際に出力されるトルクTmg1がモータジェネレータMG1のトルク指令値TR1に対して飽和し始めるときに、3相コイル10の1つのコイルに流れている電流である。
ステップS74において、電流Iac2が基準値Istd2よりも小さいと判定されたとき、制御CPU184は、[0,1]からなる信号SE1と、[1,0]からなる信号SE2とを生成し、それぞれ、配線切換器40,41へ出力する。これにより、スイッチSW1は、端子40Bから端子40Aへ切り換えられ、スイッチSW2は、端子41Cから端子41Bに切り換えられる。すなわち、直流電源30の接続は、端子40B−41C間から端子40A−41B間へ切り換えられる(ステップS75)。そして、一連の動作は、ステップS84へ移行する。
一方、ステップS74において、電流Iac2が基準値Istd2以上であると判定されたとき、制御CPU184は、[1,1]からなる信号SE1と、[1,0]からなる信号SE2とを生成し、それぞれ、配線切換器40,41へ出力する。これにより、スイッチSW1は、端子40Bから端子40Cへ切り換えられ、スイッチSW2は、端子41Cから端子41Bに切り換えられる。すなわち、直流電源30の接続は、端子40B−41C間から端子40C−41B間へ切り換えられる(ステップS76)。そして、一連の動作は、ステップS84へ移行する。
ステップS72において、インバータ182の上アームの異常原因が「短絡」ではないと判定されたとき、すなわち、インバータ182の上アームの異常原因が「断線」であると判定されたとき、制御CPU184は、インバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)をオフし、下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)をオンする(ステップS77)。
そして、制御CPU184は、電流Iac2が基準値Istd2以上であるか否かを判定し(ステップS78)、電流Iac2が基準値Istd2よりも小さいとき、[0,1]からなる信号SE1および信号SE2を生成してそれぞれ配線切換器40,41へ出力する。これにより、スイッチSW1は、端子40Bから端子40Aへ切り換えられ、スイッチSW2は、端子41Cから端子41Aへ切り換えられる。すなわち、直流電源30の接続は、端子40B−41C間から端子40A−41A間へ切り換えられる(ステップS79)。そして、一連の動作は、ステップS84へ移行する。
一方、ステップS78において、電流Iac2が基準値Istd2以上であると判定されたとき、制御CPU184は、インバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)をオフする(ステップS80)。そして、制御CPU184は、[1,1]からなる信号SE1と、[1,0]からなる信号SE2とを生成してそれぞれ配線切換器40,41へ出力する。これにより、スイッチSW1は、端子40Bから端子40Cへ切り換えられ、スイッチSW2は、端子41Cから端子41Bへ切り換えられる。すなわち、直流電源30の接続は、端子40B−41C間から端子40C−41B間へ切り換えられる(ステップS81)。そして、一連の動作は、ステップS84へ移行する。
ステップS71において、インバータ182の上アームが異常でないと判定されたとき、すなわち、インバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)が異常であると判定されたとき、制御CPU184は、インバータ182から受けた信号FE8,FE10,FE12のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1およびV3のいずれからなるかを判定することにより、下アームの異常原因が短絡であるか否かを判定する(ステップS82)。この場合、制御CPU184は、信号FE8,FE10,FE12のうち、少なくとも1つの信号が電圧V1からなるとき、下アームの異常原因は「短絡」であると判定し、信号FE8,FE10,FE12のうち、少なくとも1つの信号が電圧V3からなるとき、下アームの異常原因は「断線」であると判定する。
ステップS82において、下アームの異常原因が「短絡」であると判定されたとき、上述したステップS77〜S81,S84が実行される。一方、ステップS82において、下アームの異常原因が「短絡」ではないと判定されたとき、すなわち、下アームの異常原因が「断線」であると判定されたとき、制御CPU184は、信号FE8,FE10,FE12のうち、1個または2個の信号が電圧V3からなるか否かを判定することにより、NPNトランジスタQ8,Q10,Q12のうち、1個または2個のNPNトランジスタが異常であるか否かを判定する(ステップS83)。
ステップS83において、NPNトランジスタQ8,Q10,Q12のうち、1個または2個のNPNトランジスタが異常であると判定されたとき、上述したステップS77〜S81,S84が実行される。
一方、ステップS83において、NPNトランジスタQ8,Q10,Q12のうち、全てが異常であると判定されたとき、上述したステップS73〜S76,S84が実行される。
そして、ステップS75,S76,S79,S81のいずれかの後、モータジェネレータMG1が駆動される(ステップS84)。
ステップS75の後、モータジェネレータMG1が駆動される場合、直流電源30の正極端子は、モータジェネレータMG1の中性点M1に接続され、負極端子は負母線LN2に接続される。そして、直流電源30からの直流電圧Vbを3相コイル10の1つのコイルを用いて昇圧してコンデンサ50を充電し、またはコンデンサ50の電圧を降圧して直流電源30を充電しながら、コンデンサ50に蓄積された電力によってモータジェネレータMG1が駆動される。
また、ステップS76またはステップS81の後、モータジェネレータMG1が駆動される場合、直流電源30の正極端子は、正母線LN1に接続され、負極端子は負母線LN2に接続される。そして、モータジェネレータMG1は、直流電源30から出力される直流電圧Vbによって駆動される。
さらに、ステップS79の後、モータジェネレータMG1が駆動される場合、直流電源30の正極端子は、モータジェネレータMG1の中性点M1に接続され、負極端子はモータジェネレータMG2の中性点M2に接続される。そして、直流電源30からの直流電圧Vbを3相コイル10,11の1つのコイルを用いて昇圧してコンデンサ50を充電し、またはコンデンサ50の電圧を降圧して直流電源30を充電しながら、コンデンサ50に蓄積された電力によってモータジェネレータMG1が駆動される。そして、異常処理2の動作が終了する。
このように、インバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)または下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)が「短絡」または「断線」により異常であるとき、直流電源30の接続が切り換えられてモータジェネレータMG1が駆動される。
図11に示すフローチャートにおいて、インバータ181の上アーム(NPNトランジスタQ1,Q3,Q5)が「短絡」により異常であるとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40B−41B間または端子40C−41B間に切り換えられてモータジェネレータMG2が駆動される(ステップS52〜S56,S64参照)。
また、インバータ181の上アームが「断線」により異常であり、かつ、電流Iac1が基準値Istd1よりも小さいとき、直流電源30の接続が維持されてモータジェネレータMG2が駆動される(ステップS52,S57〜S59,S64参照)。
さらに、インバータ181の上アームが「断線」により異常であり、かつ、電流Iac1が基準値Istd1以上であるとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40C−41B間に切り換えられてモータジェネレータMG2が駆動される(ステップS52,S57,S58,S60,S61,S64参照)。
さらに、インバータ181の下アーム(NPNトランジスタQ2,Q4,Q6)が「短絡」により異常であり、かつ、電流Iac1が基準値Istd1よりも小さいとき、直流電源30の接続が維持されてモータジェネレータMG2が駆動される(ステップS62,S57〜S59,S64参照)。
さらに、インバータ181の下アームが「短絡」により異常であり、かつ、電流Iac1が基準値Istd1以上であるとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40C−41B間に切り換えられてモータジェネレータMG2が駆動される(ステップS62,S57,S58,S60,S61,S64参照)。
さらに、インバータ181のNPNトランジスタQ2,Q4,Q6のうち、1個または2個が「断線」により異常であり、かつ、電流Iac1が基準値Istd1よりも小さいとき、直流電源30の接続が維持されてモータジェネレータMG2が駆動される(ステップS62,S63,S57〜S59,S64参照)。
さらに、インバータ181のNPNトランジスタQ2,Q4,Q6が全て「断線」により異常であるとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40B−41B間または端子40C−41B間に切り換えられてモータジェネレータMG2が駆動される(ステップS62,S63,S53〜S56,S64参照)。
このように、この発明においては、インバータ181が異常であるとき、直流電源30の接続が維持されるか、切り換えられるかは、異常部位および異常原因に応じて決定される。
また、インバータ181が異常であり、かつ、モータジェネレータMG2の3相コイル11の1つのコイルに流れる電流Iac1が基準値Istd1以上であるとき、直流電源30が正母線LN1と負母線LN2との間に接続されてモータジェネレータMG2が駆動される(ステップS54,S56,S58,S60,S61,S64参照)。これは、モータジェネレータMG2から実際に出力されるトルクTmg2がトルク指令TR2に対して飽和し始める電流値(=基準値Istd1)以上の領域に電流Iac1が達した場合に、3相コイル11の1つのコイルを用いて直流電源30からの直流電圧Vbを昇圧しながらコンデンサ50に蓄積された電力によってモータジェネレータMG2を駆動したのでは、3相コイル11の各インダクタンスが低下し、モータジェネレータMG2のモータ特性が低下するので、これを防止するためである。
図12に示すフローチャートにおいて、インバータ182の上アーム(NPNトランジスタQ7,Q9,Q11)が「短絡」により異常であるとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40A−41B間または端子40C−41B間に切り換えられてモータジェネレータMG1が駆動される(ステップS72〜S76,S84参照)。
また、インバータ182の上アームが「断線」により異常であり、かつ、電流Iac2が基準値Istd2よりも小さいとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40A−41A間に切り換えられてモータジェネレータMG1が駆動される(ステップS72,S77〜S79,S84参照)。
さらに、インバータ182の上アームが「断線」により異常であり、かつ、電流Iac2が基準値Istd2以上であるとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40C−41B間に切り換えられてモータジェネレータMG1が駆動される(ステップS72,S77,S78,S80,S81,S84参照)。
さらに、インバータ182の下アーム(NPNトランジスタQ8,Q10,Q12)が「短絡」により異常であり、かつ、電流Iac2が基準値Istd2よりも小さいとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40A−41A間に切り換えられてモータジェネレータMG1が駆動される(ステップS72,S77〜S79,S84参照)。
さらに、インバータ182の下アームが「短絡」により異常であり、かつ、電流Iac2が基準値Istd2以上であるとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40C−41B間に切り換えられてモータジェネレータMG1が駆動される(ステップS82,S77,S78,S80,S81,S84参照)。
さらに、インバータ182のNPNトランジスタQ8,Q10,Q12のうち、1個または2個が「断線」により異常であり、かつ、電流Iac2が基準値Istd2よりも小さいとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40A−41A間に切り換えられてモータジェネレータMG1が駆動される(ステップS72,S77〜S79,S84参照)。
さらに、インバータ182のNPNトランジスタQ8,Q10,Q12が全て「断線」により異常であるとき、直流電源30の接続が端子40B−41C間から端子40A−41B間または端子40C−41B間に切り換えられてモータジェネレータMG1が駆動される(ステップS82,S83,S73〜S76,S84参照)。
このように、この発明においては、インバータ182が異常であるとき、直流電源30の接続が切り換えられて、モータジェネレータMG1が駆動される。
さらに、インバータ182が異常であり、かつ、モータジェネレータMG1の3相コイル10の1つのコイルに流れる電流Iac2が基準値Istd2以上であるとき、直流電源30が正母線LN1と負母線LN2との間に接続されてモータジェネレータMG1が駆動される(ステップS74,S76,S78,S80,S81,S84参照)。これは、モータジェネレータMG1から実際に出力されるトルクTmg1がトルク指令TR1に対して飽和し始める電流値(=基準値Istd2)以上の領域に電流Iac2が達した場合に、3相コイル10の1つのコイルを用いて直流電源30からの直流電圧Vbを昇圧しながらコンデンサ50に蓄積された電力によってモータジェネレータMG1を駆動したのでは、3相コイル10の各インダクタンスが低下し、モータジェネレータMG1のモータ特性が低下するので、これを防止するためである。
なお、制御CPU184における正常動作の制御、および異常処理1,2の制御は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図10〜図12に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図10〜図12に示すフローチャートに従って正常動作の制御、および異常処理1,2の制御を行なう。したがって、ROMは、図10〜図12に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
上述したように、インバータ181,182のいずれかが異常であるとき、モータジェネレータMG1,MG2のいずれかが駆動されるように直流電源30の接続が切換えられ、または維持される。従って、動力出力装置100を自動車に搭載した場合、リンプフォームが可能である。
なお、配線切換器40,41および制御CPU184は、「接続処理手段」を構成する。
[実施の形態2]
図13は、実施の形態2による動力出力装置の概略ブロック図である。図13を参照して、実施の形態2による動力出力装置100Aは、動力出力装置100に電流センサー14およびインバータ183を追加したものであり、その他は、動力出力装置100と同じである。
動力出力装置100Aにおいては、インバータ181,182は、モータジェネレータMG1を駆動し、インバータ183は、モータジェネレータMG2を駆動する。モータジェネレータMG1は、2つの3相コイル10,11を含む。そして、2つの3相コイル10,11は、図2に示す3相コイル134を構成する。つまり、モータジェネレータMG1は、Y型に結線された2つの3相コイル10,11を有する2重巻線モータ(「2Yモータ」とも言う。)である。
また、直流電源30は、インバータ181,182の正常動作時、モータジェネレータMG1に含まれる3相コイル10,11の中性点M1,M2間に接続される。
さらに、インバータ182は、モータジェネレータMG1に含まれる3相コイル11に流れる電流を制御する。電流センサー12は、3相コイル10に流れる電流MCRT11を検出して制御CPU184へ出力し、電流センサー13は、3相コイル11に流れる電流MCRT12を検出して制御CPU184へ出力する。
電流センサー14は、モータジェネレータMG2に流れるモータ電流MCRT2を検出して制御CPU184へ出力する。
インバータ183は、正母線LN1と負母線LN2との間にインバータ181,182およびコンデンサ50に並列に接続される。そして、インバータ183は、U相アーム21と、V相アーム22と、W相アーム23とを含む。U相アーム21、V相アーム22およびW相アーム23は、それぞれ、インバータ181のU相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17と同じである。したがって、NPNトランジスタQ13〜Q18は、それぞれ、NPNトランジスタQ1〜Q6と同じであり、ダイオードD13〜D18は、それぞれ、ダイオードD1〜D6と同じである。
インバータ183の各相アームの中間点は、モータジェネレータMG2の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、モータジェネレータMG2は、3相の永久磁石モータである。インバータ183の各相アームの中間点とモータジェネレータMG2の各相コイルの各相端との具体的な接続方法は、インバータ181の各相アームの中間点と3相コイル10の各相端との接続方法と同じである。
なお、インバータ181〜183および制御CPU184は図1に示す制御装置180を構成する。また、図13に示すインバータ183には、NPNトランジスタQ13〜Q18を駆動する駆動回路が図示されていないが、それは、この発明においては、NPNトランジスタQ13〜Q18の「短絡」または「断線」を示す信号は、直流電源30の接続処理には用いられないからであり、インバータ183は、本来、NPNトランジスタQ13〜Q18を駆動する駆動回路を備えている。
図14は、図13に示すモータジェネレータMG1の3相コイル10,11の平面配置図である。モータジェネレータMG1は、一般的には、3相コイル10と、3相コイル10に対して回転方向にαだけずらせて巻回された3相コイル11とを含む。すなわち、モータジェネレータMG1は、6相モータと考えることもできる。
この実施の形態2においては、角度αは0度であるとして説明する。すなわち、2つの3相コイル10,11は、同位相で巻回されている。したがって、インバータ181,182は、同位相で3相コイル10,11に交流電流を流せばよい。つまり、3相コイル10のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルには、それぞれ、3相コイル11のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルと同位相で交流電流が流れる。
制御CPU184は、電流センサー12,13がそれぞれ検出したモータ電流MCRT11,MCRT12を用いて、上述した方法によって信号PWMI1,2を生成する。この場合、図8に示す電流変換部1841は、レゾルバ139からの回転角度θsを用いて三相二相変換を行なう。また、変換部1845は、レゾルバ139からの回転角度θsを用いて二相三相変換を行なう。さらに、回転速度演算部1849は、レゾルバ139からの回転角度θsを用いて回転速度を演算する。
信号PWMI3を生成する制御CPU184の機能について説明する。信号PWMI3は、上述した電流変換部1841、減算器1842、PI制御部1843、加算器1844、変換部1845、加算器1846、PWM演算部1847、回転速度演算部1849および速度起電力予測演算部1850によって生成される。そして、電流変換部1841は、レゾルバ149からの回転角度θrを用いて三相二相変換を行なう。また、変換部1845は、レゾルバ149からの回転角度θrを用いて二相三相変換を行なう。さらに、回転速度演算部1849は、レゾルバ149からの回転角度θrを用いて回転速度を演算する。さらに、加算器1846は、変換部1845からの各相電位Vu3,Vv3,Vw3(モータジェネレータMG2の各相コイルに印加する電圧)に何も加算せずに、そのままPWM演算部1847へ出力する。これにより、PWM演算部1847は信号PWMI3を生成する。
動力出力装置100Aは、上述した図9〜図12に示すフローチャートに従って、正常動作、異常処理1および異常処理2が行われる。そして、動力出力装置100Aにおいては、インバータ181,182のいずれかが異常であるとき、2つの3相コイル10,11のうち、いずれか一方の3相コイルを用いてモータジェネレータMG1が駆動される。つまり、モータジェネレータMG1は、「2Yモータ」としてではなく、1つの3相コイルを備える通常の回転電機として動作する。
このように、実施の形態2においては、「2Yモータ」を駆動するインバータ181,182のいずれか一方が異常であるとき、制御CPU184は、正常なインバータ(インバータ181,182のいずれか他方)を用いてモータジェネレータMG1を通常の回転電機として駆動することを特徴とする。
その他は、実施の形態1と同じである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,5,Q1〜Q18 NPNトランジスタ、2〜4 抵抗、6 PNPトランジスタ、7 ドライブIC、10,11,134,144,311,312 3相コイル、12〜14,31 電流センサー、15,18,21 U相アーム、16,19,22 V相アーム、17,20,23 W相アーム、30,320 直流電源、40,41 配線切換器、40A,40B,40C,41A,41B,41C 端子、50,350 コンデンサ、51 電圧センサー、100,100A,300 動力出力装置、111 動力伝達ギア、112 駆動軸、114 ディファレンシャルギア、120 プラネタリギア、121 サンギア、122 リングギア、123 プラネタリピ二オンギア、124 プラネタリキャリア、125 サンギア軸、126 リングギア軸、127 キャリア軸、128 動力取出ギア、129 チェーンベルト、132,142 ロータ、133,143 ステータ、135,145 永久磁石、139,149,159 レゾルバ、150 エンジン、156 クランクシャフト、157 ダンパ、164a アクセルペダルポジションセンサー、165a ブレーキペダルポジションセンサー、180 制御装置、181〜183,330,340 インバータ、184 制御CPU、185 シフトポジションセンサー、301 正極母線、302 負極母線、310 2重巻線モータ、1841 電流変換部、1842,1852 減算器、1843,1853,1855 PI制御部、1844,1846 加算器、1845 変換部、1847 PWM演算部、1849 回転速度演算部、1850 速度起電力予測演算部、1854 加減算器、MG1,MG2 モータジェネレータ、D1〜D18 ダイオード、M1,M2 中性点、LN1 正母線、LN2 負母線、SW1,SW2 スイッチ、Dr1〜Dr12 駆動回路。