JP2005158824A - 成膜方法、膜、電子デバイスおよび電子機器 - Google Patents

成膜方法、膜、電子デバイスおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、均一な膜厚の膜を形成し得る成膜方法、かかる成膜方法により形成された膜およびかかる膜を備えた電子デバイスならびに電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の成膜方法は、基材5上にマスク6を形成する工程と、マスク6の開口部61内に、膜形成用の液状材料7を供給する工程と、液状材料7に対して第1の熱処理を施して半固化させる工程と、マスク6を除去する工程と、半固化した液状材料8’を膨潤させる工程と、半固化した液状材料物8’に対して第2の熱処理を施す工程とを有する成膜方法である。このように液状材料7を固化させるのに先立って、マスク6を除去することにより、基材5と反対側の面が平坦化された膜8を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、成膜方法、膜、電子デバイスおよび電子機器に関するものである。
近年、電子デバイスである半導体装置は、高集積化に伴って、薄膜を多層化する構成のものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来、薄膜の形成には、樹脂を主成分とするマスクを利用することが、広く行われている。具体的には、I:基材上に所定のパターンの開口部を有するマスクを形成し、このマスクの開口部内に、膜形成用の液体(液状材料)を供給する。II:次いで、液状材料に対して熱処理を施して固化させる。III:その後、マスクを除去する。
ところで、マスクの開口部内面に対して、濡れ性の高い液状材料を用いた場合、液状材料が開口部内面に接触する部分において、メニスカス形状となる。
この状態で、液状材料に対して前記熱処理を施すと、液状材料は、常にマスクの開口部内面と接触しているため、メニスカス形状が維持された状態で固化し、その結果、縁部に尖鋭(鋭角)な角部を有する膜が形成されてしまう。
そして、このような膜上に他の膜を積層した場合には、積層する膜が損傷を受けたり、高い密着性を確保することが困難となったり等する。また、この膜の上下において隣接する膜同士が直接接触してしまうという問題も生じる。
特開2001−267320号公報
本発明の目的は、均一な膜厚の膜を形成し得る成膜方法、かかる成膜方法により形成された膜およびかかる膜を備えた電子デバイスならびに電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の成膜方法は、基材上に液状材料を用いて、所定パターンの膜を成膜する成膜方法であって、
前記基材上に設けられたマスクの開口部内に、前記液状材料を供給する第1の工程と、
前記液状材料に対して第1の熱処理を施して半固化させる第2の工程と、
前記マスクを除去する第3の工程と、
半固化した前記液状材料に対して、前記第1の熱処理における温度よりも高い温度で、第2の熱処理を施して、前記基材と反対側の面を平坦化する第4の工程とを有することを特徴とする。
これにより、前記開口部内面と接触する部分においてメニスカス形状となるのを防止して、均一な膜厚の膜を形成することができる。
本発明の成膜方法では、前記開口部の内面に対する前記液状材料の接触角は、80°以下であるのが好ましい。
本発明は、このような関係を満足するマスクと液状材料とを用いた成膜方法への適用に適する。
本発明の成膜方法では、前記第1の熱処理の際の温度をA[℃]とし、前記第2の熱処理の際の温度をB[℃]としたとき、B=A+50〜A+400なる関係を満足するのが好ましい。
かかる関係を満足することにより、基材と反対側の面が平坦化された膜を得ることができる。
本発明の成膜方法では、前記第1の熱処理の際の温度は、100〜400℃であるのが好ましい。
これにより、液状材料から適度に液状材料を調整するのに用いた液体が除去される。その結果、半固化した液状材料は、マスクの除去前後において、その形状が確実に維持される。
本発明の成膜方法では、前記第1の熱処理の際の時間は、5〜30分であるのが好ましい。
これにより、液状材料から適度に液状材料を調整するのに用いた液体が除去される。その結果、半固化した液状材料は、マスクの除去前後において、その形状が確実に維持される。
本発明の成膜方法では、前記第1の熱処理の際の雰囲気は、不活性ガス雰囲気であるのが好ましい。
これにより、例えば、マスクの表面付近が酸化されるのを防止して、マスクの表面状態を維持すること(マスクの表面状態が変化するのを防止すること)ができる。
本発明の成膜方法では、前記第2の熱処理の際の温度は、150〜600℃であるのが好ましい。
これにより、基材と反対側の面がより確実に平坦化され、より均一な膜厚の膜を得ることができる。
本発明の成膜方法では、前記第2の熱処理の際の時間は、5〜30分であるのが好ましい。
これにより、例えば、膜の少なくとも表面付近を酸化させたい場合には、その酸化をより容易かつ確実に行うことができる。
本発明の成膜方法では、前記第2の熱処理の際の雰囲気は、酸素雰囲気であるのが好ましい。
これにより、表面が緻密な膜を得ることができる。
本発明の成膜方法では、前記第4の工程に先立って、半固化した前記液状材料を膨潤させる工程を有するのが好ましい。
これにより、前記第4の工程において、半固化した液状材料の基材と反対側の面の平坦化をより確実に行うことができる。
本発明の成膜方法では、前記膨潤は、半固化した前記液状材料を、前記液状材料を調整するのに用いた液体の蒸気に曝すことにより行われるのが好ましい。
これにより、半固化した液状材料の少なくとも表面付近を、前記液体で短時間かつ確実に、膨潤させることができる。
本発明の膜は、本発明の成膜方法により成膜されたことを特徴とする。
これにより、均一な膜厚の膜が得られる。
本発明の膜は、薄膜トランジスタの絶縁膜であるのが好ましい。
これにより、例えば、薄膜トランジスタに適用した場合には、特性に優れたものとなる。
本発明の電子デバイスは、本発明の膜を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子デバイスが得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明者は、上記問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、縁部に尖鋭(鋭角)な角部を有する膜が形成される原因は、マスクの開口部内において液状材料を固化させることにあるとの考えに至った。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、液状材料を固化させるのに先立って、マスクを除去することを特徴とするものである。
以下、本発明の成膜方法、膜、電子デバイスおよび電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の成膜方法について説明する。
<成膜方法>
図1は、本発明の成膜方法の好適な実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す成膜方法は、基材5上にマスク6を形成するマスク形成工程と、マスク6の開口部61内に、膜形成用の液状材料7を供給する液状材料供給工程と、液状材料7に対して第1の熱処理を施して半固化させる第1の熱処理工程と、マスク6を除去するマスク除去工程と、半固化した液状材料8’(以下、「半固化物8’」と言う。)を膨潤させる膨潤処理工程と、半固化物8’に対して第2の熱処理を施して、上面(基材5と反対側の面)が平坦化された膜8を得る第2の熱処理工程とを有する。以下、各工程について、順次説明する。
[マスク形成工程]
まず、基材5を用意する(1a)。
この基材5は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、例えば、石英ガラス、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、各種低誘電率材料(いわゆる、low−K材)等の各種絶縁材料(誘電体)や、シリコン(例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコン等)、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、Al、Al合金、Cr、Mo、Ta等の導電性材料で構成されたものを用いることができる。
また、基材5は、膜8を形成した後、除去(分離)されるものであってもよく、膜8と一体的に使用されるものであってもよい。
次に、この基材5上に所定パターンのマスク6、すなわち、開口部61を有するマスク6を形成する(1b)。
マスク6は、所定のパターンの膜8を形成する際の型として用いられるものである。これにより、基材5のマスク6が覆われている部位には膜8を形成せず、これと同じ側の面のマスク6で覆われていない部位に膜8を好適に形成することができる。
このようなマスク6は、例えば、フォトリソグラフィー法、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、イオンプレーティング等の気相成膜法(乾式めっき法)等により形成することができる。
これらの中でも、マスク6の形成には、フォトリソグラフィー法を用いるのが好ましい。フォトリソグラフィー法によれば、大掛かりな設備を必要とせず、微細なパターン(形状)のマスク6を容易かつ確実に形成することができる。
なお、マスク6は、基材5上に、直接、所望のパターンとなるように形成されるものに限定されない。例えば、基材5のほぼ全面に、マスク6の構成材料からなる膜を形成した後、当該膜の一部を除去することにより、所望のパターンのマスク6としてもよい。
前記膜の一部を除去する方法(除去方法)としては、例えば、紫外線や、Ne−Heレーザー、Arレーザー、COレーザー、ルビーレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー、YVOレーザー、エキシマレーザー等の各種レーザーを照射する方法が挙げられる。
マスク6の平均厚さは、特に限定されないが、後述するような電子デバイスの製造に適用する場合、0.05〜15μmであるのが好ましく、0.2〜10μmであるのがより好ましい。マスク6の平均厚さが前記下限値未満であると、マスク6にピンホールが発生し易くなる傾向を示し、また、マスクの上に液体が完全に覆ってしまい、マスクとして機能しなくなる可能性がある。一方、マスク6の平均厚さが前記上限値を超えると、マスク6の各部位における膜厚のバラツキが大きくなる傾向を示す。また、マスク6の内部応力が高くなり、結果として、マスク6と基材5との密着性が低下したり、クラックが発生し易くなる。
また、マスク6は透明であることが好ましい。これにより、基材5との密着状態を外部から視認することが可能となる。
[液状材料供給工程(第1の工程)]
次に、基材5のマスク6が形成された面側に、膜形成用の液状材料7を供給する(1c)。
液状材料7は、少なくとも、形成すべき膜8の構成材料またはその前駆体(以下、これらを総称して「膜8の構成材料」とも言う。)を含む溶液または分散液を用いることができる。
この溶液または分散液の調製に用いる液体(溶媒または分散媒)としては、例えば、水、メタノール、エタノール、n−またはi−プロパノール、n−、s−またはt−ブタノールのような単価アルコール類、エチレングリコール、トリメチレングリコールのようなグリコール類(多価アルコール類)、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセチルアセトン、イソホロンのようなケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、メトキシエタノール、エトキシエタノールのようなエーテルアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類、キシレン、トリメチルベンゼンのような芳香族炭化水素類、酸アミド類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、以下では、この溶液または分散液の調製に用いる液体を、「調整用液体」と言う。
液状材料7における膜8の構成材料の含有量(濃度)は、膜8の構成材料等によっても若干異なり、特に限定されないが、1〜40wt%程度であるのが好ましく、10〜30wt%程度であるのがより好ましい。
また、液状材料7の粘度(常温)は、1〜50cps程度であるのが好ましく、10〜30cps程度であるのがより好ましい。これにより、液状材料7の基材5上への供給をより容易に行うことができる。
液状材料7を基材5上に供給する方法としては、例えば、ディップコート法、スピンコート法、スリットコート法、キャップコート法、ディスペンサー法、スプレーコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いるのが好適である。塗布法によれば、容易かつ確実に、液状材料7を基材5上へ供給することができる。
ここで、液状材料7のマスク6の開口部61内面に対して濡れ性が高い場合には、液状材料7は、開口部61内面と接触する部分においてメニスカス形状となる傾向が高くなるが、本発明の成膜方法によれば、このようなメニスカス形状が維持されるのを防止して、均一な膜厚の膜8を形成することができる。
この液状材料7のマスク6の開口部61内面に対して濡れ性は、例えば、液状材料7のマスク6の開口部61内面に対する接触角で表すことができ、その接触角は、好ましくは90°以下、より好ましく80°以下とされる。かかる関係を満足する液状材料7を用いた成膜方法に、本発明を適用することにより、その効果がより顕著に発揮される。
なお、かかる関係を満足するマスク6と液状材料7の組み合わせとしては、例えば、親水性の高いマスク6と親水性の高い液状材料7との組み合わせや、撥水性の高いマスク6と有機溶媒で構成される液状材料7との組み合わせ等が挙げられる。
マスク6の開口部61内に液状材料7を供給する際の温度は、0〜100℃であるのが好ましく、20〜50℃であるのがより好ましい。これにより、液面上の余分な調整用液体が気化し、液状材料7の液面が安定したものとなる。
さらに、本工程は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気等、いかなる雰囲気で行うものであってもよい。
次に、第1の工程に引き続き、液状材料7を乾燥させる工程(乾燥工程)を行うようにしてもよい。
この乾燥工程の温度は、マスク6に液状材料7を供給する際の温度範囲内で実施するのが好ましい。
また、この乾燥工程の雰囲気は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気等、いかなる雰囲気で行うものであってもよい。
さらに、この乾燥の時間は、特に限定されないが、雰囲気温度を前記範囲とする場合には、1〜90分程度であるのが好ましく、2〜60分程度であるのがより好ましい。これにより、より確実に液面上の余分な調整用液体が気化し、液状材料7の液面がより安定したものとなる。
[第1の熱処理工程(第2の工程)]
次に、基材5上の開口部61内に供給された液状材料7に対して、第1の熱処理を施す。これにより、液状材料7を半固化させて、半固化物8’を得る(1d)。
なお、半固化物8’は、マスク6の開口部61内で半固化することから、液状材料7と同様に、尖鋭な角部81’を有するメニスカス形状となる。
ここで、本明細書中において、半固化とは、液状材料7がマスク6を除去した後においても、その形状が維持される程度、かつ、最終的に得られる膜8における固化の程度より低い程度に、液状材料7が固化している状態のことを言う。
第1の熱処理の際の温度(熱処理温度)は、液状材料7の組成等により若干異なるが、100〜400℃程度であるのが好ましく、150〜300℃程度であるのがより好ましく、200〜250℃程度であるのが特に好ましい。これにより、液状材料7から適度に調整用液体が気化して除去される。その結果、得られる半固化物8’は、マスク6の除去前後において、その形状が確実に維持される。
また、第1の熱処理の時間(熱処理時間)も、液状材料7の組成等により異なるが、5〜30分程度であるのが好ましく、10〜20分程度であるのがより好ましい。熱処理時間が短過ぎると、十分に調整用液体を除去することができないおそれがあり、一方、熱処理時間が長過ぎると、液状材料7が固化に至ってしまうおそれがある。
また、第1の熱処理は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気(不活性ガス雰囲気)、真空または減圧状態下等、いかなる雰囲気下で行うものであってもよいが、不活性雰囲気(不活性ガス雰囲気)であるのが好ましい。これにより、例えば、マスク6の表面付近が酸化されるのを防止して、マスク6の表面状態を維持すること(マスク6の表面状態が変化するのを防止すること)ができる。
[マスク除去工程(第3の工程)]
次に、マスク6を除去する(1e)。これにより、尖鋭な角部81’を有する半固化物8’が形成される。
マスク6の除去は、マスク6の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、酸素プラズマやオゾンによる大気圧下または減圧下でのアッシング、紫外線の照射、Ne−Heレーザー、Arレーザー、COレーザー、ルビーレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー、YVOレーザー、エキシマレーザー等の各種レーザーの照射、マスク6を溶解または分解し得る溶剤との接触(例えば浸漬)等により行うことができる。
例えば、マスク6がフォトリソグラフィー法により形成されたもの、すなわち、レジスト材料で構成されたものである場合、マスク6の除去は、これを溶解または分解し得る溶剤と接触させることにより行うのが好適である。かかる方法によれば、大掛かりな設備を必要とせず、容易にマスク6を除去することができる。
[膨潤処理工程]
次に、半固化物8’を膨潤させる(1f)。
半固化物8’を膨潤させる方法としては、例えば、半固化物8’を調整用液体の蒸気に曝す方法、半固化物8’を調整用液体に含浸させる方法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これにより、半固化物8’の少なくとも表面付近が、調整用液体で膨潤して、尖鋭な角部81’が丸みを帯びるようになる。このため、後述する第2の熱処理工程において、半固化物8’の上面の平坦化をより確実に行うことができるようになる。
これらの中でも、半固化物8’を膨潤させる方法としては、半固化物8’を調整用液体の蒸気に曝す方法を用いるのが好適である。かかる方法によれば、半固化物8’の膨潤に気体を用いることから、半固化物8’の少なくとも表面付近を、短時間かつ確実に、調整用液体で膨潤させることができる。
この半固化物8’を膨潤させる際の温度は、液状材料7の組成等により若干異なるが、0〜200℃程度であるのが好ましく、20〜100℃程度であるのがより好ましい。これにより、半固化物8’の少なくとも表面付近を、調整用液体で膨潤させることができる。
また、半固化物8’を膨潤させる際の時間も、液状材料7の組成等により異なるが、5〜30分程度であるのが好ましく、10〜20分程度であるのがより好ましい。膨潤させる時間が短過ぎると、半固化物8’を十分に膨潤させることができないおそれがあり、一方、膨潤させる時間を前記上限値を超えて長くしても、それ以上の効果の増大が期待できない。
また、膨潤処理工程は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気等、いかなる雰囲気下で行うものであってもよい。
なお、膨潤処理工程は、前述したマスク除去工程に先立って行うようにしてもよいし、液状材料7の構成材料等によっては、この膨潤処理工程を省略してもよい。
[第2の熱処理工程(第4の工程)]
次に、半固化物8’に対して、第1の熱処理における温度よりも高い温度で、第2の熱処理を施す。
これにより、半固化物8’を固化させて、膜8を得る(1g)。このとき、半固化物8’の上面が平坦化し、均一な膜厚の膜8が得られる。
第2の熱処理の際の温度は、次のように設定するのが好ましい。
すなわち、第1の熱処理の際の温度をA[℃]とし、第2の熱処理の際の温度をB[℃]としたとき、B=A+50〜A+400[℃]程度とするのが好ましく、B=A+150〜A+250[℃]程度とするのがより好ましい。AとBとの温度差が小さ過ぎると、半固形物8’の上面の平坦化が十分になされないおそれがあり、一方、AとBとの温度差を前記上限値より大きくしても、それ以上の効果の増大が期待できないばかりか、膜8の特性が低下するおそれがある。
具体的には、第2の熱処理の際の温度(熱処理温度)は、膜8の構成材料の種類等によっても若干異なるが、150〜600℃程度であるのが好ましく、250〜500℃程度であるのがより好ましく、350〜400℃程度であるのが特に好ましい。これにより、半固化物8’の上面がより確実に平坦化され、より均一な膜厚の膜8が得られる。
第2の熱処理の際の時間(熱処理時間)も、膜8の構成材料の種類等によっても若干異なるが、5〜30分程度であるのが好ましく、10〜20分程度であるのがより好ましい。熱処理時間が短過ぎると、尖鋭な角部81’の十分な減少が得られないおそれがあり、一方、熱処理時間を前記上限値を超えて長くしても、それ以上の効果の増大が期待できないばかりか、膜8の特性が低下するおそれがある。
また、熱処理は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気、真空または減圧状態下等、いかなる雰囲気下で行うものであってもよいが、酸性化雰囲気、特に酸素雰囲気であるのが好ましい。これにより、例えば、膜8の少なくとも表面付近を酸化させたい場合には、その酸化をより容易かつ確実に行うことができる。
形成する膜8の平均厚さは、特に限定されないが、膜8が後述するような電子デバイスを構成するものである場合、0.005〜10μmであるのが好ましく、0.01〜8μmであるのがより好ましい。
以上のような工程を経て、膜(本発明の膜)8が得られる。
なお、本実施形態では、第2の熱処理工程において、半固化物8’を固化させる構成であったが、本発明では、第2の熱処理工程において、半固化物8’のメニスカス形状を緩和して上面を平坦化させ、その後の工程において、半固化物8’を固化させる構成とすることもできる。
<電子デバイス>
次に、本発明の成膜方法を適用して形成された薄膜トランジスタを備える液晶パネル(本発明の電子デバイス)、およびその製造方法について説明する。
図2は、液晶パネルの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図、図3は、図2に示す液晶パネルの薄膜トランジスタ付近の拡大断面図である。
図2に示すように、液晶パネル(TFT液晶パネル)100は、TFT基板(液晶駆動基板)9と、TFT基板9に接合された配向膜3と、液晶パネル用対向基板12と、液晶パネル用対向基板12に接合された配向膜3’と、配向膜3と配向膜3’との空隙に封入された液晶よりなる液晶層2と、TFT基板(液晶駆動基板)9の外表面側(配向膜3と対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜4と、液晶パネル用対向基板12の外表面側(配向膜3’と対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜4’とを有している。
液晶層2は、主として、液晶分子で構成されている。
液晶層2を構成する液晶分子としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶など配向し得るものであればいかなる液晶分子を用いても構わないが、TN型液晶パネルの場合、ネマチック液晶を形成させるものが好ましく、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体液晶、ビフェニル誘導体液晶、ビフェニルシクロヘキサン誘導体液晶、テルフェニル誘導体液晶、フェニルエーテル誘導体液晶、フェニルエステル誘導体液晶、ビシクロヘキサン誘導体液晶、アゾメチン誘導体液晶、アゾキシ誘導体液晶、ピリミジン誘導体液晶、ジオキサン誘導体液晶、キュバン誘導体液晶等が挙げられる。
さらに、これらネマチック液晶分子にモノフルオロ基、ジフルオロ基、トリフルオロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基などのフッ素系置換基を導入した液晶分子も含まれる。
液晶層2の両面には、配向膜3、3’が配置されている。配向膜3、3’は、液晶層2を構成する液晶分子の(電圧無印加時における)配向状態を規制する機能を有する。
配向膜3、3’は、通常、主として、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子材料で構成されたものである。
前記高分子材料の中でも特に、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
配向膜3、3’が、主として、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂で構成されたものであると、製造工程において簡便に高分子膜を形成できるとともに、耐熱性、耐薬品性などに優れた特性を有するものとなる。
また、配向膜3、3’としては、通常、上記のような材料で構成された膜に、液晶層2を構成する液晶分子の配向を規制する配向機能を付与するための処理が施されたものが用いられる。配向機能を付与するための処理法としては、例えば、ラビング法、光配向法等が挙げられる。
ラビング法は、ローラ等を用いて、膜の表面を一定の方向に擦る(ラビングする)方法である。このような処理を施すことにより、膜はラビングした方向に異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
光配向法は、直線偏光紫外線等の光を膜の表面付近に照射することにより、膜を構成する高分子のうち、特定方向を向いている分子のみを選択的に反応させる方法である。このような処理を施すことにより、膜は異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
上記のような配向処理は、通常、基板(マイクロレンズ基板11とブラックマトリックス13との接合体、TFT基板9)上に形成された電極(透明導電膜14、画素電極92)の表面に、前記材料で構成された膜を形成した後、当該膜に対して施される。
電極上に成膜を行う方法としては、例えば、ディッピング、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法、溶射法、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、イオンプレーティング等の乾式めっき法等が挙げられるが、この中でも特に、スピンコート法が好ましい。
スピンコート法を用いることにより、均質で、均一な厚さの膜を、容易かつ確実に形成することができる。
このような配向膜は、その平均厚さが20〜120nmであるのが好ましく、30〜80nmであるのがより好ましい。
配向膜の平均厚さが前記下限値未満であると、配向膜に十分な配向機能を付与するのが困難になる可能性がある。一方、配向膜の平均厚さが前記上限値を超えると、駆動電圧が高くなり、消費電力が大きくなる可能性がある。
液晶パネル用対向基板12は、マイクロレンズ基板11と、かかるマイクロレンズ基板11の表層114上に設けられ、開口131が形成されたブラックマトリックス13と、表層114上にブラックマトリックス13を覆うように設けられた透明導電膜(共通電極)14とを有している。
マイクロレンズ基板11は、凹曲面を有する複数(多数)の凹部(マイクロレンズ用凹部)112が設けられたマイクロレンズ用凹部付き基板(第1の基板)111と、かかるマイクロレンズ用凹部付き基板111の凹部112が設けられた面に樹脂層(接着剤層)115を介して接合された表層(第2の基板)114とを有しており、また、樹脂層115では、凹部112内に充填された樹脂によりマイクロレンズ113が形成されている。
マイクロレンズ用凹部付き基板111は、平板状の母材(透明基板)より製造され、その表面には、複数(多数)の凹部112が形成されている。
凹部112は、例えば、マスクを用いた、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等により形成することができる。
このマイクロレンズ用凹部付き基板111は、例えば、石英ガラス等のガラスやポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料等で構成されている。
前記母材の熱膨張係数は、後述するガラス基板91の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)であることが好ましい。これにより、得られる液晶パネルでは、温度が変化したときに二者の熱膨張係数が違うことにより生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。
かかる観点からは、マイクロレンズ用凹部付き基板111と、ガラス基板91とは、同種類の材質で構成されていることが好ましい。これにより、温度変化時の熱膨張係数の相違によるそり、たわみ、剥離等が効果的に防止される。
特に、マイクロレンズ基板11を高温ポリシリコンTFT液晶パネル(HTPS)に用いる場合には、マイクロレンズ用凹部付き基板111は、石英ガラスで構成されていることが好ましい。
TFT液晶パネルは、液晶駆動基板としてTFT基板を有している。かかるTFT基板には、製造時の環境により特性が変化しにくい石英ガラスが好ましく用いられる。このため、これに対応させて、マイクロレンズ用凹部付き基板111を石英ガラスで構成することにより、そり、たわみ等の生じにくい、安定性に優れたTFT液晶パネルを得ることができる。
マイクロレンズ用凹部付き基板111の上面には、凹部112を覆う樹脂層(接着剤層)115が設けられている。
凹部112内には、樹脂層115の構成材料が充填されることにより、マイクロレンズ113が形成されている。
樹脂層115は、例えば、マイクロレンズ用凹部付き基板111の構成材料の屈折率よりも高い屈折率の樹脂(接着剤)で構成することができ、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルエポキシ系のような紫外線硬化樹脂等で好適に構成することができる。
樹脂層115の上面には、平板状の表層114が設けられている。
表層(ガラス層)114は、例えばガラスで構成することができる。この場合、表層114の熱膨張係数は、マイクロレンズ用凹部付き基板111の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)とすることが好ましい。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114の熱膨張係数の相違により生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。
このような効果は、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114とを同種類の材料で構成すると、より効果的に得られる。
表層114の厚さは、マイクロレンズ基板11が液晶パネルに用いられる場合、必要な光学特性を得る観点からは、通常、5〜1000μm程度とされ、より好ましくは10〜150μm程度とされる。
なお、表層(バリア層)114は、例えばセラミックスで構成することもできる。なお、セラミックスとしては、例えば、AlN、SiN、TiN、BN等の窒化物系セラミックス、Al、TiO等の酸化物系セラミックス、WC、TiC、ZrC、TaC等の炭化物系セラミックスなどが挙げられる。表層114をセラミックスで構成する場合、表層114の厚さは、特に限定されないが、20nm〜20μm程度とすることが好ましく、40nm〜1μm程度とすることがより好ましい。
なお、このような表層114は、必要に応じて省略することができる。
ブラックマトリックス13は、遮光機能を有し、例えば、Cr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti等の金属、カーボンやチタン等を分散した樹脂等で構成されている。
透明導電膜(電極)14は、導電性を有し、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)等で構成されている。
TFT基板9は、液晶層2の液晶を駆動する基板であり、ガラス基板91と、ガラス基板91上に設けられた下地絶縁膜94と、かかる下地絶縁膜94上に設けられ、マトリックス状(行列状)に配設された複数(多数)の画素電極92と、各画素電極92に対応する複数(多数)の薄膜トランジスタ(TFT)93とを有している。なお、図2では、シール材、配線等の記載は省略した。
ガラス基板91は、前述したような理由から、石英ガラスで構成されていることが好ましい。
下地絶縁膜94の構成材料は、特に限定されないが、例えば、SiO2、TEOS(ケイ酸エチル)、ポリシラザン、ポリイミド、Low−K材等を用いることができる。
この下地絶縁膜94は、シロキサン結合を有するSOG(Spin On Glass)などの液体絶縁材料をガラス基板91に塗布し、これを焼成して加熱分解させて形成することができる。これにより、高価な真空装置などを使用する必要がなく、成膜に必要な投入エネルギーや時間などを節減することができる。
液体絶縁材料の塗布は、例えば、スピンコート、ディップコート、液体ミスト化学堆積法(Liquid Source Misted Chemical Deposition:LSMCD)、スリットコートなどにより行うことができる。また、液体絶縁材料の塗布は、いわゆるインクジェットプリンタのプリンタヘッドのような定量吐出装置によって行うこともできる。この定量吐出装置を用いれば、所望の部分にだけ塗布することが可能であるので、材料を節減することができる。
画素電極92は、透明導電膜(共通電極)14との間で充放電を行うことにより、液晶層2の液晶分子を駆動する(液晶の配向を変化させる)。
この画素電極92は、例えば、前述した透明導電膜14と同様の材料で構成されている。
薄膜トランジスタ93は、近傍の対応する画素電極92に接続されている。
また、薄膜トランジスタ93は、図示しない制御回路に接続され、画素電極92へ供給する電流を制御する。これにより、画素電極92の充放電が制御される。
図3に示すように、薄膜トランジスタ93は、下地絶縁膜94上に設けられ、チャンネル領域9320とソース領域9316とドレイン領域9318とを備える半導体層9314と、半導体層9314を覆うように設けられたゲート絶縁膜9326、絶縁層9342と、ゲート絶縁膜9326を介してチャンネル領域9320と対向するように設けられたゲート電極9351と、ゲート電極9351上方の絶縁層9342上に設けられた導電部9356と、ソース領域9316上方の絶縁層9342上に設けられ、ソース電極として機能する導電部9352と、ドレイン領域9318上方の絶縁層9342上に設けられ、ドレイン電極として機能する導電部9354と、ゲート電極(第1導電部)9351と導電部(第2導電部)9356とを電気的に接続するコンタクトプラグ9355と、ソース領域(第1導電部)9316と導電部(第2導電部)9352とを電気的に接続するコンタクトプラグ9350と、ドレイン領域(第1導電部)9318と導電部(第2導電部)9354とを電気的に接続するコンタクトプラグ9353とを有している。
本実施形態では、この下地絶縁膜94上に、半導体層9314が設けられている。この半導体層9314は、例えば、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム等の半導体材料で構成される。
前述したように、この半導体層9314は、チャンネル領域9320とソース領域9316とドレイン領域9318とを有している。
図3に示すように、半導体層9314は、チャンネル領域9320の一方の側部にソース領域9316が形成され、チャンネル領域9320の他方の側部にドレイン領域9318が形成された構成となっている。
チャンネル領域9320は、例えば、真性半導体材料で構成される。
ソース領域9316およびドレイン領域9318は、例えば、リン等のn型不純物が導入(ドープ)された半導体材料で構成される。
なお、半導体層9314の構成はこの構成に限定されず、例えば、ソース領域9316およびドレイン領域9318は、p型不純物が導入された半導体材料で構成されてもよい。
また、チャンネル領域9320は、例えば、p型またはn型不純物が導入された半導体材料で構成されてもよい。
このような半導体層9314は、絶縁膜(ゲート絶縁膜9326、絶縁層9342)で覆われている。このような絶縁膜のうち、チャンネル領域9320と導電部9356との間に介在している部分は、チャンネル領域9320と導電部9356との間に生じる電界の経路となるゲート絶縁層として機能する。
ゲート絶縁膜9326、絶縁層9342の構成材料は、特に限定されないが、例えば、SiO2、TEOS(ケイ酸エチル)、ポリシラザン等のケイ素化合物を用いることができる。
なお、ゲート絶縁膜9326、絶縁層9342は、上記以外の材料、例えば樹脂、セラミックス等で構成されてもよいことは、言うまでもない。
絶縁層9342上には、導電部9352、導電部9354、および導電部9356が設けられている。前述したように、導電部9356は、チャンネル領域9320の上方に形成されている。
導電部9352は、ソース領域9316に接触している。導電部9354は、ドレイン領域9318に接触している。
図3に示すように、ゲート絶縁膜9326および絶縁層9342のソース領域9316が形成された領域内には、ソース領域9316に連通する孔部(コンタクトホール)が形成されている。
導電部9352は、この孔部を通じて、ソース領域9316に接触している。
また、ゲート絶縁膜9326および絶縁層9342のドレイン領域9318が形成された領域内には、ドレイン領域9318に連通する孔部が形成されている。
導電部9354は、この孔部を通して、ドレイン領域9318に接触している。
本実施形態の液晶パネル100では、導電部9354は、画素電極92と接触している。すなわち、導電部9354は、画素電極92と電気的に接続されている。また、液晶パネル100を構成する複数個の導電部9352は、図示しない部分で、互いに電気的に接続されている。さらには、液晶パネル100を構成する複数個の導電部9356は、他の回路に、並列に接続可能になっている。
これら導電部9352、導電部9354、および導電部9356は、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、Al、Al合金、Cr、Mo、Ta等の導電性材料で構成される。
なお、これらの導電部上には、例えば、SiO、SiN等の材料で構成された、図示しないパッシベーション膜が形成されていてもよい。
図2に示すように、TFT基板(液晶駆動基板)9の外表面側(配向膜3と対向する面とは反対の面側)には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)4が配置されている。
同様に、液晶パネル用対向基板12の外表面側(配向膜3’と対向する面とは反対の面側)には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)4’が配置されている。
偏光膜4、4’の構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。また、偏光膜としては、前記材料にヨウ素をドープしたもの等を用いてもよい。
偏光膜としては、例えば、上記材料で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いることができる。
このような偏光膜4、4’を配置することにより、通電量の調節による光の透過率の制御をより確実に行うことができる。
偏光膜4、4’の偏光軸の方向は、通常、配向膜3、3’の配向方向に応じて決定される。
このような液晶パネル100では、通常、1個のマイクロレンズ113と、かかるマイクロレンズ113の光軸Qに対応したブラックマトリックス13の1個の開口131と、1個の画素電極92と、かかる画素電極92に接続された1個の薄膜トランジスタ93とが、1画素に対応している。
液晶パネル用対向基板12側から入射した入射光Lは、マイクロレンズ用凹部付き基板111を通り、マイクロレンズ113を通過する際に集光されつつ、樹脂層115、表層114、ブラックマトリックス13の開口131、透明導電膜14、液晶層2、画素電極92、ガラス基板91を透過する。
このとき、マイクロレンズ基板11の入射側に偏光膜4’が設けられているため、入射光Lが液晶層2を透過する際に、入射光Lは直線偏光となっている。
その際、この入射光Lの偏光方向は、液晶層2の液晶分子の配向状態に対応して制御される。したがって、液晶パネル100を透過した入射光Lを偏光膜4に透過させることにより、出射光の輝度を制御することができる。
このように、液晶パネル100は、マイクロレンズ113を有しており、しかも、マイクロレンズ113を通過した入射光Lは、集光されてブラックマトリックス13の開口131を通過する。
一方、ブラックマトリックス13の開口131が形成されていない部分では、入射光Lは遮光される。したがって、液晶パネル100では、画素以外の部分から不要光が漏洩することが防止され、かつ、画素部分での入射光Lの減衰が抑制される。このため、液晶パネル100は、画素部で高い光の透過率を有する。
この液晶パネル100は、例えば、後述するような方法により製造されたTFT基板9と液晶パネル用対向基板12とに、それぞれ、配向膜3、3’を接合し、その後、シール材(図示せず)を介して両者を接合し、次いで、これにより形成された空隙部の封入孔(図示せず)から液晶を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞ぐことにより製造することができる。
次に、本発明の方法を適用して薄膜トランジスタ93を形成する具体的な方法の一例について説明する。
図4〜図7は、薄膜トランジスタの形成方法の好適な実施形態を示す断面図である。なお、以下の説明では、図4〜図7の上側を「上」、図4〜図7の下側を「下」として説明する。
まず、下地絶縁膜94の上に半導体層(多結晶シリコン膜)9314を形成する。この半導体層9314は、次のようにして形成することができる。
まず、下地絶縁膜94の上に液体有機材料であるフォトレジストを塗布し、70〜90℃の温度で乾燥(プレベーク)してレジスト膜(マスク材膜)を形成する。
なお、液体有機材料は、感光性の樹脂(例えば、ポリイミド)であってもよい。
また、液体有機材料の塗布は、前記の液体絶縁材料の塗布と同様に、スピンコート、ディップコート、LSMCD、スリットコート、定量吐出装置による塗布を用いることができる。
そして、フォトリソグラフィー法によりレジスト膜を露光、現像し、素子形成領域のレジスト膜を除去してパターニングし、マスク(パターン形状制御マスク)6Aとする(4a)。その後、素子形成領域に液体水素化ケイ素(膜形成用の液体)を塗布して乾燥させる。次に、乾燥させた水素化ケイ素の膜を焼成して熱分解し、アモルファスシリコン膜9314’にする(4b)。さらに、ガラス基板91の全体に、例えばレジスト剥離液を用いてレジスト膜6Aを分解して除去したのち、アモルファスシリコン膜9314’にXeClなどのエキシマレーザーを照射してアニールし、アモルファスシリコン膜9314’を多結晶化して半導体層(多結晶シリコン膜)9314にする(4c)。
その後、半導体層(多結晶シリコン膜)9314のチャンネルドープを行う。すなわち、全面に適宜の不純物(例えば、n型導電層を形成する場合はPH3イオン)を打ち込んで拡散させる。この半導体層(多結晶シリコン膜)9314は、第1導電部となる。
次に、半導体層(多結晶シリコン膜)9314を覆うように、液体有機材料であるフォトレジストを塗布する。そして、塗布したフォトレジストを乾燥させ、図4(4d)の2点鎖線に示したようにレジスト膜9322を形成する。
次に、フォトリソグラフィー法によりレジスト膜9322を露光、現像し、第1導電部となる半導体層(多結晶シリコン膜)9314のソース領域9316、ドレイン領域9318となるべき領域上の、コンタクトホールの形成領域にのみレジスト膜9322を残し6Bにする(4d)。このマスク6Bは、同図(4e)に示したゲート絶縁膜9326の厚さと同等か、それ以上の高さに形成する。また、ゲート絶縁膜9326を形成する液体成膜材の塗布厚より高く形成してもよい。また、マスク6Bは、必要に応じて硬化処理を行う。マスク6Bの硬化処理は、実施形態の場合、次のようにして行う。
まず、マスク6Bを形成したガラス基板91を図示しない真空チャンバに搬入し、真空チャンバ内を例えば1333kPa(10Torr)以下に減圧する。そして、マスク6Bを所定の温度、例えば100〜130℃程度の、通常のフォトレジストのポストベーク温度に加熱するとともに、マスク6Bに紫外線を照射する。これにより、マスク6Bは、溶存している水分が脱水されるとともに、紫外線により架橋反応が促進される。しかも、マスク6Bは、脱水されて水分の影響を受けないため、架橋反応が進んで緻密となり、耐熱性、耐薬品性が向上する。さらに、マスク6Bの硬化処理は、必要に応じてマスク6Bをポストベーク温度以上に加熱する熱処理を行う。この熱処理は、例えば300℃〜450℃の温度で10分間程度行う。これにより、非常に耐熱性、耐薬品性に優れたマスクとすることができ、各種の液体成膜材料(膜形成用の液体)の使用が可能となる。
その後、マスク6Bが被覆された領域を除く半導体層9314上、および下地絶縁層94上に、ゲート絶縁膜9326を形成するための絶縁材料9326’を塗布する(4e)。このゲート絶縁膜9326の材料の塗布は、下地絶縁膜94の材料の塗布と同様の方法で塗布する。
次に、前述したような条件で第1の熱処理を施した後、マスクBをアッシングして除去する。これにより、第1コンタクトホール9328、9329を形成する。
マスク6Bのアッシングは、大気圧または減圧下における酸素プラズマやオゾン蒸気によって行うことができる。
さらに、半固化したゲート絶縁膜9326の材料に前述したような条件で第2の熱処理を施すことにより、ゲート絶縁膜9326を形成することができる。(5a)。これにより、均一な膜厚のゲート絶縁膜9326とすることができる。
次に、ゲート絶縁膜9326を覆ってレジスト膜(図示せず)を形成する。さらに、フォトリソグラフィー法により当該レジスト膜を露光、現像し、チャンネル領域9320と対応した位置にゲート電極用トレンチ9332を形成し、開口部を有するマスク(パターン形状制御マスク)6Cとする(5b)。そして、有機金属化合物を主成分とする液体パターン材料(膜形成用の液体)をゲート電極用トレンチ9332に供給し、これを熱処理してゲート電極9351を形成する(5c)。その後、例えばレジスト剥離液を用いて、マスク6Cを分解して除去する(5d)。
なお、液体パターン材料は、LSMCDやスピンコート、スリットコートなどによってゲート電極用トレンチ9332に供給してもよいが、例えばインクジェットプリンタのプリンタヘッドのような定量吐出装置によってゲート電極用トレンチ9332に選択的に供給してもよい。これにより、液体パターン材料の節約が図れるとともに、トレンチ周辺への液体パターン材料の付着を防止でき、また所望の厚さのゲート電極9351を容易に形成することができる。このゲート電極9351は、半導体層9314(ソース領域9316、ドレイン領域9318)とともに第1導電部となる。
次に、ゲート電極9351をマスクとして、ソース領域9316とドレイン領域9318とに適宜の不純物(例えば、p型導電層を形成する場合はB26イオン)の打ち込みを行う。これにより、ゲート電極9351の下部がチャンネル領域9320となったTFT素子が完成する(5e)。その後、ゲート絶縁膜9326上にマスク材であるレジスト膜9336を形成する(6a)。さらに、フォトリソグラフィー法を用いてレジスト膜9336を露光、現像し、コンタクトホール形成領域となる第1コンタクトホール9328、9329と対応した位置、およびゲート電極9351上の所定位置に、レジスト膜9336からなるマスク(パターン形状制御マスク)6Dを形成する(6b)。これらのマスク6Dのうち、半導体層(多結晶シリコン膜)9314のソース領域9316に対応した位置のものは、下端が第1コンタクトホール9328を介してソース領域9316の上面に接触している。同様に、マスク6Dのうち、半導体層(多結晶シリコン膜)9314のドレイン領域9318に対応した位置のものは、下端が第1コンタクトホール9329を介してドレイン領域9318の上面に接触している。マスク6Dには、必要に応じて前記と同様に硬化処理を行う。
さらに、マスク6Dは、図6(6b)の右側に示してあるように、ゲート絶縁膜9326の上の部分が第1コンタクトホール9328より大きくなるように形成してもよい。これにより、後述するようにマスク6Dを除去して形成したコンタクトホールに段差が形成され(同図(6c)参照)、コンタクトホールのステップカバレッジが向上してコンタクトホール内における断線を防ぐことができる。
次に、マスク6Dが被覆された領域を除く、ゲート絶縁膜9326上およびゲート電極9351上に、二酸化ケイ素などからなる絶縁層9342を形成するための絶縁材料9342’を塗布する(6c)。
この絶縁層9342の材料は、下地絶縁膜94の材料などと同様に、LSMCDやスピンコート、スリットコートなどによって塗布する。
この塗布した絶縁層9342の材料に、第1の熱処理を施した後、マスク6Dをアッシングして除去して、第2コンタクトホール9344、9345、9346を形成する。
さらに、半固化した絶縁層9342の材料に第2の熱処理を施すことにより、絶縁層9342を形成することができる(6d)。これにより、均一な膜厚の絶縁層9342とすることができる。
これにより、第2コンタクトホール9344が第1コンタクトホール9328と連通し、第2コンタクトホール9345が第1コンタクトホール9329と連通する。
次に、図示しない定量吐出装置を用いて、第1コンタクトホール9328、9329、および、第2コンタクトホール9344、9345、9346内に有機金属化合物を主成分とした液体コンタクト形成材料を供給する。その後、コンタクトホール(第1コンタクトホール9328、9329、および、第2コンタクトホール9344、9345、9346)内の液体コンタクト形成材料を焼成して固化する。これにより、ソース領域9316に接続されたコンタクトプラグ9350、ドレイン領域9318に接続されたコンタクトプラグ9353、およびチャンネル領域9320に接続されたコンタクトプラグ9355が形成される(6e)。第2コンタクトホール9344、9345、9346を形成した後に、すなわち、第2コンタクトホール9344と第1コンタクトホール9328、第2コンタクトホール9345と第1コンタクトホール9329を、それぞれ、貫通させた後に、基板全体に紫外線を照射し、第1導電部となるソース領域9316、ドレイン領域9318、ゲート電極9351のコンタクトプラグ形成領域を親液処理してもよい。このような親液処理を施すことにより、コンタクトプラグとの密着性、接合性が向上して電気抵抗を小さくすることができる。
さらに、絶縁層9342を覆ってレジスト膜9348を形成する(7a)。そして、フォトリソグラフィー法によりレジスト膜9348を露光、現像し、開口部としての導電部用溝(配線溝)9357を有するマスク(パターン形状制御マスク)6Eとする(7b)。その後、例えば、透明導電膜を構成するITOを溶解または分散させた液体配線材料(膜形成用の液体)を、定量吐出装置を用いて導電部用溝(配線溝)9357に供給し、これを熱処理して、導電部(第2導電部)9352、9354、9356を形成する(7c)。これにより、ソース領域(第1導電部)9316が、コンタクトプラグ9350を介して導電部(第2導電部)9352と電気的に接続され、ドレイン領域(第1導電部)9318が、コンタクトプラグ9353を介して導電部(第2導電部)9354と電気的に接続され、ゲート電極(第1導電部)9351が、コンタクトプラグ9355を介して導電部(第2導電部)9356と電気的に接続される。なお、導電部9354は、画素電極92に接続される。その後、例えばレジスト剥離液を用いて、マスク6Eを分解、除去する(7d)。
さらに、導電部9352、9354、9356を覆うように、二酸化ケイ素、窒化ケイ素(SiN)などで構成されたパッシベーション膜(図示せず)を形成する。
このような本実施形態では、本発明の成膜方法を、ゲート絶縁膜9326および絶縁層9342に適用する構成としている。この結果、ゲート絶縁膜9326および絶縁層9342の上面は平坦なものとなり、均一な膜厚のゲート絶縁膜9326および絶縁層9342とすることができる。この本発明の成膜方法を、ゲート絶縁膜9326および絶縁層9342に適用することにより、リーク電流の発生を軽減することができる。
また、本発明の成膜方法を、半導体層9314、ゲート電極9351および導電部(第2導電部)9352、9354、9356に適用する構成としてもよい。これにより、均一な膜厚を有する上記各層で構成される薄膜トランジスタ93とすることができる。
薄膜トランジスタは、一般に、比較的膜厚の小さい膜(薄膜)が微細なパターンで積層された構造を有しており、本発明の方法は、このような構成を有する構造体の形成に特に適している。
また、液晶パネルを構成する薄膜トランジスタのような、微細な形状、パターンの膜を有する半導体装置(半導体素子)の製造に本発明を適用することにより、例えば、薄膜トランジスタ、画素電極上に配向膜を形成する際(ラビング処理を施す際)等における、引っ掛かり等による配向膜のはがれ、浮き等の発生も好適に防止することができる。
なお、マスク6A、6B、6C、6D、6Eとしては、図1を参照しつつ説明した実施形態でのマスク6と同様のものを用いることができる。また、マスク6A、6B、6C、6D、6Eは、互いに、実質的に同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、本実施形態においては、コンタクトホールの形成位置にマスクピラーを設け、その後、マスクピラーの周囲に絶縁膜を形成してマスクピラーを除去することにより、コンタクトホールを形成している。すなわち、本実施形態では、絶縁膜を介して設けられる第1導電部と第2導電部とを電気的に接続するコンタクトホールを形成する工程を有し、前記第1導電部上のコンタクトホールの形成領域にマスク(パターン形状制御マスク)を設けるマスク形成工程と、前記マスクが形成された領域を除く、基板のほぼ全面に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記マスクを除去して前記絶縁膜に貫通孔を形成するマスク除去工程とを有する方法により薄膜トランジスタを形成している。このため、本実施形態では、絶縁膜のエッチングをすることなくコンタクトホールを形成することができ、高価な真空装置を必要とせず、工程数を削減することができ、工程の簡素化が図れる。また、コンタクトホールの形成を迅速に行うことができるとともに、コンタクトホールを形成するための手間とエネルギーとを節減でき、電子デバイスのコストを低減することができる。しかも、本実施形態においては、マスク6Dを除去してコンタクトホールを形成し、コンタクトホールにのみ液体プラグ形成材料を供給するようにしているため、コンタクトプラグの形成材料の使用量を大幅に削減することができる。
また、本実施形態では、液晶パネルを構成する液晶駆動基板として、TFT基板を用いる構成について説明したが、液晶駆動基板にTFT基板以外の他の液晶駆動基板、例えば、TFD基板、STN基板などを用いてもよい。
<電子機器>
次に、本発明の電子機器の一例として、上記液晶パネル100を用いた投射型表示装置(液晶プロジェクター)について説明する。
図8は、本発明の電子機器(投射型表示装置)の光学系を模式的に示す図である。
同図に示すように、投射型表示装置300は、光源301と、複数のインテグレータレンズを備えた照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備えた色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)24と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)25と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)26と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面211および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面212が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)21と、投射レンズ(投射光学系)22とを有している。
また、照明光学系は、インテグレータレンズ302および303を有している。色分離光学系は、ミラー304、306、309、青色光および緑色光を反射する(赤色光のみを透過する)ダイクロイックミラー305、緑色光のみを反射するダイクロイックミラー307、青色光のみを反射するダイクロイックミラー(または青色光を反射するミラー)308、集光レンズ310、311、312、313および314とを有している。
液晶ライトバルブ25は、前述した液晶パネル100を備えている。液晶ライトバルブ24および26も、液晶ライトバルブ25と同様の構成となっている。これら液晶ライトバルブ24、25および26が備えている液晶パネル100は、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されている。
なお、投射型表示装置300では、ダイクロイックプリズム21と投射レンズ22とで、光学ブロック20が構成されている。また、この光学ブロック20と、ダイクロイックプリズム21に対して固定的に設置された液晶ライトバルブ24、25および26とで、表示ユニット23が構成されている。
以下、投射型表示装置300の作用を説明する。
光源301から出射された白色光(白色光束)は、インテグレータレンズ302および303を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレータレンズ302および303により均一にされる。光源301から出射される白色光は、その光強度が比較的大きいものであるのが好ましい。これにより、スクリーン320上に形成される画像をより鮮明なものとすることができる。
インテグレータレンズ302および303を透過した白色光は、ミラー304で図8中左側に反射し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光(G)は、それぞれダイクロイックミラー305で図8中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラー305を透過する。
ダイクロイックミラー305を透過した赤色光は、ミラー306で図8中下側に反射し、その反射光は、集光レンズ310により整形され、赤色用の液晶ライトバルブ24に入射する。
ダイクロイックミラー305で反射した青色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミラー307で図8中左側に反射し、青色光は、ダイクロイックミラー307を透過する。
ダイクロイックミラー307で反射した緑色光は、集光レンズ311により整形され、緑色用の液晶ライトバルブ25に入射する。
また、ダイクロイックミラー307を透過した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)308で図8中左側に反射し、その反射光は、ミラー309で図8中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ312、313および314により整形され、青色用の液晶ライトバルブ26に入射する。
このように、光源301から出射された白色光は、色分離光学系により、赤色、緑色および青色の三原色に色分離され、それぞれ、対応する液晶ライトバルブに導かれ、入射する。
この際、液晶ライトバルブ24が有する液晶パネル100の各画素(薄膜トランジスタ93とこれに接続された画素電極92)は、赤色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路(駆動手段)により、スイッチング制御(オン/オフ)、すなわち変調される。
同様に、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ25および26に入射し、それぞれの液晶パネル100で変調され、これにより緑色用の画像および青色用の画像が形成される。この際、液晶ライトバルブ25が有する液晶パネル100の各画素は、緑色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御され、液晶ライトバルブ26が有する液晶パネル100の各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御される。
これにより赤色光、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ24、25および26で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用の画像がそれぞれ形成される。
前記液晶ライトバルブ24により形成された赤色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ24からの赤色光は、面213からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211で図8中左側に反射し、ダイクロイックミラー面212を透過して、出射面216から出射する。
また、前記液晶ライトバルブ25により形成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ25からの緑色光は、面214からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211および212をそれぞれ透過して、出射面216から出射する。
また、前記液晶ライトバルブ26により形成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ26からの青色光は、面215からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面212で図8中左側に反射し、ダイクロイックミラー面211を透過して、出射面216から出射する。
このように、前記液晶ライトバルブ24、25および26からの各色の光、すなわち液晶ライトバルブ24、25および26により形成された各画像は、ダイクロイックプリズム21により合成され、これによりカラーの画像が形成される。この画像は、投射レンズ22により、所定の位置に設置されているスクリーン320上に投影(拡大投射)される。
なお、本実施形態では、投射型表示装置(電子機器)は、3個の液晶パネルを有するものであり、これらの全てに液晶パネル100を適用したものについて説明したが、少なくともこれらのうち1個が、液晶パネル100であればよい。
以上、本発明の成膜方法、膜、電子デバイス、電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、薄膜トランジスタを構成する膜を形成する方法について説明したが、本発明の成膜方法は、これに限定されず、いかなる膜で形成する場合に適用してもよい。例えば、本発明の成膜方法を、前述したような画素電極や、ブラックマトリックスの形成に適用してもよい。
また、本発明の電子デバイスは、液晶パネルの適用に限定されるものではない。例えば、有機EL素子、電気泳動表示装置等に適用してもよく、本発明の成膜方法は、これらの表示装置を構成する各膜の形成(成膜)に適用してもよい。
また、本発明の成膜方法は、前述したような電子デバイスの製造に適用するものに限定されず、例えば、装飾品の製造等の膜の形成(成膜)に適用してもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.TFT基板の製造
以下のようにして、図2、図3に示すような液晶パネルを構成するTFT基板を製造した。
(実施例1)
まず、石英ガラス製のガラス基板91を用意し、このガラス基板91の表面に、SOGで構成される液体絶縁材料をスピンコートにより塗布し、その後、焼成することにより、下地絶縁層94を形成した。
次に、下地絶縁層94の表面に、図4〜図7を参照しつつ説明した前記実施形態での方法に従い、本発明の成膜方法を半導体層9314、ゲート絶縁膜9326、ゲート電極9351、絶縁層9342および導電部9352、9354、9356に適用して、薄膜トランジスタ93を形成することにより、TFT基板9を得た。
また、以下に、各膜に施した本発明の成膜方法の条件を示す。
マスク6Aとしては、ノボラック樹脂で構成されたi線用フォトレジストに対し乾燥、露光、現像の各処理を施した後、10Torr以下の真空チャンバ内で、100〜130℃に加熱するとともに、紫外線を照射する硬化処理が施されたものを用いた。マスク6Aは、膜厚が0.5μmのものであり、液体水素化ケイ素で構成される液状材料(半導体層9314形成用の材料)との接触角が62°であった。
このような液状材料に対して、第1の熱処理と、第2の熱処理とを、順次施して半導体層9314を得た。
なお、第1の熱処理の条件は、大気中、200℃×10分とし、第2の熱処理は、大気中、400℃×15分とした。
また、マスク6Bとしては、ノボラック樹脂で構成されたi線用フォトレジストに対し乾燥、露光、現像の各処理を施した後、10Torr以下の真空チャンバ内で、100〜130℃に加熱するとともに、紫外線を照射する硬化処理が施されたものを用いた。マスク6Bは、膜厚が0.5μmであり、ポリシラザンをキシレンに溶解した液状材料(ゲート絶縁膜9326形成用の材料)との接触角が55°であった。
このような液状材料に対して、第1の熱処理と、膨潤処理と、第2の熱処理とを、順次施してゲート絶縁膜9326を得た。
なお、第1の熱処理の条件は、大気中、300℃×10分とし、膨潤処理の条件は、キシレン蒸気中、25℃×10分とし、第2の熱処理は、大気中、450℃×15分とした。
また、マスク6Cとしては、ノボラック樹脂で構成されたi線用フォトレジストに対し乾燥、露光、現像の各処理を施した後、10Torr以下の真空チャンバ内で、100〜130℃に加熱するとともに、紫外線を照射する硬化処理が施されたものを用いた。膜厚が0.8μmのものであり、液体水素化ケイ素で構成される液状材料(ゲート電極9351形成用の材料)との接触角が62°であった。
このような液状材料に対して、第1の熱処理と、第2の熱処理とを、順次施しゲート電極9351を得た。
なお、第1の熱処理の条件は、大気中、300℃×10分とし、第2の熱処理は、大気中、450℃×15分とした。
また、マスク6Dとしては、ノボラック樹脂で構成されたi線用フォトレジストに対し乾燥、露光、現像の各処理を施した後、10Torr以下の真空チャンバ内で、100〜130℃に加熱するとともに、紫外線を照射する硬化処理が施されたものを用いた。マスク6Dは、膜厚が1.0μmであり、ポリシラザンをキシレンで溶解した液状材料(絶縁層9342形成用の材料、膜形成用の液状材料)との接触角が55°であった。
このような液状材料に対して、第1の熱処理と、膨潤処理と、第2の熱処理とを、順次施し絶縁層9342を得た。
なお、第1の熱処理の条件は、大気中、350℃×10分とし、膨潤処理の条件は、キシレン蒸気中、25℃×10分とし、第2の熱処理は、大気中、600℃×15分とした。
また、マスク6Eとしては、ノボラック樹脂で構成されたi線用フォトレジストに対し乾燥、露光、現像の各処理を施した後、10Torr以下の真空チャンバ内で、100〜130℃に加熱するとともに、紫外線を照射する硬化処理が施されたものを用いた。マスク6Eは、膜厚が0.5μmであり、ITOと水とで構成される液状材料(導電部9352、9354、9356形成用の材料)との接触角が78°であった。
このような液状材料に対して、第1の熱処理と、第2の熱処理とを、順次施し導電部9352、9354、9356を得た。
なお、第1の熱処理の条件は、大気中、350℃×10分とし、第2の熱処理は、大気中、600℃×15分とした。
このようにして得られたTFT基板9においては、マスクを用いた方法により形成された各膜が、ほぼ平坦な形状を有するもの(縁部付近が突出した角部を有するメニスカス形状が、効果的に平坦化されたもの)であった。
(実施例2)
ゲート絶縁膜9326と絶縁層9342との成膜方法で、膨潤処理工程を省略した以外は、前記実施例1と同様にしてTFT基板を製造した。
このようにして得られたTFT基板9においては、マスクを用いた方法により形成された各膜が、ほぼ平坦な形状を有するもの(縁部付近が突出した角部を有するメニスカス形状が、効果的に平坦化されたもの)であった。
(実施例3)
半導体層9314と、ゲート電極9351と、導電部9352、9354、9356との成膜方法で、第2の熱処理工程を省略し、第1の熱処理工程の条件を変更した以外は、前記実施例1と同様にしてTFT基板を製造した。
具体的な条件の変更は、半導体層9314の成膜方法では、第1の熱処理の条件を、大気中、400℃×15分として半導体層9314を得た。
また、ゲート電極9351の成膜方法では、第1の熱処理の条件を、大気中、450℃×15分としてゲート電極9351を得た。
さらに、導電部9352、9354、9356の成膜方法では、第1の熱処理の条件を、大気中、600℃×15分として導電部9352、9354、9356を得た。
このようにして得られたTFT基板9において、マスクを用いた方法により形成された各膜のうち、ゲート絶縁膜9326と絶縁層9342とは、ほぼ平坦な形状を有するもの(縁部付近が突出した角部を有するメニスカス形状が、効果的に平坦化されたもの)であった。
これに対し、半導体層9314と、ゲート電極9351と、導電部9352、9354、9356とは、形成された膜の縁部付近が突出したメニスカス形状となっていた。
(実施例4)
半導体層9314と、ゲート電極9351と、導電部9352、9354、9356との成膜方法で、第2の熱処理工程を省略した以外は、前記実施例2と同様にしてTFT基板を製造した。
このようにして得られたTFT基板9において、マスクを用いた方法により形成された各膜のうち、ゲート絶縁膜9326と絶縁層9342とは、ほぼ平坦な形状を有するもの(縁部付近が突出した角部を有するメニスカス形状が、効果的に平坦化されたもの)であった。
これに対し、半導体層9314と、ゲート電極9351と、導電部9352、9354、9356とは、形成された膜の縁部付近が突出したメニスカス形状となっていた。
(比較例1)
各膜の成膜方法で、第2の熱処理工程を省略(前記第1の実施形態において、膨潤処理工程を行って膜を形成していた膜については、膨潤処理工程も省略)し、第1の熱処理工程の条件を変更した以外は、前記実施例1と同様にしてTFT基板を製造した。
具体的な条件の変更は、半導体層9314の成膜方法では、第1の熱処理の条件を大気中、400℃×15分として半導体層9314を得た。
また、ゲート絶縁膜9326の成膜方法では、第1の熱処理の条件を大気中、450℃×15分としてゲート絶縁膜9326を得た。
また、ゲート電極9351の成膜方法では、第1の熱処理の条件を大気中、450℃×15分としてゲート電極9351を得た。
また、絶縁層9342の成膜方法では、第1の熱処理の条件を大気中、600℃×15分として絶縁層9342を得た。
さらに、導電部9352、9354、9356の成膜方法では、第1の熱処理の条件を大気中、600℃×15分として導電部9352、9354、9356を得た。
このようにして得られたTFT基板9においては、マスクを用いた方法により形成された膜の縁部付近が突出したメニスカス形状となっていた。
(比較例2)
各膜の成膜方法で、第2の熱処理工程を省略(前記第1の実施形態において、膨潤処理工程を行って膜を形成していた膜については、膨潤処理工程も省略)した以外は、前記実施例1と同様にしてTFT基板を製造した。
このようにして得られたTFT基板9においては、マスクを用いた方法により形成された膜の縁部付近が突出したメニスカス形状となっていた。
2.配向膜の被覆、液晶パネルの製造
各実施例および各比較例で作製したTFT基板の表面(薄膜トランジスタが形成された側の面)に、ポリイミドのN−メチルピロリドン溶液をスピンコートにより塗布し、その後、乾燥(溶媒の除去)をし、さらに、形成された膜にラビング処理を施すことにより、配向膜3’を形成した。
その後、上記のようにして得られた配向膜3’が積層されたTFT基板9と、別途作製した配向膜3が積層された液晶パネル用対向基板12とを、シール材を介して接合した。この接合は、液晶層2を構成する液晶分子が左ツイストするように配向膜の配向方向が90°ずれるように行った。
次に、配向膜3’−配向膜3間に形成された空隙部の封入孔から液晶(メルク社製:MJ99247)を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞いだ。形成された液晶層2の厚さは、約3μmであった。
その後、液晶パネル用対向基板12の外表面側と、TFT基板9の外表面側とに、それぞれ、偏光膜4’、偏光膜4を接合することにより、図2に示すような構造のTFT液晶パネル100を製造した。偏光膜としては、ポリビニルアルコール(PVA)で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いた。なお、偏光膜4、偏光膜4’の接合方向は、それぞれ、配向膜3、配向膜3’の配向方向に基づき決定した。すなわち、電圧印加時には入射光が透過せず、電圧無印加時には入射光が透過するように、偏光膜4、偏光膜4’を接合した。
3.評価
3−1.絶縁破壊耐性評価
各実施例および各比較例で得られたTFT基板について、それぞれ、半導体層9314とゲート電極9351との間に電圧を印加した。次に、電圧をステップワイズに増大させて、各電圧における電流を計測し、リーク電流が発生する電圧、すなわち、絶縁破壊電圧を求めた。
その結果を表1に示す。
Figure 2005158824
なお、TFT基板の絶縁破壊電圧の評価結果は、比較例2のTFT基板の絶縁破壊電圧を「1」とし、各実施例および比較例1のTFT基板の絶縁破壊電圧を、それぞれ相対値で示した。
表1から明らかなように、各実施例(本発明)のTFT基板は、いずれも、各比較例のTFT基板に対して、顕著に高い絶縁破壊耐性を有していた。
これは、各実施例のTFT基板において、本発明の成膜方法により形成された膜が均一な膜厚(正確な形状)で形成されていることを示唆する結果である。
3−2.製品歩留まり評価
次に、各実施例および各比較例において、上記のような方法により製造された液晶パネルの製品歩留まりを求めた。
その結果を表2に示す。
Figure 2005158824
なお、液晶パネルの製品歩留まりの評価結果は、比較例2の製品歩留まりを「1」とし、各実施例および比較例1の製品歩留まりを、それぞれ相対値で示した。
表1から明らかなように、各実施例(本発明)の液晶パネルは、いずれも、各比較例の液晶パネルに対して、製品歩留まりの向上が認められた。
これは、各実施例のTFT基板において、本発明の成膜方法により形成された膜が均一な膜厚(正確な形状)で形成されており、TFT基板の表面に配向膜を形成する際(ラビング処理を施す際)等における、引っ掛かり等による配向膜のはがれ、浮き等の発生が好適に防されていることを示唆する結果である。
なお、各実施例および各比較例について、上記のようにして得られた液晶パネルを用いて、図8に示すような投射型表示装置(液晶プロジェクター)を作製し、各投射型表示装置について、表示される画像の評価を行ったところ、各実施例で作製したTFT基板を備えた投射型表示装置では、ドット抜けや色ムラの発生が確認されなかったのに対し、各比較例で作製したTFT基板を備えた投射型表示装置では、ドット抜けや色ムラの発生がはっきりと認められた。
本発明の膜の成膜方法の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の液晶パネルの好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図2に示す液晶パネルの薄膜トランジスタ付近の拡大断面図である。 薄膜トランジスタの形成方法の好適な実施形態を示す断面図である。 薄膜トランジスタの形成方法の好適な実施形態を示す断面図である。 薄膜トランジスタの形成方法の好適な実施形態を示す断面図である。 薄膜トランジスタの形成方法の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の電子機器(投射型表示装置)の光学系を模式的に示す図である。
符号の説明
100……液晶パネル 2……液晶層 3、3’……配向膜 4、4’……偏光膜 5……基材 6、6A、6B、6C、6D、6E……マスク 61……開口部 7……液状材料 8……膜 8’……半固化物 81’……角部 9……TFT基板 91……ガラス基板 92……画素電極 93……薄膜トランジスタ 9314……半導体層(多結晶シリコン膜) 9314’……アモルファスシリコン膜 9316……ソース領域 9318……ドレイン領域 9320……チャンネル領域 9322……レジスト膜 9326……ゲート絶縁膜 9326’……絶縁材料 9328……第1コンタクトホール 9329……第1コンタクトホール 9332……ゲート電極用トレンチ 9336……レジスト膜 9342……絶縁層 9342’……絶縁材料 9344……第2コンタクトホール 9345……第2コンタクトホール 9346……第2コンタクトホール 9348……レジスト膜 9350……コンタクトプラグ 9351……ゲート電極(第1導電部) 9352……導電部(第2導電部) 9353……コンタクトプラグ 9354……導電部(第2導電部) 9355……コンタクトプラグ 9356……導電部(第2導電部) 9357……導電部用溝(配線溝) 94……下地絶縁膜 11……マイクロレンズ基板 111……マイクロレンズ用凹部付き基板 112……凹部 113……マイクロレンズ 114……表層 115……樹脂層 12……液晶パネル用対向基板 13……ブラックマトリックス 131……開口 14……透明導電膜 300……投射型表示装置 301……光源 302、303……インテグレータレンズ 304、306、309……ミラー 305、307、308……ダイクロイックミラー 310〜314……集光レンズ 320……スクリーン 20……光学ブロック 21……ダイクロイックプリズム 211、212……ダイクロイックミラー面 213〜215……面 216……出射面 22……投射レンズ 23……表示ユニット 24〜26……液晶ライトバルブ

Claims (15)

  1. 基材上に液状材料を用いて、所定パターンの膜を成膜する成膜方法であって、
    前記基材上に設けられたマスクの開口部内に、前記液状材料を供給する第1の工程と、
    前記液状材料に対して第1の熱処理を施して半固化させる第2の工程と、
    前記マスクを除去する第3の工程と、
    半固化した前記液状材料に対して、前記第1の熱処理における温度よりも高い温度で、第2の熱処理を施して、前記基材と反対側の面を平坦化する第4の工程とを有することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記開口部の内面に対する前記液状材料の接触角は、80°以下である請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記第1の熱処理の際の温度をA[℃]とし、前記第2の熱処理の際の温度をB[℃]としたとき、B=A+50〜A+400なる関係を満足する請求項1または2に記載の成膜方法。
  4. 前記第1の熱処理の際の温度は、100〜400℃である請求項1ないし3のいずれかに記載の成膜方法。
  5. 前記第1の熱処理の際の時間は、5〜30分である請求項1ないし4のいずれかに記載の成膜方法。
  6. 前記第1の熱処理の際の雰囲気は、不活性ガス雰囲気である請求項1ないし5のいずれかに記載の成膜方法。
  7. 前記第2の熱処理の際の温度は、150〜600℃である請求項1ないし6のいずれかに記載の成膜方法。
  8. 前記第2の熱処理の際の時間は、5〜30分である請求項1ないし7のいずれかに記載の成膜方法。
  9. 前記第2の熱処理の際の雰囲気は、酸素雰囲気である請求項1ないし8のいずれかに記載の成膜方法。
  10. 前記第4の工程に先立って、半固化した前記液状材料を膨潤させる工程を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の成膜方法。
  11. 前記膨潤は、半固化した前記液状材料を、前記液状材料を調整するのに用いた液体の蒸気に曝すことにより行われる請求項10に記載の成膜方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の成膜方法により成膜されたことを特徴とする膜。
  13. 前記膜は、薄膜トランジスタの絶縁膜である請求項12に記載の膜。
  14. 請求項12または13に記載の膜を備えることを特徴とする電子デバイス。
  15. 請求項14に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
JP2003391460A 2003-11-20 2003-11-20 成膜方法、膜、電子デバイスおよび電子機器 Pending JP2005158824A (ja)

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